JP3808473B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子の形成に用いられる基板に対して行う各種ガス雰囲気による暴露処理を行う基板処理装置に関する。特に、本発明は、基板表面に形成された有機膜に対して、その有機膜を溶解し、リフローさせる有機溶媒溶液を気化させたガス雰囲気の下において行う暴露処理を行う基板処理装置に関する。
半導体素子の形成に用いられる基板に対して各種処理を行う従来の処理装置の一例として特許文献1に記載された装置がある。この装置は、有機材料からなる塗布膜を利用して、半導体素子の形成された基板表面の凹凸を平坦化する装置であり、平坦性が良く、熱処理による耐クラック性も良い平坦膜を形成することができる。
以下、この処理装置を図13を参照して説明する。
この処理装置は、密閉容器501と、密閉容器501の底面に配置されたホットプレート502と、密閉容器501の上部を覆う蓋503と、密閉容器501内の温度をホットプレート502と同じ温度に保つために、密閉容器501を囲んで設けられたヒータ504と、を備えている。
密閉容器501の上部には、密閉容器501と蓋503との間にガス導入口505とガス排出口506とが設けられている。
この密閉容器501内のホットプレート502上に、ポリシロキサン塗布液が塗布されたウェハを搬入する。このとき、ホットプレート502は150℃とし、ガス導入口505からは150℃に加熱されたジプロピレングリコールモノエチルエーテルを溶媒ガスとして導入する。ウェハを60秒間溶媒ガスに晒した後、溶媒ガスの導入を中止し、次いで、窒素を導入して120秒間保持し、ウェハを密閉容器501から搬出する。
この処理装置によれば、ポリシロキサン塗布液からなる塗布膜中に含まれる溶媒を急激に蒸発させるという従来の単純なホットプレートによる加熱処理に代えて、ポリシロキサン塗布液の溶媒と同じ溶媒を密閉容器501中に導入して、塗布膜中の溶媒の蒸発を遅らせ、塗布膜の流動性を保ちながら塗布膜を平坦化させ、徐々に溶媒を蒸発させる。従って、従来のような塗布膜の急激な収縮によるクラックの発生がなく、平坦性の良い平坦化膜が得られるというものである。
特開平11−74261号公報
以上のように、図13に示した処理装置によれば、単なる平坦化膜の形成は可能である。
しかしながら、後述するように、本願発明者らが先に出願した特願2000−175138号に記載のレジストパターンリフローには図13に示した処理装置を使用することはできない。
ここで、上述のレジストパターンリフローについて概略を説明する。
図14は、レジストパターンリフローを用いた半導体装置の製造プロセスの各過程を示す断面図である。
先ず、図14(a)に示すように、透明性絶縁基板511の上にゲート電極512を形成し、ゲート絶縁膜513で透明性絶縁基板511及びゲート電極512を覆う。
次いで、ゲート絶縁膜513上に半導体膜514、クロム515を堆積させる。この後、スピンコート法により塗布膜を塗布し、露光及び現像を行って、図14(a)に示すように、レジストパターン516を形成する。
次に、レジストパターン516をマスクとしてクロム515のみをエッチングし、図14(b)に示すように、ソース・ドレイン電極517を形成する。
続いて、図14(c)に示すように、レジストパターン516をリフローさせ、少なくともエッチングされてはならない領域、この場合はTFTのバックチャネル領域518(図15(a)参照)を覆うようなレジストパターン536を形成する。
次いで、図15(a)に示すように、このレジストパターン536をマスクとして半導体膜514をエッチングして、半導体膜パターン518を形成する。
このように、レジストパターン516をリフローさせると、図15(b)の平面図に示されるように、ソース・ドレイン電極517の直下の領域以外の領域で形成される半導体膜パターン518が横方向に距離L(図15(a)及び(b)参照)だけ広くなる。この距離Lをレジストパターン536のリフロー距離と呼ぶ。
このようにして広げられたレジストパターン536がその下層にある半導体層514のエッチング加工寸法を決めることになるので、基板全面に渡ってリフロー距離Lの制御性は重要なポイントになる。
しかしながら、図13に示した特許文献1に記載の装置では、単にガスをウェハ502表面に流すのみであり、ガスがウェハ502の全面に渡って均一にはならないので、リフロー距離Lを所望の値に正確に制御することは困難であることが分かった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、リフロー距離Lを所望の値に正確に制御することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の基板処理装置は、チャンバー内に配置された基板に暴露処理用ガスを吹き付ける基板処理装置であって、少なくとも一つのガス導入口と少なくとも一つのガス排気口とを有するチャンバーと、前記ガス導入口を介して前記チャンバー内に暴露処理用ガスを導入するガス導入手段と、ガス分配手段と、を備え、前記ガス分配手段は、前記チャンバーの内部空間を、前記暴露処理用ガスが前記ガス導入口を介して導入される第一の空間と、前記基板が配置されている第二の空間とに分離し、前記ガス分配手段には、前記第一の空間と前記第二の空間とを連通させる複数個の開口が形成されており、前記ガス分配手段は、前記基板に向かって凸又は凹曲面状に予め形成された板からなり、前記第一の空間に導入された前記暴露処理用ガスを前記開口を介して前記第二の空間に導入させるものであり、該ガス分配手段の中心を回転中心として、前記チャンバーに対して回転可能となっていることを特徴としている。
本発明の基板処理装置においては、前記チャンバーは複数個の前記ガス導入口を備えることが好ましい。
本発明の基板処理装置においては、前記ガス導入口毎にガス流量制御機構を備えていることが好ましい。
本発明の基板処理装置においては、前記ガス分配手段は、前記チャンバー内において、各ガス導入口よりも前記基板の配置領域に近い位置に配置され、前記ガス分配手段から起立するように設けられた隔壁により前記ガス導入口を所定数ごとに囲むことによって、前記第一の空間が複数の小空間に分割されていることが好ましい。
