JP3809737B2 - Air belt device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の移動体の乗員を衝突時等に保護するためのエアベルト装置に関するものであり、詳しくはガス発生装置からのガスによって内部のバッグを膨張させるようにしたエアベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のエアベルト装置として、特開平5−85301号公報記載のものがある。図2は同号公報のエアベルト装置の斜視図である。
【0003】
このエアベルト装置1は、乗員の右側から左側へ斜めに延設されるエアベルト2と、このエアベルト2に接続されたウェビング2aと、乗員の右側から左側へ延設されるラップベルト3と、車体床部等に配設されたバックル装置4と、ベルト装着時にバックル装置4に挿入係止されるタング5と、ウェビング2aを案内するスルーアンカ6等を備えている。
【0004】
ウェビング2aは、従来の一般的なシートベルトと同様のノーマルベルトよりなり、スルーアンカ6に摺動自在に案内掛通されている。ウェビング2aの他端は、車体に固定された緊急時ロック機構付きシートベルトリトラクタ(ELR)7に巻き取り可能に連結されている。
【0005】
エアベルト2は一端がウェビング2aに縫合等により接続され、他端部がタング5に連結されている。
【0006】
ラップベルト3は、一般的なシートベルトと同様のノーマルベルトにより形成され、その一端がタング5に連結されているとともに、他端が車体に固定されたシートベルトリトラクタ(ELR)8に連結されている。バックル装置4には、車両衝突時等の緊急必要時に作動して高圧のガスを発生するガス発生装置9が連結されている。
【0007】
タング5及びバックル装置4には、ガス発生装置9からのガスをエアベルト2に導くための通路が設けられている。
【0008】
エアベルト2は、太幅の帯状のバッグを細幅帯状となるように折り畳んでカバーにより覆ったものであり、通常時には帯状に保形されている。このエアベルト装置1は、通常のシートベルト装置と同様に使用される。車両の衝突時等にガス発生装置9が作動すると、エアベルト2が二点鎖線で示すように膨張し、乗員が保護される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のエアベルト装置にあっては、エアベルト及びラップベルトのそれぞれに張力を与えるために2個のリトラクタ7,8が必要である。
【0010】
本発明は、1基のリトラクタによりエアベルト及びラップベルトの双方に張力を与えることができるエアベルト装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、エアベルトの膨張によってエアベルトに生じる張力がラップベルトにも伝達されるエアベルト装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアベルト装置は、膨張可能なエアベルトと、該エアベルト内にガスを供給して膨張させるガス発生器と、該エアベルトの一端が接続されたタングと、該タングに一端が接続されたラップベルトと、該エアベルトの他端に連なる帯状体と、該ラップベルト及び帯状体のうちのいずれかを巻き取るためのリトラクタと、該ラップベルトが架けられた上下動可能なラップベルトガイドと、該帯状体が架けられた上下動可能な帯状体ガイドと、該ラップベルトガイドと帯状体ガイドとを連結している連結部材とを備えてなるものである。
【0013】
かかるエアベルト装置にあっては、ラップベルトガイドと帯状体とが連結部材によって連結されているので、ラップベルト及び帯状体の一方に張力が加えられると、該連結部材を介して他方に対しても張力が伝達されるようになる。
【0014】
このラップベルトガイド及び帯状体ガイドは自転自在なローラが好適である。
【0015】
本発明のエアベルト装置は、タングが装着されるバックル装置を備えており、該バックル装置にガス発生手段が設けられており、このガス発生手段からのガスを前記エアベルトに導くためのガス通路が該バックル装置及びタングに設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明では、帯状体はスルーアンカに掛け通されて下向きに引き回され、次いで前記帯状体ガイドに掛けられて上方に引き回され、その上端側が車体及びリトラクタのいずれか一方に連結されており、前記ラップベルトは、ラップスルーアンカに掛け通されて上向きに引き回され、次いで前記ラップベルトガイドに掛けられて下方に引き回され、その下端側が車体及びリトラクタのいずれか他方に連結されていることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るエアベルト装置の斜視図である。
【0018】
このエアベルト装置1は、エアベルト2と、該エアベルト2の一端が連結されたタング5と、該タング5がラッチするバックル装置4と、エアベルト2の他端が接続されたウェビング2aと、該ウェビング2aを案内するローラ10付きのスルーアンカ11及びローラ12と、該ウェビング2aの端部を車体に連結するショルダエンドアンカ13と、タング5に一端が接続されたラップベルト3と、ラップベルト3が掛けられたローラ20付きのラップスルーアンカ21及びローラ22と、ローラ12,22を連結しているフレーム25と、ラップベルト3を巻き取るシートベルトリトラクタ8等を備えている。
【0019】
このエアベルト2は、細長いバッグと、該バッグ2を囲むメッシュウェビングとからなる。バッグはガスを透過させ易い材料(例えば少量の樹脂コーティングを施した布)にて長い袋状に形成されたものである。なお、バッグの構成材料を非通気性又は低通気性とし、代わりに、バッグからガスを放出するベントホール等のガス放出口を設けても良い。メッシュウェビングは帯形状の細長い平たい筒状のものである。メッシュウェビングは、幅方向には柔軟に伸縮するが、加熱延伸加工を施すこと等により長手方向には殆ど伸長しない構成のものとなっている。
【0020】
バッグの少なくとも一部は、メッシュウェビングよりも太幅のものであり、メッシュウェビングとほぼ等幅に折り畳まれて細長い帯状となっている。このバッグの一端は、タング5に設けられたガス通路(図示略)に連通するようにタング5に連結されている。
【0021】
