JP3804014B2 - 廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置および燃焼方法 - Google Patents

廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置および燃焼方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工業用炉に使用する燃焼装置、例えば、窯業用の低環境負荷バーナーに廃PET樹脂等廃プラスチック粉末を補助燃料として用い、石油系資源の使用量の削減および廃プラスチックのリサイクルを図るため廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置および燃焼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、PETボトル等の増加に伴いその廃棄物の効率的な再利用法の開発が望まれている。廃PET樹脂等可燃性廃プラスチック材料を補助燃料として使用する燃焼装置として、主燃料バーナーを具備しているロータリーキルンの内部に補助燃料送入管の吹き込みノズル口がロータリーキルンのキルンフード部を形成している耐火物壁体の壁面又は壁体内部において開口しているセメントロータリーキルン用補助燃料燃焼装置とその燃焼方法が開示されている(特開2001−58857公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記補助燃料燃焼装置が備えられるセメントロータリーキルンは補助燃料を燃焼させる装置であって、バーナーとは別に補助燃料送入管の吹き込みノズル口が設けられ、バーナーによる燃焼炎でノズル口より送入された廃プラスチック材料の粒子が燃焼されるもので、灰分が生成され、セメント製造原料の一部として利用される。この構造では、壁体に穴あけ加工が必要であり、費用がかかる。
このキルンは大型であり、それに補助燃料として使用される廃PET樹脂の破砕粒子は10〜20mmの粒サイズのものを使用してバーナーの燃焼炎で燃焼するもので、これではバーナーの燃焼炎と樹脂粒子の燃焼炎が別となり、灰分が生成され、また、廃PET樹脂の粒子径が大きいものを使用しているので、燃焼に時間がかかり、未燃焼のままバーナーに付着、堆積を生ずることがある。廃プラスチックを補助燃料として使用しても完全燃焼させ、被焼成品に補助燃料による悪影響が生じないことが要求される窯業炉、焼成炉、乾燥炉等には適用することができなかった。
【0004】
この発明の発明者は上記課題を解決するために、廃PET樹脂再利用技術と低環境負荷燃焼制御を組み合わせたバーナーを開発し、石油系資源の使用量の削減およびPET樹脂のリサイクルを満たすことができるレトロフィット可能な窯業用低環境負荷バーナーを提供することを目指して廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置および燃焼方法を考案した。
この発明は、補助燃料として利用する廃プラスチック粉末による悪影響を生じることが極めて少なく、良好な燃焼を行うことができる廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置および燃焼方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するものは下記のものである。
(1)ガス燃料が内部に供給される円筒状の保炎器と、前記保炎器を被包し、該保炎器との間に気体流路を形成する燃焼筒とを備え、かつ前記保炎器の先端開口部の前方に燃焼領域を備えるバーナー本体と、前記保炎器内に挿入され、前記燃焼領域に補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズルと、該補助燃料供給ノズルに接続された補助燃料供給管を備える可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段と、前記保炎器の後方に形成され、前記保炎器と前記燃焼筒間に形成された前記気体流路と連通し、酸素含有気体を供給する気体供給通路と、該気体供給通路内を延び、前記保炎器の後端開口と連通するガス燃料通路を有するガス供給管とを備える廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置であって、前記燃焼筒は、前記保炎器との間に狭い円筒状空間からなる前記気体流路を形成するものであり、前記保炎器は、該気体流路に供給される酸素含有気体を前記保炎器内に流入させるための複数の側孔を備え、前記補助燃料供給管は、前記ガス供給管内を延び、ガス燃料は、前記補助燃料供給ノズルを取り巻くように前記ガス供給管より供給されるものとなっており、さらに、前記補助燃料供給ノズルは、前記保炎器の後端部を貫通し、該保炎器の先端付近に先端が位置するものであることを特徴とする廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
(2) 補助燃料供給ノズルの先端開口の位置は、前記保炎器の先端より、該保炎器の内径dに対して0.8d以内の距離内側もしくは0.8d以内の距離突出しているものである(1)に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
) 前記保炎器の内部に補助燃料供給ノズルを1または複数個設けた(1)または(2)に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
(4)前記補助燃料供給ノズルは、前記保炎器の中心軸上に配置されている(1)ないし(3)のいずれかに記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
【0008】
) 前記補助燃料供給手段は、前記補助燃料供給管に廃プラスチック粉末輸送用気体を送るための輸送管と、該輸送管に気体を供給する気体供給手段と、該輸送管に廃プラスチック粉末を供給する廃プラスチック粉末供給器とを備え、該廃プラスチック粉末供給器から供給される廃プラスチック粉末を気体供給手段により供給される気流により輸送管内および補助燃料供給管内を移送して前記補助燃料供給ノズルより供給するものである上記(1)ないし()のいずれかに記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
) 前記廃プラスチック粉末供給器は、廃プラスチック粉末を貯留するホッパーと、該ホッパーから輸送管に廃プラスチック粉末を供給する廃プラスチック粉末供給手段とを備えるものである上記()に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
【0009】
) 前記廃プラスチック粉末供給器の前記粉末供給手段は、前記ホッパーの粉末排出口に付近に設けられた廃プラスチック粉末を一時的に収納するための複数の溝を持つローターと、該ローターを駆動する駆動装置とを備えるものである上記()に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
) 前記廃プラスチック粉末供給器は、前記ローターの前記溝に付着する廃プラスチック粉末を除去するための気体噴出器を備えている上記()に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
【0010】
) 前記燃焼装置は、平均粒径300μm以下の廃プラスチック粉末を用いるものである上記(1)ないし()のいずれかに記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下この発明の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置について、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明の燃焼装置のブロック図、図2はバーナー本体の正面図、図3は同側面図、図4は同縦断面図、図5は要部拡大断面図、図6は別の実施例(補助燃料供給ノズル端を保炎器の開口端より内方とした場合)断面図、図7は別の実施例(複数のノズルの場合)の断面図、図8は同側面図、図9は補助燃料供給装置の概略正面図、図10は粉末供給装置の概略正面図、図11は同断面図、図12は同底面図である。
【0019】
本発明の燃焼装置は、ガス燃料が内部に供給される保炎器5を備え、かつ保炎器5の先端開口部の前方に燃焼領域Eを備えるバーナー本体1と、保炎器5内に挿入され、燃焼領域に補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズル13と、補助燃料供給ノズル13に接続された可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段Dとを備えている。