この場合、前記隔壁には、隣り合う小空間を相互に連通させる孔或いは隙間が形成されていることしても良いし、或いは、前記複数の小空間は、前記隔壁により相互に密閉されていることとしても良い。
或いは、本発明の基板処理装置においては、前記ガス分配手段は、前記チャンバー内において、各ガス導入口よりも前記基板の配置領域に近い位置に配置され、前記ガス分配手段から起立するように設けられた隔壁により、前記第一の空間が複数の小空間に分割されているとともに、このうち何れかの小空間内に前記ガス導入口が配され、前記隔壁には、隣り合う小空間を相互に連通させる孔或いは隙間が形成されていることも好ましい。
本発明の基板処理装置においては、前記ガス分配手段はその中心を回転中心として回転可能となっていることも好ましい。
本発明の基板処理装置においては、前記ガス分配手段と重なり合って配置され、前記ガス分配手段に形成されている開口のうちの任意の個数の開口を塞ぐことにより、前記暴露処理用ガスの吹き出し範囲を規定するガス吹き出し範囲規定手段をさらに備えることが好ましい。
本発明の基板処理装置においては、前記基板が載置されるステージが、上下動可能に形成されていることが好ましい。
本発明の基板処理装置においては、前記基板の温度を調整する基板温度調整手段をさらに備えていることが好ましい。
この場合、前記基板温度調整手段は、前記基板が載置されるステージの温度を制御することにより、前記基板の温度を制御するものであることを好ましい例とする。
本発明の基板処理装置においては、前記暴露処理用ガスの温度を調整するガス温度調整手段をさらに備えていることが好ましい。
本発明の基板処理装置においては、前記チャンバー内に配置された基板と前記ガス分配手段との間隔が5乃至15mmに設定されていることが好ましい。ただし、前記基板と前記ガス分配手段との間の間隔は2乃至100mmの範囲内に設定することが可能である。
前記暴露処理用ガスの流量は2乃至10リットル/分であることが好ましい。ただし、前記暴露処理用ガスの流量を1乃至100リットル/分とすることも可能である。
また、前記暴露処理用ガスの温度は摂氏20乃至25度であることが好ましい。ただし、前記暴露処理用ガスの温度は摂氏18乃至40度の範囲内にすることが可能である。
前記ステージの温度は摂氏24乃至26度に設定されていることが好ましい。ただし、前記ステージの温度は摂氏18乃至40度の範囲に設定することが可能である。
前記チャンバー内の圧力は−20乃至+2KPaであることが好ましい。ただし、前記チャンバー内の圧力は−50乃至+50KPaの範囲に設定することが可能である。
本発明によれば、暴露処理用ガスはガス分配手段によって基板表面の全面に渡ってほぼ均一に吹き付けられることになるので、基板全面に渡ってリフロー距離Lを精度良く制御することができる。
さらには、その暴露処理の前後あるいは暴露処理と同時に、基板に対してドライエッチング又はアッシング処理を行うことも可能である。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。本実施形態に係る基板処理装置は、チャンバー内に配置された基板に対して暴露処理用ガスを均一に吹き付ける装置である。
図1に示すように、本実施形態に係る基板処理装置100は、暴露処理チャンバー101と、暴露処理チャンバー101の内部に暴露処理用ガスを導入するガス導入機構120と、基板に暴露処理用ガスを吹き付けるガス吹き付け機構110と、を備えている。
暴露処理チャンバー101は、下部チャンバー10と上部チャンバー20とからなり、下部チャンバー10及び上部チャンバー20は下部チャンバー10に取り付けられたO−リング121を介して接合され、内部に気密空間を形成している。
暴露処理チャンバー101には複数個のガス導入口101aと2個のガス排気口101bとが形成されている。図示していないが、各ガス排気口101bには開度調節機構が設けられており、各ガス排気口101bの開口の割合を自在に調節することができるようになっている。
暴露処理チャンバー101の内部には、鉛直方向に上下動可能な昇降ステージ11が設けられており、基板1は、昇降ステージ11の上面に水平姿勢で載置される。昇降ステージ11は1乃至50mmの範囲内で上下動することができるように構成されている。
ガス吹き付け機構110は、上部チャンバー20に形成された複数個のガス導入口101aの各々に挿入されたガス導入管24と、ガス導入管24の先端に取りつけられたガス拡散部材23と、ガス吹き出し板21と、ガス吹き出し板21を固定し、ガスの吹き出し範囲を規定するガス吹き出し板枠212と、を備えている。
図2は、ガス吹き出し板21とガス吹き出し板枠212とを示す斜視図である。
なお、図1及び図2では、簡単のためガス吹き出し板21は平板状に記載されているが、該ガス吹き出し板21は、実際には、基板1に向かって凸状、あるいは、基板1に向かって凹状の円弧状の曲面を有する板から構成されている。
図2に示すように、ガス吹き出し板21にはマトリクス状に複数個の開口211が形成されている。開口211は、ガス吹き出し板21の下方に位置する基板1の全域を覆うように、設けられている。
本実施形態においては、開口211の直径は0.5乃至3mmであり、隣接する開口211間の間隔は1乃至5mmである。
図1に示すように、ガス吹き出し板21はガス拡散部材23と基板1との間に位置するように水平に取りつけられ、暴露処理チャンバー101の内部空間を、暴露処理用ガスがガス導入管24を介して導入される第一の空間102aと、基板1が配置されている第二の空間102bとに分離している。開口211は、この第一の空間102aと第二の空間102bとを連通させており、第一の空間102aに導入された暴露処理用ガスは開口211を介して第二の空間102bに導入される。
図2に示すように、ガス吹き出し板枠212は、フレーム状の側壁212aと、側壁212aの下端から内側に向かって延びるフレーム状の延長部212bと、からなっている。
ガス吹き出し板21はシール材214を介して延長部212b上に接着されている。これにより、ガス吹き出し板21とガス吹き出し板枠212との間には隙間がなくなり、ガス吹き出し板21の周囲から処理ガスが漏れ出すことがない。
延長部212bの長さを適当な長さに設定することにより、ガス吹き出し板21に形成された開口211のいくつかが塞がれ、ガス吹き出し板21による暴露処理用ガスの吹き出し範囲が規定される。
