JP3818401B2 - 光学センサのシミュレーション方法およびシミュレーション装置 - Google Patents
光学センサのシミュレーション方法およびシミュレーション装置 Download PDFInfo
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【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導ミサイル等の移動体に搭載する光学センサの性能評価などに利用される光学センサのシミュレーション方法および光学センサのシミュレーション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学センサの性能評価、あるいは光学センサを搭載したミサイルの攻撃に対する防御手段の性能評価を行うには、実環境において実物の光学センサさらには実物の移動体を用いるのが最も確実である。ところが、この種の光学センサは、運用される環境が特異であり、現実には様々な面での制約を受けることから、全て実物を用いて評価を行うことは困難である。
【0003】
そこで、シミュレーションによる性能評価を行うことになるが、従来では、光学センサの目標を含む環境をモデル化してコンピュータに入力し、そのモデル化した環境において光学センサの目標認識処理を行うことにより、光学センサの性能評価を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の光学センサのシミュレーションでは、実環境をモデル化するのに多大な時間や労力かかると共に、実環境と同等の現実性を得ることが難しいという問題があり、このような問題を解決することが課題であった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、実環境において精度の高い模擬運用を行うことができる光学センサのシミュレーション方法およびシミュレーション装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる光学センサのシミュレーション方法は、請求項1として、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション方法であって、撮像手段,画像処理手段,制御手段を搭載した航空機を移動体の想定速度Vmよりも小さい速度Vaで距離Rの目標に接近させ、画像処理手段では、目標に接近しながら撮像手段で取得した目標を含む画像をデジタル画像に変換すると共に、このデジタル画像において、光学センサの視野角をθmとして、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、k=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θmで求められる係数k倍で目標を拡大するアフィン変換を行い、続いて、制御手段において、画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う構成とし、請求項2として、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション方法であって、撮像手段,画像処理手段,制御手段を搭載した航空機を移動体の想定速度Vmよりも小さい速度Vaで距離Rの目標に接近させ、画像処理手段では、目標に接近しながら撮像手段で取得した目標を含む画像をデジタル画像に変換すると共に、光学センサの視野角をθmとして、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、k=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θmで求められる係数kで光学センサの視野角θmを除して得る倍率でデジタル画像に対する光学センサの視野角を小さくする変換を行い、続いて、制御手段において、画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う構成とし、請求項3として、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション方法であって、撮像手段,画像処理手段,制御手段を搭載した航空機を移動体の想定速度よりも小さい速度で目標に接近させ、画像処理手段では、画角変換信号を出力して撮像手段に設けたズーム機構を動作させて、一定の時間が経過した時点における航空機の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、目標を大きくする変換を行い、続いて、制御手段において、画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0007】
なお、請求項1〜3の光学センサのシミュレーション方法において、目標に向かって接近しながら目標を含む画像を撮像するにあたっては、航空機が用いることができる。また、請求項1〜3の光学センサのシミュレーション方法では、例えば、接近速度よりも想定速度が小さい場合であってもシミュレーションは可能であるが、実際には、目標に対する接近速度は零に近くし得るので、目標に対する接近速度よりも移動体の想定速度が大である場合に用いることが望ましい。
【0008】
