JP3800104B2 - ガス流速計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス流速計に関する。
【0002】
【従来の技術】
流速を測定する方法として、ピトー管を用いた方法が知られている。車両用の熱交換器を通過するガスの流速の測定についても、ピトー管を用いた流速計を熱交換器の空気吸込み側に取り付けて実施している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年は車両用の熱交換器において空気吸込み側(前方側)のクリアランスが狭くなり、ピトー管を設置するための空間の確保が困難になっている。ピトー管を用いた流速計の測定精度向上のために重要であるピトー管の助走区間や整流板を設置するための空間の確保も同様に困難となっている。車両用の熱交換器の後方側にはシュラウドや冷却ファン等との干渉が発生するため、ピトー管を用いた流速計を取り付けることは物理的に困難である。
【0004】
また、ピトー管を用いた流速計は飛行機の速度測定にも使用されており比較的高速流の測定に適し、一般に2〜3m/s以上の風速を測定する場合に適することが知られている。一方、車両用の熱交換器近傍の風速測定では熱交換器の性能を評価するために1m/s以下の風速を測定できることが要求される。計測対象が乱流かつ低速である場合はピトー管を用いた流速計の測定精度は十分ではない。低速流でも測定精度が確保できる流速計として熱線式流速計やプロペラ式流速計が知られているが、これらの場合も設置空間が不足するとともに熱交換器による温度環境の影響も受け易いので、車両用の熱交換器の風速を計測することには適さない。
【0005】
さらに、冷却フィンと冷却流体が流れるチューブとを組み合わせた車両用の熱交換器では、冷却フィンの影響でチューブとチューブとの間に風速分布のばらつきがある。ピトー管式の場合は全圧を取り込む部分は一点であるため、設置位置によって測定値にばらつきが発生し、熱交換器のチューブ間の風速の平均を測定することは困難である。風速の平均を測定する目的を達成するものとして、特開平11−211525号公報にピトー管を複数設置したフローセンサを用いる技術が記載されている。しかし、ピトー管式であるために車両用の熱交換器の前方に設置するための空間の確保が十分にできない。
【0006】
本発明は、上記従来技術に伴う課題に鑑みてなされたものであり、ピトー管を用いた流速計が設置できないような狭い場所に設置することができ、低速の風速をも高い精度で測定でき、一定範囲の風速分布のばらつきを平均化した風速の測定ができる流速計を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0008】
(1)ガス流通路内を流通するガスの全圧を取り出す全圧取り出し部と、静圧を取り出す静圧取り出し部とを有し、取り出した全圧と静圧との差である動圧に基づいてガスの流速を測定するガス流速計において、
前記全圧取り出し部は、
ガス流通路にガス流れ方向に沿って配置され両端が開口された中空筒体と、
前記中空筒体の内面に沿って形成され、前記ガス流れ方向の上流側端部が開口されるとともに前記ガス流れ方向の下流側端部が閉塞された全圧導入溝と、
前記全圧導入溝よりも内方に形成される中心孔と、
前記中空筒体に軸直交方向に貫通して形成され、前記全圧導入溝に連通する全圧検出口と、
前記全圧検出口に接続され、前記全圧導入溝内に導入した全圧を取り出す全圧配管と、を含み、
前記静圧取り出し部は、
前記中空筒体内に形成され、前記全圧取り込み部の前記中心孔の軸直交断面積よりも大きな軸直交断面積を有する静圧導入通路と、
前記中空筒体に軸直交方向に貫通して形成され、前記静圧導入通路に連通する静圧検出口と、
前記静圧検出口に接続され、前記中心孔を通過して前記静圧導入通路に流下した静圧を取り出す静圧配管と、を含んでいることを特徴とするガス流速計。
【0009】
(2)前記ガス流通路は、軸直交断面において複数のガス通過領域に区画され、
前記中空筒体は、前記全圧導入溝が1つの前記ガス通過領域内に位置するように配置されていることを特徴とする(1)に記載のガス流速計。
【0010】
