JP3812106B2 - リニアモータ圧縮機 - Google Patents

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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリニアモータ圧縮機に関するものである、特に、リニアモータ圧縮機内部の可動体をフレクシャベアリングで支持するリニアモータ圧縮機に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
リニアモータ圧縮機は、シリンダ内を直動駆動する可動体が往復し、シリンダ内壁と可動体とで画成された作動空間内の作動流体を該可動体の往復動により圧縮し、外部に供給するものである。この種のリニアモータ圧縮機は、その作動空間内圧が可動体の往復動に伴って周期的に変動しているので、この作動空間をスターリング冷凍機の圧縮空間として利用したり、リニアモータ圧縮機をパルス管冷凍機の圧力変動源として利用することができる。
【0003】
可動体は一般的にシリンダ内を往復するピストン及びピストンの背面に連通したピストンロッドを含む。そして、この可動体の直動を補償するため、ピストンロッド回りにフレクシャベアリングを取り付け、可動体をピストンロッドの軸方向には移動可能であるが径方向には移動不能であるように構成する。また、可動体を往復駆動する駆動系としてのリニアモータは、永久磁石及びコイルよりなり、コイルに交番電流を通電して電磁力を発生させ、この電磁力により可動体を駆動させる方式が一般的である。
【0004】
可動体をその軸方向に移動可能に支持するフレクシャベアリングの構造として、実用新案登録第2518671号公報に記載されたものがある。これは、図10、図11に示すように、フレクシャベアリング101を、外周部101a、内周部101b、及び該外周部と内周部とを結合する3本以上の腕部分101cを含んだベリリウム銅等の電気的良導体で構成している。また、電流供給源である気密端子102からはリード線103aが延在し、このリード線103の端部はフレクシャベアリング101の外周部分Aに固定されている。一方、フレクシャベアリング101の内周部分Bにはリード線103bの一端が固定され、このリード線103bの他端は可動コイル104に固定されている。
【0005】
そして、気密端子102から電流を供給すると、電流はリード線103aを通ってフレクシャベアリング101の外周に達し、該フレクシャベアリングの外周から腕部を経て内周に伝達され、さらにリード線103bを通って可動コイル104に到達する。このようにして、フレクシャベアリングをリニアモータの電流リードとして利用するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、リード線はフレクシャベアリングに直接固定されており、その接触面積はわずかであることから、フレクシャベアリングを電流リードとして利用した場合に十分に電流を伝達させることができず、リニアモータの駆動不良を起こす恐れがある。このためリニアモータ圧縮機の信頼性に欠けるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、リニアモータ圧縮機の信頼性を向上させることを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するためになされた請求項1の発明は、
ハウジング内に形成されたシリンダと、
該シリンダ内を往復動可能に配設された可動体と、
中央部に軸孔を持つとともに、外周縁側のリング状部分で形成され前記ハウジング内で固定された外周固定部と、該軸孔周囲の中央縁側のリング状部分で形成され前記可動体に固定された内周固定部と、前記外周固定部と前記内周固定部とを連結する腕部とを備え、前記軸孔に前記可動体が挿通されて該可動体を支持する導電性のフレクシャベアリングと、
前記フレクシャベアリングの前記外周固定部に面当りして取り付けられた第1給電体と、
前記フレクシャベアリングの前記内周固定部に面当りして取り付けられた第2給電体と、
永久磁石及びコイルを備え該コイルに交番電流を通電することにより発生する推力に基づいて前記可動体を往復駆動する駆動系と、
前記コイルに交番電流を供給する電源と、
前記電源から供給された交番電流を前記第1給電体、前記フレクシャベアリング、前記第2給電体を経て前記コイルに通電する電流リード系と
を備えたリニアモータ圧縮機としたことである。
【0009】
上記発明によれば、中央部に形成された軸孔に可動体を挿通して該可動体を支持する導電性のフレクシャベアリングは、外周縁側のリング状部分が外周固定部としてハウジングに固定され、軸孔周囲の中央縁側のリング状部分が内周固定部として可動体に固定され、外周固定部と内周固定部とは腕部により連結された構成である。このようなフレクシャベアリングには、その外周固定部に面当りした第1給電体が、またその内周固定部に面当りした第2給電体が取り付けられている。そして、電源から供給される交番電流は、電流リード系により、第1給電体、フレクシャベアリング、第2給電体を経て可動体を駆動する駆動系のコイルに通電されるものである。
【0010】
このように、電流リード系は、電源から供給される交番電流を、第1給電体、フレクシャベアリング、第2給電体を経てコイルに通電するので、電源から供給される交番電流はフレクシャベアリングの外周固定部に面当りした第1給電体により通電面積が拡大されて該外周固定部に伝達され、外周固定部から腕部、腕部から内周固定部へと電流が通電される。内周固定部からの電流は該内周固定部に面当りして拡大された通電面積をもつ第2給電体に受け渡され、該第2給電体よりコイルに通電されるものである。
【0011】
従って、フレクシャベアリングを駆動系への通電経路として利用する際に、第1給電体により通電面積が拡大されてフレクシャベアリングに電流が受け渡されるとともに、フレクシャベアリングからの電流は第2給電体により通電面積が拡大されて該第2給電体に受け取られるので、十分に電流が伝達され、リニアモータ圧縮機への通電不良により駆動不良を起こすことはなく、リニアモータ圧縮機の信頼性を向上させることができるものである。
【0012】