図1に示すように、バーナー本体1は、窯業炉等の工業炉17の炉壁に取り付けられる。バーナー本体1は、図2ないし図6に示すように、内部に気体通路2を備え、さらに、この気体通路2内にガス燃料通路3を有するガス供給管4が配置されている。
また、この実施例の燃焼装置では、バーナー本体1の先端に保炎器5を包むように燃焼筒8が備えられ、保炎器5と燃焼筒8間に形成される空間19と気体供給通路2とを連通する気体流路が備えられている。
具体的には、ガス供給管4の先端には、円筒状の保炎器5が固定されている。バーナー本体1の先端には、燃焼筒8が設けられている。具体的には、バーナー本体部1aの先端には、耐火製筒状部材6が固定されており、この耐火性筒状部材6の内部に燃焼筒8の後端部が収納され、固定されている。また、耐火製筒状部材6と燃焼筒8との間には、耐火性パッキング7が配置されている。また、耐火性燃焼筒8は、保炎器5の先端に形成される燃焼領域を被包可能な長さを備える筒状体である。また、耐火製燃焼筒8は、耐火製筒状部材6に設けられた螺孔9に止め螺子10が螺合され、止め螺子10の先端が耐火性パッキング7に押しつけられることにより筒状部材6に固定されている。
【0020】
この実施例の燃焼装置では、保炎器5の後方に形成された気体供給通路2と、気体供給通路2内を延び保炎器5の後端開口と連通するガス燃料通路3とが備えられている。
保炎器5は、図4に示すように、先端から後端まで貫通した内部通路を備える筒状体である。また、保炎器の側面には空気を取り入れるための複数の側孔11が設けられている。また、保炎器5の後端部内には、ガス供給管4より流入する主燃料を保炎器の中心部に誘導するための内筒部5aが形成されている。また、保炎器5は、後端がガス供給管4の先端に固定されている。なお、図3に示すように、バーナー本体1には、点火プラグ12が取り付けられる。点火プラグ12は、この実施例では耐火製筒状部材6に取り付けられている。また、点火プラグ12の点火部は、保炎器内に位置し、主燃料への点火を可能としている。
【0021】
気体通路2は、バーナー本体部1a内にガス供給管4を被包するように形成されている。バーナー本体部1aの基端部側面には、気体供給口2aが気体通路と連通するように設けられている。また、バーナー本体部1aの基端部側面には、ガス燃料供給口4aがガス供給管4と連通するように設けられている。なお、この実施例では、ガス供給口4aと気体供給口2aとは、対向位置に形成されている。また、図4に示すように、保炎器の外周部には、気体通路2内に流入した空気が流れるための気体流路が形成されている。具体的には、保炎器5と筒状部材6および燃焼筒8間には、狭い円筒状空間が形成されており、この円筒状空間が気体流路を構成している。なお、窯業用炉(工業炉)17は、図1に示すように排気筒18を備えている。
このバーナー本体1は、工業炉等の炉壁に取付けられる。燃焼装置により形成される燃焼炎は、図5に示すように保炎器5の先端付近の前方に伸び、燃焼領域Eを形成する。
【0022】
また、燃焼装置としては、上述したような保炎器を備えるものに限定されるものではない。燃焼装置としては、図20に示すように、ガス燃料を含有する主燃料を吐出するためのバーナー管105を備え、かつバーナー管105の先端開口部の前方に燃焼領域Eを備えるバーナー本体101と、バーナー管105内に挿入され、燃焼領域Eに補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズル13と、補助燃料供給ノズル13に接続された可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段Dとを備えるものであってもよい。
【0023】
そして、燃焼装置には、主燃料供給手段Aが設けられている。
主燃料供給手段Aは、酸素含有気体供給手段Bとガス燃料供給手段Cとを備える。酸素含有気体供給手段Bで送られる気体は、空気もしくは調整された酸素含有気体である。通常は、空気が用いられる。
主燃料供給手段として、空気を送る場合には、ブロア(送風機)20が備えられ、該ブロア20からバーナー本体1の気体供給口2aに気体配管21が配管される。
この実施例の燃焼装置では、保炎器5の内部にガス燃料が供給される。また、気体通路2から保炎器の外周に供給される酸素含有気体は、そのまま保炎器の前方に流れるものと、側孔11より保炎器5内部に流入するものとに分かれる。そして、保炎器の内部或いは外部においてガス燃料と酸素含有気体が混合されて、保炎器の先端付近の前方に送られて燃焼領域Eが形成される。
【0024】
また、ガス燃料供給手段Cは、ガス燃料の供給源30を備える。この実施形態では、プロパンガス(C38)等のガスボンベ30が備えられ、ガスボンベ30からバーナー本体1のガス供給口3aにガス配管31が配管されている。
ガス燃料としては、プロパンガス(C38)を使用した場合で説明する。使用するガス燃料はこのプロパンガスに限られるものではなく、ブタンガス、メタンガス、都市ガスの13A、12Aなど各種のガスを使用できる。
なお、本発明の燃焼装置としては、ガス燃料供給手段と、酸素含有気体を供給する気体供給手段とを備え、保炎器内もしくは燃焼領域にてガス燃料と酸素含有気体が混合されるタイプのものが好ましい。しかし、本発明の燃焼装置としては、このようなものに限定されるものではない。例えば、予めガス燃料と酸素含有気体の混合物が燃焼装置内に供給されるタイプのものであってもよい。この場合、ガス燃料供給手段と酸素含有気体を供給する気体供給手段とを備えるとともに混合器を備えるもの、また、ガス燃料と酸素含有気体の混合物の供給手段を備えるもののいずれでもよい。
【0025】
また、保炎器を備えないバーナー管タイプの燃焼装置においては、図20に示すように、予めガス燃料と酸素含有気体の混合物が燃焼装置内に供給されるタイプのものであることが好ましい。この場合、ガス燃料供給手段と酸素含有気体を供給する気体供給手段とを備えるとともに混合器を備えるもの、また、ガス燃料と酸素含有気体の混合物の供給手段を備えるもののいずれでもよい。なお、保炎器を備えないバーナー管タイプの燃焼装置においても、図21に示すように、ガス燃料供給手段と、酸素含有気体を供給する気体供給手段とを備え、バーナー管105内に、主燃料混合領域を備え、ガス燃料と酸素含有気体が混合されるタイプのものであってもよい。さらに、保炎器を備えないバーナー管タイプの燃焼装置においては、図22に示すように、ガス燃料供給手段と、空気取り入れ用開口部とを備え、バーナー管105内に、主燃料混合領域を備え、ガス燃料と空気が混合されるタイプのものであってもよい。
【0026】
そして、本発明の燃焼装置は、燃焼領域に補助燃料である可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズルを備えることを特徴とするものである。
このため、図2乃至図6に示す実施形態の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置は、保炎器5内に挿入され、燃焼領域Eに補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズル13を備えている。そして、補助燃料供給ノズル13に接続された可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段Dを備えている。
同様に、図20、図21および図22に示す実施形態の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置は、バーナー管105内に挿入され、燃焼領域Eに補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズル13を備えている。そして、補助燃料供給ノズル13に接続された可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段Dを備えている。
【0027】
この実施例の燃焼装置では、図2ないし図4、もしくは図20ないし図22に示すように、補助燃料供給用ノズル13は、ガス供給管4内又はバーナー管105を挿通する補助燃料供給管14の先端に設けられている。補助燃料供給用ノズル13は、筒状体であり、保炎器5の後端部の内筒部5aを貫通し、先端が保炎器の先端付近に位置している。また、このノズル13の外面と保炎器5の内筒部5aの先端開口間により、狭小の環状のガス流出口が形成されている。そして、この補助燃料供給用ノズル13は、保炎器の中心軸上に配置されていることが好ましい。
また、ノズル13の先端開口13aの位置は、保炎器5又はバーナー管105の先端と同じ位置か、或いは保炎器5又はバーナー管105の先端より若干突出する位置か、或いは保炎器5又はバーナー管105の先端より若干内方となる位置とすることが好ましい。このようにすることにより、廃プラスチックの保炎器への付着を抑制することができる。
