JP3820012B2 - アルキレーション装置の反応温度制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルキレートガソリンを製造するアルキレーション装置の反応温度を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキレーション装置は、アルキル化反応によって、高オクタン価のイソパラフィン留分に富み、芳香族やオレフィン留分を含まないアルキレートガソリンを生成する。そして、このアルキレートガソリンは、高オクタン価ガソリンとして使用される。
【0003】
このアルキレーション装置は、図1に示すように、概略、反応塔1,分離槽2及びコンプレッサ3からなっている。このアルキレーション装置では、三つの塔1a,1b,1cからなる反応塔1において、触媒である硫酸を原料に急速かつ激しく接触させて反応させ、その反応物を分離槽2に送っている。
分離槽2では、反応して液化した生成物と未反応ガス(循環炭化水素)を分離し、生成物は次工程へ送り、未反応ガスは再び反応塔1に循環させる。
また、コンプレッサ3は、反応塔1の温度を制御するために、吸入圧力を調整することで分離槽2の冷媒(生成物)の温度調整を行なう。
【0004】
ここで、反応塔1における反応温度は、原料(オレフィン)の供給量とコンプレッサ3の吸入圧力によって決定される。すなわち、原料の供給量によって発生する反応熱が決まり、供給量が増加するにつれて反応熱も増加し反応温度も増加する。この反応温度の制御は、反応塔1の三つの塔ごとに行なうことができないので、反応塔全体の平均温度を目安にして行なっている。
また、コンプレッサ3の吸入圧力が低いほど反応塔1の内部(バンドチューブ)における反応生成物の蒸発が多くなり、さらに、分離槽2の冷媒温度が低くなるため、冷却が促進されて反応温度は低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような性質を有するアルキレーション装置の反応温度制御系は、遅れ時間が大きくかつ制約が多いため、反応温度を変化させると他の温度制約に影響を与え操作頻度が極端に増加することから、通常のPID制御や単一の上位計算機制御では対応することができなかった。
そのため、反応温度を常時制御するような方法は不可能であり、制御の自動化、省力化及びアルキレートガソリンの高オクタン価を図ることは困難とされていた。
【0006】
本発明は、上記事情にかんがみなされたもので、現在まで不可能とされていたアルキレーション装置における最適反応温度制御の自動化と、アルキレートガソリンの高オクタン価の向上を可能とした最適反応温度制御方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、従来PID制御を行っていた部分はそのままPID制御で行ない、監視及び操作のポイントが多く熟練オペレータでも難しい部分の制御に予測モデル制御を用いることによってアルキレーション装置の反応温度制御を自動的に行なうようにしている。
【0008】
具体的には、請求項1の発明は、反応塔と、分離槽及びコンプレッサを有するアルキレーション装置において、
前記反応塔温度制御に関する予測モデル
A=f(B,ΔB,C,ΔC,t)
ここで、A:従属変数(反応温度)
B:操作変数(コンプレッサ吸入圧力)
ΔB:操作変数の変化量
C:外乱変数(原料流量、原料中のオレフィン量、等)
ΔC:外乱変数の変化量
t:時間
を、過去の運転データの操作変数及び外乱変数をステップ状に変化させ、従属変数との関係を時系列モデルとする多数変数解析によって作成し、
この予測モデルにもとづいてコンプレッサの吸入圧力を調整することにより反応塔における最適反応温度を探索し、この探索した最適反応温度で反応を行なわせる方法としてある。
これにより、反応塔における反応温度を常時最適状態とすることが可能となり、アルキレートガソリンのオクタン価を向上させることができる。
予測モデルの作成は、開発効率を上げる観点からすると運転データの操作変数及び外乱変数をステップ状に変化させ、従属変数との関係を時系列モデルとする多数変数解析によって作成することが望ましい。
また、コンプレッサの吸入圧力を制御するのに制約周期ごとに線形計画法により探索した最適反応温度の情報を加味することが望ましい。
【0009】
また、本発明は、原料中のオレフィン量をフィードフォワード変数として監視し、
予測モデルに含まれる
f(C,ΔC,t)
により、原料中のオレフィン量の変化を外乱としてとらえ、この外乱をフィードフォワード的に予測するようにすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、実施形態の概要について説明する。
図1に示す反応塔1の温度を決定しているのは、調節バルブ31によって調節されるコンプレッサ3の吸入圧力である。反応塔1における反応温度が低いほどガソリンのオクタン価が向上するが、反応温度を下げすぎると、分離槽2の出口温度が下がりすぎてコンプレッサ3の出口側配管を損傷するため、分離槽2の圧力を一定圧力以下(たとえば、0.05kg/cm2 )、また分離槽2の出口温度を一定温度以下(たとえば−10℃以下)に下げることはできないといった制約がある。
【0011】
また、原料中のオレフィン量が変化すると反応塔1における反応温度が変わるため、原料中のオレフィン量をフィードフォワード変数として監視する必要がある。
そこで、予測モデル設定部100は、原料中のオレフィン量の変化を外乱としてとらえ、この外乱をフィードフォワード的に予測する外乱予測部としても機能する。
【0012】
図2は図1における制御系をまとめてブロック図で示したものである。
