JP3802668B2 - Method for producing chlorinated vinyl chloride resin - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系樹脂(以下、PVCという)は、機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れた材料として、多くの分野に用いられている。しかしながら、耐熱性に劣るため、PVC樹脂を塩素化することにより耐熱性を向上させた塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、CPVCという)が開発されている。
【0003】
PVCは、熱変形温度が低く使用可能な上限温度が60〜70℃付近であるため、熱水に対して使用できないのに対し、CPVCは熱変形温度がPVCよりも20〜40℃も高いため、熱水に対しても使用可能であり、例えば、耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バルブ等に好適に使用されている。
【0004】
しかしながら、CPVCは熱変形温度が高いため、成形加工性時にゲル化させるには高温と強い剪断力とを必要とし、成形加工時に分解して着色しやすいという傾向があった。従って、CPVCは成形加工幅が狭く、不充分なゲル化状態で製品化されることが多く、素材のもつ性能を充分発揮できているとはいえなかった。また、これらゲル化性能向上の要求に加えて、より高い耐熱性も要求されるようになっている。
【0005】
このような問題点を解決するため、例えば、特開昭49−6080号公報には、イオン性乳化剤、水溶性金属塩及び水溶性高分子分散剤からなる懸濁安定剤を使用し、約1μmの基本粒子からなる凝集体で構成されたPVCを塩素化する方法が開示されている(樹脂粒子の改良提案)。しかしながら、この方法では、成形加工時のゲル化性能は向上しているもののまだ充分ではなく、また、重合の際に多量のスケールが発生し、これが重合槽の壁面に付着して除熱効果を阻害するため、そのスケール除去作業を必要とするという問題点があった。
【0006】
また、特開平5−132602号公報には、CPVCとPVCとを特定の粘度範囲内になるようにブレンドし、高耐熱性を得る方法が開示されている(樹脂ブレンドによる改良提案)。しかしながら、この方法では、ビカット値で3〜4℃程度の耐熱性の向上と、溶融粘度の改善による若干のゲル化性能の向上が期待できる程度で、我々が目指しているような高い耐熱性とゲル化性能とを充分に達成するものではなかった。
【0007】
一方、塩素化反応時に塩素を樹脂粒子内部に均一に拡散させた後に塩素化反応を行う方法は均一に塩素化する方法として従来より知られているが、例えば、特公昭45−6032号公報には、塩素を樹脂粒子内に均一に拡散させるために、クロロホルム等の塩素含有溶媒で樹脂を膨潤処理することを提案している。しかしながら、反応系でのクロロホルム、四塩化炭素等の塩素系溶媒の使用は、一定の効果は見られるものの、反応後に溶媒を除去する工程が煩雑であり、又大幅な耐熱製向上の目的は達せられないものであった。
【0008】
又、特表昭57−501184号公報、及び特表昭57−502218号公報では、いずれも液体塩素を膨潤剤として使用する提案であり、膨潤溶媒自身が同時に塩素化のための塩素源でもある点で、塩素化反応プロセス上、優れた方法である。しかしながら、特表昭57−501184号公報の提案は、予め少量の液体塩素でPVCを膨潤させた後、粉体状態で反応を進めているが、塩素化反応の樹脂粒子位置によるバラツキが大きく、好ましい耐熱性が得られないという問題点があった。特表昭57−502218号公報では、液体塩素を溶媒としてPVCの5〜30倍という大量に使用し、膨潤時の温度は−50〜+50℃という範囲であり、塩素化反応の好ましい範囲は−30〜+25℃としている。この方法の問題点は、液化塩素をPVCの懸濁媒体として使用しているが、液化状態を保つ為に低温下で膨潤と反応を継続する必要があり、光照射による反応開始後のラジカル転移反応が遅く、又バラツキが大きいことである。従って、好ましい高い耐熱性も得られず、又大過剰の液体塩素を回収再生するプロセスも煩雑であり、工程コストが嵩むという問題点もあった。
【0009】
更に、特開平6−128320号公報では、PVCの塩素化方法として、2段階の工程による塩素化方法(2段階後塩素化法)が開示されている。この方法は、塩素含有率を70〜75重量%と高くすることにより、高い耐熱性をもつCPVCを得ようとするものである(高塩素化方法による改良提案)。しかしながら、この方法では、塩素含有率に応じて高耐熱性を期待することはできるものの、高塩素化により予測されるゲル化性能の悪化を食い止めるための手段が示されていないため、高耐熱性とゲル化性能とを実用レベルで達成するものではなかった。
【0010】
このように、従来の技術では、塩素化に際して、塩素の均一拡散を念頭に置いた塩素化プロセスとPVCの粒子構造とから検討していないため、最適な塩素化分布状態が得られず、従って耐熱性と加工性に優れたCPVCが得られていないのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、塩素化反応に供するPVCの表面特性を特定化し、且つ、塩素化に際して塩素の均一拡散を念頭に置いた塩素化プロセスを提案し、最適な塩素化分布状態を達成し、その結果として、ゲル化性能と耐熱性に優れたCPVCの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法であって、前記塩化ビニル系樹脂は、BET比表面積値が1.3〜8m2 /gであり、ESCA分析(電子分光化学分析)による粒子表面分析において、炭素元素と塩素元素との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が、0.6を超えるものであり、且つ、
塩素化反応において、塩化ビニル系樹脂を水性媒体中で懸濁状態となした後、反応器内に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を20〜60℃の範囲で、反応器内のゲージ圧力が0.5〜2MPaの範囲で、塩素化反応を行うことを特徴とする。
【0013】
以下に本発明を詳述する。
上記PVCとは、塩化ビニル単量体(以下、VCMという)単独、又は、VCM及びVCMと共重合可能な他の単量体の混合物を公知の方法で重合してなる樹脂である。上記VCMと共重合可能な他の単量体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類;塩化ビニリデン;スチレン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0014】
上記PVCの平均重合度は特に限定されず、通常用いられる400〜3,000のものが使用できる。
【0015】
本発明で用いられるPVCは、比表面積等の表面特性及び懸濁分散剤に由来するスキン層の存在について、特に、塩素化反応での塩素拡散に関係するので、次の範囲に限定される。即ち、本発明で用いられるPVCのBET比表面積値は、1.3〜8m2 /gに制限される。比表面積値が1.3m2 /g未満であると、PVC粒子内部に0.1μm以下の微細孔が少なくなるため、塩素化が均一になされなくなり、熱安定性が向上しなくなる。比表面積値が8m2 /gを超えると、塩素化前のPVC粒子自体の熱安定性が低下するため、得られるCPVCの加工性が悪くなるので、上記範囲に限定される。好ましくは、1.5〜5m2 /gである。
【0016】
上記PVCは、ESCA分析(電子分光化学分析)による粒子表面分析において、炭素元素と塩素元素との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が、0.6を超えるものに制限される。0.6以下であると、PVC粒子表面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えられるため、後工程での塩素化速度が遅くなるだけでなく、得られるCPVCの成形加工性に問題を生じる。好ましくは、上記ピーク比が0.7を超えるものである。
【0017】
上記ピーク比が0.6を超えるPVCの中には、PVC粒子表面の表皮(以下、スキンという)面積が少なく、粒子内部の微細構造(1次粒子)が露出している粒子(スキンレスPVCという)が存在する。同じエネルギー比である場合は、スキンレスPVCを用いることが好ましい。
【0018】
上記PVCの化学的構造の原子存在比は、塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を考慮しない時)、上記1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)は0〜1の値となる。ピーク比が0の場合は、PVC粒子表面がPVC以外で、かつ、塩素を含まない他の物質により覆われていることを意味し、ピーク比が1の場合は、PVC粒子表面が、完全に塩化ビニル成分のみで覆われていることを意味する。
【0019】
上記に示したBET比表面積値及び1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク比を有するPVCは、例えば、分散剤として高ケン化度(60〜90モル%)若しくは低ケン化度(20〜60モル%)又はその両方のポリ酢酸ビニル、高級脂肪酸エステル類等を、乳化剤としてアニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤等を添加して水懸濁重合することにより得ることができる。
