JP3798997B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズを駆動するレンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラボディの小型化が進められ、小型かつ軽量で持ち運びに便利なカメラが多数発売されている。このようなカメラの小型化が進められる中で、小型化に加え、さらに持ち運びが便利になるような薄型構造を持つカメラが注目を集め始めている。
【0003】
カメラボディの小型化を進めるにあたっては撮影用のレンズなどの部品およびそれらの部品を保持するための部材やCCD固体撮像素子などの部品およびそのCCD固体撮像素子を保持するための部材などの小型化もともに進められ、それらの小型化された部品および部材が小型化されたカメラボディ内に高密度に実装されている。
【0004】
しかしそれらの部品や部材がいくら小型化されても、従来のように対物レンズを経由して取り込まれる被写体光をCCD固体撮像素子の撮影面で結像させるレンズ群がカメラボディ内に直線的に配設されるとなると、今ひとつカメラボディが薄型にならないという問題があった。そこで撮影用の対物窓から導かれる光をカメラ内に配設された反射鏡で折り曲げることにより光の進行方向を変え、その後群レンズの配設位置に自由度を持たせることが可能な撮影光学系がカメラボディ内に配備され、薄型化が進められている。
【0005】
このような薄型化が進められたカメラにおいては焦点距離の調節および光学ズームを実現するためのレンズ同士の相対位置の調節を行うためのレンズ駆動装置もカメラボディの薄型構造に適合するものでなければならない。このようなレンズ駆動装置の駆動源として使用されるものの中にはモータがあるが、モータが小型化されているとはいえ、カメラボディの薄型構造に見合ったモータはなかなか見当たらない。そこでモータに代えて小型の圧電素子を駆動源として使用するケースが増えてきている。
【0006】
この圧電素子を使用したレンズ駆動装置では圧電素子にロッドを連結し、その連結したロッドにレンズ枠を固定し、圧電素子の厚みを周期的に変化させ、ロッドとともにレンズ枠を移動させる。レンズ枠を移動させるとは言っても圧電素子の寸法は固定的なものであって、その圧電素子に固定されたロッドにレンズ枠をただ単に固定したままで、その圧電素子の厚みの変化分しか移動できないようであると、焦点距離などの調節に必要な距離以上にレンズ枠を移動させることは不可能である。そこで、圧電素子の厚みの増える方向あるいは縮む方向いずれかの方向の変化が圧電素子に現れるときにはその変化速度を緩めてロッドとともにレンズ枠を移動させ、他方の変化が圧電素子に現れるときにはその変化速度を速めてロッドのみを移動させるような制御が行われる。これはロッドとレンズ枠のフリクションの大きさを圧電素子の厚みの変化速度を変えることによって調整し、レンズ枠を駆動するものである。このような制御を行う技術を適用したレンズ駆動装置としては特開平9−191676号公報に記載のものがある。
【0007】
この公報に記載された圧電素子を駆動源として用いた駆動装置の動作を説明する。
【0008】
図11は、圧電素子と移動体たとえばレンズ枠との関わりを示す図、図12は圧電素子に印加される制御電圧を示す図である。
【0009】
図12に示すように、圧電素子10にはロッド20が連結されており、そのロッド20にレンズ枠が所定の摩擦力をもって結合されている。圧電素子10に図12に示すような鋸歯状波を印加すると、前述したような制御が行われる。
【0010】
