JP3812046B2 - Bisphosphite compound and hydroformylation method using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なビスホスファイト化合物及びそれを用いるオレフィン性化合物のヒドロホルミル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン性化合物を触媒の存在下に水性ガスと反応させて、アルデヒド類またはその水素化物であるアルコール類を製造する方法は、ヒドロホルミル化方法として周知である。ヒドロホルミル化反応の触媒としては通常、有機リン化合物を配位子とする第8族金属の可溶性錯体が用いられている。一般に、触媒の金属成分と共に用いられる配位子は触媒反応に重大な影響を及ぼす。ヒドロホルミル化反応においても配位子により反応の活性及び選択性が大きく変化することが広く知られている。ヒドロホルミル化反応を工業的に有利に実施するためには、反応活性及び選択性の向上が重要な課題であり、そのための配位子の設計が盛んに行なわれている。
【0003】
ヒドロホルミル化反応の配位子として利用されるリン化合物の一群としては種々のホスファイト化合物が知られており、これまでにもトリアルキルホスファイトやトリアリールホスファイトの様な単純なモノホスファイト類の他に、分子中に複数の配位性リン原子を有するポリホスファイト類等の種々のホスファイト化合物が提案されている。例えば、特開昭62−116587号公報には2つのホスファイト基のうちの1つが環状構造を有するビスホスファイト化合物が、また、特開平6−184036号公報には2つのホスファイト基が共に環状構造を有するビスホスファイト化合物が開示されている。
【0004】
他方、特開平5−178779号公報には、2つのホスファイト基が共に環化していないビスホスファイト化合物が開示されている。該ビスホスファイト化合物において、架橋部分のビスアリーレン基の置換基は特定されていない。また4つのエステル末端基としては少なくともオルト位に炭化水素置換基を有するフェニル基或いは少なくとも3位に炭化水素置換基を有するβ−ナフチル基が用いられている。該炭化水素置換基としてはイソプロピル基、第3級ブチル基などの炭素数3以上の嵩高い有機基が用いられている。
【0005】
このように、ヒドロホルミル化反応に用いる配位子として種々のホスファイト化合物が提案されているが、これまでに報告されているビスホスファイト化合物を用いたヒドロホルミル化反応では、高い反応速度が得られる場合は目的生成物である直鎖アルデヒドの選択性が不十分であり、逆に極めて高い直鎖選択性が得られる場合は反応速度の点で不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、従来、ヒドロホルミル化反応に用いる配位子として種々のホスファイト化合物が提案されているが、これらを用いたヒドロホルミル化反応では、高い反応速度と高い目的生成物の選択性とが同時には満たされていないことから、商業生産において経済性の低下をもたらすことが危惧され、工業触媒としては用い難いという問題があった。従って、高い反応速度を保ちつつ、優れた目的生成物の選択性を与えるビスホスファイト配位子を開発することが強く望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ヒドロホルミル化反応において、反応活性及び目的生成物の選択性を共に向上・維持するのに有効な配位子の検討を鋭意進める過程で、特定の構造を有する新規なビスホスファイト化合物を見出し、これをヒドロホルミル化反応における触媒の一成分、即ち触媒の金属成分と共に用いられる配位子として用いると、反応が速い速度で進行し、かつ、極めて優れた目的生成物の選択性が得られることを見出して本発明に到達した。
即ち本発明の第1の要旨は、下記一般式(A)で表されるビスホスファイト化合物、に存する。
【0008】
【化8】
【0009】
〔式中、−Ar−Ar−基は、下記一般式(A−I)〜(A−III)のいずれか1つで表されるビスアリーレン基であり、Z1 〜Z4 は、それぞれ6〜20個の炭素原子を有するアリール基であり、置換基を有していてもよく、アリール基Z1 〜Z4 中の酸素原子と結合する炭素原子に隣接する芳香環炭素原子の置換基は、それぞれ炭素原子0〜2個の基からなる群から選ばれ、かつ、Z1 とZ2 及びZ3 とZ4 のいずれもが互いに結合していない。
【0010】
【化9】
【0011】
(式中、R11は、それぞれ独立に3〜20個の炭素原子を有するアルキル基及びシクロアルキル基からなる群から選ばれるものを表し、R12〜R14は、それぞれ独立に水素原子、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アルキルアリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子よりなる群から選ばれるものを表す。)
【0012】
【化10】
【0013】
(式中、R21はそれぞれ独立に一般式(A−I)中のR11と同義であり、R22〜R26はそれぞれ独立に一般式(A−I)中のR12〜R14と同義である。)
【0014】
【化11】
【0015】
(式中、R31はそれぞれ独立に一般式(A−I)中のR11と同義であり、R32〜R36はそれぞれ独立に一般式(A−I)中のR12〜R14と同義である。)〕
また本発明の第2の要旨は、第8族金属化合物の存在下に、オレフィン性化合物と一酸化炭素及び水素と反応させて対応するアルデヒド類を製造するに当り、上記一般式(A)で表されるビスホスファイト化合物を存在させることを特徴とするヒドロホルミル化方法、に存する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明の新規なビスホスファイト化合物は、より具体的には下記一般式(I)〜(III)で表される。
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】
【化14】
【0020】
上記式(I)〜(III)において、R11、R21及びR31は、例えばn−プロピル基、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基等の炭素数3〜20の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基を表し、中でも炭素数4〜20のものが好ましく、炭素数4〜10のものが特に好ましい。更に芳香環と結合する炭素原子が第3級のものが好ましく、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基等が例示される。またこのほかR11、R21及びR31は、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等の炭素数6〜14、好ましくは6〜10のシクロアルキル基を表す。式(I)のR12〜R14、式(II)のR22〜R26及び式(III)のR32〜R36は、水素原子の他、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等の炭素数1〜20の鎖状或いは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基、ベンジル基等のアリールアルキル基、p−トリル基、o−トリル基等のアルキルアリール基の他、シクロペンチルオキシ基等のシクロアルコキシ基、2,3−キシレノキシ等のアルキルアリールオキシ基、2−(2−ナフチル)エトキシ基等のアリールアルコキシ基、シアノ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン原子等が挙げられ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0021】
式(I)〜(III)のビスアリーレン基として好適なものとしては、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ペンチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ−t−ヘキシル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジエトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジ−t−ブトキシ−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,5,5′−テトラ(シクロオクチル)−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル基、3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル基、1,1′,7,7′−テトラ−t−ブチル−3,3′−ビナフチル−2,2′−ジイル基等が挙げられる。
【0022】
式(I)〜(III)のZ1 〜Z4 は、それぞれ置換基を有していてもよい6〜20個の炭素原子を有するアリール基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ、Z1 とZ2 及びZ3 とZ4 のいずれもが互いに結合していないものである。
またアリール基Z1 〜Z4 中のホスファイト酸素原子と結合する炭素原子に隣接する芳香環炭素原子の置換基は、それぞれメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基及び、クロロ基、フルオロ基等のハロゲン原子等の炭素原子0〜2個の基からなる群から選ばれる。
【0023】
アリール基Z1 〜Z4 のその他の位置の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基等の炭素数1〜12、好ましくは1〜8、の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜12、好ましくは1〜8、のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜18、好ましくは6〜10のアリール基等が挙げられ、他に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオルメチル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニル基、スルフィニル基、シリル基、チオニル基等が挙げられる。これらの置換基は一つのアリール基Zに対して1〜5個置換していてもよい。
【0024】
上記したアリール基Z1 〜Z4 として好適なものとしては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−フェニルフェニル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、2−メチル−1−ナフチル基、4−クロロ−1−ナフチル基、2−ニトロ−1−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基等が挙げられる。
上記した一般式(I)〜(III)で表されるビスホスファイト化合物の例を次に示す。以下の各式における符号の意味は次の通りである。
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】
【化24】
【0035】
【化25】
【0036】
【化26】
【0037】
【化27】
【0038】
【化28】
【0039】
【化29】
【0040】
【化30】
【0041】
【化31】
【0042】
【化32】
【0043】
【化33】
【0044】
【化34】
【0045】
【化35】
【0046】
【化36】
【0047】
【化37】
【0048】
【化38】
【0049】
【化39】
【0050】
【化40】
【0051】
【化41】
【0052】
【化42】
【0053】
【化43】
【0054】
【化44】
【0055】
【化45】
【0056】
【化46】
【0057】
【化47】
【0058】
【化48】
【0059】
前記一般式(I)〜(III)で表されるビスホスファイト化合物は、下記一般式(I−1)、(II−1)及び(III −1)(一般式(I−1)、(II−1)及び(III −1)中の、R11〜R14、R21〜R26、及びR31〜R36は、それぞれ一般式(I)、(II)及び(III)中のR11〜R14、R21〜R26、及びR31〜R36と同義である。)で表される、それぞれ置換基を有する1,1′−ビフェニル−2,2′−ジオール、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジオール又は3,3′−ビナフチル−2,2′−ジオールのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と、下記一般式(IV)及び/又は(V)(式中、Z1 〜Z4 は一般式(A)のZ1 〜Z4 とそれぞれ同義である。)で表されるリン化合物とを、接触させることにより調製することができる。
【0060】
【化49】
【0061】
【化50】
【0062】
上記一般式(I−1)〜(III −1)で表されるビスアリーレンジオール塩は下記一般式(I−2)、(II−2)及び(III −2)(一般式(I−2)、(II−2)及び(III −2)中の、R11〜R14、R21〜R26、及びR31〜R36は、それぞれ一般式(I)、(II)及び(III)中のR11〜R14、R21〜R26、及びR31〜R36と同義である。)で表される、それぞれ置換基を有する1,1′−ビフェニル−2,2′−ジオール、1,1′−ビナフチル−2,2′−ジオール、3,3′−ビナフチル−2,2′−ジオールと、n−BuLi、Na、NaH、KH等のアルカリ金属化合物又は臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム等のアルカリ土類金属化合物とを、溶媒中、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応させることにより合成することができる。
【0063】
【化51】
【0064】
上記金属化合物の使用量は、一般式(I−2)〜(III −2)で表されるビスアリーレンジオール1モルに対して通常2モルあれば充分であるが、所望によりそれ以上用いても良い。溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、トルエン等の炭化水素類、ピリジン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素化合物及びこれらの混合物が好適に用いられる。反応温度は、−70℃〜溶媒沸点の範囲で適宜選択することができるが、反応の開始時は低目の例えば−30℃〜10℃の間で行い、その後徐々に溶媒の沸点まで上げるといった方法を採用することもできる。反応操作の点からは、金属化合物としてn−BuLi又はNaHを用い、溶媒としてはテトラヒドロフランを用いて、反応を行なうことが好ましい。反応時間は通常1分〜48時間の範囲を選択することができるが、10分から4時間程度が好ましい。
【0065】
一般式(I−1)〜(III −1)で示される化合物は、次の行程では特に精製することなく反応液をそのまま用いてもかまわないが、予め貧溶媒による洗浄や再結晶操作による単離等の処理を行っても良い。
一般式(IV)、(V)で示されるリン化合物は、通常、三塩化リン(PCl3 )とZ1 −OH、Z2 −OH、Z3 −OH又はZ4 −OH(式中、Z1 〜Z4 は一般式(A)のZ1 〜Z4 と同義である。)で表されるフェノール類を塩基の存在下又は不在下、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下、溶媒中又は無溶媒で反応を行うことにより合成することができる。Z1 とZ2 またはZ3 とZ4 が同一であるリン化合物は容易に合成できるので好ましい。従ってZ1 とZ2 、Z3 とZ4 の双方がそれぞれに同一である場合がより好ましく、特に、Z1 、Z2 、Z3 及びZ4 が同一である場合がさらに好ましい。
【0066】
上記塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジエチルアミン等の含窒素塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が例示される。反応操作の容易さから含窒素塩基が好んで用いられる。塩基の使用量は、PCl3 1モルに対して2モル用いるのが普通である。塩基の量が多すぎたり少なすぎたりすると不必要なP(OZ1 )2 (OZ2 )、P(OZ1 )、(OZ2 )2 、P(OZ1 )3 、P(OZ2 )3 等のホスファイトやCl2 P(OZ1 )等のジクロロ化合物の副生量が増えるため好ましくない。
【0067】
反応温度は任意の温度を選択することができるが、例えば塩基として含窒素塩基を用いる場合では0〜5℃の温度で行うことが好ましい。反応時間は1分から48時間の範囲を選択することができるが、5分から10時間程度の反応時間が好ましい。
塩基の存在下で反応を行った際、反応の進行に伴い副生する塩化水素と塩基との塩は、通常固体として反応溶液中に存在するが、これは、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下で、濾過する等の方法で反応系から除去することができる。塩基の不在下で反応を行う場合は、窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスを反応系中にバブルすることにより、副生する塩化水素を反応系から除去する方法等が例示される。
【0068】
一般式(IV)、(V)で示されるクロロジアリールオキシホスフィンは、上記の不必要なホスファイト類、及びジクロロ化合物との混合物として得られる場合があるが、これらと特に分離することなく次の工程に進んでもかまわない。一般式(IV)と(V)のリン化合物をこれらの副生物から分離する方法としては、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒を用いた再結晶化による方法及び蒸留等が挙げられる。