本実施形態においては、側壁212aの高さは5mm、延長部212bの長さは10mmであり、ガス吹き出し板枠212は基板1の上方10mmの位置に配置されている。
第一の空間102aに位置するガス拡散部材23は箱状の部材からなり、その外壁には複数個の孔が設けられている。
ガス導入管24を介して吹き出した暴露処理用ガスは、ガス拡散部材23の内部にあたって、一旦、ガス拡散部材23の内部に貯留されることによって、均一に拡散される。この結果、ガス拡散部材23の内部において暴露処理用ガスの濃度が均一になる。この後、暴露処理用ガスはガス拡散部材23の外部に放出される。
ただし、ガス拡散部材23の形状は上記の形状に限定されるものではなく、他の形状を取ることも可能である。図3にガス拡散部材23の一例を示す。
図3に示すガス拡散部材23は中空の球形をなしており、外面には複数個の孔23aが形成され、ガス拡散部材23の内部と外部とを連通させている。
ガス導入管24は球形のガス拡散部材23の中心まで延びており、ガス拡散部材23の中心から暴露処理用ガスがガス拡散部材23の内部に放出されるようになっている。このため、暴露処理用ガスはいずれの孔23aであっても等距離で孔23aに到達する。このように、暴露処理用ガスが孔23aに到達する間に暴露処理用ガスが拡散され、濃度が均一化される。
ガス導入機構120は、蒸気発生装置31と、蒸気発生装置31から発生した暴露処理用ガスを各ガス導入管24に供給するガス配管32と、を備えている。
蒸気発生装置31には、暴露処理用ガスを発生させる液体が貯留されている。この液体に対して、窒素(N2)ガスをバブリングすることにより、ガスが発生し、窒素ガスとともに暴露処理用ガス33として暴露処理チャンバー101に供給される。
また、ガス導入機構120は、蒸気発生装置31を取り囲む貯蔵容器301を備えており、この貯蔵容器301には温度調整液が貯留されている。この温度調整液からの熱伝導によって蒸気発生装置31内の暴露処理用ガスを発生させる液体の温度を制御し、ひいては、暴露処理用ガス33の温度を制御する。
温度調整液としては、例えば、エチレングリコールと純水とを混合した液体を用いる。なお、温度調整液としては、熱伝導性があり、凝固点が摂氏0度よりも低い液体であれば、いかなる液体をも用いることができる。温度調整液の温度調整は、ヒーターを用いた加熱、冷媒を用いた電子的な冷却、工場内の諸々の製造装置を冷却するための工場冷却水による冷却などにより行うことができる。
本実施形態においては、暴露処理チャンバー101に供給される暴露処理用ガス33の流量は1乃至50L/minの範囲に設定されている。
暴露処理チャンバー101において基板1に吹き付けられた暴露処理用ガスは、下部チャンバー10の周辺に形成されたガス排気口101bを介して、真空ポンプ(図示せず)により、排気される。ガス排気口101bには、複数個の孔が設けられた排気孔板131がかぶせられており、この排気孔板131により、処理後の暴露処理用ガスは均等に排気される。
なお、本実施形態においては、排気孔板131に設けられた孔の直径は2乃至10mm、隣接する孔の間の間隔は2乃至50mmの範囲に設定されている。
また、暴露処理チャンバー101内のガス雰囲気をより高純度にするためと、処理時間を秒単位で厳密に制御するためには、暴露処理チャンバー101内のガスの置換を短時間に行う必要がある。
このような要求を満たすため、本願発明者の実験結果によれば、暴露処理チャンバー101の排気に用いる真空ポンプは、少なくとも50L/min以上の排気速度を有し、かつ、排気開始から1分経過後の暴露処理チャンバー101内の圧力が−100KPa以下になるような排気能力を有していることが必要であることが判明した。
次いで、本実施形態に係る基板処理装置100の動作及び本基板処理装置100を用いた基板1の処理方法を以下に説明する。
先ず、処理する基板1を昇降ステージ11上に置き、下部チャンバー10及び上部チャンバー20を閉じ、昇降ステージ11を上下動させ、ガス吹き出し板21と基板1との間の距離を10mmに設定する。
暴露処理チャンバー101内のガス雰囲気をより高純度にするため、暴露処理用ガスの導入前に暴露処理チャンバー101内を強制的に排気し、約−70KPa以下(大気圧を0KPaとする)になるようにする。
次いで、蒸気発生装置31に送り込む窒素ガスのガス圧を0.5kg/cm、流量を5.0L/minに設定し、窒素ガスを蒸気発生装置31に貯留されている処理液に流し込み、処理液(薬液)から気化したガスをバブル状に発生させる。
処理液から気化したガスと窒素ガスとを含んだ暴露処理用ガス33を5.0L/minのガス流量でガス配管32に流す。
暴露処理用ガス33はガス配管32及びガス導入管24を経てガス拡散部材23に貯留され、ガス拡散部材23の内部において、ガス濃度がほぼ均一になるように拡散される。その後、暴露処理用ガス33はガス拡散部材23から第一の空間102aに放出される。
各ガス拡散部材23から第一の空間102aに放出された暴露処理用ガス33はほぼ均一の濃度とほぼ均一の速度を有している。さらに、暴露処理用ガス33は第一の空間102aに一旦貯留されて、ガス濃度がさらに均一化される。このため、暴露処理用ガス33は、ガス吹き出し板21に設けられた開口211を介して均一に第二の空間102bに放出され、ひいては、昇降ステージ11上に載置されている基板1に対して、均一に吹き付けられる。
なお、ガス拡散部材23を設けずに、ガス吹き出し板21のみによってガス濃度の均一化を図ることも可能である。
この結果、基板1において、レジストパターン516のリフローが起きる(図17(a)参照)。
暴露処理用ガス33をガス配管32、ガス導入管24及びガス拡散部材23を介して暴露処理チャンバー101の内部に流し続け、暴露処理チャンバー101内の圧力が陽圧(+0KPa以上)になったときに、ガス排気口101bを開放する。
処理プロセス条件として暴露処理チャンバー101内の圧力を、例えば、+0.2KPaに設定した場合には、ガス排気口101bの開度を調整し、暴露処理チャンバー101内の圧力が+0.2KPaに維持されるようにする。
ただし、処理圧力としては−50Kpaから50KPaの範囲内の圧力を選ぶことが可能である。最適な圧力範囲は−20KPaから20KPaであり、特に望ましい圧力範囲は−5KPaから5KPaである。処理圧力は、その誤差が±0.1KPa以内になるように、制御される。
