JP3803354B2 - C型肝炎ウイルス関連疾患の治療のための組成物および方法 - Google Patents
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(A)GCCUCCAGGACCCC
CGUGCAGCCUCCAGGACCCCCCCUCC
(下線を付した領域は上記配列(A)に等しい)。
オリゴヌクレオチドの合成:
ヨウ素によって酸化する標準ホスホロアミダイト化学を用い、非修飾DNAオリゴヌクレオチドを自動DNA合成機(アプライド・バイオシステムズモデル380B)で合成した。β−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイトをアプライド・バイオシステムズ(フォスターシティー、カリフォルニア州)から購入した。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドについては、亜リン酸エステル結合の段階的硫黄化(thiation)のために標準酸化ボトルをアセトニトリル中の3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシドの0.2M溶液で置換した。硫黄化サイクル待機(wait)工程を68秒まで延ばし、ついでキャッピング(capping)工程を行った。
遺伝子操作した細胞中でのHCV RNAの転写および翻訳:
哺乳動物細胞中でHCV遺伝子を発現しうる組換えDNAベクターを標準遺伝子工学法を用いて構築する。HCV mRNAまたはゲノム転写産物を示すcDNA断片を、HCV cDNAの転写が適当なヌクレオチド位置で始まるような仕方でマウス哺乳動物腫瘍ウイルスからのLTRなどの誘導性真核プロモーターの後ろに置く。該遺伝子の3'末端には適当なヌクレオチド位置で終止することを確実にするためにポリ(A)シグナルが導入されている。インフレームのレポータードメイン(たとえば、ホタルのルシフェラーゼ遺伝子の酵素的に活性なドメイン)の挿入によりコード配列を修飾するのが有利であるかもしれず、かかるレポータードメインは、融合タンパク質の発現の検出手順を簡単にすることができる。ベクターにはまた、ネオマイシン耐性などの1または2以上の選択遺伝子マーカーが含まれていてよい。
遺伝子操作した細胞からのHCV遺伝子発現に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害の評価:
実施例2に記載したものなどの発現ベクターでトランスフェクションした哺乳動物細胞を、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含有する培地中で一夜インキュベートする。オリゴヌクレオチド処理の後、HCV遺伝子産物の発現を誘導するために細胞をデキサメタゾンで処理する。適当なインキュベーション期間(4〜24時間)の後、細胞を回収し、特定のHCVポリペプチドの発現を、ウエスタンブロッティングにおいて特異的な抗血清を用いて免疫学的にまたは免疫沈降アッセイにより検出することができる。HCVポリタンパク質にインフレームで融合したホタルのルシフェラーゼなどのようなレポータードメインを含むベクターを細胞が含有している場合には、細胞抽出物を回収し、該レポータードメインの酵素活性について評価することができる。
細胞質ウイルスベクターからのHCV RNAの転写および翻訳:
HCV mRNAまたはゲノム転写産物を表示するcDNA断片を、該HCV cDNAの転写が適当なヌクレオチド位置で開始されるような仕方でワクシニアウイルスプロモーターの後ろに置く。該遺伝子の3'末端には、適当なヌクレオチド位置での終止が確実となるように、ポリ(A)シグナルを導入する。幾つかの場合にはインフレームのレポータードメイン(たとえば、ホタルのルシフェラーゼ遺伝子の酵素的に活性なドメイン)の挿入によりコード配列を修飾するのが有利であり、該レポータードメインは、融合タンパク質の発現のための検出手順を簡単にすることができる。
哺乳動物細胞中での細胞質ウイルスベクターからのHCV遺伝子の発現に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害の評価:
哺乳動物細胞をアンチセンスオリゴヌクレオチドを含有する培地中で一夜インキュベートする。オリゴヌクレオチド処理の後、HCV遺伝子産物を発現する組換えワクシニアウイルスで細胞を感染させる。適当なインキュベーション期間(4〜24時間)の後、細胞を回収し、特定のHCVポリペプチドの発現をウエスタンブロッティングにおいて特異的な抗血清を用いてまたは免疫沈降アッセイにより免疫学的に検出することができる。HCVポリタンパク質にインフレームで融合したホタルのルシフェラーゼなどのようなレポータードメインを含むベクターを細胞が含有している場合には、細胞抽出物を回収し、該レポータードメインの酵素活性について評価することができる。
