JP3796103B2 - Method for producing polybutylene terephthalate resin and polybutylene terephthalate resin obtained thereby - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法、及びそれにより得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂に関し、更に詳しくはエステル交換反応を経て、連続式にポリブチレンテレフタレート系樹脂を製造する方法において、フィッシュアイの少ないポリブチレンテレフタレート系樹脂を製造する方法、及びそれにより得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂に比べて結晶化速度が大きく成形特性に優れ、更に機械的特性や電気的特性等にも優れるため、従来よりエンジアリングプラスチックとしてその射出成形分野において広く用いられており、近年は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の有する保香性や耐薬品性等の特性が認められ、フィルム成形分野においても注目されている。
【0003】
ところで、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とのエステル化反応を経る方法(直重法)と、テレフタル酸ジメチル等のテレフタル酸の低級アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸エステル成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とのエステル交換反応を経る方法(エステル交換法)とに大別される。
【0004】
直重法では、ジカルボン酸成分であるテレフタル酸が酸触媒として働くため1,4−ブタンジオールがエステル化反応中に自己環化反応を起こし、テトラヒドロフランが多量に副生される。そのため、原料の1,4ーブタンジオールがテトラヒドロフランに消費される分、過剰量の1,4ーブタンジオールが原料として必要になる。
【0005】
それに対し、エステル交換法では、テトラヒドロフランの副生が非常に少なく、一般に行われている回分式プロセスにより得られたポリブチレンテレフタレート系樹脂は、射出成形分野のみならず、フィルム成形分野においても使用されている。
一方、製造コストの低減、生産性の向上のため、回分式プロセスから連続式プロセスで、ポリブチレンテレフタレートを製造する方法が注目されてきている。
【0006】
しかしながら、回分式プロセスによるエステル交換反応で製造したポリブチレンテレフタレート系樹脂は、フィルム成形分野においても使用可能であるのに対し、連続式プロセスで製造したポリブチレンテレフタレート系樹脂では、フィルム成形品とした場合にフィッシュアイが数多く発生し、フィルムの外観を悪化させ、更に機械的強度の低下を招く等の問題が内在しており、フィルム成形分野に使用するには障害となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、連続式プロセスにより製造したポリブチレンテレフタレート系樹脂をフィルム成形した際に発生するフィッシュアイが、回分式プロセスよりも反応槽の数が多いこと、反応生成物流路も長くなることから、反応生成物が滞留する箇所が回分式プロセスよりも多く、そのためこのような滞留部で発生する反応触媒由来の析出物や反応生成物由来の炭化物が、多く生じることが主要因であることを見つけだし、解決したものであり、本発明は、エステル交換反応触媒の存在下にエステル交換反応を経て、連続式にポリブチレンテレフタレート系樹脂を製造する方法において、フィッシュアイの少ないポリブチレンテレフタレー系樹脂を製造する方法、及びそれにより得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成すべくなされたものであり、即ち、テレフタル酸の低級アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸エステル成分と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、単数若しくは複数のエステル交換反応槽内で、樹脂の理論収量に対してチタン原子として30〜300ppmのチタン化合物のエステル交換反応触媒の存在下にエステル交換反応させ、次いで単数若しくは複数の重縮合反応槽内で重縮合反応させた後、ポリマー抜出ダイから抜き出すことによりポリブチレンテレフタレート系樹脂を連続式に製造するにおいて、最初のエステル交換反応の出口からポリマー抜出ダイの出口までの間の反応生成物流路にフィルターを設置して反応生成物を該フィルターを通過させるポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法は、テレフタル酸の低級アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸エステル成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、エステル交換反応触媒の存在下にエステル交換反応させ、次いで重縮合反応させた後、ポリマー抜出ダイから抜き出すことによりポリブチレンテレフタレート系樹脂を連続式に製造する。
【0010】
ここで、テレフタル酸の低級アルキルエステルの低級アルキル基は、炭素数1〜4程度のアルキル基である。この内、テレフタル酸の低級アルキルエステルとしては、テレフタル酸ジメチルが好ましく、テレフタル酸の低級アルキルエステルは、全ジカルボン酸エステル成分の50モル%を占めるものであり、80モル%以上を占めるのが好ましく、95モル%以上を占めるのが更に好ましい。また、ジオール成分としての1,4−ブタンジオールは全ジオール成分の50モル%を占めるものであり、80モル%以上を占めるのが好ましく、95モル%以上を占めるのが更に好ましい。
【0011】
テレフタル酸の低級アルキルエステル以外のジカルボン酸エステル成分としては、具体的には、例えば、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の芳香族ジカルボン酸エステル、またはセバシン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチルなどの脂肪族ジカルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0012】
