JP3811264B2 - Box structure by resin molding and method for manufacturing the box structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂で一体に形成した箱型構造物及びこの箱型構造物の製作(製造)方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
箱型形状の機器、例えばポータブル放送装置等の可搬型のポータブル機器では、電源コード、マイクロホン、予備の電池等の付属品等を収納する収納スペースを機器内部に設けた箱型構造物とする必要がある。
図10は従来の箱型構造物を上方から見た斜視図を示し、図11は裏面側から見た斜視図を示している。図10及び図11において、箱型構造物の上面板10に、両端に帯状部12を残して形成された凹部14は、付属品等収納スペースとして用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の箱型構造物では、斜線で示す部分のような不要な空間であるデッドスペース16が生じ、このため、箱型構造物が大型化するとともに重量化するという問題があった。
上記のデッドスペースをなくすために、図12及び図13に示すような箱型構造物とした場合には、可動側金型は図14に示すような形状となり、金型脚部18が十分に支えられないため、樹脂成形時の射出圧力によって外側又は内側のいずれかの方向に大きな力がかかり、製品(箱型構造物)の精度が低下するとともに、金型の寿命が著しく短くなるという問題があった。なお、金型脚部18の強度を確保するために金型脚部18を厚くすると、金型が大きくなり、製作された箱型構造体も大きくなるという不都合があった。
【0004】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、デッドスペースをなくして不要な空間を削減することができ、このため小型化・軽量化を実現することができ、また、金型の破損を防止して、耐久性の向上を図ることができ、さらに、成形時に金型の歪みが生じないようにして、製品(箱型構造物)の精度を確保することができる樹脂成形による箱型構造物及びこの箱型構造物の製作方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の樹脂成形による箱型構造物は、樹脂製の上箱型本体の上面板に、この上面板の一部を両端に帯状部として残して樹脂製の凹部を一体に樹脂成形により形成し、前記帯状部及び凹部の横断面形状において、上箱型本体の側板の肉厚が凹部の側板の肉厚より大きく形成されており、帯状部と凹部との連接部に複数の食い切り孔が設けられているように構成されている(図1〜図4参照)。
上記の箱型構造物において、上箱型本体の側板が下方に行くにつれて外側に位置するように傾斜しており、かつ、凹部の側板が下方に行くにつれて内側に位置するように傾斜しているように形成することが好ましい(図2〜図4参照)。
【0006】
本発明の箱型構造物の製作方法は、樹脂製の上箱型本体の上面板に、この上面板の一部を両端に帯状部として残して樹脂製の凹部を樹脂成形により一体に形成する箱型構造物の製作方法において、
上箱型本体の側板、凹部の側板及び凹部の底板を形成するための可動側金型及び固定側金型を、上箱型本体の側板を形成するための空隙が凹部の側板を形成するための空隙より大きくなるように可動側金型を固定側金型で被覆して配設し、可動側金型の上端内側に複数の食い切り部を設け、固定側金型にこれらの食い切り部に嵌合する複数の突起を設けて、可動側金型が内側に倒れ込むことを規制した後、可動側金型の上側のゲートから溶融樹脂を射出することを特徴としている(図1〜図9参照)。
【0007】
上記の箱型構造物の製作方法において、可動側金型が下方に行くにつれて広がるように形成されており、固定側金型がこの可動側金型との間に上箱型本体の側板を形成するための空隙及び凹部の側板を形成するための空隙が形成されるように、下方に行くにつれて広がる空間を有するように形成されていることが好ましい(図8、図9参照)。
このような金型を用いることにより、可動側金型が内側に倒れ込むことを規制しつつ、溶融樹脂を円滑に流し込むことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
図1は本発明の実施の第1形態による箱型構造物の斜視図を示し、図2はA−A線断面を示し、図3はB−B線断面を示し、図4は図3において鎖線円で囲まれた部分の拡大斜視図を示している。
図1〜図4に示すように、樹脂製の上箱型本体20の上面板22に、この上面板22の一部を両端(両側)に帯状部(帯状板)24として残して樹脂製の凹部26が一体に樹脂成形により形成されている。この凹部26が付属品等収納スペースとなる。また、残された上面板22の下側にも収納スペースが形成されている。
【0009】
図2及び図3に示す、前記帯状部24及び凹部26の横断面形状において、上箱型本体の側板28及び帯状部24の肉厚t2 が、凹部26の側板30の肉厚t1 より大きく形成されている。また、帯状部24と凹部26の側板30との連接部に複数の食い切り孔32が設けられている。凹部の底板34の厚みはt1 とすることが好ましいが、t1 より厚く、又は薄くしてもよい。36はゲート(湯口)位置である。