HCV遺伝子でトランスフェクションしたまたはHCV遺伝子を発現する細胞質ウイルスベクターを感染させた細胞におけるHCV粒子集合に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害の評価:
HCVゲノムRNAおよびタンパク質は、HCV cDNA発現ベクターでトランスフェクションした細胞中、またはHCV cDNAを発現するワクシニアウイルスベクターを感染させた細胞中で発現される。RNAゲノムおよびタンパク質は会合してHCV様粒子を形成するであろうと思われる。これら粒子の存在は、電子顕微鏡を用いて確かめることができる。粒子集合に対する該ウイルスRNAの推定パッケージングシグナルに相補的なオリゴヌクレオチドの効果を評価するため、HCV核酸とタンパク質との両方を含有する細胞外粒子の出現を測定するための特定の生化学的アッセイを開発することができる。
インビトロ翻訳アッセイによるオリゴヌクレオチドのスクリーニング:
1.インビトロでの翻訳に用いるためのHCV RNAの調製:
HCV遺伝子ヌクレオチド配列の塩基番号1〜686に相同な配列を有するRNAを以下の仕方で調製した。その際、終止コドン(TGA)を3'末端に付加した。
C型肝炎の日本人患者の血清からクローニングすることにより本発明者らが調製したcDNAヌクレオチド配列(該cDNAは、おそらく完全長のHCVアミノ酸配列をコードすると思われる)に基づき、HCV遺伝子の完全長の5'非翻訳領域(341ヌクレオチド配列)とそれに続くコア領域(345ヌクレオチド配列)を含む686ヌクレオチド配列を含有するcDNAを公知方法によりクローニングし、該クローンを下記(3)のPCR手順の鋳型として用いた。このcDNA配列のヌクレオチド番号は、ハンらのヌクレオチド番号(Proc. Natl. Acad. Sci., 1991、88、1711〜1715)とよく対応することがわかった。
EcoRI開裂部位を含む7塩基、T7プロモーターとしての機能を有する20塩基およびHCVヌクレオチド配列の14塩基(ヌクレオチド番号1〜14)を5'末端からこの順序で含有する41ヌクレオチド配列を含むセンスプライマー、およびEcoRI開裂部位を含む9塩基、終止コドン(TGA)に相補的な3塩基およびHCVヌクレオチド配列の塩基番号672〜686の領域に相補的な15塩基を5'末端からこの順序で含有する27ヌクレオチド配列を含むアンチセンスプライマーを、サイクロンプラスDNA合成機(ミリジェン/バイオサーチ(MilliGen/Biosearch)製)を用いて固相ホスホアミダイト法により調製した。
上記(1)で得たcDNAを鋳型として用い、上記(2)のプライマーを用いてPCR(20サイクル)を行った。PCRは、変性:94℃で1分間、アニーリング:55℃で2分間、ポリメラーゼ反応:72℃で2分間の条件で行った。かくして得られたDNA断片をEcoRIで処理し、pUC19のEcoRI部位に挿入し、得られた組換えプラスミドで大腸菌JM109株を常法により形質転換した。かくして得られたコロニー中の複数のクローンに関して組換えプラスミドが挿入された部分をジデオキシ法によりシークエンシングすることにより、すべてのクローンからのプラスミドにより挿入されたHCV由来の686ヌクレオチド配列が鋳型cDNAの対応領域とよく適合することが確認された。これらクローンの一つから得られたプラスミドを「pUIA1」と称した。
pUIA1をEcoRIで処理することにより上記ヌクレオチド配列が挿入された断片をpUIA1から取り出し、該断片を鋳型として用いることにより、MEGAscript インビトロ転写キット(アンビオン(Ambion)製)でRNAを合成し、それにより、HCVヌクレオチド配列の1〜686ヌクレオチド配列部分、終止コドン(UGA)およびEcoRI開裂部位を含む9塩基を5'末端からこの順序で含有する698ヌクレオチド配列を有するRNA断片を得た。この断片を「R−IA−1」と称した。該R−IA−1中のHCV由来の686塩基のヌクレオチド配列を添付の図1に示す。
ウサギ網状赤血球溶解液を用いることにより、HCVコアタンパク質をR−IA−1から無細胞系において翻訳し、発現をELISAにより以下のようにして確認した。