【0069】
一般式(I)〜(III)のビスホスファイト化合物は、一般式(I−1)、(II−1)又は(III −1)の化合物と、一般式(IV)及び/又は(V)の化合物とを溶媒中又は無溶媒下、20℃以下の温度で1分以上接触させることにより合成することができる。接触は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましく、一般式(I−1)、(II−1)又は(III −1)の化合物と、(IV)及び/又は(V)の化合物とを、好ましくは0℃以下、更に好ましくは−30℃以下、最も好ましくは−50℃以下の温度で混合し、1分以上、好ましくは3分から60分間その温度を維持した後、徐々に温度を上げて行く方法により目的のビスホスファイト化合物を合成することができる。温度の上昇速度としては、0.1℃/分〜20℃/分の間で適宜選択することができるが、0.5℃/分〜10℃/分の速度が好ましい。反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、トルエン等の炭化水素類、ピリジン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素化合物類、及びこれらの混合物を使用することができる。溶媒の量は生成する目的物の溶解に必要な最少量を用いるのが望ましいが、それ以上の量を用いても差し支えない。
【0070】
一般式(I)〜(III)のビスホスファイト化合物の精製方法としては、カラム展開(クロマトグラフィー)による方法、懸洗による方法、及び再結晶化による方法等が挙げられる。
カラム展開による方法としては充填剤としてはシリカゲル、酸化アルミナ等を用いる方法が挙げられる。またカラムの展開溶液としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられ、これらの溶液は目的物の精製に適するよう、単一溶媒、或いは2種類以上の溶媒を混合して用いられる。
【0071】
また、懸洗による精製方法としては、ビスホスファイト合成反応の終了後、濾別、或いは水等の極性溶媒により副生した金属塩化物(MCl)を反応溶液から除去した後、溶液を蒸発乾涸し、残留物をアセトニトリル、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類等の溶媒中で攪拌することにより、目的物をこれらの溶媒に溶解させることなく、不要物を溶媒に溶解させる方法により目的物を精製することができる。
【0072】
再結晶化による精製方法としては、ビスホスファイト合成反応の終了後、濾別、或いは水等の極性溶媒により副生した金属塩化物を反応溶液から除去した後、溶液を蒸発乾涸し、残留物を溶解し得る最少量の溶媒に溶解させた後、冷却することによる方法、及び、残留物を溶解し得る溶媒に溶解した後、目的物のビスホスファイト化合物の不溶もしくは難溶の溶媒を添加し、所望により冷却することによる方法等により固体を析出させ、固体を濾過等の方法により分離し、さらに固体が不溶の溶媒で洗浄する方法等が挙げられる。ビスホスファイト化合物が可溶な溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられ、難溶な溶媒としては、アセトニトリルの他、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類が例示される。
【0073】
本発明においては、前述した新規なビスホスファイト化合物を用いてヒドロホルミル化反応を行うことで、高い反応速度と優れた目的生成物の選択性を同時に満たすことが可能となる。
本発明のヒドロホルミル化方法において、反応原料として使用されるオレフィン性化合物としては、分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも1つ有する有機化合物であれば特に制限はない。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、ペンテン、ヘキセン、ヘキサジエン、オクテン、オクタジエン、デセン、ヘキサデセン、オクタデセン、イコセン、ドコセン、スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキセン、および、プロピレン〜ブテン混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン混合物、1−ブテン〜2−ブテン〜イソブチレン〜ブタジエン混合物等の低級オレフィン混合物、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等の低級オレフィンの二量体〜四量体のようなオレフィンオリゴマー異性体混合物等のオレフィン類、アクリロニトリル、アリルアルコール、1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエン、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン、オレイルアルコール、1−メトキシ−2,7−オクタジエン、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、オレイン酸メチル等の極性基置換オレフィン類等が挙げられる。
【0074】
ヒドロホルミル化反応の触媒又はその前駆体として用いる第8族金属化合物としては、第8族金属の水素化物、ハロゲン化物、有機酸塩、無機酸塩、酸化物、カルボニル化合物、アミン化合物、オレフィン配位化合物、ホスフィン配位化合物またはホスファイト配位化合物等が使用可能で、例えば、三塩化ルテニウム、テトラアンミンヒドロキソクロロルテニウムクロリド、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のルテニウム化合物、酢酸パラジウム、塩化パラジウム等のパラジウム化合物、三塩化オスミウム等のオスミウム化合物、三塩化イリジウム、イリジウムカルボニル等のイリジウム化合物、白金酸、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム、第二白金酸カリウム等の白金化合物、ジコバルトオクタカルボニル、ステアリン酸コバルト等のコバルト化合物、三塩化ロジウム、硝酸ロジウム、酢酸ロジウム、Rh(acac)(CO)2 、〔Rh(OAc)(COD)〕2 、Rh4 (CO)12、Rh6 (CO)16、HRh(CO)(PPh3 )3 、〔Rh(OAc)(CO)2 〕2 、〔Rh(μ−S(t−Bu))(CO2 〕2 、〔RhCl(COD)〕2 (acacはアセチルアセトナト基を、OAc はアセチル基を、CODは1,5−シクロオクタジエンを、Phはフェニル基を、t−Buは第3ブチル基をそれぞれ表す)等のロジウム化合物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0075】
本発明方法において、ビスホスファイト化合物は予め上記の第8族金属化合物と錯体を形成させて用いることができる。ビスホスファイト化合物を含む第8族金属錯体は、第8族金属の化合物と該ビスホスファイト化合物とから、公知の錯体形成方法により容易に調製することができる。また、場合によっては、第8族金属化合物と前記ビスホスファイト化合物とをヒドロホルミル化反応帯域に供給してそこで錯体を形成させて用いることもできる。
第8族金属化合物の使用量は、特に限定されるものではなく、触媒活性及び経済性等から考慮される限界があるが、本発明においては、通常ヒドロホルミル化反応帯域における濃度が金属原子換算でオレフィン性化合物または反応溶媒1リットルに対し0.05mg〜5g、好ましくは0.5mg〜1gの範囲から選ばれる。
【0076】
本発明において、ビスホスファイト化合物の使用量は特に制限されるものではなく、触媒の活性、選択性に対して望ましい結果が得られるように適宜設定される。通常は第8金属1モル当たり約0.001〜500モル、好ましくは0.1〜100モルの範囲から選ばれる。
ヒドロホルミル化反応を行なうにあたって、反応溶媒の使用は必須ではないが、必要ならばヒドロホルミル化反応に不活性な溶媒を存在させることができる。好ましい溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、トデシルベンゼン等の芳香族炭化水素、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、ジ−n−オクチルフタレート等のエステル類、アルデヒド縮合体等のヒドロホルミル化反応時に副生する高沸点成分又は、反応原料であるオレフィン性化合物等が挙げられる。
【0077】
本発明のヒドロホルミル化方法を行なうための反応条件は、従来通常に用いられたものと同様であり、反応温度は、通常、15〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲から選ばれ、CO分圧及びH2 分圧は通常、0.001〜200気圧、好ましくは0.1〜100気圧、特に好ましくは1〜50気圧の範囲から選ばれる。水素と一酸化炭素とのモル比(H2 /CO)は通常、10/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/6の範囲から選択される。ヒドロホルミル化反応の方式としては、攪拌型反応槽または気泡塔型反応槽中で連続方式または回分方式のいずれでも行なうことができる。
【0078】
本発明の、一般式(I)〜(III)で示される新規なビスホスファイト化合物を用いたヒドロホルミル化反応系では、生成したアルデヒドを蒸留等の方法により分離した後に、この第8族金属及びビスホスファイト化合物を含む回収液を用いて、再びオレフィン性化合物のヒドロホルミル化反応を行うことができる。更に、連続的にオレフィン性化合物をアルデヒドに転化する際に、生成するアルデヒドの一部または全部を分離した残りの反応液を、触媒液として連続的にヒドロホルミル化反応槽に循環させることもできる。
【0079】
【実施例】
次に本発明の具体的態様を、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0080】
(ビスホスファイト化合物の合成)
実施例−1
三塩化リン(4.64g、33.8ミリモル)のトルエン(約400ミリリットル)溶液に、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)及びピリジン(5.35g、67.6ミリモル)のトルエン(約200ミリリットル)溶液を窒素雰囲気下、0℃にて約2.5時間かけて攪拌しつつ滴下した。次いで、副生した固体のピリジン塩酸塩を濾別した後、溶媒留去により濾液を約50ミリモルまで濃縮し、CIP(OPh)2 を含むトルエン溶液を得た。他方、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオール(6.94g、16.9ミリモル)のテトラヒドロフラン(約50ミリリットル)溶液にヘキサンに溶解したn−ブチルリチウム(20.1ミリリットル、33.8ミリモル)を窒素雰囲気下、0℃にて滴下し、次いで約1時間沸騰還流し、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールのジリチウム塩を得た。次に、先に得られたCIP(POh)2 を含むトルエン溶液に、テトラヒドロフランに溶解した3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールのジリチウム塩を窒素雰囲気下、−70℃にて、約30分かけて攪拌しつつ滴下した。滴下後、約1.2℃/分の温度上昇速度で反応溶液を0℃まで戻した後、副生した固体のLiClの濾別及び濾液の真空留去を行い、残留液体物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘキサン=約1/5)により、ビスホスファイト(1)のみを含む溶液を分取し、溶媒を真空留去させて無色粉末固体を3.06g(収率21.5%)得た。
【0081】
【化52】
【0082】
実施例−2
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに2−メチルフェノール(6.87g、59.9ミリモル)を用い、三塩化リンを4.36g(31.8ミリモル)、ピリジンを5.02g(59.9ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを6.52g(15.9ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを18.8ミリリットル(31.8ミリモル)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開液の混合比をトルエン/ヘキサン=約1/10にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(2)を3.88g(収率27.2%)得た。
【0083】
【化53】
【0084】
実施例−3
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに3−メチルフェノール(7.54g、69.7ミリモル)を用い、三塩化リンを4.79g(34.9ミリモル)、ピリジンを5.51g(71.8ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを7.16g(17.4ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを20.6ミリリットル(34.9ミリモル)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開液の混合比をトルエン/ヘキサン=約1/4にしたこと以外は同様の操作で、透明オイル状液体であるビスホスファイト(3)を1.96g(収率12.5%)得た。
【0085】
【化54】
【0086】
実施例−4
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに4−メチルフェノール(6.76g、62.6ミリモル)を用い、三塩化リンを4.30g(31.3ミリモル)、ピリジンを4.95g(62.6ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを6.42g(15.6ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを18.5ミリリットル(31.3ミリモル)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開液の混合比をトルエン/ヘキサン=約1/4にしたこと以外は同様の操作で、透明オイル状液体であるビスホスファイト(4)を2.04g(収率14.5%)得た。
【0087】
【化55】
【0088】
実施例−5
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに2,5−ジメチルフェノール(8.77g、71.8ミリモル)を用い、三塩化リンを4.93g(35.9ミリモル)、ピリジンを5.68g(71.8ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを7.37g(18.0ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを21.2ミリリットル(35.9ミリモル)にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(5)を1.80g(収率10.5%)得た。
【0089】
【化56】
【0090】
実施例−6
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに3,5−ジメチルフェノール(8.81g、72.1ミリモル)を用い、三塩化リンを4.95g(36.1ミリモル)、ピリジンを5.71g(72.1ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを7.40g(18.0ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを21.3ミリリットル(36.1ミリモル)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開液の混合比をトルエン/ヘキサン=約1/4にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(6)を4.24g(収率20.8%)得た。
【0091】
【化57】
【0092】
実施例−7
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに4−フェニルフェノール(10.80g、63.4ミリモル)を用い、三塩化リンを4.36g(31.7ミリモル)、ピリジンを5.02g(63.4ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを6.51g(15.9ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを18.8ミリリットル(31.7ミリモル)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開液の混合比をトルエン/ヘキサン=約1/3にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(7)を2.16g(収率12.0%)得た。
【0093】
【化58】
【0094】
実施例−8
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに2−ナフトール(9.44g、65.5ミリモル)を用い、三塩化リンを4.50g(32.8ミリモル)、ピリジンを5.18g(65.5ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを6.73g(16.4ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを19.4ミリリットル(32.8ミリモル)にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(8)を2.50g(収率14.6%)得た。
