JP3800545B2 - 解析装置、解析方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Description
非特許文献3については後述する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
(ステップ1)
状態検出部450は、染色体20上の1番目の遺伝子に隣接する0番目の遺伝子があると仮定した場合にその遺伝子についての各遺伝子状態si (i=1,2,3)に対しての最大の確率値及びその確率値を与える直前の状態を初期化する(式(11))。例えば、状態検出部450は、各遺伝子状態si (i=1,2,3)に対しての最大の確率値を、行列Qの固有値を1とした場合の固有ベクトルの各要素により初期化する。
本図においては、具体的には、状態検出部450は、検出した異常領域を、点線の矩形領域として表示する。このように、解析装置40は、発現量を詳細に測定するのみでは検出できない異常領域をも適切に検出できる。
(項目2) 前記状態遷移確率供給部は、染色体上の各々の遺伝子について、当該遺伝子及び当該遺伝子の隣接遺伝子の距離を取得し、当該距離がより短い場合に当該距離がより長い場合と比較して当該遺伝子及び当該隣接遺伝子の遺伝子状態が同一となる確率をより高くする前記状態遷移確率を生成する項目1記載の解析装置。
(項目4) 各遺伝子の前記遺伝子状態は、当該遺伝子が染色体の欠損領域にある旨を示す欠損状態、当該遺伝子が染色体の増幅領域にある旨を示す増幅状態、及び当該遺伝子が染色体の正常領域にある旨を示す正常状態の何れかであり、前記確率分布格納部は、遺伝子が前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の各々である場合における、当該遺伝子の発現量の確率分布を格納し、前記状態遷移確率供給部は、前記染色体上に配列された各遺伝子について、当該遺伝子が前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の各々である場合に、当該遺伝子の隣接遺伝子が前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の各々となる確率を、前記状態遷移確率として供給し、前記状態検出部は、前記染色体上の遺伝子の各々が前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の何れかである全ての組合せのうち、前記複数の遺伝子の発現量が前記発現量測定値となる確率を最大にする組合せを検出する項目3記載の解析装置。
(項目5) 前記染色体において連続する前記欠損領域の長さである欠損距離の予測値と、前記染色体において連続する前記増幅領域の長さである増幅距離の予測値とを入力する予測値入力部を更に備え、前記単位距離遷移確率供給部は、前記染色体上を一端から順次観測する場合において、前記欠損領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率を、前記予測値入力部により入力された前記欠損距離の逆数に前記単位距離を乗じることにより生成し、前記増幅領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率を、前記予測値入力部により入力された前記増幅距離の逆数に前記単位距離を乗じることにより生成する項目4記載の解析装置。
(項目7) 前記単位距離遷移確率供給部は、前記染色体の所定の位置が前記欠損領域、前記増幅領域、及び前記正常領域となる確率を示すベクトルに基づいて、当該所定の位置から前記単位距離離れた位置が前記欠損領域、前記増幅領域、及び前記正常領域となる確率を示すベクトルを算出する行列Qを、前記単位距離遷移確率として供給し、前記状態遷移確率供給部は、前記染色体上の距離が前記単位距離のL倍である隣り合う2つの遺伝子間の前記状態遷移確率であるQ(L)として、前記行列Qの各固有ベクトルを行方向に並べた行列Wの逆行列と、前記行列Qの各固有値を対角成分に配列した行列ΛのL乗と、前記行列Wとの積を生成する項目4記載の解析装置。
但し、行列Qは、式(21)で表される。式(21)で、前記染色体を一端から順次観測する場合において、前記欠損領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率をαとし、前記正常領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記欠損領域となる確率をβ1とし、前記正常領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記増幅領域となる確率をβ2とし、前記増幅領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率をγとする。
(項目9) 前記状態検出部は、前記複数の遺伝子状態を隠れ状態の集合とし、前記発現量測定値が示す前記複数の遺伝子の発現量を出力系列とし、前記確率分布を各遺伝子状態における出力確率とした隠れマルコフモデルについて、当該隠れマルコフモデルにおいて状態遷移確率を最大にする状態遷移系列を算出することにより、前記複数の遺伝子の発現量が前記発現量測定値となる確率を最大にする組合せを検出する項目1記載の解析装置。
(項目10) 遺伝子の発現量に基づいて染色体の状態を解析する解析方法であって、前記染色体上に配列された複数の遺伝子の各々は、互いに発現量が異なる複数の遺伝子状態の何れかをとり、遺伝子の発現量の確率分布が遺伝子状態毎に定まっており、前記染色体上の各々の遺伝子について、当該遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々である場合に、前記染色体上で当該遺伝子の隣に配列される隣接遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々となる確率を示す状態遷移確率を供給する状態遷移確率供給段階と、前記染色体上の各々の遺伝子についての発現量の測定値である発現量測定値を入力する発現量入力段階と、前記染色体上の複数の遺伝子がとり得る遺伝子状態の組合せのうち、前記複数の遺伝子の発現量が前記発現量測定値となる確率を最大にする組合せを、前記確率分布及び前記状態遷移確率に基づいて検出する状態検出段階とを備える解析方法。