【0020】
本発明で上記PVCを重合する際に用いることができる重合器(耐圧オートクレーブ)の形状及び構造としては特に限定されず、従来よりPVCの重合に使用されているもの等を用いることができる。また、攪拌翼としては特に限定されず、例えば、ファウドラー翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマージン翼等の汎用的に用いられているもの等が挙げられるが、特にファウドラー翼が好適に用いられ、邪魔板(バッフル)との組み合わせも特に制限されない。
【0021】
上記PVCを塩素化する方法としては、PVCを水性媒体中で懸濁状態となした後、反応器内に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を20〜60℃の範囲で、反応器内のゲージ圧力が0.5〜2MPaの範囲で塩素化反応を進めることを骨子とする方法である。
【0022】
本発明に使用する塩素化反応器の材質は、グラスライニングが施されたステンレス製反応器の他、チタン製反応器等、一般に使用されるものが適用できる。
【0023】
本発明では、塩素化はPVCを水性媒体により懸濁状態にした後、液体塩素又は気体塩素を導入することにより、塩素源を塩素化反応器内に導入するが、液体塩素を導入することが工程上からも効率的である。反応途中の圧力調製の為、又、塩素化反応の進行に伴う塩素の補給については、液体塩素の他、気体塩素を適宜吹き込むこともできる。
【0024】
上記PVCを懸濁状態に調製する方法としては、PVCを重合の後、乾燥させたものを再度、水性媒体で懸濁化してもよく、あるいは、重合系中より、塩酸等、塩素化反応に好ましくない物質を除去した懸濁液を使用しても良い。
反応器内に仕込む水性媒体の量は、特に制限はないが、一般にPVCの重量1に対して2〜10倍(重量)量を仕込む。
【0025】
上記懸濁した状態で塩素化する場合は、例えば、反応生成物に光を照射して光反応的に塩素化を促進する方法、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて塩素化を促進する方法等により行うことができる。光エネルギーにより塩素化する場合に用いられる光源としては特に限定されず、例えば、紫外光線;水銀灯、アーク灯、白熱電球、蛍光灯、カーボンアーク灯等の可視光線等が挙げられ、特に、紫外光線が効果的である。熱エネルギーにより塩素化する場合の加熱方法としては特に限定されず、例えば、反応器壁からの外部ジャケット方式の他、内部ジャケット方式、スチーム吹き込み方式等が挙げられ、通常は、外部ジャケット方式又は内部ジャケット方式が効果的である。
【0026】
上記塩素化の工程で、得られるCPVCの塩素含有率が、60〜72重量%となるように調製するのが好ましく、63〜70重量%がより好ましい。
塩素含有率が60重量%未満では、耐熱性に乏しく、72重量%を超えるとゲル化性能が悪化して、耐熱成形品を成形するのに不利である。
【0027】
上記塩素化反応温度は、20〜60℃に限定され、25〜40℃がより好ましい。反応温度が20℃未満では塩素化反応速度が遅くなり、反応に長時間を要することになり、粒子外部の塩素化が更に進行するため塩素化の均一性が損なわれ、耐熱性を向上させることが難しい。反応温度が60℃を超えると、塩素が水性媒体又はPVC中に溶解、膨潤の形で存在する量が少なくなり、塩素が気相に移動し、塩素化が均一に進行しにくくなり、耐熱性の向上には不利である。
【0028】
上記反応器内のゲージ圧力は、0.5〜2MPaに限定され、0.7〜1.7MPaがより好ましい。ゲージ圧力が0.5MPa未満では、水性媒体中に溶解する塩素量が低下し、又、樹脂粒子内部に溶解、浸透する塩素量が低下するため、塩素化反応が進行しにくく、塩素化に長時間を要することになる。ゲージ圧力が2MPaを超えると、塩素の均一拡散は十分に進行するが、反応器内に大過剰の塩素が存在することになり、反応終了後に回収工程が煩雑で好ましくない。
【0029】
塩素化反応温度については、一般に紫外線ランプ照射等の光エネルギー源による光塩素化では40〜90℃、熱エネルギーによる塩素化反応では、70〜150℃で実施されるのが通例である。本発明では、塩素の樹脂粒子内への拡散を促進させる為に水性媒体中への塩素溶解量を確保すべく、20〜60℃という相対的に低温度領域での塩素化反応を提示した。この温度においては、塩素化反応速度は遅くなるが、それを補完する条件として、相対的に高圧の塩素圧力が設定される。高圧の塩素圧力を設定することにより、樹脂粒子内又は水性媒体中への塩素の溶解量はヘンリーの法則に従って増加する。
【0030】
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、塩素化反応速度を加速する手段が取られてもよく、例えば、微量の酸素の存在、あるいは、塩素化反応触媒の使用が有効である。塩素化反応触媒としては、過酸化水素水等の無機過酸化物、及び有機パーオキサイド類を含むパーオキサイド化合物;アゾ系化合物等が挙げられる。
【0031】
上記塩素化反応触媒のうち有機パーオキサイド化合物の例としては、油溶性重合開始剤として一般にPVCの重合に用いられている公知のラジカル開始剤が使用できる。例えば、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカノエート等のパーエステル化合物;
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス〔(t−ブチルジオキシ)イソプロピル〕ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等のジアルキルパーオキサイド化合物;
【0032】
ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネイト化合物;
t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド化合物;
イソブチリルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;
メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物が挙げられる。
【0033】
又、アゾ系化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、α,α’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、α,α’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
【0034】
より好ましい塩素化反応触媒の例としては、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等のパーエステル化合物;ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネイト化合物;イソブチリルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物が挙げられる。又、アゾ系化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、α,α’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
【0035】
塩素化反応触媒としては、上記に例示した過酸化水素等の無機過酸化物;及び有機パーオキサイド類を含むパーオキサイド化合物;アゾ化合物等の中より単独で、あるいは2種以上が併用されても良い。
【0036】
塩素化反応触媒の添加量は、PVC(重量)に対して、0.001〜0.5重量%の範囲が好ましく、0.005〜0.1重量%がより好ましい。
【0037】
以上の本発明の骨子は、PVCの表面状態及び粒子表面積、並びに塩素化反応条件を限定することにより、均一に塩素化を進行させ、高耐熱性と易ゲル化性を達成することができるのである。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0039】
(実施例1)
〔PVCの調製〕
内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単量体に対して、平均ケン化度72モル%及び重合度700の部分ケン化ポリ酢酸ビニル450ppm、ソルビタンモノラウレート1,200ppm、ラウリン酸1,200ppm、ポリアクリルアミド(20℃、1atmで0.1重量%水溶液のブルックフィールズ粘度が51cps)150ppm並びにt−ブチルパーオキシネオデカノエート550ppmを投入した。次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。
【0040】
重合転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたPVCのBET比表面積値は3.7m2 /gであった。また、スキン層の存在程度を示すESCA分析値は、0.80であった。なお、BET比表面積、及び、ESCA分析の測定は、下記方法により実施した。
【0041】
〔CPVCの調製〕
