JP3816148B2 - Method for producing hydrofluorocarbons - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒などとして有用な1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CF3−CH2F、以下、「HFC−134a」と記す)とペンタフルオロエタン(CF3−CHF2、以下、「HFC−125」と記す)とを同時に効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年になって、クロロフルオロカーボン類(CFC)による成層圏のオゾン層破壊が深刻な問題として提起され、その使用が国際的に禁止されるに至った。更に、クロロジフルオロメタン(CHClF2、通称「HCFC−22」)などのハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)も、クロロフルオロカーボン類に比べればオゾン破壊係数は小さいものの、使用量が増大すればオゾン層を破壊する可能性も高まることから、その生産及び使用が規制の対象とされている。このため、オゾン層に影響を及ぼすことなくHCFC−22使用の空調装置などにそのまま置換して使用できる代替品の開発が国際的に強く求められている。
【0003】
ハイドロフルオロカーボン類(HFC)は、オゾン破壊係数がゼロであり、規制の対象とされていない。そこでこれらの化合物の中から、HCFC−22の代替品を見いだすことが望まれているが、単一成分では対応が困難であり、複数成分の混合物でこの要望に対応する検討が進められている。この内の有望な成分として、HFC−134aとHFC−125とが挙げられている。
【0004】
一般に、HFC−134aは、トリクロロエチレン(CHCl=CCl2、以下、「TCE」と記す)とHFとから、二段気相反応によって製造される。すなわち、先ず第一反応器で、下記の式1に示すように、TCEとHFとを反応させて中間体である1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタン(CF3−CH2Cl、以下、「HCFC−133a」と記す)を含む中間生成物を生成させ、次いで第二反応器で、下記の式2に示すように、HCFC−133aとHFとを反応させて目的物であるHFC−134aを含む生成物を得ている。
【0005】
式1: CHCl=CCl2 + 3HF → CF3−CH2Cl + 2HCl
式2: CF3−CH2Cl + HF → CF3−CH2F + HCl
【0006】
一方、HFC−125は、テトラクロロエチレン(CCl2=CCl2、以下、「PCE」と記す)とHFとから、二段気相反応によって製造される。すなわち、先ず第一反応器で、下記の式3,式4に示すように、PCEとHFとを反応させて、中間体である1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(CHCl2−CF3、以下、「HCFC−123」と記す)および/または1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CHClF−CF3、以下、「HCFC−124」と記す)に富む中間生成物を生成させ、次いで第二反応器で、式5,式6に示すように、それぞれの中間体をHFと反応させて、目的物であるHFC−125を含む生成物を得ている。
【0007】
式3: CCl2=CCl2 + 3HF → CHCl2−CF3 + 2HCl
式4: CCl2=CCl2 + 4HF → CHClF−CF3 + 3HCl
式5: CHCl2−CF3 + 2HF → CF3−CHF2 + 2HCl
式6: CHClF−CF3 + HF → CF3−CHF2 + HCl
【0008】
これらの内、HFC−134aの製造方法に関しては米国特許第5276223号など、HFC−125の製造方法に関しては特開平6−247883号公報などが知られている。
【0009】
また、2種以上のハイドロフルオロカーボン類を同時に製造する方法も提案されている。例えば、WO95/15937号には、HCFC−133aをHFと反応させてHFC−134aを生成させ、このHFC−134aの存在下に塩化メチレンおよびTCEをHFと反応させる方法が記載されている。特表平7−507787号公報には、例えばTCEとHFとを反応させてHCFC−133a(CF3−CH2Cl)を生成させ、次いでこのHCFC−133aとHFとを反応させてHFC−134aを生成させる工程中に、例えばHCFC−123(CHCl2−CF3)および/またはHCFC−124(CHClF−CF3)を添加することによってHFC−134aとともにHFC−125を生成させる方法が記載されている。また、特開平8−27046号公報には、例えば、第一反応器でHCFC−133aとHCFC−123とHFとを反応させ、この生成物にPCEを混合して第二反応器に供給し、第一反応器とは異なる反応条件で反応させることによって、HFC−134aとHFC−125とを含む生成物を得ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記のいずれの方法によっても、汎用的な素材であるTCEとPCEとを用いて、HFC−134aとHFC−125とを同時に製造することはできなかった。その理由は、前記の式1〜式6で示す反応の条件が、それぞれ大きく異なることに由来する。すなわち、
HFC−134aの製造に関して、好ましい反応条件の例を示せば、
式1で示す第一反応は、圧力0.4MPa、温度250℃、HF/TCEのモル比10の条件下で進行する。
式2で示す第二反応は、圧力0.4MPa、温度350℃、HF/HCFC−133aのモル比6の条件下で進行する。
【0011】
一方、HFC−125の製造に関して、好ましい反応条件の例を示せば、
式3,式4で示す第一反応は、圧力0.4MPa、温度300℃、HF/PCEのモル比10の条件下で進行する。
式5,式6で示す第二反応は、圧力0.4MPa、温度340℃、HF/HCFC−123のモル比8の条件下で進行する。
従って、TCEとPCEとの混合系を用いて、効率よくHFC−134aとHFC−125とを同時に製造することは困難であった。
【0012】
本発明は前記の課題を解決するためになされたものであり、従ってその目的は、TCEとPCEとの混合系を用い、簡単な装置で効率よくHFC−134aとHFC−125とを同時に製造する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために本発明は、請求項1において、第一反応器で、TCEとPCEとをそれぞれHFと反応させて、中間体であるHCFC−133a、HCFC−123および/またはHCFC−124に富む第一生成物を生成させ、第二反応器で、この第一生成物の一部とHFとを反応させて、HFC−134aとHFC−125とを含む第二生成物を生成させ、これら双方の反応器から得られる生成物を合流して、HFC−134aとHFC−125とを含む合流生成物を得るハイドロフルオロカーボン類の製造方法を提供する。