(3)前記中空筒体の端部と前記ガス通過領域との間の隙間を閉塞するシール部材をさらに含むことを特徴とする(2)に記載のガス流速計。
【0011】
(4)前記ガス通過領域は、
熱交換器において、対向する一対のチューブで区画された通路を少なくとも一つ含んでいることを特徴とする(3)に記載のガス流速計。
【0012】
(5)前記全圧導入溝の開口部位に、複数の全圧導入孔が形成された蓋部材を設けたことを特徴とする(1)に記載のガス流速計。
【0013】
(6)前記全圧導入孔は、前記全圧検出口の前記ガス流れ方向の上流側に位置していないことを特徴とする(5)に記載のガス流速計。
【0014】
(7)前記複数の全圧導入孔は、等間隔に配置されていることを特徴とする(5)に記載のガス流速計。
【0015】
(8)前記複数の全圧導入孔の数は、4の倍数であることを特徴とする(5)に記載のガス流速計。
【0016】
【発明の効果】
上記のように構成した本発明は以下の効果を奏する。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、全圧導入溝はピトー管を用いた流速計における全圧の取入口を複数有することに等しいため、広範囲の複数の全圧を同時に取り入れることができ、全圧導入溝が配置された範囲内の全圧のばらつきを平均化した値を測定することができる。中心孔の内部を通過したガスが静圧導入通路に流出すると、ガスの容積が膨張することによってガスの圧力が低下する。このため、流速が低い場合であっても全圧と静圧との差を大きくとることができ、高い精度で低流速の測定をすることができる。静圧を取り込むときは中心孔が助走区間の役目を果たすため、流速計を小型化でき、狭い空間にも導入することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、測定目標とする区画されたガス通過領域内に存在する流速分布を、適確に平均化して測定することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、中空筒体の端部とガス通過領域との隙間を無くすことによって、隙間へのガスの流出と隙間からの風の巻き込みとを防止し、測定精度を向上することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、熱交換器のチューブ間に存在する流速分布を、適確に平均化して測定することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、全圧導入孔が形成された蓋部材がピトー管を用いた流速計における整流板に相当する役割を果たすために、より安定した測定をすることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、乱れたガスの流れを直接に全圧検出口へ取り込まないため、安定した測定ができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、全圧導入孔が均等に割り振られているため、確実に全圧を平均化することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、流速計の取り付け方向を全圧導入孔の数に等しい方向を選択することができ、配管の引き回し方向に応じた流速計の設置をすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1はガス流速計10の概略図であり、図1(A)は正面図を、図1(B)は側面図をそれぞれ示している。図2は全圧取り出し部と静圧取り出し部とが一体となって形成されたヘッド部20の概略図であり、図2(A)は正面図を、図2(B)は側面図を、図2(C)は同図(A)のC−C方向の断面図をそれぞれ示している。
【0027】
本発明のガス流速計10は、例えば車両用の熱交換器に設置される部品の一つでありブラケット11によって熱交換器に固定される。このようなガス流速計10は設置スペースをとらず、低速の空気の流れをも高精度で測定でき、そして測定のばらつきが無いことが要求される。
【0028】