内容積250リットルのチタン製耐圧反応槽に脱イオン水60kg〔対樹脂量比=3〕と上記で得たPVC20kg〔これを1とする〕とを入れ、攪拌してPVCを水中に分散させ、その後反応槽を30℃に保持した。次いで、反応槽内に窒素ガスを吹き込み、槽内を窒素ガスで置換した。次に、反応槽内に予め30℃に保温した液体塩素40kg〔対樹脂量比=2〕を導入した。この時点での反応器内の圧力は、0.8MPaであった。液体塩素を導入後、約1時間30℃に保持したまま攪拌した。その後、塩素化反応触媒として、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートをPVCに対して300ppm(重量比)加えて塩素化反応を開始した。その後、槽内の塩酸濃度を測定して、塩素化反応の進行状況を確認しながら塩素化反応を続け、生成したCPVCの塩素含有率が69.0重量%に達した時点で、塩素化反応を終了させた。反応時間は160分であった。更に、槽内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂を水酸化ナトリウムで中和した後、水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は、69.0重量%であった。
【0042】
(実施例2)
〔PVCの調製〕
内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単量体に対して、平均ケン化度76モル%及び重合度700の部分ケン化ポリ酢酸ビニル700ppm、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩150ppm並びにt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppmを投入した。次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。
【0043】
重合転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたPVCのBET比表面積値は1.4m2 /gであった。また、スキン層の存在程度を示すESCA分析値は、0.65であった。
【0044】
〔CPVCの調製〕
塩素化反応条件について表1に示した条件以外は、実施例1と同様に実施した。但し、反応時間は170分であった。
【0045】
(実施例3)
PVCの調製は、実施例1と同様に実施した。
CPVCの調製は、表1に示す通り実施した。反応温度を40℃として、反応は水銀ランプにより反応器内を紫外線で照射して塩素化反応を行った。塩素化反応中の圧力は1.1〜0.9MPaの範囲であった。又、触媒は実施例1と同じものを使用し、その添加量はPVC(重量対比)に対して100ppmとした。
【0046】
(実施例4)
PVCの調製は、実施例1と同様に実施した。
CPVCの調製は、表1に示す通り実施した。反応温度を30℃として、塩素は気体塩素を反応器圧力を見ながら圧力が0.8MPaに達する迄吹き込んだ。反応は熱エネルギーのみにより塩素化反応を行った。塩素化反応中の圧力は0.8〜0.6MPaの範囲であった。又、触媒は実施例1と同じものを使用し、その添加量はPVC(重量対比)に対して300ppmとした。
【0047】
(実施例5)
PVCの調製は、実施例1と同様に実施した。
CPVCの調製は、表1に示す通り実施した。反応温度を20℃として、反応は熱エネルギーのみにより塩素化反応を行った。塩素化反応中の圧力は0.6〜0.5MPaの範囲であった。又、触媒はα、α’−アゾビス(ジメチルバレロニトリル)を使用し、その添加量はPVC(重量対比)に対して100ppmとした。反応時間は220分であった。
【0048】
(実施例6)
PVCの調製は、実施例1と同様に実施した。
CPVCの調製は、表1に示す通り実施した。反応温度を55℃として、塩素は気体塩素を反応器圧力を見ながら圧力が1.2MPaに達する迄吹き込んだ。反応は水銀ランプにより反応器内を紫外線で照射して塩素化反応を行った。塩素化反応中の圧力は1.2〜1.0MPaの範囲であった。又、触媒はα、α’−アゾビス(ジメチルバレロニトリル)を使用し、その添加量はPVC(重量対比)に対して100ppmとした。
【0049】
(比較例1)
〔PVCの調製〕
内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単量体に対して、平均ケン化度72モル%及び重合度750の部分ケン化ポリ酢酸ビニル1,200ppmを懸濁分散剤として転化後、t−ブチルパーオキシネオデカノエート550ppmを投入した。次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。
重合器を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。
【0050】
重合転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたPVCのBET比表面積値は0.7m2 /gであった。また、スキン層の存在程度を示すESCA分析値は、0.20であった。
CPVCの調製は、実施例1と同様に実施した。
【0051】
(比較例2)
PVCの調製は、実施例1と同様に実施した。
CPVCの調製は、実施例5と同様に塩素源として液体塩素、反応温度を15℃として、反応は熱エネルギーのみにより塩素化反応を行った。塩素化反応中の圧力は0.5〜0.4MPaの範囲であった。又、触媒はt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを使用し、その添加量はPVC(重量対比)に対して100ppmとした。反応時間は360分であった。
【0052】
(比較例3)
PVCの調製は、実施例1と同様に実施した。
CPVCの調製は、実施例5と同様に塩素源として液体塩素、反応温度を70℃として、反応は熱エネルギーのみにより塩素化反応を行った。塩素化反応中の圧力は2.2〜2.1MPaの範囲であった。又、触媒はα、α’−アゾビス(ジメチルバレロニトリル)を使用し、その添加量はPVC(重量対比)に対して300ppmとした。反応時間は230分であった。
【0053】
(比較例4、5)
PVCの調製は、比較例1と同様に実施した。
CPVCの調製は、比較例4、5共に、塩素源として気体塩素とし、紫外線ランプを使用し、反応温度を70℃とした。比較例4、5共に、塩素化反応触媒を使用しなかった。水性媒体量を比較例4と5では変更した。反応時間はそれぞれ480分、600分であった。
上記実施例1〜6、比較例1〜5で得られたCPVCにつき、下記の性能評価を行い、その結果を表1、2に示した。
【0054】
【表1】

Figure 0003802668
【0055】
【表2】
Figure 0003802668
【0056】
〔評価方法〕
(1)BET比表面積値の測定
試料管に測定サンプル約2gを投入し、前処理として70℃で3時間サンプルを真空脱気した後、サンプル重量を正確に測定した。前処理の終了したサンプルを測定部(40℃恒温槽)に取り付けて測定を開始した。測定終了後、吸着等温線の吸着側のデータからBETプロットを行い、比表面積を算出した。
なお、測定装置として比表面測定装置「BELSORP 28SA」(日本ベル社製)を使用し、測定ガスとして窒素ガスを使用した。
【0057】
(2)ESCA分析
PVC粒子の表面をESCA(Electron Spectroscopyfor Chemical Analysis:電子分光化学分析)でスキャンし、C1S(炭素)、Cl1S(塩素)、O1S(酸素)の各ピーク面積より塩素量を基準に粒子表面の塩化ビニル樹脂成分を定量分析した。
・使用機器:日本電子社製「JPS−90FX」
・使用条件:X線源(Mg Kα線)、12kV−15mA
・スキャン速度:200ms/0.1eV/scan
・パスエネルギー:30eV
【0058】
(3)加工性(ゲル化温度の測定)
Haake社製プラストミル「レオコード90」を使用して、下記樹脂組成物55gを、回転数40rpmで、温度を150℃から毎分5℃の昇温速度で上昇させながら混練し混練トルクが最大になる時の温度を測定した。なお、樹脂組成物としては、CPVC100重量部に対して、三塩基性硫酸鉛3重量部、二塩基性ステアリン酸鉛1重量部及びMBS樹脂10重量部からなるものを使用した。
【0059】
(4)熱安定性試験
上記樹脂組成物を、8インチロール2本からなる混練機に供給してロール表面温度205℃で混練し、混練物をロールに巻き付けてから30秒毎に巻き付いたCPVC樹脂シートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを切り出して、シートの着色度を比較し、黒褐色に変わる時間で熱安定性を判定した。
【0060】
(5)ビカット軟化温度
上記熱安定性試験で作製した5mm厚のCPVCシートを、15mm角に切り出して測定用サンプルとし、J1S K 7206(重り1.0kgf)に準拠して測定した。
【0061】
【発明の効果】
本発明によって得られるCPVCは、上述の樹脂構造からなるので、ゲル化性能及び耐熱性に優れている。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a chlorinated vinyl chloride resin.
[0002]
[Prior art]
Vinyl chloride resin (hereinafter referred to as PVC) is used in many fields as a material excellent in mechanical strength, weather resistance, and chemical resistance. However, since it is inferior in heat resistance, a chlorinated vinyl chloride resin (hereinafter referred to as CPVC) having improved heat resistance by chlorinating PVC resin has been developed.
