JP3810017B2 - 縮合ヘテロアリール誘導体 - Google Patents

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JP3810017B2 JP2004332225A JP2004332225A JP3810017B2 JP 3810017 B2 JP3810017 B2 JP 3810017B2 JP 2004332225 A JP2004332225 A JP 2004332225A JP 2004332225 A JP2004332225 A JP 2004332225A JP 3810017 B2 JP3810017 B2 JP 3810017B2
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本発明は医薬、殊にフォスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害剤
並びに抗癌剤として有用な縮合ヘテロアリール誘導体に関する。
フォスファチジルイノシトール(以下「PI」という。)は細胞膜リン脂質の一
つであるが、細胞内情報伝達にも重要な役割を果たすことが明らかにされてきた
。特に、PI(4,5)2リン酸(PI(4,5)P2)はフォスフォリパーゼCにより、ジアシル
グリセロールとイノシトール(1,4,5)3リン酸に分解され、プロテインキナーゼC
の活性化と細胞内カルシウム動員を引き起こすことは良く知られている[MJ Berr
idge et al., Nature, 312, 315, (1984), Y Nishizuka, Science, 225, 1365 (
1984)]。
一方、1980年代後半、PI類のイノシトール環の3位をリン酸化する酵素として
PI3Kが同定された[D Whitman et al., Nature, 332, 664 (1988)]。
PI3Kは発見当初は単一の酵素であると思われていた。近年、PI3Kには複数のサ
ブタイプが存在することが判明し、in vitro基質特異性により以下の3つに分類
された [B Vanhaesebroeck, Trends in Biochemical Sciences, 22, 267, (1997
)]。
class I酵素は、PI, PI(4)P, PI(4,5)P2を基質とするが、細胞内で最も良い基
質となるのはPI(4,5)P2である。class I酵素は、活性化機構により更に2つ(cla
ss Ia, Ib)に分類される。class Ia はチロシンキナーゼ系で活性化され、p110
α, p110β及び p110δサブタイプが含まれる。class IbはGタンパク共役型受容
体で活性化されるp110γサブタイプが含まれる。
class II酵素はPI, PI(4)Pを基質とするが、PI(4,5)P2は基質としない。この
酵素にはPI3K C2α、C2β及びC2γサブタイプが含まれ、C末端にC2領域を有する
ことが特徴であり、カルシウムイオンにより活性が制御されることが示唆される
。Class III酵素はPIのみを基質とする。この酵素の活性化機構は明らかにされ
ていない。各サブタイプは固有の活性調節機構を持つことから、固有の刺激に応
じて活性化されると考えられている。
PI3Kサブタイプの中で最も研究が進んでいるのはclass Iaサブタイプである。
Class Iaサブタイプは110kDaの触媒サブユニットと85/55kDaの調節サブユニット
から構成される。調節サブユニットはSH2ドメインを有しており、チロシンキナ
ーゼ活性を有する増殖因子受容体や癌遺伝子産物によりリン酸化されたチロシン
残基と結合する。その結果、p110触媒サブユニットのPI3K活性を惹起する。従っ
て、class Iaサブタイプは細胞増殖・癌化に関与すると考えれられている。また
、class Ia PI3Kは活性型rasと結合し酵素活性を発現するが、活性型rasの存在
は多くの癌で確認されている。このことは、class Ia PI3Kが細胞の癌化に関与
することを示唆する。
血糖低下作用を有する下式(a)で示される縮合ヘテロアリール誘導体が開示さ
れている(例えば、特許文献1参照)。また、下式(b)で示される化合物、及び
下式(c)で示される化合物の合成法(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参
照)、更に、下式(d)で示される抗菌活性を有する化合物(例えば、非特許文献
3参照)が、それぞれ知られている。しかしながら、これらの先行文献に、PI3K
阻害作用については開示も示唆もない。
Figure 0003810017
((a)の式中、ZはO、S又はN−R0を、R1は置換基を有していてもよいアミ
ノ基又は置換基を有していてもよい複素環式基等を、R2はシアノ基、置換基を
有していてもよいアミノ基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示す。そ
の他の定義は当該公報参照。(b)及び(c)の式中、Rは(置換)アミノ又は(置換
)含窒素飽和ヘテロ環基を示す。)
チロシンキナーゼレセプター阻害作用を有し抗癌剤等として有用な、4位に特
定のヘテロアリール置換アミノ基、フェニル置換アミノ基、又はインドール-1-
イル基を有し、2位が未置換の7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン誘導体等の縮合ピリ
ミジン誘導体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、後記一般式(I)で示される、A環が(b)で示される環である化合物
において、
(1) 4-(4-モルホリニル)-2-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジンが、抗炎症、抗鎮
痙作用(antiinflammatory,spasmolytic)を有する化合物として(例えば、非特許
文献4参照)、
(2) 4-(4-モルホリニル)-2-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(1H)-オンが、
利尿作用(diuretic activity)を有する化合物として(例えば、非特許文献5参
照)、
(3) 4-(4-モルホリニル)-2-フェニル-6-キナゾリノール、及び6-メトキシ-4-(4-
モルホリニル)-2-フェニルキナゾリンが、抗菌活性(antibiotic)を有する化合物
として(例えば、非特許文献6〜7参照)、
(4) 2,4-ジアミノ-6-フェニル-8-ピペリジノピリミド[5,4-d]ピリミジンが、脳
虚血の予防・治療作用(celebral ischemia)を有する化合物として(例えば、特
許文献3参照)、
(5) 後記一般式(Ib)において、Bがベンゼン環、WがN、nが2又は3、存
在するR1はすべて-OMe、且つ、R4bが未置換若しくは−ハロゲン、−NO2
、−低級アルキル、−O−低級アルキル、−ハロゲノ低級アルキル及び−CON
RaRcから選択される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である化合
物が、循環器疾患薬(cardiovascular)として(例えば、特許文献4参照)、
(6) 後記一般式(Ib)において、Bがベンゼン環、WがN、nが1、R1は−
ハロゲン又は−低級アルキル、且つR4bが−(置換基を有していてもよいイミダ
ゾリル)である化合物が、寄生虫薬(antiparasitics)として(例えば、特許文献
5参照)、
(7) 後記一般式(Ib)において、Bがチオフェン環、且つ、WがCHである化
合物が、抗不安作用薬(antianxiety)として(例えば、特許文献6参照)、
(8) 後記一般式(Ib)において、Bがイミダゾール環、且つ、WがNである化
合物が、抗炎症作用、血小板凝集抑制作用等を有する化合物として(例えば、特
許文献7〜8参照)、
(9) 後記一般式(Ib)において、Bがピリジン環、且つ、R4bが未置換フェニ
ル、未置換ピリジン、若しくは−低級アルキレン−(置換基を有していてもよい
含窒素飽和ヘテロ環)である化合物が、鎮痙作用、利尿作用(spasmolytic、diur
etic)若しくは血圧降下作用(hypotensive activity)を有する化合物として(例
えば、特許文献9及び非特許文献8参照)、
(10) 後記一般式(Ib)において、Bがピラジン環、且つ、R4bが未置換フェ
ニル、若しくはベンジルである化合物が、血管拡張、鎮静作用(coronary dilati
ng,sedative activity)を有する化合物として(例えば、特許文献10参照)、
(11) 後記一般式(Ib)において、Bがベンゼン環、且つ、R4bがスチリル、
若しくは2−(5−ニトロ−2−フリル)ビニルである化合物が、抗炎症作用あ
るいは抗菌活性を有する化合物として(例えば、特許文献11〜12参照)、及

(12) 後記一般式(Ib)において、Bがベンゼン環、WがCH、かつR2及びR
3が隣接するN原子と一体となって、−(置換基を有していてもよいピペリジニ
ル)又は−(置換基を有していてもよいピペラジニル)である化合物が、ベンゾ
ジアゼピンレセプターリガンドとして(例えば、非特許文献9参照)、鎮痙作用
、精神安定作用等を有する化合物として(例えば、特許文献13参照)、また、
脂質過酸阻害作用等を有する化合物として(例えば、特許文献14参照)、それ
ぞれ知られている。
更に、後記一般式(Ib)において、Bがピリジン環、且つ、nが0である化
合物が、寄生虫薬(例えば、特許文献15参照)、熱感受性レコーディング材料
の色素成分(例えば、特許文献16参照)、抗バクテリア薬(例えば、非特許文
献10参照)、変異誘発作用化合物(例えば、非特許文献11参照)、抗HIV
剤(例えば、非特許文献12〜13及び特許文献17参照)として有用であるこ
とが知られており、又、当該化合物の合成についても(例えば、非特許文献14
〜15参照)開示されている。しかしながら、これらの先行文献に、PI3K阻害作
用並びに抗癌作用については開示も示唆もない。
特開平6-220059号公報 国際公開98/23613号パンフレット 国際公開2000/41697号パンフレット 国際公開99/32460号パンフレット ベルギー特許第841669号明細書 国際公開99/43682号パンフレット 特開昭62-10085号公報 特開昭61-158983号公報 米国特許第3873545号明細書 米国特許第2940972号明細書 米国特許第3753981号明細書 独国特許出願公開第2140280号明細書 米国特許第4560692号明細書 特開平2-129169号公報 特開平51-138689号公報 特開平56-120768号公報 米国特許第5304554号明細書 「Indian Journal of Chemistry Section B」、1993年、第32B巻、第9号、p.965-8 「Journal of Heterocyclic Chemistry」、1992年、第29巻、第7号、p.1693-702 「Al-Azhar Bull. Sci.ence」、992年、第3巻、第2号、p.767-75 「Annales Pharmaceutiques Francaises」、1974年、第32巻、第11号、p.575-9 「Chemical & Pharmaceutical Bulletin」、1976年、第24巻、第9号、p.2057-77 「Khimiko-Farmatsevticheskii Zhurnal」、1993年、第7巻、第7号、p.16-19 「Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii」、1971年、第7巻、第3号、p.418-20 「Acta Poloniae Pharmaceutica - Drug Research」、1994年、第51巻、第4-5号、p.359-63 「European Journal of Medicinal Chemistry」、1996年、第31巻、第5号、p.417-425 「Antimicrobial Agents and Chemotherapy」、1975年、第8巻、第2号、p.216-19 「Cancer Research」、1975年、第35巻、第12号、p.3611-17 「Chemical Abstract(CA)64:19608c」 「Collection of Czechoslovak Chemical Communications」、1994年、第59巻、第6号、p.1463-6 「Chemical & Pharmaceutical Bulletin」、1982年、第30巻、第6号、p.1974-9 「Journal of Heterocyclic Chemistry」、1980年、第17巻、第5号、p.1029-34
以上のように、PI3K阻害剤は新しいタイプの細胞増殖性疾患に有用な医薬、殊
に抗癌剤として期待されている。PI3K阻害剤としては、wortmannin[H Yano et a
l., J. Biol. Chem., 263, 16178, 1993]や下式で示される LY294002[CJ Vlahos
et al., J. Biol. Chem., 269, 5241, 1994]が知られているが、より強力な癌
細胞増殖抑制作用を有するPI3K阻害剤の創製が切望されている。
Figure 0003810017
本発明者等は、PI3Kに対して阻害作用を有する化合物を鋭意研究し、新規な縮
合ヘテロアリール誘導体が優れたPI3K活性並びに癌細胞増殖抑制作用を有するこ
とを見出し、良好なPI3K阻害剤並びに抗癌剤となり得ることを知見して、本発明
を完成したものである。
よって、本発明は、下記一般式(I)で示される縮合ヘテロアリール誘導体又
はその塩と製薬学的に許容される担体を含有するPI3K阻害剤若しくは抗癌剤であ
る医薬組成物に関する。
Figure 0003810017
B:ベンゼン環、又はO、S及びNから選択される1乃至2個のヘテロ原子を
含む5乃至6員単環ヘテロアリール環、
1:−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−シクロアル
キル、−置換基を有していてもよいアリール、−置換基を有していてもよいヘテ
ロアリール、−ハロゲン、−NO2、−CN、−ハロゲノ低級アルキル、−OR
b、−SRb、−SO2−Rb、−SO−Rb、−COORb、−CO−Rb、
−CONRaRb、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRa−CORb、
−NRa−SO2Rb、−O−CO−NRaRb又は−NRaCO−COORb
、−CO−含窒素飽和ヘテロ環、−CONRa−低級アルキレン−ORb、−C
ONRa−低級アルキレン−NRbNRc、−O−低級アルキレン−ORb、−
O−低級アルキレン−O−低級アルキレン−ORb、−O−低級アルキレン−N
RaRb、−O−低級アルキレン−O−低級アルキレン−NRaRb、−O−低
級アルキレン−NRc−低級アルキレン−NRaRb、−NRc−低級アルキレ
ン−NRaRb、−N(低級アルキレン−NRaRb)2、−CONRa−OR
b、−NRa−CO−NRbRc、又は、−OCORb
2及びR3:同一又は異なって、−H、−低級アルキル、−低級アルキレン−
ORa若しくは−低級アルキレン−NRaRc、又はR2とR3とが隣接するN原
子と一体となって−NR23として置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ
環基を形成し、
Ra及びRc:同一又は異なって、−H又は−低級アルキル、
Rb:−H、−低級アルキル、シクロアルキル、置換基を有していてもよいア
リール又は置換基を有していてもよいヘテロアリール、
n:0、1、2又は3、
W及びX:同一又は異なって、N又はCH、
Y:O,S又はNH、
4:−H、−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−(置
換基を有していてもよいアリール)、−低級アルキレン−(置換基を有していて
もよいアリール)、−低級アルケニレン−(置換基を有していてもよいアリール
)、−低級アルキニレン−(置換基を有していてもよいアリール)、−(置換基
を有していてもよいシクロアルキル)、−(置換基を有していてもよいシクロア
ルケニル)、−低級アルキレン−(置換基を有していてもよいシクロアルキル)