本発明に係わる光学センサのシミュレーション装置は、請求項4として、航空機に搭載されて、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション装置であって、距離Rの目標に接近しながら目標を含む画像を撮像可能な撮像手段と、撮像手段で撮像した画像をデジタル画像に変換すると共に、このデジタル画像において、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、光学センサの視野角をθmとしてk=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θmで求められる係数k倍で目標を拡大するアフィン変換を行う画像処理手段と、この画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う制御手段を備えた構成とし、請求項5として、航空機に搭載されて、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション装置であって、距離Rの目標に接近しながら目標を含む画像を撮像可能な撮像手段と、撮像手段で撮像した画像をデジタル画像に変換すると共に、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、光学センサの視野角をθmとしてk=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θmで求められる係数kで光学センサの視野角θmを除して得る倍率でデジタル画像に対する光学センサの視野角を小さくする変換を行う画像処理手段と、この画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う制御手段を備えた構成とし、請求項6として、航空機に搭載されて、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション装置であって、目標に接近しながら目標を含む画像を撮像可能な撮像手段と、画角変換信号を出力して撮像手段に設けたズーム機構を動作させて、一定の時間が経過した時点における航空機の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、目標を大きくする変換を行う画像処理手段と、この画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う制御手段を備えた構成とし、請求項7として、撮像手段が、航空機の外部に着脱可能なポッドの先端内部に搭載してある構成としており、上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0009】
なお、請求項4〜6の光学センサのシミュレーション装置にあっても、航空機を用いればその速度を零に近くし得るので、当該装置を搭載した航空機よりも高速の移動体における光学センサのシミュレーションに用いることが望ましい。
【0010】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる光学センサのシミュレーション方法では、目標に向かって接近しながら目標を含む画像を撮像手段で撮像し、一定の時間が経過した時点における撮像手段の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、デジタル画像においてアフィン変換により画像を拡大する画角変換を行うので、画角変換された画像は移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像になり、その画角変換された画像に対して光学センサの目標認識処理を行うので、実質的に実環境における光学センサの模擬運用が成されることとなる。
【0011】
本発明の請求項2に係わる光学センサのシミュレーション方法では、目標に対する撮像手段の接近速度よりも移動体の想定速度が大であって、一定の時間が経過した時点における撮像手段の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、デジタル画像に対する光学センサの視野角を小さくする画角変換を行うので、移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像になる。
【0012】
本発明の請求項3に係わる光学センサのシミュレーション方法では、目標を含む画像を撮像する撮像手段が同目標に対して接近しており、一定の時間が経過した時点における撮像手段の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、画像処理手段から撮像手段に設けたズーム機構に画角変換信号を出力して目標を大きくする画角変換を行うので、移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像になる。
【0013】
本発明の請求項4及び5に係わる光学センサのシミュレーション装置では、当該装置を航空機に搭載して、目標に向かって接近しながら撮像手段により目標を含む画像を撮像し、画像処理手段により一定の時間が経過した時点における航空機の進み分と移動体の進み分との差に基づいて撮像画像の画角変換を行うので、画角変換された画像は移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像になり、その画角変換された画像に対して制御手段により光学センサの目標認識処理を行うので、実質的に実環境における光学センサの模擬運用が成されることとなる。
【0014】
本発明の請求項6に係わる光学センサのシミュレーション装置では、当該装置を航空機に搭載して、目標に向かって接近しながら撮像手段により目標を含む画像を撮像し、一定の時間が経過した時点における航空機の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、画像処理手段から撮像手段に設けたズーム機構に画角変換信号を出力して目標を大きくする画角変換を行うので、画角変換された画像は移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像になり、その画角変換された画像に対して制御手段により光学センサの目標認識処理を行うので、実質的に実環境における光学センサの模擬運用が成されることとなる。
【0015】