[0003]
Since PVC has a low heat distortion temperature and a usable upper limit temperature is around 60 to 70 ° C., it cannot be used for hot water, whereas CPVC has a heat deformation temperature 20 to 40 ° C. higher than PVC. It can also be used for hot water, and is suitably used for heat-resistant pipes, heat-resistant joints, heat-resistant valves, and the like.
[0004]
However, since CPVC has a high heat distortion temperature, it requires a high temperature and a strong shearing force to be gelled during molding processability, and tends to be decomposed and colored during the molding process. Therefore, CPVC has a narrow molding processing width and is often produced in an inadequate gelled state, and it cannot be said that the performance of the material can be sufficiently exhibited. In addition to these demands for improving the gelling performance, higher heat resistance is also required.
[0005]
In order to solve such problems, for example, JP-A-49-6080 uses a suspension stabilizer comprising an ionic emulsifier, a water-soluble metal salt and a water-soluble polymer dispersant, and has a thickness of about 1 μm. Has disclosed a method of chlorinating PVC composed of aggregates composed of basic particles (proposed improvement of resin particles). However, with this method, the gelation performance at the time of molding is improved, but it is still not sufficient, and a large amount of scale is generated during polymerization, which adheres to the wall surface of the polymerization tank and has a heat removal effect. In order to obstruct, there existed a problem that the scale removal work was needed.
[0006]
JP-A-5-132602 discloses a method for obtaining high heat resistance by blending CPVC and PVC so as to be within a specific viscosity range (proposed improvement by resin blending). However, with this method, it is possible to expect an improvement in heat resistance of about 3 to 4 ° C. by vicat value and a slight improvement in gelation performance due to improvement in melt viscosity. The gelation performance was not sufficiently achieved.
[0007]
On the other hand, a method of performing a chlorination reaction after uniformly diffusing chlorine into the resin particles during the chlorination reaction is conventionally known as a method of uniformly chlorinating, for example, in Japanese Patent Publication No. 45-6032. Proposes to swell the resin with a chlorine-containing solvent such as chloroform in order to uniformly diffuse chlorine into the resin particles. However, the use of chlorinated solvents such as chloroform and carbon tetrachloride in the reaction system has some effects, but the process of removing the solvent after the reaction is complicated, and the purpose of drastically improving heat resistance cannot be achieved. It was not possible.
[0008]
In Japanese Patent Publication No. 57-501184 and Japanese Patent Publication No. 57-502218, both proposals use liquid chlorine as a swelling agent, and the swelling solvent itself is also a chlorine source for chlorination. This is an excellent method in terms of the chlorination reaction process. However, in the proposal of JP-A-57-501184, the reaction is proceeded in a powder state after the PVC is swollen with a small amount of liquid chlorine in advance, but the variation due to the resin particle position of the chlorination reaction is large. There was a problem that preferred heat resistance could not be obtained. In JP-A-57-502218, liquid chlorine is used as a solvent in a large amount of 5 to 30 times that of PVC, the temperature at the time of swelling is in the range of −50 to + 50 ° C., and the preferred range for the chlorination reaction is − 30 to + 25 ° C. The problem with this method is that liquefied chlorine is used as a suspending medium for PVC, but it is necessary to continue swelling and reaction at low temperatures in order to maintain the liquefied state. The reaction is slow and the variation is large. Therefore, the preferable high heat resistance cannot be obtained, and the process of recovering and regenerating a large excess of liquid chlorine is complicated, and there is a problem that the process cost increases.