【0014】
得られた合流生成物からは、以下の二つの分離方法によりHFC−134aとHFC−125とに富む混合物を回収することができる。
第一の分離方法は、合流生成物を第一蒸留塔に供給して蒸留し、塔頂からHFC−134aと、HFC−125と、反応によって副生したHClとを含む第一塔頂留分を溜出させる方法である。この第一塔頂留分は、更に第二蒸留塔に供給して蒸留し、この第二蒸留塔の塔頂からHClを主成分とする留分を溜出させれば、塔底からHFC−134aとHFC−125とに富む混合物を回収することができる。
【0015】
前記おいて、第一蒸留塔の非塔頂留分は、その少なくとも一部を、前記の第一反応器および第二反応器にそれぞれ分別して供給することが好ましい。この際、合流生成物を第一蒸留塔の中段より上部に設けられた供給段に供給し、この供給段より下段に設けられたサイドカット段から、前記中間体に富む成分をガスとして溜出させて第二反応器に供給し、かつTCE、PCEおよびHFに富む第一蒸留塔の塔底液は、第一反応器に供給することが好ましい。
【0016】
合流生成物からHFC−134aとHFC−125とに富む混合物を回収する第二の分離方法は、前記合流生成物を脱酸塔に供給して蒸留し、塔頂から反応によって副生したHClを主成分とする留分を溜出させ、塔底から、HFC−134aとHFC−125とを含む脱酸塔塔底液を回収する方法である。この脱酸塔塔底液を第一蒸留塔に供給して蒸留すれば、塔頂からHFC−134aとHFC−125とに富む混合物を回収することができる。
【0017】
前記おいて、第一蒸留塔の非塔頂留分は、その少なくとも一部を、前記の第一反応器および第二反応器にそれぞれ分別して供給することが好ましい。この際、前記脱酸塔塔底液の少なくとも一部を、第一蒸留塔の中段より上部に設けられた供給段に供給し、この供給段より下段に設けられたサイドカット段から、前記中間体に富む成分をガスとして溜出させて第二反応器に供給し、かつTCE、PCEおよびHFに富む第一蒸留塔の塔底液は、第一反応器に供給することが好ましい。
【0018】
前記の各製造方法において、第一反応器に供給するTCEとPCEとの混合割合は、TCEが70モル%以上とすることが好ましい。また、第一反応器と第二反応器の反応圧力は、いずれも大気圧から0.6MPaの範囲内とすることが好ましい。更に、第一蒸留塔の塔内圧力は、大気圧から2MPaの範囲内とすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例により図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の好ましい一実施例を示している。図1に示す製造工程は、概略、触媒が充填された気相反応装置である第一反応器1、触媒が充填された気相反応装置である第二反応器2、第一蒸留塔3および第二蒸留塔4から構成されている。
【0020】
図1において、まず供給原料であるTCE(12)とPCE(13)とがHF(11)と共に、ライン14から第一反応器1に気相で導入される。第一反応器1では、前記の式1、式3および/または式4に従って、主として中間体のHCFC−133a、HCFC−123および/またはHCFC−124と、反応副生物であるHClとを含む第一生成物(15)が生成する。
【0021】
この第一生成物(15)は、後で詳しく説明するように、第二反応器2において第一生成物の一部とHFとを反応させて得られた、HFC−134aとHFC−125とを含む第二生成物(17)と合流され、HFC−134aとHFC−125とを含む合流生成物(18)として次の分離工程に送られる。
【0022】
実施例1の分離工程においては、前記の合流生成物(18)は、第一蒸留塔3の中段より上部の供給段24に供給される。合流生成物(18)は、第一蒸留塔3で蒸留され、塔頂からはHFC−134aと、HFC−125と、HClとを含む第一塔頂留分(19)が溜出する。
【0023】
この第一塔頂留分(19)は、次に第二蒸留塔4の中間段に供給され蒸留される。この第二蒸留塔4の塔頂からは、HClを主成分とし少量のHFC−125を含む第二塔頂留分(21)が溜出され、塔底からは、目的物であるHFC−134aとHFC−125とに富む混合物(22)が回収される。
【0024】
前記第一蒸留塔3の非塔頂留分は、その少なくとも一部が、第一蒸留塔3の供給段24より下方に設けられたサイドカット段25から、中間体に富むサイドカット(16a)としてガス状で溜出される。このサイドカット(16a)は、供給源から供給されるHF(11)と混合され、ライン16から第二反応器2に供給される。第二反応器2では、前記の式2、式5および/または式6に従う反応によって、主としてHFC−134a、HFC−125およびHClを含む第二生成物(17)が生成する。
【0025】
この第二生成物(17)は、前記のように第一生成物(15)と合流され、合流生成物(18)として前記の分離工程に送られる。従って、この合流生成物(18)は、主として第一反応器1からの中間体HCFC−133a、HCFC−123および/またはHCFC−124と、主として第二反応器からの目的物HFC−134aおよびHFC−125と、副生物HClと、未反応原料HFとを含んだものとなっている。
【0026】
前記第一蒸留塔3の供給段24より下段のサイドカット段25からは、中間体HCFC−133a、HCFC−123および/またはHCFC−124とHFとに富んだサイドカット(16a)が、ガスとして溜出する。サイドカット(16a)は、前記のように、反応好適量の原料HF(11)が追加されてライン16から第二反応器2に供給される。
【0027】
第一蒸留塔3の塔底からは、未反応原料のTCE、PCEおよびHFに富んだ第一塔底液(20)が得られる。この第一塔底液(20)は、反応好適量の原料TCE(12)、PCE(13)およびHF(11)と合流されて、第一反応原料(14)として第一反応器1に循環される。また、例えば図1のライン28で示すように、第一塔底液(20)の組成によっては、その一部を第二反応器2に供給してもよい。
【0028】
以上説明した実施例1の方法によれば、各反応器ごとに生成物の分離工程を設ける必要がなく、これら反応器の生成物が一括して第一蒸留塔3で蒸留され、目的物であるHFC−134aとHFC−125とを含む反応生成物が第一塔頂留分(19)として回収されると共に、残分が、中間体に富むサイドカット(16a)と未反応原料に富む第一塔底液(20)とに分離され、それぞれが第二反応器2および第一反応器1に循環されるので、連続運転における工程条件が安定し、工程管理が容易になり、設備が単純化され、またエネルギー原単位も従来の製法に比して低くなる。