一定の処理時間が経過したら、ガスの置換をすみやかに行うために、暴露処理用ガスを排出し、N2ガスで置換する方法をとる。
そのために、先ず、暴露処理用ガス33の導入を停止した後、真空排気を行い、暴露処理チャンバー101内の圧力を約−70KPa以下にする。さらに、図1の破線で示した経路のバルブを開き、チャンバー置換用ガスとして暴露処理チャンバー101内に窒素ガスその他の不活性ガスを20L/min以上の流量で流入させながら、真空ポンプを用いて、真空排気を少なくとも10秒以上行なう。この時の暴露処理チャンバー101の圧力としては、少なくとも−30KPaを維持するようにする。
真空排気を止め、暴露処理チャンバー101の圧力が陽圧になるまで窒素ガスを導入し、暴露処理チャンバー101の圧力が約+2KPaになった時点で置換用の窒素ガスの導入を止める。
上部チャンバー20及び下部チャンバー10を開き、処理した基板1を取り出す。
本実施形態において使用する有機膜パターンとしてのレジストの材料例を以下に説明する。レジストの材料には、有機溶剤に溶解するレジストと水溶性のレジストとがある。
有機溶剤に溶解するレジストの例としては、高分子化合物に感光剤及び添加剤を加えた材料から構成されるレジストがある。
高分子化合物としては種々のものがあり、ポリビニル系ではポリビニルケイ皮酸エステルがある。ゴム系では、環化ポリイソプレンや環化ポリブタジエンにビスアジド化合物を混合したものがある。ノボラック樹脂系では、クレゾールノボラック樹脂とナフトキノンジアジド−5−スルフォン酸エステルを混合したものがある。アクリル酸の共重合樹脂系では、ポリアクリルアミドやポリアミド酸がある。
また、水溶性のレジストの例としては、高分子化合物に感光剤及び添加剤を加えた材料から構成されるレジストがある。高分子化合物としては種々のものがあり、ポリアクリル酸、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、オキサゾリン基含有水溶性樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、アルキッド樹脂、スルホンアミドのうちのいずれか、あるいは、これらの2種類以上の混合物を用いたものが考えられる。
次に、レジスト膜を溶解させる溶剤に用いられる薬液の例を挙げる。
1.レジストが有機溶剤に溶解する場合
(a)有機溶剤
具体例として、有機溶剤を上位概念としての有機溶剤と、それを具体化した下位概念の有機溶剤とに分けて示す。(Rはアルキル基又は置換アルキル基、Arはフェニル基又はフェニル基以外の芳香環を示す)
・アルコール類(R−OH)
・アルコキシアルコール類
・エーテル類(R−O−R、Ar−O−R、Ar−O−Ar)
・エステル類
・ケトン類
・グリコール類
・アルキレングリコール類
・グリコールエーテル類
上記有機溶剤の具体例としては、次のようなものがある。
・CH3OH、C2H5OH、CH3(CH2)XOH
・イソプロピルアルコール(IPA)
・エトキシエタノール
・メトキシアルコール
・長鎖アルキルエステル
・モノエタノールアミン(MEA)
・アセトン
・アセチルアセトン
・ジオキサン
・酢酸エチル
・酢酸ブチル
・トルエン
・メチルエチルケトン(MEK)
・ジエチルケトン
・ジメチルスルホキシド(DMSO)
・メチルイソブチルケトン(MIBK)
・ブチルカルビトール
・n−ブチルアセテート(nBA)
・ガンマーブチロラクトン
・エチルセロソルブアセテート(ECA)
・乳酸エチル
・ピルビン酸エチル
・2−ヘプタノン(MAK)
・3−メトキシブチルアセテート
・エチレングリコール
・プロピレングリコール
・ブチレングリコール
・エチレングリコールモノエチルエーテル
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル
・エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
・エチレングリコールモノメチルエーテル
・エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
・ポリエチレングリコール
・ポリプロレングリコール
・ポリブチレングリコール
・ポリエチレングリコールモノエチルエーテル
・ポリジエチレングリコールモノエチルエーテル
・ポリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテル
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・ポリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
・メチル−3−メトキシプロピオネート(MMP)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
・プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PGP)
・プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)
・エチル−3−エトキシプロピオネート(FEP)
・ジプロピレングリコールモノエチルエーテル
・トリプロピレングリコールモノエチルエーテル
・ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル
・プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート
・3−メトキシプロピオン酸メチル
・3−エトキシプロピオン酸エチル
・N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
2.レジストが水溶性の場合
(a)水
(b)水を主成分とする水溶液
本願発明者は、本実施形態に係る基板処理装置100及び暴露処理用ガス33を用いて、以下のように、実際に基板上にパターニングされた塗布膜をリフローさせた。
まず、基板上にノボラック樹脂を主成分とするレジストからなる塗布膜を2.0μmの厚さに塗布し、幅10.0μm及び長さ20.0μmの塗布膜パターンを形成した。この塗布膜パターンを本実施形態に係る基板処理装置100において、暴露処理用ガス33としてNMPを用いて、リフローさせた。暴露処理用ガス33に含まれるN2ガスその他の条件は上記の第一の実施形態に記載した条件を用いた。