ガス流速計10はガス流通路内を流通するガスの全圧を取り出す全圧取り出し部20aと、静圧を取り出す静圧取り出し部20bとを有し、取り出した全圧と静圧との差である動圧に基づいてガスの流速を計測部12を用いて算出する。本実施形態では、全圧取り出し部20aと静圧取り出し部20bとは一体となって、ヘッド部20を形成している。説明の便宜上、図1(B)の左側を前方、右側を後方と称する。
【0029】
ヘッド部20前方に位置する全圧取り出し部20aは、ガス流通路にガス流れ方向(前方から後方)に沿って配置され、両端が開口された円筒形の中空筒体21で覆われている。中空筒体21には、内面に沿って前方が開口されるとともに、後方端が閉塞された全圧導入溝22が形成される。全圧導入溝22よりも内方には中心孔23が形成される。中空筒体21に軸直交方向に貫通し、全圧導入溝22に連通する全圧検出口24が形成される。全圧検出口24には、全圧導入溝22内に導入した全圧を取り出す全圧配管31が接続される。
【0030】
ヘッド部20後方に位置する静圧取り出し部20bは、中空筒体21内に、全圧取り出し部20aの中心孔23の軸直交断面積よりも大きな軸直交断面積を有する静圧導入通路25が形成される。中空筒体21に軸直交方向に貫通し、静圧導入通路25に連通する静圧検出口26が形成される。静圧検出口26には、中心孔23を通過して静圧導入通路25に流下した静圧を取り出す静圧配管32が接続されている。
【0031】
上述したヘッド部20は円筒形状の断面を有しているが、楕円や多角形など、いかなる断面形状を有していても構わない。
【0032】
上述した構造であれば、全圧導入溝22がピトー管を用いたガス流速計における全圧の取入口を複数有することと等しくなるために測定領域の複数の全圧を同時に効率良く取り入れることができ、さらに全圧を平均化した上で計測部12に取り入れた全圧を送ることができる。静圧導入通路25の方が中心孔23よりも大きく、いわゆるオリフィスを形成している。オリフィスの原理を利用することにより、中心孔23の内部を通過する空気が静圧導入通路25に流出すると容積が膨張し圧力が低下する。このため、全圧検出口24より測定される全圧と静圧検出口26より測定される静圧との差が大きくなり、高い精度で低流速を測定することができる。
【0033】
静圧を取り込むときには中心孔23が助走区間の役目を果たすためピトー管を用いる場合と比較して本発明のヘッド部20を短くすることができ、狭い空間にも設置することができる。ヘッド部20を用いて実際に流速を測定するには、全圧検出口24より全圧を、静圧検出口26より静圧を、それぞれ全圧配管31と静圧配管32とを介して計測部12に取り入れ、全圧と静圧との差から動圧を求め、事前にガス流速計10毎に動圧と流速との関係を求めた校正式により流速に換算する。
【0034】
さらに、より実際の測定に適したガス流速計とするための構造を以下に記す。
【0035】
ガス流通路は、軸直交断面において複数のガス通過領域に区画されている。区画されたガス通過領域内には、風速分布のばらつきが発生することがある。本発明のヘッド部20の構成であれば、中空筒体21の全圧導入溝22が1つのガス通過領域内に位置するように配置した。かかる構成によれば、風速分布のばらつきを平均化した全圧を、全圧配管31を介して計測部12へ送ることができる。
【0036】
図3(A)(B)は車両用の熱交換器に設置したガス流速計10の一部を正面から示した概念図である。本実施形態では、中空筒体21の内径をガス通過領域の幅に合わせて形成する。たとえば、車両用の熱交換器に用いる場合のガス通過領域は、対向する一対のチューブ41で区画された通路の幅である。冷却フィン42の影響によって(中央部分が遅い)流速分布のばらつきが発生するが、本発明のヘッド部20の構成であればガス通過領域の全幅に渡ってガスを取り込むことができるため、冷却フィン42の影響による流速分布のばらつきを平均化した全圧を全圧配管31を介して計測部12へ送ることができる。なお、複数のガス通過領域を含むように、中空筒体21の内径を大きく形成することもできる。
【0037】
図4は上述した構成によるガス流速計10のヘッド部20を車両用の熱交換器51に設置した状態を横から見た図である。
【0038】