【0029】
図1に示す工程に関わる主要な物質と、その大気圧下における沸点は以下のとうりである。
PCE 121.0℃
TCE 86.6℃
HCFC−123 27.1℃
HF 19.5℃
HCFC−133a 6.1℃
HCFC−124 −12.0℃
HFC−134a −26.5℃
HFC−125 −48.5℃
HCl −84.9℃
【0030】
各反応器からの反応生成物を合わせた合流生成物(18)は、前掲物質の全てを含んでいる。従って、この合流生成物(18)から、効率よく目的物であるHFC−134aとHFC−125とを分離すると共に、残余の未反応物も分離して、中間体は第二反応器に、原料のTCEとPCEは第一反応器に循環させる条件が求められる。この際、HFは第一反応および第二反応のいずれの原料ともなるので、双方に適宜配分して循環されてもよい。
【0031】
本発明者らは、HCFC−133aとHFとの間、HCFC−123とHFとの間、およびHCFC−124とHFとの間に、それぞれ最低共沸関係が存在することを利用して本発明に到達した。これらの最低共沸混合物は、例えば圧力0.408MPaにおいて、以下の混合比と共沸点とを有する。
【0032】
【0033】
従って、第一蒸留塔3の供給段24より下段からこれら、最低共沸混合物(A)(B)(C)の気相を取り出せば、この気相成分は、純度の高いHCFC−133a、HCFC−123およびHCFC−124とHFとの混合物であるから、第二反応原料として好適に使用できるようになる。
【0034】
そこで、第一蒸留塔3を用い、中段より上部の供給段24にガスまたは液体またはガス/液混相として合流生成物(18)を供給して、条件を調節して蒸留すれば、塔頂からは、沸点が十分に低いHFC−134a、HFC−125、およびHClに富む第一塔頂留分(19)を溜出させ、供給段24より下段のサイドカット段25からは、それぞれが第二反応器への供給原料となる前記の(A)共沸混合物の気相成分、(B)共沸混合物の気相成分および/または(C)共沸混合物の気相成分を溜出させ、かつ塔底からは、第一反応器への供給原料となるTCE、PCEおよびHFに富む第一塔底液(20)を取り出すことができる。
【0035】
次に、図1に示した工程を用い、前記実施例1の方法に従った運転例を示す。
(運転例1)
第一反応器1には、HF(11)と[TCE(12)+PCE(13)]とを、HF/[TCE+PCE]のモル比を6として供給した。運転条件は、圧力0.35MPa、温度300℃とした。
第二反応器2には、HF(11)と中間体[HCFC−133a+HCFC−123+HCFC−124]とを、HF/中間体のモル比を4として供給した。運転条件は、圧力0.35MPa、温度320℃とした。
【0036】
第一蒸留塔3は、圧力0.4MPaで運転した。このときの各段部の温度は、
塔頂 約 0℃
サイドカット段 約46℃
塔底 約89℃
であった。
【0037】
合流生成物(18)の流量を100(kg/hr)としたときの、工程各ラインにおけるそれぞれの成分の流量および各成分の重量割合(重量%)を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1の結果から、以下の事実が明かである。
▲1▼第一塔頂留分(19)は、目的物であるHFC−134a、HFC−125とHClとを含んでいる。これを第二蒸留塔で脱HClすることによって、目的物であるHFC−134aとHFC−125とを含み、HClを含まない第二塔底液(22)が得られる。
▲2▼第二塔頂留分(21)はHClが主成分であるが、共沸分のHFC−125が含まれる。
▲3▼サイドカット(16a)は、中間体のHCFC−133a、HCFC−123およびHCFC−124とHFとからなり、第二反応器2の反応原料として好適に使用できる。
▲4▼第一塔底液(20)は、HFが主成分であり、中間体成分をほとんど含まないので、第一反応器1の供給原料として好適に循環できる。
▲5▼以上のように、この実施例によれば、反応器2基、蒸留塔2基を用いることで、効率よく、HFC−134aとHFC−125とを同時に製造することができる。
【0040】
前記において、図1の装置では、共沸混合物(A)、共沸混合物(B)および共沸混合物(C)の気相成分を同一のサイドカット段25から溜出させるようにしたが、蒸留塔内の気液平衡関係を安定させるために必要なら、サイドカット段を2段または3段に分けてもよい。この場合も、それぞれのサイドカット段から溜出したガス成分は、合流して第二反応器2に供給する。
【0041】
第一蒸留塔3の塔頂留分(19)は、反応生成物であるHFC−134aとHFC−125とHClとに富むものであり、これらは第二蒸留塔4で蒸留される。このとき、HFC−134aとHClとは共沸混合物を形成しないが、HFC−125とHClとの間には最低共沸関係が存在する。この最低共沸混合物は、例えば圧力0.615MPaにおいて、以下の混合比を有する。
【0042】
従って、第二蒸留塔4の運転条件を調節して、この最低共沸混合物を塔頂から溜出させるようにすれば、第二塔底液(22)にHClが含まれることはないが、塔頂留分(21)には少量のHFC−125が含まれることになる。この塔頂留分(21)に含まれるHFC−125は、図示しない精製工程においてHClから分離され、回収される。
【0043】
第二塔底液(22)は、目的物であるHFC−134a、HFC−125の他に、中間体および原料HFを含んでいる。従って、例えば精製工程5において、公知の分離技術によって、製品となるHFC−134aおよびHFC−125を回収すると共に、分離された中間体は、第二反応原料として循環し、分離された原料HFは、第一反応および/または第二反応の原料として循環することが好ましい。
【0044】
本発明の製造方法において、第一反応器に供給するTCEとPCEとの混合割合は、TCEが70モル%以上とすることが好ましい。これは、下記の式7および式8からわかるように、PCEの反応(式8)の場合に、TCEの反応(式7)の場合よりHClが1モル多く副生することによる。
式7: CHCl=CCl2 + 4HF → CF3−CH2F + 3HCl
式8: CCl2=CCl2 + 5HF → CF3−CHF2 + 4HCl
このため、原料組成中のPCE濃度が30モル%より高くなると、副生HClが増えるために系の圧力が上昇し、収率の低下、触媒寿命の低下などの原因となり、また設備の耐圧性の観点からも好ましくない影響を及ぼす可能性が生じるからである。
【0045】
本発明の製造方法において、第一反応器と第二反応器の反応圧力は、いずれも大気圧から0.6MPaの範囲内とすることが好ましい。大気圧より低い減圧系にすることは実際上意味がなく、0.6MPaを越えると、特にHFC−134aの収率が低下するので好ましくない。従って、第一反応および第二反応は、実質的に大気圧下に行うことが更に好ましい。