【0010】
上箱型本体の側板28は、下方に行くにつれて広がって外側に位置するように傾斜しており、かつ、凹部26の側板30は下方に行くにつれて内側に位置するように傾斜している。凹部26の側板30、30の下端には、底板34が連設されている。
【0011】
つぎに、上記の箱型構造物の製作方法の一例について、図5〜図9に基づいて説明する。
上箱型本体の側板28、凹部26の側板30及び底板34(図2参照)を形成するための可動側金型38(図6参照)及び固定側金型40(図5参照)を、図7〜図9に示すように、上箱型本体の側板28を形成するための空隙42が、凹部の側板30を形成するための空隙44よりも大きくなるように、可動側金型38を固定側金型40で被覆して配設する。さらに、図6及び図8に示すように、可動側金型38の金型脚部46の上端内側に複数の食い切り部48を設け、図5及び図8に示すように、固定側金型40にこれらの食い切り部48に密に嵌合する複数の突起50を設ける。52は帯状部24を形成するための空隙である。
このようにして、可動側金型38が内側(図8における右側)に倒れ込むことを規制した後、固定側金型の上側のゲート(湯口)から溶融樹脂を射出して箱型構造物を一体に成形する。
【0012】
図8及び図9に示すように可動側金型38は、下方に行くにつれて広がるように(厚くなるように)形成されており、固定側金型40はこの可動側金型38との間に上箱型本体の側板を形成するための空隙42、凹部の側板を形成するための空隙44及び帯状部を形成するための空隙52が形成されるように、下方に行くにつれて広がる空間54を有している。
このように構成することにより、広い空隙42方向に先に溶融樹脂が流れ込み、射出圧力によって可動側金型38は内側(図8における右方向)に倒れ込もうとするが、食い切り部48に突起50が密に嵌合しているので、可動側金型38が内側に倒れ込むことが規制される。このため、金型の破損が防止され、製品(箱型構造物)自身の精度を確保することができる。なお、広い空隙42内に溶融樹脂が先に流れ込み、その後に狭い空間44内に溶融樹脂が流れ込むので、可動側金型38は外側(図8における左方向)に倒れ込むことはない。また、図5に示す固定側金型40と、図6に示す可動側金型38とを組み合わせる場合は、図5に示す固定側金型40を、図5における上下及び表裏を逆にした状態で、図6に示す可動側金型38と組み合わせる。56は凹部の底板を成形するための底板成形部である。
なお、上記の製作方法で得られる箱型構造物は、上箱型本体の側板28の下端と凹部の底板34との高さが同じものであるが、図2に示すように、凹部の底板34よりも側板28の下端が下方に位置する箱型構造物は、固定側金型及び可動側金型を変形することにより上記と同様の方法で製作することができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) 不要な空間(デッドスペース)を削減することができるので、箱型構造物を用いた機器の小型化・軽量化を実現することができる。
(2) 金型の倒れ込みを規制することができるので、金型の破損を防止することができ、金型の耐久性の向上及び長寿命化を図ることができる。
(3) 樹脂成形時に金型の歪みが生じないので、製品(箱型構造物)の精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による樹脂成形による箱型構造物の斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図1におけるB−B線断面図である。
【図4】図3において鎖線円で囲まれた部分の拡大斜視図である。
【図5】固定側金型の斜視図である。
【図6】可動側金型の斜視図である。
【図7】固定側金型と可動側金型とを組み合わせた状態で、図6に示す可動側金型のC−C線で切断した場合の断面概念図である。
【図8】可動側金型と固定側金型とを組み合わせた状態の要部で、食い切り部分まわりの断面図である。
【図9】可動側金型と固定側金型とを組み合わせた状態の要部で、食い切り部分以外の部分の断面図である。
【図10】従来の箱型構造物の一例を示す、上方向から見た斜視図である。
【図11】図10に示す箱型構造物を底面方向から見た斜視図である。
【図12】従来の箱型構造物の他の例を示す、上方向から見た斜視図である。
【図13】図12に示す箱型構造物を底面方向から見た斜視図である。
【図14】図12及び図13に示す箱型構造物を成形する場合の可動側金型の断面説明図である。
【符号の説明】
10、22 上面板
12、24 帯状部(帯状板)
14、26 凹部(収納スペース)
16 デッドスペース
18、46 金型脚部
20 上箱型本体
28 上箱型本体の側板
30 凹部の側板
32 食い切り孔
34 凹部の底板
36 ゲート(湯口)位置
38 可動側金型
40 固定側金型
42 広い空隙
44 狭い空隙
48 食い切り部
50 突起
52 帯状部を形成するための空隙
54 広がる空間
56 底板成形部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a box structure integrally formed of a synthetic resin and a method for manufacturing (manufacturing) the box structure.