本発明のガス流速計10を車両用の熱交換器51に用いる場合は中空筒体21の一端を熱交換器51の前方面(図5(A))もしくは後方面(図5(B))に接触させて設置する。上述された構成のみでは、ヘッド部20の中空筒体21の端部とチューブ41との間に隙間が発生するため、ファン52やシュラウド53による図4に矢印で示す空気の流れの乱れの影響を大きく受ける。熱交換器51の前方に設置した場合は隙間からガスが漏れ出し、熱交換器51の後方面に設置した場合には通過したガスを再び巻き込んでしまうため、実際の流速と異なる値が計測される虞がある。したがって、ヘッド部20を熱交換器51の前方と後方との同軸上に設置しても測定される差圧が大きく異なり、設置位置を熱交換器51の前方もしくは後方に付け替えるたびに計測部12の校正式を大きく修正することになり、ガス流速計10の汎用性が劣ることになる。
【0039】
そこで、図5(A)(B)に示すように中空筒体21の端部のうち少なくとも熱交換器51に接する側に軟質材料からなるシール部材27を取り付ける。図5(A)(B)は中空筒体21の端部にガス通過領域との間の隙間を閉塞するシール部材27を備えたガス流速計10のヘッド部20を車両用の熱交換器51に設置した状態を横から見た図である。シール部材27は、ヘッド部20と熱交換器51とを密着させるために柔らかく、かつ熱交換器51が発する高温に耐えられる材質、例えばゴムからなる。
【0040】
図6は、縦軸に「熱交換器の後方面にガス流速計10を設置した場合に測定される流速」を、横軸に「熱交換器の前方面にガス流速計10を設置した場合に測定される流速」をとり、シール部材27の設置の有無による流速の測定結果を示したものである。ガス流速計のヘッド部20はそれぞれ熱交換器51を挟んで同軸上に設置した。シール部材27がない場合は熱交換器51の前方と後方とで同じ補正を行う計測部12を介して測定した場合であっても誤差が生じる。一方、シール部材27をつけると熱交換器の前方と後方とのどちらに設置してもほぼ同じ測定値を示しており、計測部12の校正式の補正を毎回設定し直す必要が無い。つまり、シール部材27によってヘッド部20と熱交換器51との隙間からの風の巻き込みを防止しヘッド部20に余分なガスが流入することがなくなることから計測部12の校正式の大幅な修正が不要となり、熱交換器51の前後いずれに設置しても計測精度を一定に保つことができる。もちろん、中空筒体21の両端部にシール部材27を取り付けても良い。両端部に取り付けた場合は熱交換器51の前方と後方とのいずれにも設置することが容易となる。本実施形態ではヘッド部20を熱交換器に設置したが、測定対象物は他のものであっても構わない。
【0041】
全圧導入溝22が開口されたままの場合は、全圧の取り込みがガスの流れの影響により不安定な状態となることがあり得る。例えば、熱交換器51の後方に取り付ける場合は、冷却フィン42の影響によって、流速分布が大きくなる。そこで、ガス通過領域の平均化された流速を得るために、全圧導入溝22に図7に示す複数の全圧導入孔61が形成された蓋部材60を設け、全圧を取り込む。図7(A)から(D)は全圧導入溝22の開口に設けられた蓋部材60に形成される複数の全圧導入孔61の位置と形状との例を示した図である。蓋部材60はリング状をしており、外径は中空筒体21の内径に等しく、内径は中心孔23の外径に等しい。蓋部材60は整流板の役目を果たすため、全圧導入溝22が開口されている場合と比較して、全圧導入溝22における空気の流れの影響を減少し、より安定した全圧の取り込みができるため、全圧の測定精度を向上させることができる。
【0042】
全圧導入孔61を、全圧検出口24のガス流れ方向の上流側、すなわち前方、に位置することなく設ける。全圧検出口24の前方から直接にガスを取り込まないことによって、全圧の取り入れを安定させることができる。
【0043】