HCVのコア領域を常法により大腸菌中で直接発現させた。かくして得られた発現タンパク質でマウスを免疫し、常法で処理することにより2種のモノクローナル抗体(RJC4−1(IgMタイプ)およびRJC4−2(IgGタイプ))を得た。該モノクローナル抗体RJC4−1を10mM PBSで希釈し、希釈したRJC4−1(濃度50μg/ml、50μl)をマクシソープ(MaxiSorp)F8プレート(ヌンク)の各ウエルに加え、4℃で一夜放置することにより固定し、その後、ウエルから吸入することにより残留する抗体溶液を除去した。1%ウシ血清アルブミンを含有するPBS(150μl)を各ウエルに加え、4℃で一夜放置して抗体のブロッキングを行い、ついで洗浄に供した。ウサギ網状赤血球抽出物を用いて上記で調製した試験すべきコアタンパク質を、1%ウシ血清アルブミンを含有するPBSで適当な濃度に希釈し、希釈したコアタンパク質(50μl)を各ウエルに加え、混合物を室温にて2時間反応させ、ついで洗浄に供した。その後、西洋ワサビペルオキシダーゼを結合した抗体RJC4−2(50μl)を各ウエルに加え、混合物を37℃で1時間反応させ、ついで洗浄に供した。最後に3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンの水溶液(50μl)を各ウエルに加え、混合物を室温で15分間反応させ、ついで反応液を1N硫酸で冷却した。直ちに反応混合物の吸光度を450nmで測定した。その結果、HCVコアタンパク質はELISAにより定量的に測定できることがわかった。
TE(10μl)中のR−IA−1(20ピコモル)の溶液およびRNAを含有しないTE(10μl)をそれぞれメチオニンの水溶液(2μl)(メチオニンの最終濃度、10μM)と混合した。各混合物(12μl)にウサギ網状赤血球溶解液(インビトロトランスレーションキット、ストラタジーン(STRATAGENE)製、20μl)を加え、混合物を30℃で2時間インキュベートした。反応混合物を倍希釈し、ついでコアタンパク質をELISAにより定量的に測定した。その結果、HCVコアタンパク質は陽性コントロールでは合成されるが陰性コントロールではHCVコアタンパク質が認められないことが確認された。
HCVコアタンパク質のインビトロでの翻訳を阻害する能力について、5'非翻訳領域に相補的なオリゴヌクレオチドを以下のようにしてスクリーニングした。
実施例1と同様の固相ホスホアミダイト法により(「IA−」と表示するオリゴヌクレオチド)またはサイクロンプラスDNA合成機(ミリジェン/バイオサーチ製)(「CAS−」と表示するオリゴヌクレオチド)を用い、アンチセンスオリゴヌクレオチドを調製した。かくして得られた生成物をフェノール処理し、エタノール沈殿に供した。この沈殿を以下の手順に用いるために10mMトリス−HCl(pH8.0)−1mM EDTA溶液に溶解した。
R−IA−1(20ピコモル)および試験しようとするアンチセンスDNA(100ピコモル)をTE(最終容量、10μl)中で混合し、混合物を室温で10分間放置した。この溶液に10mMメチオニン水溶液(2μl)を加え、この混合物(12μl)にさらにウサギ網状赤血球溶解液(インビトロトランスレーションキット、ストラタジーン製、20μl)を加え、混合物を30℃で2時間インキュベートした。反応完了後、反応混合物で製造されたコアタンパク質をELISAにより定量的に測定し、アンチセンスDNAを含有しないTEで製造されたコアタンパク質の量に対する該反応混合物中のコアタンパク質の量の比を計算した。阻害活性(%)は、上記で得た比を1から差し引き、得られた結果をパーセントで表示することにより計算した。
HCV RNAの5’非翻訳領域中のヌクレオチド1〜339から10ヌクレオチド間隔で位置する標的配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成した。CAS−1からCAS−320までのこれらオリゴヌクレオチドの配列を表2に示す。
HCV RNAのヌクレオチド100〜140(ループC領域を含む)からの領域に相補的なオリゴヌクレオチドをさらに合成し、上記と同様に試験した。これらオリゴヌクレオチドを表2に示す。図2に示すように、オリゴヌクレオチドCAS−104、CAS−106、およびCAS−108はHCVコアタンパク質翻訳をインビトロで70%またはそれ以上阻害し、好ましい。ヌクレオチド104〜129からのHCV RNAの26塩基領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5'非翻訳領域の他の領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドに比べてHCV−RNAの翻訳に対して強い阻害活性を示した。それゆえ、この領域とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドが好ましい。