エアベルト2は、乗員の上半身前面を斜めに引き回される。ウェビング2aは、従来の一般的なシートベルトと同様の材質のベルトよりなる。このウェビング2aは縫合等によりエアベルト2の上端に連結されている。このウェビング2aは、スルーアンカ11のローラ10に掛けられて下向きに引き回され、ローラ12に掛けられて上向きに引き回され、その上端がショルダエンドアンカ13の開口に挿通され該アンカ13に連結されている。なお、ウェビング2aの先端はこの開口を通った後、ウェビング2aに重ね合わされて縫合されている。符号14は縫合糸を示している。
【0022】
乗員の腰部の前を左右に引き回されるラップベルト3も、一般的なシートベルトと同様のベルトにより形成され、その一端がタング5に連結されている。このラップベルト3は、ラップスルーアンカ21のローラ20に掛けられて上方に引き回され、ローラ22に掛けられて下向きに引き回され、その下端側がリトラクタ(ELR)8に巻き取り可能に連結されている。
【0023】
ローラ12,22を連結するフレーム25は四角い枠状であり、ローラ12,22はこのフレーム25に滑らかに自転するように支持されている。前記ローラ10,20もスルーアンカ11,21に対し滑らかに自転するように取り付けられている。
【0024】
前記バックル装置4にはインフレータが連結又は内蔵されており、このインフレータからのガスを導くダクト(図示略)が該バックル装置のタング対峙面にまで延在している。
【0025】
このように構成されたエアベルト装置は、車両が定常状態にあるときには、通常のシートベルト装置と同様の機能を発揮する。リトラクタ8がラップベルト3に加える巻取力(張力)はローラ22、フレーム25、ローラ12を介してウェビング2a及びエアベルト2にも加えられ、ラップベルト3及びエアベルト2が乗員の上半身に軽くフィットする。車両が所定規模以上の衝突や転倒等の事故に遭遇した場合、インフレータが作動し、エアベルト2が膨張する。この膨張したエアベルト2は、乗員の胸に加えられる衝撃を吸収する。このバッグは比較的大きな通気性を有しているので、乗員の荷重が膨張したバッグに加えられたときには、バッグ内のガスが比較的速やかに流出し、衝撃が吸収される。バッグがベントホール等を有しているときには、ガスはベントホール等から流出し、乗員に加えられる衝撃が吸収される。
【0026】
なお、前記の通り、このエアベルト2のメッシュウェビングは例えば加熱延伸加工が施されることによりベルト長手方向へは殆ど伸びないものとなっている。バッグが膨らんだときにメッシュウェビングの編目が横方向に広がりその結果として、メッシュウェビングが長手方向に縮み、エアベルト2の長手方向の長さが短くなる。このようにエアベルト2の長手方向の長さが短くなると、エアベルト2が乗員に密着し、乗員をきわめて確実に保護することが可能となる。また、このエアベルト2が短くなることによって発生する張力は、ローラ12、フレーム25及びローラ22を介してラップベルト3にも伝達される。即ち、エアベルト2が短くなることによりローラ12、フレーム25及びローラ22が上下に引き下げられ、ラップベルト3に張力が加えられることにより、ラップベルト3が乗員の腰部に密着し、乗員がきわめて確実に保護される。
【0027】
上記実施の形態にあっては、ラップベルト3をリトラクタ8で巻き取るようにしているが、ショルダアンカ13の代わりにウェビング2aの上端を巻き取るリトラクタを設け、ラップベルト3の端部をラップエンドアンカ(図示略)等によって車体に固定しても良い。
【0028】
なお、本発明において、車体とはピラーなどの車体メンバに限らず座席であっても良い。
【0029】
即ち、スルーアンカ、ショルダエンドアンカ、ラップスルーアンカ、リトラクタ、ラップエンドアンカはピラー等の車体メンバに取り付けられても良く、座席に取り付けられても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のエアベルト装置によると、1基のリトラクタによりラップベルト及びエアベルトに張力を加えることができる。また、エアベルトの膨張時に発生する張力をラップベルトにも伝達させ、エアベルトだけでなくラップベルトをも乗員に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るエアベルト装置を示す斜視図である。
【図2】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 エアベルト装置
2 エアベルト
3 ラップベルト
4 バックル装置
5 タング
7,8 リトラクタ
10 ローラ
11 スルーアンカ
12 ローラ
13 ショルダエンドアンカ
21 ラップスルーアンカ
22 ローラ
25 フレーム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an air belt device for protecting a passenger of a moving body such as a vehicle at the time of a collision, and more particularly to an air belt device in which an internal bag is inflated by a gas from a gas generating device.
[0002]
[Prior art]
As this type of air belt device, there is one described in JP-A-5-85301. FIG. 2 is a perspective view of the air belt device disclosed in the publication.
[0003]
The air belt device 1 includes an air belt 2 extending obliquely from the right side of the occupant to the left side, a
[0004]
The
[0005]
One end of the air belt 2 is connected to the
[0006]
The
[0007]
The tongue 5 and the buckle device 4 are provided with a passage for guiding the gas from the gas generator 9 to the air belt 2.
[0008]