又、1,4−ブタンジオール以外のジオール成分としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、キシリレングリコール4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール等が挙げられる。
【0013】
更に、例えば、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2ナフタレンジカルボン酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及びステアリルアルコール、ベンジルアルコール、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分等の一種又は二種以上が、共重合成分として用いられても良い。
【0014】
本発明におけるポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法は、基本的には、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の慣用の連続式プロセスによる製造方法に基づく。即ち、テレフタル酸の低級アルキルエステルを主成分とする前記ジカルボン酸エステル成分と1,4−ブタンジオールを主成分とする前記ジオール成分とを、単数若しくは複数のエステル交換反応槽内で、エステル交換反応触媒の存在下に、通常110〜260℃、好ましくは140〜240℃、通常10〜200kPa、好ましくは20〜170kPaの圧力下で、攪拌下に2〜5時間でエステル交換反応させ、得られたエステル交換反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、単数若しくは複数の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に、通常210〜280℃、好ましくは220〜265℃、通常30kPa以下、好ましくは20kPa以下の減圧下で、攪拌下に2〜5時間で重縮合反応させるものであり、連続式に重合される。又、重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜出ダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら若しくは水冷後、カッターで切断されてペレット状、チップ上の粒状体とされる。
【0015】
ここで、本発明におけるエステル交換反応触媒としては、チタン化合物が挙げられる。チタン化合物としては、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等が代表的なものとして挙げられ、その使用量は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の理論収量に対してチタン原子として、30〜300ppm、好ましくは50〜200ppmとする。
【0016】
又、重縮合反応触媒としては、エステル交換反応時に添加したエステル交換反応触媒を引き続いて重縮合反応触媒として用いることとして新たな触媒の添加を行わなくても良いが、エステル交換反応時に添加したエステル交換反応触媒と同じ前記触媒を更に添加しても良く、その時の使用量は、例えばテトラブチルチタネートの場合、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の理論収量に対してチタン原子として、通常300ppm以下、好ましくは150ppm以下とし、又、エステル交換反応時に添加したエステル交換反応触媒とは異なる、例えば、三酸化二アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等を新たに添加しても良い。
【0017】
又、前記エステル交換反応、又は/及び、重縮合反応において、前記触媒の他に、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、及びそれらのエステルや金属塩等の燐化合物、水酸化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物等の反応助剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3’,5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の燐化合物等の抗酸化剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸及びそのエステル、シリコーンオイル等の離型剤等の他の添加剤を存在させても良い。 又、エステル交換反応槽としては、例えば、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流型混合槽、塔型連続反応槽等の型式のいずれであってもよく、又、単数槽としても、同種又は異種の槽を直列させた複数槽としても良い。又、重縮合反応槽としては、縦型攪拌重合槽、横型攪拌重合槽、薄膜蒸発式重合槽等の型式の何れであってもよく、又、単数槽としても、同種又は異種の槽を直列させた複数槽としても良い。
【0018】
そして、本発明においては、前述のポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法において、最初のエステル交換反応槽の出口からポリマー抜出ダイの出口までの間の反応生成物流路にフィルターを設置して反応生成物を該フィルターを通過させることを必須とする。
ここでいう、フィルターとは、最初のエステル交換反応槽の出口から出る溶融粘度数十〜100ポイズ程度の流体を濾過できるフィルターから、ポリマー抜出ダイの出口から出る溶融粘度数千ポイズの流体を濾過できるフィルターであれば、一般に公知なものが使用できる。
【0019】
フィルターの濾材としては、例えば、濾過精度を決定するファインメッシュと補強メッシュ及び保護メッシュとを数枚重ね、焼結により完全に一体化加工した積層金属メッシュ、ステンレスの金属繊維のフェルトを積層し、焼結した金属不織布等が挙げられる。
また、フィルターの形状としては、バスケットタイプ、ディスクタイプ、リーフディスクタイプ、チューブタイプ、フラット型円筒タイプ及びプリーツ型円筒タイプ等が挙げられる。
【0020】
これらフィルターは、設置個所の流体の粘度、圧力及び温度等の条件により、適宜選択して使用することができるが、溶融粘度が低いオリゴマーを濾過する箇所に設置する場合は、洗浄性などの観点からチューブタイプまたはフラット型円筒タイプが好ましく、溶融粘度の高いプレポリマーやポリマーを濾過する箇所に設置する場合は、耐圧性や単位面積あたりの処理流量などの点から、リーフディスクタイプまたはプリーツ型円筒タイプが好ましい。
【0021】