[0009]
Further, JP-A-6-128320 discloses a chlorination method (two-stage post-chlorination method) by a two-stage process as a PVC chlorination method. This method is intended to obtain CPVC having high heat resistance by increasing the chlorine content to 70 to 75% by weight (proposed improvement by the high chlorination method). However, although this method can be expected to have high heat resistance depending on the chlorine content, it does not show a means for stopping the deterioration of gelation performance predicted by high chlorination. And gelation performance were not achieved at a practical level.
[0010]
As described above, in the conventional technique, the chlorination process in consideration of the uniform diffusion of chlorine and the particle structure of PVC are not considered in the chlorination, and therefore, the optimum chlorination distribution state cannot be obtained. CPVC excellent in heat resistance and workability has not been obtained.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above, the present invention specifies the surface characteristics of PVC to be subjected to the chlorination reaction, and proposes a chlorination process in consideration of uniform diffusion of chlorine during chlorination, and achieves an optimal chlorination distribution state. And as a result, it aims at providing the manufacturing method of CPVC excellent in gelatinization performance and heat resistance.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a method for producing a chlorinated vinyl chloride resin obtained by chlorinating a vinyl chloride resin, and the vinyl chloride resin has a BET specific surface area value of 1.3 to 8 m. 2 In the particle surface analysis by ESCA analysis (electron spectrochemical analysis), the peak ratio (chlorine element peak × 2 / carbon element peak) in the 1S bond energy value (eV) between carbon element and chlorine element is 0. .6 and
In the chlorination reaction, after the vinyl chloride resin is suspended in an aqueous medium, liquid chlorine or gaseous chlorine is introduced into the reactor, and the reaction temperature is in the range of 20 to 60 ° C. The chlorination reaction is performed in a gauge pressure range of 0.5 to 2 MPa.
[0013]
The present invention is described in detail below.
The PVC is a resin obtained by polymerizing a vinyl chloride monomer (hereinafter referred to as VCM) alone or a mixture of VCM and another monomer copolymerizable with VCM by a known method. Other monomers copolymerizable with the VCM are not particularly limited, and examples thereof include alkyl vinyl esters such as vinyl acetate; α-monoolefins such as ethylene and propylene; vinylidene chloride; styrene and the like. These may be used independently and 2 or more types may be used together.
[0014]
The average degree of polymerization of the PVC is not particularly limited, and those generally used in the range of 400 to 3,000 can be used.
[0015]
The PVC used in the present invention is limited to the following ranges because it relates to surface properties such as specific surface area and the presence of the skin layer derived from the suspension dispersant, particularly to chlorine diffusion in the chlorination reaction. That is, the BET specific surface area value of PVC used in the present invention is 1.3 to 8 m. 2 / G. Specific surface area value is 1.3m 2 When it is less than / g, fine pores of 0.1 μm or less are reduced in the PVC particles, so that chlorination is not made uniform and thermal stability is not improved. Specific surface area value is 8m 2 If it exceeds / g, the thermal stability of the PVC particles themselves before chlorination is lowered, so that the processability of the obtained CPVC is deteriorated, so that it is limited to the above range. Preferably, 1.5-5m 2 / G.
[0016]
The above-mentioned PVC has a peak ratio (chlorine element peak × 2 / carbon element peak) in the 1S bond energy value (eV) between carbon element and chlorine element in the particle surface analysis by ESCA analysis (electron spectrochemical analysis) of 0. Limited to more than 6. If it is 0.6 or less, it is considered that an additive such as a dispersant is adsorbed on the surface of the PVC particles, so that not only the chlorination rate in the post-process is slowed but also the processability of the obtained CPVC. Cause problems. Preferably, the peak ratio exceeds 0.7.
[0017]
Among PVCs having a peak ratio exceeding 0.6, the surface of the surface of the PVC particles (hereinafter referred to as skin) is small and the fine structure (primary particles) inside the particles is exposed (skinless PVC). Exist). When the energy ratio is the same, it is preferable to use skinless PVC.
[0018]
The atomic ratio of the chemical structure of the PVC is chlorine atom: carbon atom = 1: 2 (when terminal structure and branch are not taken into consideration), and the peak ratio in the 1S bond energy value (eV) (chlorine element peak × 2 / carbon element peak) has a value of 0-1. When the peak ratio is 0, it means that the surface of the PVC particles is covered with another substance other than PVC and does not contain chlorine. When the peak ratio is 1, the surface of the PVC particles is completely It means that it is covered only with the vinyl chloride component.
[0019]
The PVC having the peak ratio in the BET specific surface area value and 1S bond energy value (eV) shown above is, for example, a high saponification degree (60 to 90 mol%) or a low saponification degree (20 to 60 mol) as a dispersant. %) Or both of them, for example, an anionic emulsifier, a nonionic emulsifier or the like as an emulsifier, and water suspension polymerization.
[0020]
The shape and structure of the polymerization vessel (pressure-resistant autoclave) that can be used when polymerizing the PVC in the present invention are not particularly limited, and those conventionally used for polymerization of PVC can be used. Further, the agitating blade is not particularly limited, and examples thereof include those commonly used such as a fiddler blade, a paddle blade, a turbine blade, a fan turbine blade, a bull margin blade, etc., but a fouler blade is particularly preferable. The combination with a baffle (baffle) is not particularly limited.
[0021]
As a method for chlorinating the above-mentioned PVC, after suspending PVC in an aqueous medium, liquid chlorine or gaseous chlorine is introduced into the reactor, and the reaction temperature is in the range of 20 to 60 ° C. The main point is to advance the chlorination reaction when the internal gauge pressure is in the range of 0.5 to 2 MPa.
[0022]
As the material of the chlorination reactor used in the present invention, a commonly used material such as a titanium reactor can be applied in addition to a stainless steel reactor with glass lining.
[0023]
In the present invention, chlorination is achieved by suspending PVC in an aqueous medium and then introducing liquid chlorine or gaseous chlorine to introduce a chlorine source into the chlorination reactor. It is also efficient in terms of process. In addition to liquid chlorine, gaseous chlorine can be appropriately blown in order to adjust the pressure during the reaction and to supply chlorine as the chlorination reaction proceeds.
[0024]
As a method of preparing the PVC in a suspended state, the PVC may be polymerized and dried again, and then suspended in an aqueous medium again, or hydrochloric acid or the like may be used in the chlorination reaction from the polymerization system. Suspensions from which undesirable substances have been removed may be used.
The amount of the aqueous medium charged in the reactor is not particularly limited, but generally 2 to 10 times (weight) of the weight 1 of PVC is charged.