図4は、塗布膜パターンの横方向へのリフロー距離のリフロー時間依存性を示したものである。この時に用いた上記の条件以外のリフローの主要条件は下記の通りである。
(1)暴露処理用ガス及び流量:処理液蒸気5L/min、N2ガス5L/min
(2)暴露処理用ガス温度:22℃
(3)昇降ステージ11とガス吹き出し板21との間隔:10mm
(4)昇降ステージ11の温度:26℃
(5)暴露処理チャンバー101内の処理圧力:+0.2KPa
図4からわかるように、塗布膜パターンのリフロー距離はリフロー時間に対してほぼリニアな関係で変化する。従って、リフロー距離はリフロー時間で制御することが可能である。
図5は、塗布膜パターンのリフロー後のリフロー距離の基板内での均一性を示すグラフである。
図4において示したリフロー条件において、リフロー時間、処理ガス温度、昇降ステージ11とガス吹き出し板21との間隔、昇降ステージ11の温度、暴露処理チャンバー101内の処理圧力を固定し、処理ガス流量を変化させた。これら以外の条件は図4の条件と同じ条件を用いた。
この測定では、塗布膜パターンのリフロー時間を5分とし、リフローさせた後の塗布膜パターンのリフロー距離を測定した。測定点は基板1の10箇所をほぼ平面的に均等に渡って測定した。10箇所の測定値における最大値をTmax、最小値をTmin、それらの平均値をTmeanとすると、測定点でのリフロー距離TxのばらつきTxsは次式で表される。
Txs=|(Tmean―Tx)/Tmean|
図5からわかるように、暴露処理用ガス33の流量が2乃至10L/minの間では、基板1内におけるリフロー距離のばらつきが約5%と極めて良い結果が得られた。
発明者の実験によれば、リフロー処理の制御因子としては、レジストパターンへの暴露処理用ガス33の供給量が最も重要である。ガス吹き出し板21を設け、基板1の各部分ごとに暴露処理用ガス33の供給量を制御することにより、リフロー距離を自在に制御することが可能である。
図6は、塗布膜パターンのリフロー後のリフロー距離の基板内での均一性を示すグラフである。
図4において示したリフロー条件において、リフロー時間、処理ガス温度、処理ガス流量、昇降ステージ11の温度、暴露処理チャンバー101内の処理圧力を固定し、昇降ステージ11とガス吹き出し板21との間隔を変化させた。
図6から明らかであるように、昇降ステージ11とガス吹き出し板21との間隔を5乃至15mmの範囲に設定すれば、リフロー距離は基板1内で約10%以内のばらつきに抑えることができることが分かった。
図7は、塗布膜パターンのリフロー速度を示すグラフである。
図4において示したリフロー条件において、リフロー時間、処理ガス温度、処理ガス流量、昇降ステージ11とガス吹き出し板21との間隔、暴露処理チャンバー101内の処理圧力を固定し、昇降ステージ11の温度を変化させた。
図7から明らかであるように、昇降ステージ11の温度を24乃至26℃に設定することにより、塗布膜パターンのリフロー速度が10μm/分近傍で安定することがわかる。
以上の測定結果から、本実施形態に係る基板処理装置100において、以下の条件の下に、基板1に対する暴露処理用ガス33の暴露処理を行うことにより、マスクとしての機能を保持しつつ、塗布膜パターンのリフロー距離を基板1内で10%以内に抑えることができる。
(1)暴露処理用ガス及び流量:処理液蒸気2乃至10L/min、窒素ガス2乃至10L/min
(2)暴露処理用ガス温度:20乃至26℃
(3)昇降ステージ11とガス吹き出し板21との間隔:5乃至15mm
(4)昇降ステージ11の温度:24乃至26℃
(5)暴露処理チャンバー101内の処理圧力−1乃至+2KPa
本実施形態に係る基板処理装置100はレジストのリフローを行うための装置として説明したが、基板処理装置100は、レジストのリフロー以外の使用目的に用いることも可能である。例えば、半導体基板の表面を酸洗浄したり、あるいは、基板に対するレジストの密着性向上のために使用することも可能である。このような場合には、次のような薬液が使用される。
(A)酸を主成分とする溶液(表面洗浄用)
・塩酸・弗化水素・その他酸溶液
(B)無機−有機混合溶剤(有機膜の密着力強化に用いる場合)
・ヘキサメチルジシラザン等のシランカップリング剤
(第二の実施形態)
図8は、第二の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。本実施形態に係る基板処理装置200は、第一の実施形態に係る基板処理装置100と同様に、チャンバー内に配置された基板に対して暴露処理用ガスを均一に吹き付ける装置である。
第一の実施形態に係る基板処理装置100の構成要素と同一の構造及び機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本願発明者の実験によれば、基板1に対する処理プロセスの安定化及び均一化を高め、さらに、反応速度を制御するためには、各機構の温度調整をする必要があることが分かった。このため、本実施形態に係る基板処理装置200においては、以下のように、温度調整機構が設けられている。
下部チャンバー10においては、基板1の温度を調整するため、昇降ステージ11の内部を中空とし、昇降ステージ11の内部に温度調節液112を流し、循環させることにより、昇降ステージ11全体の温度調節を行う。
また、上部チャンバー20の内部を中空とし、上部チャンバー20の内部に温度調節液221を流し、循環させることにより、上部チャンバー20のみならず、熱伝導を利用して、上部チャンバー20に接しているガス導入管24、ガス拡散部材23及びガス吹き出し板21の温度調節を行う。
次に、ガス導入機構120においては、供給される暴露処理用ガス33の温度を調整するため、貯留容器301の内部を中空とし、貯留容器301の内部に温度調節液を流し、循環させることにより、暴露処理用ガス33の温度調節を行う。
制御が必要な温度範囲としては10乃至80℃、特に、20乃至50℃の範囲で制御可能であることが必要であり、さらに、少なくとも±3℃以内、特に±0.5℃以内で制御できるようにすることが必要であることが判明した。
次いで、本実施形態に係る基板処理装置200の動作及び本基板処理装置200を用いた基板1の処理方法を以下に説明する。