また、これらフィルターの絶対濾過精度は、濾過効率等の面から0.5〜50μmの範囲とするのが好ましく、溶融粘度が低いオリゴマーの濾過の場合は、0.5〜30μmの範囲が、また、溶融粘度の高いプレポリマーやポリマーの濾過の場合は、5〜50μmの範囲とするのがより好ましい。
以上の本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法を図面に基づいて更に詳細に説明すると、例えば、図1は本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法に用いる製造装置の一実施態様を示すフローチャートであり、図1において、1はテレフタル酸ジメチル貯槽、1aはテレフタル酸ジメチル貯槽1の上部に設けられたテレフタル酸ジメチルの供給口、2は第一エステル交換反応槽、2aは第一エステル交換反応槽2の上部に設けられたベント用口、2bは第一エステル交換反応槽2の上部に設けられた1,4−ブタンジオール供給口、2cは第一エステル交換反応槽2の上部に設けられた触媒供給口、3は第二エステル交換反応槽、3aは第二エステル交換反応槽3の上部に設けられたベント用口、4は第一重縮合反応槽、4aは第一重縮合反応槽4の上部に設けられたベント用口、5aは第二重縮合反応槽5の上部に設けられたベント用口、6はポリマー抜出ダイ、7はペレタイザー、8は第一エステル交換反応槽2と第二エステル交換反応槽3との間の反応生成物流路に設置されたフィルター、9は第二エステル交換反応槽3と第一重縮合反応槽4との間の反応生成物流路に設置されたフィルター、10は第一重縮合反応槽4と第二重縮合反応槽5との間の反応生成物流路に設置されたフィルター、11は第二重縮合反応槽5とポリマー抜出ダイ6との間の反応生成物流路に設置されたフィルターであり、M1、M2、M3、M4、M5は攪拌装置、P1、P2、P3、P4はポンプであり、L1、L2、L3、L4、L5は配管である。
【0022】
図1において、テレフタル酸ジメチルは供給ライン1aから貯槽1に供給され、攪拌装置M1で攪拌されつつ加熱融解され、配管L1内を通過せられて第一エステル交換反応槽2に供給される。1,4−ブタンジオールは供給ライン2bから、それぞれ第一エステル交換反応槽2に供給される。
第一エステル交換反応槽2は、垂直回転軸を有する攪拌装置M2を備えた縦型反応槽であり、該反応槽2内では、触媒供給口2cからエステル交換反応触媒が供給され、通常110〜260℃、好ましくは140〜240℃、通常10〜200kPa、好ましくは20〜170kPaの圧力下で、攪拌装置M2の攪拌下にエステル交換反応されて、好ましくは50〜90%のエステル交換反応率のオリゴマーが生成され、該オリゴマーはポンプP1により配管L2内を通過せられて第二エステル交換反応槽3に移送される。その際、反応生成物の流路たる配管L2の途中には、絶対濾過精度が0.5〜50μmのフィルター8が設置されており、移送されるオリゴマーはそのフィルター8を通過せられて濾過される。一方、副生物のメタノールとテトラヒドロフラン、及び未反応の1,4−ブタンジオールは、減圧機(図示せず)に接続されたベント用口2aから抜き出され、精留塔(図示せず)を経て、未反応の1,4−ブタンジオールは第一エステル交換反応槽2に戻され、メタノールとテトラヒドロフランは系外に排出される。
【0023】
第二エステル交換反応槽3も、垂直回転軸を有する攪拌装置M3を備えた縦型反応槽であり、該反応槽3内では、通常110〜260℃、好ましくは140〜240℃、通常10〜200kPa、好ましくは20〜170kPaの圧力下で、攪拌装置M3の攪拌下にエステル交換反応が更に進められて、好ましくは90〜99.9%のエステル交換反応率のオリゴマーが生成され、該オリゴマーはポンプP2により配管L3内を通過せられて第一重縮合反応槽4に移送される。その際、反応生成物の流路たる配管L3の途中には、絶対濾過精度が0.5〜50μmのフィルター9が設置されており、移送されるオリゴマーはそのフィルター9を通過せられて濾過される。一方、副生物のメタノールとテトラヒドロフラン、及び未反応の1,4−ブタンジオールは、減圧機(図示せず)に接続されたベント用口3aから抜き出され、精留塔(図示せず)を経て、未反応の1,4−ブタンジオールは第二エステル交換反応槽3に戻され、メタノールとテトラヒドロフランは系外に排出される。
【0024】
第一重縮合反応槽4は、垂直回転軸を有する攪拌装置M4を備えた縦型反応槽であり、該反応槽4内では、反応槽4に設けられた触媒供給口(図示せず)から供給された重縮合反応触媒の存在下、又は、前記第一エステル交換反応槽2の触媒供給口2cから供給されたエステル交換反応触媒の存在下、通常210〜280℃、好ましくは220〜265℃、通常0.5〜30kPa、好ましくは1〜20kPaの減圧下で、攪拌装置M4の攪拌下に重縮合反応され、好ましくは0.1〜0.5dl/gの固有粘度を有するプレポリマーが生成され、該プレポリマーはポンプP3により配管L4内を通過せられて第二重縮合反応槽5に移送される。その際、反応生成物の流路たる配管L4の途中には、絶対濾過精度が5〜50μmのフィルター10が設置されており、移送されるプレポリマーはそのフィルター10を通過せられて濾過される。一方、副生物のメタノールとテトラヒドロフラン、及び未反応の1,4−ブタンジオールは、減圧機(図示せず)に接続されたベント用口4aから抜き出され、全縮器(図示せず)を経て、冷却、液化されて系外に排出される。
【0025】
第二重縮合反応槽5は、水平回転軸を有する攪拌装置M5を備えた横型反応槽であり、該反応槽5内では、通常235〜280℃、好ましくは235〜265℃、通常2kPa以下、好ましくは1kPa以下の減圧下で、攪拌装置M5の攪拌下に重縮合反応が更に進められ、好ましくは0.6〜1.3dl/gの固有粘度を有するポリマーが生成され、該ポリマーはポンプP4により配管L5内を通過せられてポリマー抜出ダイ6に移送される。その際、反応生成物の流路たる配管L5の途中には、絶対濾過精度が10〜50μmのフィルター11が設置されており、移送されるポリマーはそのフィルター11を通過せられて濾過される。一方、副生物のメタノールとテトラヒドロフラン、及び未反応の1,4−ブタンジオールは、減圧機(図示せず)に接続されたベント用口5aから抜き出され、全縮器(図示せず)を経て、冷却、液化されて系外に排出される。
【0026】
ポリマー抜出ダイ6に移送された樹脂は、ストランド状に抜き出され、引き続いて、ペレタイザー7でカッティングされてペレット状とされる。