なお、ノズル13の先端開口13aの位置を保炎器5又はバーナー管105の先端より若干内方となる位置とする場合には、図6に示すように、補助燃料供給ノズル13の先端開口13aの内周縁と保炎器5の先端開口5b(またはバーナー管105の先端開口)の内周縁を含む円錐状仮想空間の頂点の角度θを、少なくとも補助燃料供給ノズルより供給する廃プラスチックが付着しない角度とするのが好ましい。角度θは、保炎器5の先端開口径ならびにノズル13の先端開口径によっても相違するが、60〜180度とすることが好ましい。
また、ノズル13の先端開口13aの位置を保炎器5又はバーナー管105の先端より若干内方となる位置とする場合には、ノズル13の先端の位置は、保炎器5又はバーナー管105の先端より、保炎器5又はバーナー管105の内径dに対して1d以内の距離内側となっていることが好ましい。好ましくは、0.8d以内であり、特に好ましくは0.5d以内である。
また、ノズル13の先端開口13aの位置を保炎器5又はバーナー管105の先端より若干突出する位置とする場合には、ノズル13の先端の位置は、保炎器5又はバーナー管105の先端より、保炎器5又はバーナー管105の内径dに対して0.8d以内の距離突出しているものであってもよい。好ましくは、0.5d以内であり、特に好ましくは0.3d以内である。また、ノズル13の先端開口13aの位置を保炎器5又はバーナー管105の先端より若干突出する位置とする場合には、少なくとも燃焼領域に到達しないことが好ましい。また、ノズルの先端が過度に加熱されない程度とすることが好ましい。
【0028】
この実施形態では、バーナー本体部1aの内部の空気を供給する気体通路2の中心部にガス燃料を供給するガス燃料通路3を有するガス供給管4が同心円状に設けられている。ガス供給管4の先端には円筒状の保炎器5が溶接で固定されている。廃プラスチック粉末と酸素含有気体を供給するための補助燃料供給管14はガス供給管4の中心軸上を通るように配置され、補助燃料供給管14の先端に補助燃料供給ノズル13が螺合されて接続されている。
また、廃プラスチック粉末供給用ノズル13の先端開口13aを保炎器5の開口端の中心に位置させることにより、保炎器5の先端の前方に形成される主燃料の燃焼領域Eに良好に補助燃料が直接供給できる。なお、前記補助燃料供給ノズル13は補助燃料供給管14の先端に螺合した構造としたが、これに限られるものではなく、他の結合方法で接続すること、或いは一体に設けることもできる。なお、補助燃料供給管14に対して補助燃料供給ノズル13は小径であることが好ましい。
【0029】
また、補助燃料供給ノズル13は、複数本設けてもよい。複数本の補助燃料供給ノズルを設ける場合には、ノズルの先端は、保炎器もしくはバーナー管の先端側に向かって若干保炎器の内面側に向かうように斜めもしくは湾曲していることが好ましい。このようにすることにより、可燃性廃プラスチック粉末含有気体を燃焼領域に広げて供給することができ、燃焼が良好なものとなる。複数本設ける場合には、ノズルの本数としては、2〜8本程度が好適である。なお、図7および図8に示す別の実施形態の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置では、保炎器5内に3本の補助燃料供給ノズル16が設けられている。保炎器の内部の3本の補助燃料供給ノズル16から廃プラスチック粉末が広がって噴出されるので、主燃料の燃焼領域に拡散して瞬時に燃焼させ、完全燃焼させる。実施形態では、1又は3本の補助燃料供給ノズルを設けた場合を説明したが、これに限られるものではない。
また、上述した実施例の燃焼装置では、補助燃料供給管14は、ガス供給管4内を延び、ガス燃料は、補助燃料供給ノズル13を取り巻くように供給されるものとなっている。このようなタイプのものであることが好ましいが、補助燃料供給管14は、ガス供給管4の外側に配置され、補助燃料供給ノズルが保炎器内に形成される燃料ガス供給口の外側に位置するものであってもよい。
【0030】
燃焼装置は、保炎器5又はバーナー管105にガス燃料を含有する主燃料供給手段Aを備えている。主燃料供給手段Aは、ガス燃料供給手段Bと酸素含有気体を供給する気体供給手段Cとを備える。図2ないし図6に示す実施例の燃焼装置および図21に示す実施例の燃焼装置では、ガス燃料供給手段Bと、酸素含有気体(例えば、空気)を供給する気体供給手段Cとを備え、保炎器5内又はバーナー管105内にてガス燃料と酸素含有気体とが混合される。
【0031】
図1に示すこの発明の実施形態では、気体供給手段Bにおける空気(エアー)の流量を調整する調整手段として、送気管21には、オリフィスメーター22、調整弁23、24が備えられ、ブロア20に圧力計25、オリフィスメーター22に圧力計26が備えられている。
ガス供給手段Cにおけるガスの流量を調整する調整手段として、前記ガス配管31には、空気量に対応してガス量を調整する均圧弁(ガバナ)32、オリフィスメーター33、ニードル弁34等が備えられ、オリフィスメーター33には圧力計35、ニードル弁34には圧力計36が備えられている。また、前記均圧弁32には送気管の圧力に対応して調整する圧力計27が備えられ、ガスと空気の混合比を一定にしてガス量を加減する。このバーナーのガス燃料はプロパンが使用されている。
気体流量の調整手段とガス流量の調整手段は上記の構造に限られるものではない。
【0032】
補助燃料は、可燃性の廃プラスチック粉末Fであり、酸素含有気体を用いてバーナーに供給される。補助燃料は、主燃料のガス燃料の使用量の削減を図るために加える。補助燃料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)などのスチレン系樹脂などの可燃性廃プラスチック粉末が使用できる。さらに、使用される可燃性廃プラスチック粉末としては、無機物を含有しないものを用いることが好ましい。
また、使用する廃プラスチック粉末の平均粒径としては、300μm以下であることが好ましい。廃プラスチック粉末として、平均粒径が上記の範囲のものを用いることにより、燃焼を確実なものとすることができる。なお、使用する廃プラスチック粉末の平均粒径としては、特に、150μm以下が好ましい。また、この廃プラスチック粉末を搬送するための気体としては、酸素含有気体が用いられる。酸素含有気体としては、空気もしくは酸素添加調整気体が使用される。好ましくは、空気である。
【0033】
本発明の燃焼装置は、補助燃料供給手段Dを備える。補助燃料供給手段Dは、補助燃料供給管14に廃プラスチック粉末輸送用気体を送るための輸送管41と、輸送管41に気体を供給する気体供給手段40と、輸送管41に廃プラスチック粉末Fを供給する廃プラスチック粉末供給器50とを備えている。
図1を用いて、補助燃料供給手段Dを説明する。
補助燃料供給手段Dとしては、粉末輸送用気体を送るブロア(送風機)40と、気体で燃料を輸送する輸送管41と、該輸送管41に途中で所要量の廃プラスチック粉末Fを供給する廃プラスチック粉末供給器50等が備えられており、廃プラスチック粉末供給器50から供給される廃プラスチック粉末は、気体供給手段40から輸送管に送るられる気流により補助燃料供給管14に供給される。前記ブロア(送風機)40とバーナー本体1に備えられた補助燃料供給管14の供給口14aとを接続する輸送管41には、流量計42が設けられ、さらにこの流量計には流量計の上流と下流の差圧を測定するための差圧計43が備えられている。
【0034】
廃プラスチック粉末供給器50は、廃プラスチック粉末を貯留するホッパー55と、ホッパー55から輸送管に廃プラスチック粉末を供給する廃プラスチック粉末供給手段56を備えている。廃プラスチック粉末供給手段56は、輸送管41の流量計42の下流側に接続されており、ホッパー55内に貯留されている粉末を粉末供給手段56により所要量ずつ輸送管内に投入する。投入された粉末は気流によりバーナー本体の補助燃料供給管14へ輸送される。
廃プラスチック粉末供給器50は、廃プラスチック粉末Fを貯留するホッパー55内に貯留された粉末を攪拌するための撹拌装置57を備えることが好ましい。この廃プラスチック粉末供給器50は、ホッパー内部に攪拌機58が回動自由に軸支され、モータ59により撹拌機58が駆動される。従って、撹拌機58でホッパー内に貯留した粉末が適宜撹拌され、粉末が固まるのを防止して円滑にホッパーから粉末を排出できるものとなっている。
【0035】
廃プラスチック粉末供給器50は、ホッパー55の直下に、ホッパーの出口から排出される廃プラスチック粉末を一時的に収納する複数の溝61を持つローター60が回転可能に器体に軸支され、ローター60はモータ51により駆動される。このモータ51によりローター60を駆動して所要量の粉末をローター60より排出口63を通じて輸送管41を流れる気体に供給する。廃プラスチック粉末供給手段56から輸送管41の気体に供給される廃プラスチック粉末の量は、ローターの回転速度により調整することができる。