【0095】
【化59】
【0096】
実施例−9
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)の代わりに1−ナフトール(10.26g、71.1ミリモル)を用い、三塩化リンを4.88g(35.6ミリモル)、ピリジンを5.63g(71.1ミリモル)、3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオールを7.30g(17.8ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを21.0ミリリットル(35.6ミリモル)にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(9)を6.90g(収率37.2%)得た。
【0097】
【化60】
【0098】
実施例−10
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)と3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオール(6.94g、16.9ミリモル)の代わりに2−メチルフェノール(3.47g、32.0ミリモル)と 3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−2,2′−ビフェニルジオール(3.51g、8.0ミリモル)を用い、三塩化リンを2.20g(16.0ミリモル)、ピリジンを2.53g(32.0ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを9.5ミリリットル(16.0ミリモル)、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開液の混合比をトルエン/ヘキサン=約1/10にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(10)を0.9g(収率12.1%)得た。
【0099】
【化61】
【0100】
実施例−11
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)と3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオール(6.94g、16.9ミリモル)の代わりに1−ナフトール(9.18g、63.6ミリモル)と 3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−2,2′−ビフェニルジオール(6.98g、15.9ミリモル)を用い、三塩化リンを4.37g(31.8ミリモル)、ピリジンを5.03g(63.6ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを18.8ミリリットル(31.8ミリモル)にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(11)を6.3g(収率36.9%)得た。
【0101】
【化62】
【0102】
実施例−12
三塩化リン(11.92g、86.8ミリモル)のトルエン(約170ミリリットル)溶液に、2−ナフトール(25.00g、173.5ミリモル)及びピリジン(13.72g、173.5ミリモル)のトルエン(約340ミリリットル)溶液を窒素雰囲気下、0℃にて約1.0時間かけて攪拌しつつ滴下した。次いで、副生した固体のピリジン塩酸塩を濾別した後、溶媒留去、減圧乾燥し、白色固体(30g)を得た。この固体を300ミリリットルのヘキサンに加熱溶解した後、室温まで冷却し、クロロビス(2−ナフチルオキシ)ホスフィンを精製した(純度98.8%、16.9%g)。他方3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジオール(9.00g、17.6ミリモル)のテトラヒドロフラン(100ミリリットル)溶液にヘキサンに溶解したn−ブチルリチウム(21.9ミリリットル、37.0ミリモル)を窒素雰囲気下、室温にて滴下し、次いで約12時間沸騰還流した。次に室温まで放冷後、上澄みを捨て、沈殿をテトラヒドロフランで3回洗浄、減圧乾燥し、淡黄色固体の3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジオールのジリチウム塩を得た。次に、先のクロロビス(2−ナフチルオキシ)ホスフィン(2.70g、7.65ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液(16ミリリットル)にN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(16ミリリットル)に溶解した3,3′,6,6′−テトラ−t−ブチル−1,1′−ビナフチル−2,2′−ジオールのジリチウム塩(2.11g、4.04ミリモル)を窒素雰囲気下、−78℃にて、約60分かけて攪拌しつつ滴下した。滴下後、約1.2℃/分の温度上昇速度で反応溶液を15℃まで戻した後、濾液の真空留去を行い、残留液体物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘキサン=約1/9)により、ビスホスファイト(12)のみを含む溶液を分取し、溶媒を真空留去させ白色粉末固体を0.57g(
収率12.3%)得た。
【0103】
【化63】
【0104】
実施例−13
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)と3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオール(6.94g、16.9ミリモル)の代わりに2−ナフトール(10.60g、73.5ミリモル)と 3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−2,2′−ビフェニルジオール(4.66g、13.0ミリモル)を用い、三塩化リンを5.10g(37.1ミリモル)、ピリジンを5.80g(73.3ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを15.4ミリリットル(26.0ミリモル)を用い、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの展開液の混合比をクロロホルム/ヘキサン=約1/1にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(13)を1.30g(収率10.2%)得た。
【0105】
【化64】
【0106】
実施例−14
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)と3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオール(6.94g、16.9ミリモル)の代わりに、1−ナフトール(8.61g、59.8ミリモル)と 3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメトキシ−2,2′−ビフェニルジオール(5.35g、14.9ミリモル)を用い、三塩化リンを4.10g(29.9ミリモル)、ピリジンを4.72g(59.8ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを17.7ミリリットル(29.9ミリモル)を用い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘキサン=約1/5)による精製ではなく、水洗後メタノールで懸洗し、溶媒を濾別した後、真空乾燥により白色粉末固体であるビスホスファイト(14)を2.44g(収率16.5%)得た。
【0107】
【化65】
【0108】
実施例−15
実施例−1において、フェノール(6.36g、67.6ミリモル)と3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェニルジオール(6.94g、16.9ミリモル)の代わりに、1−メチル−2−ナフトール(3.81g、24.1ミリモル)と3,3′,5,5′−テトラ−t−ブチル−6,6′−ジメチル−2,2′−ビフェニルジオール(2.64g、6.0ミリモル)を用い、三塩化リンを1.74g(12.7ミリモル)、ピリジンを2.18g(27.6ミリモル)、ヘキサンに溶解したn−ブチルリチウムを7.9ミリリットル(12.3ミリモル)にしたこと以外は同様の操作で、白色粉末固体であるビスホスファイト(157)を2.3g(収率33.7%)得た。
【0109】
【化66】
【0110】
上記ビスホスファイト化合物(1)〜(14)及び(157)の構造は、リン31−核磁気共鳴分光光度法、プロトン核磁気共鳴分光光度法(装置はバリアン社製ユニティー300型)又は元素分析法を用いて確認した。分析値を表−1及び表−2にまとめた。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】
(ヒドロホルミル化反応)
実施例−16
内容積200ミリリットルのステンレス鋼製上下攪拌型オートクレーブに、55ミリリットルのトルエン(溶媒として)、5ミリリットルのn−ヘプタン(内標として)、39.4mgの〔Rh(OAc)(COD)〕2 、及び491.6mgのビスホスファイト(1)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込んだ後、オートクレーブを密閉した。オートクレーブ内を窒素ガス10kg/cm2 Gで3回置換した後で窒素ガス0kg/cm2 Gに放圧し、次いでこれらにプロピレン4.5gを圧入した。これを70℃まで昇温した後、直ちにオートクレーブ内全圧がプロピレン自圧を含めて9kg/cm2 Gとなるように水性ガス(H2 /CO=1)を圧入して反応を開始した。反応の間に消費された水性ガスは二次圧力調整器を介して蓄圧器より補給し、反応器内全圧を絶えず9kg/cm2 Gに保ちつつ80分間反応を継続した。反応終了後、反応器を室温まで冷却し、オートクレーブ内の気相及び液相を捕集し、ガスクロマトグラフィーを用いて成分分析を行なった。反応速度定数(k)は3.0/hr、C4−アルデヒドの収率は95.8%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は43.5であった。
【0115】
実施例−17
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに524.4mgのビスホスファイト(2)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を90分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応(ヒドロホルミル化反応)を行った。反応速度定数(k)は2.6/hr、C4−アルデヒドの収率は96.0%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は96.7であった。
【0116】
実施例−18
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに557.1mgのビスホスファイト(3)(P/Rh mol比:8.2)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を75分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.4/hr、C4−アルデヒドの収率は95.1%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は39.3であった。
【0117】
実施例−19
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに527.5mgのビスホスファイト(4)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を85分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.3/hr、C4−アルデヒドの収率は93.9%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は39.4であった。
【0118】
実施例−20
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに557.1mgのビスホスファイト(5)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を120分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.0/hr、C4−アルデヒドの収率は96.0%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は147.3であった。
【0119】
実施例−21
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに557.1mgのビスホスファイト(6)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を80分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.6/hr、C4−アルデヒドの収率は94.9%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は32.9であった。
【0120】
実施例−22
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに669.2mgのビスホスファイト(7)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を65分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は3.2/hr、C4−アルデヒドの収率は95.0%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は44.6であった。
【0121】
実施例−23
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに608.4mgのビスホスファイト(8)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を60分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は4.1/hr、C4−アルデヒドの収率は95.4%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は44.0であった。
【0122】
実施例−24
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに608.4mgのビスホスファイト(9)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を70分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は3.8/hr、C4−アルデヒドの収率は96.5%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は113.7であった。
【0123】
実施例−25
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに540.7mgのビスホスファイト(10)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を75分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は3.2/hr、C4−アルデヒドの収率は93.2%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は35.5であった。
【0124】
実施例−26
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに624.8mgのビスホスファイト(11)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を60分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は4.0/hr、C4−アルデヒドの収率は94.3%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は66.8であった。
【0125】
実施例−27
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに333.4mgのビスホスファイト(12)と19.7mgの〔Rh(OAc)(COD)〕2 (P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を78分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.7/hr、C4−アルデヒドの収率は96.0%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は21.7であった。
【0126】
実施例−28