、−低級アルケニレン−(置換基を有していてもよいシクロアルキル)、−低級
アルキレン−(置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環)、−低級アルケ
ニレン−(置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環)、−(置換基を有し
ていてもよいヘテロアリール)、−低級アルキレン−(置換基を有していてもよ
いヘテロアリール)又は−低級アルケニレン−(置換基を有していてもよいヘテ
ロアリール)、
但し、(1)Bがベンゼン環であり、R4が−H又は−低級アルキルであるとき
、nは1、かつR1は−OHであり、また(2)Bがベンゼン環であり、R4が置
換基を有していてもよい1−イミダゾリル基のとき、R2及びR3は隣接するN原
子と一体となって−NR23として−OH,=O及び−低級アルキルからなる群
から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい含窒素飽和環基を形成する
。以下同様。)
本発明化合物(I)は、当該定義に含まれる、前記従来の技術に記載の既知化
合物、並びに後記実施例表に記載の化合物Z等の市販化合物を包含する。
また、本発明は、一般式(Ia)又は(Ib)で示される新規な縮合ヘテロア
リール誘導体又はその塩、及び当該化合物又はその塩と製薬学的に許容される担
体を含有する新規な医薬組成物に関する。
Figure 0003810017
(式中の記号は以下の意味を示す。
1:−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−シクロアル
キル、−置換基を有していてもよいアリール、−置換基を有していてもよいヘテ
ロアリール、−ハロゲン、−NO2、−CN、−ハロゲノ低級アルキル、−OR
b、−SRb、−SO2−Rb、−SO−Rb、−COORb、−CO−Rb、
−CONRaRb、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRa−CORb、
−NRa−SO2Rb、−O−CO−NRaRb又は−NRaCO−COORb
、−CO−含窒素飽和ヘテロ環、−CONRa−低級アルキレン−ORb、−C
ONRa−低級アルキレン−NRbNRc、−O−低級アルキレン−ORb、−
O−低級アルキレン−O−低級アルキレン−ORb、−O−低級アルキレン−N
RaRb、−O−低級アルキレン−O−低級アルキレン−NRaRb、−O−低
級アルキレン−NRc−低級アルキレン−NRaRb、−NRc−低級アルキレ
ン−NRaRb、−N(低級アルキレン−NRaRb)2、−CONRa−OR
b、−NRa−CO−NRbRc、又は、−OCORb
2及びR3:同一又は異なって、−H若しくは−低級アルキル、又はR2とR3
とが隣接するN原子と一体となって−NR23として置換基を有していてもよい
含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、
Ra及びRc:同一又は異なって、−H又は−低級アルキル、
Rb:−H、−低級アルキル、シクロアルキル、置換基を有していてもよいア
リール又は置換基を有していてもよいヘテロアリール、
n:0、1、2又は3、
X:N又はCH、
Y:O,S又はNH
4a:−(置換基を有していてもよいアリール)、−低級アルキレン−(置換
基を有していてもよいアリール)、−低級アルケニレン−(置換基を有していて
もよいアリール)、−低級アルキニレン−(置換基を有していてもよいアリール
)、−(置換基を有していてもよいシクロアルキル)、−(置換基を有していて
もよいシクロアルケニル)、−低級アルキレン−(置換基を有していてもよいシ
クロアルキル)、−低級アルケニレン−(置換基を有していてもよいシクロアル
キル)、−低級アルキレン−(置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環)
、−低級アルケニレン−(置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環)、−
(置換基を有していてもよいヘテロアリール)、−低級アルキレン−(置換基を
有していてもよいヘテロアリール)又は−低級アルケニレン−(置換基を有して
いてもよいヘテロアリール)、
但し、以下の化合物を除く。
(1)XがN、YがS、nが3、かつ、R1が−CN、−OEt及びフェニルの
組合せ、且つR4aが2−ニトロフェニルである化合物、
(2)XがCH、且つR4aが−(置換基を有していてもよいヘテロアリール)で
ある化合物、
(3)XがCH、YがO、nが0、且つR4aが未置換フェニルである化合物、
(4)XがN、YがS、nが2、R1が共に未置換フェニル、且つR4aが4−メ
トキシフェニル又は未置換フェニルである化合物、
(5)XがCH、YがNH、−NR23がモルホリノかつR4aがモルホリノメチ
ルである化合物、及び、
(6)XがCH、YがOであり、−NR23がモルホリノかつR4aがモルホリノ
メチル、−NR23がピペリジノかつR4aがピペリジノメチル、又は−NR23
が1−ピロリジニルかつR4aが1−ピロリジニルメチルである化合物。以下同様
。)
Figure 0003810017
(式中の記号は以下の意味を示す。
B:ベンゼン環、又はO、S及びNから選択される1乃至2個のヘテロ原子を
含む5乃至6員単環ヘテロアリール環、
1:−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−シクロアル
キル、−置換基を有していてもよいアリール、−置換基を有していてもよいヘテ
ロアリール、−ハロゲン、−NO2、−CN、−ハロゲノ低級アルキル、−OR
b、−SRb、−SO2−Rb、−SO−Rb、−COORb、−CO−Rb、
−CONRaRb、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRa−CORb、
−NRa−SO2Rb、−O−CO−NRaRb、−NRaCO−COORb、
−NRaCOORb、−NRaCO−低級アルキレン−アリール、−NRa−S
2−低級アルキレン−アリール、−NRa−低級アルキレン−アリール、−低
級アルキレン−ORb、−低級アルキレン−NRaRb、−CO−含窒素飽和ヘ
テロ環、−CONRa−低級アルキレン−ORb、−CONRa−低級アルキレ
ン−NRcRb、−CONRa−低級アルキレン−含窒素飽和ヘテロ環、−O−
低級アルキレン−ORb、−O−低級アルキレン−NRaRb、−O−低級アル
キレン−含窒素飽和ヘテロ環、−O−低級アルキレン−O−低級アルキレン−O
Rb、−O−低級アルキレン−O−低級アルキレン−NRaRb、−O−低級ア
ルキレン−NRc−低級アルキレン−NRaRb、−NRc−低級アルキレン−
NRaRb、−N(低級アルキレン−NRaRb)2、−CONRa−ORb、
−NRa−CO−NRbRc、又は、−OCORb
2及びR3:隣接するN原子と一体となって−NR23として置換基を有して
いてもよい含窒素飽和ヘテロ環基を形成し、
Ra及びRc:同一又は異なって、−H又は−低級アルキル、
Rb:−H、−低級アルキル、−シクロアルキル、−置換基を有していてもよ
いアリール又は−置換基を有していてもよいヘテロアリール、
n:0、1、2又は3、但し、Bがベンゼン環のときnは1、2又は3、
W:N又はCH、
4b:−(置換基を有していてもよいアリール)、−低級アルキレン−(置換
基を有していてもよいアリール)、−低級アルケニレン−(置換基を有していて
もよいアリール)、−低級アルキニレン−(置換基を有していてもよいアリール
)、−(置換基を有していてもよいシクロアルキル)、−(置換基を有していて
もよいシクロアルケニル)、−低級アルキレン−(置換基を有していてもよいシ
クロアルキル)、−低級アルケニレン−(置換基を有していてもよいシクロアル
キル)、−低級アルキレン−(置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環)
、−低級アルケニレン−(置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環)、−
(置換基を有していてもよいヘテロアリール)、−低級アルキレン−(置換基を
有していてもよいヘテロアリール)又は−低級アルケニレン−(置換基を有して
いてもよいヘテロアリール)。
但し、以下の化合物を除く。
(1)4-(4-モルホリニル)-2-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン、
(2)4-(4-モルホリニル)-2-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(1H)-オン、
(3)4-(4-モルホリニル)-2-フェニル-6-キナゾリノール及び6-メトキシ-4-(4-モ
ルホリニル)-2-フェニルキナゾリン、
(4)2,4-ジアミノ-6-フェニル-8-ピペリジノピリミド[5,4-d]ピリミジン、
(5)Bがベンゼン環、WがN、nが2又は3、存在するR1はすべて-OMe、且
つ、R4bが未置換、若しくは−ハロゲン、−NO2、−低級アルキル、−O−低
級アルキル、−ハロゲノ低級アルキル及び−CONRaRcからなる群から選択
される1乃至3個の置換基で置換されたフェニル基である化合物、
(6)Bがベンゼン環、WがN、nが1、R1は−ハロゲン又は−低級アルキル、且
つR4bが−(置換基を有していてもよいイミダゾリル基)である化合物、
(7)Bがチオフェン環、且つ、WがCHである化合物、
(8)Bがイミダゾール環、且つ、WがNである化合物、
(9)Bがピリジン環、且つ、R4bが未置換フェニル、未置換ピリジン、若しくは
−低級アルキレン−(置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環)である化
合物、
(10)Bがピラジン環、且つ、R4bが未置換フェニル、若しくはベンジルである化
合物、
(11)Bがベンゼン環、且つ、R4bがスチリル、若しくは2−(5−ニトロ−2−
フリル)ビニルである化合物、
(12)Bがベンゼン環、WがCH、かつR2及びR3が隣接するN原子と一体となっ
て、−(置換基を有していてもよいピペリジニル)又は−(置換基を有していて
もよいピペラジニル)である化合物、
(13)Bがベンゼン環、WがN、nが1、R1が−OH、R4bが未置換フェニル、
かつR2及びR3が隣接するN原子と一体となって、ピペリジノ又は4−メチル−
1−ピペラジニル基である化合物、
(14)Bがベンゼン環、WがN、R4bが2−クロロフェニル、かつR2及びR3が隣
接するN原子と一体となって1−ピペラジニル基である化合物、及び、
(15)4-(1-ピロリジニル)-2-(5-ニトロ-2-フリル)ピリミド[4,5-d]ピリミジン。
以下同様。)
本発明化合物は、キナーゼ阻害活性、殊にPI3K阻害活性を有することから、PI
3Kの関与する異常な細胞増殖を阻害するために使用されうる。よって、PI3Kによ
る異常な細胞増殖が関与する疾患、例えば、再狭窄、動脈硬化、骨疾患、リウマ
チ、糖尿病性網膜症、乾癬、前立腺肥大、アテローム性動脈硬化症、炎症、血管
新生、膵炎、腎疾患、癌等の治療剤として有用である。 殊に、本発明化合物は
、良好な癌細胞増殖阻害作用を有しており、癌、好ましくは全ての固形癌及びリ
ンパ腫、特には、白血病、皮膚癌、膀胱癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、
肺癌、大腸癌、膵癌、腎癌、胃癌、脳腫瘍などの治療に有用である。
一般式(I)、(Ia)及び(Ib)の化合物をさらに説明すると,次の通り
である。
本明細書中,「低級」なる語は,炭素数1〜10個、好ましくは1〜6個、よ
り好ましくは1〜3個の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖を意味する。
「低級アルキル」としては,好ましくは炭素数1乃至6個のアルキル基であり
、特に好ましくはメチル及びエチル基である。「低級アルケニル」としては、好
ましくは、ビニル,アリル,1−プロペニル,イソプロペニル,1−ブテニル,
2−ブテニル,3−ブテニル基等である。「低級アルキニル」としては,好まし
くは、エチニル,1−プロピニル,2−プロピニル,1−ブチニル,2−ブチニ
ル,3−ブチニル,1−メチル−2−プロピニル基等である。「低級アルキレン
」、「低級アルケニレン」並びに「低級アルキニレン」としては、前記低級アル
キル、低級アルケニル並びに低級アルキニルの2価基であり、メチレン、エチレ
ン、ビニレン、プロペニレン、エチニレン、プロピニレン基が好ましい。「シク
ロアルキル」並びに「シクロアルケニル」としては,好ましくは炭素数3〜8個
のシクロアルキル基並びにシクロアルケニル基であり、特に好ましくはシクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル並びにシクロペンテニル基である。
「ハロゲン」としては,F,Cl,Br及びI原子が挙げられる。「ハロゲノ
低級アルキル」としては、1個以上の前記のハロゲン原子で置換された、前記低
級アルキルであり、好ましくは−CF3である。
本明細書中,「含窒素飽和ヘテロ環基」は、環原子としてN原子を1乃至2個
包含し、更にO若しくはS原子を1個含んでいてもよく、架橋を有していてもよ
い5乃至7員含窒素飽和ヘテロ環基であり、1つのベンゼン環と縮合していても
よい。好ましくは、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジル及びモルホリニル
基である。また、−NR23が形成する含窒素飽和ヘテロ環基としては、好まし
くは、1−ピロリジニル、1−ピペラジニル、ピペリジノ及びモルホリノ基であ
り、特に好ましくは、モルホリノ基である。
本明細書中,「アリール」なる語は、芳香族炭化水素環基を意味し、炭素数6
乃至14個のアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル及びナフチル基で
ある。
本明細書中,「ヘテロアリール」は、N,S,Oから選択されるヘテロ原子を
1乃至4個含有する5乃至6員単環ヘテロアリール、並びにベンゼン環と縮合し
た2環式ヘテロアリールであり、部分的に飽和されていてもよい。ここに、単環
ヘテロアリールとしては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾ
リル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルが好ましく、2環式ヘ
テロアリールとしては、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジアゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、イ
ンダゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサ
リニル、ベンゾジオキソリルが好ましい。部分飽和ヘテロアリールとしては、1
,2,3,4−テトラヒドロキノリル基等が挙げられる。特に好ましくは、5乃
至6員単環ヘテロアリールであり、中でも、イミダゾリル、チアゾリル、トリア
ゾリル、ピリジル、ピラジニルである。
Bにおける「O、S及びNから選択される1乃至2個のヘテロ原子を含む5乃
至6員単環ヘテロアリール環」としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミ
ダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、ピリジン
、ピリミジン、ピリダジン及びピラジン環が挙げられ、好ましくはピリジン、ピ
ラジン、チオフェン環、更に好ましくはピリジン環である。
「置換基を有していてもよいアリール」、「置換基を有していてもよいヘテロ
アリール」、「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有して
いてもよいシクロアルケニル」、「置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ
環」における置換基としては、1〜5個の同一又は異なる任意の置換基である。
好ましくは、下記A群から選択される置換基である。なお、R、R’及びR”は
、同一又は異なってH又は低級アルキルを示す。以下同様。