廃プラスチック粉末供給器50は、ローター60の溝61に付着する廃プラスチック粉末を除去するための気体噴出器を備えていることが好ましい。気体噴出器62のジェットノズルの先端は、ローターの下部で粉末を排出して空となったローターの溝61に向けて臨ませ、溝61に付着した廃プラスチック粉末Fを除去するようにする。
すなわち、ローター60の溝に廃プラスチック粉末Fを入れて回転して下方の排出口63から排出するが、廃プラスチック粉末Fの一部が溝61に付着して残っているのを、気体噴出器62より常時もしくは順次気体を吹き付けて、粉末を除去する。そしてこのきれいになった溝に常時一定量の廃プラスチック粉末Fが入るようにして、廃プラスチック粉末Fの供給量にばらつきが生じないようにする。この気体噴出器62には、別のエアーを送るブロア(送風機、図示せず)が接続されている。
【0036】
また、燃焼装置は、補助燃料供給流路内に残留する可燃性廃プラスチック粉末を吐出させる残留粉末排出機能を備えることが好ましい。この機能は、例えば、廃プラスチック粉末供給器50の作動を停止した後、補助燃料供給手段Dの粉末輸送用気体の送気を所定時間継続させることにより行うことができる。また、この機能は、プラスチック粉末供給器50の作動を停止した後、加圧空気を瞬時流すことにより行ってもよい。
実施例では、廃プラスチック粉末供給手段56として、複数の溝を持つローターを備えた場合を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、スクリューフィーダー方式を使用しても良い。スクリューフィーダー方式は、スクリューを2本用い、ホッパーより粉末を位相をずらすことにより交互に送る。また、気体噴出器には別の送風機を設けたが、これに限られるものではなく、例えば、粉末輸送用気体(エアー)を利用することもできる。
【0037】
前記したこの発明の燃焼装置の構成によれば、バーナーのバーナー管または保炎器の前方の燃焼領域に補助燃料供給ノズルから可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給して、バーナーの主燃料の燃焼領域に可燃性廃プラスチック粉末含有気体を加えて燃焼させる。廃プラスチック燃料が補助燃料の役目をしてガス燃料の使用量を削減できる。補助燃料は主燃料の燃焼と共に完全燃焼できるので、炉内に廃プラスチック粉末(廃PET廃プラスチック粉末)の痕跡が残ることなく燃焼させることができる。従って、補助燃料の痕跡が被焼成品に付着することなく、ガス燃料による焼成と同じように焼成することができる。
工業用炉において廃PET廃プラスチック粉末を補助燃料として使用できるので、燃焼機器産業およびPET再生産業の創出ができ、石油系資源の使用量の削減を図ることができ、PETのリサイクルを図ることができる。
PET廃プラスチック粉末を補助燃料として使用するために、工業用炉、例えば、窯業炉用バーナーにおいて、ノズル管を設置することで、保炎性およびPETの付着性の観点から、ノズルを設置しないときより良い燃焼特性が得られる。PET粉末を燃料として有効に利用できる。
また、本発明の燃焼装置は、図1に示すように、制御部70を備えることが好ましい。
【0038】
また、本発明の燃焼装置は、ガス燃料を含有する主燃料が内部に供給される保炎器5もしくはバーナー管105を備えるバーナー本体1と、保炎器5又はバーナー管105にガス燃料を含有する主燃料を供給するための主燃料供給手段Aと、補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズル13と、補助燃料供給ノズル13に接続された可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段Bと、制御部70とを備える廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置である。
制御部70は、制御部は、バーナー本体が取り付けられる工業炉に設けられた炉内温度検知手段71からの信号を受け入れる温度検知信号入力部と、温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用してバーナー本体に供給される主燃料供給量および廃プラスチック粉末含有気体供給量を制御する制御機能を備る。炉内温度検知手段としては、熱電対、放射温度計などが用いられる。
また、制御部70は、バーナー本体1が取り付けられる工業炉に設けられた炉内温度検知手段71からの信号を受け入れる温度検知信号入力部と、温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用してバーナー本体に供給される主燃料供給量および廃プラスチック粉末含有気体供給量を制御する制御機能を有し、制御部の制御機能は、温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用して炉内温度を算出する炉内温度算出機能と、廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度記憶機能と、炉内温度算出機能により炉内温度が記憶する廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度に到達したことを判断した後に廃プラスチック粉末含有気体供給を開始させる供給制御機能とを備えている。
このような制御機能を備えることにより、炉内の焼成対象物に未燃焼の廃プラスチック粉末が落下することを防止できる。
この実施例の燃焼装置の制御部70は、主燃料供給手段Aを構成する酸素含有気体供給手段Bおよびガス燃料供給手段Cさらに補助燃料供給手段Dを制御する機能を備えている。具体的には、制御部70は、酸素含有気体供給手段Bのブロア20、ガス燃料供給手段Cの制御弁(ガバナ)32,補助燃料供給手段Dの粉末供給器50およびブロア40が直接もしくはそれらを駆動するコントローラーと電気的に接続されている。この場合には、ガバナとして、可変ガバナを用いるものとなり、可変ガバナの圧力設定具を作動するコントローラーを制御部により制御するものとなる。
また、制御部70は、主燃料におけるガス燃料供給量および酸素含有ガス供給量を個々に制御する機能を備えていることが好ましい。このような機能を備えることにより、還元焼成を容易に行うことができるものとなる。また、制御部は、廃プラスチック粉末含有気体における廃プラスチック粉末添加量および酸素含有ガス供給量を個々に制御する機能を備えていることが好ましい。
この制御部の具体的に制御機能については、後述する燃焼方法の説明において詳述する。
【0039】
次に、本発明の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法について説明する。
本発明の燃焼方法は、保炎器5又はバーナー管105を通じて供給される主燃料のガス燃料気体を燃焼させる燃焼領域に、保炎器内5又はバーナー管105内に配置された補助燃料供給ノズル13から可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給して、主燃料の燃焼時に可燃性廃プラスチック粉末含有気体を加えて燃焼させるものである。
そして、燃焼方法としては、保炎器5又はバーナー管105が取り付けられる工業炉17をガス燃料気体を用いた主燃料による燃焼を開始し、工業炉17の炉内温度が、使用する廃プラスチック粉末が燃焼しうる温度より所定温度以上高い温度に達した後に補助燃料供給ノズルから可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給して主燃料と補助燃料とによる混合燃焼を行うものであることが好ましい。つまり、燃焼開始時より所定期間内は、補助燃料供給を行わず、ガス燃料のみによる燃焼を行い、その後に混合燃焼に移行させるものである。
【0040】
さらに、燃焼方法としては、混合燃焼時の前記炉内温度の上昇時に、可燃性廃プラスチック粉末含有気体量もしくは可燃性廃プラスチック粉末含有気体中の可燃性廃プラスチック粉末含有量を増加する増加ステップを行うことが好ましい。さらに、燃焼方法は、燃焼作業の終わりに、炉内温度を下降させる際に、可燃性廃プラスチック粉末含有気体の供給を主燃料より先に止め、主燃料のみの燃焼を行うことが好ましい。つまり、燃焼終了時には、補助燃料供給を行わず、ガス燃料のみによる燃焼を行うものである。