【0046】
また、本発明の製造方法において、第一蒸留塔の塔内圧力は、大気圧から2MPaの範囲内とすることが好ましい。大気圧より低くするためには減圧系の設備が必要となり、2MPaを越えると、高圧系の設備が必要となるので好ましくない。
【0047】
(実施例2)
図2は、本発明の他の一実施例を示している。この実施例2に示す方法は、分離工程のみが実施例1のそれと異なっている。従って、図2において、実施例1の場合と同様な機能を有する装置やラインは、同一符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0048】
図2に示す製造工程は、概略、実施例1と同様な第一反応器1、第二反応器2、第一蒸留塔3、および実施例1の第二蒸留塔4に代えて用いられる脱酸塔6から構成されている。
【0049】
図2において、まず供給原料であるTCE(12)とPCE(13)とがHF(11)と共に、ライン14から第一反応器1に導入され、主として中間体のHCFC−133a、HCFC−123および/またはHCFC−124と、反応副生物であるHClとを含む第一生成物(15)が生成される。
【0050】
第二反応器2においては、第一生成物の成分の一部とHFとが反応され、HFC−134aとHFC−125とを含む第二生成物(17)が生成される。そして前記の第一生成物(15)とこの第二生成物(17)とが合流されて、HFC−134aとHFC−125とを含む合流生成物(18)とされ、次の分離工程に送られる。
【0051】
実施例2の分離工程においては、前記の合流生成物(18)は、先ず脱酸塔6の中間段に供給され蒸留される。このとき塔頂からは、反応副生物であるHClを主成分とし、このHClと共沸する少量のHFC−125を含む脱酸塔塔頂留分(31)が溜出され、塔底からは、中間体と、HFC−134aと、HFC−125とを含む脱酸塔塔底液(32)が取り出される。
【0052】
脱酸塔塔底液(32)は、第一蒸留塔3の中段より上部の供給段24に供給され、第一蒸留塔3で蒸留されて、塔頂留分として、目的物であるHFC−134aとHFC−125とに富む混合物(33)が回収される。
【0053】
前記第一蒸留塔3の非塔頂留分は、その少なくとも一部が、第一蒸留塔3のサイドカット段25から、中間体に富むサイドカット(16a)としてガス状で溜出され、供給源から供給されるHF(11)と共に、ライン16から第二反応器2に供給される。この第二反応器2では、主としてHFC−134a、HFC−125およびHClを含む第二生成物(17)が生成し、前記のように第一生成物(15)と合流され、合流生成物(18)として脱酸塔6に供給される。
【0054】
第一蒸留塔3の塔底からは、未反応原料のTCE、PCEおよびHFに富んだ第一塔底液(20)が抜き出され、反応好適量の原料TCE(12)、PCE(13)およびHF(11)と合流されて、第一反応原料(14)として第一反応器1に循環される。
【0055】
以上説明した実施例2の方法によれば、実施例1の場合と同様に、連続運転における工程条件が安定し、工程管理が容易になり、設備が単純化され、またエネルギー原単位も従来の製法に比して低くなるばかりでなく、分離工程の初期の段階において、他の成分と沸点差が大きいHClが、脱酸塔6により除去されるので、第一蒸留塔3における蒸留条件の設定が容易となり、蒸留による分離効率を更に向上させることができる。
【0056】
(運転例2)
実施例2の方法に従い、図2に示した第一反応器1、第二反応器2、および第一蒸留塔3の運転条件は実施例1の運転条件と同様にして運転実験を行った。
合流生成物(18)の流量を100(kg/hr)としたときの、各工程ラインにおけるそれぞれの成分の流量および各成分の重量割合(重量%)を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
表2の結果から、以下の事実が明かである。
▲1▼実施例2の方法では、目的物であるHFC−134aとHFC−125とを、HClを含まない状態で第一塔頂留分(33)として回収することができる。この第一塔頂留分(33)はガスとして精製工程(5)に供給できるので取扱い上有利である。
▲2▼脱酸塔塔頂留分(31)はHClが主成分であるが、共沸分のHFC−125を含んでいる。
▲3▼実施例2の方法によっても、反応器2基、蒸留塔2基を用いることで、効率よく、HFC−134aとHFC−125とを同時に製造することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のハイドロフルオロカーボン類の製造方法は、請求項1において、第一反応器によって中間体を生成し、この中間体の一部を第二反応器によってHFC−134aとHFC−125とを含む第二生成物とし、双方の反応器から得られる生成物を合流してHFC−134aとHFC−125とを含む合流生成物を得るものであるので、反応条件が異なるTCE,PCEとHFとの反応を同時に円滑に進行させることができる。
【0060】
請求項2の発明は、合流生成物を第一蒸留塔に供給して蒸留し、塔頂からHFC−134aと、HFC−125と、反応副生物であるHClとを含む第一塔頂留分を溜出させるものであるので、目的物であるHFC−134aとHFC−125との混合物が容易に得られる。
【0061】
前記において、第一蒸留塔の非塔頂留分の少なくとも一部を、前記のそれぞれの反応器に分別して供給すれば、蒸留工程が簡略化され、工程経費が大幅に削減できるばかりでなく、工程ロスが軽減され、エネルギー原単位も節減できるなど、多くの利点がある。
【0062】
請求項6の発明は、前記合流生成物を脱酸塔に供給して蒸留し、塔底から、HClを含まず、HFC−134aとHFC−125とを含む脱酸塔塔底液を回収するものであるので、後工程における蒸留分離の効率を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す工程図。
【図2】 本発明の他の一実施例を示す工程図。
【符号の説明】
1…第一反応器、
2…第二反応器、
3…第一蒸留塔、
4…第二蒸留塔、
6…脱酸塔
15…第一生成物、
16a…サイドカット、
17…第二生成物、
18…合流生成物、
19…第一塔頂留分、
20…第一塔底液。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to 1,1,1,2-tetrafluoroethane (CF Three -CH 2 F, hereinafter referred to as “HFC-134a”) and pentafluoroethane (CF Three -CHF 2 , Hereinafter referred to as “HFC-125”).