尚、前述の説明においては、第一エステル交換反応槽2と第二エステル交換反応槽3との間の反応生成物流路たる配管L2の途中にフィルター8として、第二エステル交換反応槽3と第一重縮合反応槽4との間の反応生成物流路たる配管L3の途中にフィルター9として、第一重縮合反応槽4と第二重縮合反応槽5との間の反応生成物流路たる配管L4の途中にフィルター10として、第二重縮合反応槽5とポリマー抜出ダイ6との間の反応生成物流路たる配管L5の途中にフィルター11として、四ヶ所にフィルターを設置した例を示したが、本発明においては、複数ヶ所に限定されるものではなく、最初のエステル交換反応槽である第一エステル交換反応槽2の出口からポリマー抜出ダイの間であれば一ヶ所であってもよい。その中で、濾過効率等の面から、第一重縮合反応槽4と第二重縮合反応槽5との間のフィルター10、或いは、第二重縮合反応槽5とポリマー抜出ダイ6との間のフィルター11のように、最終の重縮合反応槽の直前の反応槽の出口から最終の重縮合反応槽の入口までの間、或いは最終の重縮合反応槽の出口からポリマー抜出ダイの出口までの間に設置するのが好ましい。
【0027】
又、フィルターの設置位置としては、前述の説明では反応生成物流路を構成する各配管の中間位置としたが、エステル交換反応槽或いは重縮合反応槽の入口或いは出口、又はポリマー抜出ダイの入口或いはダイ中としてもよく、又、各設置位置におけるフィルターを複数個としても良い。
本発明の製造方法により得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂は、フィッシュアイが低減化され、例えば、厚さ50μmのフィルムにおいて、20μm以上の大きさの核を有するフィッシュアイの個数を10個/100cm2以下とするこができ、更には5個/100cm2以下とすることも可能となる。
【0028】
尚、本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法において得られた前記重縮合反応後の樹脂粒状体を、不活性ガス雰囲気下、又は/及び、0.01〜1.5kPa程度の減圧下で、通常、樹脂の融点より5〜50℃低い温度、好ましくは融点より10〜40℃低い温度で、粒状体同士が膠着しないように流動等させながら、通常5〜20時間程度の時間で加熱処理をして固相重縮合させることにより、更に高重合度化させ得ると共に、反応副生物のテトラヒドロフランや低分子オリゴマー等を低減化することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
フィルターの設置流路を後述した流路とした外は図1に示したと同じ製造装置を用い、テレフタル酸ジメチルは供給ライン1aから貯槽1に供給され、攪拌装置M1で攪拌されつつ加熱融解され、配管L1から44.0kg/hrの速度で、1,4−ブタンジオールを供給口2bから26.5kg/hrの速度で(BG/DMTモル比=1.3)、テトラブチルチタネートを触媒供給口2cから0.035kg/hrの速度で(チタン金属として100ppm/ポリマー)、温度180℃、圧力105kPaに調整した第一エステル交換反応槽2に供給し、攪拌装置M2に攪拌下に1.5時間エステル交換反応させて、エステル交換反応率82.5%のオリゴマーを得た。
【0030】
引き続いて、そのオリゴマーをポンプP1により配管L2を通過させて、温度195℃、圧力80kPaに調整した第二エステル交換反応槽3に移送し、攪拌装置M3の攪拌下に1時間、エステル交換反応を更に進めて、エステル交換反応率96.7%のオリゴマーを得、そのオリゴマーをポンプP2により配管L3内を通過させて、温度240℃、圧力4kPaに調整した第一重縮合反応槽4に移送し、前記第一エステル交換反応槽2の触媒供給口2bから供給されたチタン化合物の存在下で、攪拌装置M4の攪拌下に1時間重縮合反応させ、固有粘度0.21dl/gのプレポリマーを得た。
【0031】
引き続いて、そのプレポリマーをポンプP3により配管L4内を通過させ、該配管L4の途中に設置した(図1中のフィルター10の設置流路に相当)絶対濾過精度20μmを有する積層金属メッシュを濾材とするプリーツ型円筒タイプフィルターを通過させた後、温度245℃、圧力0.15kPaに調整した第二重縮合反応槽5に移送し、攪拌装置M5の攪拌下に2.5時間、重縮合反応を更に進めて、固有粘度0.86dl/gのポリマーを得、そのポリマーをポンプP4により配管L5内を通過させてポリマー抜出ダイ6に移送し、ストランド状に抜き出して、ペレタイザー7でカッティングしてペレット状とすることにより、ポリブチレンテレフタレート樹脂ペレットを製造した。
【0032】
次に、得られたポリブチレンテレフタレート樹脂ペレットを、Tダイを備え、シリンダー温度を270℃に設定した一軸押出機に供給し、フィルム状に溶融押し出しした後、58〜62℃の温度に保持した金属製冷却ロールで急冷することにより、厚さ50μmのフィルムに成形し、以下に示す方法でフィッシュアイの個数を測定したところ、3.2個/100cm2であった。
【0033】
尚、ここでエステル交換反応率、固有粘度(IV)及びフィッシュアイの個数は、それぞれ以下に示す方法で測定した。
〈エステル交換反応率〉
得られたオリゴマーをヘキサフルオロイソプロピルアルコール/クロロホルム−d(重量比3/7)の混合溶媒に溶解させ、その溶液を1H−NMRで測定し、未反応テレフタル酸ジメチル由来のメチル基の濃度を測定し、オリゴマーのエステル交換反応率を求めた。
【0034】
〈固有粘度(IV)〉
得られたポリマーをフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒に1.0g/dlの濃度で溶解させた溶液の粘度を、ウベローデ粘度計を用いて30℃で測定することにより求めた。
〈フィッシュアイの個数〉
得られたフィルムについて、10cm四方(100cm2)の面積の5ヶ所を倍率50倍の実体顕微鏡で観察し、各ヶ所における20μm以上の大きさの核を有するフィッシュアイの個数を数え、その平均値を算出した。
【0035】
実施例2
絶対濾過精度30μmを有する金属不織布を濾材とするプリーツ型円筒タイプフィルターを用いたこと、及びそのフィルターを第二重縮合反応槽5とポリマー抜出ダイ6との間の配管L5の途中に設置した(図1中のフィルター11の設置流路に相当)こと、の外は、実施例1と同様にしてポリブチレンテレフタレート樹脂ペレットを製造した。その際の、第一エステル交換反応槽2出口でのオリゴマーのエステル交換反応率は83.1%、第二エステル交換反応槽3出口でのオリゴマーのエステル交換反応率は96.9%、第一重縮合反応槽4出口でのプレポリマーの固有粘度は0.22、最終的に得られたポリマーの固有粘度は0.85dl/gであり、フィルム中のフィッシュアイの個数は2.9個/100cm2であった。
【0036】
比較例1