A群:−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−ハロゲン、
−ハロゲノ低級アルキル、−低級アルキレン−OR、−NO2、−CN、=O、
−OR、−O−ハロゲノ低級アルキル、−O−低級アルキレン−NRR’、−O
−低級アルキレン−OR、−O−低級アルキレン−アリール、−SR、−SO2
−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−COOR、−COO―低級アルキレ
ン−アリール、−COR、−CO−アリール、−アリール、−CONRR’、−
SO2NRR’、−NRR’、−NR”−低級アルキレン−NRR’、−NR’
−低級アルキレン−OR、−NR−低級アルキレン−アリール、−NRCO−低
級アルキル、−NRSO2−低級アルキル、−シクロアルキル及び−シクロアル
ケニル。
但し、R4、R4a及びR4bにおける「置換基を有していてもよいアリール」並
びに「置換基を有していてもよいヘテロアリール」の置換基としては、好ましく
は、以下のA4群a)〜c)に挙げる置換基から選択される、同一又は異なる任
意の置換基1〜5個である。
4
a)−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−ハロゲン、−
ハロゲノ低級アルキル、−低級アルキレン−OR、−NO2、−CN、=O、−
O−ハロゲノ低級アルキル、−SO2−低級アルキル、−SO−低級アルキル、
−COOR、−COO―低級アルキレン−アリール、−COR、−CO−アリー
ル、−CONRR’、−SO2NRR’、−Cyc、又は−Alp−Cyc(こ
こで、Alpは低級アルキレン、低級アルケニレン又は低級アルキニレンを、C
ycは−A群の置換基で1〜5個置換されていてもよいアリール、−A群の置換
基で1〜5個置換されていてもよいヘテロアリール、−A群の置換基で1〜5個
置換されていてもよい含窒素飽和ヘテロ環、−A群の置換基で1〜5個置換され
ていてもよいシクロアルキル又は−A群の置換基で1〜5個置換されていてもよ
いシクロアルケニルを示す。以下同様。)。
b)−NR−E−F(ここで、Eは−CO−、−COO−、−CONR’−、
−SO2NR’−又は−SO2−、Fは−Cyc又は−(−ハロゲン、−NO2
−CN、−OR、−O−低級アルキレン−NRR’、−O−低級アルキレン−O
R、−SR、−SO2−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−COOR、−
COR、−CO−アリール、−CONRR’、−SO2NRR’、−NRCO−
低級アルキル、−NRR’、−NR’−低級アルキレン−OR、−NR”−低級
アルキレン−NRR’及び−Cycからなるグループから選択される基で置換さ
れていてもよい、低級アルキル、低級アルケニル若しくは低級アルキニル基)を
示す。以下同様。)
c)−Z−R’、−Z−Cyc、−Z−Alp−Cyc、−Z−Alp−Z’
−R’又は−Z−Alp−Z’−Cyc(ここで、Z及びZ’は同一又は異なっ
て、O,S又はNRを示す。以下同様。)
特に好ましくは、−低級アルキレン−OR、−CONRR’、−NR−CO−
Cyc1(ここにCyc1は−A群の置換基で1〜5個置換されていてもよいアリ
ール、−A群の置換基で1〜5個置換されていてもよいヘテロアリール又は−A
群の置換基で1〜5個置換されていてもよい含窒素飽和ヘテロ環、以下同様)、
−NR−SO2−Cyc1、−OR、−NRR’、−O−低級アルキレン−NRR
’及び−O−低級アルキレン−(A群の置換基で1〜5個置換されていてもよい
含窒素飽和ヘテロ環)である。
nが2〜4の場合、複数の基R1は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の一般式(I)、(Ia)及び(Ib)で示される化合物中、好ましい
化合物としては、
(1)R2及びR3が、−NR23として、−OH,=O及び−低級アルキルから
なる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環
基である化合物、
(2)R2及びR3が、−NR23として−モルホリノである化合物、
(3)WがNである化合物、
(4)R4、R4a又はR4bが−(置換基を有していてもよいアリール)又は−(
置換基を有していてもよいヘテロアリール)である化合物、
(5)Bがベンゼン環;R1が、−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級ア
ルキニル、−シクロアルキル、−置換基を有していてもよいアリール、−置換基
を有していてもよいヘテロアリール、−ハロゲン、−NO2、−CN、−ハロゲ
ノ低級アルキル、−ORb、−SRb、−SO2−Rb、−SO−Rb、−CO
ORb、−CO−Rb、−CONRaRb、−SO2NRaRb、−NRaRb
、−NRa−CORb、−NRa−SO2Rb、−O−CO−NRaRb又は−
NRaCO−COORbである化合物、
(6)Bがピリジン、ピラジン又はチオフェン環、且つnが0である化合物、
(7)XがN、YがO、且つnが0である化合物、
(8)R4、R4a又はR4bが、−低級アルキレン−OR、−CONRR’、−N
R−CO−Cyc1、−NR−SO2−Cyc1、−OR、−NRR’、−O−低
級アルキレン−NRR’及び−O−低級アルキレン−(A群の置換基で1〜5個
置換されていてもよい含窒素飽和ヘテロ環)からなる群から選択される置換基を
有するアリールである化合物、及び
(9)後記試験例3に示すメラノーマ細胞増殖阻害試験において、5μM以下の
阻害活性(IC50)を有する化合物である。
である。
一般式(Ia)で示される特に好ましい化合物としては、R4aが、−OH、−
NH2、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)2、−O−低級アルキレン
−NH2及び−O−低級アルキレン−(低級アルキルで置換されていてもよい含
窒素飽和ヘテロ環)から選択される少なくとも1つの置換基を有するフェニル基
である化合物である。
また、一般式(Ib)で示される特に好ましい化合物としては、
(1)WがN、R4bが−(置換基を有していてもよいアリール)、且つR2及び
3が−NR23として−モルホリノである化合物、
(2)Bがベンゼン環、nが1又は2、R1が−ハロゲン、−NO2、−CN、−
ハロゲノ低級アルキル、−ORb、−SRb、−NRaRb、−NRa−COR
b又は−NRa−SO2Rbである化合物、及び
(3)Bがピリジン、ピラジン又はチオフェン環、nが0、且つR4bが−OH、
−CH2OH及び−CONH2から選択される少なくとも1つの置換基で置換され
たフェニルである化合物である。
本発明化合物中、好適な化合物としては、一般式(Ia)で示される化合物
としては、(Co 17) 6-アミノ-3'-(4-モルホリノピリド[3',2':4,5]フロ[3,2-d]
ピリミジン-2-イル)ニコチンアニリド; (Co 33) 4-(4-モルホリノピリド[3',2
':4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)アニリン; (Co 50) 3-(4-モルホリノピ
リド[3',2':4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; (Co 69) 4-モル
ホリノ-2-[3-(2-ピペラジン-1-イルエトキシ)フェニル]ピリド[3',2':4,5]フロ[
3,2-d]ピリミジン; (Co 73) 3'-(4-モルホリノピリド[3',2':4,5]フロ[3,2-d]
ピリミジン-2-イル)アクリルアニリド;及びこれらの塩である。また、一般式(
Ib)で示される化合物としては、(Co 144) N-[2-(3-ベンゼンスルホニルアミ
ノフェニル)-4-モルホリノキナゾリン-6-イル]アセタミド; (Co 164) 3-(4-モ
ルホリノピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; (Co 172) 3-(4-モル
ホリノピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; (Co 174) 3-(4-モルホ
リノピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; (Co 186) 3-(6-メトキシ-
4-モルホリノキナゾリン-2-イル)フェノール; (Co 190) 3-(4-モルホリノチエ
ノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェノール;(Co 191) 3-(4-モルホリノプテリジ
ン-2-イル)フェノール;及びこれらの塩である。
本発明化合物は置換基の種類によっては,幾何異性体や互変異性体が存在する
場合があるが,本発明にはこれらの異性体の分離したもの,あるいは混合物が包
含される。更に本発明化合物は,不斉炭素原子を有する場合があり,不斉炭素原
子に基づく異性体が存在しうる。本発明はこれら光学異性体の混合物や単離され
たものを包含する。
また,本発明化合物は,塩を形成する場合がある。製薬学的に許容される塩で
あれば,特に制限はないが,酸付加塩としては,具体的には塩酸,臭化水素酸,
ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸等の無機酸,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シ
ュウ酸,マロン酸,コハク酸,フマル酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸
,クエン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,アスパラギン酸,グルタミ
ン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられ、塩基との塩としては、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を含む無機塩基、
あるいはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン
等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。さらに,本発明は,本発
明化合物(I)、(Ia)若しくは(Ib)及びそれらの塩の各種の水和物や溶
媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
(製造法)
以下に本発明化合物の代表的な製造方法を説明する。なお、官能基の種類によ
っては,当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基,すなわち容易に
当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合があ
る。しかるのち,必要に応じて保護基を除去し,所望の化合物を得ることができ
る。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を挙
げることができ,それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(W
uts)著,「Protective Groups in Organic Synthesis」第2版に記載の保護基を
挙げることができ,これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
第1製法
Figure 0003810017
(式中、Lは脱離基を示す。以下同様。)
本製法は、一般式(II)で示される化合物を常法により反応性誘導体(III)に
導いた後、アミン(IV)を反応させて本発明化合物(I)を得る方法である。反応
性誘導体(III)において、脱離基Lを有する反応部位がA環あるいは置換基R4
にも存在する場合、所望により同一あるいは異なるアミン(IV)を再び反応させる
こともできる。同様に発明化合物(I)においてA環あるいはR4にクロロ基、フル
オロ基等の脱離基Lが存在する場合、J. Am. Chem. Soc., 68, 1288 (1946)に記
載の方法に準拠した加水分解反応、あるいはTetrahedron Lett., 40, 675 (1999
)に記載の方法に準拠したアルコシドを反応剤とするイプソ置換反応等の官能基
変換を行うこともできる。
Lが示す脱離基としては、好ましくはハロゲンまたはメタンスルホニルオキシ
、p-トルエンスルホニルオキシ等の有機スルホン酸残基等が挙げられる。
活性中間体(III)を得る反応は常法により行うことができる。脱離基が塩素原
子である場合には、オキシ塩化リン、塩化オキザリル、または塩化チオニルを冷
却下乃至加熱下にて反応に不活性な溶媒中または無溶媒にて行われる。反応に不
活性な溶媒としてはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒド
ロフラン(THF)、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロ
ホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ピリジン、コリジン等の塩基性溶媒等が
挙げられる。これらの溶媒は単独で、又は2種以上混合して用いられる。溶媒は
原料化合物の種類等に従い適宜選択されるべきである。反応に際しては、塩基(
好ましくはジアルキルアニリン、トリエチルアミン、アンモニア、ルチジン、コ
リジン等)またはリン塩化物(例えば5塩化リン)、4級アンモニウム塩(例え
ばテトラエチルアンモニウムクロリド)、N,N-ジアルキルアミド化合物(例えば
ジメチルホルムアミド(DMF))を反応促進剤として用いることができる。脱離基
がスルホニルオキシ基の場合には、対応するスルホン酸塩化物から常法により合
成することができ、例えば、Tetrahedron Lett. 23(22), 2253 (1982)、Tetrahe
dron Lett. 27(34), 4047 (1986)に記載の方法に準じて行うことができる。
反応性誘導体(III)に対しアミン(IV)を作用させ化合物(I)を得る反応は、反応
に不活性な溶媒の存在下あるいは非存在下にアミン(IV)化合物を冷却下乃至加熱
下に作用させることにより行うことができる。溶媒としては、前記と同様の物が
挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いられる。溶媒は原料化合
物の種類等に従い適宜選択されるべきである。反応に際しては、水素化ナトリウ
ム等の無機塩基、又は、トリエチルアミン(TEA)、ピリジン、2,6-ルチジン等の
有機塩基の存在下反応を行うと反応が促進する場合がある。
第2製法
Figure 0003810017
(式中、Rdは−置換基を有していてもよい低級アルキルを、Rbは前記の意味
を示す。以下同様。)
本製法は、一般式(Ia)若しくは(Ic)で示されるヒドロキシ置換化合物を常法に
よりO-アルキル化反応に付し、(Ib)若しくは(Id)を得る方法である。反応は、
例えばトリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸
化ナトリウム、水素化ナトリウム、t-ブトキシカリウム等の塩基存在下にアルキ
ル化剤として例えばハロゲン化アルキルあるいはスルホン酸エステル等を作用さ
せる方法が挙げられる。反応温度は、冷却下乃至加熱下に行うことができ、原料
化合物の種類等により適宜選択されるべきである。O−アルキル化反応において
溶媒として水を用いる場合、あるいは水を添加する反応条件を用いる場合には、
例えば硫酸水素テトラn-ブチルアンモニウム等の相関移動触媒の存在下反応を行
うと反応が促進する場合がある。
O−アルキル化反応の別法としては、光延反応等が挙げられ、例えばSynthesi
s, 1 (1981)に記載の方法およびその改良法を用いることができる。また、水酸
基に対しヒドロキシエチル化する場合には、[1,3]ジオキソラン-2-オン等の炭酸
エステルを用いる方法も有効であり、例えばJ. Am. Chem. Soc., 68, 781 (1946
)に記載の方法を用いることができる。
また、発明化合物(Ib)、(Id)においてRb、Rd上に反応性官能基が存在