すなわち、図12に示す鋸歯状波のAの部分では、基準電圧からピーク電圧まで除々に上昇する電圧が圧電素子10に加えられ、それに伴って圧電素子10がゆっくりと伸び、そのゆっくりとした圧電素子10の伸びとともに移動体30たとえばレンズ枠が図11(a)に示す位置Oから図11(b)に示す位置Pまで移動する。ピーク電圧にまで達した電圧が保持された後、図12に示す鋸歯状波のBの部分では、急激に基準電圧付近まで降下する電圧が圧電素子10に加えられ、圧電素子10が図11(b)に示す状態から図11(c)に示す状態にまで急激に縮み、それに伴ってロッド20が急激に図11の左側に移動する。このときには、圧電素子10の縮みの速さに移動体30たとえばレンズ枠が追随できず、移動体30たとえばレンズ枠は位置Pに残されたまま、ロッド20だけが縮む。そうすると移動体30たとえばレンズ枠が図11に示すとおり、元の位置Oから位置Pまで移動する。これを繰り返すことにより、移動体が図11の右側に移動する。
【0011】
一方、移動体30を図11の左側に移動させるには圧電素子10を、図12に示す波形とは逆の波形、すなわち、図12に示す鋸歯状波のAの部分では急激に立ち上がり、Bの部分では緩やかに電圧が降下する波形で駆動すれば良い。
【0012】
このようにして圧電素子に厚みの変化を繰り返し与えることにより、圧電素子の厚みの変化分以上の移動距離をレンズ枠に与えることが可能になる。
【0013】
以上が上記公報に提案された駆動装置の駆動原理である。
【0014】
しかしこのような制御の方法ではレンズ枠とロッドとのフリクションの状況が正確に把握されてはいないため、圧電素子に何回厚みの変化を与えれば、所定の位置にレンズを駆動することが可能になるかが正確には計れない。そこでカム機構を併用し、レンズ枠の位置をそのカム機構によって精度良く定めることが考えられている。その中の一つに図13に示すものがある。
【0015】
図13は図11、図12で説明した原理を用いたレンズ駆動装置であり、位置精度を高めるためにカム板に位置決め用の歯を設けた例である。
【0016】
図13(a)は駆動源として使用される圧電素子とその圧電素子の厚みの変化を駆動力としてカム板1に伝達する伝達部を示す図であり、また図13(b)はその伝達部によって駆動力を伝達されるカム板1を示す図である。
【0017】
図13(b)に示すようにカム板1にはカム溝1a、1bが設けられており、それらのカム溝1a、1bに図示しないレンズ保持枠が係合される。カム板1の端部にはレンズ保持枠の位置を精度良く制御するための鋸歯状波状の波形を描くような歯1cが連なって設けられており、その鋸歯状波状の形をした歯1cの部分に圧電素子2の厚みの変化を駆動力としてカム板1に伝達するための図13(a)に示すラチェット5の爪5aが係合されている。この鋸歯状波状の波形の周期がレンズの移動距離の目安になる。ラチェット5の一方の側には連結部材3を介して圧電素子2が設けられており、その圧電素子2の厚みの変化による動きが駆動力となってラチェット5に伝えられる。ラチェット5は連結部材3に設けられた凸部3aに移動自在に係合されており、その凸部3aの周りには戻りばね4が配設されている。その戻りばね4の一端は連結部材3側の凸部3bに係合され、他端はラチェット5側に設けられた凸部5bに係合されている。したがってラチェット5の爪5aは歯1c側に常に付勢されている。
【0018】
以上のような構成で圧電素子2の厚みが変化し縮むと、カム板1が図中の矢印の方向に動く。これは圧電素子2が縮むとラチェット5の爪5aが矢印とは反対の方向に動くことによる。圧電素子の厚みが縮み始めるとラチェットの歯が傾斜に沿って滑り始め、連結部材3の凸部3aに巻回されるようにして配設されている戻りばね4の付勢力によってカム板1の歯1cの傾斜を滑りながら上っていく。そしてラチャット5の爪5aの先端部が歯1cの傾斜の終端を超えたら隣接して設けられている次の歯1cの窪み部側に入りこむ。圧電素子1が縮み続ければさらに次の歯1c側へラチェットの爪5aが入り込むように駆動されカム板が矢印の方へ駆動される。逆に圧電素子2が伸びるとラチェット5の爪5aの傾斜と歯1cの傾斜とが接触する部分を軸にラチェットの爪が傾き始め爪5aの先端部が歯1cのエッジ部を乗り越え、ラチェット5の爪5aが戻りばね4によってカム板1側へ付勢され、隣接する次の歯の窪み側へ入り込む。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしカム板に駆動力を与えるためにはどうしても駆動源でカム板を駆動するための駆動機構が必要になる。このような駆動機構を設けると、上記の例からもわかるように駆動源側とカム板側が勢いよく当接するところが生じてしまうため、そこから騒音が発生するといった問題が出てくる。