先ず、温度調節液112を24℃に設定し、昇降ステージ11及び基板1の温度が同温度になるようにする。
貯留容器301に流し込む温度調節液は26℃に設定し、ガス導入機構120からの暴露処理用ガス33の温度が同温度になるようにする。
温度調節液221も26℃に設定し、ガス吹き出し板21、上部チャンバー20及びガス拡散器23の温度が同温度になるようにする。
この後、第一の実施形態に係る基板処理装置100を用いた基板1の処理方法と同様の過程を実施する。
(第一及び第二の実施形態の変形例)
上述の第一の実施形態に係る基板処理装置100及び第二の実施形態に係る基板処理装置200の構造は上記の構造に限定されるものではなく、以下に述べるように、種々の変更が可能である。
先ず、ガス吹き付け機構110において、次のような変更が可能である。
第一及び第二の実施形態においては、各ガス導入管24の上流側に1個のガス流量制御機構を設け、このガス流量制御機構から各ガス導入管24に暴露処理用ガス33を分配することを想定したが、ガス導入管24の各々に暴露処理用ガス33の流量を調節するガス流量制御機構を設けることも可能である。このガス流量制御機構は、マスフロー制御、流量計を用いた制御、単なるバルブの開角度の制御などを行うことにより、暴露処理用ガス33の流量を制御することができる。
第一の実施形態に係る基板処理装置100においては、複数個のガス拡散部材23は全て第一の空間102aの内部に配置されているが、1個のガス導入管24ごとに、あるいは、複数本のガス導入管24ごとに隔壁で囲むことにより、第一の空間102aを複数個の小空間に分割し、各小空間に一個または二個以上のガス拡散部材23が配置されるようにすることも可能である。
図9は、第一の空間102a内において、1個のガス導入管24ごとに隔壁103を設けた例を示す断面図である。
このようにして、暴露処理用ガス33を各小空間から第二の空間102bへガス分配手段21を介して吹き出させる際に、ガス導入管24毎に制御され、小空間ごとに制御されたガス流量を第二の空間102bの位置ごとに制御することが可能になる。これにより、第二の空間102bに置かれた基板1に対してその基板1上の位置によらずに、さらに均一な濃度のガスを吹き付けることができる。
なお、各小空間は隔壁103により相互に密閉されていることは必ずしも必要ではなく、隔壁103に孔あるいは隙間を設けることにより、隣接する小空間相互間において部分的に気体が連通するようにすることも可能である。
また、隔壁103により第一の空間102aを複数の小空間に分割する場合、各小空間に1個ずつのガス導入管24を対応させることは必ずしも必要ではなく、例えば、図10に示すように、複数の小空間の何れか一つに対応させてガス導入管24を1個のみ設けることも可能である。この場合には、各隔壁103には孔103aを開けておいて、ガス導入管24から吹き出した暴露処理用ガス33が孔103aを介して全ての小空間に行き渡るようにする。
また、第一の実施形態に係る基板処理装置100においては、ガス吹き出し板21は上部チャンバー20に対して固定されているが、ガス吹き出し板21をその中心を回転中心として回転可能に形成することも可能である。例えば、モーターその他の動力源を用いて、暴露処理用ガス33が基板1に対して吹き付けられている間にガス吹き出し板21を回転させることにより、より均一に暴露処理用ガス33を基板1に対して吹き付けることができる。
さらに、ガス吹き出し板21のみならず、昇降ステージ11もその軸心を回転中心として回転可能に形成することが可能である。
例えば、ガス吹き出し板21と昇降ステージ11の双方を相互に逆方向に回転させることにより、より均一に暴露処理用ガス33を基板1に対して吹き付けることができる。
また、暴露処理チャンバー101の内部に暴露処理チャンバー101の内圧を測定するための圧力測定素子を設け、暴露処理チャンバー101の内部を真空排気する真空排気装置を圧力測定素子が測定した圧力に応じて作動させることにより、暴露処理チャンバー101の内圧を自動調整することが可能である。
(第三の実施形態)
図11は、本発明の第三の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。第一の実施形態に係る基板処理装置100がチャンバー内に配置された基板に対して暴露処理用ガスを均一に吹き付ける装置であったのに対して、本実施形態に係る基板処理装置400は、チャンバー内に配置された基板に対して暴露処理用ガスを均一に吹き付けるとともに、基板に対してドライエッチング又はアッシング処理をも行う装置である。
なお、ドライエッチング又はアッシング処理は暴露処理の前または後に行うことができ、あるいは、暴露処理と同時に行うことも可能である。
第一の実施形態に係る基板処理装置100の構成要素と同一の構造及び機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施形態に係る基板処理装置400は、第一の実施形態に係る基板処理装置100の構成に加えて、プラズマ発生機構を備えており、このプラズマ発生機構は、上部チャンバー20とガス吹き出し板21との間に配置された上部電極410と、昇降ステージ11の内部に配置された下部電極420と、コンデンサ422と、RF高周波電源423と、から構成されている。
上部電極410は上部電極配線411を介してアース412に接続されている。
また、下部電極420は、下部電極配線421を介してコンデンサ422及びRF高周波電源423に接続されており、最終的には、アース424に接続されている。
本実施形態に係る基板処理装置400は、以下のようにして、基板1に対する暴露処理及びドライエッチング又はアッシング処理を施す。
まず、基板1上に被エッチング膜のパターンを形成する。その上に更に形成するレジスト膜のマスクパターン(以後「レジストマスク」と呼ぶ)を前述の第一の実施形態の場合と同様にして変形する。すなわち、基板1を暴露処理用ガス33に対して暴露させることにより、レジストマスクを溶解リフローさせ、そのパターンを変形させる。
ここで、そのレジストマスクが溶解リフロー変形を起こす前後において、基板1上に形成されている被エッチング膜のパターンに対して、異なるパターン状態のレジストマスクでエッチング加工を行う。
これにより、基板1上の被エッチング膜のパターンとしては、2種類のエッチングパターンを形成することができる。