[0025]
In the case of chlorination in the suspended state, for example, a method of irradiating the reaction product with light to promote chlorination by photoreaction, heat binding to promote resin chlorination and chlorination to promote chlorination It can be performed by a method or the like. The light source used in the case of chlorination by light energy is not particularly limited, and examples thereof include ultraviolet rays; visible rays such as mercury lamps, arc lamps, incandescent lamps, fluorescent lamps, carbon arc lamps, and the like. Is effective. The heating method in the case of chlorination by thermal energy is not particularly limited, and examples thereof include an external jacket method from the reactor wall, an internal jacket method, a steam blowing method, etc. The jacket method is effective.
[0026]
It is preferable to prepare so that the chlorine content of CPVC obtained may become 60 to 72 weight% in the said chlorination process, and 63 to 70 weight% is more preferable.
If the chlorine content is less than 60% by weight, the heat resistance is poor, and if it exceeds 72% by weight, the gelation performance deteriorates, which is disadvantageous for molding a heat-resistant molded product.
[0027]
The said chlorination reaction temperature is limited to 20-60 degreeC, and 25-40 degreeC is more preferable. If the reaction temperature is less than 20 ° C, the chlorination reaction rate will be slow and the reaction will take a long time, and the chlorination outside the particles will progress further, so the uniformity of chlorination will be impaired and the heat resistance will be improved. Is difficult. When the reaction temperature exceeds 60 ° C., the amount of chlorine dissolved in an aqueous medium or PVC and the amount existing in the form of swelling decreases, the chlorine moves to the gas phase, and chlorination hardly progresses uniformly. It is disadvantageous for improvement.
[0028]
The gauge pressure in the reactor is limited to 0.5 to 2 MPa, and more preferably 0.7 to 1.7 MPa. When the gauge pressure is less than 0.5 MPa, the amount of chlorine dissolved in the aqueous medium decreases, and the amount of chlorine that dissolves and penetrates inside the resin particles decreases. It will take time. When the gauge pressure exceeds 2 MPa, uniform diffusion of chlorine proceeds sufficiently, but a large excess of chlorine exists in the reactor, which is not preferable because the recovery process is complicated after the reaction is completed.
[0029]
With respect to the chlorination reaction temperature, it is generally carried out at 40 to 90 ° C. for photochlorination using a light energy source such as ultraviolet lamp irradiation, and at 70 to 150 ° C. for chlorination reaction using thermal energy. In the present invention, a chlorination reaction in a relatively low temperature region of 20 to 60 ° C. has been presented in order to ensure the amount of chlorine dissolved in the aqueous medium in order to promote the diffusion of chlorine into the resin particles. At this temperature, the chlorination reaction rate becomes slow, but a relatively high chlorine pressure is set as a condition for complementing it. By setting a high chlorine pressure, the amount of chlorine dissolved in the resin particles or in the aqueous medium increases according to Henry's law.
[0030]
Means for accelerating the chlorination reaction rate may be taken without departing from the spirit of the present invention. For example, the presence of a trace amount of oxygen or the use of a chlorination reaction catalyst is effective. Examples of the chlorination reaction catalyst include inorganic peroxides such as hydrogen peroxide and peroxide compounds including organic peroxides; azo compounds.
[0031]
As an example of an organic peroxide compound among the chlorination reaction catalyst, a known radical initiator generally used for polymerization of PVC can be used as an oil-soluble polymerization initiator. For example, t-butyl peroxyacetate, t-butyl peroxyisobutyrate, t-butyl peroxy-2-ethylhexanoate, t-butyl peroxypivalate, t-butyl peroxyneodecanoate, t -Butylperoxy-3,5,5-trimethylhexanoate, t-butylperoxybenzoate, t-butylperoxylaurate, 2,5-dimethyl-2,5-bis (benzoylperoxy) hexane, t -Hexylperoxyneodecanoate, t-hexylperoxypivalate, α-cumylperoxyneodecanoate, t-hexylperoxyneohexanoate, 2,4,4-trimethylpentyl-2-peroxy- Perester compounds such as 2-neodecanoate;
Di-t-butyl peroxide, di-t-butyl-α-cumyl peroxide, di-α-cumyl peroxide, 1,4-bis [(t-butyldioxy) isopropyl] benzene, 2,5-dimethyl-2 , 5-bis (t-butylperoxy) hexane, dialkyl peroxide compounds such as 2,5-dimethyl-2,5-bis (t-butylperoxy) -3-hexyne;
[0032]
Di-sec-butyl peroxydicarbonate, diisopropyl peroxydicarbonate, di-n-propyl peroxydicarbonate, bis (3-methoxybutyl) peroxydicarbonate, bis (2-ethoxyethyl) peroxydicarbonate, Bis (4-t-butylcyclohexyl) peroxydicarbonate, di-2-ethylhexyl peroxydicarbonate, t-butylperoxyisopropyl carbonate, di-2-ethoxyethyl peroxydicarbonate, dimethoxyisopropyl peroxydicarbonate, etc. Peroxycarbonate compounds;
t-butyl hydroperoxide, cumene hydroperoxide, diisopropylbenzene hydroperoxide, p-menthane hydroperoxide, 2,5-dimethylhexane-2,5-dihydroperoxide, 1,1,3,3-tetramethyl Hydroperoxide compounds such as butyl hydroperoxide;
Diacyl peroxides such as isobutyryl peroxide, decanoyl peroxide, lauroyl peroxide, benzoyl peroxide, p-chlorobenzoyl peroxide, 2,4-dichlorobenzoyl peroxide, 3,5,5-trimethylhexanoyl peroxide Compound;
Examples thereof include ketone peroxide compounds such as methyl ethyl ketone peroxide, methyl isobutyl ketone peroxide, cyclohexanone peroxide, and methylcyclohexanone peroxide.
[0033]
Examples of the azo compound include α, α′-azobisisobutyronitrile, α, α′-azobis (2,4-dimethylvaleronitrile), α, α′-azobis (4-methoxy-2). , 4-dimethylvaleronitrile) and the like.
[0034]
Examples of more preferred chlorination reaction catalysts include t-butyl peroxyisobutyrate, t-butyl peroxy-2-ethylhexanoate, t-butyl peroxypivalate, t-butyl peroxyneodecanoate Perester compounds such as α-cumylperoxyneodecanoate; peroxycarbonate compounds such as di-sec-butylperoxydicarbonate, di-2-ethoxyethylperoxydicarbonate, dimethoxyisopropylperoxydicarbonate; Dia such as isobutyryl peroxide, decanoyl peroxide, lauroyl peroxide, benzoyl peroxide, p-chlorobenzoyl peroxide, 2,4-dichlorobenzoyl peroxide, 3,5,5-trimethylhexanoyl peroxide Peroxide compounds. Examples of the azo compound include azo compounds such as α, α′-azobisisobutyronitrile and α, α′-azobis (2,4-dimethylvaleronitrile).