第1給電体は、フレクシャベアリングの内周固定部に面当りして通電面積を拡大するものであれば良いが、好ましくは、フレクシャベアリングの内周固定部全面に面当りしたリング状のものが良い。内周固定部全面に面当りすることで、通電面積を最も大きく取れる。同様に、第2給電体は、フレクシャベアリングの外周固定部に面当りして通電面積を拡大するものであれば良いが、好ましくは、フレクシャベアリングの外周固定部全面に面当りしたリング状のものが良い。外周固定部全面に面当りすることで、通電面積を最も大きく取れるものである。
【0013】
また、フレクシャベアリングを積層方向に複数個配列し、複数のフレクシャベアリングで可動体を支持する場合は、各フレクシャベアリング間に第1及び第2給電体を介装させることにより、各フレクシャベアリングの接触を避けるためのスペーサとしての役割も共用できるものである。
【0014】
第1及び第2給電体の材質としては、鉄鋼、真鍮、ベリリウム銅又はリン青銅等の銅系材料が挙げられるが、好ましくは銅系材料を材質として選択するのが良い。このような材質にすることにより、給電体自身でフレクシャベアリングを保持することができるとともに、高い通電性で確実に電流を伝達することができるものである。
【0015】
また、請求項1の発明により上記技術的課題を解決するに当り、請求項2の発明のように、前記導電性フレクシャベアリングは、鉄鋼、ステンレス鋼を含む鉄基金属で形成されることが好ましい。
【0016】
フレクシャベアリングの材質としては、鉄鋼、ステンレス鋼以外にリン青銅、ベリリウム銅等の導電性の材料が挙げられるが、安価でかつ疲労強度が高い鉄鋼、ステンレス鋼等の鉄基金属を用いて導電性フレクシャベアリングを形成することにより、請求項1の作用効果に加え、リニアモータ圧縮機を安価に製造できるとともに、その耐久性も向上させることができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本例におけるリニアモータ圧縮機を利用するスターリング冷凍機の断面図である。図において、スターリング冷凍機100は、リニアモータ圧縮機1と、膨張部50と、リニアモータ圧縮機1と冷凍発生部51とを連結する作動ガス通路8を備えるものである。
【0019】
リニアモータ圧縮機1は、ハウジング2と、可動体3、3’と、フレクシャベアリング群41、42、43、44と、駆動系としてのリニアモータ5、5’とを備えるものである。
【0020】
ハウジング2は、略円筒形状に形成されており、その図示略中央部には、円筒状のシリンダ内空間が形成されたシリンダ部21が形成されている。また、その図示右側部はシリンダ内空間に連通した第1収容空間Aを内部に形成する第1ハウジング部22とされ、その図示左側部はシリンダ内空間に連通した第2収容空間Bを内部に形成する第2ハウジング部23とされている。また、シリンダ部21の外周にはフィン24が形成され、リニアモータ圧縮機1の駆動により発生する熱を外部に放出できるようにされている。
【0021】
可動体3は、シリンダ部21のシリンダ内空間の図示右寄りに配置されるピストン31、ピストン31の背面31aに連結して第1収容空間A内に延設されたピストンロッド32、ピストンロッド32の外周から径方向に延びた円板部33a及び該円板部33aの外周端から略直角に折れ曲がってピストンロッド32の軸方向に延びた円筒部33bとを備えたフランジ33とよりなる。また同様に、可動体3’は、シリンダ部21のシリンダ内空間の図示左寄りに配置されるピストン31’、ピストン31’の背面31’aに連結して第2収容空間B内に延設されたピストンロッド32’、ピストンロッド32’の外周から径方向に延びた円板部33’a及び該円板部33’aの外周端から略直角に折れ曲がってピストンロッド32’の軸方向に延びた円筒部33’bとを備えたフランジ33’とよりなる。
【0022】
ピストン31とピストン31’とは、シリンダ内空間でその前面31bと31’bとが対面しており、シリンダ内空間の壁面を構成するシリンダ内壁21aと、ピストン前面31b、31’bとで圧縮空間Cを画成している。そして、両ピストン31、31’が対向してシリンダ内空間を往復動するものである。このような方式の圧縮機は、一般に、対向型リニアモータ圧縮機と称されている。
【0023】
第1ハウジング部22内に形成される第1収容空間Aの内壁面にはヨーク6が固定されている。このヨーク6は、第1収容空間Aの内壁面に当接して配設されたリング状の外周リング部6aと、外周リング部6aとピストンロッド32との間に配設されたリング状の内周リング部6bと、外周リング部6aと内周リング部6bとを連結する連結部6cとよりなる。
【0024】
同様に、第2ハウジング部23内に形成される第2収容空間Bの内壁面にはヨーク6’が固定されている。このヨーク6’は、第2収容空間Bの内壁面に当接して配設されたリング状の外周リング部6’aと、外周リング部6’aとピストンロッド32’との間に配設されたリング状の内周リング部6’bと、外周リング部6’aと内周リング部6’bとを連結する連結部6’cとよりなる。
【0025】
ヨーク6の外周リング部6aと内周リング部6bとの間にはリング状空間Dが形成されており、このリング状空間D内に可動体3を往復駆動する駆動系5が配設されている。駆動系5は、外周リング部6aの内周壁面に埋め込まれた状態で固定保持されたリング状永久磁石5aと、フランジ33のコイル支持部33bの先端からリング状空間D内に延設した部分に巻回されたコイル5bとよりなる。そして、リング状永久磁石5aの内周面は、コイル5bの外周側に所定の隙間を保って対面した状態とされているものである。
【0026】
同様に、ヨーク6’の外周リング部6’aと内周リング部6’bとの間にはリング状空間Eが形成されており、このリング状空間E内に可動体3’を往復駆動する駆動系5’が配設されている。駆動系5’は、外周リング部6’aの内周壁面に埋め込まれた状態で固定保持されたリング状永久磁石5a’と、可動体3’のコイル支持部33’bの先端からリング状空間E内に延設した部分に巻回されたコイル5’bとよりなる。そして、リング状永久磁石5’aの内周面は、コイル5’bの外周側に所定の隙間を保って対面した状態とされているものである。
【0027】