The air belt 2 is formed by folding a thick belt-like bag into a narrow belt and covering it with a cover, and is normally kept in a belt shape. The air belt device 1 is used in the same manner as a normal seat belt device. When the gas generator 9 is activated at the time of a vehicle collision or the like, the air belt 2 is inflated as shown by a two-dot chain line to protect the occupant.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional air belt apparatus, two retractors 7 and 8 are required to apply tension to each of the air belt and the lap belt.
[0010]
An object of the present invention is to provide an air belt device that can apply tension to both the air belt and the lap belt by a single retractor.
[0011]
Another object of the present invention is to provide an inflatable belt device in which tension generated in the inflatable belt is transmitted to the lap belt.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
An inflatable belt of the present invention includes an inflatable inflatable belt, a gas generator for supplying and inflating gas into the inflatable belt, a tongue to which one end of the inflatable belt is connected, and a lap belt having one end connected to the tongue. A belt-like body connected to the other end of the air belt, a retractor for winding up either the lap belt or the belt-like body, a vertically movable lap belt guide around the lap belt, and the belt-like body A belt-shaped body guide that can be moved up and down is provided, and a connecting member that connects the lap belt guide and the belt-shaped body guide.
[0013]
In such an air belt device, since the lap belt guide and the belt-like body are connected by the connecting member, when tension is applied to one of the lap belt and the belt-like body, the other member is also connected to the other via the connecting member. Tension is transmitted.
[0014]
The lap belt guide and the belt-like body guide are preferably rotatable rollers.
[0015]
The air belt device of the present invention includes a buckle device to which a tongue is attached, and the buckle device is provided with gas generating means, and a gas passage for guiding gas from the gas generating means to the air belt is provided in the air belt device. It is preferable that the buckle device and the tongue are provided.
[0016]
In the present invention, the strip is passed through the through anchor and drawn downward, then hung on the strip guide and drawn upward, and the upper end side is connected to either the vehicle body or the retractor. The lap belt is passed through a wrap-through anchor and drawn upward, and is then hooked on the lap belt guide and drawn downward, and its lower end side is connected to either the vehicle body or the retractor. It is preferable.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 1 is a perspective view of an air belt device according to an embodiment.