する場合、公知の反応を用いて官能基変換を行うことができる。例えば、Rb、
Rd上に水酸基が存在する場合には、前述のO−アルキル化反応を行うことがで
き、ハロゲン等の脱離基が存在する場合には、適当なアルコールまたはアミンを
反応させることにより前述の方法でO−アルキル化あるいは後述の第4製法に記
載の方法でN−アルキル化を行うことができ、エステル基が存在する場合には後
述の第3製法に記載の方法で、カルボン酸、ヒドロキシメチル基、アミド基へと
官能基変換することができる。
本製法の原料化合物(Ia)及び(Ic)は、その水酸基がアシル系の保護基(例え
ば、アセチル基、トシル基等)で保護された原料化合物を用いて前記第1製法記
載の方法により製造できる。なお、反応性誘導体(III)を合成する反応剤として
オキシ塩化リンを用い、ついで所望のアミノ基を反応させ(I)を合成する際、原
料、保護基の種類、反応の条件および後処理の方法によっては水酸基の保護基が
外れ、O−リン酸アミド化合物が生成する場合がある。その際、例えばChem. Ph
arm. Bull., 37, 2564 (1989)に記載の方法でリン酸アミド基を除去することが
できる。その他、一般的な保護基の導入・脱保護は前出の「Protective Groups
in Organic Synthesis」記載の方法で行うことができる。
第3製法
Figure 0003810017
(式中、Rfは低級アルキルを、Rgは置換基を有していてもよい低級アルキル
を示す。以下同様。)
本製法は、一般式(Ie)で示される本発明のエステル化合物に対して官能基変換
反応を行うことにより本発明の他の化合物、ヒドロキシメチル体(If)、カルボン
酸誘導体(Ig)、アミド誘導体(Ih)をそれぞれ得る方法である。各種反応はいずれ
も常法により行うことができ、例えば日本化学会編「実験化学講座」(丸善)、前
出の「Protective Groups in Organic Synthesis」に記載されている方法を用い
ることができる。
好ましくは、ヒドロキシメチル体(If)に導く還元反応は、水素化リチウムアル
ミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、ボラン、Vitride等の還
元剤を用いて、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒等の反応に不活性な溶媒
中で行うことができる。カルボン酸誘導体(Ik)に導く加水分解反応は、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等をメタノール、エタノール、THF
、水等の溶媒を単独であるいは2種類以上混合して作用させることにより行うこ
とができる。化合物(Ih)に誘導するアミド化反応は、カルボン酸の反応性誘導体
、例えば酸ハロゲン化物(酸クロリド等)又は酸無水物に変換した後、アミンを
作用させることにより行うことができる。アミンを作用させる際、反応に不活性
な溶媒中、塩基(水酸化ナトリウム等の無機塩基、又は、TEA、ジイソプロピ
ルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基)の存在下行う事が好ましい。更に、ア
ミド化はカルボン酸を、縮合剤(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(EDCI)、1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾール(CDI)等)の存在下に
反応に不活性な溶媒中で反応させることにより行うこともできる。その際、1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等の添加剤を加えてもよい。反応温度及び
溶媒は、原料化合物に応じて適宜選択できる。
第4製法
Figure 0003810017
(式中、R’は前記の意味を、Rhは−置換基を有していてもよい低級アルキル
を、Riは、−Cyc又は−置換基を有していてもよいAlpを示す。C環は−
置換基を有していてもよい含窒素飽和ヘテロ環を、またRjは−H、−低級アル
キル、−アリール等を示す。以下同様。)
本製法は、一般式(Ii)で示される本発明のニトロ化合物を還元反応によりアミ
ノ化合物(Ij)に導いた後、N−アルキル化、アミド化、スルホナミド化、ウレア
化、カルバミン酸化、イミド化あるいはアミノチアゾール化等の各種修飾反応に
付して、本発明の他の化合物(Ik)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)あるいは(I
r)をそれぞれ得る方法である。さらに、所望によりこれらの生成物を更にN−ア
ルキル化等の公知の置換基の変換を適宜実施することもできる。
各種反応はいずれも常法により行うことができ、例えば前出の「実験化学講座
」、「Protective Groups in Organic Synthesis」に記載されている方法を用い
ることができる。以下好ましい方法を列記する。
ニトロ化合物の還元反応は、メタノール等のアルコール系溶媒中、水素ガス雰
囲気下において、パラジウム−炭素(Pd-C)等の触媒の存在下行うことができる

N−アルキル化は、各種アルデヒドを原料とする場合、水素化ホウ素ナトリウ
ム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム等
を還元剤として用いた還元的アミノ化、あるいはディーンスターク脱水装置等を
用いて、イミンを形成した後に還元剤として水素化ホウ素ナトリウム等を作用さ
せる方法により行うことができる。また、原料としてヨウ化メチル、臭化ベンジ
ル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル等のアルキル化剤を用いる場合には、
DMF、アセトニトリル、トルエン等の反応に関与しない溶媒中、炭酸カリウム、
水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の塩基の存在下、冷却下乃至加熱下に行
うことができる。モノアルキル化は、原料となるアミン体を例えばトリフルオロ
アセチル基等でアシル化した後、ハロゲン化アルキルを用いて常法によりアルキ
ル化を行い、アシル基を脱保護することにより効果的に行うことができる。ジア
ルキル化は、2当量以上のハロゲン化アルキルを反応させれば良いが、例えばジ
メチル化の場合には、ギ酸中、ホルマリンを室温乃至加熱下作用させることによ
り行うことができる。
アミド化反応は、前記第3製法と同様に行うことができる。スルホナミド化反
応は、反応性誘導体として酸ハロゲン化物(酸クロリド等)又は酸無水物を用い
て、反応に不活性な溶媒中で行うことができる。ウレア化は、芳香族炭化水素系
溶媒等の反応に関与しない溶媒中、各種イソシアネートを冷却下乃至加熱下反応
させることにより行うことができる。カルバミン酸化は各種クロロギ酸エステル
誘導体を、反応に不活性な溶媒中で冷却下乃至加熱下に作用させることにより行
うことができる。イミド化は、コハク酸無水物、マレイン酸無水物等を用いるこ
とにより実施できる。
アミノチアゾール化は、アミノ化合物(Ij)をチオウレア誘導体に導いた後
、α-ハロゲン化ケトン等を作用させることにより行うことができる。チオウレ
ア誘導体に導く方法としては例えば、Synth Commun 1998, 28 (8), 1451. J Or
g Chem, 1984, 49 (6), 997. Org Synth, 1963, IV, 180. J. Am. Chem. Soc,
1934, 56 1408.等を挙げることができる。チオウレア誘導体のチアゾールへの
誘導は、エタノール等のアルコール系溶媒、あるいはメチルエチルケトン等のカ
ルボニル系溶媒中、冷却下乃至加熱下α-ハロゲン化ケトン類を作用させること
により行うことができる。反応の際、塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)
を添加することにより反応が円滑に進行することがある。
第5製法
Figure 0003810017
(式中、Rk及びRmは−置換基を有していてもよい低級アルキルを示す。)
本製法は、一般式(Is)で示される本発明のニトロ化合物からアミノ化合物(I
t)に導いた後、各種修飾反応に付して、本発明の他の化合物を得る方法である。
各反応は第4製法と同様にして行うことができる。
その他の製法
その他の本発明化合物は、上記製造方法と同様の方法あるいは、常法の各種反
応を用いて、製造することができる。各種反応は、例えば前出の「実験化学講座
」、「Protective Groups in Organic Synthesis」に記載されている方法を適宜
用いることができる。
例えば、メトキシ基を有する化合物を脱メチル化することによりフェノール誘
導体を得る場合は、「Protective Groups in Organic Synthesis」に記載されて
いる方法、即ち、ジメチルスルホキド(DMSO)等の溶媒中、室温乃至加熱下、脱メ
チル化剤としてシアン化ナトリウム、シアン化カリウム等を作用させる方法で行
うことができる。
原料化合物の製法
本発明化合物の原料化合物(II)は、例えば下記合成経路図に示される反応を用
いて常法により製造できる。
(製法1)
Figure 0003810017
(式中、Rnは低級アルキルを示す。以下同様。)
原料化合物(IIc)は、アミド化合物である中間体(5)の閉環反応またはアントラ
ニル酸誘導体である原料化合物(1)に対し、イミデート(6)を作用させる閉環反応
により合成することができる。用いる閉環反応はピリミジン環形成反応の常法、
例えば、中間体(5)の閉環反応ではChem. Pharm. Bull., 39(2) 352 (1991)に記
載の方法、中間体(1)および(6)を原料とする反応では、J. Med. Chem., 9, 408
(1966)に記載の方法を挙げることができる。なお、アミド化合物である中間体(5
)は、アニリン誘導体(4)を常法によりアミド化あるいは、常法により(1)に対し
カルボン酸のエステル化、アミノ基のアシル化、エステル基のアミド基への変換
を順次行うことにより合成され、例えば、J. Med. Chem., 33, 1722 (1990)、Eu
r. J. Med. Chem.-Chim. Ther., 9(3), 305 (1974)等に準拠した方法を採用でき
る。なお、(2)を原料としたアシル化により(3)を得る際、原料の種類、反応条件
により、ジアシル化が進行することがある。その場合は、塩基性条件下で処理す
ることにより所望のモノアシル体(3)を得ることができる。
(製法2)
Figure 0003810017
原料化合物(IId)は、アミド化合物である中間体(12)の閉環反応またはエステ
ル誘導体である中間体(7)に対しアミド化合物(10)を作用させる閉環反応により
合成することができる。中間体(12)の閉環反応は前記と同様にして、中間体(7)
および(10)を原料とする反応では、例えば、J. Med. Chem., 37, 2106 (1994)に
記載の方法で行うことができる。なお、アミド化合物である中間体(12)は、エス
テル化合物(7)を常法による官能基変換を行うことにより調整することができる
。また、2環性エステル化合物である中間体(9)は、ニトリル化合物(7)に対し、
エステル化合物(8)を塩基存在下作用させる5員環構築反応により合成される。
例えば、J.Org.Chem. 37, 3224 (1972)または、J. Heterocycl. Chem. 11(6), 9
75 (1974)等に準拠した方法により合成することができる。
(製法3)
Figure 0003810017
原料化合物(IIe)は、例えば原料化合物(14)の閉環反応により合成される。好
適な条件としては、化合物(14)をジフェニルエーテル等の高沸点溶媒中あるいは
溶媒を用いずに加熱する方法が挙げられる。原料化合物(14)は、常法により合成
することができ、例えば対応するアニリン(13)と化合物(15)の縮合反応により合
成される。
このようにして製造された本発明化合物は、遊離体のまま、又は常法による造
塩処理を施し、その塩として単離・精製される。単離・精製は抽出、濃縮、留去
、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適応し
て行われる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離で
きる。例えば、ラセミ化合物は一般的な光学分割法により[例えば、一般的な光
学活性酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導き、光学分割する方法等]立
体的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオマーの混合物は、
例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離できる。また、光学活性
な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
本発明化合物の薬理作用は以下の薬理試験によって、確認された。
試験例1 PI3K(p110αサブタイプ)の阻害試験
測定はbaculovirus発現系で調製した酵素(bovine p110α)を用いて行った。
酵素の調製はI Hiles et al., Cell, 70, 419, 1992に準拠して行った。評価化
合物は10mMのDMSO溶液として調製し、DMSOにて系列希釈した。
評価化合物(0.5μl)と酵素を25μlの緩衝液(40mM Tris-HCl (pH 7.4), 200
mM NaCl, 2mM dithiothreitol, 5mM MgCl2)中で混合した後、10μg PI (Sigma)
, 2μCi [γ-32P]ATP(Amersham Pharmacia), 80μM非放射ATP(Sigma)を含む5mM
Tris-HCl (pH 7.4)緩衝液を25μl加えて反応を開始した。37℃15分反応後、200
μlの1M HCl, 400μlのCHCl3/MeOH (1:1)を加え、攪拌、遠心分離した。有機
層を150μlのMeOH/1M HCl (1:1)で2回再抽出し、その放射活性をCerenkov光で
測定した。
化合物の阻害活性のIC50は、DMSOのみ添加したときの放射活性を100%、酵素無
しの時の放射活性を0%とし、50%阻害する試験化合物の濃度として算出した。
本発明化合物は良好なp110αサブタイプ阻害活性を有していた。例えば、化合
物 (以下Coと略記する) 10、Co 17、及びCo 24は1μM以下のIC50を有していた

また、本発明化合物は、上記と同様の方法により、他のサブタイプ(例えばC2
βサブタイプ)にも阻害活性を有することが確認された。
試験例2 大腸癌細胞の増殖阻害試験
大腸癌細胞株HCT116細胞は10% Fetal bovine serumを含むMcCoy's 5A培地(GI
BCO)で培養した。HCT116(5000 cells/well)を96穴プレートに播種し、一晩培養
した。そこに培地で希釈した化合物を終濃度0.1〜30μM(最終DMSO濃度、1%)に
なるように添加し、72時間培養後、アラマーブルー試薬を加えた。2時間後、励
起波長530nm、消光波長590nmの蛍光強度の比を阻害活性のIC50を求めた。本発明
のCo 14、Co 24、Co 25、Co 31、Co 46及びCo 47の化合物は良好な癌細胞増殖阻
害作用を有していた。
試験例3 メラノーマ細胞の増殖阻害試験
メラノーマ細胞株A375細胞は10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地(GIBCO)で培養
した。A375細胞を、予め1μl/well(終濃度0.001〜30μM)を含む96穴プレート
に10,000 cells/100μlで播種した。46時間培養後、アラマーブルー試薬(10μl/
well)を加えた。2時間後、励起波長530nm、消光波長590nmの蛍光強度の比を測
定し、上述の方法と同様に、試験化合物のIC50を求めた。
本発明化合物は良好な増殖阻害活性を有していた。例えば、Co 17、Co 33、Co
50、Co 69、Co 164、Co 172、Co 174、Co 186、Co 190及びCo 191は良好なメラ