【0020】
本発明は、上記事情に鑑み、駆動源側とカム板側が勢いよく当接することのない、精度の高い位置決め機能を有するレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のレンズ駆動装置は、カムフォロワを備えたレンズを保持するレンズ保持枠と、
前記カムフォロワが嵌入したカム溝を有し該カム溝と前記カムフォロワとからなるカム機構を介して前記レンズを移動させるカム部材と、
前記カム部材を駆動する駆動源とを備え、
前記カム部材が、前記駆動源の駆動力を受ける駆動溝を有し、
前記駆動源は、圧電素子と、一端が該圧電素子に固定され、該圧電素子の厚み変化を伝えるロッドと、該ロッドに固設され、前記駆動溝に入り込んでロッドの移動を前記カム部材に伝達する駆動ピンとを備えた複数の駆動部材からなるものであることを特徴とする。
【0022】
上記発明のレンズ駆動装置によれば、圧電素子の厚みの変化をロッドを介して駆動ピンに伝え、その駆動ピンをカム部材の駆動溝に沿って移動させることによりカム部材のカム溝に嵌入したカムフォロワに駆動力を伝え、そのカムフォロワを備えたレンズ保持枠ごとレンズを移動させることができる。レンズを移動させるときにはカム板の駆動溝に入り込んでいる駆動ピンがその駆動溝に沿って動くだけで駆動源側とカム板側とが当接するところがなくなり、当接による騒音の発生を抑制することができる。
【0023】
ここで上記駆動溝は、正弦波形を描きながら前記カム部材の移動方向に延びる形状の溝であって、
上記複数の駆動部材は、駆動溝の延びる方向に並んで、かつ前記正弦波形の相互に位相の異なる位置に配備されるものであることが好ましい。
【0024】
このように正弦波形を描く駆動溝に、駆動部材の駆動ピンが入り込むように配備されると、正弦波形を描く溝を細かくすればするほど、カム部材の位置を細かく制御することができる。しかし、正弦波形を描く駆動溝に一本の駆動ピンが配備されただけではその正弦波の山の位置あるいは谷の位置にその駆動ピンが在るときに圧電素子の厚みの変化にしたがって動く駆動ピンの動く方向が定まらないこともある。そこで正弦波形の位相の異なる位置に、複数の駆動ピンをそれぞれ配備し、一つの駆動ピンが正弦波形の山あるいは谷に在るときには、その他の駆動ピンが正弦波形の山あるいは谷に位置しないようにしておき、山あるいは谷の位置に在るピンをその他のピンに与えられる駆動力によって滑らかに移動させることが好ましい。
【0025】
ここで前記駆動溝は、矩形波形を描きながら前記カム部材の移動方向に延びる形状の溝であって、
前記複数の駆動部材は、回動自在であって、前記駆動溝に入り込んだ共通の駆動ピンを有し該駆動ピンを相互に異なる方向に移動させるものであることが好ましい。
【0026】
このように矩形波形を描く溝に、共通の駆動ピンを入り込ませ、その駆動ピンを複数の駆動部材によって相互に異なる方向にそれぞれ移動させると、複数の駆動ピンを設けることなく一つの駆動ピンだけでカム部材を移動させることができる。ただし、共通の駆動ピンを複数の駆動部材で相互に異なる方向に移動させるときに複数の駆動部材を固定したままにしておくと、いずれか一つの駆動部材で駆動されている駆動ピンの動きに支障をきたす恐れがある。そこで複数の駆動部材のうち、いずれか一つの駆動部材が共通の駆動ピンを駆動しているときには、他の駆動部材が回動し、いずれか一つの駆動部材で駆動されている駆動ピンの動きを滑らかにしてやることが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0028】
図1は本発明のレンズ駆動装置の実施形態を示すものであり、そのレンズ駆動装置を備えたカメラの外観を示す図である。
【0029】
図1(a)はカメラの外観を示す構成斜視図であり、また図1(b)は図1(a)のカメラを背面から見た背面図である。さらに図1(c)は対物レンズを含む撮影光学系の構成を抜き出した図である。