ピストンロッド32の図示右側寄りには、フレクシャベアリング群41が、図示左側寄りにはフレクシャベアリング群42が配設されている。同様に、ピストンロッド33の図示右側寄りにはフレクシャベアリング群43が、図示左側寄りにはフレクシャベアリング群44が配設されている。このフレクシャベアリング群はピストンロッド32及び32’をその軸方向には移動可能であるがその他の方向には移動不能であるように支持するものである。
【0028】
圧縮空間Cには、作動ガス通路8の通路内空間が連通している。この作動ガス通路8は、一端がシリンダ部21のシリンダ内壁21aに開口し、他端が膨張部50に連通するものであり、圧縮空間C内の作動ガスと膨張部50とを連通するためのものである。
【0029】
膨張部50は、膨張シリンダ51と、該膨張シリンダ51内を往復動可能な可動体52と、膨張シリンダ51の図示右側寄りの外周に配設され発生する熱を外部に放出するためのフィン53と、該フィン53から連続的に形成され膨張シリンダ51のシリンダ内空間に図示右側から連通する第3収容空間Fを内部に画成するハウジング54と、可動体52を往復駆動させるための駆動部55とを備えるものである。
【0030】
可動体52は、膨張シリンダ51内に収容され該膨張シリンダ内を往復する膨張ピストン52aと、膨張ピストン52aの内部に収容され熱を貯える機能を果たす蓄冷器52bと、膨張ピストン52aの背面部に連結して第3収容空間Fに延設したピストンロッド52cと、ピストンロッド52cの後端部から径方向に円板状に延設されたフランジ52dとよりなり、ピストンロッド52cの後端とハウジング54の内壁とに連結したスプリング56により弾性的に支持されているものである。
【0031】
駆動部55は、フランジ52dに固定され該フランジ52dの外周縁より前方に突出して配置されたコイル55aと、ハウジング54と一体に形成され第3収容空間F内に延在したリング状のヨーク部54aの外周に固定されたリング状の永久磁石55bとよりなる。そして、永久磁石55bの外周面はコイル55aの内周面と所定の隙間を保って対面しているものである。
【0032】
蓄冷器52bは、銅等の低温比熱が大きい材質がメッシュ状に形成されたものが複数枚積層されており、蓄冷器52b内の作動ガスはメッシュの間隙を通ってその一端から他端に連通できるよう構成されている。
【0033】
一端が圧縮空間Cに開口した作動通路8は、その他端が膨張シリンダ51に形成されたリング状の孔部51aに開口している。また、膨張ピストン52aには第1連通路57及び第2連通路58が形成されており、第1連通路57の一端は蓄冷器52bの一端(高温端)に連絡し、第1連通路57の他端はスプリング56の自然長状態において膨張シリンダ51の凹部51aの略中央に面するようにされている。一方、第2連通路58の一端は蓄冷器52bの他端(低温端)に連絡し、第2連通路58の他端は膨張ピストン52aと膨張シリンダ51とで画成された膨張空間Gに開口している。従って、圧縮空間C内の作動ガスは、該圧縮空間Cから作動通路8内の通路内空間、膨張シリンダ51の孔部51a、第1連通路57、蓄冷器52b、第2連通路58を通って膨張空間Gと連通しているものである。
【0034】
また、膨張空間Gにはコールドヘッド59が接触しており、このコールドヘッド59と図示せぬ被冷却体が熱的に接触することで被冷却体が冷却される。このコールドヘッド59及び膨張シリンダ51は、内部が真空状態とされた真空槽60内に収容されているものである。
【0035】
各フレクシャベアリング群41、42、43、44は、図2に示す形状のフレクシャベアリング4を複数枚平行に配置して構成され、フレクシャベアリング群41、42により可動体3を軸方向(ピストンロッド32の軸方向)には往復動可能であるがそれ以外の方向には移動不能であるように可動体3を支持するものであり、フレクシャベアリング43、44により可動体3’を軸方向(ピストンロッド32’の軸方向)には往復動可能であるがそれ以外の方向には移動不能であるように可動体3’を支持するものである。
【0036】
図2に示すように、フレクシャベアリング4は円板状に形成されており、その中央部に軸孔7が形成されている。また、フレクシャベアリング4は、その外周縁Hと図示点線Iとで囲まれた外周縁側のリング状部分で形成される外周固定部4aと、その内周縁Jと図示点線Kとで囲まれた中央縁側のリング状部分で形成される内周固定部4bと、外周固定部4aと内周固定部4bとを連結する3本の腕部4cで構成されるものである。外周固定部4aには、フレクシャベアリング4をヨーク6または6’に固定するための外周固定孔4dが径方向に所定の間隔を経て複数個形成され、内周固定部4bには、フレクシャベアリング4をピストンロッド32または32’に固定するための内周固定孔4eが径方向に所定の間隔を経て複数個形成されている。
【0037】
3本の腕部4cは、3本のスリット4fにより仕切られている。このスリット4fは、その一端が外周固定部4aに形成され、該一端から中心方向に延びるとともに次第に径方向に延び、渦巻き状に徐々に曲率半径を小さくしながら内周固定部4bに近づき、内周固定部4bにほぼ直角に進入し、該内周固定部4bにその他端が形成されているものである。このような形状のスリットが等間隔に3本形成され、各スリット間の部分が腕部4cとされている。従って、各腕部の形状も、スリットの形状と同じような、略渦巻き状に形成されるものである。
【0038】
上記構成のフレクシャベアリングにおいて、外周固定部4aに相対的に内周固定部4bが軸方向(図2の紙面と鉛直方向)に往復動した場合、各腕部が撓むことにより内周固定部4bが軸方向に移動することを許容するものである。
【0039】
上記説明のフレクシャベアリング4の中央に形成された軸孔7には、図1に示すピストンロッド32または32’が挿通され、これによりピストンロッド32または32’は、軸方向の移動が可能であるが、これ以外の方向には移動不能となるように支持されるものである。
【0040】