よって、燃焼方法としては、バーナーのガス燃料による燃焼により工業炉の炉内温度を500度以上に上昇させた後、バーナーの燃焼領域に可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給し、ガス燃料と廃プラスチック粉末とによる混合燃焼を行うとともに、炉内温度を約1000度〜1600度の所望温度まで上昇させて所望の時間その炉内温度を保ち、炉内温度を下降させる際には、炉内温度下降の前もしくは下降開始後所定時間内に可燃性廃プラスチック粉末含有気体の供給を停止してガス燃料のみの燃焼を行い、その後ガス燃料の供給を停止することが好ましい。
なお、混合燃焼時の炉内温度制御は、ガス燃料の供給量を制御することにより行うものとすることが好ましい。
【0041】
さらに、廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法は、混合燃焼時に還元燃焼を行うものであってもよい。還元焼成は、供給される主燃料中の酸素含有気体含有率を低下させることにより行うことができる。酸素含有気体の含有率の低下は、例えば、酸素含有気体の供給量を変更せずにガス燃料供給量を増加させること、また、ガス燃料供給量を変更せずに酸素含有気体の供給量を低下させることにより行うことができる。
また、可燃性廃プラスチック粉末含有気体の燃焼時、総発熱量および総合当量比が変化しないように調整手段により気体流量およびガス燃料流量を調整するものとしてもよい、
そして、混合燃焼時の主燃料に対する補助燃料の助燃率を5%〜80%とすることが好ましい。特に、10〜50%とすることが好ましい。
また、廃プラスチック粉末としては、上述したものを用いることが好ましい。上記の燃焼方法は、個々を個別に調整することにより行うものとしてもよいが、使用する燃焼装置として制御部を備え、制御部により燃焼制御が行われるものとすることが好ましい。
【0042】
制御部70は、上述したように、制御部は、バーナー本体が取り付けられる工業炉に設けられた炉内温度検知手段71からの信号を受け入れる温度検知信号入力部と、温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用してバーナー本体に供給される主燃料供給量および廃プラスチック粉末含有気体供給量を制御する制御機能を備える。
具体的には、制御部は、温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用して炉内温度を算出する炉内温度算出機能と、廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度記憶機能と、炉内温度算出機能により炉内温度が記憶する廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度に到達したことを判断した後に廃プラスチック粉末含有気体供給を開始させる供給制御機能を備えている。
このため、炉内温度が所定温度に到達するまでは、廃プラスチック粉末含有気体供給を開始されないものとなっている。記憶する廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度としては、使用される廃プラスチック粉末によっても相違するが、500度以上が好適と考える。特に、500〜600度が好適である。
【0043】
図13は、炉内温度と時間ならびに主燃料および補助燃料の供給状態を示すグラフである。図14は、燃焼方法における主燃料および補助燃料の供給量(熱量)を示すグラフである。図14および図13に示すように、主燃料の供給開始より、所定時間遅れて補助燃料の供給が開始される。
【0044】
また、制御部は、主燃料と補助燃料の燃焼(混合燃焼)により工業炉内温度が所定温度に到達するまでは、主燃料および補助燃料の供給量がともに上昇するように制御することが好ましい。この状態が、図14における主燃料、補助燃料共に供給量(熱量)が増加する期間である。
そして、制御部は、主燃料と補助燃料の燃焼(混合燃焼)により工業炉内温度が所定温度に到達した後は、主燃料の供給量により工業炉内温度を制御するものとなっている。補助燃料は、廃プラスチック粉末を含有するものであり粉末の供給にはある程度のバラツキが生じる。このため炉内温度を補助燃料により制御することは容易ではない。そこで、このように炉内温度が所定温度に到達した後は、図14に示すように、補助燃料の供給量をほぼ一定に保つと共に、主燃料の供給量を増加させることにより炉内温度を上昇させる。
そして、制御部は、炉内温度を下降させる際には、可燃性廃プラスチック粉末含有気体の供給を主燃料より供給を終了するものとなっている。図14および図13に示すように、補助燃料の供給の停止後、主燃料の供給量は所定時間継続された後、終了する。さらに、可燃性廃プラスチック粉末含有気体の供給を終了した後、補助燃料供給ノズル内に残留する廃プラスチック粉末を吐出させる残留粉末排出操作を行うことが好ましい。具体的には、可燃性廃プラスチック粉末の添加を終了したのち所定時間搬送用気体の供給を行う。
なお、この発明の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法は、ガス燃料と可燃性廃プラスチック粉末含有気体との燃焼(混合燃焼)時において、炉内温度が所定の温度範囲において酸素含有気体の供給量を低下させて還元燃焼を行うものとしてもよい。
窯業では、焼成の最終段階に意図的に還元雰囲気にすることにより、陶器に含まれている鉄分等の不純物を還元し、美しい表面仕上がりを得る手法が一般的に採用される。
【0045】
図13および図14に示すように、窯業炉において、陶磁器製品を焼成する場合の焼成方法について説明する。
先ず、窯業用炉においてガス燃料による燃焼をさせて炉内温度500℃ないし600℃まで炉を焙り、その温度以上で可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給する。可燃性廃プラスチック粉末含有気体の供給の始めは、図14に示すように少しずつ供給され、炉内温度が上昇するのに従って可燃性廃プラスチック粉末含有気体が増加される。陶磁器の焼成には炉内温度が900℃で一旦ならし(炉内温度を均一に整える)、その後、加熱(攻め)して1300℃まで加熱するその1300℃でならす(炉内温度を均一に整える)。陶磁器の焼成の場合、例えば約9時間焼成される。また、陶磁器の焼成では、900℃〜1300℃の間で、空気比を絞ってCO還元状態とされることが行われる。また、燃焼終了するときは、先ず廃プラスチック粉末を含有する気体の供給を停止して、ガス燃料のみで燃焼させ、その後、例えば約1000℃でガス燃料の供給を止める。
【0046】
廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法は、廃プラスチック粉末を気体で輸送して主燃料の燃焼領域で燃焼時、総発熱量および総合当量比が変化しないように主気体流量および主燃料流量を制御部により制御してもよい。このような制御を行うことにより、安定した混合燃焼を行うことができる。
廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法は、主燃料に対する補助燃料の助燃率を5%〜80%として、主燃料の燃焼により廃プラスチック粉末の補助燃料を完全燃焼させることができる。助燃率の増大による燃焼形態の変化は少ない。炉用バーナーでは通常空気比1.25程度の空気が多めの条件で運転することにより完全燃焼が保証される。本発明の燃焼方法で一定空気比で運転する場合、PET助燃率を増加させると、プロパン(主燃料)供給量を減少させる。このとき、プロパンの燃焼は1.25より過大な空気比での燃焼となり、より良好な燃焼となる。このプロパン燃焼をパイロット火炎としてPET粉末が良好に燃焼される。
【0047】
廃プラスチック粉末を補助燃料とする窯業用バーナーの実施例を説明する。
実験装置システムは図2乃至図5に示すバーナーで、廃プラスチック供給ノズルのない場合と、廃プラスチック供給ノズルを取付けた場合について説明する。この発明は廃プラスチック供給ノズルを取り付けたものである。
窯業炉
炉の寸法 縦400mm、横700mm、高さ400mm、容積0.112mの直方体である。
炉材は、セラミックファイバーボードを使用してある。
バーナーの先端が炉内壁面に一致させ、上面中央に排気ガス排出口が設置されている。
主燃料:プロパン
補助燃料としての廃プラスチック粉末(以下PET粉末という)を用いる。
廃プラスチックの発熱量: 5500kcal/kg(23.0MJ/kg)
密度: 1.34×10kg/m
燃焼特性に著しい影響を与える平均粒径は150μmである。また、粒径は300μm以下の範囲に分散している。
総合当量比φはプロパン流量、PET粉末供給量、主空気とPET粉末用空気の総流量から算出し定義する。
バーナー LPG窯業用バーナー((株)成田製陶所製:HJ−1.5U)
標準インプット: 15000kcal/h(17.4kW)