【0030】
図1(a)に示すように本実施形態のカメラ100のカメラボディ101は薄型構造で、カメラボディ101内には撮影光学系110と閃光発光装置とが備えられている。カメラボディ101表面にはカメラボディ101内部に配設されたレンズ群に被写体光を導くための対物レンズ1011aと閃光発光装置の閃光を被写体に向けて発光するための閃光発光窓1011cとがファインダ窓1011bを挟んで設けられている。本実施形態のカメラ100にはファインダ窓101bも設けられており、そのファインダ窓101bを経由して導かれる被写体光がカメラ背面側に設けられた図示しない接眼部で視認可能な構成になっている。なお、対物レンズ1011aとファインダの対物窓101bと閃光発光窓101cは一体成型された部材1011からなる。
【0031】
また、このカメラ100は自動焦点調節機能も備えており、レリーズ釦102が押されると焦点調節が自動的に行われるようになっている。さらにズームスイッチ103も設けられており、そのズームスイッチ103を操作すると光学ズームを行うことができる構成になっている。
【0032】
またカメラにはLCD表示装置も備えられており、カメラボディ101の背面側にはそのLCD表示装置の表示パネル120が配設されている。その表示パネル120の被写体像でもフレーミングが行える。そのLCD表示装置の表示パネル120で表示される被写体像あるいはファインダを通して視認される被写体像いずれかでフレーミングを行い、レリーズ釦102を押して撮影を行うことができる。
【0033】
ここで図1(c)を参照して撮影光学系を説明する。本実施形態のカメラには反射鏡111を用いた撮影光学系が配備されている。カメラボディ表面に配設された対物レンズ101aを経由して導かれた被写体光はその対物レンズ101aの光軸とは略直交する方向に反射鏡111によって折り曲げられ、その折り曲げられた被写体光が後群のレンズ112〜115でCCD固体撮像素子116まで導かれ、そのCCD固体撮像素子116の撮影面に像が結ばれる。
【0034】
このように固体撮像素子116の撮影面に被写体像を結像させる後群のレンズそれぞれ112〜115がカメラボディ101の厚み方向に設けられるのではなく、カメラボディ101の高さ方向に並んで設けられるのでカメラボディ101の厚みを薄くすることができる。
【0035】
ここで図1(c)を参照して本発明のレンズ駆動装置の構成を説明する。
【0036】
レンズ駆動装置11はレンズ保持枠113a,114aと、そのレンズ保持枠113a,114aが備えるカムフォロワ113b,114bと、カム板117とそのカム板117に設けられたカム溝117a,117bおよび駆動溝117cからなる。
【0037】
本実施形態のカメラには4つのレンズが備えられており、それぞれのレンズ112〜115がレンズ保持枠112a〜115aにそれぞれ嵌め込まれている。それらのレンズ112〜115のうち、二つのレンズ113、114がレンズ駆動装置11で移動自在になっている。それそれのレンズが嵌め込まれているレンズ枠113a,114aが備えるカムフォロワ113b,114bそれぞれがカム板117のカム溝117a,117bにそれぞれ係合している。カム板117の駆動溝117cに係合している駆動ピン118b,119bによってカム板117に駆動力が与えられると、カム板117のカム溝117a,117bに係合しているレンズ保持枠113a,114aのカムフォロワ113b,114bとともにレンズ113,114がそれぞれ移動する。
【0038】
カム板117は4つのレンズ112〜115の脇に配設されており、そのカム板117の端部には駆動溝117cが設けられている。この駆動溝117cは正弦波を描くように形成されており、その正弦波状を描くような溝117cに駆動ピン118b,119bが係合されている。
【0039】
ズームスイッチ103(図1参照)が操作されたらこれらのレンズ113,114の移動によって4つのレンズの相互の距離が調節され光学ズームの調節が行われるとともに、レリーズ釦102(図1参照)が押されたら、焦点距離の調節も自動的に行われる。