図3は、図1におけるリニアモータ圧縮機の第1収容空間A内の拡大断面図、図9は図3におけるフレクシャベアリング群41付近の拡大断面図である。尚、第2収容空間B内の構成は、第1収容空間A内の構成を対称配置した構成であり、個々の構成は夫々同一であるので、以下に説明する第1収容空間A内の構成を援用し、その説明を省略する。図において、フレクシャベアリング群41は、図2に示すフレクシャベアリング4を8枚積層状態で配列したものである。各フレクシャベアリング4−1〜4−8は、その中心部に形成された軸孔7の中心が同一軸上となるように配列され、該軸孔7にピストンロッド32が挿通されている。また、各フレクシャベアリングに形成された外周固定孔4d及び内周固定孔4eはそれぞれ対面しており、外周固定孔4d及び内周固定孔4eに取り付け用のネジ等が挿通されるように配置されている。
【0041】
フレクシャベアリング4−1、4−2、4−3、4−4、4−5、4−6の図示右側には、外周側リングスペーサ9−1、9−2、9−3、9−4、9−5、9−6、及び、内周側リングスペーサ10−1、10−2、10−3、10−4、10−5、10−6が配設されている。
【0042】
外周側リングスペーサ9−1〜9−6は、図4に示す外周側リングスペーサ9と同一形状である。この外周側リングスペーサ9は、径方向に等間隔で複数の外周固定孔9aが形成されている。図2と図4を比較してわかるように、外周側リングスペーサ9は、フレクシャベアリング4の外周固定部4aとほぼ同一形状とされ、外周固定孔(9a、4d)の形成位置も同一としてある。
【0043】
このような形状の外周側リングスペーサ9−1〜9−6を、各フレクシャベアリング4−1〜4−6の外周固定部4aに図示右側から当接させ、外周固定孔(4d、9a)へのネジの挿通を確保した状態で配置している。
【0044】
内周側リングスペーサ10−1〜10−6は、図5に示す内周側リングスペーサ10と同一形状である。この内周側リングスペーサ10は、径方向に等間隔で複数の内周固定孔10aが形成されている。図2と図5を比較してわかるように、内周側リングスペーサ10は、フレクシャベアリング4の内周固定部4bとほぼ同一形状とされ、内周固定孔(10a、4e)の形成位置も同一としてある。
【0045】
このような形状の内周側リングスペーサ10−1〜10−6を、各フレクシャベアリングの内周固定部4bに当接させ、内周固定孔(4e、10a)へのネジの挿通を確保した状態で配置しているものである。
【0046】
フレクシャベアリング4−7の図示右側には、導電体で形成された外周側第1導電リングスペーサ11−1及び内周側第1導電リングスペーサ12−1が配設されている。
【0047】
外周側第1導電リングスペーサ11−1は、図6に示す外周側導電リングスペーサ11と同一形状である。この外周側導電リングスペーサ11は、径方向に等間隔で複数の外周固定孔11a及び1つの電流リード孔11bが形成されている。図2と図6を比較してわかるように、外周側導電リングスペーサ11は、フレクシャベアリング4の外周固定部4aとほぼ同一形状とされ、電流リード孔11bを除く外周固定孔(9a、4d)の形成位置も同一としてある。また、外周側導電リングスペーサ11の外周固定孔11aとフレクシャベアリング4の外周固定孔4dとを対面させて配置させた際、外周導電縁リングスペーサ11の電流リード孔11bは、フレクシャベアリング4の1つの外周固定孔4dと対面するように配置形成されているものである。
【0048】
内周側導電リングスペーサ12−1は、図7に示す内周導電縁リングスペーサ12と同一形状である。この内周側導電リングスペーサ12は、径方向に等間隔で複数の内周固定孔12a及び1つの電流リード孔12bが形成されている。図2と図7を比較してわかるように、内周側導電リングスペーサ12は、フレクシャベアリング4の内周固定部4bとほぼ同一形状とされ、電流リード孔12bを除く内周固定孔(12a、4e)の形成位置も同一としてある。また、内周導電リングスペーサ12の内周固定孔12aとフレクシャベアリング4の内周固定孔4eとを対面させて配置させた際、内周側導電リングスペーサ12の電流リード孔12bは、フレクシャベアリング4の1つの内周固定孔4eと対面するように配置形成されているものである。
【0049】
外周側第1導電リングスペーサ11−1は、図9に示すように、フレクシャベアリング4−7の外周固定部に図示右側から面当りして当接し、外周固定孔4d、9a、11aへのネジの挿通を確保した状態で配置されている。また、内周側第1導電リングスペーサ12−1は、フレクシャベアリング4−7の内周固定部に図示右側から面当りして当接し、内周固定孔4e、10a、12aへのネジの挿通を確保した状態で配置されているものである。尚、図3、図9においては、外周側第1導電リングスペーサ11−1及び、内周側第1導電リングスペーサ12−1は、それぞれ電流リード孔11b及び12bの断面を示してあるため、これらの孔へのネジの挿通はできないように見えるが、フレクシャベアリング群41付近の構成を示す図8に示すように、その他の外周固定孔11a及び内周固定孔12aの断面から見た場合は、ネジの挿通が確保されているものである。
【0050】
また、外周側第1導電リングスペーサ11−1とフレクシャベアリング4−6との間には、図4に示す外周側リングスペーサ9と同一形状面を持ちかつ絶縁体で形成された外周側絶縁リングスペーサ9−7が、内周側導電リングスペーサ12−1とフレクシャベアリング4−6との間には図5に示す内周側リングスペーサ10と同一形状面を持ちかつ絶縁体で形成された内周側絶縁リングスペーサ10−7が介装されて、各導電リングスペーサがフレクシャベアリング4−6に導通しないようにされているものである。
【0051】