[0002]
[Prior art]
In recent years, stratospheric ozone depletion by chlorofluorocarbons (CFCs) has been raised as a serious problem and its use has been banned internationally. In addition, chlorodifluoromethane (CHClF 2 Hydrochlorofluorocarbons (HCFC) such as “HCFC-22”) have a smaller ozone depletion coefficient than chlorofluorocarbons, but if the amount of use increases, the possibility of destroying the ozone layer increases. Its production and use are subject to regulation. For this reason, there is a strong international demand for the development of an alternative product that can be used as it is by replacing it with an air conditioner using HCFC-22 without affecting the ozone layer.
[0003]
Hydrofluorocarbons (HFCs) have zero ozone depletion coefficient and are not subject to regulation. Therefore, it is desired to find a substitute for HCFC-22 among these compounds. However, it is difficult to cope with a single component, and studies are being made to meet this demand with a mixture of a plurality of components. . Among these, HFC-134a and HFC-125 are mentioned as promising components.
[0004]
In general, HFC-134a is trichloroethylene (CHCl = CCl 2 , Hereinafter referred to as “TCE”) and HF, it is produced by a two-stage gas phase reaction. That is, first, in the first reactor, as shown in the following formula 1, TCE and HF are reacted to produce 1,1,1-trifluoro-2-chloroethane (CF) as an intermediate. Three -CH 2 Cl, hereinafter referred to as “HCFC-133a”), and then, in the second reactor, HCFC-133a and HF are reacted as shown in Equation 2 below to obtain the target product. A product containing some HFC-134a has been obtained.
[0005]
Formula 1: CHCl = CCl 2 + 3HF → CF Three -CH 2 Cl + 2HCl
Formula 2: CF Three -CH 2 Cl + HF → CF Three -CH 2 F + HCl
[0006]
On the other hand, HFC-125 is tetrachloroethylene (CCl 2 = CCl 2 , Hereinafter referred to as “PCE”) and HF by a two-stage gas phase reaction. That is, first, as shown in the following formulas 3 and 4, in the first reactor, PCE and HF are reacted to produce 1,1-dichloro-2,2,2-trifluoroethane (which is an intermediate) CHCl 2 -CF Three Hereinafter referred to as “HCFC-123”) and / or 1-chloro-1,2,2,2-tetrafluoroethane (CHClF-CF Three , Hereinafter referred to as “HCFC-124”), and then, in the second reactor, each intermediate is reacted with HF as shown in Formula 5 and Formula 6 to obtain the desired product. A product containing HFC-125 is obtained.
[0007]
Formula 3: CCl 2 = CCl 2 + 3HF → CHCl 2 -CF Three + 2HCl
Formula 4: CCl 2 = CCl 2 + 4HF → CHClF-CF Three + 3HCl
Formula 5: CHCl 2 -CF Three + 2HF → CF Three -CHF 2 + 2HCl
Formula 6: CHClF-CF Three + HF → CF Three -CHF 2 + HCl
[0008]
Among them, US Pat. No. 5,276,223 is known for the production method of HFC-134a, and JP-A-6-247883 is known for the production method of HFC-125.
[0009]
A method for simultaneously producing two or more hydrofluorocarbons has also been proposed. For example, WO95 / 15937 describes a method in which HCFC-133a is reacted with HF to form HFC-134a, and methylene chloride and TCE are reacted with HF in the presence of HFC-134a. In JP-T-7-507787, for example, TCE and HF are reacted to produce HCFC-133a (CF Three -CH 2 Cl) and then reacting the HCFC-133a with HF to produce HFC-134a, for example, HCFC-123 (CHCl 2 -CF Three ) And / or HCFC-124 (CHClF-CF Three ) To produce HFC-125 along with HFC-134a. In JP-A-8-27046, for example, HCFC-133a, HCFC-123, and HF are reacted in a first reactor, PCE is mixed with this product, and the mixture is supplied to a second reactor. A product containing HFC-134a and HFC-125 is obtained by reacting under a reaction condition different from that of the first reactor.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, by any of the above methods, HFC-134a and HFC-125 could not be produced simultaneously using general-purpose materials TCE and PCE. The reason is derived from the fact that the reaction conditions shown in the above formulas 1 to 6 are greatly different. That is,
Examples of preferred reaction conditions for the production of HFC-134a are:
The first reaction represented by Formula 1 proceeds under conditions of a pressure of 0.4 MPa, a temperature of 250 ° C., and a molar ratio of HF / TCE of 10.
The second reaction represented by Formula 2 proceeds under conditions of a pressure of 0.4 MPa, a temperature of 350 ° C., and a molar ratio of HF / HCFC-133a of 6.
