JP3805425B2 - 湖水におけるプランクトンの増殖防止用フエンス - Google Patents
湖水におけるプランクトンの増殖防止用フエンス Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、水面下の長さが調節可能のフエンスに関し、特に、水位の低下時、渇水時及び出水時に応じて、水面下の長さが調節できるフエンスに関する。
また、本発明は、プランクトンを含む貯水池及び湖沼の水並びに湖水(以下、湖水という)のプランクトン増殖防止用フエンスに関し、特に、貯水池の水中及び湖水の水中に生存するプランクトンの増殖を停止して湖水のプランクトンの増殖防止方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のプランクトンを含む湖水の浄化処理、例えば、湖水中に浮遊微生物、即ちプランクトンを含む湖水の浄化処理は、河川に5mの高さを有するフェンスを張り、上流の湖水をより深層経由して下流に流すようにしている。
これは、湖水の表層水をフェンスで仕切って、栄養塩類を多く含んだ湖水を、光の届かないフェンスの下に流して、植物プランクトンの大量発生を抑制するものである。
しかし、フォルミディウム等の植物プランクトンにあっては、フェンスの長さを大きくすることが必要であり、植物プランクトンの発生、増殖を効果的に行うために、フェンスの長さがより大きくなる傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のフェンスは、水面下の長さが一定であるので、水位の変動への対応が難しくなつている。例えば、水位の低下時には、例えばフエンスの先端と湖底の間の間隔が小さくなって、流れによる負荷が増大することとなり問題である。また渇水時には、土面上に干上がり、土砂に埋没して、フエンスの傷みが大きくなって問題であり。また出水時にはフエンスの負荷が増大して問題である。本発明は、フェンスの水面下の長さが一定であることに係る問題点問題点を解決することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フェンスの長さを調節可能とし、水位低下時、渇水時及び出水時などに応じて、フエンスの長さを短くできる湖水中の植物プランクトンの発生防止用のフエンスを提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、フロートの下端にシートを連結する湖水のプランクトンの増殖防止用フェンスにおいて、各フェンスは、フロートの下方に、空気配管に接続する、水面に浮き上がり可能の複数の気室を上下複数段に設け、上下段の気室間には、シートが折り曲げ可能に形成されており、フエンスの両側端部に、気室に接続する空気配管の収容部が形成されており、該空気配管収容部は、その接続用開口が、隣接の空気配管収容部の接続用開口と接続し、その連結用縁部が隣接の連結用縁部と連結具を介して連結しおり、前記気室に空気を導入して、該気室を水面に浮上させ、該気室上に形成されているシートを折り曲げることにより、水面下のフェンスの長さが調節可能であることを特徴とする湖水のプランクトンの増殖防止用フェンスにある。
【0005】
本発明において、湖水の用語は、貯水池、湖沼及び河川の水を意味し、プランクトンの用語は、渦鞭毛藻、緑藻、藍藻、珪藻及びミドリムシ藻など及びその他所謂アオコ、赤潮を引き起こす生物を意味する。
本発明において、フエンスは、プランクトンを含む湖水の上層部を、フェンスを湖水中に吊り下げることにより仕切って、湖水を、光が到達しない深さで、水温が18℃以下の低温度領域を通過させることにより、植物プランクトンの発生を抑制し、かつ上下層の湖水の混合を避けて、湖水の富栄養化を遮断するものである。本発明においては、湖水をこのような領域に導くために、フェンスの下端の位置は、フェンスが付設される貯水池、湖沼及び河川の、水面下の深さと水の温度を計測して求めるのが好ましい。しかし、一般に、光が到達しない深さで、水温が18℃以下の領域にフェンスの下端を到達させるには、季節及び気象条件によって相違するが、湖水の水面から5m乃至8mとするのが好ましい。
【0006】
本発明において、フェンスを形成するシートは、単位長さのシートを繋いで形成されるので、両端部を補強部材で補強し、該補強部材には、該補強部材の連結用の、紐等を通して結ぶための孔などが形成される。本発明において、フェンス下端には、フェンスを垂直に吊り下げるための重りが取り付けられる。本発明において、シートは、皺が形成されないように、水平方向及び垂直方向に補強部材が取り付けられている。
本発明は、プランクトンを含む湖水の流れの上流側で、湖水の流れの上部を遮り、湖水の流れを、光が到達しない深さで、18℃以下の温度域の深さに導いて、湖水の下流側に流すので、湖水中のプランクトンの増殖を抑制することができる。
【0007】
本発明において、フエンスはその水面下の長さが可変に形成される。例えば、フエンスを折り曲げ可能に形成して、シート又はシート間の繋ぎ目等に気室を取り付けると、気室に空気を入れて、気室の浮力により繋ぎ目を水面上に持ち上げることができる。フエンスのシートは折り曲げ可能であるから、二重又は三重に折り畳んだ状態で水面下に吊り下げることにより、フェンスの水面下の長さを、調節することができる。本発明によると、水位の低下時、渇水時及び出水時において、フェンスの水面下の長さを短くして、フェンスの下端を河川や湖の底から大きく離すことができるので、水位の低下時、渇水時及び出水時におけるフエンスの傷みを回避することができる。