フレクシャベアリング4−8の図示右側には、導電体で形成され上記外周側第1導電リングスペーサ11−1と同一形状の外周側第2導電リングスペーサ11−2、及び、導電体で形成され上記内周側導電リングスペーサ12−1と同一形状の内周側第2導電リングスペーサ12−2が配設されている。外周側導電リングスペーサ11−2は、フレクシャベアリング4−8の外周固定部4aに図示右側から面当りして当接し、外周固定孔4dへのネジの挿通を確保した状態で配置されている。内周側第2導電リングスペーサ12−2は、フレクシャベアリング4−8の内周固定部4bに図示右側から面当りして当接し、内周固定孔4eへのネジの挿通を確保した状態で配置されているものである。また、外周側第2導電リングスペーサ11−2とフレクシャベアリング4−7との間には、図4に示す外周側リングスペーサ9と同形でかつ絶縁体で形成された外周側絶縁リングスペーサ9−8が、内周側導電リングスペーサ12−2とフレクシャベアリング4−7との間には、図5に示す内周側リングスペーサ10と同形でかつ絶縁体で形成された内周側絶縁リングスペーサ10−8が介装されて、各導電リングスペーサがフレクシャベアリング4−7に導通しないようにされているものである。また、フレクシャベアリング4−8の図示左側には、図4に示す外周側リングスペーサ9と同形でかつ絶縁体で形成された外周側絶縁リングスペーサ9−9及び、図5に示す内周側リングスペーサ10と同形でかつ絶縁体で形成された内周側絶縁リングスペーサ10−9が配置している。
【0052】
また、図3、図9より明らかなように、外周側導電リングスペーサ11−1と11−2のそれぞれの電流リード孔は、互いに対面しないように別の位置に配置される。同様に、内周側導電リングスペーサ12−1と12−2のそれぞれの電流リード孔は、互いに対面しないように別の位置に配置されるものである。
【0053】
フレクシャベアリング群42も、フレクシャベアリング群41と同様に図2に示すフレクシャベアリング4を8枚積層状態で配列したものである。各フレクシャベアリング4−9〜4−16は、その中心部に形成された軸孔の中心が同一軸上となるように配列され、該軸孔にピストンロッド32が挿通されている。また、各フレクシャベアリングに形成された外周固定孔及び内周固定孔はそれぞれ対向しており、外周固定孔及び内周固定孔に取り付け用のネジ等が挿通されるように配置されている。
【0054】
ヨーク6の外周リング部6aには、その軸方向に貫通した凹部61aが径方向に複数形成されている。この凹部61aの図示右側端はフレクシャベアリング群41の各フレクシャベアリングの外周固定部に形成された外周固定孔に対面している。従って、ネジ等の固定手段をフレクシャベアリング群41の図示右側から外周固定孔内に差し込み、固定することによって、各フレクシャベアリングの外周固定部が各リングスペーサに挟持されるとともにヨーク6の外周リング部6aに固定される。一方凹部61aの図示左側端はフレクシャベアリング群42の各フレクシャベアリングの外周固定部に形成された外周固定孔に対面している。従って、ネジ等の固定手段をフレクシャベアリング群42の図示左側から外周固定孔内に差し込み、固定することによって、各フレクシャベアリングの外周固定部が各リングスペーサに挟持されるとともにヨーク6の外周リング部6aに固定されるものである。
【0055】
ピストンロッド32は、図より明らかなように、フレクシャベアリング群41に挿通される第1の挿通部32aと、該第1の挿通部32aから連続されるとともに該第1の挿通部32aよりも径が大きくされた第1のフランジ部32bと、フレクシャベアリング群42に挿通される第2の挿通部32cと、該第2の挿通部32cから連続されるとともに該第2の挿通部32cよりも径が大きくされた第2のフランジ部32dと、第1のフランジ部32bと第2のフランジ部32dとを連結する連結部32eとを備えるものである。尚、第1のフランジ部32b及び第2のフランジ部32dの径は、フレクシャベアリングの内周固定部の径とほぼ同じ程度とする。
【0056】
第1のフランジ部32bは、フレクシャベアリング群41と対面する側の面に開口した軸方向凹部が複数本形成されている。この軸方向凹部は、各フレクシャベアリングの内周固定部に形成された内周固定孔4eと対面する位置に複数本形成されている。そして、複数本の軸方向凹部のうち、内周側第2導電リングスペーサ12−2の電流リード孔12bに対面する軸方向凹部が第1通路13に、内周側第1導電リングスペーサ12−1の電流リード孔12bに対面する軸方向凹部が第4通路16とされるものである。
【0057】
第1のフランジ部32bにはさらに第2通路14及び第3通路15の周側面から形成されている。図より明らかなように、第2通路14は第1通路13と、第3通路15は第4通路16と、それぞれ該第1のフランジ部32bの内部で連通しているものである。
【0058】
交番電流を供給する電源17には、2つの出力端がある。このうちの一方の出力端17aには、第1電線18aの一端が連結している。第1電線18aの他端は、図に示すようにフレクシャベアリング群41のフレクシャベアリング4−1〜4−7、外周側リングスペーサ9−1〜9−6、外周側第1導電リングスペーサ11−1に形成された外周固定孔(4d、9a、11a)を通って外周側第2導電リングスペーサ11−2にはんだ等により電気的に連結されるものである。ここで、第1電線18aは、それが挿通するフレクシャベアリング4−1〜4−7、外周側リングスペーサ9−1〜9−6、外周側絶縁リングスペーサ9−7〜9−8、外周側第1導電リングスペーサ11−1に複数設けられた外周固定孔(4d、9a、11a)のうち、外周側第2導電リングスペーサ11−2に形成された電流リード孔11bに対面する外周固定孔を通り、さらに該電流リード孔11bを通ったところではんだ等により外周側第2導電リングスペーサ11−2に電気的に接続されるものである。
【0059】
交番電流を供給する電源の他方の出力端17bは、第4電線18dの一端が連結している。第4電線18dの他端は、図に示すようにフレクシャベアリング群41のフレクシャベアリング4−1〜4−6、外周側リングスペーサ9−1〜9−6及び外周側絶縁リングスペーサ9−7に形成された外周固定孔(4d、9a)を通って外周側第1導電リングスペーサ11−1にはんだ等により電気的に連結されるものである。ここで、第4電線18dは、それが挿通するフレクシャベアリング4−1〜4−6、各リングスペーサ9−1〜9−7に複数設けられた外周固定孔(4d、9a)のうち、外周側第1導電リングスペーサ11−1に形成された電流リード孔11bに対面する外周固定孔を通り、さらに該電流リード孔11bを通ったところではんだ等により外周側第1導電リングスペーサ11−1に電気的に接続されるものである。
【0060】