[0011]
On the other hand, with respect to the production of HFC-125, if an example of preferable reaction conditions is shown,
The first reaction represented by Formula 3 and Formula 4 proceeds under conditions of a pressure of 0.4 MPa, a temperature of 300 ° C., and a molar ratio of HF / PCE of 10.
The second reaction represented by Formula 5 and Formula 6 proceeds under conditions of a pressure of 0.4 MPa, a temperature of 340 ° C., and a molar ratio of HF / HCFC-123 of 8.
Therefore, it has been difficult to efficiently produce HFC-134a and HFC-125 simultaneously using a mixed system of TCE and PCE.
[0012]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems. Therefore, the object of the present invention is to efficiently produce HFC-134a and HFC-125 simultaneously with a simple apparatus using a mixed system of TCE and PCE. It is to provide a method.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention provides the method according to claim 1, wherein in the first reactor, TCE and PCE are reacted with HF, respectively, and intermediates HCFC-133a, HCFC-123 and / or HCFC A first product rich in -124 is produced, and in the second reactor, a part of the first product is reacted with HF to produce a second product containing HFC-134a and HFC-125. And a method for producing hydrofluorocarbons that obtain a combined product containing HFC-134a and HFC-125 by joining the products obtained from both of these reactors.
[0014]
From the resulting combined product, a mixture rich in HFC-134a and HFC-125 can be recovered by the following two separation methods.
In the first separation method, the combined product is fed to the first distillation column to be distilled, and from the top of the column, the first overhead fraction containing HFC-134a, HFC-125, and HCl by-produced by the reaction. It is a method of distilling. This first column top fraction is further fed to the second distillation column and distilled. If a fraction mainly composed of HCl is distilled from the top of this second distillation column, HFC- A mixture rich in 134a and HFC-125 can be recovered.
[0015]
In the above, it is preferable that at least a part of the non-column top fraction of the first distillation column is separately supplied to the first reactor and the second reactor. At this time, the combined product is supplied to a supply stage provided above the middle stage of the first distillation column, and the component rich in the intermediate is distilled out as a gas from a side cut stage provided below the supply stage. The bottom liquid of the first distillation column rich in TCE, PCE and HF is preferably supplied to the first reactor.
[0016]
In a second separation method for recovering a mixture rich in HFC-134a and HFC-125 from the combined product, the combined product is supplied to a deoxidation column and distilled, and HCl produced as a by-product from the top of the column is distilled off. This is a method of distilling the main component and recovering the deoxidation tower bottom liquid containing HFC-134a and HFC-125 from the tower bottom. If this deacidification tower bottom liquid is supplied to the first distillation tower and distilled, a mixture rich in HFC-134a and HFC-125 can be recovered from the top of the tower.
[0017]
In the above, it is preferable that at least a part of the non-column top fraction of the first distillation column is separately supplied to the first reactor and the second reactor. At this time, at least a part of the deacidification tower bottom liquid is supplied to a supply stage provided above the middle stage of the first distillation tower, and from the side cut stage provided below the supply stage, the intermediate The body-rich component is distilled as gas and supplied to the second reactor, and the bottom liquid of the first distillation column rich in TCE, PCE and HF is preferably supplied to the first reactor.
[0018]
In each of the above production methods, the mixing ratio of TCE and PCE supplied to the first reactor is preferably such that TCE is 70 mol% or more. Moreover, it is preferable that the reaction pressures of the first reactor and the second reactor are both in the range of atmospheric pressure to 0.6 MPa. Furthermore, the internal pressure of the first distillation column is preferably in the range of atmospheric pressure to 2 MPa.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
Example 1
FIG. 1 shows a preferred embodiment of the present invention. The manufacturing process shown in FIG. 1 generally includes a first reactor 1 which is a gas phase reactor filled with a catalyst, a second reactor 2 which is a gas phase reactor filled with a catalyst, a first distillation column 3 and The second distillation column 4 is configured.
[0020]
In FIG. 1, first, TCE (12) and PCE (13) as feed materials are introduced into the first reactor 1 from a
[0021]
As will be described in detail later, the first product (15) is obtained by reacting a part of the first product with HF in the second reactor 2, and HFC-134a and HFC-125. Is combined with the second product (17) containing HFC-134a and HFC-125 and sent to the next separation step.
[0022]
In the separation step of Example 1, the combined product (18) is supplied to the
[0023]
This first column top fraction (19) is then fed to the intermediate stage of the second distillation column 4 and distilled. From the top of the second distillation column 4, a second top fraction (21) containing HCl as a main component and containing a small amount of HFC-125 is distilled out, and from the bottom of the tower, the target product, HFC-134a. And a mixture (22) rich in HFC-125 is recovered.
[0024]
The non-column top fraction of the first distillation column 3 is at least partly from the side cut
[0025]
This second product (17) is combined with the first product (15) as described above, and is sent to the separation step as a combined product (18). Therefore, this combined product (18) is mainly composed of intermediates HCFC-133a, HCFC-123 and / or HCFC-124 from the first reactor 1, and target products HFC-134a and HFC mainly from the second reactor. -125, by-product HCl, and unreacted raw material HF.
[0026]
From the side cut
[0027]
From the bottom of the first distillation column 3, a first column bottom liquid (20) rich in unreacted raw materials TCE, PCE and HF is obtained. This first tower bottom liquid (20) is combined with the reaction suitable amounts of the raw materials TCE (12), PCE (13) and HF (11), and circulated to the first reactor 1 as the first reaction raw material (14). Is done. For example, as shown by a
[0028]
According to the method of Example 1 described above, it is not necessary to provide a product separation step for each reactor, and the products of these reactors are collectively distilled in the first distillation column 3 to obtain the target product. A reaction product containing a certain HFC-134a and HFC-125 is recovered as the first top fraction (19), and the residue is a side cut (16a) rich in intermediates and a second product rich in unreacted raw materials. Since it is separated into the single column bottom liquid (20) and circulated to the second reactor 2 and the first reactor 1, the process conditions in the continuous operation are stabilized, the process management becomes easy, and the equipment is simple. In addition, the energy intensity is lower than that of the conventional manufacturing method.