(項目11) 遺伝子の発現量に基づいて染色体の状態を解析する解析装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記染色体上に配列された複数の遺伝子の各々は、互いに発現量が異なる複数の遺伝子状態の何れかをとり、前記コンピュータを、遺伝子の発現量の確率分布を遺伝子状態毎に格納する確率分布格納部と、前記染色体上の各々の遺伝子について、当該遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々である場合に、前記染色体上で当該遺伝子の隣に配列される隣接遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々となる確率を示す状態遷移確率を供給する状態遷移確率供給部と、前記染色体上の各々の遺伝子についての発現量の測定値である発現量測定値を入力する発現量入力部と、前記染色体上の複数の遺伝子がとり得る遺伝子状態の組合せのうち、前記複数の遺伝子の発現量が前記発現量測定値となる確率を最大にする組合せを、前記確率分布及び前記状態遷移確率に基づいて検出する状態検出部として機能させるプログラム。
(項目12) 項目11記載のプログラムを記録した記録媒体。
20 染色体
30 測定装置
40 解析装置
300 塩基
400 確率分布格納部
410 予測値入力部
420 単位距離遷移確率供給部
430 状態遷移確率供給部
435 遺伝子データベース
440 発現量入力部
450 状態検出部
Claims (11)
- 遺伝子の発現量に基づいて染色体の状態を解析する解析装置であって、
前記染色体上に配列された複数の遺伝子の各々は、互いに発現量が異なる複数の遺伝子状態の何れかをとり、
遺伝子の発現量の確率分布を遺伝子状態毎に格納する確率分布格納部と、
前記染色体上の各々の遺伝子について、当該遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々である場合に、前記染色体上で当該遺伝子の隣に配列される隣接遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々となる確率を示す状態遷移確率を供給する状態遷移確率供給部と、
前記染色体上の各々の遺伝子についての発現量の測定値である発現量測定値を入力する発現量入力部と、
前記染色体上の複数の遺伝子のそれぞれについての遺伝子状態の集合を隠れ状態の集合とし、前記複数の遺伝子について入力された複数の前記発現量測定値の集合を出力系列とし、前記確率分布格納部に格納された前記確率分布を各遺伝子状態における出力確率とし、前記状態遷移確率供給部から供給された前記状態遷移確率により隣接する隠れ状態の間で遺伝子状態が遷移するものとした隠れマルコフモデルから、前記出力系列を出力する確率を最大とする前記隠れ状態の状態遷移系列を算出することにより、前記複数の遺伝子の発現量が対応する複数の前記発現量測定値となる確率を最大とする前記複数の遺伝子のそれぞれの遺伝子状態を検出する状態検出部と
を備える解析装置。 - 前記染色体上で隣り合って配列される遺伝子間の距離を記憶した遺伝子データベースを更に備え、
前記状態遷移確率供給部は、前記染色体上の各々の遺伝子について、当該遺伝子及び当該遺伝子の隣接遺伝子の間の距離を前記遺伝子データベースから取得し、当該距離がより短い場合に当該距離がより長い場合と比較して当該遺伝子及び当該隣接遺伝子の遺伝子状態が同一となる確率をより高くする前記状態遷移確率を生成する
請求項1記載の解析装置。 - 前記染色体上で予め定められた単位距離離れて2つの遺伝子が隣接して配列される場合における、一方の遺伝子及び他方の遺伝子との間の状態遷移確率である単位距離遷移確率を供給する単位距離遷移確率供給部を更に備え、
前記状態遷移確率供給部は、前記単位距離遷移確率を、前記染色体上で隣り合う2つの遺伝子間の距離に応じた回数乗じることにより、当該2つの遺伝子間の前記状態遷移確率を生成する
請求項2記載の解析装置。 - 各遺伝子の前記遺伝子状態は、当該遺伝子が染色体の欠損領域にある旨を示す欠損状態、当該遺伝子が染色体の増幅領域にある旨を示す増幅状態、及び当該遺伝子が染色体の正常領域にある旨を示す正常状態の何れかであり、
前記確率分布格納部は、遺伝子が前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の各々である場合における、当該遺伝子の発現量の確率分布を格納し、
前記状態遷移確率供給部は、前記染色体上に配列された各遺伝子について、当該遺伝子が前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の各々である場合に、当該遺伝子の隣接遺伝子が前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の各々となる確率を、前記状態遷移確率として供給し、
前記状態検出部は、前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態の何れかをそれぞれの前記隠れ状態とする前記隠れマルコフモデルから、それぞれの前記隠れ状態について算出した前記欠損状態、前記増幅状態、及び前記正常状態のいずれかの遺伝子状態を連結した前記状態遷移系列を生成する
請求項3記載の解析装置。 - 前記染色体において連続する前記欠損領域の長さである欠損距離の予測値と、前記染色体において連続する前記増幅領域の長さである増幅距離の予測値とを入力する予測値入力部を更に備え、