本発明の請求項7に係わる光学センサのシミュレーション装置では、航空機の翼下などにポッドを装着し、航空機を目標に向けて飛行させながら、ポッドの先端内部に搭載した撮像手段により目標を含む画像を撮像する。この場合、画像処理手段や制御手段は機内に搭載され、機内においてリアルタイムでのシミュレーションが行われる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の請求項1及び2に係わる光学センサのシミュレーション方法によれば、移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像が得られることから、実環境においてきわめて精度の高い光学センサの模擬運用を行うことができ、実環境をモデル化する従来の方式に比べて時間や労力を大幅に軽減することができると共に、信頼性の高い光学センサの性能評価を行うことができる。また、移動体側の光学センサの性能評価だけではなく、光学センサに対する目標側の応答手段の性能評価なども精度良く行うことができる。
【0017】
加えて、本発明の請求項1及び2に係わる光学センサのシミュレーション方法によれば、デジタル画像において画角変換を行うので、連続する撮像画像に対してこれを高速で画像処理することが可能であり、また、移動体の想定速度などの条件を変更する場合にもきわめて容易に対処することができる。
【0018】
本発明の請求項3に係わる光学センサのシミュレーション方法によれば、撮像手段におけるズーム機構により画像変換を行うことから、請求項1と同様に、撮像している画像そのものを移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像にすることができ、その画像において直接的に目標認識処理を行うこととなるので、より精度の高い模擬運用を行うことができる。また、機械的なズーム機構は構造が簡単であるとともに制御も容易である。
【0019】
本発明の請求項4〜6に係わる光学センサのシミュレーション装置によれば、実環境において、画像処理手段により、移動体がそれ自体の速度で目標に接近する状態と同等の画像が得られると共に、制御手段により、高精度の光学センサの模擬運用を行うことができ、実環境をモデル化する従来の方式に比べて時間や労力を大幅に軽減することができると共に、信頼性の高い光学センサの性能評価を行うことができる。また、移動体側の光学センサの性能評価だけではなく、光学センサに対する目標側の応答手段の性能評価なども精度良く行うことができる。
【0020】
本発明の請求項7に係わる光学センサのシミュレーション装置によれば、撮像手段を航空機の外部に着脱可能なポッドに搭載したことから、撮像手段を航空機の翼下のパイロンなどに容易に備え付けることができ、航空機側の改造もほとんど必要とせず、且つ航空機の運行に何ら支障を及ぼすことなくシミュレーションを行うことができる。また、機内に搭載した画像処理手段や制御手段により、機内においてリアルタイムでのシミュレーションを行うことができる。
【0021】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明に係わる光学センサのシミュレーション方法およびシミュレーション装置の一実施例を説明する。この実施例では、図3に示すように、艦船である目標Tに対して、航空機Aから発射される赤外線誘導型のミサイルMに搭載した目標検知用光学センサのシミュレーションを示している。つまり、光学センサにより目標Tを検知しながら同目標Tに接近する移動体はミサイルMであり、その飛翔速度は航空機Aよりも高速である。また、目標Tにおいては、欺瞞用の赤外線デコイ弾Dが発射される。
【0022】
図2は光学センサのシミュレーション装置の全体を示すブロック図である。シミュレーション装置は、航空機Aに搭載してあって、機体B内に搭載されるものと、航空機Aの外部に着脱可能なポッドPに搭載されるものに分かれている。この実施例では2つのポッドP,Pを備えており、各ポッドPは例えば航空機Aの両翼の下部のパイロンに装着される。
【0023】
ポッドPの先端内部には、目標を含む画像を撮像するための撮像手段である赤外線カメラ1が搭載してある。この赤外線カメラ1は、ジンバル機構2により回動自在に保持してある。ジンバル機構2は、その回動状態を検出するジンバルセンサ3を備えると共に、トルカ4により駆動可能であって、ジンバルセンサ3からの検出信号はジンバルコントローラ5を介してトルカ4にフィードバックされる。
【0024】
また、ポッドP内には、赤外線カメラ1の制御部である電子機器6および画像記録器7などが収容してある。なお、この実施例では左右のポッドP,Pにおいて、使用周波数帯の異なる赤外線カメラ1,1を搭載しており、一方の赤外線カメラ1の使用周波数帯は3〜5μmであり、他方の赤外線カメラ1の使用周波数帯は8〜12μmである。
【0025】
機体B内には、撮像手段である赤外線カメラ1により撮像した画像を航空機Aの速度とミサイルMの想定速度との差に基づいて画角変換する画像処理手段としての画像処理装置8と、画角変換した画像に対して光学センサの目標認識処理を行う制御手段としてのコンピュータ9を備えている。
【0026】
画像処理装置8には、ポッドP内の赤外線カメラ用の電子機器6から第1スイッチ21を介して、赤外線カメラ1で撮像した画像が入力される。第1スイッチS1は、左右のポッドP,Pの電子機器6,6からの入力を選択するスイッチである。画像処理装置8で画角変換した画像は、コンピュータ9のほかにモニタ10にも入力される。なお、モニタ10には、赤外線カメラ1で撮像した画像も入力される。コンピュータ9には、GPS11および慣性センサ12より、当該航空機Aの位置、機種方位および速度などが入力されると共に、キーボード13の操作により、模擬運用を行おうとするミサイルMおよび光学センサの条件などが入力される。
【0027】
コンピュータ9で行った目標認識処理のデータは、光学センサ画像記録装置14に入力されると共に、各ポッドP内の画像記録器7にも入力され、さらに、第2および第3のスイッチ22,23を介して、各ポッドP内のジンバルコントローラ5に入力される。これにより、誘導ミサイルのシーカーの動作と同様に、目標認識処理のデータに基づいて赤外線カメラ1を回動させる。
【0028】