ノーマ細胞増殖阻害作用を有しており、そのIC50値は0.33〜4.26μMであった。
一方、公知のPI3K阻害剤であるLY294002の値は8.39μMであった。
本発明化合物は、上記の癌細胞株以外に、子宮頸癌細胞株HeLa細胞、肺癌細胞
株A549, H460細胞、大腸癌細胞株COLO205, WiDr, Lovo細胞、前立腺癌細胞株PC3
, LNCaP細胞、卵巣癌細胞株SKOV-3, OVCAR-3, CH1細胞、グリオーマ細胞株U87 M
G細胞、膵臓癌細胞株BxPC-3細胞に対しても、良好な癌細胞増殖阻害作用を有し
ていた。
試験例4 in vivo癌増殖阻害試験
ヒト子宮頸部癌であるHeLaS3株の5×106個を雌性Balb/cヌードマウスの背側部
皮下に移植した。評価化合物は、腫瘍容量が100〜200mm3に達した時点から2週
間1日1回腹腔内投与した。また、対照群には20%hydroxypropyl-β-cyclodextr
in/salineを腹腔内投与した。腫瘍径の測定にはノギスを用い、最終投与の翌日
まで経時的に測定した。腫瘍容量は以下の計算式で算出した。
腫瘍容量(mm3)=1/2×短径(mm)2×長径(mm)
本試験において、本発明化合物は対照群に比して良好な癌増殖抑制作用を示し
た。
本発明の医薬は,一般式(I)、(Ia)又は(Ib)で示される本発明化合
物の1種又は2種以上と、通常製剤化に用いられる、薬剤用担体、賦形剤,その
他添加剤を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。投
与は錠剤,丸剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,液剤等による経口投与,静注,筋
注等の注射剤,又は坐剤,経鼻、経粘膜、経皮等による非経口投与のいずれの形
態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては,錠剤,散剤,顆粒剤等が
用いられる。このような固体組成物においては,一つ又はそれ以上の活性物質が
,少なくとも一つの不活性な希釈剤,例えば乳糖,マンニトール,ブドウ糖,ヒ
ドロキシプロピルセルロース,微結晶セルロース,デンプン,ポリビニルピロリ
ドン,メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は,常法に従っ
て,不活性な希釈剤以外の添加剤,例えばステアリン酸マグネシウムのような潤
滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤,グルタミン酸又はアスパ
ラギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により
ショ糖,ゼラチン,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被
膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は,薬剤的に許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤
,シロップ剤,エリキシル剤等を含み,一般的に用いられる不活性な希釈剤,例
えば精製水,エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤,懸
濁剤のような補助剤,甘味剤,風味剤,芳香剤,防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては,無菌の水性又は非水性の溶液剤,懸濁剤
,乳濁剤を含有する。水性の溶液剤,懸濁剤としては,例えば注射用蒸留水及び
生理食塩液が含まれる。非水溶性の溶液剤,懸濁剤としては,例えばプロピレン
グリコール,ポリエチレングリコール,オリーブ油のような植物油,エタノール
のようなアルコール類,ポリソルベート80等がある。このような組成物は,さ
らに防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散剤,安定化剤,溶解補助剤のような補助剤を
含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過,殺菌剤の
配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し,
使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
通常経口投与の場合、1日の投与量は,約0.0001から50mg/kg、
好ましくは約0.001から10mg/kg、更に好ましくは約0.01から1
mg/kgが適当であり,これを1回であるいは2乃至4回に分けて投与する。
静脈投与される場合は、1日の投与量は,約0.0001から1mg/kg、好
ましくは約0.0001から0.1mg/kgが適当で、1日1回乃至複数回に
分けて投与する。投与量は症状,年令,性別等を考慮して個々の場合に応じて適
宜決定される。
本発明化合物は単独で、あるいは他の治療方法(例えば、放射線療法や外科手
術)と併わせて用いることが出来る。また、他の抗癌剤、例えば、アルキル化剤
(cisplatin、carboplatin等)、代謝拮抗剤(methotrexate、5-FU等)、抗癌性抗
生物質(adriamycin、bleomycin等)、抗癌性植物アルカロイド(taxol、etoposid
e等)、抗癌性ホルモン剤(dexamethasone、tamoxifen等)、抗癌性免疫系薬剤(int
erferon α,β,γ等)などと併用してもよい。
以下,実施例に基づき本発明を更に詳細に説明する。本発明化合物は下記に記
載の化合物に限定されるものではない。
表1〜3及び13〜16には、実施例で使用した原料化合物を、並びに表4〜
11及び17〜24には代表的な本発明化合物を物理化学的性状と共に示す。な
お、表12及び25〜26に化学構造式を掲記する本発明化合物は,実施例若し
くは製造法に記載の方法とほぼ同様にして,又は,それらに当業者に自明の若干
の変法を適用して,容易に製造されるものである。
表中の略号は、Rco:原料化合物の化合物番号; Rex:参考例化合物の製造法
(数字は後記参考例の番号を示し、当該化合物をこの参考例例記載の方法若しく
はこれと同様の方法で製造した事を示す。); Co:本発明化合物の化合物番号
; Str:構造式; Sal:塩; Syn:製造法(数字は後記実施例の番号を示し
、当該化合物をこの実施例記載の方法若しくはこれと同様の方法で製造した事を
示す。); DAT:物理化学的性状(F:FAB-MS (M+H)+; FN:FAB-MS (M-H)-
E:EI-MS; M:融点[℃]; (dec.):分解; N1:NMR(DMSO-d6,TMS内部標
準)の特徴的ピークδppm); Ac:アセチル; Bn:ベンジル; Ph:フェニル
; Ts:4-トルエンスルホニル; Ms:メタンスルホニル; Me:メチル; Et
:エチル をそれぞれ示す。なお、置換基に置換可能な位置が複数有る場合は、
置換基の前に置換位置を記載する(ex. 6-MeO-7-HO:6−メトキシ−7−ヒドロ
キシ置換を示す)。
Figure 0003810017
Figure 0003810017
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前記表に示した原料化合物の製造法を以下の参考例にて説明する。
参考例1: 2-クロロ-3-シアノピリジン、グリコール酸エチルおよび炭酸ナ
トリウムの3-メチル-1-ブタノール懸濁液を3日間加熱還流した。溶媒を留去し、
得られた残渣に水を加えて結晶化し、参考例化合物(Reference Example Compou
nd、以下Rco と略記する)1を得た。
参考例2: 2-クロロ-3-シアノピリジン、グリシンエチルエステル 1塩酸塩
および炭酸ナトリウムの3-メチル-1-ブタノール懸濁液を6日間加熱還流した。こ
の溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチル、水で希釈後、不溶物を濾去し、得
られた有機層を減圧下濃縮した。残渣をエタノールに溶解しナトリウムエトキシ
ドを加え、室温で15分間攪拌した。この反応液を濃縮し、酢酸エチルおよび飽和
炭酸水素ナトリウム溶液を加え分液操作をした。有機層を、減圧下溶媒を留去し
、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、Rco 3を得た。
参考例3: 3-アミノチエノ[2,3-b]ピリジン-2-カルボン酸 エチルエステル
のピリジン溶液にジメチルアミノピリジンおよびベンゾイルクロリドを加え、室
温で18時間攪拌した。反応液を濃縮し、1M塩酸水溶液を加え、クロロホルムで
抽出した。有機層を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製して、Rco 4を得た。
参考例4: Rco 49および4-ニトロ安息香酸のピリジン溶液に−15℃にてオキ
シ塩化リンを加え、−15℃で15分間攪拌した。この反応液に氷、続いて水を加え
て析出した結晶を濾取し、Rco 11を得た。
参考例5: Rco 4のメタノール溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、
室温で2時間攪拌した。1M塩酸水溶液を加え、析出した結晶を濾取して、Rco
13を得た。
参考例6: Rco 13 に塩化チオニルを加え、2時間加熱還流した。放冷後、
反応液を濃縮し、得られた残渣にDMFおよびアンモニア水を加え、室温で2時間
攪拌した。水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を減圧下で濃縮し、Rco
21を得た。
参考例7: Rco 1にホルムアミドを加え、200℃で2時間攪拌した。放冷後、
析出した結晶を濾取し、Rco 29を得た。
参考例8: Rco 21のメタノール溶液に2M水酸化カリウム水溶液を加え、10
0℃で1時間攪拌した。放冷後、塩酸を加え、析出した結晶を濾取して、Rco 30
を得た。
参考例9:
Rco 36に酢酸および48%臭化水素酸水溶液を加え、17時間加熱還流した。減圧
下反応液を濃縮後、ジエチルエーテルを加え再び減圧濃縮した。得られた残渣に
酢酸ナトリウムに無水酢酸を加え110℃で2時間攪拌した。この反応液に氷冷下、
氷続いて水を加えて析出した結晶を濾取し、Rco 38を得た。
参考例10: 3-シアノ安息香酸 メチルエステルのクロロホルム溶液にエタ
ノールを加え、0℃で15分間塩化水素ガスを吹き込んだ。さらに密封し、0℃
で17時間攪拌した。反応液を濃縮し、エーテルを加え、析出した結晶を濾取し
て、Rco 50 を得た。
参考例11: 5-アセトアミドアントラニル酸、3-ニトロベンズイミド酸 エ
チルエステル塩酸塩、ナトリウムメトキシドの混合物に2-プロパノールを加え、
3日間還流した。反応混合物を室温まで放冷し、固体を濾取して、Rco 52 を得た

参考例12: 2-アミノ-5-メトキシベンズアミド、ジメチルアミノピリジン
のピリジン溶液にシクロヘキサンカルボニルクロリドのベンゼン溶液を室温にて
滴下し2時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層
を1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄後、有機層を濃縮し、得
られた残渣をメタノールに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液を加えた。反応
混合物を2時間加熱還流した後、12M塩酸で中和し、溶媒を留去し結晶を濾取
して、Rco 67 を得た。
参考例13: 2-アミノ-5-メトキシベンズアミド、EDCI塩酸塩、HOBt、ピラ
ジンカルボン酸の混合物にTHFおよびDMFを加え、室温にて3日間攪拌した。溶媒
を留去し、結晶を濾取した。これをメタノールおよび2M水酸化ナトリウム水溶
液に溶解し、3時間加熱還流した。反応混合物を12M塩酸にて中和し、生じた
結晶を濾取して、Rco 72 を得た。
参考例14: Rco 55 のクロロホルム懸濁液にジメチルアミノピリジン、TEA
、エタノール、トシルクロリドを加え12時間室温にて攪拌した。DMSOを加え均一
溶液とした後12時間攪拌し、再度、ジメチルアミノピリジン、TEA、トシルクロ
リドを加え18時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈し、常法
により精製して、Rco 74 を得た。
参考例15: Rco 70 の酢酸溶液に48%臭化水素酸水溶液を加え、2日間加熱
還流した。放冷後、反応液を濃縮し、得られた残渣に酢酸ナトリウムと無水酢酸
を加え、3時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、エーテルを加え、結晶
を濾取して、Rco 77を得た。
参考例16: Rco 60 に酢酸ナトリウムと無水酢酸を加え、40分加熱還流
した。放冷後、析出した結晶を濾取し、Rco 83 を得た。
参考例17: 3-ヒドロキシベンズイミデート エチルエステル塩酸塩と5-ヒ
ドロキシアントラニル酸のメタノール溶液にナトリウムメトキシドを加え、30分
加熱還流した。放冷後、析出した粗生成物を濾取し、これに酢酸ナトリウムと無
水酢酸を加え、30分加熱還流した。放冷後、析出した結晶を濾取し、Rco 92 を
得た。
参考例18: Rco 52 を濃塩酸に加え、80℃で攪拌した。放冷後濾過し、減
圧下濾液を留去して、6-アミノ-2-(3-ニトロフェニル)-3H-キナゾリン-4-オン塩
酸塩を得た。得られた化合物を中和した後に、ピリジンとジメチルアミノピリジ
ンを加え、メタンスルホニルクロリドを加え、室温で20時間攪拌した。溶媒を留
去し、結晶を濾取して、Rco 95 を得た。
参考例19: 2-クロロ-3-シアノピリジンとグリコール酸エチルのエタノー
ル溶液に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU) を加え、21時間加熱還
流した。溶媒を減圧下留去し、酢酸エチルで希釈後、水、飽和食塩水で洗浄した
。減圧下有機層を濃縮し、結晶化して、Rco 49 を得た。
参考例20: Rco 96 のメタノール溶液にアンモニア水 を加え、室温で3時
間攪拌した。反応液中のメタノールを減圧下留去し、結晶を濾取して、Rco 116
を得た。
参考例21: Rco 98 のメタノール溶液にアンモニア水 を加え、室温で一晩
攪拌した。反応液中のメタノールを減圧下留去し、結晶を濾取して、Rco 117を
得た。
参考例22: 3-アセトキシ安息香酸のDMF溶液にEDCI塩酸塩とHOBtを加え、
室温で10分間攪拌した。その後2-アミノ-5-メトキシベンズアミドを加え、室
温で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、水およびTHFを加え、酢酸エチルで
抽出後、飽和食塩水で洗浄した。減圧下溶媒を留去し、再結晶して、Rco 119 を
得た。
参考例23: Rco 105 と酢酸ナトリウムに無水酢酸を加え110℃で1時間15分
攪拌した。冷却下、析出した結晶を濾取して、Rco 121 を得た。
参考例24: Rco 99 のジオキサン溶液にアンモニア水 を加え、室温で13
日間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、結晶を濾取して、3-(3-メトキシベンゾイ
ルアミノ) チオフェン-2-カルボン酸アミドとRco 122 の混合物を得た。この混
合物の2-プロパノール溶液に2M水酸化ナトリウム水溶液を加え、21時間加熱還
流した。放冷後中和し、析出した結晶を濾取して、Rco 122 を得た。
実施例1: Rco 33 にオキシ塩化リンを加え、20分間加熱還流した。減圧下
反応液を濃縮し、トルエン共沸した。得られた残渣にモルホリンを加え、10分間
加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、得られた結晶をクロロホルム、水で洗浄
して、化合物(Compound、以下Coと略記する) 1 を得た。
実施例2:Co 31のフリー体(Free form)のDMF 溶液にピペリジン-1,2-ジカル
ボン酸 1-ベンジルとHOBt と EDCI塩酸塩 を加え、室温で7時間攪拌した。減圧