[0002]
[Prior art]
For box-shaped devices, such as portable portable devices such as portable broadcasting devices, it is necessary to use a box-type structure with a storage space for storing accessories such as power cords, microphones, spare batteries, etc. There is.
10 shows a perspective view of a conventional box-type structure as viewed from above, and FIG. 11 shows a perspective view as seen from the back side. 10 and 11, the
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional box-type structure described above, there is a
In order to eliminate the dead space, when the box-type structure as shown in FIG. 12 and FIG. 13 is used, the movable side mold has a shape as shown in FIG. Since it is not supported, a large force is applied in either the outer or inner direction due to the injection pressure during resin molding, which reduces the accuracy of the product (box structure) and significantly shortens the life of the mold. was there. In addition, when the
[0004]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to eliminate dead space by eliminating dead space, and thus to achieve downsizing and weight reduction. Resin that can prevent damage to the mold, improve durability, and prevent distortion of the mold during molding to ensure the accuracy of the product (box structure) An object of the present invention is to provide a box structure by molding and a method for manufacturing the box structure.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the resin-molded box-shaped structure of the present invention is made of a resin-made upper box-type body on the upper surface plate, leaving a part of the upper surface plate as a band at both ends. The concave portion is formed integrally by resin molding, and the thickness of the side plate of the upper box type main body is larger than the thickness of the side plate of the concave portion in the cross-sectional shape of the belt-like portion and the concave portion. It is comprised so that several biting holes may be provided in the connection part (refer FIGS. 1-4).
In the above box structure, the side plate of the upper box type main body is inclined so as to be positioned outward as it goes downward, and the concave side plate is inclined so as to be positioned inside as it goes downward. (See FIGS. 2 to 4).
[0006]
In the method for manufacturing a box-shaped structure according to the present invention, a resin concave portion is integrally formed on a top plate of a resin upper box type main body by resin molding, leaving a part of the top plate as a strip at both ends. In the manufacturing method of the box-type structure,
The movable side mold and the fixed side mold for forming the side plate of the upper box type main body, the side plate of the concave portion and the bottom plate of the concave portion, and the gap for forming the side plate of the upper box type main body form the side plate of the concave portion. The movable side mold is covered with the fixed side mold so that the gap is larger than the gap, and a plurality of cutouts are provided inside the upper end of the movable side mold, and the fixed side mold is fitted with these cutout parts. It is characterized by injecting molten resin from the upper gate of the movable side mold after providing a plurality of projections to be joined and restricting the movable side mold from falling inward (see FIGS. 1 to 9). .
[0007]
In the above box structure manufacturing method, the movable side mold is formed so as to spread downward, and the fixed side mold forms the side plate of the upper box type main body with this movable side mold. In order to form a gap for forming the gap and a gap for forming the side plate of the recess, it is preferable to have a space that expands downward (see FIGS. 8 and 9).