【0040】
図2は図1(c)に示したレンズ駆動装置の駆動側の構成を示した拡大図である。
【0041】
図2(a)はカム板117の拡大図であり、また図2(b)は圧電素子118,119とロッド118a,119aと駆動ピン118b,119bからなる駆動部材を示す図である。なお、図2には駆動ピン118b,119bが動く方向とは反対の方向にカム板117が動くことが図中矢印で示されている。また、圧電素子118、119が伸びる方向にあるか、縮む方向にあるかも図中矢印で示されている。
【0042】
図2(b)に示すようにそれぞれの駆動ピン118b,119bはそれぞれのロッド118a,119aの先端部にカム板117の駆動溝117cに入りこむような形に固設されており、それらのロッド118a,119bはそれぞれ圧電素子118,119の端部に固定されている。その端部とは反対側の端部118c,119cがカメラボディ101側にそれぞれ固定されている。そのカメラボディに固定される側の端部118c,119cには電気信号入力用の端子が配設されており、ここに外部から電圧が印加される。したがってそれぞれの圧電素子118,119の厚みが外部から印加される電圧の変化に応じて変化すると、それらの厚みの変化がロッド118a,119bの先端部に固設された駆動ピン118b,119bに伝わり、圧電素子118,119の厚みの変化にしたがって駆動ピン118b,119bがそれぞれ動く。この図2では圧電素子が双方とも伸びる方向にあることが図の矢印で示されている。それらの圧電素子118,119の厚みの変化に応じて動く駆動ピン118b,119bそれぞれは正弦波形を描く溝117cに係合されており、それぞれの駆動ピン118b,119bはその正弦波の形状を有する溝117cに案内され動く。そうするとそれぞれの圧電素子118,119の厚みの変化が一往復する間に正弦波形の一周期に対応する部分の溝を案内され、それぞれ動くことになる。したがって正弦波の形状を有する溝117cのピッチさえ把握しておればそれぞれの圧電素子118,119に印加される電圧の大きさを図示しない制御部で制御することにより易々と位置の制御を行えるのである。また、この制御部にはズームスイッチ103の設定状況やレリーズ釦102の押下状況が検出されているので、その設定状況にあわせて圧電素子118,119に電圧を印加し、厚みの変化を与えればレンズ保持枠113a,114aに設けられたカムフォロワ113b,114bに駆動力が伝えられ、二つのレンズ113、114がそれぞれ移動する。
【0043】
本実施形態のレンズ駆動装置11では、二つの駆動ピン118b、119bの一方の駆動ピン118bが正弦波形の形状を有する溝117cの山部1171cあるいは谷部1172cに差し掛かったときにその山部1171cあるいは谷部1172cを乗り越える駆動力を他方の駆動ピン119bで与えることができるように他方の駆動ピンが配設されている。つまり、二つの駆動ピン118b、119bはそれぞれ正弦波の形状を有する溝117cの山部1171cと山部1173cあるいは山部1171cと谷部1174cといった位置に同時に配置されないように位相をずらして配置されている。こうしておけば一方の駆動ピン118bが正弦波形の形状を有する溝の山1171cの位置にあって圧電素子118c厚みの変化に応じて動く方向が定まらないときに、他方の駆動ピン119bによって動く方向とともに駆動力を与えることができ、駆動ピン118cが正弦波の形状を有する溝117cの山部1171cに在るときに谷1172cの方向へ動くことがが明確に示され、山部1171cで立往生するこということがなくなる。
【0044】
図3は本発明のレンズ駆動装置の駆動側の動作原理を示す図である。
【0045】
図3(a)は一方の駆動ピン118bが山部1171cに差し掛かったときの状況を示す図であり、また図3(b)は駆動ピン118bがその山部1171cを乗り越えたときの状況を示す図である。
【0046】