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに578.0mgのビスホスファイト(13)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を75分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.5/hr、C4−アルデヒドの収率は92.8%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は72.0であった。
【0127】
実施例−29
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに578.0mgのビスホスファイト(14)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を60分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.7/hr、C4−アルデヒドの収率は93.8%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は160.5であった。
【0128】
実施例−30
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに658.2mgのビスホスファイト(157)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を75分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は2.2/hr、C4−アルデヒドの収率は92.1%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は53.1であった。
【0129】
実施例−31
実施例−23において、反応温度を80℃としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は、7.3/hr、n−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は40.7であった。
【0130】
実施例−32
実施例−23において、P/Rhのモル比を4としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は、5.4/hr、n−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は44.2であった。
【0131】
実施例−33
実施例−23において、P/Rhのモル比を20としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は、5.6/hr、n−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は42.5であった。
【0132】
実施例−34
実施例−23において、P/Rhのモル比を4としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は、4.0/hr、n−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は76.3であった。
【0133】
実施例−35
実施例−23において、P/Rhのモル比を20としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は、4.0/hr、n−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は77.1であった。
【0134】
比較例−1
実施例−16において、491.6mgのビスホスファイト(1)の代わりに下記構造を有する393.5mgのビスホスファイト(比1)(P/Rh mol比:8.0)を窒素雰囲気下で仕込み、反応時間を115分としたこと以外は同様の操作でプロピレンのオキソ反応を行った。反応速度定数(k)は1.8/hr、C4−アルデヒドの収率は95.0%で、目的とするn−ブチルアルデヒドとi−ブチルアルデヒドとの比(n/i)は9.8であった。
【0135】
【化67】
【0136】
実施例−16〜30及び比較例−1の反応成績を表−3にまとめた。
【0137】
【表4】
【0138】
【発明の効果】
本発明のビスホスファイト化合物は、水素化、ヒドロホルミル化、ヒドロシアノ化、ヒドロカルボキシル化、ヒドロアミド化、ヒドロエステル化、アルドール縮合等の種々の有機反応において、均一系金属触媒の構成要素として使用することの可能な新規化合物である。
本発明方法において、特定の構造を有するビスホスファイト化合物をヒドロホルミル化反応において触媒成分として用いることにより、高い反応活性のみならず極めて高いアルデヒド異性体選択性が得られるので、ヒドロホルミル化反応を工業的に有利に実施することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel bisphosphite compound and a process for hydroformylation of an olefinic compound using the same.
[0002]
[Prior art]
A method for producing an alcohol which is an aldehyde or a hydride thereof by reacting an olefinic compound with a water gas in the presence of a catalyst is known as a hydroformylation method. As a catalyst for the hydroformylation reaction, a Group 8 metal soluble complex having an organophosphorus compound as a ligand is usually used. In general, the ligand used with the metal component of the catalyst has a significant effect on the catalytic reaction. It is well known that the activity and selectivity of the reaction greatly vary depending on the ligand in the hydroformylation reaction. In order to implement the hydroformylation reaction industrially advantageously, improvement of reaction activity and selectivity is an important issue, and ligand design for this purpose is being actively conducted.
[0003]
Various phosphite compounds are known as a group of phosphorus compounds used as ligands for hydroformylation reactions, and simple monophosphites such as trialkyl phosphites and triaryl phosphites have been known so far. In addition, various phosphite compounds such as polyphosphites having a plurality of coordinating phosphorus atoms in the molecule have been proposed. For example, JP-A-62-116587 discloses a bisphosphite compound in which one of two phosphite groups has a cyclic structure, and JP-A-6-184036 discloses two phosphite groups. Bisphosphite compounds having a cyclic structure are disclosed.
[0004]
On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-178777 discloses a bisphosphite compound in which two phosphite groups are not cyclized. In the bisphosphite compound, the substituent of the bisarylene group in the cross-linked portion is not specified. As the four ester terminal groups, a phenyl group having a hydrocarbon substituent at least in the ortho position or a β-naphthyl group having a hydrocarbon substituent in at least the 3 position is used. As the hydrocarbon substituent, bulky organic groups having 3 or more carbon atoms such as isopropyl group and tertiary butyl group are used.
[0005]
As described above, various phosphite compounds have been proposed as ligands used in the hydroformylation reaction. In the hydroformylation reactions using bisphosphite compounds reported so far, a high reaction rate can be obtained. In some cases, the selectivity of the target product, the linear aldehyde, was insufficient. Conversely, when extremely high linear selectivity was obtained, the reaction rate was insufficient.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, various phosphite compounds have been proposed as ligands used in the hydroformylation reaction. However, in the hydroformylation reaction using these, a high reaction rate and a high selectivity of the target product are simultaneously obtained. Is not satisfied, there is a concern that it may cause economic deterioration in commercial production, and there is a problem that it is difficult to use as an industrial catalyst. Therefore, it has been strongly desired to develop a bisphosphite ligand that provides excellent target product selectivity while maintaining a high reaction rate.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In the process of diligently studying ligands effective for improving and maintaining both the reaction activity and the selectivity of the target product in the hydroformylation reaction, the present inventors have developed a novel bisphosphine having a specific structure. When a phyto compound is found and used as a component of a catalyst in the hydroformylation reaction, that is, a ligand used together with the metal component of the catalyst, the reaction proceeds at a high speed and the selectivity of the target product is excellent. And the present invention has been achieved.
That is, the first gist of the present invention resides in a bisphosphite compound represented by the following general formula (A).
[0008]
[Chemical 8]
[0009]
[Wherein, the —Ar—Ar— group is a bisarylene group represented by any one of the following general formulas (AI) to (A-III); 1 ~ Z Four Are aryl groups each having 6 to 20 carbon atoms, which may have a substituent, and the aryl group Z 1 ~ Z Four And the substituent of the aromatic ring carbon atom adjacent to the carbon atom bonded to the oxygen atom therein is selected from the group consisting of groups each having 0 to 2 carbon atoms, and Z 1 And Z 2 And Z Three And Z Four None of them are bonded to each other.
[0010]
[Chemical 9]
[0011]
(Wherein R 11 Represents independently selected from the group consisting of an alkyl group having 3 to 20 carbon atoms and a cycloalkyl group; 12 ~ R 14 Are each independently a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkoxy group, a cycloalkyl group, a cycloalkoxy group, a dialkylamino group, an aryl group, an aryloxy group, an alkylaryl group, an alkylaryloxy group , An arylalkyl group, an arylalkoxy group, a cyano group, a hydroxy group, and a halogen atom. )
[0012]
[Chemical Formula 10]
[0013]
(Wherein R twenty one Are each independently R in the general formula (AI). 11 Is synonymous with R twenty two ~ R 26 Are each independently R in the general formula (AI). 12 ~ R 14 It is synonymous with. )
[0014]
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[0015]
(Wherein R 31 Are each independently R in the general formula (AI). 11 Is synonymous with R 32 ~ R 36 Are each independently R in the general formula (AI). 12 ~ R 14 It is synonymous with. )]
The second gist of the present invention is to react the olefinic compound with carbon monoxide and hydrogen in the presence of the Group 8 metal compound to produce the corresponding aldehydes. A hydroformylation process characterized by the presence of the bisphosphite compound represented.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in further detail below.