[0035]
Examples of the chlorination reaction catalyst include inorganic peroxides such as hydrogen peroxide exemplified above; peroxide compounds including organic peroxides; azo compounds alone or in combination of two or more. good.
[0036]
The addition amount of the chlorination reaction catalyst is preferably in the range of 0.001 to 0.5% by weight, more preferably 0.005 to 0.1% by weight with respect to PVC (weight).
[0037]
The essence of the present invention described above is that the surface state and particle surface area of PVC and the chlorination reaction conditions are limited, so that chlorination can proceed uniformly and high heat resistance and easy gelation can be achieved. is there.
[0038]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples.
[0039]
Example 1
[Preparation of PVC]
Polymerizer (pressure autoclave) with an internal volume of 100 liters, 50 kg of deionized water and 450 mol of partially saponified polyvinyl acetate with an average saponification degree of 72 mol% and a polymerization degree of 700 mol / vinyl chloride monomer, sorbitan monolaurate 1,200 ppm, 1,200 ppm of lauric acid, 150 ppm of polyacrylamide (Brookfields viscosity of a 0.1 wt% aqueous solution at 20 ° C., 1 atm) and 550 ppm of t-butylperoxyneodecanoate were added. Next, after the inside of the polymerization vessel was deaerated to 45 mmHg, 33 kg of vinyl chloride monomer was charged and stirring was started. The polymerization was started by raising the temperature of the polymerization vessel to 57 ° C., and this temperature was maintained until the polymerization reaction was completed.
[0040]
The reaction was terminated when the polymerization conversion rate reached 90%, and the unreacted monomer in the polymerization vessel was recovered. Then, the polymer was taken out of the system in a slurry state and dehydrated and dried to obtain PVC. The obtained PVC has a BET specific surface area of 3.7 m. 2 / G. The ESCA analysis value indicating the presence of the skin layer was 0.80. In addition, the measurement of the BET specific surface area and ESCA analysis was implemented by the following method.
[0041]
[Preparation of CPVC]
A titanium pressure-resistant reaction tank having an internal volume of 250 liters was charged with 60 kg of deionized water (to the resin amount ratio = 3) and 20 kg of the PVC obtained above (this is set to 1), and stirred to disperse the PVC in water. The reaction vessel was then kept at 30 ° C. Subsequently, nitrogen gas was blown into the reaction tank, and the inside of the tank was replaced with nitrogen gas. Next, 40 kg of liquid chlorine (with respect to the resin amount ratio = 2) which was previously kept at 30 ° C. was introduced into the reaction vessel. At this time, the pressure in the reactor was 0.8 MPa. After introducing liquid chlorine, the mixture was stirred for about 1 hour while being kept at 30 ° C. Thereafter, t-butylperoxy-2-ethylhexanoate as a chlorination reaction catalyst was added at 300 ppm (weight ratio) to PVC to initiate the chlorination reaction. Thereafter, the concentration of hydrochloric acid in the tank is measured to continue the chlorination reaction while confirming the progress of the chlorination reaction. When the chlorine content of the produced CPVC reaches 69.0% by weight, the chlorination reaction is performed. Was terminated. The reaction time was 160 minutes. Further, nitrogen gas was blown into the tank to remove unreacted chlorine, and the resulting resin was neutralized with sodium hydroxide, washed with water, dehydrated and dried to obtain powdery CPVC. The CPVC of the obtained CPVC was 69.0% by weight.
[0042]
(Example 2)
[Preparation of PVC]
A polymerizer (pressure-resistant autoclave) with an internal volume of 100 liters, 50 kg of deionized water, and 700 mol% of partially saponified polyvinyl acetate having an average saponification degree of 76 mol% and a polymerization degree of 700 ppm with respect to the vinyl chloride monomer, polyoxyethylene alkyl 150 ppm of ether sulfate ester salt and 500 ppm of t-butylperoxyneodecanoate were added. Next, after the inside of the polymerization vessel was deaerated to 45 mmHg, 33 kg of vinyl chloride monomer was charged and stirring was started. The polymerization was started by raising the temperature of the polymerization vessel to 57 ° C., and this temperature was maintained until the polymerization reaction was completed.
[0043]
The reaction was terminated when the polymerization conversion rate reached 90%, and the unreacted monomer in the polymerization vessel was recovered. Then, the polymer was taken out of the system in a slurry state and dehydrated and dried to obtain PVC. The obtained PVC has a BET specific surface area of 1.4 m. 2 / G. The ESCA analysis value indicating the presence of the skin layer was 0.65.
[0044]
[Preparation of CPVC]
The chlorination reaction conditions were the same as in Example 1 except for the conditions shown in Table 1. However, the reaction time was 170 minutes.
[0045]
Example 3
The PVC was prepared in the same manner as in Example 1.
CPVC was prepared as shown in Table 1. The reaction temperature was 40 ° C., and the reaction was carried out by irradiating the inside of the reactor with ultraviolet rays using a mercury lamp to carry out a chlorination reaction. The pressure during the chlorination reaction was in the range of 1.1 to 0.9 MPa. The same catalyst as in Example 1 was used, and the amount added was 100 ppm with respect to PVC (weight comparison).
[0046]
Example 4
The PVC was prepared in the same manner as in Example 1.
CPVC was prepared as shown in Table 1. The reaction temperature was set to 30 ° C., and chlorine was blown into the gaseous chlorine while observing the reactor pressure until the pressure reached 0.8 MPa. The reaction was a chlorination reaction using only thermal energy. The pressure during the chlorination reaction was in the range of 0.8 to 0.6 MPa. The same catalyst as in Example 1 was used, and the amount added was 300 ppm with respect to PVC (weight comparison).
[0047]
(Example 5)
The PVC was prepared in the same manner as in Example 1.
CPVC was prepared as shown in Table 1. The reaction temperature was 20 ° C., and the reaction was chlorinated only with thermal energy. The pressure during the chlorination reaction was in the range of 0.6 to 0.5 MPa. The catalyst used was α, α′-azobis (dimethylvaleronitrile), and the amount added was 100 ppm with respect to PVC (weight comparison). The reaction time was 220 minutes.
[0048]
(Example 6)
The PVC was prepared in the same manner as in Example 1.
CPVC was prepared as shown in Table 1. The reaction temperature was 55 ° C., and chlorine was blown into the gaseous chlorine while observing the reactor pressure until the pressure reached 1.2 MPa. The reaction was performed by irradiating the inside of the reactor with ultraviolet rays using a mercury lamp. The pressure during the chlorination reaction was in the range of 1.2 to 1.0 MPa. The catalyst used was α, α′-azobis (dimethylvaleronitrile), and the amount added was 100 ppm with respect to PVC (weight comparison).