内周側第2導電リングスペーサ12−2には、該リングスペーサ12−2の電流リード孔12bの部分ではんだ等により第2電線18bの一端が電気的に接続されている。この第2電線18bは、該リングスペーサ12−2の電流リード孔12bから該リード孔12bに対面するフレクシャベアリング4−8及び内周側絶縁リングスペーサ10−9の内周固定孔(4e、10a)を通り、さらに第1フランジ部32bの第1通路13、第2通路14を経てコイル5bの一方端にその他端から電気的に連結されている。
【0061】
内周側第1導電リングスペーサ12−1には、該リングスペーサ12−1の電流リード孔12bの部分ではんだ等により第3電線18cの一端が電気的に接続されている。この第3電線18cは、該リングスペーサ12−1の電流リード孔12bから該リード孔12bに対面するフレクシャベアリング4−7、4−8、内周側絶縁リングスペーサ10−8、10−9の内周固定孔(4e、10a)を通り、さらに第4通路16、第3通路15を経てコイル5bの他方端にその他端から電気的に連結されているものである。
【0062】
尚、本例において、各外周側リングスペーサ、各内周側リングスペーサはアルミナ等のセラミックで、各外周側絶縁リングスペーサ、各内周側絶縁リングスペーサはステンレス鋼で作製した。また、各外周側導電リングスペーサ、各内周側導電リングスペーサは、銅を材質として作製した。また、各フレクシャベアリングはステンレス鋼製のものを使用した。
【0063】
上記構成のリニアモータ圧縮機1を備えるスターリング冷凍機100において、電源17から交番電流がコイル5bに印加されると、電磁誘導によりコイル5b回りにその向きが周期的に逆となる磁界が発生する。この発生磁界は永久磁石5aにより形成される磁界と干渉し、可動体3をその軸方向に往復させる推力となる。このようにして推力を得た可動体3は往復動を行うので、シリンダ内空間に収納されたピストン31も該シリンダ内で往復動を行う。
【0064】
また、膨張部50側のコイル55aにも交番電流が印加される。これにより可動体52が推力を得て往復動するので、膨張シリンダ51内の膨張ピストン52aも該膨張シリンダ51内で往復動する。
【0065】
対向しているピストン31とピストン31’とは互いに同周期及び同位相で往復動する。即ち、ピストン31が図示左側に最も移動して往復上死点に達したときにはピストン31’は図示右側に最も移動して往復上死点に達し、ピストン31が図示右側に最も移動して往復下死点に達したときにはピストン31’は図示左側に最も移動して往復下死点に達している。
【0066】
シリンダ空間内のピストン31及びピストン31’の往復動作よりも、膨張シリンダ51内の膨張ピストン52aの往復動作を90°位相早く動作させることにより、作動空間内の作動ガスはスターリングサイクルを取り、膨張空間G内で断熱膨張して冷凍を発生するとともに膨張空間G内の熱は汲み上げられて蓄冷器52bの高温端からフィン53を経て外部に放出される。膨張空間Gで発生した冷凍はコールドヘッド59に伝達され、該コールドヘッド59に熱的に接触している図示せぬ被冷却体が冷却されるものである。
【0067】
次に、上記のごとく作動しているスターリング冷凍機100において、リニアモータ圧縮機1に供給される交番電流の電流経路について説明する。
【0068】
交番電流の電流経路は、電源17からコイル5bに流れる第1の電流リード系19aと、コイル5b内を流れる経路と、コイル5bから電源17に流れる第2の電流リード系19bとに分かれる。本例において、第1の電流リード系19aと第2の電流リード系19bとを総称して電流リード系19とする。
【0069】
まず、第1の電流リード系19aについて説明する。
【0070】
電源17から供給される電流は、一方の出力端17aから第1電線18aを流れ、該第1電線18aの端部からその端部にはんだにより連結された外周側第2導電リングスペーサ11−2に伝達される。外周側第2導電リングスペーサ11−2は図6に示すような形状面を持ち、この面がフレクシャベアリング4−8の外周固定部4aに面当りしているので、この面当りした面により通電面積が拡大されてフレクシャベアリング4−8の外周固定部4aに電流が受け渡される。
【0071】
電流はさらにフレクシャベアリング4−8の外周固定部4aから腕部4c、腕部4cから内周固定部4bに伝達される。内周固定部4bには内周側第2導電リングスペーサ12−2が当接している。内周側第2導電リングスペーサ12−2は図7に示すような形状面を持ち、この面がフレクシャベアリング4−8の内周固定部4bに面当りして当接しているので、この面当りした面により通電面積が拡大された該内周側第2導電リングスペーサ12−2に電流が伝達される。
【0072】
上記のようにして伝達された電流は、さらに内周側第2導電リングスペーサ12−2の電流リード孔12bの部分ではんだ等により電気的に接合された第2電線18bに伝達される。第2電線18bは、第1フランジ部32bに形成された第1通路13及び第2通路14を経てコイル5bの一端に接続されているので、該第2電線18bからコイル5bの一端5cに電流が入るものである。
【0073】
以上が第1の電流リード系19aの構成である。即ち、第1の電流リード系19aは、第1電線18aと、外周側第2導電リングスペーサ11−2と、フレクシャベアリング4−8と、内周側第2導電リングスペーサ12−2と、第2電線18bで構成されるものである。
【0074】
第1の電流リード系19aからコイル5bに入った電流は、該コイル5b内を流れる。コイル5b内を電流が流れることによりコイル5回りに誘導磁界が発生する。この誘導磁界とコイル5bの外周側に配置した永久磁石5aの発する磁界が干渉し、コイル5bが連結された可動体3はコイル5bの軸方向に向かって力を受ける。この場合、交番電流が印加されるので、この発生力は可動体3の往復駆動力となり、その結果、可動体3が往復駆動するものである。
【0075】
コイル5b内を流れた電流は、コイル5bの他端5dから第2の電流リード系19bに流れる。以下に第2の電流リード系19bについて説明する。
【0076】
コイル5b内を流れた電流は該コイル5bの他端に連結された第3電線18cに伝達される。第3電線18cは、第1フランジ部32bに形成された第3通路15及び第4通路16、フレクシャベアリング4−7、4−8、内周側絶縁リングスペーサ10−8、10−9、内周側第2導電リングスペーサ12−2の内周固定孔を通り、内周側第1導電リングスペーサ12−1の電流リード孔12bにはんだ等により固定されて該内周側第1導電リングスペーサ12−1に電気的に接続されているので、電流は第3電線18cから内周側第1導電リングスペーサ12−1に受け渡される。
