JP3811620B2 - 釣用携行具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り具を収納して携行可能な釣用携行具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磯釣り等において、釣り人は、玉網やチャランボと呼ばれる棒状の釣具吊下げ具を持参して釣行する。したがって、釣り場を移動する場合においては、釣竿をロッドケース内に収納するだけでなく、玉網やチャランボを片付ける必要がある。この場合、玉網やチャランボをロッドケース内に収納できない場合には、これらの釣具吊下げ具を分解したり、ロッドケースとは別に保持しなければならない。
【0003】
しかし、釣り場の移動の度に、使用していた釣竿や釣具吊下げ具を分解して片付けていたのでは、目的の釣り場に到着した際に迅速に釣りを再開することができない。だからといって、リールが装着されたままの状態の釣竿や釣具吊下げ具をロッドケース内に一緒に収納してしまうと、これらが相互にぶつかり合って破損してしまう虞がある。そのため、使用していた釣具吊下げ具等を緊締部材(ベルト)によって外側面に保持できるようにしたロッドケースが実開平6−31470号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ベルトによって釣具吊下げ具等の長尺物をロッドケースの外側面に保持しただけでは、保持されている長尺物が、移動中に左右にグラ付いたり、他の障害物に引っ掛かったり、あるいは、ベルトからすり抜けてしまうといった問題が生じる。
【0005】
また、保持されている長尺物は、その全体が殆ど露出した状態となっているため、傷付き易い。特に、磯等に渡船する時には、ロッドケースごと投げ渡すこともあるため、長尺物がグラ付いていたり、露出していたりすると、受け損なったり、怪我の原因となる虞がある。
【0006】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、外側面に保持される収納物がグラ付いたり障害物に引っ掛かったり傷付いたりすることを防止できる釣用携行具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、内部に釣り具を収納して携行可能な釣用携行具において、釣り具を収容可能な内部空間を形成する上下に長い本体と、前記本体の下側に設けられるとともに、上側に向けて開口し、本体の外側面に沿わされる長尺物の端部を挿入可能な開口部を有し、この長尺物を下側から保持するポケットと、前記本体の上側に設けられるとともに、前記ポケットに端部が挿入された長尺物をポケットの上側で緊締保持する緊締部材と、前記ポケットと前記緊締部材との間で、前記本体の外側面の上下方向に沿って延びるとともに、ポケットと緊締部材とによって保持される長尺物が添接されることにより、長尺物のガタ付きを規制する添接部と、を備え、この添接部は、添接部の上下方向に沿って延び且つ前記長尺物が収まる少なくとも1つの凹状の溝と、この凹状の溝の両側に隣接する凸部とから成ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
【0009】
図1および図2に示されるように、本発明の一実施形態に係る釣用携行具1は、内部に釣竿等を収容できる大きな収容空間を形成する長尺なケース本体2を備えている。ケース本体2は、帆布や合成繊維から成る織布等の布地、あるいは、合成皮革等によって形成されており、付設されたファスナ11を開閉することによって内部の収容空間を外部に対して開閉できる。また、ケース本体2は、リール等を収容できる小さな収容空間を形成する補助収納部9を有している。この補助収納部9も、付設されたファスナ13を開閉することによって内部の収容空間を外部に対して開閉できる。なお、ケース本体2には、手で握ることができる(あるいは、肩から掛けることができる)握り部8が設けられている。
【0010】
ケース本体2の下端部には、硬質な合成樹脂等によって形成されたボトムプロテクタ3が設けられている。ボトムプロテクタ3には、上側に向けて開口する開口部5を有する補助ポケット4が突設されている。この補助ポケット4は、玉網の柄、ピトン、チャランボ等の長尺物の端部を収容して(簡単に差し込み挿入して)下側から保持できる大きさ及び形状に形成されており、EVA発泡シートのプレス加工または樹脂成型(立体成型)によって形成される。なお、補助ポケット4の底部付近に水が溜まらないように、補助ポケット4の底部に水抜き穴を設けても良い。
【0011】
補助ポケット4に差し込まれた玉網の柄やチャランボ等の長尺物を補助ポケット4の上側で保持することができるように、ケース本体2の上部側面には、前記長尺物を保持するのに十分な長さのベルト(緊締部材)6が設けられている。
【0012】
また、上側のベルト6と下側の補助ポケット4との間には、ケース本体2の長手方向(上下方向)に沿って延びる長尺なサイドパーツとしての添接部7が設けられている。この添接部7は、EVA発泡シートのプレス加工または樹脂成型(EVA、PP、ABS、PVC等の合成樹脂による立体成形加工)によって形成されており、上側のベルト6と下側の補助ポケット4との間の略全長にわたってケース本体2の外側面に例えば固着されている。また、添接部7は、ケース本体2から大きく突出しない所定の厚さ(少なくとも補助ポケット4よりも側方に突出しない厚さ)を有している。
【0013】