フィルターを全く使用しなかったことの外は、実施例1と同様にしてポリブチレンテレフタレート樹脂ペレットを製造した。その際の、第一エステル交換反応槽2出口でのオリゴマーのエステル交換反応率は83.0%、第二エステル交換反応槽3出口でのオリゴマーのエステル交換反応率は96.7%、第一重縮合反応槽4出口でのプレポリマーの固有粘度は0.22、最終的に得られたポリマーの固有粘度は0.87dl/gであり、フィルム中のフィッシュアイの個数は13.1個/100cm2であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、エステル交換反応触媒の存在下にエステル交換反応を経て、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を連続式に製造するにおいて、フィッシュアイの少ないポリブチレンテレフタレート系樹脂を製造する方法、及びそれにより得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法に用いる製造装置の一実施態様を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:テレフタル酸ジメチル貯槽
1a:テレフタル酸ジメチル供給口
2:第一エステル交換反応槽
2a:ベント用口
2b:1,4−ブタンジオール供給口
2c:触媒供給口
3:第二エステル交換反応槽
3a:ベント用口
4:第一重縮合反応槽
4a:ベント用口
5:第二重縮合反応槽
5a:ベント用口
6:ポリマー抜出ダイ
7:ペレタイザー
8、9、10、11:フィルター
M1、M2、M3、M4、M5:攪拌装置
P1、P2、P3、P4:ポンプ
L1、L2、L3、L4、L5:配管[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a polybutylene terephthalate resin and a polybutylene terephthalate resin obtained thereby, and more particularly, in a method for producing a polybutylene terephthalate resin in a continuous manner through a transesterification reaction. The present invention relates to a method for producing a small amount of polybutylene terephthalate resin, and a polybutylene terephthalate resin obtained thereby.
[0002]
[Prior art]
Polybutylene terephthalate resin has a higher crystallization speed and superior molding characteristics compared to polyethylene terephthalate resin, and also has excellent mechanical and electrical characteristics. Therefore, it has been widely used in the field of injection molding as an engineering plastic. In recent years, the polybutylene terephthalate resin has been recognized for its properties such as aroma retention and chemical resistance, and has attracted attention in the field of film forming.
[0003]
By the way, the manufacturing method of polybutylene terephthalate resin is a method (direct weight method) through an esterification reaction of a dicarboxylic acid component mainly composed of terephthalic acid and a diol component mainly composed of 1,4-butanediol. And a method (transesterification method) through a transesterification reaction between a dicarboxylic acid ester component mainly composed of a lower alkyl ester of terephthalic acid such as dimethyl terephthalate and a diol component mainly composed of 1,4-butanediol. Broadly divided.
[0004]
In the direct weight method, since terephthalic acid, which is a dicarboxylic acid component, acts as an acid catalyst, 1,4-butanediol undergoes a self-cyclization reaction during the esterification reaction, and a large amount of tetrahydrofuran is by-produced. Therefore, an excess amount of 1,4-butanediol is required as a raw material because the raw material 1,4-butanediol is consumed by tetrahydrofuran.
[0005]
In contrast, in the transesterification method, the by-product of tetrahydrofuran is very small, and the polybutylene terephthalate resin obtained by the batch process generally used is used not only in the field of injection molding but also in the field of film molding. ing.
On the other hand, a method for producing polybutylene terephthalate from a batch process to a continuous process has been attracting attention in order to reduce production costs and improve productivity.