全圧導入孔61を等間隔に配置して形成すれば、安定した全圧の平均化はさらに良好に行われることになる。均等に配置された全圧導入孔61の数が4の倍数であれば、図3(A)(B)に示すようにヘッド部20の取り付け方向を複数選択できる。たとえば、全圧導入孔61が4個の場合は90°毎に、8個の場合は45°毎に取り付け方向を選択することができる。各方向で測定値が変わらないので、配管を含めたガス流速計10全体の取り付け位置を複数選択でき、配管の引き回し方向に合わせて取り付けをすることができる。熱交換器に設置して用いられる場合は、蓋部材60の大きさと、加工上の問題と、効率的な全圧の取り入れとを考慮し、全圧導入孔61は、4個(図7(A))、8個(図7(B)(C))、12個(図7(D))のいずれかの数であることが好ましい。
【0044】
本発明のガス流速計10は、熱交換器の通過流速を測定することに限らず、例えば、配管通路等の局部的な流速測定をすることもできる。
【0045】
(実施例)
本実施例では、車両用の熱交換器51に接触させて測定する場合に用いられるガス流速計10を作製した。図2は、全圧取り出し部20aと静圧取り出し部20bとが一体となった、円筒形状のヘッド部20を示したものである。図2(A)は前方からの正面図、(B)は側面図、(C)はC−C方向の断面図である。ヘッド部20の材質は、軽量と放熱性と加工容易性との観点からアルミニウムを採用した。ヘッド部20の各部分の大きさを以下に記す。
【0046】
対象となる車両用の熱交換器51の冷却フィン42の幅すなわちチューブ41間の距離が9mmであるため、中空筒体21は内径が9mmの円筒にした。(図3参照)。シール部材27の外径は、ファン等によるガスの流れの乱れの影響を防ぐため、チューブ上に確実に接触させる大きさである14.5mmにした。中空筒体21の外壁にはシール部材27が確実にチューブ41に接触するためにシール部材止め具28が設けられている。
【0047】
全圧取り出し部20aのうち、中心孔23と蓋部材60とを含む、中空筒体21以外の部分を全圧導入部材70として、一体に作製した。図8は全圧導入部材70を示した図であり、図8(A)は前方からの正面図、図8(B)は後方からの正面図、図8(C)は側面の断面図である。中空筒体21の長さおよび全圧導入部材70の内径と長さとは、測定目標とする流速と中空筒体21の内径とを基にトライアンドエラーによって決定した。本実施例では中空筒体21の長さが8mmであり、全圧導入部材70は内径が6.5mm、長さが3mmである。全圧導入溝22は全圧を効率よく取り込むための大きさが要求され、本実施例では幅が1.4mm、深さが0.65mmである。蓋部材60と閉塞部29との厚みは、全圧導入部材70の長さと全圧導入溝22の大きさとから決定され、本実施例では、それぞれ0.8mmである。全圧導入部材70内径と全圧導入溝22の底との間の厚みは0.6mmである。
【0048】
全圧検出口24と静圧検出口26とには、計測部12に連通する外径が1.5mmで内径が0.8mmである全圧配管31と静圧配管32とが取り付けられる。全圧検出口24は全圧導入溝22に合わさる位置に設けられ、中心が中空筒体21の前方端から2.2mmとなっている。静圧検出口26は全圧導入部材70の後端の直後に設置することによって静圧をより安定して計測できるので、中心を中空筒体21の前方端から4.6mmに設けた。
【0049】
蓋部材は図2(A)に示されるように全圧導入孔61が形成されている。全圧導入孔61はガス流速計10の取り付け方向の自由度を考慮すると4の倍数が適しており、本実施例では、8個の全圧導入孔61を形成した。
【0050】
本実施例のヘッド部20を用いたガス流速計10と、従来のピトー管を用いたガス流速計とによって熱交換器の同じ位置にそれぞれのガス流速計を設置したときの流速を測定した結果を図9に示す。ピトー管では同じ流速を測定する場合により大きな全圧と動圧との差圧が必要となる。本実施例のヘッド部20を用いると同じ流速でも差圧が大きくなるため、対象となる領域の流速をより細かく測定できる。また、より低速の流体をも測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は、本発明に係るガス流速計の概略図の正面図、図1(B)は側面図である。
【図2】 図2(A)は、本発明に係るガス流速計のヘッド部を前方から見た正面図、図2(B)は側面図、図2(C)は同図(A)のC−C方向の断面図である。