More specifically, the novel bisphosphite compound of the present invention is represented by the following general formulas (I) to (III).
[0017]
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[0018]
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[0019]
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[0020]
In the above formulas (I) to (III), R 11 , R twenty one And R 31 Is, for example, linear or branched having 3 to 20 carbon atoms such as n-propyl group, i-propyl group, s-butyl group, t-butyl group, isopentyl group, neopentyl group, t-pentyl group, t-hexyl group, etc. Represents a chain alkyl group, preferably having 4 to 20 carbon atoms, particularly preferably having 4 to 10 carbon atoms. Further, those having a tertiary carbon atom bonded to the aromatic ring are preferred, and examples thereof include a t-butyl group, a t-pentyl group, and a t-hexyl group. In addition, R 11 , R twenty one And R 31 Represents a cycloalkyl group having 6 to 14 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms, such as a cyclohexyl group, a cyclooctyl group, and an adamantyl group. R in formula (I) 12 ~ R 14 R of formula (II) twenty two ~ R 26 And R in formula (III) 32 ~ R 36 Is a hydrogen atom, for example, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, s-butyl group, t-butyl group, n-pentyl group, isopentyl group, neopentyl group, Chain or cyclic alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms such as t-pentyl group, t-hexyl group, cyclohexyl group, cyclooctyl group and adamantyl group, aryl groups such as phenyl group and naphthyl group, methoxy group and ethoxy group C1-C12 alkoxy groups such as isopropoxy group and t-butoxy group, dialkylamino groups such as dimethylamino group and diethylamino group, aryloxy groups such as phenoxy group and naphthoxy group, and arylalkyl groups such as benzyl group In addition to alkylaryl groups such as p-tolyl group and o-tolyl group, cycloalkoxy groups such as cyclopentyloxy group, 2 Examples include alkylaryloxy groups such as 3-xylenoxy, arylalkoxy groups such as 2- (2-naphthyl) ethoxy group, halogen atoms such as cyano group, hydroxy group, fluoro group, chloro group and bromo group. But it can be different.
[0021]
Suitable as bisarylene groups of formulas (I) to (III) are 3,3'-di-t-butyl-5,5'-dimethyl-1,1'-biphenyl-2,2'-diyl. 3,3 ', 5,5'-tetra-t-butyl-1,1'-biphenyl-2,2'-diyl group, 3,3', 5,5'-tetra-t-butyl-6 , 6'-dimethyl-1,1'-biphenyl-2,2'-diyl group, 3,3 ', 5,5'-tetra-t-pentyl-1,1'-biphenyl-2,2'-diyl Group, 3,3 ', 5,5'-tetra-t-hexyl-1,1'-biphenyl-2,2'-diyl group, 3,3'-di-t-butyl-5,5'-dimethoxy -1,1'-biphenyl-2,2'-diyl group, 3,3'-di-t-butyl-5,5'-diethoxy-1,1'-biphenyl-2,2 ' -Diyl group, 3,3'-di-t-butyl-5,5'-di-t-butoxy-1,1'-biphenyl-2,2'-diyl group, 3,3 ', 5,5' -Tetra (cyclooctyl) -1,1'-biphenyl-2,2'-diyl group, 3,3 ', 6,6'-tetra-t-butyl-1,1'-binaphthyl-2,2'- Examples thereof include a diyl group and a 1,1 ′, 7,7′-tetra-t-butyl-3,3′-binaphthyl-2,2′-diyl group.
[0022]
Z in formulas (I) to (III) 1 ~ Z Four Each represents an aryl group having 6 to 20 carbon atoms, each optionally having a substituent, which may be the same as or different from each other; 1 And Z 2 And Z Three And Z Four None of these are bonded to each other.
Aryl group Z 1 ~ Z Four The substituents of the aromatic ring carbon atoms adjacent to the carbon atom bonded to the phosphite oxygen atom in them are methyl group, ethyl group, trifluoromethyl group, cyano group, nitro group, and halogen such as chloro group and fluoro group, respectively. Selected from the group consisting of groups of 0 to 2 carbon atoms such as atoms.
[0023]
Aryl group Z 1 ~ Z Four As the substituents at other positions, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, s-butyl group, t-butyl group, n-pentyl group, isopentyl group, neopentyl group Group, 1 to 12 carbon atoms such as t-pentyl group, preferably 1 to 8, and 1 to 12 carbon atoms such as methoxy group and ethoxy group, preferably 1 to 8 carbon atoms such as methoxy group and ethoxy group. Examples thereof include aryl groups having 6 to 18 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms such as alkoxy groups, phenyl groups, naphthyl groups, etc. In addition, halogen atoms, cyano groups, nitro groups, trifluoromethyl groups, hydroxyl groups, amino groups, etc. Group, acyl group, carbonyloxy group, oxycarbonyl group, amide group, sulfonyl group, sulfinyl group, silyl group, thionyl group and the like. 1 to 5 of these substituents may be substituted for one aryl group Z.
[0024]
Aryl group Z as described above 1 ~ Z Four As preferred examples thereof, phenyl group, 1-naphthyl group, 2-naphthyl group, p-trifluoromethylphenyl group, 2-ethylphenyl group, 2-methylphenyl group, 3-methylphenyl group, 4-methylphenyl Group, 2,3-dimethylphenyl group, 2,4-dimethylphenyl group, 2,5-dimethylphenyl group, 3,4-dimethylphenyl group, 3,5-dimethylphenyl group, 2-chlorophenyl group, 3-chlorophenyl Group, 4-chlorophenyl group, 2,3-dichlorophenyl group, 2,4-dichlorophenyl group, 2,5-dichlorophenyl group, 3,4-dichlorophenyl group, 3,5-dichlorophenyl group, 2-methoxyphenyl group, 3- Methoxyphenyl group, 4-methoxyphenyl group, 2,3-dimethoxyphenyl group, 3,4-dimethoxyphenyl 3,5-dimethoxyphenyl group, 4-cyanophenyl group, 4-nitrophenyl group, 4-phenylphenyl group, 5,6,7,8-tetrahydro-1-naphthyl group, 5,6,7,8- Examples include a tetrahydro-2-naphthyl group, a 2-methyl-1-naphthyl group, a 4-chloro-1-naphthyl group, a 2-nitro-1-naphthyl group, and a 7-methoxy-2-naphthyl group.
Examples of the bisphosphite compounds represented by the above general formulas (I) to (III) are shown below. The meanings of the symbols in the following formulas are as follows.
[0025]
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[0026]
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[0027]
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[0028]
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[0029]
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[0030]
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[0059]
The bisphosphite compounds represented by the general formulas (I) to (III) are represented by the following general formulas (I-1), (II-1) and (III-1) (general formulas (I-1), ( II-1) and R in (III-1) 11 ~ R 14 , R twenty one ~ R 26 And R 31 ~ R 36 Are R in general formulas (I), (II) and (III), respectively. 11 ~ R 14 , R twenty one ~ R 26 And R 31 ~ R 36 It is synonymous with. ), 1,1′-biphenyl-2,2′-diol, 1,1′-binaphthyl-2,2′-diol or 3,3′-binaphthyl-2,2 ′ each having a substituent An alkali metal salt or alkaline earth metal salt of a diol and the following general formula (IV) and / or (V) (wherein Z 1 ~ Z Four Is Z in the general formula (A) 1 ~ Z Four Are synonymous with each other. It can be prepared by contacting with a phosphorus compound represented by
[0060]
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[0061]
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[0062]
Bisaryrangeol salts represented by the general formulas (I-1) to (III-1) are represented by the following general formulas (I-2), (II-2) and (III-2) (general formula (I-2 ), (II-2) and (III-2), R 11 ~ R 14 , R twenty one ~ R 26 And R 31 ~ R 36 Are R in general formulas (I), (II) and (III), respectively. 11 ~ R 14 , R twenty one ~ R 26 And R 31 ~ R 36 It is synonymous with. 1,1′-biphenyl-2,2′-diol, 1,1′-binaphthyl-2,2′-diol, 3,3′-binaphthyl-2,2 ′ each having a substituent represented by A diol and an alkali metal compound such as n-BuLi, Na, NaH, KH or the like, or an alkaline earth metal compound such as methylmagnesium bromide or ethylmagnesium bromide in a solvent, preferably an inert gas atmosphere such as nitrogen It can synthesize | combine by making it react under.
[0063]
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[0064]
The amount of the metal compound used is usually 2 mol per mol of the bis-arylene diol represented by the general formulas (I-2) to (III-2). good. Suitable solvents include ethers such as tetrahydrofuran and diethyl ether, hydrocarbons such as hexane and toluene, nitrogen-containing compounds such as pyridine, triethylamine, N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine, and mixtures thereof. Used. The reaction temperature can be appropriately selected in the range of -70 ° C to the boiling point of the solvent, but at the start of the reaction, it is carried out at a low temperature, for example, between -30 ° C and 10 ° C, and then gradually raised to the boiling point of the solvent. The method can also be adopted. From the viewpoint of the reaction operation, it is preferable to carry out the reaction using n-BuLi or NaH as the metal compound and tetrahydrofuran as the solvent. The reaction time can usually be selected in the range of 1 minute to 48 hours, but is preferably about 10 minutes to 4 hours.
[0065]
In the next step, the compounds represented by the general formulas (I-1) to (III-1) may be used as they are without any purification in the next step. Processing such as separation may be performed.
The phosphorus compounds represented by the general formulas (IV) and (V) are usually phosphorus trichloride (PCl). Three ) And Z 1 -OH, Z 2 -OH, Z Three -OH or Z Four -OH (wherein Z 1 ~ Z Four Is Z in the general formula (A) 1 ~ Z Four It is synonymous with. ) In the presence or absence of a base, preferably in an inert gas atmosphere such as nitrogen, in a solvent or without a solvent. Z 1 And Z 2 Or Z Three And Z Four Are the same, since they can be easily synthesized. Therefore Z 1 And Z 2 , Z Three And Z Four Are more preferably the same in each case, particularly Z 1 , Z 2 , Z Three And Z Four More preferably, are the same.