下溶媒を留去し、酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、結晶化して、Co 3を得た

実施例3: Co 31のフリー体(13.6 g) のピリジン (480 ml) 溶液に氷冷下ベ
ンゼンスルホニルクロリド (6.02 ml) を加え、室温で1.5時間攪拌した。減圧下
溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留
去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶出液;クロロホ
ルム:メタノール= 96 : 4) で精製し、再結晶 (エタノール) して、 Co 8 (15
.6 g) を得た。
実施例4: Co 31のフリー体(15.3 g) のTHF (1 L) 溶液に氷冷下ピコリン酸
クロリド1塩酸塩 (9.40 g) とTEA(14.7 ml) を加え、室温で1.5時間攪拌した。
その後さらに、ピコリン酸クロリド1塩酸塩 (4.00 g) を加え、室温で30分攪拌
した。減圧下反応液を濃縮し、酢酸エチルで溶解後、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタ
ノール= 96 : 4) で精製し、再結晶 (エタノール) して、Co 10 (15.4 g) を
得た。
実施例5: Co 31のフリー体(300 mg) のDMF (20 ml) 溶液に3-ヒドロキシピ
コリン酸 (140mg)、EDCI塩酸塩 (190 mg) およびHOBt (135 mg)を加え、室温で
2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチル、THFに溶解
させ、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー (クロロホルム:メタノール= 100 : 1) で精製し、得られた残渣
のクロロホルム、メタノール溶液に4M塩化水素/酢酸エチルを加えた。溶媒を
減圧下留去しメタノールで結晶化して、Co 12 (207mg)を得た。
実施例6: Co 31のフリー体(300 mg) とコハク酸無水物 (519 mg) と酢酸 (
1 ml) の懸濁液を100℃で30分間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2)
で精製し、再結晶 (メタノール) して、Co 24 (106 mg) を得た。
実施例7: Co 18 (300 mg) のTHF (12 ml) およびエタノール (12 ml) 溶液
に10% Pd-C (35 mg) を加え、常圧水素雰囲気下、室温で4時間攪拌した。反応液
をセライトを用いて濾過し、濾液を減圧濃縮した後、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2−80 : 20) で
精製し、Co 25のフリー体 (178 mg) を得た。このフリー体 (153 mg) のTHF (35
ml) およびメタノール (20 ml) 溶液に1M塩酸 (1.00 ml) を加え、室温で攪
拌した後、減圧下溶媒を留去し、再結晶 (メタノール) して、2塩酸塩としてCo
25 (119 mg) を得た。
実施例8: Co 31のフリー体 (300 mg) とコハク酸無水物 (519 mg) の酢酸 (1
ml) の懸濁液を100℃で30分間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2)
で精製し、再結晶 (メタノール) して、Co 29 (57 mg) を得た。
実施例9: Co 31のフリー体 (346 mg) のTHF (60 ml) 溶液にN-カルボエト
キシフタルイミド (262 mg) とTEA (0.166 ml) を加え、80℃で1日攪拌した。放
冷後、反応液に水を加えて濾過し、Co 30のフリー体 (374 mg) を得た。このフ
リー体 (371 mg)のTHF (200 ml) 溶液に1M塩酸 (1.55 ml) を加え、室温で攪
拌し、析出してきた結晶を濾取して、1塩酸塩としてCo 30 (287 mg) を得た。
実施例10: Co 1 (22.4 g) と塩化アンモニウム (1.59 g) をエタノール
(717 ml) および水 (269 ml) の混合液に懸濁させた後、還元鉄 (33.2 g) を加
え9時間加熱還流した。反応液が熱いうちに熱THFを加えて粗生成物を溶解し、セ
ライトを用いて濾過した。減圧下濾液の大部分を留去した後、析出した結晶を濾
取し、ジエチルエーテルで洗浄しCo 31のフリー体 (18.9 g) を得た。このフリ
ー体 (101 mg) のTHF (25 ml) 溶液に1M塩酸 (0.870 ml) を加え、室温で攪
拌した。析出してきた結晶を濾取し、メタノールで洗浄して、2塩酸塩としてCo
31 (75 mg) を得た。
実施例11
Rco 1 (1.03 g) のホルムアミド溶液 (12 ml) を2時間加熱還流した。放冷後
生じた固体を濾取し、Rco 29の粗生成物 (648 mg) を得た。Rco 29の粗生成物
(630 mg) のピリジン (3.5 ml) 溶液にオキシ塩化リン (7 ml) を加え、2.5時間
加熱還流した。放冷後、溶媒を留去した。得られた残渣にトルエン (7 ml) を加
え、氷冷下モルホリン (7 ml) をゆっくり滴下した後、3.5時間加熱還流した。
さらに、THF(3 ml)とモルホリン(20 ml)を加え、5日間加熱還流した。反応液を
減圧下濃縮し、酢酸エチルで希釈後、粗結晶を濾取し、酢酸エチル、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、再結晶 (エタノール) して、Co 34(372 mg)
を得た。
実施例12: Rco 32 (396 mg) にオキシ塩化リン(5 ml)を加え、50分間
加熱還流した。減圧下溶媒を留去した。得られた残渣に、氷冷下モルホリン (10
ml) をゆっくり滴下した後、30分間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、得
られた結晶を酢酸エチル、水で洗浄し、再結晶 (エタノール) して、Co 35 (411
mg) を得た。
実施例13: Co 11 (303 mg) にエチレンジアミン (1.85 ml) を加え、90℃
で2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 80 : 20) で精製し、結晶化 (メ
タノール) して、Co 40のフリー体 (269 mg) を得た。このフリー体 (266 mg)
を実施例7と同様の造塩反応に付し、得られた残渣を再結晶(メタノール)して
、2塩酸塩としてCo 40 (153 mg) を得た。
実施例14: Co 11 (285 mg) にDMF (10 ml) を加え、110℃で2時間、80℃
で27時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣を酢酸エチルおよびTHF
に溶解させ、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2) で精製し、Co 44のフリー
体 (167 mg) を得た。このフリー体 (70 mg) のTHF (5ml) 及びメタノール (10m
l) 溶液に1M塩酸 (0.283 ml) を加え、室温で攪拌し、析出した結晶を濾取し、
2塩酸塩としてCo 44 (72 mg) を得た。
実施例15: Co 31のフリー体 (297 mg) のピリジン (20 ml) 溶液に氷冷下
ベンゾイルクロリド (0.118 ml) を加え、室温で20分間攪拌した。減圧下溶媒を
留去し、得られた残渣を酢酸エチルおよびTHFに溶解させ、炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留
去し、得られた残渣を再結晶 (メタノール) して、Co 45のフリー体 (301 mg)
を得た。このフリー体 (287 mg) を実施例7と同様の造塩反応に付して1塩酸
塩の結晶としてCo 45 (249 mg) を得た。
実施例16: Co 48のフリー体 (171 mg) のメタノール (60 ml) およびTHF
(30 ml) 溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液 (11 ml)を2回に分けて加え、室温
で2.5時間攪拌した。この反応液を1M塩酸にて酸性にし、減圧下有機溶媒を留
去し、析出した結晶を濾取し、水およびジエチルエーテルで洗浄した。得られた
粗結晶を再結晶 (メタノール/ジエチルエーテル) して、Co 49 (116 mg) を得
た。
実施例17: Rco 38 (452 mg) にオキシ塩化リン (5 ml) を加え、30分間加
熱還流した。放冷後、減圧下反応液を濃縮した。得られた残渣に氷冷下、THF(5
ml) を加え、モルホリン (4 ml) をゆっくり滴下した後に氷浴を除去し、1時間
加熱還流した。放冷後、溶媒を減圧下留去し、得られた粗結晶を水およびジエチ
ルエーテルで洗浄した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール= 98 : 2) で精製し、Co 50のフリー体 (411 mg)
を得た。このフリー体 (183 mg) を実施例7と同様の造塩反応に付し、再結晶
(メタノール)して、1塩酸塩としてCo 50 (129 mg) を得た。
実施例18: Co 50のフリー体 (956 mg) のDMF (35 ml) 溶液に4-(2-クロロ
エチル)モルホリン塩酸塩(1.53 g) と炭酸カリウム (1.90 g) を加え2.5日間70
℃にて攪拌した。放冷後、溶媒を減圧下留去し、得られた粗結晶を水およびジエ
チルエーテルで洗浄した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2) で精製し、結晶化 (メタノール) し
て、Co 54のフリー体 (1.16 g) を得た。このフリー体 (1.05 g) のTHF (140 ml
) およびメタノール (70 ml) 溶液に4M塩化水素/酢酸エチル (1.14 ml) を加え
、室温で攪拌した。この溶媒を減圧下留去し、再結晶 (メタノール) して、2塩
酸塩の結晶としてCo 54 (1.18 g) を得た。
実施例19: 2-フェニル-3H-キナゾリン-4-オン(450mg)にオキシ塩化リン(5
ml)を加え、3時間加熱還流した。反応液を濃縮し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を減圧下留去した。得られた無色結晶をベンゼン(10ml)に溶解し、モルホリン(3
25mg)を加えた。反応液を一晩加熱還流した。不溶物を濾別し、酢酸エチルで希
釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル = 5:1)で精製し、再結晶(ヘキサン−ベンゼン)し
てCo 82 (136mg)を得た。
実施例20: Co 84 (190mg)のDMSO(5ml)溶液にシアン化ナトリウム(132mg)
を加え、180℃で2時間攪拌した。放冷後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、
減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を再結晶(ヘキサン/酢酸エチル)して、Co
92 (40mg)を得た。
実施例21: Co 85 (500mg)の酢酸(12ml)溶液に鉄(415mg)を加え、105℃で
1時間攪拌した。放冷後、反応液にクロロホルムと1M水酸化ナトリウム水溶液
を加えた。セライトで濾過し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。得られ
た残渣に1M塩酸(10ml)を加え、85℃で90分攪拌した。放冷後、1M水酸化ナト
リウム水溶液を加え、クロロホルム抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール= 50:1)で
精製し、再結晶(クロロホルム/ヘキサン)して、Co 97 (374mg)を得た。
実施例22: Co 97 (149mg)のギ酸(3ml)溶液に無水酢酸(3ml)を加え、室温
で2時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、
減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ク
ロロホルム:メタノール= 50:1)で精製し、再結晶(クロロホルム/ヘキサン)して
、Co 98 (46mg)を得た。
実施例23: Rco 74 (270mg)にオキシ塩化リン(3ml)を加え0.5時間加熱還流
した。反応液を減圧濃縮し、モルホリン(10ml)を加えた。反応液を1時間加熱還
流した後、減圧濃縮し酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液; ヘキサン: 酢酸エチル = 5:1)にて精製後
、エタノール(2ml)、20%水酸化カリウム水溶液(100mg)を加え室温にて40分攪拌
した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した
。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた結晶を酢酸エチル−
ヘキサンの混合溶媒で洗浄した後、再結晶(酢酸エチル/ヘキサン)して、Co 99(
30mg)を得た。
実施例24: Co 86(95mg)のトルエン(15ml)溶液に水酸化ナトリウム(43mg)
、炭酸カリウム(37mg)および硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム(2mg)を加え
、35℃で30分攪拌した。さらに、硫酸ジメチル(34mg)を加え、35℃で2時間攪拌
した。反応液を濾過し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール= 20:1)で精製し、再結晶(クロ
ロホルム/ヘキサン)して、Co 105 (62mg)を得た。
実施例25: Co 97 (200mg)のクロロホルム(6ml)溶液にp-トルエンスルホニ
ルクロリド(124mg)とピリジン(1ml)を加え、室温で45分攪拌した。1M塩酸を加
え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。残
渣を再結晶(クロロホルム/ヘキサン)して、Co 106 (165mg)を得た。
実施例26: Co 97 (250mg)に35%ホルマリン水溶液(5ml)とギ酸(5ml)を加え
、100℃で90分攪拌した。放冷後、1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エ
チルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
濾過し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(
溶出液; ヘキサン: 酢酸エチル= 4:1)で精製し、再結晶(クロロホルム/ヘキサン
)して、Co 107 (133mg)を得た。
実施例27: Rco 76 (6.2 g)にオキシ塩化リン(50ml)を加え1時間加熱還流
した。反応液を減圧濃縮し、クロロホルムに溶解した。クロロホルム層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮
し、6.0gの結晶を得た。このうち802mgにチオモルホリン(500mg)、ベンゼン(10m
l)を加えた。反応液を1時間70℃にて加熱攪拌した後、酢酸エチルで希釈した。
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン−酢酸エチル = 5:1)にて精製し、p-トルエンスルホン酸 4-チオモルホリ
ノ2-フェニルキナゾリン-6-イル(828mg)を得た。このうち、802mgをメタノール(
10ml)、THF(10ml)に溶解し、20%水酸化カリウム水溶液(1.0 g)を加え70℃にて1