ループC領域中の位置119にあるヌクレオチドはHCV株間で高い変異率を示すので、この位置のアデノシンを「普遍塩基」イノシンで置換した種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドを調製し、これら置換オリゴヌクレオチドが種々のウイルス株の阻害に有効かどうかを以下のようにして評価した。
アンチセンスオリゴヌクレオチドの標的配列に対する結合アフィニティーは、該アンチセンスオリゴヌクレオチド中の糖残基の2'−位のメトキシ化により高められる。表2に示す配列を有する2'−O−メチル化オリゴヌクレオチド(イノシンで置換された2つのもの以外に)を調製し、その阻害活性を評価した。たいていの場合、2'−O−メチル化オリゴヌクレオチドは非修飾の対応物と阻害活性が同様であった。幾つかのオリゴヌクレオチド(CAS−80、CAS−360)では2'−O−メチル化したときに活性が落ちるように思われるが、ループFにハイブリダイズするCAS−260は2'−O−メチル化したときに有意に活性が上昇したと思われ、75%以上の阻害を示した。それゆえ、この配列が好ましい。幾つかの試験したオリゴヌクレオチドの活性を図3に示す。
ポリタンパク質翻訳開始コドンの周辺にありコアタンパク質コード領域に隣接するヌクレオチド配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの阻害活性の評価:
(1)HCV−RNAの翻訳開始コドン(ヌクレオチド番号342〜344)の周辺にありコアタンパク質コード領域に隣接するヌクレオチド配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの阻害活性を評価するため、ヌクレオチド320からヌクレオチド379の領域に相補的な一連の20merのアンチセンスオリゴヌクレオチドを調製した。これらのうち、CAS−324〜CAS−344は、AUG終止コドン自体に相補的な配列CATのすべてまたは一部を含有している。これらアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を下記表3に示す。
翻訳開始コドンの近くのコアタンパク質コード領域中のヌクレオチド配列で、株間の変異がヌクレオチド350、351、352、356および362でしばしば起こることが知られている。この知見に基づき、これら塩基を「普遍塩基」イノシンで置換することが種々のウイルスの阻害に有効であるかどうかを研究した。
HCVコアタンパク質発現細胞中でのアンチセンスDNAの評価:
(1)ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの調製:
配列CAS−110、CAS−260、およびCAS−344がホスホジエステル(P=O)としてインビトロ翻訳試験において高い阻害活性を示したので、対応するホスホロチオエート(P=S)オリゴヌクレオチドを調製した。これらオリゴヌクレオチドは、「CAS−110S」、「CAS−260S」などのように、各親オリゴヌクレオチドの名前の後に「S」を付加することにより称した。陰性コントロールとして、ランダム配列を有するオリゴヌクレオチドを調製した。
発現プラスミドの調製は、HCV遺伝子の5'NCR−コア−env領域をコードする遺伝子(1.3kbp)を挿入することにより常法により行った。
抗HCVコア−マウスモノクローナル抗体を固相抗体として;抗HCVヒトポリクローナル抗体を一次抗体として;およびHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)結合抗ヒトIgGマウスモノクローナル抗体を二次抗体として用い、肝細胞形質転換体によって発現されたコアタンパク質をELISA法により検出した。この検出系を用いることにより、肝細胞形質転換体によって発現されたコアタンパク質を測定した。
肝細胞形質転換体(2.5×105細胞)を6−ウエルプレート上に接種し、細胞を固定した。各プレートに上記で得た5つのアンチセンスオリゴヌクレオチド(各濃度は5μM)を加えた。2日後、細胞を回収し、カウントした。細胞を1回洗浄し、細胞溶解剤で溶解し、ついで阻害活性をELISA法により測定した。
改変インビトロコアタンパク質翻訳アッセイにおけるオリゴヌクレオチドの評価:
T7−HCV−コア−env融合プラスミドを構築することにより、実施例7に記載したアッセイを改変してPCR増幅工程を省いた。HCVの5'非コード領域−コア配列を含有するHindIII−BamHI断片をプラスミドpGEM4Z中に挿入してT7発現プラスミドを構築した。得られたプラスミドをBamHIで線状にし、T7RNAポリメラーゼで転写した。35S−標識したインビトロ翻訳産物をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。翻訳アッセイに用いるT7RNA転写産物の最適量は、反応当たり約2.2ピコモルのRNAと決定した。異なるサイズのHCV RNAのインビトロ翻訳によっても、期待されるサイズの生成物が得られた。