[0029]
The main substances involved in the process shown in FIG. 1 and their boiling points under atmospheric pressure are as follows.
PCE 121.0 ° C
TCE 86.6 ° C
HCFC-123 27.1 ° C
HF 19.5 ° C
HCFC-133a 6.1 ° C
HCFC-124 -12.0 ° C
HFC-134a -26.5 ° C
HFC-125 -48.5 ° C
HCl-84.9 ° C
[0030]
The combined product (18), combining the reaction products from each reactor, contains all of the materials listed above. Therefore, the target product HFC-134a and HFC-125 are efficiently separated from the combined product (18), and the remaining unreacted substances are also separated. The conditions for circulating TCE and PCE in the first reactor are required. At this time, since HF serves as a raw material for both the first reaction and the second reaction, the HF may be appropriately distributed and circulated.
[0031]
The present inventors utilize the fact that the lowest azeotropic relationship exists between HCFC-133a and HF, between HCFC-123 and HF, and between HCFC-124 and HF, respectively. Reached. These minimum azeotropic mixtures have the following mixing ratio and azeotropic point, for example, at a pressure of 0.408 MPa.
[0032]
[0033]
Therefore, if the gas phase of these lowest azeotropes (A), (B), and (C) is taken out from the lower stage than the
[0034]
Therefore, if the first distillation column 3 is used to supply the combined product (18) as a gas, liquid, or gas / liquid mixed phase to the
[0035]
Next, an operation example according to the method of the first embodiment will be described using the process shown in FIG.
(Operation example 1)
The first reactor 1 was fed with HF (11) and [TCE (12) + PCE (13)] at a molar ratio of HF / [TCE + PCE] of 6. The operating conditions were a pressure of 0.35 MPa and a temperature of 300 ° C.
To the second reactor 2, HF (11) and an intermediate [HCFC-133a + HCFC-123 + HCFC-124] were supplied at a HF / intermediate molar ratio of 4. The operating conditions were a pressure of 0.35 MPa and a temperature of 320 ° C.
[0036]
The first distillation column 3 was operated at a pressure of 0.4 MPa. The temperature of each step at this time is
Tower top about 0 ℃
Side cut step about 46 ℃
Tower bottom about 89 ℃
Met.
[0037]
Table 1 shows the flow rate of each component and the weight ratio (% by weight) of each component in each process line when the flow rate of the combined product (18) is 100 (kg / hr).
[0038]
[Table 1]
[0039]
From the results in Table 1, the following facts are clear.
{Circle around (1)} First column top fraction (19) contains HFC-134a, HFC-125 and HCl which are the target products. By removing HCl in the second distillation column, a second column bottom liquid (22) containing HFC-134a and HFC-125, which are target products, but not HCl is obtained.
{Circle around (2)} The second column top fraction (21) is mainly composed of HCl but contains azeotropic HFC-125.
(3) The side cut (16a) is composed of intermediate HCFC-133a, HCFC-123, HCFC-124 and HF, and can be suitably used as a reaction raw material of the second reactor 2.
(4) Since the first column bottom liquid (20) is mainly composed of HF and contains almost no intermediate component, it can be suitably circulated as a feedstock for the first reactor 1.
(5) As described above, according to this embodiment, HFC-134a and HFC-125 can be efficiently produced simultaneously by using two reactors and two distillation columns.
[0040]
In the apparatus shown in FIG. 1, the vapor phase components of the azeotrope (A), the azeotrope (B), and the azeotrope (C) are distilled from the same side cut
[0041]
The top fraction (19) of the first distillation column 3 is rich in the reaction products HFC-134a, HFC-125 and HCl, and these are distilled in the second distillation column 4. At this time, HFC-134a and HCl do not form an azeotrope, but a minimum azeotropic relationship exists between HFC-125 and HCl. This lowest azeotrope has, for example, the following mixing ratio at a pressure of 0.615 MPa.
[0042]
Therefore, if the operating conditions of the second distillation column 4 are adjusted so that this lowest azeotrope is distilled from the top of the column, the second column bottom liquid (22) will not contain HCl, A small amount of HFC-125 will be contained in the top fraction (21). HFC-125 contained in the top fraction (21) is separated from HCl and recovered in a purification step (not shown).
[0043]
The second bottom liquid (22) contains an intermediate and a raw material HF in addition to the target products HFC-134a and HFC-125. Therefore, for example, in the purification step 5, the products HFC-134a and HFC-125 are recovered by a known separation technique, and the separated intermediate is circulated as the second reaction raw material, and the separated raw material HF is It is preferable to circulate as a raw material for the first reaction and / or the second reaction.
[0044]
In the production method of the present invention, the mixing ratio of TCE and PCE supplied to the first reactor is preferably such that TCE is 70 mol% or more. As can be seen from the following formulas 7 and 8, this is because 1 mol of HCl is by-produced more in the case of the PCE reaction (formula 8) than in the case of the TCE reaction (formula 7).
Formula 7: CHCl = CCl 2 + 4HF → CF Three -CH 2 F + 3HCl
Formula 8: CCl 2 = CCl 2 + 5HF → CF Three -CHF 2 + 4HCl
For this reason, if the PCE concentration in the raw material composition is higher than 30 mol%, by-product HCl increases, the pressure of the system rises, resulting in a decrease in yield, a decrease in catalyst life, etc. This is because an unfavorable influence may occur from the viewpoint of the above.
[0045]
In the production method of the present invention, the reaction pressures in the first reactor and the second reactor are preferably both in the range of atmospheric pressure to 0.6 MPa. It is practically meaningless to use a reduced pressure system lower than the atmospheric pressure, and if it exceeds 0.6 MPa, the yield of HFC-134a is particularly lowered, which is not preferable. Therefore, it is more preferable that the first reaction and the second reaction are performed under substantially atmospheric pressure.