[0049]
(Comparative Example 1)
[Preparation of PVC]
Suspended 1,200 ppm of partially saponified polyvinyl acetate having an average saponification degree of 72 mol% and a polymerization degree of 750 with respect to 50 kg of deionized water and a vinyl chloride monomer in a 100 liter polymerization vessel (pressure-resistant autoclave) After conversion as a dispersant, 550 ppm of t-butyl peroxyneodecanoate was added. Next, after the inside of the polymerization vessel was deaerated to 45 mmHg, 33 kg of vinyl chloride monomer was charged and stirring was started.
The polymerization was started by raising the temperature of the polymerization vessel to 57 ° C., and this temperature was maintained until the polymerization reaction was completed.
[0050]
The reaction was terminated when the polymerization conversion rate reached 90%, and the unreacted monomer in the polymerization vessel was recovered. Then, the polymer was taken out of the system in a slurry state and dehydrated and dried to obtain PVC. The obtained PVC has a BET specific surface area of 0.7 m. 2 / G. The ESCA analysis value indicating the presence of the skin layer was 0.20.
CPVC was prepared in the same manner as in Example 1.
[0051]
(Comparative Example 2)
The PVC was prepared in the same manner as in Example 1.
In the preparation of CPVC, as in Example 5, liquid chlorine was used as the chlorine source, the reaction temperature was 15 ° C., and the reaction was chlorinated only by thermal energy. The pressure during the chlorination reaction was in the range of 0.5 to 0.4 MPa. Further, t-butylperoxy-2-ethylhexanoate was used as a catalyst, and the amount added was 100 ppm with respect to PVC (weight comparison). The reaction time was 360 minutes.
[0052]
(Comparative Example 3)
The PVC was prepared in the same manner as in Example 1.
In the preparation of CPVC, as in Example 5, liquid chlorine was used as the chlorine source, the reaction temperature was 70 ° C., and the reaction was chlorinated only by thermal energy. The pressure during the chlorination reaction was in the range of 2.2 to 2.1 MPa. As the catalyst, α, α′-azobis (dimethylvaleronitrile) was used, and the amount added was 300 ppm with respect to PVC (weight comparison). The reaction time was 230 minutes.
[0053]
(Comparative Examples 4 and 5)
The PVC was prepared in the same manner as in Comparative Example 1.
In the preparation of CPVC, in both Comparative Examples 4 and 5, gaseous chlorine was used as the chlorine source, an ultraviolet lamp was used, and the reaction temperature was 70 ° C. In Comparative Examples 4 and 5, no chlorination reaction catalyst was used. The amount of the aqueous medium was changed in Comparative Examples 4 and 5. The reaction times were 480 minutes and 600 minutes, respectively.
The following performance evaluation was performed on the CPVC obtained in Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 5, and the results are shown in Tables 1 and 2.
[0054]
[Table 1]
Figure 0003802668
[0055]
[Table 2]
Figure 0003802668
[0056]
〔Evaluation methods〕
(1) Measurement of BET specific surface area
About 2 g of the measurement sample was put into the sample tube, and as a pretreatment, the sample was vacuum degassed at 70 ° C. for 3 hours, and then the sample weight was accurately measured. The sample after the pretreatment was attached to the measurement unit (40 ° C. constant temperature bath) and measurement was started. After the measurement, a BET plot was performed from the adsorption side data of the adsorption isotherm to calculate the specific surface area.
A specific surface measuring device “BELSORP 28SA” (manufactured by Nippon Bell Co., Ltd.) was used as the measuring device, and nitrogen gas was used as the measuring gas.
[0057]
(2) ESCA analysis
The surface of the PVC particles is scanned with ESCA (Electron Spectroscopy for Chemical Analysis), and C 1S (Carbon), Cl 1S (Chlorine), O 1S The vinyl chloride resin component on the particle surface was quantitatively analyzed based on the amount of chlorine from each peak area of (oxygen).
・ Equipment: “JPS-90FX” manufactured by JEOL Ltd.
・ Use conditions: X-ray source (Mg Kα ray), 12 kV-15 mA
Scan speed: 200 ms / 0.1 eV / scan
・ Pass energy: 30eV
[0058]
(3) Workability (measurement of gelation temperature)
Using a Haake plast mill “Leocord 90”, 55 g of the following resin composition is kneaded while increasing the temperature from 150 ° C. at a heating rate of 5 ° C. at a rotation speed of 40 rpm to maximize the kneading torque. The temperature of the hour was measured. In addition, as a resin composition, what consists of 3 weight part of tribasic lead sulfate, 1 weight part of dibasic lead stearate, and 10 weight part of MBS resin with respect to 100 weight part of CPVC was used.
[0059]
(4) Thermal stability test
The above resin composition was supplied to a kneader comprising two 8-inch rolls, kneaded at a roll surface temperature of 205 ° C., and the CPVC resin sheet wound around every 30 seconds after the kneaded material was wound around the roll, A small amount of sheet was cut out every minute, the degree of coloration of the sheet was compared, and the thermal stability was determined by the time to turn blackish brown.
[0060]
(5) Vicat softening temperature
The 5 mm thick CPVC sheet produced in the thermal stability test was cut into a 15 mm square to make a measurement sample, and measured according to J1S K 7206 (weight 1.0 kgf).
[0061]
【The invention's effect】
CPVC obtained by the present invention is excellent in gelation performance and heat resistance because it has the above-mentioned resin structure.

Claims (1)

塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法であって、前記塩化ビニル系樹脂は、BET比表面積値が1.3〜8m2 /gであり、ESCA分析(電子分光化学分析)による粒子表面分析において、炭素元素と塩素元素との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が、0.6を超えるものであり、且つ、
塩素化反応において、塩化ビニル系樹脂を水性媒体中で懸濁状態となした後、反応器内に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を20〜60℃の範囲で、反応器内のゲージ圧力が0.5〜2MPaの範囲で、塩素化反応を行うことを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
A method for producing a chlorinated vinyl chloride resin obtained by chlorinating a vinyl chloride resin, wherein the vinyl chloride resin has a BET specific surface area of 1.3 to 8 m 2 / g and is subjected to ESCA analysis (electron content). In the particle surface analysis by photochemical analysis), the peak ratio (chlorine element peak × 2 / carbon element peak) in the 1S bond energy value (eV) between carbon element and chlorine element exceeds 0.6, and
In the chlorination reaction, after the vinyl chloride resin is suspended in an aqueous medium, liquid chlorine or gaseous chlorine is introduced into the reactor, and the reaction temperature is in the range of 20 to 60 ° C. A method for producing a chlorinated vinyl chloride resin, characterized by carrying out a chlorination reaction in a gauge pressure range of 0.5 to 2 MPa.
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