上記で非修飾ホスホジエステル(P=O)化合物として試験したオリゴヌクレオチド配列を均一な2'−O−メチル/P=Oとして合成し、改変インビトロ翻訳アッセイにおいて試験した。結果を図5に示す。オリゴヌクレオチドIA−110、112、260、325および340は、P=Oオリゴヌクレオチドで得られた上記結果と一致する阻害活性を示し、好ましい。もともとのアッセイ系を用いて認められたように、オリゴヌクレオチド260は、非修飾ホスホジエステルとしてよりも2'−O−メチル/P=O形態において一層活性であった。
ともに2'−O−メチル修飾したホスホロチオエートオリゴヌクレオチドIA−110およびIA−340を改変インビトロ翻訳アッセイを用いて評価した。ホスホロチオエート(P=S)、ホスホジエステル(P=O)、2'−O−me/P=Sおよび2'−O−me/P=Oオリゴヌクレオチドの阻害活性の比較も行った。ランダム化したオリゴヌクレオチド(P=S R、2'−O−Me/P=S R、2'−O−Me/P=O R)もアッセイに含めて特異性を調べた。すべてのIA−110オリゴヌクレオチドが、修飾にもかかわらずHCVコアタンパク質の翻訳を阻害する同様の能力を示した。ランダム化した110配列も匹敵しうる阻害活性を示したが、この配列中の20ヌクレオチドのうち13がGであったのでランダム化は絶対的なものではなかった。ランダム化した340オリゴヌクレオチドはアンチセンスオリゴヌクレオチドに比べてかなり低い阻害活性を示したので、オリゴヌクレオチド340はHCVコアタンパク質の翻訳に対して配列特異的な阻害を示した。P=O、2'−O−Me/P=Oまたは2'−OMe/P=Sオリゴヌクレオチド(340配列)は、図7に示すように、HCVコアタンパク質の翻訳に対して同様のほぼ完全な減少(濃度依存性である)を示した。
2'−O−プロピルおよび他の別のオリゴヌクレオチド:
表4に示すP=S、P=Oおよび2'−修飾したオリゴヌクレオチドをさらに合成した。2'−O−プロピルオリゴヌクレオチドを修飾インビトロ翻訳アッセイにおいて試験し、同じ配列を有する2'−O−メチルオリゴヌクレオチドと比較した。図9に示すように、殆どの場合において、2'−O−プロピルオリゴヌクレオチドは2'−O−メチル対応物とおよぼ同じ程度にHCVコアタンパク質の翻訳を阻害した。最も活性な配列はIA−110、IA−260およびIA−340であった;これらは本発明の好ましい態様である。IA−340の場合は、2'−O−プロピルオリゴヌクレオチドは2'−O−メチル態様よりも高い阻害活性を有していた。
Claims (6)
- HCVゲノムRNAまたはメッセンジャーRNAの少なくとも一部に相補的なヌクレオチド配列を有し、該RNAとハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドであって、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、SEQ ID NO:80、SEQ ID NO:81、SEQ ID NO:82、SEQ ID NO:85、SEQ ID NO:86、SEQ ID NO:87、SEQ ID NO:88、SEQ ID NO:89、SEQ ID NO:90、SEQ ID NO:91、SEQ ID NO:94、SEQ ID NO:95およびSEQ ID NO:96よりなる群から選ばれたヌクレオチド配列からなることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
- 化学的に修飾した化合物である請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
- 少なくとも一つのホスホロチオエート結合を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
- すべてのインターヌクレオシド結合がホスホロチオエート結合である、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
- 少なくとも一つの糖残基の2'位に−O−アルキル修飾を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
- 該−O−アルキル修飾が−O−メチルまたは−O−プロピル修飾である請求項5に記載のオリゴヌクレオチド。
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