[0006]
However, the polybutylene terephthalate resin produced by a transesterification reaction by a batch process can be used in the field of film molding, whereas the polybutylene terephthalate resin produced by a continuous process is a film molded product. In many cases, fish eyes are generated, and the problems such as deterioration of the appearance of the film and reduction of mechanical strength are inherent, which has been an obstacle to use in the field of film forming.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described prior art, and fish eyes generated when a polybutylene terephthalate resin produced by a continuous process is formed into a film have a larger number of reaction vessels than a batch process. In addition, since the reaction product flow path becomes longer, there are more places where the reaction product stays than in the batch process, so that the precipitate derived from the reaction catalyst and the carbide derived from the reaction product generated in such a stay part In the method for producing a polybutylene terephthalate resin in a continuous manner through the transesterification reaction in the presence of a transesterification reaction catalyst, the present invention has found out that it is the main factor that many occur. , Method for producing polybutylene terephthalate resin with less fish eye, and polybutylene terephthalate obtained thereby And to provide a tallates resin.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made to achieve the above object, that is, a dicarboxylic acid ester component mainly composed of a lower alkyl ester of terephthalic acid, and a diol component mainly composed of 1,4-butanediol. , In the presence or absence of a transesterification catalyst of 30 to 300 ppm of titanium compound as a titanium atom with respect to the theoretical yield of the resin in the transesterification reaction tank or tanks, and then the polycondensation reaction In the continuous production of polybutylene terephthalate resin by polycondensation reaction in the tank and then withdrawing from the polymer withdrawal die, the reaction between the first transesterification reaction outlet and the outlet of the polymer withdrawal die Polybutylene terephthal that installs a filter in the product flow path and passes the reaction product through the filter Production side of the over door-based resin Law Related.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The method for producing a polybutylene terephthalate resin of the present invention comprises a dicarboxylic acid ester component having a lower alkyl ester of terephthalic acid as a main component and a diol component having 1,4-butanediol as a main component as a transesterification reaction catalyst. A polybutylene terephthalate resin is continuously produced by conducting a transesterification reaction in the presence, followed by a polycondensation reaction, and then extracting from the polymer extraction die.