なお、第2および第3のスイッチ22,23は、各ジンバルコントローラ5に対して、コンピュータ9からの目標認識処理のデータの入力と、各ポッドPに対応する手動ジンバルコントローラ15,16からの入力とを切換えるスイッチである。このほか、機体B内には、各ポッドP内の赤外線カメラ1の調整を行うために、電子機器6に接続される赤外線カメラコントローラ17が設けてある。
【0029】
上記構成を備えた装置を用いて光学センサのシミュレーションを行うには、航空機Aを所定の高度および速度で飛行させ、目標Tの方位および距離を測定し、図1に示すように、ステップS1において初期条件を設定する。初期条件においては、ミサイルの機種および光学センサなどのミサイル条件や、目標Tに対する初期方位、距離および速度などの攻撃条件を設定する。この設定は、先に述べたキーボード13の操作によりコンピュータ9に入力される。
【0030】
なお、目標Tの方位および距離の測定は、艦船である目標T側において、図1に示すステップS101において、タカン(TACAN:戦術航行方式)をオンにし、ステップS102において航空機Aまでの距離および方位を送信し、その信号を航空機A側で受信することにより行う。また、目標Tでは、送信後、ステップS103においてタカンをオフにし、ステップS104において訓練スターととなる。
【0031】
次に、当該シミュレーションでは、航空機A側でステップS2においてシミュレーションスタートとなり、目標Tに向かって接近しながら赤外線カメラ1で目標Tを含む画像の撮像を開始し、ステップS3においてミサイルMの運動を計算する一方で、ステップS4において赤外線カメラ1からの画像を入力し、ステップS5において、目標Tに対する航空機Aの接近速度とミサイルMの想定速度との差に基づいて画像処理装置8で画角変換を行う。
【0032】
ここで、図3に示すように、航空機Aが目標Tに対して距離Rから接近している状態において、想定されたミサイルMの速度Vmは航空機Aの速度Vaよりも大きく、一定の時間tが経過した時点では、航空機AはVat分進み、ミサイルMはこれよりも大であるVmt分進むことになる。つまり、航空機Aから撮像している目標Tは接近するにつれて画像の中で拡大されていくが、その画像に基づいて航空機Aよりも高速であるミサイルMから見た状態の画像を得るには、航空機Aの接近速度とミサイルMの想定速度との差に基づいて、画像中で目標Tが拡大されていく度合いを増大させる必要がある。
【0033】
画像処理装置8における画角変換には、第1の方法として、撮像した画像をデジタル画像に変換して、そのデジタル画像においてアフィン変換により画像を拡大する方法がある。これは拡大する係数をk、光学センサの視野角をθmとして次式で求められる。
【0034】
k=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θm
つまり、赤外線カメラ1で撮像した画像をデジタル画像に変換し、目標Tをk倍で拡大することにより、ミサイルMがそれ自体の速度で目標Tに接近する状態と同等の画像にすることができる。なお、このような画角変換は、連続的入力される撮像画像に対して同じく連続的に行われる。
【0035】
また、画角変換の第2の方法としては、θm/k倍でデジタル画像に対する視野角を小さくしていくことにより、実質的に目標Tを拡大し、ミサイルMがそれ自体の速度で目標Tに接近する状態と同等の画像にすることができる。
【0036】
上記のように画像処理装置8で画像の画角変換を行ったのちには、ステップS6においてコンピュータ9で光学センサ視野内の赤外線強度重心計算、つまり目標認識処理を行う。これにより、画角変換された画像に対して光学センサがどの様に反応しているかが把握される。また、目標T側では、ステップS105において光学センサに対する欺瞞用の赤外線デコイ弾を発射する。
【0037】
上記ステップS6(コンピュータ9)で得られたデータは、ステップS3のミサイル運動計算にフィードバックされると共に、ジンバルコントローラ5に送ることによって姿勢制御用のデータなどに用いられ、さらに、ステップS7において光学センサ画像のパラメータを算出する。この結果は、ステップS8における訓練装置表示画面に送ることもできる。
【0038】
そして、当該シミュレーションでは、ステップS9において目標Tまでの距離を判断し、接近中であって距離が零ではない場合(No)には、ステップS3に戻って上記の処理を繰り返し行い、目標Tに到達して距離が零になった場合(Yes)には、ステップS10において最終ミスディスタンス(目標Tとの距離誤差)を算出し、その結果を目標T側に通知(ステップS106)し、シミュレーションを終了(ステップS11)する。
【0039】
このように、上記実施例で説明した光学センサのシミュレーション方法およびシミュレーション装置では、航空機Aの機内においてリアルタイムでのシミュレーションが行われることとなり、目標Tに向かって接近しながら目標Tを含む画像を撮像し、その接近速度とミサイルMの想定速度との差に基づいて画像の画角変換を行うので、画角変換された画像はミサイルMがそれ自体の速度で目標Tに接近する状態と同等の画像になり、その画角変換された画像対して光学センサの目標認識処理を行うので、実質的に実環境における光学センサの模擬運用が成されることとなる。
【0040】
また、上記実施例では、デジタル画像において画角変換を行ったが、本発明の請求項3に係わる光学センサのシミュレーション方法として、画角変換を、目標Tを含む画像を撮像する撮像手段におけるズーム機構によって行う方法もあり、この場合には、図2中に点線で示すように、画像処理装置(画像処理手段)8からの画角変換信号により、撮像手段である赤外線カメラ1のズーム機構Zを駆動する。このズーム機構としては、モータ等によって内蔵したレンズ間の間隔を変化させるようにした機械的な機構を採用し得る。
【0041】
上記の方法によれば、赤外線カメラ1で撮像している画像そのものを、ミサイル(移動体)Mがそれ自体の速度で目標Tに接近する状態と同等の画像にすることができ、その画像において直接的に目標認識処理を行うこととなるので、より精度の高い模擬運用が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光学センサのシミュレーション方法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明に係わる光学センサのシミュレーション装置の一実施例を説明するブロック図である。