図3(a)には圧電素子118,119が双方とも伸びる方向に制御され、それぞれの駆動ピン118b,119bが駆動溝117cに沿って動いている状況が示されている。図中、駆動ピン118b、119bが右側へ動くとカム板117は反対の方向に駆動される。
【0047】
一方の駆動ピン118bが山部1171cに差し掛かったときにはそれ以上圧電素子118を伸ばしても溝117cに沿っては動けないので、ここで電圧値の変化量を変え圧電素子118を縮ませる制御を行っている。このときに他方の駆動ピン119bはまだ圧電素子が伸びる方向に電圧の変化が加えられ制御されており、駆動ピン119bの動く方向が定められている。そこで、一方の駆動ピン118bが山部1171cに到達したら今度は圧電素子118を縮める制御を行って、双方の力によって駆動ピン118bが駆動溝117cを図中右方向へ動くようにしている。
【0048】
このように一方が立往生しそうなときには他方で補助しカム板に駆動力を与えることにより滑らかにレンズを駆動することができる。
【0049】
図4は本発明のレンズ駆動装置の別の実施形態を示す図である。
【0050】
図4に示すようにカム溝117a,117bの他、矩形波の形状を描くような駆動溝117dが設けられている。
【0051】
図5はその図4に示したカム板を用いてレンズ駆動装置の駆動側を構成したときの動作状況を説明する図である。
【0052】
二つの圧電素子の厚みの変化を受け取る共通の駆動ピン118dがその矩形波の形状を有する溝117dに入り込んだ状況が示されている。図4とは異なり、矩形波を描くような形状を有する駆動溝117dには共通の駆動ピン118dが係合され、その共通の駆動ピンが二つのロッド118a、119a双方に固設されている。それらのロッド118a、119aは共通の駆動ピン118dに直交する方向からそれぞれ駆動力を与えることができるようにすると駆動ピン118dが動く方向が明確に示される。この共通の駆動ピンが固設された、それぞれのロッドの反対側の端部には圧電素子118、119がそれぞれ固定されている。一方の圧電素子118の厚み変化に応じては矩形波を描くような形状を有する溝117dの水平部1171dに沿って駆動ピン118dが動き、他方の圧電素子119の厚みの変化に応じては矩形波形の垂直部1172dに沿って駆動ピン118dが動く。その矩形波形の一周期分の距離を所定の値にしておくと、レンズの移動距離が確実に把握でき、駆動溝117cの矩形波形の周期を細かくすればするほど細かな位置制御が行えることになる。
【0053】
図5〜図10はレンズ駆動装置11の駆動側の動作原理を示す図である。それぞれの図にはカム板117を図中の矢印の方向に動かすときに駆動ピンをどのように駆動するかが示されている。
【0054】
図5の位置に駆動ピン118dがあるときには一方の圧電素子118に電圧の変化を加え、駆動ピン118dがその位置にあるための厚みがその圧電素子118に与えられている。
【0055】
図5の位置から図6の位置へ駆動ピン118dを動かすときには駆動溝117dの水平部1173cにある駆動ピン118dに動きを与えるため一方の圧電素子118が縮む方向に制御され、図6に示すように図中右側へ駆動ピン118dが移動する。その駆動溝117dの水平部1171dと垂直部1172dが交叉する部分に突き当たったら今度は図7に示すように垂直部1172dにある駆動ピンに動きを与えるため他方の圧電素子119が縮む方向に制御される。図8には駆動ピンが動かされ、新たな交叉部に駆動ピンが突き当たったときの状況が示されている。今度は駆動ピンをさらに図中右側方向へ動かすために図9に示すように一方の圧電素子118が縮む方向に制御され、駆動溝117dの水平部1171dと垂直部1172dが交叉する部分まで圧電素子118が縮められて突き当てられたら今度は図10に示すように他方の圧電素子119が伸びる方向に制御される。なお圧電素子118,119は回動自在に軸支されており、圧電素子が駆動溝117dに案内されて動けるようにその回動によって圧電素子118,119の姿勢が駆動ピンの位置に応じて変わるようになっている。
【0056】