[0010]
Here, the lower alkyl group of the lower alkyl ester of terephthalic acid is an alkyl group having about 1 to 4 carbon atoms. Of these, dimethyl terephthalate is preferred as the lower alkyl ester of terephthalic acid, and the lower alkyl ester of terephthalic acid occupies 50 mol% of the total dicarboxylic acid ester component, and preferably occupies 80 mol% or more. And more preferably 95 mol% or more. Further, 1,4-butanediol as the diol component accounts for 50 mol% of the total diol component, preferably 80 mol% or more, and more preferably 95 mol% or more.
[0011]
Specific examples of the dicarboxylic acid ester component other than the lower alkyl ester of terephthalic acid include, for example, aromatic dicarboxylic acid esters such as dimethyl isophthalate and
[0012]
Specific examples of the diol component other than 1,4-butanediol include aliphatic diols such as ethylene glycol, propylene glycol and hexamethylene glycol, 1,2-cyclohexanedimethanol, and 1,4-cyclohexane. Examples include alicyclic diols such as dimethanol, aromatic diols such as xylylene glycol 4,4-dihydroxybiphenyl, 2,2-bis (4′-hydroxyphenyl) propane, and bis (4-hydroxyphenyl) sulfone. .
[0013]
Furthermore, for example, hydroxycarboxylic acids and alkoxycarboxylic acids such as glycolic acid, m-hydroxybenzoic acid, p-hydroxybenzoic acid, 6-hydroxy-2-naphthalenedicarboxylic acid, and stearyl alcohol, benzyl alcohol, trimellitic acid, pyromellitic One or two or more multifunctional components such as acid, trimethylolethane, trimethylolpropane, glycerol, pentaerythritol and the like may be used as a copolymerization component.
[0014]
The method for producing a polybutylene terephthalate resin in the present invention is basically based on a method for producing a polybutylene terephthalate resin by a conventional continuous process. That is, the dicarboxylic acid ester component mainly composed of a lower alkyl ester of terephthalic acid and the diol component mainly composed of 1,4-butanediol are transesterified in one or a plurality of transesterification reaction tanks. In the presence of a catalyst, the ester exchange reaction was usually carried out at a pressure of 110 to 260 ° C., preferably 140 to 240 ° C., usually 10 to 200 kPa, preferably 20 to 170 kPa, with stirring for 2 to 5 hours. The oligomer as the transesterification reaction product is transferred to a polycondensation reaction tank, and is usually 210 to 280 ° C., preferably 220 to 265 ° C. in the presence of a polycondensation reaction catalyst in one or a plurality of polycondensation reaction tanks. Usually, the polycondensation reaction is performed for 2 to 5 hours under stirring under a reduced pressure of 30 kPa or less, preferably 20 kPa or less. It is polymerized. In addition, the resin obtained by the polycondensation reaction is usually transferred from the bottom of the polycondensation reaction tank to a polymer extraction die and extracted into a strand shape, and while being cooled with water or after being cooled with water, it is cut with a cutter and pelletized. , The granular material on the chip.
[0015]
Here, the transesterification catalyst in the present invention includes a titanium compound. Typical examples of titanium compounds include titanium alcoholates such as tetramethyl titanate, tetraisopropyl titanate, and tetrabutyl titanate, and titanium phenolates such as tetraphenyl titanate. The As a titanium atom for the theoretical yield of ribylene terephthalate resin 3 0 to 300 ppm, preferably 50 to 200 ppm.
[0016]
or As the polycondensation reaction catalyst, the transesterification reaction catalyst added during the transesterification reaction may be used as a polycondensation reaction catalyst without the need to add a new catalyst. The same catalyst as the reaction catalyst may be further added. The amount used at that time is, for example, in the case of tetrabutyl titanate, usually 300 ppm or less, preferably 150 ppm or less as a titanium atom with respect to the theoretical yield of polybutylene terephthalate resin. In addition, for example, an antimony compound such as antimony trioxide or a germanium compound such as germanium dioxide or germanium tetroxide, which is different from the transesterification catalyst added during the transesterification reaction, may be newly added.