[0046]
In the production method of the present invention, the pressure in the first distillation column is preferably in the range of atmospheric pressure to 2 MPa. In order to make it lower than the atmospheric pressure, a decompression system is necessary, and when it exceeds 2 MPa, a high-pressure system is necessary, which is not preferable.
[0047]
(Example 2)
FIG. 2 shows another embodiment of the present invention. The method shown in Example 2 is different from that of Example 1 only in the separation step. Therefore, in FIG. 2, devices and lines having the same functions as those of the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and the description thereof is omitted or simplified.
[0048]
The production process shown in FIG. 2 is roughly the same as the first reactor 1, the second reactor 2, the first distillation column 3, and the desorption used instead of the second distillation column 4 of Example 1 as in Example 1. It consists of an
[0049]
In FIG. 2, first, TCE (12) and PCE (13) as feed materials are introduced into the first reactor 1 from the
[0050]
In the second reactor 2, a part of the components of the first product and HF are reacted to produce a second product (17) containing HFC-134a and HFC-125. Then, the first product (15) and the second product (17) are combined to form a combined product (18) containing HFC-134a and HFC-125, which is sent to the next separation step. It is done.
[0051]
In the separation step of Example 2, the combined product (18) is first supplied to the intermediate stage of the
[0052]
The deacidification tower bottom liquid (32) is supplied to the
[0053]
The non-column top fraction of the first distillation column 3 is at least partially distilled out from the side cut
[0054]
From the bottom of the first distillation column 3, unreacted raw material TCE, PCE and HF-rich first tower bottom liquid (20) is extracted, and a reaction suitable amount of raw materials TCE (12) and PCE (13). And HF (11) are combined and recycled to the first reactor 1 as the first reaction raw material (14).
[0055]
According to the method of the second embodiment described above, as in the case of the first embodiment, the process conditions in the continuous operation are stabilized, the process management is facilitated, the equipment is simplified, and the energy intensity is the same as that of the conventional unit. In addition to being lower than the production method, HCl having a large boiling point difference from other components is removed by the
[0056]
(Operation example 2)
According to the method of Example 2, the operating conditions of the first reactor 1, the second reactor 2, and the first distillation column 3 shown in FIG.
Table 2 shows the flow rate of each component and the weight ratio (% by weight) of each component in each process line when the flow rate of the combined product (18) is 100 (kg / hr).
[0057]
[Table 2]
[0058]
From the results in Table 2, the following facts are clear.
(1) In the method of Example 2, the target products HFC-134a and HFC-125 can be recovered as the first column top fraction (33) without containing HCl. Since this first column top fraction (33) can be supplied as a gas to the purification step (5), it is advantageous in handling.
{Circle around (2)} The deacidification tower top fraction (31) is mainly composed of HCl, but contains azeotropic HFC-125.
(3) HFC-134a and HFC-125 can be efficiently produced at the same time by using the two reactors and the two distillation towers also by the method of Example 2.
[0059]
【The invention's effect】
As described above in detail, in the method for producing hydrofluorocarbons of the present invention, an intermediate is generated by the first reactor according to claim 1, and a part of the intermediate is HFC− by the second reactor. 134a and HFC-125 as a second product, and the product obtained from both reactors is merged to obtain a merged product containing HFC-134a and HFC-125. The reaction of different TCE, PCE and HF can proceed smoothly at the same time.
[0060]
In the invention of claim 2, the combined product is fed to the first distillation column to be distilled, and from the top of the column, the first column top fraction containing HFC-134a, HFC-125, and reaction byproduct HCl. Therefore, a mixture of the target product HFC-134a and HFC-125 can be easily obtained.
[0061]
In the above, if at least a part of the non-column top fraction of the first distillation column is separately supplied to the respective reactors, not only the distillation process can be simplified and the process cost can be greatly reduced, There are many advantages such as reduced process loss and reduced energy intensity.
[0062]
In the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process diagram showing one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a process diagram showing another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 ... First reactor,
2 ... second reactor,
3 ... First distillation column,
4 ... Second distillation column,
6 ... Deoxidation tower
15 ... first product,
16a ... side cut,
17 ... second product,
18 ... Merge product,
19 ... The first tower top fraction,
20: First column bottom liquid.
Claims (11)
第一反応器に供給するトリクロロエチレンとテトラクロロエチレンとの混合割合を、トリクロロエチレンが70モル%以上とし、この第一反応器で、トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンとをそれぞれHFと反応させて、中間体である1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタンおよび/または1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタンに富む第一生成物を生成させ、
第二反応器で、この第一生成物の一部とHFとを反応させて、1,1,1,2−テトラフルオロエタンとペンタフルオロエタンとを含む第二生成物を生成させ、
これら双方の反応器から得られる生成物を合流して、1,1,1,2−テトラフルオロエタンとペンタフルオロエタンとを含む合流生成物を得ることを特徴とするハイドロフルオロカーボン類の製造方法。In producing 1,1,1,2-tetrafluoroethane and pentafluoroethane by reacting trichlorethylene and tetrachlorethylene with HF, respectively.
The mixing ratio of trichlorethylene and tetrachloroethylene supplied to the first reactor is set to 70 mol% or more of trichlorethylene. In this first reactor, trichlorethylene and tetrachloroethylene are reacted with HF, respectively. , 1-trifluoro-2-chloroethane, 1,1-dichloro-2,2,2-trifluoroethane and / or 1-chloro-1,2,2,2-tetrafluoroethane-rich first product Generated,
Reacting a portion of this first product with HF in a second reactor to produce a second product comprising 1,1,1,2-tetrafluoroethane and pentafluoroethane;
A method for producing hydrofluorocarbons, characterized in that products obtained from both of these reactors are merged to obtain a merged product containing 1,1,1,2-tetrafluoroethane and pentafluoroethane.
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