このようにカム板117に駆動溝を設けてその駆動溝に係合する駆動ピンを圧電素子の厚みの変化に応じて移動させれば騒音のない静かな、かつ正確な位置決めを行えるレンズ駆動装置が実現される。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明したように、カム板を駆動する際に騒音を発生させることなく、かつ精度良くレンズの位置決めを行なうことができるレンズ駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ駆動装置の実施形態を示すものであり、そのレンズ駆動装置を備えたカメラの外観を示す図である。
【図2】図1(c)に示したレンズ駆動装置の駆動側の構成を示した拡大図である。
【図3】本発明のレンズ駆動装置の動作原理を示す図である。
【図4】本発明のレンズ駆動装置の別の実施形態を示す図で、カム板に設けられる駆動溝の形状を変えた例を示す図である。
【図5】その図4に示したカム板を用いてレンズ駆動装置の駆動側を構成したときの動作状況を説明する図である。
【図6】図5に示したレンズ駆動装置の駆動側の動作原理を示す図である。
【図7】図5に示したレンズ駆動装置の駆動側の動作原理を示す図である。
【図8】図5に示したレンズ駆動装置の駆動側の動作原理を示す図である。
【図9】図5に示したレンズ駆動装置の駆動側の動作原理を示す図である。
【図10】図5に示したレンズ駆動装置の駆動側の動作原理を示す図である。
【図11】図11は、圧電素子と移動体たとえばレンズ枠との関わりを示す図である。
【図12】図12は圧電素子に印加される制御電圧を示す図である。
【図13】図11、図12で説明した原理を用いたレンズ駆動装置であり、位置精度を高めるためにカム板に位置決め用の歯を設けた例である。
【符号の説明】
100 カメラ
101 対物レンズ
110 撮影光学系
111 反射鏡
112〜115 レンズ
116 CCD固体撮像素子
11 レンズ駆動装置
117 カム板
117a カム溝
117b カム溝
117c 正弦波を描くような形状を有する駆動溝
1171c 山部
1172c 谷部
1173c 山部
1174c 谷部
117d 矩形波を描くような形状を有する駆動溝
1171d 水平部
1172d 垂直部
118 圧電素子
118a ロッド
118b 駆動ピン
118d 駆動ピン
119 圧電素子
119a ロッド
119b 駆動ピン

Claims (3)

  1. カムフォロワを備えたレンズを保持するレンズ保持枠と、
    前記カムフォロワが嵌入したカム溝を有し該カム溝と前記カムフォロワとからなるカム機構を介して前記レンズを移動させるカム部材と、
    前記カム部材を駆動する駆動源とを備え、
    前記カム部材が、前記駆動源の駆動力を受ける駆動溝を有し、
    前記駆動源は、圧電素子と、一端が該圧電素子に固定され、該圧電素子の厚み変化を伝えるロッドと、該ロッドに固設され、前記駆動溝に入り込んでロッドの移動を前記カム部材に伝達する駆動ピンとを備えた複数の駆動部材からなるものであることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記駆動溝は、正弦波形を描きながら前記カム部材の移動方向に延びる形状の溝であって、
    前記複数の駆動部材は、前記駆動溝の延びる方向に並んで、かつ前記正弦波形の相互に位相の異なる位置に配備されたものであることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記駆動溝は、矩形波形を描きながら前記カム部材の移動方向に延びる形状の溝であって、
    前記複数の駆動部材は、回動自在であって、前記駆動溝に入り込んだ共通の駆動ピンを有し該駆動ピンを相互に異なる方向に移動させるものであることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
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