粉末輸送装置
ロータリーフィーダー方式を用いてある。図9乃至図13にロータリーフィーダー方式粉末供給装置の実施形態を示した。
この粉末供給装置は、粉末を供給する複数の溝を持つローターをインバーター回転数制御されたモータにより回転させることにより、PET粉末は粉末含有空気輸送管に供給される。この時、ローター溝へのPET粉末の固着防止対策として、空気を吹き付ける対策を施した。
【0048】
次に、バーナーの運転(燃焼)作業手順について説明する。
先ず、プロパンと主燃料用空気で燃焼を行う。
その後、PET粉末輸送用空気によりPET粉末を供給し、補助燃料として燃焼させる。このとき、総発熱量および総合当量比が変化しないよう、主空気流量および主燃料流量を調整する。
本実験では、基準作動条件時には、主燃料(プロパン)流量Qf=8.3(l/min)、発熱量:11000kcal(12.8kW)、助燃料であるPET粉末の供給量mpは6.0(g/min))、発生熱量:2000kcal/h(2.3kW)に設定する。このとき、助燃料率は18%である。
【0049】
PET粉末用空気Qの影響について、ノズル管の有無による相違を調べた。
ノズル管が無い場合、PET粉末輸送用空気が供給されない場合(PET輸送空気流量Qap=0(l/min))は、良好な火炎形態である乱流予混合火炎となる。ところが、PET輸送空気流量がQap=11.8(l/min)の場合には、バーナー保炎部での保炎が困難となり、火炎形態が著しく変化し、バーナー筒外に形成される層流拡散火炎となって、窯業用バーナーとしては不適切である。
ノズル管が設置されている場合は、PET粉末輸送用空気の有無による火炎変化がほとんど無く、常に窯業用バーナーとして適切な火炎形態を保つことができる。
以上のことから、ノズル管を設置することにより乱流予混合火炎形態を保ったまま、PET粉末輸送用空気を供給することが可能となったといえる。
【0050】
次に、ノズル管を設置した状態で、PET粉末を供給した場合の燃焼特性を説明する。
総合当量比φ=0.7における火炎の燃焼状態について説明する。
PET粉末が供給されていない火炎の状態が青炎である。PET粉末を供給した火炎の状態は輝炎であり、青炎よりも火炎長が長くなる。
400mm離れた対向壁に燃え切らなかったPET粉末が溶着していたが、この未燃PET廃プラスチックは、高温の炉内ではすみやかに燃焼することが確認されている。
バーナー保炎器へのPET粉末の付着状況を説明すると、ノズル管が設置されていない場合には、保炎器内部に多量のPET廃プラスチックの付着、融着が確認されたが、ノズル管を設置した場合には、保炎器に対するPET廃プラスチックの付着、融着が全く無いことが確認された。
これは、ノズル無しの場合は、燃焼域の上流にPET粉末が供給されるため、保炎器内において未燃混合気により拡散され壁面に付着しやすいが、ノズル管がある場合は、PET粉末をバーナー中心軸付近の燃焼域に直接供給するので、保炎器および壁面へのPET廃プラスチックの付着が防止された。
【0051】
炉に設置した場合の窯業用バーナーの燃焼特性
炉内温度設定1150℃で炉の運転を行った。
図にPET粉末の供給(PET粉末供給量mp=6.0( g/min) )を行った場合の炉内温度分布を示す。
設定条件は、発生熱量( 11000kcal/hr)(12.8kW)、総合当量比φ=0.7、主燃料(プロパン)流量Q=6.8(l/min)、PET粉末輸送空気流量Qap=11.8(l/min)、主空気流量Qa=261.6(l/min)である。
温度分布を見ると、いずれの水平断面においてもほぼ全域にわたって、1150℃程度の均一な温度が得られている。
バーナー出口から噴流するPET粒子群の軌跡が輝炎となる。輝炎の存在は局所当量比の高い領域の存在を示しており、未燃PET粒子或いは気化直後のPET蒸気の存在が示唆される。このことは、単独燃焼時に未燃PET廃プラスチックの存在が確認されたことからも裏付けられる。
炉内が高温であるにもかかわらず、PET粉末が対向壁まで到達している。この対向壁面に到達する粒子数は、バーナー出口付近の軌跡本数と比較して大幅に減少し、対向壁に到達する粒子は、極少量混入している粗大な粒径の粒子と考えられる。なお、実験終了後の壁面には、PET粉末の痕跡は認められなかったため、バーナーを炉に設置した場合、PET粉末は対向壁あるいは焼成品にまで到達したとしても、製品表面に痕跡を残さず、商品性を低下させることはない。
【0052】
この窯業用バーナーを設置した窯業炉の排ガス特性
図15ないし図19に、発生熱量11000(kcal/hr)で運転時の、排ガス温度、O濃度、HC濃度、NOx濃度およびCO濃度の総合当量比φ による変化を示す。
図中、●印はPET粉末の供給を行わなかった場合(mp=0g/min)の結果、主燃料流量Qfは8.3(l/min)に設定された。
また、△印は、主燃料流量Qfを6.8(l/min)まで減らし、その代わりに助燃料としてPET粉末の供給を行った場合(mp=6.0( g/min))の結果を示している。総合当量比φは、主空気流量Qの調整によりφ=0.63〜1.2の範囲で変化させた。なお、いずれの場合もPET粉末輸送用空気の供給を行った(流量Qap=11.8(l/min))。
図15に示すように、排ガス温度については、PET助燃料の供給による温度差はほとんど認められない。
ただし、本実験では、発生熱量一定条件下で総合当量比を設定するため、総合当量比φの上昇と共に排ガス温度が上昇する。
図16からO濃度についてみると、PET粉末供給の有無により大きな差異は認められず、いずれの場合においても、総合当量比φ=1.0では0.9%と残存酸素濃度は低い値を示す。
図17に示される未燃炭化水素HCの挙動から量論当量比より希薄の条件ではHC濃度が10ppmと低く、この範囲では完全燃焼が得られている。
【0053】
次に、図18で有害成分であるNOx濃度挙動についてみると、総合当量比0.9で最大値160ppmをとるが、条件が希薄および過濃になるにつれNOx濃度は低下し、総合当量比0.7および1.1で100ppmを下回り、良好なNOx排出特性となる。ただし、これらの挙動はPET粉末の供給により大きく変化しない。
窯業では、焼成の最終段階に意図的に還元雰囲気にすることにより、陶器に含まれている鉄分等の不純物を還元し、美しい表面仕上がりを得る手法が一般的に採用される。このため、PET粉末供給により、炉内雰囲気を還元状態にできることが要求される。本窯業炉では、図19に示すように、CO濃度挙動が得られており、PET助燃料使用時(△印)においても、総合当量比を1.2に設定することで容易に1%以上のCO濃度を得られる。
PET粉末を助燃料として使用するために、ノズル管を設置することで、保炎性およびPET粉末の付着性の観点から、ノズルを設置しない時より良い燃焼特性が得られ、PET粉末を燃料として利用できることが確認された。
PET廃プラスチック粉末を助燃料として使用し、窯業炉の1150℃運転を行ったとき、炉内の温度分布が均一な温度場を得た。また、炉内でのPET粉末の痕跡は認められなかったため、炉内に焼成品を入れてもPET樹脂の付着の影響はない。
排気ガス測定の結果、PET粉末を助燃料として使用した場合にも、窯業炉として要求される高CO濃度により還元雰囲気の設定がPET粉末の助燃料の使用時においても可能であることが確認された。
【0054】
以上この発明の実施の形態の一例について説明したが、この発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。窯業炉を示したが、これに限られるものでなく、乾燥炉など、各種の工業炉に適用できる。
なお、上記の燃焼装置および燃焼方法として、廃プラスチック粉末を用いたものについて説明したが、プラスチック粉末としては、廃プラスチック粉末ではなく、バージンプラスチック粉末を用いることができる。この場合、廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置は、プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置となり、廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法は、プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法となる。
【0055】
【発明の効果】