[0066]
Examples of the base include nitrogen-containing bases such as pyridine, triethylamine and diethylamine, and inorganic bases such as sodium carbonate and potassium carbonate. Nitrogen-containing bases are preferably used because of the ease of reaction operation. The amount of base used is PCl Three It is common to use 2 moles per mole. If the amount of base is too much or too little, unnecessary P (OZ 1 ) 2 (OZ 2 ), P (OZ 1 ), (OZ 2 ) 2 , P (OZ 1 ) Three , P (OZ 2 ) Three Such as phosphite and Cl 2 P (OZ 1 ) And the like by-product amount of dichloro compounds increases, which is not preferable.
[0067]
Although reaction temperature can select arbitrary temperature, when using nitrogen-containing base as a base, for example, it is preferable to carry out at the temperature of 0-5 degreeC. The reaction time can be selected from a range of 1 minute to 48 hours, but a reaction time of about 5 minutes to 10 hours is preferred.
When the reaction is carried out in the presence of a base, the salt of hydrogen chloride and base which is by-produced as the reaction proceeds usually exists in the reaction solution as a solid, which is preferably an inert gas such as nitrogen. It can be removed from the reaction system by a method such as filtration under an atmosphere. When the reaction is performed in the absence of a base, a method of removing by-product hydrogen chloride from the reaction system by bubbling an inert gas such as nitrogen gas or argon gas into the reaction system is exemplified.
[0068]
The chlorodiaryloxyphosphine represented by the general formulas (IV) and (V) may be obtained as a mixture with the above-described unnecessary phosphites and dichloro compounds. You can proceed to the process. Examples of the method for separating the phosphorus compounds of the general formulas (IV) and (V) from these by-products include a method by recrystallization using an aliphatic hydrocarbon solvent such as hexane and heptane, and distillation.
[0069]
The bisphosphite compounds of general formulas (I) to (III) include compounds of general formula (I-1), (II-1) or (III-1) and general formulas (IV) and / or (V). Can be synthesized by contacting the compound with a compound in a solvent or in the absence of a solvent at a temperature of 20 ° C. or lower for 1 minute or longer. The contact is preferably carried out in an inert gas atmosphere such as nitrogen, the compound of general formula (I-1), (II-1) or (III-1) and the compound of (IV) and / or (V) Are preferably mixed at a temperature of 0 ° C. or lower, more preferably −30 ° C. or lower, most preferably −50 ° C. or lower, and the temperature is maintained for 1 minute or longer, preferably 3 to 60 minutes. The target bisphosphite compound can be synthesized by a method of increasing the value. The rate of temperature rise can be appropriately selected between 0.1 ° C./min and 20 ° C./min, but a rate of 0.5 ° C./min to 10 ° C./min is preferable. Examples of the reaction solvent include ethers such as tetrahydrofuran, diethyl ether and dioxane, hydrocarbons such as hexane and toluene, nitrogen-containing compounds such as pyridine, triethylamine, N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine, and Mixtures of these can be used. It is desirable to use the minimum amount of the solvent necessary for dissolving the target product to be produced, but a larger amount may be used.
[0070]
Examples of the purification method for the bisphosphite compounds of the general formulas (I) to (III) include a method by column development (chromatography), a method by hanging washing, and a method by recrystallization.
Examples of the method using column development include a method using silica gel, alumina oxide or the like as a filler. Column developing solutions include ethers such as tetrahydrofuran and dioxane, aliphatic hydrocarbons such as hexane and heptane, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, esters such as ethyl acetate and methyl acetate, chloroform and dichloromethane. Halogenated hydrocarbons such as these are used, and these solutions are used in combination with a single solvent or two or more solvents so as to be suitable for purification of the target product.
[0071]
As a purification method by hanging washing, after completion of the bisphosphite synthesis reaction, the metal chloride (MCI) by-produced by filtration or by using a polar solvent such as water is removed from the reaction solution, and then the solution is evaporated to dryness. The residue is stirred in a solvent such as an aliphatic hydrocarbon such as acetonitrile, hexane or heptane, a ketone such as acetone or diethyl ketone, or an alcohol such as methanol or ethanol. The target product can be purified by a method of dissolving an unnecessary product in a solvent without dissolving it in the solvent.
[0072]
As a purification method by recrystallization, after completion of the bisphosphite synthesis reaction, filtration or removal of metal chloride by-produced by a polar solvent such as water from the reaction solution, the solution is evaporated to dryness, and the residue After dissolving in a minimum amount of solvent that can be dissolved, and by adding a solvent that is insoluble or poorly soluble in the target bisphosphite compound after dissolving the residue in a solvent that can be dissolved In addition, a solid may be deposited by a method such as cooling if desired, and the solid may be separated by a method such as filtration, and further washed with a solvent in which the solid is insoluble. Examples of the solvent in which the bisphosphite compound is soluble include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, and xylene, and ethers such as tetrahydrofuran and dioxane. Examples of the hardly soluble solvent include hexane, heptane, in addition to acetonitrile. Examples thereof include aliphatic hydrocarbons such as acetone, ketones such as acetone and diethyl ketone, and alcohols such as methanol and ethanol.
[0073]
In the present invention, by performing the hydroformylation reaction using the above-described novel bisphosphite compound, it becomes possible to simultaneously satisfy the high reaction rate and the excellent selectivity of the target product.
In the hydroformylation method of the present invention, the olefinic compound used as a reaction raw material is not particularly limited as long as it is an organic compound having at least one olefinic double bond in the molecule. Specifically, ethylene, propylene, butene, butadiene, pentene, hexene, hexadiene, octene, octadiene, decene, hexadecene, octadecene, icocene, dococene, styrene, α-methylstyrene, cyclohexene, and propylene-butene mixtures, 1 -Lower olefin mixtures such as butene to 2-butene to isobutylene mixture, 1-butene to 2-butene to isobutylene to butadiene mixture, dimer to tetramer of lower olefin such as propylene, n-butene and isobutylene Olefins such as olefin oligomer isomer mixture, acrylonitrile, allyl alcohol, 1-hydroxy-2,7-octadiene, 3-hydroxy-1,7-octadiene, oleyl alcohol, 1-methoxy-2,7-octadiene Methyl acrylate, methyl methacrylate, and polar group-substituted olefins methyl oleate and the like.
[0074]
Group 8 metal compounds used as hydroformylation catalysts or precursors thereof include Group 8 metal hydrides, halides, organic acid salts, inorganic acid salts, oxides, carbonyl compounds, amine compounds, and olefin coordination. Compounds, phosphine coordination compounds or phosphite coordination compounds can be used. For example, ruthenium trichloride, tetraamminehydroxochlororuthenium chloride, ruthenium compounds such as dichlorotris (triphenylphosphine) ruthenium, palladium acetate, palladium chloride, etc. Palladium compounds, osmium compounds such as osmium trichloride, iridium compounds such as iridium trichloride and iridium carbonyl, platinum compounds such as platinum acid, sodium hexachloroplatinate, potassium diplatinate, dicobalt octacarbonyl, stearyl Cobalt compounds of cobalt, etc., rhodium trichloride, rhodium nitrate, rhodium acetate, Rh (acac) (CO) 2 , [Rh (OAc) (COD)] 2 , Rh Four (CO) 12 , Rh 6 (CO) 16 , HRh (CO) (PPh Three ) Three , [Rh (OAc) (CO) 2 ] 2 , [Rh (μ-S (t-Bu)) (CO 2 ] 2 , [RhCl (COD)] 2 Rhodium compounds such as (acac represents an acetylacetonate group, OAc represents an acetyl group, COD represents 1,5-cyclooctadiene, Ph represents a phenyl group, and t-Bu represents a tertiary butyl group). However, it is not necessarily limited to these.
[0075]
In the method of the present invention, the bisphosphite compound can be used by previously forming a complex with the above-mentioned Group 8 metal compound. A Group 8 metal complex containing a bisphosphite compound can be easily prepared from a Group 8 metal compound and the bisphosphite compound by a known complex formation method. In some cases, the Group 8 metal compound and the bisphosphite compound may be supplied to the hydroformylation reaction zone to form a complex there.
The amount of the Group 8 metal compound used is not particularly limited, and there is a limit that is considered from the viewpoint of catalyst activity and economy, but in the present invention, the concentration in the hydroformylation reaction zone is usually in terms of metal atoms. It is selected from the range of 0.05 mg to 5 g, preferably 0.5 mg to 1 g, per liter of the olefinic compound or reaction solvent.
[0076]
In the present invention, the amount of the bisphosphite compound used is not particularly limited, and is appropriately set so that desirable results are obtained with respect to the activity and selectivity of the catalyst. Usually, it is selected from the range of about 0.001 to 500 mol, preferably 0.1 to 100 mol per mol of the eighth metal.
In carrying out the hydroformylation reaction, the use of a reaction solvent is not essential, but if necessary, a solvent inert to the hydroformylation reaction can be present. Specific examples of preferred solvents include aromatic hydrocarbons such as toluene, xylene, and todecylbenzene, ketones such as acetone, diethyl ketone, and methyl ethyl ketone, ethers such as tetrahydrofuran and dioxane, ethyl acetate, and di-n-octyl phthalate. The high boiling point component by-produced at the time of hydroformylation reaction, such as ester, such as aldehyde condensates, or the olefinic compound which is a reaction raw material is mentioned.
[0077]
The reaction conditions for carrying out the hydroformylation method of the present invention are the same as those conventionally used, and the reaction temperature is usually selected from the range of 15 to 200 ° C., preferably 50 to 150 ° C. Partial pressure and H 2 The partial pressure is usually selected from the range of 0.001 to 200 atm, preferably 0.1 to 100 atm, particularly preferably 1 to 50 atm. Molar ratio of hydrogen to carbon monoxide (H 2 / CO) is usually selected from the range of 10/1 to 1/10, preferably 1/1 to 1/6. As a hydroformylation reaction method, either a continuous method or a batch method can be performed in a stirring reaction vessel or a bubble column reaction vessel.