ただし、このレジストマスクに対しては、O2プラズマを用いたアッシング処理と呼ばれる処理も併せて行われる。
本実施形態に係る基板処理装置400におけるドライエッチング又はアッシング処理は以下のようにして行われる。ただし、本実施形態に係る基板処理装置400において行われるドライエッチング又はアッシング処理は通常のドライエッチング又はアッシング処理と同様のものである。
まず、暴露処理チャンバー101内に基板1を搭載し、真空引きして、暴露処理チャンバー101内の残留ガスを除去する。この場合の暴露処理チャンバー101内の圧力は約1Pa以下である。
次に、ドライエッチング処理の場合には、エッチングガスとして、例えば、Cl2/O2/He(Cr等のメタルのエッチングの場合)、アッシング処理の場合には、ガスとして、O2のみ又はO2/CF4等の混合ガスを暴露処理チャンバー101内に導入する。
その場合の暴露処理チャンバー101内の圧力は10Pa乃至120Paの範囲で一定に保つ。
次に、上部電極410と下部電極420の間に、RF高周波電源623とコンデンサ622を用いてプラズマ放電をさせることにより、基板1に対してドライエッチング又はアッシング処理を行う。
本実施形態においては、下部電極420はコンデンサ622及びRF高周波電源623を介して接地されているが、下部電極420はRF高周波電源623のみを介して接地するように構成することも可能である。
また、本実施形態においては、上部電極410が直接接地され、下部電極420がコンデンサ622及びRF高周波電源623を介して接地されているが、これとは逆に、下部電極420が直接接地され、上部電極410がコンデンサ622及びRF高周波電源623を介して、あるいは、RF高周波電源623のみを介して接地されているように構成することも可能である。
さらに、暴露処理チャンバー101内にプラズマを発生させるためのプラズマ発生機構は本実施形態におけるプラズマ発生機構に限定されるものではなく、他のプラズマ発生機構を用いることが可能である。
以上のように、本実施形態に係る基板処理装置400によれば、基板1に体する暴露処理と、ドライエッチング又はアッシング処理とを一つのチャンバーで行うことが可能である。
なお、暴露処理で使用する暴露処理用ガス33とドライエッチング又はアッシング処理で使用する各種ガスとはそれぞれ別個のガス導入機構を介して暴露処理チャンバー101内に導入してもよく、あるいは、単一のガス導入機構を共用して、暴露処理チャンバー101内に導入することも可能である。ただし、暴露処理とドライエッチング又はアッシング処理とを同時に行う必要がある場合には、別個のガス導入機構を設けることが必要である。
また、本実施形態に係る基板処理装置400においても、第二の実施形態に係る基板処理装置200と同様に、上部電極410及び下部電極420の温度を一定に維持するための温度調節機構を設けることができる。
(第四の実施形態)
図12は、本発明の第四の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す概略図である。本実施形態に係る基板処理装置600は、処理対象の基板を大気中から暴露処理チャンバーに移送し、処理終了後に、基板を暴露処理チャンバーから再び大気中に戻すまでのプロセスを連続して行うことを可能にする装置である。
本実施形態に係る基板処理装置600は、3個の処理チャンバー601と、3個の処理チャンバー601のそれぞれと連結し、処理前の基板を減圧状態の下において処理チャンバー601に搬入し、あるいは、処理後の基板を減圧状態の下において処理チャンバー601から搬出するため減圧搬送チャンバー602と、減圧搬送チャンバー602と連結し、処理前の基板を大気圧の下に外部から搬入し、減圧状態の下において基板を減圧搬送チャンバー602に搬入するとともに、処理後の基板を減圧状態の下において減圧搬送チャンバー602から搬出し、大気圧の下にその基板を外部に搬出する圧力調整搬送チャンバー603と、基板を圧力調整搬送チャンバー603内に移送し、あるいは、基板を圧力調整搬送チャンバー603から搬出するための基板搬入搬出用移載機構604と、から構成されている。
3個の処理チャンバー601のそれぞれには上述の第一乃至第三の実施形態に係る基板処理装置100、200、400の何れかが搭載されている。
以下、本実施形態に係る基板処理装置600の動作を説明する。
先ず、処理対象の基板は大気圧の下で基板搬入搬出用移載機構604により圧力調整搬送チャンバー603内に移送される。
基板が圧力調整搬送チャンバー603内に移送された後、圧力調整搬送チャンバー603は基板搬入搬出用移載機構604と遮断状態になり、圧力調整搬送チャンバー603の内部は減圧され、真空状態になる。この状態の下で、基板は圧力調整搬送チャンバー603から減圧搬送チャンバー602に搬送される。減圧搬送チャンバー602は常に真空状態にされている。
次いで、基板は減圧搬送チャンバー602から何れかの処理チャンバー601に搬送され、その処理チャンバー601において処理(例えば、暴露処理あるいはアッシング処理)が施される。
処理終了後、基板は処理チャンバー601から減圧搬送チャンバー602に搬送される。必要な場合には、基板は、再度、他の処理チャンバー601に搬送され、他の種類の処理が施される。
次いで、基板は減圧搬送チャンバー602から真空状態にある圧力調整搬送チャンバー603に搬送される。基板が圧力調整搬送チャンバー603内に搬送された後、圧力調整搬送チャンバー603は内圧を上げ、真空状態から大気圧状態に移行する。
その後、圧力調整搬送チャンバー603は基板搬入搬出用移載機構604との遮断状態を解除し、処理後の基板を基板搬入搬出用移載機構604に搬出する。
次いで、基板搬入搬出用移載機構604は基板を外部に搬出する。
以上のように、本実施形態に係る基板処理装置600によれば、基板を連続的に処理することができる。