By using such a mold, the molten resin can be poured smoothly while restricting the movable mold from falling inward.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described, but the present invention is not limited to the following embodiments, and can be implemented with appropriate modifications.
1 shows a perspective view of a box-type structure according to a first embodiment of the present invention, FIG. 2 shows a cross section taken along line AA, FIG. 3 shows a cross section taken along line BB, and FIG. The enlarged perspective view of the part enclosed with the chain-line circle is shown.
As shown in FIGS. 1 to 4, a part of the
[0009]
2 and 3, the thickness t 2 of the
[0010]
The
[0011]
Next, an example of a method for manufacturing the box structure will be described with reference to FIGS.
A movable side mold 38 (see FIG. 6) and a fixed side mold 40 (see FIG. 5) for forming the
In this way, after restricting the
[0012]
As shown in FIGS. 8 and 9, the
With this configuration, the molten resin flows first in the direction of the
The box-type structure obtained by the above manufacturing method has the same height between the lower end of the
[0013]
【The invention's effect】
Since this invention is comprised as mentioned above, there exist the following effects.
(1) Since unnecessary space (dead space) can be reduced, it is possible to reduce the size and weight of equipment using a box-type structure.
(2) Since the mold can be prevented from falling down, the mold can be prevented from being damaged, and the durability of the mold can be improved and the life can be extended.
(3) Since the mold is not distorted during resin molding, the accuracy of the product (box structure) can be ensured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a box-shaped structure formed by resin molding according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
4 is an enlarged perspective view of a portion surrounded by a chain line circle in FIG. 3;
FIG. 5 is a perspective view of a fixed-side mold.
FIG. 6 is a perspective view of a movable mold.
7 is a conceptual cross-sectional view when the movable side mold shown in FIG. 6 is cut along line CC in a state where the fixed side mold and the movable side mold are combined. FIG.
FIG. 8 is a cross-sectional view of the main part in a state where the movable side mold and the fixed side mold are combined, and around the biting portion.
FIG. 9 is a cross-sectional view of a main part in a state where the movable side mold and the fixed side mold are combined, and a part other than the cut-out part.
FIG. 10 is a perspective view showing an example of a conventional box-type structure as viewed from above.
11 is a perspective view of the box-shaped structure shown in FIG. 10 as viewed from the bottom.
FIG. 12 is a perspective view showing another example of a conventional box structure as viewed from above.
13 is a perspective view of the box-type structure shown in FIG. 12 as seen from the bottom surface.
14 is a cross-sectional explanatory view of a movable side mold when the box-shaped structure shown in FIGS. 12 and 13 is molded. FIG.
[Explanation of symbols]
10, 22
14, 26 Recess (storage space)
16
Claims (4)
箱型構造物の上箱型本体の側板の肉厚を凹部の側板の肉厚より大きく形成させるために、上箱型本体の側板、凹部の側板及び凹部の底板を形成するための可動側金型及び固定側金型を、上箱型本体の側板を形成するための空隙が凹部の側板を形成するための空隙より大きくなるように可動側金型を固定側金型で被覆して配設し、可動側金型の上端内側に複数の食い切り部を設け、固定側金型にこれらの食い切り部に嵌合する複数の突起を設けて、可動側金型が内側に倒れ込むことを規制した後、可動側金型の上側のゲートから溶融樹脂を射出することを特徴とする樹脂成形による箱型構造物の製作方法。In the manufacturing method of the box-shaped structure in which the resin concave portion is integrally formed by resin molding, leaving a part of the upper surface plate as a strip at both ends on the upper surface plate of the resin upper box type main body,
A movable side plate for forming the side plate of the upper box type main body, the side plate of the concave portion, and the bottom plate of the concave portion so that the thickness of the side plate of the upper box type main body of the box structure is larger than the thickness of the side plate of the concave portion. The movable mold is covered with the fixed mold so that the gap for forming the side plate of the upper box mold main body is larger than the gap for forming the concave side plate. After providing a plurality of cutouts inside the upper end of the movable mold, and providing a plurality of protrusions that fit into these cutouts on the fixed mold to restrict the movable mold from falling inward A method for producing a box structure by resin molding, characterized in that molten resin is injected from an upper gate of a movable mold.
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