【0077】
内周側第1導電リングスペーサ12−1は図7に示すような形状面を持ち、この面がフレクシャベアリング4−7の内周固定部4bに面当りして当接しているので、この面当りした面により通電面積が拡大されてフレクシャベアリング4−7の内周固定部4bに電流が伝達される。
【0078】
フレクシャベアリング4−7では、電流は、内周固定部4bから腕部4c、腕部4cから外周固定部4aへと伝達される。この外周固定部4aには、外周側第1導電リングスペーサ11−1が当接している。外周側第1導電リングスペーサ11−1は図6に示すような形状面を持ち、この面がフレクシャベアリング4−7の外周固定部4aに面当りしているので、この面当りした面により通電面積が拡大されて外周側第1導電リングスペーサ11−1に電流が受け渡される。
【0079】
外周側第1導電リングスペーサ11−1は、その電流リード孔11bの部分ではんだ等により第4電線18dに電気的に連結している。従って、電流ははんだを介して第4電線18dに伝達される。そして、第4電線18dから電源17の他方の出力端17bに電流が帰還するものである。
【0080】
以上が第2の電流リード系19bの構成である。即ち、第2の電流リード系19bは、第3電線18cと、内周側第1導電リングスペーサ12−1と、フレクシャベアリング4−7と、外周側第1導電リングスペーサ11−1と、42電線18dで構成されるものである。
【0081】
尚、電源17からの電流は交番電流であるので、上記に示した電流経路と、上記経路とは逆の経路との2種類の経路を周期的に流れるものである。
【0082】
上記の如く作動するリニアモータ圧縮機1においては、可動体3に第2電線18b及び第3電線18cのそれぞれの両端部が固定されているので、可動体3の往復中にはこれらの第2電線18b及び第3電線18cも往復し、それ自体が動く動作(電線の一端に対して他端が相対的に動く動作)は行わない。従って、電線の耐久性を懸念する必要がなく、電線の長寿命化を図ることができるものである。
【0083】
以上説明したように、本例によれば、
ハウジング2内に形成されたシリンダ部21と、
シリンダ部21に形成されたシリンダ内空間を往復動可能に配設されたピストン31を備える可動体3と、
中央部に軸孔7を持つとともに、外周縁側のリング状部分で形成されハウジング2の内壁に当接して固定されたヨーク6に固定された外周固定部4aと、該軸孔7周囲の中央縁側のリング状部分で形成され可動体3のピストンロッド32に固定された内周固定部4bと、外周固定部4aと内周固定部4bとを連結する腕部4cとを備え、軸孔7に可動体3のピストンロッド32が挿通されて該可動体3を支持する導電性のフレクシャベアリング4、4−1〜4−16と、
フレクシャベアリング4−8の外周固定部4aに面当りして取り付けられた第1給電体としての外周側第2導電リングスペーサ11−2、又は、フレクシャベアリング4−7の外周固定部4aに面当りして取り付けられた第1給電体としての外周側第1導電リングスペーサ11−1と、
フレクシャベアリング4−8の内周固定部4bに面当りして取り付けられた第2給電体としての内周側第2導電リングスペーサ12−2、又は、フレクシャベアリング4−7の内周固定部4bに面当りして取り付けられた第2給電体としての内周側第1導電リングスペーサ12−1と、
永久磁石5a及びコイル5bを備え該コイル5bに交番電流を通電することにより発生する推力に基づいて可動体3を往復駆動する駆動系5と、
コイル5bに交番電流を供給する電源17と、
電源17から供給された交番電流を外周側第2導電リングスペーサ11−2(外周側第1導電リングスペーサ11−1)、フレクシャベアリング4−8(フレクシャベアリング4−7)、内周側第2導電リングスペーサ12−2(内周側第1導電リングスペーサ12−1)を経てコイル5bに通電する電流リード系19とを備えたリニアモータ圧縮機としたので、電源から供給される交番電流は、外周側第2導電リングスペーサ11−2(外周側第1導電リングスペーサ11−1)、フレクシャベアリング4−8(フレクシャベアリング4−7)、内周側第2導電リングスペーサ12−2(内周側第1導電リングスペーサ12−1)を経てコイルに通電するので、電源17から供給される交番電流はフレクシャベアリング4−8(フレクシャベアリング4−7)の外周固定部4aに面当りした外周側第2導電リングスペーサ11−2(外周側第1導電リングスペーサ11−1)により通電面積が拡大されて該外周固定部4aに伝達され、外周固定部4aから腕部4c、腕部4cからフレクシャベアリング4−8(フレクシャベアリング4−7)の内周固定部4bへと電流が通電される。内周固定部4bからの電流は該内周固定部4bに面当りして拡大された通電面積をもつ内周側第2導電リングスペーサ12−2(内周側第1導電リングスペーサ12−1)に受け渡され、該内周側第2導電リングスペーサ12−2(内周側第1導電リングスペーサ12−1)よりコイル5bに通電される。
【0084】
このように、フレクシャベアリング4−8(フレクシャベアリング4−7)を駆動系への通電経路として利用する際に、第1給電体としての外周側導電リングスペーサ11−2(外周側導電リングスペーサ11−1)により通電面積が拡大されてフレクシャベアリング4−8(フレクシャベアリング4−7)に電流が受け渡されるとともに、フレクシャベアリング4−8(フレクシャベアリング4−7)からの電流は第2給電体としての内周側第2導電リングスペーサ12−2(内周側第1導電リングスペーサ12−1)により通電面積が拡大されて該内周側第2導電リングスペーサ12−2(内周側第1導電リングスペーサ12−1)に受け取られるので、十分に電流が伝達され、リニアモータ圧縮機の駆動不良を起こすことはなく、リニアモータ圧縮機の信頼性を向上させることができるものである。
【0085】