前記単位距離遷移確率供給部は、前記染色体上を一端から順次観測する場合において、前記欠損領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率を、前記予測値入力部により入力された前記欠損距離の逆数に前記単位距離を乗じることにより生成し、前記増幅領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率を、前記予測値入力部により入力された前記増幅距離の逆数に前記単位距離を乗じることにより生成する
請求項4記載の解析装置。 - 前記予測値入力部は、更に、前記欠損領域、前記増幅領域、及び前記正常領域の比率である領域比率の予測値を入力し、
前記単位距離遷移確率供給部は、前記単位距離遷移確率のうち、前記染色体上で前記単位距離離れた位置の一方が前記欠損領域であり、かつ他方が前記増幅領域となる確率として0を生成し、前記予測値入力部により入力された前記領域比率に更に基づいて、他の単位距離遷移確率を生成する
請求項5記載の解析装置。 - 前記単位距離遷移確率供給部は、前記染色体の所定の位置が前記欠損領域、前記増幅領域、及び前記正常領域となる確率を示すベクトルに基づいて、当該所定の位置から前記単位距離離れた位置が前記欠損領域、前記増幅領域、及び前記正常領域となる確率を示すベクトルを算出する行列Qを、前記単位距離遷移確率として供給し、
前記状態遷移確率供給部は、前記染色体上の距離が前記単位距離のL倍である隣り合う2つの遺伝子間の前記状態遷移確率であるQ(L)として、前記行列Qの各固有ベクトルを行方向に並べた行列Wの逆行列と、前記行列Qの各固有値を対角成分に配列した行列ΛのL乗と、前記行列Wとの積を生成する
請求項4記載の解析装置。
但し、行列Qは、式(1)で表される。式(1)で、前記染色体を一端から順次観測する場合において、前記欠損領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率をαとし、前記正常領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記欠損領域となる確率をβ1とし、前記正常領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記増幅領域となる確率をβ2とし、前記増幅領域である位置から前記単位距離離れた位置が前記正常領域となる確率をγとする。
- 前記状態検出部は、検出した遺伝子状態の組に基づいて、更に、前記増幅状態の遺伝子が連続する部分又は前記欠損状態の遺伝子が連続する部分の中で、隣接する遺伝子間の距離が予め定められた長さ以下である部分を、前記染色体上の異常領域として検出して表示する
請求項4記載の解析装置。 - 遺伝子の発現量に基づいて染色体の状態を解析する解析方法であって、
前記染色体上に配列された複数の遺伝子の各々は、互いに発現量が異なる複数の遺伝子状態の何れかをとり、
遺伝子の発現量の確率分布が遺伝子状態毎に定まっており、
前記染色体上の各々の遺伝子について、当該遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々である場合に、前記染色体上で当該遺伝子の隣に配列される隣接遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々となる確率を示す状態遷移確率を供給する状態遷移確率供給段階と、
前記染色体上の各々の遺伝子についての発現量の測定値である発現量測定値を入力する発現量入力段階と、
前記染色体上の複数の遺伝子のそれぞれについての遺伝子状態の集合を隠れ状態の集合とし、前記複数の遺伝子について入力された複数の前記発現量測定値の集合を出力系列とし、遺伝子状態毎に定められた前記確率分布を出力確率とし、前記状態遷移確率供給段階から供給された前記状態遷移確率により隣接する隠れ状態の間で遺伝子状態が遷移するものとした隠れマルコフモデルから、前記出力系列を出力する確率を最大とする前記隠れ状態の状態遷移系列を算出することにより、前記複数の遺伝子の発現量が対応する複数の前記発現量測定値となる確率を最大とする前記複数の遺伝子のそれぞれの遺伝子状態を検出する状態検出段階と
を備える解析方法。 - 遺伝子の発現量に基づいて染色体の状態を解析する解析装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記染色体上に配列された複数の遺伝子の各々は、互いに発現量が異なる複数の遺伝子状態の何れかをとり、
前記コンピュータを、
遺伝子の発現量の確率分布を遺伝子状態毎に格納する確率分布格納部と、
前記染色体上の各々の遺伝子について、当該遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々である場合に、前記染色体上で当該遺伝子の隣に配列される隣接遺伝子が前記複数の遺伝子状態の各々となる確率を示す状態遷移確率を供給する状態遷移確率供給部と、
前記染色体上の各々の遺伝子についての発現量の測定値である発現量測定値を入力する発現量入力部と、
前記染色体上の複数の遺伝子のそれぞれについての遺伝子状態の集合を隠れ状態の集合とし、前記複数の遺伝子について入力された複数の前記発現量測定値の集合を出力系列とし、前記確率分布格納部に格納された前記確率分布を各遺伝子状態における出力確率とし、前記状態遷移確率供給部から供給された前記状態遷移確率により隣接する隠れ状態の間で遺伝子状態が遷移するものとした隠れマルコフモデルから、前記出力系列を出力する確率を最大とする前記隠れ状態の状態遷移系列を算出することにより、前記複数の遺伝子の発現量が対応する複数の前記発現量測定値となる確率を最大とする前記複数の遺伝子のそれぞれの遺伝子状態を検出する状態検出部と
して機能させるプログラム。 - 請求項10記載のプログラムを記録した記録媒体。
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