時間攪拌した。水、および1M塩酸を加え中和した後、酢酸エチルで抽出し、有
機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
再結晶(酢酸エチル−ヘキサン)して、Co 108 (151mg)を得た。
実施例28: 酢酸 2-メチル-4-オキソ-4H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-6-イ
ルエステル(3g)に酢酸アンモニウム(1.2g)を加え、150℃で30分攪拌した。80℃
まで冷却後、メタノールを加え、80℃で1時間攪拌した。放冷後、析出した結晶
を濾取し、メタノールで洗浄して、結晶(930mg)を得た。得られた結晶(918mg)の
DMSO(10ml)/クロロホルム(5ml)溶液にトルエンスルホニルクロリド(1ml)、TEA(1
ml)および触媒量のジメチルアミノピリジンを加え、室温で8時間攪拌した。酢
酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。得られた
残渣にオキシ塩化リン(15ml)を加え、15時間加熱還流した。放冷後、オキシ塩化
リンを減圧下を留去した。クロロホルムで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メ
タノール= 50:1)で精製し、液体生成物(577mg)を得た。このトルエン(20ml)溶液
にモルホリン(2g)を加え、16時間加熱還流した。放冷後、減圧下溶媒を留去した
。得られた残渣のエタノール(15ml)溶液に20%水酸化カリウム水溶液(1ml)を加え
、室温で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール= 20:1)で精製し、再結晶(クロ
ロホルム/メタノール/ヘキサン)して、Co 109 (207mg)を得た。
実施例29: Rco 78 (590mg)にオキシ塩化リン(10ml)を加え、0.5時間加熱
還流した。反応液を濃縮し、クロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し
た。得られた無色結晶にモルホリン(10ml)を加え、12時間加熱還流した。反応液
をクロロホルムで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣をクロロホル
ム−メタノールで結晶化させた。更に再結晶(酢酸エチル-ヘキサン)してCo 110
(126mg)を得た。
実施例30: Rco 67 (957mg)に酢酸(20ml)、48%臭化水素酸水溶液(20ml)を
加え、油浴温度135℃にて13時間攪拌した。室温に放冷後、結晶を原料と脱メチ
ル化体の混合物として濾取した。得られた結晶に無水酢酸(30ml)、酢酸ナトリウ
ム(112mg)を加え30分加熱還流した。放冷後結晶を濾取した。得られた結晶にオ
キシ塩化リン(10ml)を加え30分加熱還流した。減圧濃縮をして得られた残渣をク
ロロホルムに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣にモルホリン(20ml)を加え、15
時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液;クロロホルム:メタノール= 50:1)にて精製後、得られた結晶をクロ
ロホルム−エーテルの混合溶媒で洗浄して、Co 127 (193mg)を得た。
実施例31: Co 111 (500mg)の酢酸(12ml)溶液に鉄(396mg)を加え、105℃で
45分攪拌した。放冷後、反応液にクロロホルムと1M水酸化ナトリウム水溶液を
加えた。セライトで濾過し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=
10:1)で精製し、再結晶(クロロホルム/メタノール/ヘキサン)して、Co 129 (12
0mg)を得た。
実施例32: Co 116 (564mg)のエタノール(8ml)/THF(8ml)溶液に、1M水酸
化ナトリウム水溶液(8ml)を加え、室温で15時間攪拌した。1M塩酸(8ml)を加え
、エーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。残渣を再結晶(メタノール/エーテル/ヘ
キサン)して、Co 130 (163mg)を得た。
実施例33: Co 117 (325mg)のTHF(40ml)溶液に水素化リチウムアルミニウ
ム(67mg)を加え、0℃で2時間攪拌した。水(0.1ml)、1M水酸化ナトリウム水溶
液(0.1ml)、水(0.3ml)を順に加え、室温で30分攪拌した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、シリカゲルを通して濾過し、減圧下溶媒を留去した。残渣を再結晶(THF
/ヘキサン)して、Co 131 (158mg)を得た。
実施例34: Co 112 (860mg)をTHF(30ml)、メタノール(30ml)、エタノール(
30ml)の混合溶媒に溶解し、10%Pd-C(130mg)を加え、常圧水素雰囲気下、室温に
て2時間攪拌した。不溶物を濾別し、溶媒を留去して780mgの固体を得た。このう
ち、202mgを再結晶(エタノール/メタノール)して、Co 133 (148 mg)を得た。
実施例35: Co 133 (202 mg)をピリジン(10ml)に溶解し、室温にてメタン
スルホニルクロリド(96mg)を加えた。15時間攪拌した後、溶媒を減圧下留去した
。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、有機層を水で洗浄した。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール = 100:1)で精製し、再結晶(エタ
ノール−酢酸エチル−ヘキサン)して、Co 135 を得た。
実施例36: Co 131 (177mg)のDMF(12ml)溶液にHOBt(75mg)およびEDCI塩酸
塩(106mg)を加え、0℃で30分、室温で30分攪拌した。アンモニア水(2ml)を加え
、室温で3時間攪拌した。クロロホルムで抽出し、有機層を水で洗浄した。無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液; クロロホルム/メタノール=10:1)で精製し、再
結晶(クロロホルム/メタノール/ヘキサン)して、Co 136 (39mg)を得た。
実施例37: Rco 87 (1.1g)にオキシ塩化リン(15ml)を加え、1時間加熱還
流した。放冷後、オキシ塩化リンを減圧下を留去した。クロロホルムで抽出し、
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣のトルエン(40ml)溶液にモル
ホリン(5g)を加え、17時間加熱還流し、放冷後、減圧下溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール= 30:1)
で精製し、再結晶(クロロホルム/エーテル/ヘキサン)して、Co 138 (869mg)を得
た。
実施例38: Co 129 (457mg)のDMF(10ml)溶液に無水酢酸(0.75ml)およびピ
リジン(1ml)を加え、室温で1時間攪拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液(15ml
)および水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液;クロロホルム:メタノール= 10:1)で精製し、再結晶(クロロホルム/
メタノール/ヘキサン)し、エーテルで洗浄して、Co 139 (358mg)を得た。
実施例39: Co 133 (476mg)にベンゼン(10ml)、ベンズアルデヒド(249mg)
、THF(10ml)を順次加え溶媒を徐々に留去しながら2時間加熱還流した。溶媒を減
圧下留去し、得られた残渣をメタノール(20ml)に溶解した。氷冷下、水素化ホウ
素ナトリウム(50mg)を加え、室温にて1時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残
渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム: メタノール = 100:1)で精製し、再結晶(酢酸
エチル/ヘキサン)して、Co 140 (259mg)を得た。
実施例40: Co 133 (3.0g)をピリジン(50ml)に溶解し、室温にてベンゼン
スルホニルクロリド(1.9g)を加えた。2時間攪拌した後、溶媒を減圧下留去した
。得られた残渣に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を飽和食塩水で3回洗浄し
た。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。
得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム: メタノ
ール = 100:1)で精製し、再結晶(エタノール)して、Co 141 (3.0g)を得た。
実施例41: Co 133 (540mg)にTHF(15ml)、イソシアン酸フェニル(207mg)を
加えた。3時間加熱還流した後、再度、イソシアン酸フェニル(500mg)を加え、4
時間加熱還流した。1M水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を加え、15分攪拌した後
、1M塩酸(5ml)を加え中和した。反応液をクロロホルムで抽出し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム: メタノール = 50:1)で精製し、再結晶(2-プ
ロパノール/ジエチルエーテル/ヘキサン)して、Co 148 (180mg)を得た。
実施例42: Co 133 (440mg)にTHF(15ml)、TEA(520mg)を加えた。室温にて
クロロギ酸フェニル(498mg)を滴下し、室温にて2時間攪拌した。メタノールを加
えた後、氷冷下、1M水酸化ナトリウム(5ml)を加え、20分攪拌した。1M塩酸(
5ml)を加え中和し、反応液をクロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム: メタノール = 50:1)で精製し、再結晶(酢酸エチル)して、C
o 149 (189mg)を得た。
実施例43: Co 133 (253 mg) のTHF (10 ml) 溶液にイソニコチン酸クロリ
ド塩酸塩 (280 mg) とピリジン (0.127 ml) を加え、室温で5.5時間攪拌し、さ
らにTEA (0.1 ml) を加え、室温で2.5時間攪拌した。その後、1M水酸化ナトリ
ウム水溶液 (0.786 ml) とメタノール (4 ml) を加えて室温で30分間攪拌してエ
ステルを加水分解した。中和した後に、減圧下溶媒を大部分留去して析出してき
た粗結晶を濾取し、酢酸エチルと水で結晶を洗浄した。得られた粗結晶を再結晶
(エタノール) して、Co 150 (71 mg) を得た。
実施例44: Co 97 (285mg)のクロロホルム(12ml)溶液にクロロオキソ酢酸
エチルエステル(190mg)およびTEA(1ml)を加え、室温で16時間攪拌した。クロ
ロホルムで抽出し、有機層を水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過
し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液;クロロホルム:メタノール= 50:1)で精製し、再結晶(クロロホルム/メタノー
ル/ヘキサン)して、Co 159 (103mg)を得た。
実施例45: Co 97 (1.2g)のクロロホルム(30ml)溶液に氷冷下、イソチオシ
アン酸ベンゾイル(1.2ml)を加え、室温にて3時間攪拌した。生じた結晶を濾取し
た。得られた結晶に40%メチルアミン/メタノール溶液を加え、室温にて1時間攪
拌した。反応液を減圧濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製
し、1-(4-モルホリノ-2-フェニルキナゾリン-6-イル)チオウレア(1.1g)を得た。
このうち266mgにエタノール(5ml)、メタノール(3ml)、40%クロロアセトアルデヒ
ド水溶液(300mg)を加え、4日間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル = 2:1)で精製後、
再結晶(エタノール/ヘキサン)して、Co 160 (49mg)を得た。
実施例46: Co 91 (500mg)に酢酸(5ml)、48%臭化水素酸水溶液(5ml)を加え
、13時間加熱還流した。溶媒を留去し、1M水酸化ナトリウム水溶液および飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた粗結晶をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル = 1:1)で精製し、再結晶(エタノ
ール)して、Co 162 (112mg)を得た。
実施例47: アゾジカルボン酸ジエチル (0.101 ml) とトリフェニルホスフ
ィン (168 mg) のTHF (20 ml) 溶液に3-モルホリノプロパノール (93 mg) およ
びCo 50のフリー体 (203 mg) を加え、60℃で13時間攪拌した。さらにアゾジカ
ルボン酸ジエチル (0.1 ml) 、トリフェニルホスフィン (170 mg) および3-モル
ホリノプロパノール (93 mg) を加え、60℃で攪拌した。この操作を再度行った
。放冷後、水と酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応液を塩
基性にした。酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2) で精製し、再結晶 (メタノール)
して、Co 58のフリー体 (174 mg) を得た。このフリー体(71 mg) を実施例1
8と同様の造塩反応に付し、再結晶 (メタノール) して、塩酸塩としてCo 58 (6
8 mg) を得た。
実施例48: Co 61 (1.48 g) のメタノール (15 ml) と水 (15 ml) の混合
溶液に、炭酸カリウム (1.10 g) を加え、80℃で攪拌した後、さらにメタノール
(8 ml) と水 (8 ml) を加えて80℃で12時間攪拌した。放冷後、濾取して得られ
た粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール=
98 : 2) で精製し、結晶化 (メタノール) して、Co 59のフリー体 (1.13 g) を
得た。このフリー体 (160 mg) を実施例18と同様の造塩反応に付し、再結晶 (
メタノール)して、2塩酸塩としてCo 59 (146 mg) を得た。
実施例49: Co 31のフリー体 (2.21 g) のピリジン (70 ml) 溶液に、氷冷
下、無水トリフルオロ酢酸 (1.07 ml) とジメチルアミノピリジン (78 mg) を加
え、1時間攪拌した後、さらに無水トリフルオロ酢酸 (0.5 ml)とジメチルアミノ
ピリジン (30 mg) を加えて氷冷下1時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、水およ
び酢酸エチルを加え、析出した結晶を濾取して酢酸エチルで洗浄して、Co 60 (2
.66 g) を得た。
実施例50: Co 50のフリー体 (1.29 g) に水 (0.645 ml)、ジブロモエタン
(1.11 ml)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム (22 mg) および2M水酸化ナト
リウム水溶液 (2.58 ml) を加え、60℃で6時間攪拌した。反応液にクロロホルム
を加え、不溶物を濾別し、濾液をクロロホルムで抽出後、飽和食塩水で洗浄した
。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2) で精製し
て、Co 62 (376 mg) を得た。