【図3】 図3(A)は、車両用の熱交換器に設置したガス流速計の一部を前方から見た正面図であり、図3(B)は同図(A)のガス流速計を時計方向に90°回転させた位置に設置した概略図である。
【図4】 図4は、本発明に係るガス流速計のヘッド部を車両用の熱交換器に設置した状態の概略側面図である。
【図5】 図5(A)は、シール部材を備えた本発明に係るガス流速計を車両用の熱交換器の前方に設置した状態の概略側面図であり、図5(B)は同後方に設置した状態の概略側面図である。
【図6】 図6は、シール部材の設置の有無によるガス流速計の測定結果を示した図である。
【図7】 図7(A)から(D)は、全圧導入溝22の開口部分に設けられる蓋部材に形成された複数の全圧導入孔の位置と形状との例を示した図である。
【図8】 図8(A)は全圧導入部材を前方から見た図、図8(B)は同部材を後方から見た図、図8(C)は同部材を側面から見た断面図である。
【図9】 図9は、本発明に係るガス流速計とピトー管を用いたガス流速計とを同条件下で用いたときに測定された結果を示した図である。
【符号の説明】
10…ガス流速計
20a…全圧取り出し部
20b…静圧取り出し部
21…中空筒体
22…全圧導入溝
23…中心孔
24…全圧検出口
25…静圧導入通路
26…静圧検出口
27…シール部材
31…全圧配管
32…静圧配管
41…チューブ
51…熱交換器
60…蓋部材
61…全圧導入孔

Claims (8)

  1. ガス流通路内を流通するガスの全圧を取り出す全圧取り出し部と、静圧を取り出す静圧取り出し部とを有し、取り出した全圧と静圧との差である動圧に基づいてガスの流速を測定するガス流速計において、
    前記全圧取り出し部は、
    ガス流通路にガス流れ方向に沿って配置され両端が開口された中空筒体と、
    前記中空筒体の内面に沿って形成され、前記ガス流れ方向の上流側端部が開口されるとともに前記ガス流れ方向の下流側端部が閉塞された全圧導入溝と、
    前記全圧導入溝よりも内方に形成される中心孔と、
    前記中空筒体に軸直交方向に貫通して形成され、前記全圧導入溝に連通する全圧検出口と、
    前記全圧検出口に接続され、前記全圧導入溝内に導入した全圧を取り出す全圧配管と、を含み、
    前記静圧取り出し部は、
    前記中空筒体内に形成され、前記全圧取り込み部の前記中心孔の軸直交断面積よりも大きな軸直交断面積を有する静圧導入通路と、
    前記中空筒体に軸直交方向に貫通して形成され、前記静圧導入通路に連通する静圧検出口と、
    前記静圧検出口に接続され、前記中心孔を通過して前記静圧導入通路に流下した静圧を取り出す静圧配管と、を含んでいることを特徴とするガス流速計。
  2. 前記ガス流通路は、軸直交断面において複数のガス通過領域に区画され、
    前記中空筒体は、前記全圧導入溝が1つの前記ガス通過領域内に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス流速計。
  3. 前記中空筒体の端部と前記ガス通過領域との間の隙間を閉塞するシール部材をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のガス流速計。
  4. 前記ガス通過領域は、
    熱交換器において、対向する一対のチューブで区画された通路を少なくとも一つ含んでいることを特徴とする請求項3に記載のガス流速計。
  5. 前記全圧導入溝の開口部位に、複数の全圧導入孔が形成された蓋部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のガス流速計。
  6. 前記全圧導入孔は、前記全圧検出口の前記ガス流れ方向の上流側に位置していないことを特徴とする請求項5に記載のガス流速計。
  7. 前記複数の全圧導入孔は、等間隔に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のガス流速計。
  8. 前記複数の全圧導入孔の数は、4の倍数であることを特徴とする請求項5に記載のガス流速計。
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