【図3】航空機と移動体の速度差および目標との位置関係を説明する図である。
【符号の説明】
A 航空機
M ミサイル(移動体)
P ポッド
T 目標
Z ズーム機構
1 赤外線カメラ(撮像手段)
8 画像処理装置(画像処理手段)
9 コンピュータ(制御手段)
Claims (7)
- 光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション方法であって、撮像手段,画像処理手段,制御手段を搭載した航空機を移動体の想定速度Vmよりも小さい速度Vaで距離Rの目標に接近させ、画像処理手段では、目標に接近しながら撮像手段で取得した目標を含む画像をデジタル画像に変換すると共に、このデジタル画像において、光学センサの視野角をθmとして、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、
k=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θm
で求められる係数k倍で目標を拡大するアフィン変換を行い、続いて、制御手段において、画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行うことを特徴とする光学センサのシミュレーション方法。 - 光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション方法であって、撮像手段,画像処理手段,制御手段を搭載した航空機を移動体の想定速度Vmよりも小さい速度Vaで距離Rの目標に接近させ、画像処理手段では、目標に接近しながら撮像手段で取得した目標を含む画像をデジタル画像に変換すると共に、光学センサの視野角をθmとして、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、
k=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θm
で求められる係数kで光学センサの視野角θmを除して得る倍率でデジタル画像に対する光学センサの視野角を小さくする変換を行い、続いて、制御手段において、画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行うことを特徴とする光学センサのシミュレーション方法。 - 光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション方法であって、撮像手段,画像処理手段,制御手段を搭載した航空機を移動体の想定速度よりも小さい速度で目標に接近させ、画像処理手段では、画角変換信号を出力して撮像手段に設けたズーム機構を動作させて、一定の時間が経過した時点における航空機の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、目標を大きくする変換を行い、続いて、制御手段において、画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行うことを特徴とする光学センサのシミュレーション方法。
- 航空機に搭載されて、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション装置であって、
距離Rの目標に接近しながら目標を含む画像を撮像可能な撮像手段と、
撮像手段で撮像した画像をデジタル画像に変換すると共に、このデジタル画像において、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、光学センサの視野角をθmとして
k=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θm
で求められる係数k倍で目標を拡大するアフィン変換を行う画像処理手段と、
この画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う制御手段を備えたことを特徴とする光学センサのシミュレーション装置。 - 航空機に搭載されて、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション装置であって、
距離Rの目標に接近しながら目標を含む画像を撮像可能な撮像手段と、
撮像手段で撮像した画像をデジタル画像に変換すると共に、一定の時間tが経過した時点における航空機の進み分Vatと移動体の進み分Vmtとの差に基づいて、光学センサの視野角をθmとして
k=tan−1{(R−Vmt/R−Vat)tanθ}/θm
で求められる係数kで光学センサの視野角θmを除して得る倍率でデジタル画像に対する光学センサの視野角を小さくする変換を行う画像処理手段と、
この画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う制御手段を備えたことを特徴とする光学センサのシミュレーション装置。 - 航空機に搭載されて、光学センサにより目標を検知しながら同目標に接近する移動体における光学センサのシミュレーション装置であって、
目標に接近しながら目標を含む画像を撮像可能な撮像手段と、
画角変換信号を出力して撮像手段に設けたズーム機構を動作させて、一定の時間が経過した時点における航空機の進み分と移動体の進み分との差に基づいて、目標を大きくする変換を行う画像処理手段と、
この画像処理手段による画角変換で得た画像に対して、光学センサ視野内の目標認識処理としての赤外線強度重心計算を行う制御手段を備えたことを特徴とする光学センサのシミュレーション装置。 - 撮像手段が、航空機の外部に着脱可能なポッドの先端内部に搭載してある請求項4〜6のいずれか一つの項に記載の光学センサのシミュレーション装置。
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