【0008】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を添付図面を参照して具体的に説明するが、本発明は以下の説明及び例示によって何ら限定されるものではない。
図1は、本発明のプランクトンの増殖防止用フエンスの一実施例について、その概略を示す部分的説明図である。図2は、図1の実施例において、気室を中心に示す概略の側部断面図である。図3は、図1及び図2に示すフエンスの使用状態を説明する説明図である。図1乃至図3において、対応する箇所には同一の符合が付されている。
【0009】
【実施例】
図1において、フェンス1は、ポリエステル製のシート2で形成されており、複数の発泡スチロール製のフロート3に支持されて、貯水池、湖沼や河川の水面下に吊り下げられている。
本例において、ポリエステル製のシート2は、組み立てが容易なように、横5m、縦1.5mの複数の小さいポリエステル製のシートを、縦及び横を繋いで形成することができる。
【0010】
本例において、シート2の上に、水平方向に複数の気室4が被覆シート5で囲われて取付けられている。気室4には、配管収容部6に通される空気配管7が接続しており、フエンス1の側とフエンス1′側の夫々の空気配管の接続は、エアカプラー8によって行われる。例えば一方の側の夫々の配管端部に雄型エアカプラーを取付け、他方の側の夫々の配管端部に雌型エアカプラーを取付け、雌型エアカプラーに雄型エアカプラーを差し込んで、夫々の配管を接続する。フエンス1とフエンス1′の接続は、シート2の端部9の夫々の孔10にロープ11を通して接続される。シート2には、気室4が水平方向に設けられているので、気室4に空気を空気配管7より導入して、気室4を膨らませると、気室4の浮力はシート2の全体に作用して、シート2は折り曲がって、気室4の間に垂下する。本例において、気室への空気の導入は、気室毎に行うことができる。
【0011】
本例は以上のように構成されているので、水位が減って、例えばフエンスの下端と湖底間の間隔が小さくなった時は、上段の気室4に空気を導入する。上段の気室4は空気により膨らんで、シート2を折り曲げて浮き上がり、その分フエンスの水面下の長さが短くすることができる(図3)。
上段の気室4の浮き上がりにより、シート2の一部を折り曲げただけでは十分に、水面下の長さを短くできないときは、さらに上から2番目の気室4に空気を導入し、上から2番目の気室4を空気により膨らませて浮き上がらせ、シート2をさらに折り曲げて、その分フエンスの水面下の長さが短くすることができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、フロートの下端にシートを連結する湖水のプランクトンの増殖防止用フェンスにおいて、フロートの下方に、空気配管に接続する気室を設け、シートが折り曲げ可能に形成されているので、気室に空気を導入して、浮き上がらせることにより、シートは折り曲げた状態となり、フエンスの水面下の長さを短くすることができる。
本発明によると、従来のフエンスでは避けることが困難であった水位の低下時、渇水時及び出水時におけるフエンスの傷みを避けることができる。フエンスを長持ちさせることができる。したがって、本発明は、従来装置に比して、経済的且つ高効率に、貯水池や湖沼の水等の液体の浄化処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプランクトンの増殖防止用フエンスの一実施例について、その概略を示す部分的説明図である。
【図2】図1の実施例において、気室を中心に示す概略の側部断面図である。
【図3】図1及び図2に示すフエンスの使用状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 フェンス
2 ポリエステル製のシート
3 フロート
4 気室
5 被覆シート
6 配管収容部
7 配管
8 エアカプラー
9 シート2の端部
10 孔
11 ロープ
Claims (1)
- フロートの下端にシートを連結する湖水のプランクトンの増殖防止用フェンスにおいて、各フェンスは、フロートの下方に、空気配管に接続する、水面に浮き上がり可能の複数の気室を上下複数段に設け、上下段の気室間には、シートが折り曲げ可能に形成されており、フエンスの両側端部に、気室に接続する空気配管の収容部が形成されており、該空気配管収容部は、その接続用開口が、隣接の空気配管収容部の接続用開口と接続し、その連結用縁部が隣接の連結用縁部と連結具を介して連結しおり、前記気室に空気を導入して、該気室を水面に浮上させ、該気室上に形成されているシートを折り曲げることにより、水面下のフェンスの長さが調節可能であることを特徴とする湖水のプランクトンの増殖防止用フェンス。
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Publications (2)
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JPH09250127A JPH09250127A (ja) | 1997-09-22 |
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