[0078]
In the hydroformylation reaction system using the novel bisphosphite compounds represented by the general formulas (I) to (III) of the present invention, the generated aldehyde is separated by a method such as distillation, and then the Group 8 metal and The hydroformylation reaction of the olefinic compound can be performed again using the recovered liquid containing the bisphosphite compound. Furthermore, when the olefinic compound is continuously converted to aldehyde, the remaining reaction liquid from which part or all of the aldehyde produced is separated can be continuously circulated as a catalyst liquid to the hydroformylation reaction tank.
[0079]
【Example】
Next, specific embodiments of the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited to the following examples unless it exceeds the gist.
[0080]
(Synthesis of bisphosphite compound)
Example-1
To a solution of phosphorus trichloride (4.64 g, 33.8 mmol) in toluene (about 400 ml), phenol (6.36 g, 67.6 mmol) and pyridine (5.35 g, 67.6 mmol) in toluene (about 200 ml) was added dropwise with stirring at 0 ° C. over about 2.5 hours under a nitrogen atmosphere. Subsequently, the solid pyridine hydrochloride formed as a by-product was filtered off, and the filtrate was concentrated to about 50 mmol by distilling off the solvent, and CIP (OPh) 2 A toluene solution containing was obtained. On the other hand, n-dissolved in hexane in a solution of 3,3 ', 5,5'-tetra-tert-butyl-2,2'-biphenyldiol (6.94 g, 16.9 mmol) in tetrahydrofuran (about 50 ml). Butyllithium (20.1 milliliters, 33.8 millimoles) was added dropwise at 0 ° C. under a nitrogen atmosphere and then boiled and refluxed for about 1 hour. 2,2'-biphenyldiol dilithium salt was obtained. Next, CIP (POh) obtained earlier 2 In a toluene solution containing 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol dilithium salt dissolved in tetrahydrofuran at −70 ° C. for about 30 minutes. The solution was added dropwise with stirring. After dropping, the reaction solution was returned to 0 ° C. at a rate of temperature increase of about 1.2 ° C./min, and then by-product solid LiCl was filtered off and the filtrate was distilled off in vacuo to obtain a residual liquid. The solution containing only the bisphosphite (1) was separated by silica gel column chromatography (developing solution: toluene / hexane = about 1/5), and the solvent was distilled off under vacuum to obtain 3.06 g of a colorless powdered solid. (Yield 21.5%).
[0081]
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[0082]
Example-2
In Example 1, 2-methylphenol (6.87 g, 59.9 mmol) was used in place of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and phosphorus trichloride was 4.36 g (31.8 mmol). , 5.02 g (59.9 mmol) of pyridine, 6.52 g (15.9 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol, dissolved in hexane The same procedure was followed except that 18.8 milliliters (31.8 millimoles) of n-butyllithium was used and the mixing ratio of the developing solution of silica gel column chromatography was toluene / hexane = 1/10. 3.88 g (yield 27.2%) of a certain bisphosphite (2) was obtained.
[0083]
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[0084]
Example-3
In Example 1, 3-methylphenol (7.54 g, 69.7 mmol) was used instead of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and phosphorus trichloride was 4.79 g (34.9 mmol). , 5.51 g (71.8 mmol) of pyridine, 7.16 g (17.4 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol, dissolved in hexane A transparent oily liquid was obtained in the same manner except that 20.6 ml (34.9 mmol) of n-butyllithium and the mixing ratio of the developing solution of silica gel column chromatography were changed to toluene / hexane = about 1/4. 1.96 g (12.5% yield) of bisphosphite (3) was obtained.
[0085]
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[0086]
Example-4
In Example 1, 4-methylphenol (6.76 g, 62.6 mmol) was used instead of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and phosphorus trichloride was 4.30 g (31.3 mmol). , 4.95 g (62.6 mmol) of pyridine, 6.42 g (15.6 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol, dissolved in hexane A transparent oily liquid was obtained in the same manner except that 18.5 ml (31.3 mmol) of n-butyllithium and the mixing ratio of the developing solution of silica gel column chromatography were changed to toluene / hexane = about 1/4. As a result, 2.04 g (yield 14.5%) of bisphosphite (4) was obtained.
[0087]
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[0088]
Example-5
In Example 1, 2,5-dimethylphenol (8.77 g, 71.8 mmol) was used in place of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and 4.93 g (35.9) of phosphorus trichloride was used. Mmol), 5.68 g (71.8 mmol) of pyridine, 7.37 g (18.0 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol, hexane 1.80 g of bisphosphite (5), a white powder solid (yield 10.5%), except that n-butyllithium dissolved in 21.2 ml (35.9 mmol) was dissolved in )Obtained.
[0089]
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[0090]
Example-6
In Example 1, 3,5-dimethylphenol (8.81 g, 72.1 mmol) was used instead of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and 4.95 g (36.1) of phosphorus trichloride was used. Mmol), 5.71 g (72.1 mmol) of pyridine, 7.40 g (18.0 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol, hexane A white powder was obtained in the same manner except that 21.3 ml (36.1 mmol) of n-butyllithium dissolved in 1 and the mixing ratio of the developing solution of silica gel column chromatography was changed to toluene / hexane = about 1/4. 4.24 g (yield 20.8%) of bisphosphite (6) as a solid was obtained.
[0091]
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[0092]
Example-7
In Example 1, 4-phenylphenol (10.80 g, 63.4 mmol) was used instead of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and phosphorus trichloride was 4.36 g (31.7 mmol). , 5.02 g (63.4 mmol) of pyridine, 6.51 g (15.9 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol, dissolved in hexane The same procedure was followed except that 18.8 ml (31.7 mmol) of n-butyllithium and the mixing ratio of the developing solution of silica gel column chromatography were toluene / hexane = about 1/3. 2.16 g (yield 12.0%) of a certain bisphosphite (7) was obtained.
[0093]
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[0094]
Example-8
In Example 1, 2-naphthol (9.44 g, 65.5 mmol) was used instead of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and 4.50 g (32.8 mmol) of phosphorus trichloride was used. 5.18 g (65.5 mmol) of pyridine and 6.73 g (16.4 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol were dissolved in hexane. A white powdered solid bisphosphite (8) 2.50 g (yield 14.6%) was obtained in the same manner except that n-butyllithium was changed to 19.4 ml (32.8 mmol). .
[0095]
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[0096]
Example-9
In Example 1, 1-naphthol (10.26 g, 71.1 mmol) was used in place of phenol (6.36 g, 67.6 mmol), and 4.88 g (35.6 mmol) of phosphorus trichloride was used. 5.63 g (71.1 mmol) of pyridine and 7.30 g (17.8 mmol) of 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-2,2′-biphenyldiol were dissolved in hexane. 6.90 g (yield 37.2%) of bisphosphite (9), a white powder solid, was obtained in the same manner except that n-butyllithium was changed to 21.0 ml (35.6 mmol). .
[0097]
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[0098]
Example-10
In Example 1, phenol (6.36 g, 67.6 mmol) and 3,3 ', 5,5'-tetra-t-butyl-2,2'-biphenyldiol (6.94 g, 16.9 mmol). ) In place of 2-methylphenol (3.47 g, 32.0 mmol) and 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-6,6′-dimethyl-2,2′-biphenyldiol ( 3.51 g, 8.0 mmol), 2.20 g (16.0 mmol) of phosphorus trichloride, 2.53 g (32.0 mmol) of pyridine, and 9.5 of n-butyllithium dissolved in hexane A bisphosphite that is a white powder solid (milliliter (16.0 mmol)), except that the mixing ratio of the developing solution of silica gel column chromatography was toluene / hexane = about 1/10. 0.9 g (yield 12.1%) of 10) was obtained.
[0099]
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[0100]
Example-11
In Example 1, phenol (6.36 g, 67.6 mmol) and 3,3 ', 5,5'-tetra-t-butyl-2,2'-biphenyldiol (6.94 g, 16.9 mmol). ) Instead of 1-naphthol (9.18 g, 63.6 mmol) and 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-6,6′-dimethyl-2,2′-biphenyldiol (6 .98 g, 15.9 mmol), 4.37 g (31.8 mmol) of phosphorus trichloride, 5.03 g (63.6 mmol) of pyridine, and 18.8 ml of n-butyllithium dissolved in hexane. 6.3 g (yield 36.9%) of bisphosphite (11), which is a white powder solid, was obtained in the same manner except that the amount was 31.8 mmol.
[0101]
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[0102]
Example-12
To a solution of phosphorus trichloride (11.92 g, 86.8 mmol) in toluene (about 170 mL), 2-naphthol (25.00 g, 173.5 mmol) and pyridine (13.72 g, 173.5 mmol) in toluene The solution (about 340 ml) was added dropwise with stirring at 0 ° C. over about 1.0 hour under a nitrogen atmosphere. Subsequently, by-product solid pyridine hydrochloride was filtered off, and then the solvent was distilled off and dried under reduced pressure to obtain a white solid (30 g). This solid was dissolved in 300 ml of hexane by heating and then cooled to room temperature to purify chlorobis (2-naphthyloxy) phosphine (purity 98.8%, 16.9% g). On the other hand, a solution of 3,3 ', 6,6'-tetra-t-butyl-1,1'-binaphthyl-2,2'-diol (9.00 g, 17.6 mmol) in tetrahydrofuran (100 ml) in hexane. Dissolved n-butyllithium (21.9 milliliters, 37.0 millimoles) was added dropwise at room temperature under a nitrogen atmosphere, followed by boiling at reflux for about 12 hours. Next, after allowing to cool to room temperature, the supernatant is discarded, and the precipitate is washed three times with tetrahydrofuran and dried under reduced pressure. A dilithium salt of -2,2'-diol was obtained. Next, the chlorobis (2-naphthyloxy) phosphine (2.70 g, 7.65 mmol) was dissolved in N, N, N ′, N′-tetramethylethylenediamine (16 ml) in a tetrahydrofuran solution (16 ml). 3,3 ′, 6,6′-tetra-t-butyl-1,1′-binaphthyl-2,2′-diol dilithium salt (2.11 g, 4.04 mmol) was added under nitrogen atmosphere to −78. The mixture was added dropwise with stirring at about 60 minutes. After dropping, the reaction solution was returned to 15 ° C. at a rate of temperature increase of about 1.2 ° C./min, and the filtrate was distilled off under vacuum to obtain a residual liquid. This was subjected to silica gel column chromatography (developing solution: toluene / hexane = about 1/9) to separate a solution containing only bisphosphite (12), the solvent was distilled off in vacuo, and 0.57 g (
Yield 12.3%).