また、可動体3は、積層状態で複数枚配列したフレクシャベアリング群41及び42により軸方向移動可能に支持されている。そして、第1給電体としての外周側第1リングスペーサ11−1及び外周側第2リングスペーサ11−2、第2給電体としての内周側第1リングスペーサ12−1、内周側第2リングスペーサ12−2は、各フレクシャベアリングの接触を避けるためのスペーサとしての役割をも果たしている。このため給電体の多機能化が図れ、装置のコンパクト化に寄与するものである。
【0086】
また、電源17と、第1の電流リード系19aと、コイル5bと、第2の電流リード系19bとで電流回路を構成し、第1の電流リード系19aと第2の電流リード系19bとのいずれもが、フレクシャベアリング群41内のフレクシャベアリング(フレクシャベアリング4−8及び4−7)を利用している。このため電源17に連結された第1電線18aと第4電線18dは、同じ方向からフレクシャベアリング群41内を挿通させることができ、余分な配線をなくすことができるものである。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、フレクシャベアリングを駆動系への通電経路として利用する際に、第1給電体により通電面積が拡大されてフレクシャベアリングに電流が受け渡されるとともに、フレクシャベアリングからの電流は第2給電体により通電面積が拡大されて該第2給電体に受け取られるので、十分に電流が伝達され、リニアモータ圧縮機への通電不良により駆動不良を起こすことはなく、リニアモータ圧縮機の信頼性を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における、リニアモータ圧縮機を使用したスターリング冷凍機の断面図である。
【図2】本発明の実施形態例におけるフレクシャベアリングの平面図である。
【図3】本発明の実施形態例におけるリニアモータ圧縮機の第1収容空間付近の構成を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施形態例における外周側絶縁リングスペーサの平面図である。
【図5】本発明の実施形態例における内周側絶縁リングスペーサの平面図である。
【図6】本発明の実施形態例における外周側導電リングスペーサの平面図である。
【図7】本発明の実施形態例における内周側導電リングスペーサの平面図である。
【図8】本発明の実施形態例におけるフレクシャベアリング群41付近の構成を示す図であり、外周固定部及び内周固定部の固定状態を示す図である。
【図9】図3におけるフレクシャベアリング群41付近の構成の拡大図である。
【図10】従来技術におけるリニアモータ圧縮機を示す図である。
【図11】従来技術におけるフレクシャベアリングの平面図である。
【符号の説明】
1・・・リニアモータ圧縮機
2・・・ハウジング、21・・・シリンダ部、22・・・第1ハウジング部、23・・・第2ハウジング部
3、3’・・・可動体、31、31’・・・ピストン、32、32’・・・ピストンロッド、33、33’・・・フランジ部
4、4−1、4−2、4−3、4−4、4−5、4−6、4−7(電流リード系)、4−8(電流リード系)、4−9、4−10、4−11、4−12、4−13、4−14、4−15、4−16・・・フレクシャベアリング、4a・・・外周固定部、4b・・・内周固定部、4c・・・腕部、4d・・・外周固定孔、4e・・・内周固定孔、4f・・・スリット
41、42、43、44・・・フレクシャベアリング群
5,5’・・・駆動系、5a、5’a・・・永久磁石、5b、5’b・・・コイル
6・・・ヨーク
7・・・軸孔
8・・・作動ガス通路
9・・・外周側リングスペーサ、9a・・・外周固定孔
10・・・内周側リングスペーサ、10a・・・内周固定孔
11・・・外周側導電リングスペーサ、11a・・・外周固定孔、11b・・・電流リード孔
11−1・・・外周側第1導電リングスペーサ(第1給電体)
11−2・・・外周側第2導電リングスペーサ(第1給電体)
12・・・内周側導電リングスペーサ、12a・・・内周固定孔、12b・・・電流リード孔
12−1・・・内周側第1導電リングスペーサ(第2給電体)
12−2・・・内周側第2導電リングスペーサ(第2給電体)
13・・・第1通路
14・・・第2通路
15・・・第3通路
16・・・第4通路
17・・・電源、17a・・・一方の出力端、17b・・・他方の出力端
18a・・・第1電線(電流リード系)、18b・・・第2電線(電流リード系)、18c・・・第3電線(電流リード系)、18d・・・第4電線(電流リード系)
19・・・電流リード系、19a・・・第1の電流リード系、19b・・・第2の電流リード系
50・・・膨張部
51・・・膨張シリンダ
52・・・可動体
54・・・ハウジング
55・・・駆動系
100・・・スターリング冷凍機
C・・・圧縮空間、G・・・膨張空間

Claims (2)

  1. ハウジング内に形成されたシリンダと、
    該シリンダ内を往復動可能に配設された可動体と、
    中央部に軸孔を持つとともに、外周縁側のリング状部分で形成され前記ハウジング内で固定された外周固定部と、該軸孔周囲の中央縁側のリング状部分で形成され前記可動体に固定された内周固定部と、前記外周固定部と前記内周固定部とを連結する腕部とを備え、前記軸孔に前記可動体が挿通されて該可動体を支持する導電性のフレクシャベアリングと、
    前記フレクシャベアリングの前記外周固定部に面当りして取り付けられた第1給電体と、
    前記フレクシャベアリングの前記内周固定部に面当りして取り付けられた第2給電体と、
    永久磁石及びコイルを備え該コイルに交番電流を通電することにより発生する推力に基づいて前記可動体を往復駆動する駆動系と、
    前記コイルに交番電流を供給する電源と、
    前記電源から供給された交番電流を前記第1給電体、前記フレクシャベアリング、前記第2給電体を経て前記コイルに通電する電流リード系と
    を備えたリニアモータ圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記導電性のフレクシャベアリングは、鉄鋼、ステンレス鋼を含む鉄基金属で形成されることを特徴とするリニアモータ圧縮機。
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