本発明の第一の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。 第一の実施形態に係る基板処理装置におけるガス吹き出し板及びガス吹き出し板枠を示す斜視図である。 ガス拡散部材の一例を示す斜視図である。 塗布膜のリフロー距離のリフロー時間依存性を示すグラフである。 リフロー後の塗布膜の膜厚の基板内均一性の蒸気流量依存性を示すグラフである。 リフロー後の塗布膜の膜厚の基板内均一性を昇降ステージとガス吹き出し板との間隔を変化させたときについて測定したグラフである。 塗布膜のリフロー速度の昇降ステージの温度に対する依存性を示すグラフである。 本発明の第二の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。 本発明の第一または第二の実施形態に係る基板処理装置の変形例を示す断面図である。 本発明の第一または第二の実施形態に係る基板処理装置の変形例を示す断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。 従来の塗布膜の平坦化装置を示す模式的な断面図である。 従来の塗布膜の平坦化装置を薄膜トランジスタの製造工程に適用した場合の薄膜トランジスタの製造工程の一部を示す断面図である。 図14に続く製造工程を示す断面図及び平面図である。
符号の説明
1 基板
10 下部チャンバー
11 昇降ステージ
20 上部チャンバー
21 ガス吹き出し板
23 ガス拡散部材
24 ガス導入管
31 蒸気発生装置
32 ガス配管
33 暴露処理用ガス
100 第一の実施形態に係る基板処理装置
101 暴露処理チャンバー
110 ガス吹き付け機構
103 隔壁
112、221 温度調節液
120 ガス導入機構
121 O−リング
200 第二の実施形態に係る基板処理装置
400 第三の実施形態に係る基板処理装置
410 上部電極
411 上部電極配線
412、424 アース
420 下部電極
421 下部電極配線
422 コンデンサ
423 RF高周波電源
600 第四の実施形態に係る基板処理装置
601 処理チャンバー
602 減圧搬送チャンバー
603 圧力調整搬送チャンバー
604 基板搬入搬出用移載機構

Claims (14)

  1. チャンバー内に配置された基板に暴露処理用ガスを吹き付ける基板処理装置であって、
    少なくとも一つのガス導入口と少なくとも一つのガス排気口とを有するチャンバーと、
    前記ガス導入口を介して前記チャンバー内に暴露処理用ガスを導入するガス導入手段と、
    ガス分配手段と、
    を備え、
    前記ガス分配手段は、前記チャンバーの内部空間を、前記暴露処理用ガスが前記ガス導入口を介して導入される第一の空間と、前記基板が配置されている第二の空間とに分離し、
    前記ガス分配手段には、前記第一の空間と前記第二の空間とを連通させる複数個の開口が形成されており、
    前記ガス分配手段は、前記基板に向かって凸又は凹曲面状に予め形成された板からなり、前記第一の空間に導入された前記暴露処理用ガスを前記開口を介して前記第二の空間に導入させるものであり、該ガス分配手段の中心を回転中心として、前記チャンバーに対して回転可能となっていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記チャンバーは複数個の前記ガス導入口を備えることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記ガス導入口毎にガス流量制御機構を備えていることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記ガス分配手段は、前記チャンバー内において、各ガス導入口よりも前記基板の配置領域に近い位置に配置され、
    前記ガス分配手段から起立するように設けられた隔壁により前記ガス導入口を所定数ごとに囲むことによって、前記第一の空間が複数の小空間に分割されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の基板処理装置。
  5. 前記隔壁には、隣り合う小空間を相互に連通させる孔或いは隙間が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
  6. 前記複数の小空間は、前記隔壁により相互に密閉されていることを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
  7. 前記ガス分配手段は、前記チャンバー内において、各ガス導入口よりも前記基板の配置領域に近い位置に配置され、
    前記ガス分配手段から起立するように設けられた隔壁により、前記第一の空間が複数の小空間に分割されているとともに、このうち何れかの小空間内に前記ガス導入口が配され、
    前記隔壁には、隣り合う小空間を相互に連通させる孔或いは隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記ガス分配手段と重なり合って配置され、前記ガス分配手段に形成されている開口のうちの任意の個数の開口を塞ぐことにより、前記暴露処理用ガスの吹き出し範囲を規定するガス吹き出し範囲規定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記基板が載置されるステージが、上下動可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記基板が載置されるステージが、その軸心の周りに回転可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の基板処理装置。
  11. 前記基板の温度を調整する基板温度調整手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記基板温度調整手段は、前記基板が載置されるステージの温度を制御することにより、前記基板の温度を制御するものであることを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
  13. 前記暴露処理用ガスの温度を調整するガス温度調整手段をさらに備えていること特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の基板処理装置。
  14. 前記チャンバー内に配置された基板と前記ガス分配手段との間隔が5乃至15mmに設定されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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