実施例51: Co 62 (211 mg) のDMF (5 ml) 溶液に1-メチルピペラジン (13
9 mg) と炭酸カリウム (256 mg) を加え、60℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧下
留去し、得られた残渣に水およびTHFを加え、酢酸エチルで抽出後、減圧下溶媒
を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホル
ム:メタノール= 97 : 3〜95 : 5) で精製し、Co 64のフリー体 (198 mg) を得
た。このフリー体 (198 mg) を実施例18と同様の造塩反応に付し、再結晶 (
メタノール)して、3塩酸塩として Co 64 (160 mg) を得た。
実施例52: Co 62 (232 mg) のDMF(5 ml)溶液にピペラジン-1-カルボン酸t
ert-ブチル(285 mg)と炭酸カリウム(282 mg)を加え、60℃で17時間攪拌した。溶
媒を減圧下留去し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 99 : 1)
で精製し、粗結晶 (227 mg) を得た。この粗結晶(212 mg)のジオキサン(3ml)お
よびメタノール(3ml)溶液に4M塩化水素/酢酸エチル(1ml)加え、室温にて4時間
攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を再結晶 (メタノール)して、Co 69 (144 mg)
を得た。
実施例53: Co 59のフリー体 (216 mg) のTHF (3 ml) 溶液にパラホルムア
ルデヒド(15 mg)と酢酸(81 ml)を加え、室温で10分間攪拌した後、トリアセトキ
シ水素化ホウ素ナトリウム(199 mg)を加え、室温で21時間攪拌した。その後、3
回に分けてホルムアルデヒド液(0.44 ml)、酢酸 (5.5 ml)およびトリアセトキシ
水素化ホウ素ナトリウム(704 mg)を加え、室温で4日間攪拌した。 反応液を2M
水酸化ナトリウム水溶液で中和し、THFを加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩
水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 98 :
2)で精製し、Co 70のフリー体 (162 mg)を得た。このフリー体 (48 mg)を実施例
18と同様の造塩反応に付し、再結晶 (メタノール)して、2塩酸塩としてCo 70
(53 mg) を得た。
実施例54: Co 50のフリー体(322 mg)、1,3-ジオキソラン-2-オン(814 mg)
と炭酸カリウム(192 mg)を100℃で2時間攪拌した後、さらに1,3-ジオキソラン-2
-オン(680 mg)を加えて100℃で17時間攪拌した。その後DMF(3 ml)を加え2時間、
さらに1,3-ジオキソラン-2-オン (670 mg) を加えて20時間100℃で攪拌した。放
冷後、溶媒を減圧下留去し、水を加え、次いで1M塩酸水溶液を泡が発生しなくな
るまで加えた。析出した粗結晶を濾取して再結晶 (メタノール) して、Co 77 (1
64mg) を得た。
実施例55: Rco 48 (1.07 g) にオキシ塩化リン(10 ml)を加え、2.5時間加
熱還流した。減圧下溶媒を留去し、トルエン共沸した。得られた残渣に、THF (1
5 ml) を加え、氷冷下モルホリン(10 ml)をゆっくり滴下した後に氷浴を除去し
、30分間加熱還流した。反応液に酢酸エチルとTHFを加え、水および飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール= 98 : 2)
で精製し、2-(4-モルホリノピリド[3',2':4,5]フロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)
フェニルホスホン酸ビス(モルホリノアミド) (594 mg) を得た。この化合物(360
mg)にギ酸(4 ml)を加え、100℃で3日間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、酢酸エ
チルおよび水を加え、氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。析出し
てきた結晶を濾取し、結晶(162 mg)を得た。得られた結晶 (123 mg) を再結晶(
メタノール−THF)して、Co 79 (122 mg) を得た。
実施例56: Co 80 (220 mg) にジオキサン(3.9 ml)および6M塩酸(5.5 ml)
を加え、3日間加熱還流した。放冷後中和し、酢酸エチルとTHFの混合溶液で抽出
して飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し
、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール= 96 : 4) で精製し、結晶(83 mg)を得た。得られた結晶(81 mg)を再結晶(
THF−メタノール)して、Co 81 (53 mg)を得た。
実施例57: Co 168のフリー体 (151 mg) のピリジン(9 ml)溶液を氷浴で冷
やし、無水酢酸 (4.5 ml) を加え、氷冷下攪拌した。反応終了後、反応液を氷水
に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下溶媒を留去して、Co 183のフリー体(158 mg)を得た。このフリー体
(156 mg)を実施例18と同様の造塩反応に付し、得られた結晶を再結晶(メタノー
ル)して、1塩酸塩としてCo 169 (93 mg) を得た。
実施例58: 60%水素化ナトリウム(63 mg)のDMF (5 ml)溶液に2-モルホリノ
エタノール(806 mg)を滴下し、室温で15分攪拌した。次に Co 179のフリー体(28
5 mg)を加え、60℃で23時間攪拌した。その後、60%水素化ナトリウム(63 mg)のD
MF(1 ml)溶液 に2-モルホリノエタノール (806 mg) を滴下して室温で15分攪拌
した反応液を別途調整し、この反応液を滴下し、60℃で攪拌した。この操作を3
回行った。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣に水およびTHFを加え、酢酸エチ
ルで抽出後、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒
を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム
:メタノール= 95 : 5) で精製し、Co 192のフリー体 (529 mg) を得た。この
フリー体 (404 mg) を実施例18と同様の造塩反応に付し、得られた結晶を再結晶
(メタノール)して、2塩酸塩としてCo 192 (320 mg)を得た。

Claims (5)

  1. 下記一般式(Ib)で示される縮合ヘテロアリール誘導体
    又はその塩。
    Figure 0003810017
    (式中の記号は以下の意味を示す。
    B:ベンゼン環、又はO、S及びNから選択される1乃至2個のヘテロ原子を
    含む5乃至6員単環ヘテロアリール環、
    1:−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−シクロアル
    キル、−A群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリール、−
    A群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいヘテロアリール、−ハ
    ロゲン、−NO2、−CN、−ハロゲノ低級アルキル、−ORb、−SRb、−
    SO2−Rb、−SO−Rb、−COORb、−CO−Rb、−CONRaRb
    、−SO2NRaRb、−NRaRb、−NRa−CORb、−NRa−SO2
    b、−O−CO−NRaRb、−NRaCO−COORb、−NRaCOORb
    、−NRaCO−低級アルキレン−アリール、−NRa−SO2−低級アルキレ
    ン−アリール、−NRa−低級アルキレン−アリール、−低級アルキレン−OR
    b、−低級アルキレン−NRaRb、−CO−含窒素飽和ヘテロ環、−CONR
    a−低級アルキレン−ORb、−CONRa−低級アルキレン−NRcRb、−
    CONRa−低級アルキレン−含窒素飽和ヘテロ環、−O−低級アルキレン−O
    Rb、−O−低級アルキレン−NRaRb、−O−低級アルキレン−含窒素飽和
    ヘテロ環、−O−低級アルキレン−O−低級アルキレン−ORb、−O−低級ア
    ルキレン−O−低級アルキレン−NRaRb、−O−低級アルキレン−NRc−
    低級アルキレン−NRaRb、−NRc−低級アルキレン−NRaRb、−N(
    低級アルキレン−NRaRb)2、−CONRa−ORb、−NRa−CO−N
    RbRc、又は、−OCORb、
    A群:−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−ハロゲン、
    −ハロゲノ低級アルキル、−低級アルキレン−OR、−NO2、−CN、=O、
    −OR、−O−ハロゲノ低級アルキル、−O−低級アルキレン−NRR’、−O
    −低級アルキレン−OR、−O−低級アルキレン−アリール、−SR、−SO2
    −低級アルキル、−SO−低級アルキル、−COOR、−COO―低級アルキレ
    ン−アリール、−COR、−CO−アリール、−アリール、−CONRR’、−
    SO2NRR’、−NRR’、−NR”−低級アルキレン−NRR’、−NR’
    −低級アルキレン−OR、−NR−低級アルキレン−アリール、−NRCO−低
    級アルキル、−NRSO2−低級アルキル、−シクロアルキル及び−シクロアル
    ケニル、
    R、R’及びR”:同一又は異なって、H又は低級アルキル、
    2及びR3:隣接するN原子と一体となって−NR23として−OH,=O及
    び−低級アルキルからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよ
    い含窒素飽和環基を形成し、
    Ra及びRc:同一又は異なって、H又は低級アルキル、
    Rb:−H、−低級アルキル、シクロアルキル、A群から選択される1〜5個
    の置換基を有していてもよいアリール又はA群から選択される1〜5個の置換基
    を有していてもよいヘテロアリール、
    n:0、1、2又は3、但し、Bがベンゼン環のときnは1、2又は3、
    W:N、
    4b:−(A4群から選択される1〜5個の置換基を有していてもよいアリー
    ル)、及び
    4群:a)−低級アルキル、−低級アルケニル、−低級アルキニル、−ハロ
    ゲン、−ハロゲノ低級アルキル、−低級アルキレン−OR、−NO2、−CN、
    =O、−O−ハロゲノ低級アルキル、−SO2−低級アルキル、−SO−低級ア
    ルキル、−COOR、−COO―低級アルキレン−アリール、−COR、−CO
    −アリール、−CONRR’、−SO2NRR’、−Cyc、及び−Alp−C
    yc(ここに、Alpは低級アルキレン、低級アルケニレン又は低級アルキニレ
    ンを、Cycは−A群の置換基で1〜5個置換されていてもよいアリール、−A
    群の置換基で1〜5個置換されていてもよいヘテロアリール、−A群の置換基で
    1〜5個置換されていてもよい含窒素飽和ヘテロ環、−A群の置換基で1〜5個
    置換されていてもよいシクロアルキル又は−A群の置換基で1〜5個置換されて
    いてもよいシクロアルケニルを示す。)、
    b)−NR−E−F(ここに、Eは−CO−、−COO−、−CONR’−、−
    SO2NR’−又は−SO2−、Fは−Cyc又は−(−ハロゲン、−NO2、−
    CN、−OR、−O−低級アルキレン−NRR’、−O−低級アルキレン−OR
    、−SR、−SO2−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−COOR、−C
    OR、−CO−アリール、−CONRR’、−SO2NRR’、−NRCO−低
    級アルキル、−NRR’、−NR’−低級アルキレン−OR、−NR”−低級ア
    ルキレン−NRR’及び−Cycからなるグループから選択される基で置換され
    ていてもよい、低級アルキル、低級アルケニル若しくは低級アルキニル基)を示
    す。)、及び、
    c)−Z−R’、−Z−Cyc、−Z−Alp−Cyc、−Z−Alp−Z’−
    R’及び−Z−Alp−Z’−Cyc(ここに、Z及びZ’は同一又は異なって
    、O,S又はNRを示す。)。
    但し、以下の化合物を除く。
    (1)4-(4-モルホリニル)-2-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン、
    (2)4-(4-モルホリニル)-2-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(1H)-オン、
    (3)4-(4-モルホリニル)-2-フェニル-6-キナゾリノール及び6-メトキシ-4-(4-モ
    ルホリニル)-2-フェニルキナゾリン、
    (4)Bがベンゼン環、WがN、nが2又は3、存在するR1はすべて-OMe、且
    つ、R4bが未置換、若しくは−ハロゲン、−NO2、−低級アルキル、−O−低
    級アルキル、−ハロゲノ低級アルキル及び−CONRaRcから選択される1乃
    至3個の置換基で置換されたフェニル基である化合物、
    (5)Bがイミダゾール環である化合物、
    (6)Bがピリジン環、且つ、R4bが未置換フェニルである化合物、
    (7)Bがピラジン環、且つ、R4bが未置換フェニル、若しくはベンジルである化
    合物、
    (8)Bがベンゼン環、WがN、nが1、R1が−OH、R4bが未置換フェニル、
    かつR2及びR3が隣接するN原子と一体となって、ピペリジノ又は4−メチル−
    1−ピペラジニル基である化合物、
    (9)Bがベンゼン環、WがN、R4bが2−クロロフェニル、かつR2及びR3が隣
    接するN原子と一体となって1−ピペラジニル基である化合物、
    (10)4-(4-モルホリニル)-2-フェニルチエノ[2,3-d]ピリミジン、及び
    (11)Bがチオフェン環、nが0、且つ、R2及びR3が隣接するN原子と一体となってピペラジニルである化合物。)
  2. N-[2-(3-ベンゼンスルホニルアミノフェニル)-4-モルホリノキナゾリン-6-イル]アセタミド; 3-(4-モルホリノピリド[4,3-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; 3-(4-モルホリノピリド[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; 3-(4-モルホリノピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; 3-(6-メトキシ-4-モルホリノキナゾリン-2-イル)フェノール; 3-(4-モルホリノチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)フェノール; 3-(4-モルホリノプテリジン-2-イル)フェノール; 及びこれらの塩からなる群から選択される請求項1記載の縮合ヘテロアリール誘導体又はその塩。
  3. 請求項1に記載された縮合ヘテロアリール誘導体又はその塩と製薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
  4. フォスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害剤である請求項3に記載される医薬組成物。
  5. 抗癌剤である請求項4に記載される医薬組成物。
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