[0103]
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[0104]
Example-13
In Example 1, phenol (6.36 g, 67.6 mmol) and 3,3 ', 5,5'-tetra-t-butyl-2,2'-biphenyldiol (6.94 g, 16.9 mmol). ) 2-naphthol (10.60 g, 73.5 mmol) and 3,3′-di-t-butyl-5,5′-dimethoxy-2,2′-biphenyldiol (4.66 g, 13. 0 mmol), 5.10 g (37.1 mmol) of phosphorus trichloride, 5.80 g (73.3 mmol) of pyridine, and 15.4 ml (26.0 mmol) of n-butyllithium dissolved in hexane. ), And the mixture ratio of the developing solution of silica gel column chromatography was changed to chloroform / hexane = about 1/1. 1.30 g (yield 10.2%).
[0105]
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[0106]
Example-14
In Example 1, phenol (6.36 g, 67.6 mmol) and 3,3 ', 5,5'-tetra-t-butyl-2,2'-biphenyldiol (6.94 g, 16.9 mmol). ), 1-naphthol (8.61 g, 59.8 mmol) and 3,3′-di-t-butyl-5,5′-dimethoxy-2,2′-biphenyldiol (5.35 g, 14 0.9 mmol), phosphorus trichloride (4.10 g, 29.9 mmol), pyridine (4.72 g, 59.8 mmol) and hexane dissolved in hexane (17.7 ml, 29.9 mmol). Rather than purification by silica gel column chromatography (developing solution: toluene / hexane = about 1/5), the mixture was washed with water, washed with methanol, and the solvent was filtered off. 2.44 g (yield 16.5%) of bisphosphite (14) as a color powder solid was obtained.
[0107]
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[0108]
Example-15
In Example 1, phenol (6.36 g, 67.6 mmol) and 3,3 ', 5,5'-tetra-t-butyl-2,2'-biphenyldiol (6.94 g, 16.9 mmol). ), 1-methyl-2-naphthol (3.81 g, 24.1 mmol) and 3,3 ′, 5,5′-tetra-t-butyl-6,6′-dimethyl-2,2 ′ N-butyllithium dissolved in bihexane using biphenyldiol (2.64 g, 6.0 mmol), 1.74 g (12.7 mmol) of phosphorus trichloride, 2.18 g (27.6 mmol) of pyridine The same operation except that the amount of bisphosphite (157) was 2.3 g (yield 33.7%).
[0109]
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[0110]
The structures of the bisphosphite compounds (1) to (14) and (157) are phosphorus 31-nuclear magnetic resonance spectrophotometry, proton nuclear magnetic resonance spectrophotometry (equipment is unity 300 type manufactured by Varian) or elemental analysis. Confirmed using the method. The analysis values are summarized in Table-1 and Table-2.
[0111]
[Table 1]
[0112]
[Table 2]
[0113]
[Table 3]
[0114]
(Hydroformylation reaction)
Example-16
In a stainless steel vertical stirring autoclave with an internal volume of 200 ml, 55 ml of toluene (as a solvent), 5 ml of n-heptane (as an internal standard), 39.4 mg of [Rh (OAc) (COD)] 2 And 491.6 mg of bisphosphite (1) (P / Rh mol ratio: 8.0) were charged in a nitrogen atmosphere, and then the autoclave was sealed. Nitrogen gas 10kg / cm in autoclave 2 After replacing with G three times, nitrogen gas 0 kg / cm 2 G was released and then 4.5 g of propylene was injected into them. Immediately after raising the temperature to 70 ° C., the total pressure in the autoclave was 9 kg / cm including propylene self-pressure. 2 Water gas (H 2 / CO = 1) was injected to start the reaction. The water gas consumed during the reaction is replenished from the accumulator through the secondary pressure regulator, and the total pressure in the reactor is constantly 9 kg / cm. 2 While maintaining G, the reaction was continued for 80 minutes. After completion of the reaction, the reactor was cooled to room temperature, the gas phase and liquid phase in the autoclave were collected, and component analysis was performed using gas chromatography. The reaction rate constant (k) is 3.0 / hr, the yield of C4-aldehyde is 95.8%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 43.5. Met.
[0115]
Example-17
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 524.4 mg of bisphosphite (2) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction (hydroformylation reaction) was carried out in the same manner except that the time was 90 minutes. The reaction rate constant (k) is 2.6 / hr, the yield of C4-aldehyde is 96.0%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 96.7. Met.
[0116]
Example-18
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 557.1 mg of bisphosphite (3) (P / Rh mol ratio: 8.2) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 75 minutes. The reaction rate constant (k) is 2.4 / hr, the yield of C4-aldehyde is 95.1%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to 39.3 is 39.3. Met.
[0117]
Example-19
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 527.5 mg of bisphosphite (4) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 85 minutes. The reaction rate constant (k) was 2.3 / hr, the yield of C4-aldehyde was 93.9%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 39.4. Met.
[0118]
Example-20
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 557.1 mg of bisphosphite (5) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 120 minutes. The reaction rate constant (k) is 2.0 / hr, the yield of C4-aldehyde is 96.0%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 147.3. Met.
[0119]
Example-21
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 557.1 mg of bisphosphite (6) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 80 minutes. The reaction rate constant (k) was 2.6 / hr, the yield of C4-aldehyde was 94.9%, and the ratio (n / i) of the desired n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 32.9. Met.
[0120]
Example-22
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 669.2 mg of bisphosphite (7) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 65 minutes. The reaction rate constant (k) is 3.2 / hr, the yield of C4-aldehyde is 95.0%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 44.6. Met.
[0121]
Example-23
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 608.4 mg of bisphosphite (8) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 60 minutes. The reaction rate constant (k) was 4.1 / hr, the yield of C4-aldehyde was 95.4%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 44.0. Met.
[0122]
Example-24
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 608.4 mg of bisphosphite (9) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 70 minutes. The reaction rate constant (k) was 3.8 / hr, the yield of C4-aldehyde was 96.5%, and the ratio (n / i) of the desired n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 113.7. Met.
[0123]
Example-25
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 540.7 mg of bisphosphite (10) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 75 minutes. The reaction rate constant (k) is 3.2 / hr, the yield of C4-aldehyde is 93.2%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 35.5. Met.
[0124]
Example-26
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 624.8 mg of bisphosphite (11) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 60 minutes. The reaction rate constant (k) is 4.0 / hr, the yield of C4-aldehyde is 94.3%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 66.8. Met.
[0125]
Example-27
In Example-16, 333.4 mg of bisphosphite (12) and 19.7 mg of [Rh (OAc) (COD)] instead of 491.6 mg of bisphosphite (1) 2 (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere and the oxo reaction of propylene was carried out in the same manner except that the reaction time was 78 minutes. The reaction rate constant (k) was 2.7 / hr, the yield of C4-aldehyde was 96.0%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 21.7. Met.
[0126]
Example-28
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 578.0 mg of bisphosphite (13) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 75 minutes. The reaction rate constant (k) is 2.5 / hr, the yield of C4-aldehyde is 92.8%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 72.0. Met.
[0127]
Example-29
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 578.0 mg of bisphosphite (14) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 60 minutes. The reaction rate constant (k) was 2.7 / hr, the yield of C4-aldehyde was 93.8%, and the ratio of the desired n-butyraldehyde to i-butyraldehyde (n / i) was 160.5. Met.
[0128]
Example-30
In Example-16, instead of 491.6 mg of bisphosphite (1), 658.2 mg of bisphosphite (157) (P / Rh mol ratio: 8.0) was charged under a nitrogen atmosphere, and the reaction time was adjusted. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the time was 75 minutes. The reaction rate constant (k) is 2.2 / hr, the yield of C4-aldehyde is 92.1%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 53.1. Met.
[0129]
Example-31
In Example-23, the oxo reaction of propylene was performed in the same manner except that the reaction temperature was 80 ° C. The reaction rate constant (k) was 7.3 / hr, and the ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 40.7.
[0130]
Example-32
In Example-23, the oxo reaction of propylene was carried out in the same manner except that the molar ratio of P / Rh was changed to 4. The reaction rate constant (k) was 5.4 / hr, and the ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 44.2.
[0131]
Example-33
In Example-23, the oxo reaction of propylene was performed in the same manner except that the molar ratio of P / Rh was set to 20. The reaction rate constant (k) was 5.6 / hr, and the ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 42.5.
[0132]
Example-34
In Example-23, the oxo reaction of propylene was carried out in the same manner except that the molar ratio of P / Rh was changed to 4. The reaction rate constant (k) was 4.0 / hr, and the ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 76.3.
[0133]
Example-35
In Example-23, the oxo reaction of propylene was performed in the same manner except that the molar ratio of P / Rh was set to 20. The reaction rate constant (k) was 4.0 / hr, and the ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde was 77.1.
[0134]
Comparative Example-1
In Example-16, instead of 491.6 mg bisphosphite (1), 393.5 mg bisphosphite (ratio 1) having the following structure (P / Rh mol ratio: 8.0) was added under a nitrogen atmosphere. The propylene oxo reaction was carried out in the same manner except that the charging and the reaction time were 115 minutes. The reaction rate constant (k) is 1.8 / hr, the yield of C4-aldehyde is 95.0%, and the desired ratio (n / i) of n-butyraldehyde to i-butyraldehyde is 9.8. Met.
[0135]
Embedded image
[0136]
The reaction results of Examples-16 to 30 and Comparative Example-1 are summarized in Table-3.
[0137]
[Table 4]
[0138]
【The invention's effect】
The bisphosphite compound of the present invention is used as a constituent element of a homogeneous metal catalyst in various organic reactions such as hydrogenation, hydroformylation, hydrocyanation, hydrocarboxylation, hydroamidation, hydroesterification, aldol condensation and the like. It is a possible new compound.
In the method of the present invention, by using a bisphosphite compound having a specific structure as a catalyst component in a hydroformylation reaction, not only a high reaction activity but also a very high aldehyde isomer selectivity can be obtained. Can be advantageously implemented.
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