[0018]
The air belt device 1 includes an air belt 2, a tongue 5 to which one end of the air belt 2 is connected, a buckle device 4 to which the tongue 5 latches, a
[0019]
The air belt 2 includes an elongated bag and mesh webbing surrounding the bag 2. The bag is formed in a long bag shape with a material that allows gas to pass through (for example, a cloth with a small amount of resin coating). In addition, the constituent material of the bag may be non-breathable or low breathable, and instead, a gas discharge port such as a vent hole for discharging gas from the bag may be provided. The mesh webbing is a belt-like long and thin flat tube. The mesh webbing has a structure that expands and contracts flexibly in the width direction, but hardly expands in the longitudinal direction by applying a heat stretching process or the like.
[0020]
At least a part of the bag is wider than the mesh webbing, and is folded into substantially the same width as the mesh webbing to form an elongated belt. One end of the bag is connected to the tongue 5 so as to communicate with a gas passage (not shown) provided in the tongue 5.
[0021]
The air belt 2 is drawn around the front of the upper body of the occupant obliquely. The
[0022]
The
[0023]
The frame 25 connecting the rollers 12 and 22 has a square frame shape, and the rollers 12 and 22 are supported by the frame 25 so as to rotate smoothly. The
[0024]
An inflator is connected to or built in the buckle device 4, and a duct (not shown) for guiding gas from the inflator extends to the tongue facing surface of the buckle device.
[0025]
The air belt device configured as described above exhibits the same function as a normal seat belt device when the vehicle is in a steady state. The retracting force (tension) applied to the
[0026]
As described above, the mesh webbing of the air belt 2 is hardly stretched in the longitudinal direction of the belt due to, for example, heat drawing. When the bag is inflated, the mesh webbing spreads in the lateral direction. As a result, the mesh webbing shrinks in the longitudinal direction, and the length of the air belt 2 in the longitudinal direction is shortened. As described above, when the length of the air belt 2 in the longitudinal direction is shortened, the air belt 2 comes into close contact with the occupant, and the occupant can be protected extremely reliably. The tension generated by the shortening of the air belt 2 is also transmitted to the
[0027]
In the above embodiment, the
[0028]
In the present invention, the vehicle body is not limited to a vehicle body member such as a pillar but may be a seat.
[0029]
That is, the through anchor, the shoulder end anchor, the lap through anchor, the retractor, and the wrap end anchor may be attached to a vehicle body member such as a pillar, or may be attached to a seat.
[0030]
【The invention's effect】
As described above, according to the air belt device of the present invention, tension can be applied to the lap belt and the air belt by one retractor. Further, the tension generated when the air belt is inflated can be transmitted to the lap belt so that not only the air belt but also the lap belt can be brought into close contact with the occupant.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an air belt device according to an embodiment.
FIG. 2 is a perspective view showing a conventional example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Air belt apparatus 2
Claims (4)
該エアベルト内にガスを供給して膨張させるガス発生器と、
該エアベルトの一端が接続されたタングと、
該タングに一端が接続されたラップベルトと、
該エアベルトの他端に連なる帯状体と、
該ラップベルト及び帯状体のうちのいずれかを巻き取るためのリトラクタと、
該ラップベルトが架けられた上下動可能なラップベルトガイドと、
該帯状体が架けられた上下動可能な帯状体ガイドと、
該ラップベルトガイドと帯状体ガイドとを連結している連結部材と、
を備えてなるエアベルト装置。An inflatable air belt;
A gas generator for supplying and inflating a gas into the air belt;
A tongue to which one end of the air belt is connected;
A lap belt having one end connected to the tongue;
A strip that is connected to the other end of the air belt;
A retractor for winding either the lap belt or the belt-like body;
A lap belt guide capable of moving up and down with the lap belt mounted thereon;
A belt-like body guide that can be moved up and down, and on which the belt-like body is suspended;
A connecting member connecting the lap belt guide and the belt-shaped body guide;
An inflatable belt device.
前記ラップベルトは、ラップスルーアンカに掛け通されて上向きに引き回され、次いで前記ラップベルトガイドに掛けられて下方に引き回され、その下端側が車体及びリトラクタのいずれか他方に連結されていることを特徴とするエアベルト装置。4. The belt-like body according to claim 1, wherein the belt-like body is passed through a through anchor and drawn downward, and is then hooked on the belt-like body guide and drawn upward. Are connected to either one of
The lap belt is passed through a lap-through anchor and routed upward, and is then hooked by the lap belt guide and routed downward, and its lower end side is connected to either the vehicle body or the retractor. An inflatable belt device.
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