図3に明確に示されるように、添接部7は、略中央部に位置する凹状の溝7aと、この溝7aの両側に隣接する凸部7b,7cとを有している。溝7aは、添接部7の全長にわたって連続的に形成されており、添接部7(ケース本体2)の前側方に向けて開口するとともに、添接部7の上端および下端で開口している。また、溝7aは、図4に示されるように、補助ポケット4内に差し込まれてベルト6で緊締される長尺物20を十分に収めることができる幅を有するとともに、溝7a内に収められた長尺物20が溝7a内から著しく突出しない深さを有している。また、凸部7b,7cは、溝7a内に収められた長尺物20が左右に大きくガタ付かないように、左右両側から長尺物20を保持することができるように突出している。これらの凸部7b,7cも凹状の溝7aと同様に添接部7の全長にわたって形成されている。
【0014】
このような構成の釣用携行具1を用いて、玉網の柄、ピトン、チャランボ等の長尺物20をケース本体2の外側面に保持する場合には、長尺物20の端部を補助ポケット4内に差し込み挿入した後、補助ポケット4から上側に延びる長尺物20の部位を添接部7に添接させるように添接部7の溝7a内に位置させるとともに、添接部7から上側に突出する長尺物20の部位をベルト6によって緊締すれば良い。このような保持状態では、長尺物20が添接部7の溝7a内に収まって、長尺物20の左右へのガタ付きおよび露出が少なくなるとともに、溝7a内で長尺物20が左右に大きくガタつこうとしても、そのようなガタ付きは、溝7a内の凸部7b,7cによって規制される。
【0015】
以上説明したように、本実施形態の釣用携行具1は、ケース本体2の外側面に沿わされる長尺物20の端部を下側から保持する補助ポケット4と、補助ポケット4に端部が挿入された長尺物20を補助ポケット4の上側で緊締保持するベルト6と、補助ポケット4とベルト6との間で延びる長尺物20の部位が添接される添接部7とを備えている。しかも、添接部7は、長尺物20が収まる凹状の溝7aと、この溝7aの両側に隣接する凸部7b,7cとを有している。したがって、補助ポケット4とベルト6とによる長尺物2の保持状態が添接部7によって安定して、長尺物20の納まりが良くなる。また、添接部7の凹状の溝7aと凸部7b,7cとによって、長尺物20のグラ付き(ガタ付き)が規制されるとともに、長尺物20の側方への突出が規制され、長尺物20が障害物に引っ掛かったり傷付いたりすることを防止できる。
【0016】
また、本実施形態において、添接部7は、ケース本体2から大きく突出しない比較的小さな厚み(しかし、長尺物を保持可能な凹状の溝7aを形成できるだけの厚みを有する)で形成されているため、ケース本体2の外側面に沿って長尺物20を保持しない時には携行の邪魔になることはない。また、添接部7は、ファスナや縫着等の手間がいらないため、大型のポケットに比べて生産コストが安い。また、添接部7は、合成樹脂による立体成形加工によって形成されているため、汚れがついても楽に落とせる。これは、補助ポケット4についても同様であり、チャランボや玉網の柄等を補助ポケット4に簡単にセットできる。
【0017】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、凹状の溝7aが添接部7の全長にわたって連続的に形成されているが、途中で複数に分断されていても良い。また、溝7aが添接部7の全長にわたって形成されていなくても良い。また、添接部7は、上側のベルト6と下側の補助ポケット4との間にあれば良く、これらの間の略全長にわたって形成されている必要はない。また、添接部7の溝7aの数も1つに限定されない。例えば、図5に示されるように、2つの溝7a,7a’が設けられても良い。この場合も、溝7a,7a’の両側には凸部7b,7c,7dが設けられる。したがって、2つの長尺物20,21を安定して保持できる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の釣用携行具によれば、ポケットと緊締部材とによって外側面に保持される収納物が、これらのポケットと緊締部材との間に延びる添接部の凹状の溝と凸部とによって安定し、露出が少なくなることにより、グラ付いたり障害物に引っ掛かったり傷付いたりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る釣用携行具の正面図である。
【図2】図1の釣用携行具の側面図である。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】添接部に長尺物を添接させた状態における図1のA−A線に沿う断面図である。
【図5】変形例に係る添接部の断面図である。
【符号の説明】
1…釣用携行具
2…本体
4…ポケット
6…ベルト(緊締部材)
7…添接部
7a,7a’…凹状の溝
7b,7c,7d…凸部
20…長尺物
Claims (1)
- 内部に釣り具を収納して携行可能な釣用携行具において、
釣り具を収容可能な内部空間を形成する上下に長い本体と、
前記本体の下側に設けられるとともに、上側に向けて開口し、本体の外側面に沿わされる長尺物の端部を挿入可能な開口部を有し、この長尺物を下側から保持するポケットと、
前記本体の上側に設けられるとともに、前記ポケットに端部が挿入された長尺物をポケットの上側で緊締保持する緊締部材と、
前記ポケットと前記緊締部材との間で、前記本体の外側面の上下方向に沿って延びるとともに、ポケットと緊締部材とによって保持される長尺物が添接されることにより、長尺物のガタ付きを規制する添接部と、を備え、
この添接部は、添接部の上下方向に沿って延び且つ前記長尺物が収まる少なくとも1つの凹状の溝と、この凹状の溝の両側に隣接する凸部とから成ることを特徴とする釣用携行具。
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