この発明の燃焼装置は、ガス燃料が内部に供給される円筒状の保炎器と、前記保炎器を被包し、該保炎器との間に気体流路を形成する燃焼筒とを備え、かつ前記保炎器の先端開口部の前方に燃焼領域を備えるバーナー本体と、前記保炎器内に挿入され、前記燃焼領域に補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズルと、該補助燃料供給ノズルに接続された補助燃料供給管を備える可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段と、前記保炎器の後方に形成され、前記保炎器と前記燃焼筒間に形成された前記気体流路と連通し、酸素含有気体を供給する気体供給通路と、該気体供給通路内を延び、前記保炎器の後端開口と連通するガス燃料通路を有するガス供給管とを備える廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置であって、前記燃焼筒は、前記保炎器との間に狭い円筒状空間からなる前記気体流路を形成するものであり、前記保炎器は、該気体流路に供給される酸素含有気体を前記保炎器内に流入させるための複数の側孔を備え、前記補助燃料供給管は、前記ガス供給管内を延び、前記ガス燃料は、前記補助燃料供給ノズルを取り巻くように前記ガス供給管より供給されるものとなっており、さらに、前記補助燃料供給ノズルは、前記保炎器の後端部を貫通し、該保炎器の先端付近に先端が位置するものである
このため、バーナーの燃焼炎に廃プラスチック粉末の補助燃料を投入してガスと気体の燃焼領域で補助燃料を一体的に燃焼させて所定の燃焼を得ることができる。また、廃プラスチック粉末を補助燃料として使用できるので、廃棄物の再利用ができ、石油系資源の使用量の削減を図ることができる。さらに、燃焼領域内に廃プラスチック粉末が供給されるので、廃プラスチック粉末を確実に燃焼させることができる。
【0056】
そして、前記保炎器は前記保炎器と前記燃焼筒間に形成される空間と前記保炎器内部とを連通する側孔を備えているので、保炎器の前方に良好な燃焼領域を形成できる。
【0057】
また、この発明の燃焼装置は、ガス燃料を含有する主燃料を吐出するためのバーナー管を備え、かつ該バーナー管の先端開口部の前方に燃焼領域を備えるバーナー本体と、前記バーナー管内に挿入され、前記燃焼領域に補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズルと、該補助燃料供給ノズルに接続された可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段とを備えるものである。このため、バーナーの燃焼炎に廃プラスチック粉末の補助燃料を投入してガスと気体の燃焼領域で補助燃料を一体的に燃焼させて所定の燃焼を得ることができる。また、廃プラスチック粉末を補助燃料として使用できるので、廃棄物の再利用ができ、石油系資源の使用量の削減を図ることができる。さらに、燃焼領域内に廃プラスチック粉末が供給されるので、廃プラスチック粉末を確実に燃焼させることができる。
【0058】
また、前記補助燃料供給ノズルの先端開口が、前記保炎器又はバーナー管の先端開口付近に位置しているものであれば、補助燃料供給ノズルへの廃プラスチック粉末溶融物の付着を防止できる。
また、前記補助燃料供給ノズルの先端開口の内周縁と前記保炎器の先端開口または前記バーナー管の先端開口の内周縁を含む円錐状仮想空間の頂点の角度θが、少なくとも補助燃料供給ノズルより供給する廃プラスチック粉末が付着しない角度とすることにより、補助燃料供給ノズルへの廃プラスチック粉末溶融物の付着を防止できる。
【0059】
また、前記補助燃料供給手段が、前記補助燃料供給管に廃プラスチック粉末輸送用気体を送るための輸送管と、該輸送管に気体を供給する気体供給手段と、該輸送管に廃プラスチック粉末を供給する廃プラスチック粉末供給器とを備え、該廃プラスチック粉末供給器から供給される廃プラスチック粉末を気体供給手段により供給される気流により輸送管内および補助燃料供給管内を移送して前記補助燃料供給ノズルより供給するものであれば、良好に分散された状態にて廃プラスチック粉末を燃焼領域に供給することができる。
また、前記廃プラスチック粉末供給器が、廃プラスチック粉末を貯留するホッパーと、該ホッパーから輸送管に廃プラスチック粉末を供給する廃プラスチック粉末供給手段とを備えるものでれば、輸送管への廃プラスチック粉末の供給を容易かつ確実なものにすることができる。
【0060】
また、前記廃プラスチック粉末供給器の前記粉末供給手段が、前記ホッパーの粉末排出口に付近に設けられた廃プラスチック粉末を一時的に収納するための複数の溝を持つローターと、該ローターを駆動する駆動装置とを備えるものでれば、輸送管への廃プラスチック粉末の供給をバラツキの少ない安定なものとすることができる。
また、前記廃プラスチック粉末供給器が、前記ホッパー内に貯留される廃プラスチック粉末を攪拌するためのに撹拌装置を備えているものであれば、供給される廃プラスチック粉末が凝集の少ないものとなり、廃プラスチック粉末の燃焼を良好なものとすることができる。
また、前記廃プラスチック粉末供給器が、前記ローターの前記溝に付着する廃プラスチック粉末を除去するための気体噴出器を備えているものであれば、輸送管への廃プラスチック粉末の供給をバラツキの少ない安定なものとすることができる。
【0061】
また、前記燃焼装置は、前記補助燃料供給ノズル内に残留する前記廃プラスチック粉末を吐出させる残留粉末排出機能を備えるものであれば、補助燃料供給終了後の補助燃料供給ノズル内に残留する前記廃プラスチック粉末の流出を防止することができる。
また、前記燃焼装置が、平均粒径300μm以下の廃プラスチック粉末を用いるものであれば、廃プラスチック粉末の燃焼を良好なものとすることができる。
【0062】
また、前記燃焼装置は、制御部を備え、該制御部は、前記バーナー本体が取り付けられる工業炉に設けられた炉内温度検知手段からの信号を受け入れる温度検知信号入力部と、該温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用して前記バーナー本体に供給される主燃料供給量および前記廃プラスチック粉末含有気体供給量を制御する制御機能を備えているものであれば、良好な燃焼を行うことができる。
【0063】
また、前記制御部の制御機能は、前記温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用して炉内温度を算出する炉内温度算出機能と、廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度記憶機能と、前記炉内温度算出機能により炉内温度が記憶する廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度に到達したことを判断した後に廃プラスチック粉末含有気体供給を開始させる供給制御機能とを備えているものであれば、工業炉の内壁に廃プラスチック粉末溶融物の付着を抑制することができる。
【0064】
また、本発明の燃焼装置は、ガス燃料を含有する主燃料が内部に供給される保炎器もしくはバーナー管を備えるバーナー本体と、前記保炎器又はバーナー管にガス燃料を含有する主燃料を供給するための主燃料供給手段と、補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズルと、該補助燃料供給ノズルに接続された可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段と、制御部とを備える廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置であって、該制御部は、前記バーナー本体が取り付けられる工業炉に設けられた炉内温度検知手段からの信号を受け入れる温度検知信号入力部と、該温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用して前記バーナー本体に供給される主燃料供給量および前記廃プラスチック粉末含有気体供給量を制御する制御機能を有し、該制御部の制御機能は、前記温度検知信号入力部より入力される温度検知信号を利用して炉内温度を算出する炉内温度算出機能と、廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度記憶機能と、前記炉内温度算出機能により炉内温度が記憶する廃プラスチック粉末含有気体供給開始炉内温度に到達したことを判断した後に廃プラスチック粉末含有気体供給を開始させる供給制御機能とを備えているものである。
この燃焼装置によれば、廃プラスチック粉末を用いた良好な燃焼を行うことができる。
【0065】
また、前記制御部の制御機能は、前記主燃料と前記補助燃料の燃焼により前記工業炉内温度が所定温度に到達した後は、前記主燃料により工業炉内温度を制御するものであれば、温度制御が容易となり、精度の高い燃焼を行うことができる。
また、前記制御部の制御機能は、前記主燃料と前記補助燃料の燃焼により前記工業炉内温度が所定温度に到達するまでは、前記主燃料および前記補助燃料の供給量がともに上昇するように制御するものであれば、補助燃料を有効に利用できる。