同図において、制御部111は予測モデル設定部100からの出力値と、フィードバックされた反応塔1における反応温度との差にもとづいてコンプレッサ3の吸入側(入口側)に配置した調節バルブ(操作部)31の開度をPID制御する。
【0013】
図3は予測モデル設定部100の詳細なブロック図を示したものである。
同図に示す予測モデル設定部100は、運転データ集積部101と、予測モデルを作成する予測モデル作成部102と、操作変数決定部103と、操作変数出力部104と、制約条件(目標条件)入力部105と、目標値探知部106、及び運転データ入力部107とからなっている。
【0014】
ここで、運転データ集積部101は、アルキレーション装置における反応温度、分離槽出口温度、コンプレッサ吸入圧力、原料流量、原料中のオレフィン量等の過去の運転データを記憶集積している。
予測モデル作成部102は、過去の集積してある運転データにもとづいて動的モデルを作成するもので、具体的には、コンプレッサの圧力を調整して反応塔における反応温度が制約範囲内で最適温度となるように制御するための予測モデルを、多変数解析により作成する。
すなわち、運転データのうち独立変数(操作変数、外乱変数)をステップ状に変化させ、従属変数との関係を時系列モデルとし、次のようなモデルを作成する。
【0015】
【数1】
A=f(B,ΔB,C,ΔC,t)
【0016】
ここで、
A:従属変数(反応温度)
B:操作変数(コンプレッサ吸入圧力)
ΔB:操作変数の変化量
C:外乱変数(原料流量、原料中のオレフィン量、等)
ΔC:外乱変数の変化量
t:時間
【0017】
また、予測モデル作成部102は、上記モデル式に含まれる
f(C,ΔC,t)により、
外乱をステップ状に変化させた際の従属変数との関係を時系列モデルとして持つことで、フィードフォワード的に外乱予測を行なう。
【0018】
操作変数決定部103は、予測モデルにより現状運転データの操作変数を変更して、制約条件内で目標(条件)に最も適合した運転条件を決定する。
すなわち、操作変数の上下限値、制御変数の上下限値、操作変数の変更幅、目的関数(目標条件)等を条件に線形計画法を利用して最適解を求める。
このように、現状の運転状態に対し最適化するように変更して算出した操作変数は、操作変数出力部104を通して制御部111に出力される。
なお、操作変数出力部104は操作変数の微少変化をプロセス側の制御部が受け付けないときは、積算プログラムにより複数回の微少出力を積算して制御部が受け付ける出力とする。
【0019】
制約条件、目標条件入力部105には、制約条件として
▲1▼反応温度の上下限値
▲2▼分離槽出口温度の上下限値
▲3▼調節バルブ開度の上下限値
▲4▼調節バルブの圧力操作幅等が、
また目標条件として
▲1▼現状反応温度
▲2▼現状コンプレッサ吸入圧力
▲3▼上記制約範囲内で反応温度が最小となるコンプレッサ吸入圧力変化値を予測モデルにより逆算して求めた目的関数
等が入力される。
【0020】
目標探知部106では、制約条件入力部105からの制約条件を監視し、制御周期ごとに線形計画法により、制約にかかっていない場合には目標の反応温度を下げながら最適反応温度を探索し、制約範囲内での最適反応温度を確保する。
【0021】
また、運転データ入力部107は、反応塔1における反応温度、コンプレッサ3の吸入圧力、分離槽2の出口温度、原料の流量、原料のオレフィン量等の各種運転データを入力する。
【0022】
上記のように、予測モデル設定部100及び制御部111からなる制御系では反応塔1における反応温度を検知し、反応温度特性に与える影響を予測モデルで予測してコンプレッサ3の吸入圧力の調整を行なう。
その結果、アルキレーション装置の反応塔1における反応温度を自動的に最適制御することができ、高オクタン価のアルキレートガソリンを容易に得ることが可能となった。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、反応温度の変動を小さくすることにより、常に最適反応温度にすることが可能となって、アルキレートガソリンのオクタン価を向上させることができるので高品質のアルキレートガソリンの増産が可能となった。また、外乱に対しても自動的に運転状態を制御するので、運転の自動化と省力化を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法を実施するための概略装置構成図を示す。
【図2】本発明の制御方法を実施するための制御系ブロック図を示す。
【図3】図2における予測モデル設定部の詳細ブロック図を示す。

Claims (2)

  1. 反応塔と、分離槽及びコンプレッサを有するアルキレーション装置において、
    前記反応塔温度制御に関する予測モデル
    A=f(B,ΔB,C,ΔC,t)
    ここで、A:従属変数(反応温度)
    B:操作変数(コンプレッサ吸入圧力)
    ΔB:操作変数の変化量
    C:外乱変数(原料流量、原料中のオレフィン量、等)
    ΔC:外乱変数の変化量
    t:時間
    を、過去の運転データの操作変数及び外乱変数をステップ状に変化させ、従属変数との関係を時系列モデルとする多数変数解析によって作成し、
    この予測モデルにもとづいてコンプレッサの吸入圧力を調整することにより反応塔における最適反応温度を探索し、
    この探索した最適反応温度で反応を行なわせることを特徴としたアルキレーション装置の反応温度制御方法。
  2. 原料中のオレフィン量をフィードフォワード変数として監視し、
    予測モデルに含まれる
    f(C,ΔC,t)
    により、原料中のオレフィン量の変化を外乱としてとらえ、この外乱をフィードフォワード的に予測する請求項1記載のアルキレーション装置の反応温度制御方法。
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