また、前記制御部の制御機能は、前記主燃料におけるガス燃料供給量および酸素含有ガス供給量を個々に制御する機能を備えているものであれば、還元焼成をを行うことが可能となる。
【0066】
また、本発明の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法は、保炎器又はバーナー管を通じて供給される主燃料のガス燃料気体を燃焼させる燃焼領域に、前記保炎器内又は前記バーナー管内に配置された補助燃料供給ノズルから可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給して、主燃料の燃焼時に可燃性廃プラスチック粉末含有気体を加えて燃焼させるものである。このため、バーナーの燃焼炎に廃プラスチック粉末の補助燃料を投入してガスと気体の燃焼領域で補助燃料を一体的に燃焼させて所定の燃焼を得ることができる。また、廃プラスチック粉末を補助燃料として使用できるので、廃棄物の再利用ができ、石油系資源の使用量の削減を図ることができる。さらに、燃焼領域内に廃プラスチック粉末が供給されるので、廃プラスチック粉末を確実に燃焼させることができる。
また、前記廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法が、前記保炎器又はバーナー管が取り付けられる工業炉を前記ガス燃料気体を用いた主燃料による燃焼を開始し、前記工業炉の炉内温度が、使用する廃プラスチック粉末が燃焼しうる温度より所定温度以上高い温度に達した後に補助燃料供給ノズルから可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給して主燃料と補助燃料とによる混合燃焼を行うものであれば、燃焼することなく工業炉の内壁に廃プラスチック粉末溶融物が付着することを抑制することができる。
【0067】
また、前記混合燃焼時の前記炉内温度の上昇時に、可燃性廃プラスチック粉末含有気体量もしくは可燃性廃プラスチック粉末含有気体中の可燃性廃プラスチック粉末含有量を増加する増加ステップを行うものであれば、補助燃料の使用量を多くできる。
また、前記廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼方法は、炉内温度を下降させる際に、可燃性廃プラスチック粉末含有気体の供給を主燃料より先に止め、主燃料のみの燃焼を行うものであれば、工業炉の内壁もしくは焼成対象物に廃プラスチック粉末溶融物もしくは灰状物が付着することを抑制することができる。
また、前記混合燃焼時の炉内温度制御は、前記ガス燃料の供給量を制御することにより行うものであれば、温度制御が容易となり、精度の高い燃焼を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の燃焼装置のブロック図である。
【図2】バーナー本体の正面図である。
【図3】同側面図である。
【図4】同縦断面図である。
【図5】要部拡大断面図である。
【図6】別の実施例(補助燃料供給ノズル端を保炎器の開口端より内方とした場合)断面図である。
【図7】別の実施例(複数のノズルの場合)の断面図である。
【図8】同側面図である。
【図9】補助燃料供給装置の概略正面図である。
【図10】粉末供給装置の概略正面図である。
【図11】同断面図である。
【図12】同底面図である。
【図13】時間と炉内温度の関係を示すグラフである。
【図14】時間と炉内温度と廃プラスチック粉末(PET廃プラスチック)の供給量の関係を示すグラフである。
【図15】窯業炉の排気ガス温度を示すグラフである。
【図16】同酸素濃度を示すグラフである。
【図17】同HC濃度を示すグラフである。
【図18】同NOx濃度を示すグラフである。
【図19】同CO濃度を示すグラフである。
【図20】他の実施例の燃焼装置を説明するための概略図である。
【図21】他の実施例の燃焼装置を説明するための概略図である。
【図22】他の実施例の燃焼装置を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 バーナー本体
2 気体通路
3 ガス燃料通路
4 ガス供給管
5 保炎器
6 筒状部材
7 パッキング
11 側孔
12 点火プラグ
13 補助燃料供給ノズル
14 補助燃料供給管
16 補助燃料供給ノズル
20 ブロア
21 送気管
30 ガスボンベ
31 ガス配管
40 ブロア
41 輸送管
50 廃プラスチック粉末供給器
55 ホッパー
56 廃プラスチック粉末供給手段
105 バーナー管
A 主燃料供給手段
B 気体供給手段
C ガス燃料供給手段
D 補助燃料供給手段
E 燃焼領域
F 廃プラスチック粉末

Claims (9)

  1. ガス燃料が内部に供給される円筒状の保炎器と、前記保炎器を被包し、該保炎器との間に気体流路を形成する燃焼筒とを備え、かつ前記保炎器の先端開口部の前方に燃焼領域を備えるバーナー本体と、前記保炎器内に挿入され、前記燃焼領域に補助燃料の可燃性廃プラスチック粉末含有気体を供給するための補助燃料供給ノズルと、該補助燃料供給ノズルに接続された補助燃料供給管を備える可燃性廃プラスチック粉末含有気体供給手段と、前記保炎器の後方に形成され、前記保炎器と前記燃焼筒間に形成された前記気体流路と連通し、酸素含有気体を供給する気体供給通路と、該気体供給通路内を延び、前記保炎器の後端開口と連通するガス燃料通路を有するガス供給管とを備える廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置であって、
    前記燃焼筒は、前記保炎器との間に狭い円筒状空間からなる前記気体流路を形成するものであり、前記保炎器は、該気体流路に供給される酸素含有気体を前記保炎器内に流入させるための複数の側孔を備え、前記補助燃料供給管は、前記ガス供給管内を延び、前記ガス燃料は、前記補助燃料供給ノズルを取り巻くように前記ガス供給管より供給されるものとなっており、さらに、前記補助燃料供給ノズルは、前記保炎器の後端部を貫通し、該保炎器の先端付近に先端が位置するものであることを特徴とする廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  2. 補助燃料供給ノズルの先端開口の位置は、前記保炎器の先端より、該保炎器の内径dに対して0.8d以内の距離内側もしくは0.8d以内の距離突出しているものである請求項1に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  3. 前記保炎器の内部に補助燃料供給ノズルを1または複数個設けた請求項1または2に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  4. 前記補助燃料供給ノズルは、前記保炎器の中心軸上に配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  5. 前記補助燃料供給手段は、前記補助燃料供給管に廃プラスチック粉末輸送用気体を送るための輸送管と、該輸送管に気体を供給する気体供給手段と、該輸送管に廃プラスチック粉末を供給する廃プラスチック粉末供給器とを備え、該廃プラスチック粉末供給器から供給される廃プラスチック粉末を気体供給手段により供給される気流により輸送管内および補助燃料供給管内を移送して前記補助燃料供給ノズルより供給するものである請求項1ないしのいずれかに記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  6. 前記廃プラスチック粉末供給器は、廃プラスチック粉末を貯留するホッパーと、該ホッパーから輸送管に廃プラスチック粉末を供給する廃プラスチック粉末供給手段とを備えるものである請求項に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  7. 前記廃プラスチック粉末供給器の前記粉末供給手段は、前記ホッパーの粉末排出口に付近に設けられた廃プラスチック粉末を一時的に収納するための複数の溝を持つローターと、該ローターを駆動する駆動装置とを備えるものである請求項に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  8. 前記廃プラスチック粉末供給器は、前記ローターの前記溝に付着する廃プラスチック粉末を除去するための気体噴出器を備えている請求項に記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
  9. 前記燃焼装置は、平均粒径300μm以下の廃プラスチック粉末を用いるものである請求項1ないしのいずれかに記載の廃プラスチック粉末を補助燃料とする燃焼装置。
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