[0017]
In addition, in the transesterification reaction and / or polycondensation reaction, besides the catalyst, orthophosphoric acid, phosphorous acid, hypophosphorous acid, polyphosphoric acid, and phosphorous compounds such as esters and metal salts thereof, sodium hydroxide , Reaction aids such as alkali metal or alkaline earth metal compounds such as sodium benzoate, magnesium acetate and calcium acetate, 2,6-di-t-butyl-4-octylphenol, pentaerythrityl-tetrakis [3- (3 Phenol compounds such as', 5'-t-butyl-4'-hydroxyphenyl) propionate], dilauryl-3,3'-thiodipropionate, pentaerythrityl-tetrakis (3-laurylthiodipropionate), etc. Thioether compounds, triphenyl phosphite, tris (nonylphenyl) phosphite, tris (2,4-di- Anti-oxidants such as phosphorous compounds such as t-butylphenyl) phosphite, paraffin wax, microcrystalline wax, polyethylene wax, long chain fatty acids represented by montanic acid and montanic acid esters, and esters thereof, release from silicone oil, etc. Other additives such as an agent may be present. Further, the transesterification reaction tank may be of any type such as a vertical stirring complete mixing tank, a vertical heat convection mixing tank, a tower-type continuous reaction tank, etc. Alternatively, a plurality of tanks in which different kinds of tanks are connected in series may be used. The polycondensation reaction tank may be any of a vertical stirring polymerization tank, a horizontal stirring polymerization tank, a thin film evaporation polymerization tank, and the like, or a single tank or the same or different tanks in series. A plurality of tanks may be used.
[0018]
In the present invention, in the above-described method for producing a polybutylene terephthalate resin, a reaction product is formed by installing a filter in the reaction product channel between the outlet of the first transesterification reaction tank and the outlet of the polymer extraction die. It is essential to pass objects through the filter.
Here, the filter refers to a fluid having a melt viscosity of several thousand poise that exits from the outlet of the polymer extraction die from a filter that can filter a fluid having a melt viscosity of several tens to 100 poise that exits from the outlet of the first transesterification reactor. Any known filter can be used as long as it can be filtered.
[0019]
As a filter medium, for example, several fine meshes that determine filtration accuracy, reinforcing meshes and protective meshes are stacked, laminated metal meshes that are completely integrated by sintering, and stainless steel metal fiber felts, A sintered metal nonwoven fabric and the like can be mentioned.
Examples of the shape of the filter include a basket type, a disk type, a leaf disk type, a tube type, a flat cylindrical type, and a pleated cylindrical type.
[0020]
These filters can be appropriately selected and used according to the conditions such as the viscosity, pressure and temperature of the fluid at the place of installation. Tube type or flat cylinder type is preferred, and when installing prepolymers or polymers with high melt viscosity at the location where the polymer is filtered, the leaf disk type or pleated cylinder is used in terms of pressure resistance and processing flow rate per unit area. Type is preferred.
[0021]
The absolute filtration accuracy of these filters is preferably in the range of 0.5 to 50 μm from the viewpoint of filtration efficiency and the like. In the case of oligomer filtration with a low melt viscosity, the range of 0.5 to 30 μm In the case of filtration of a prepolymer having a high melt viscosity or a polymer, it is more preferably in the range of 5 to 50 μm.
The production method of the polybutylene terephthalate resin of the present invention will be described in more detail based on the drawings. For example, FIG. 1 shows one embodiment of a production apparatus used for the production method of the polybutylene terephthalate resin of the present invention. FIG. 1 is a flow chart, wherein 1 is a dimethyl terephthalate storage tank, 1a is a dimethyl terephthalate supply port provided at the top of the dimethyl
[0022]
In FIG. 1, dimethyl terephthalate is supplied from a
The first
[0023]
The second transesterification reaction tank 3 is also a vertical reaction tank provided with a stirrer M3 having a vertical rotation axis. In the reaction tank 3, it is usually 110 to 260 ° C, preferably 140 to 240 ° C, usually 10 to 10 ° C. Under a pressure of 200 kPa, preferably 20 to 170 kPa, the ester exchange reaction is further proceeded with stirring by the stirring device M3, and an oligomer having a transesterification rate of preferably 90 to 99.9% is generated. It is passed through the pipe L3 by the pump P2 and transferred to the first polycondensation reaction tank 4. At that time, a
[0024]
The first polycondensation reaction tank 4 is a vertical reaction tank provided with a stirrer M4 having a vertical rotation axis. In the reaction tank 4, a catalyst supply port (not shown) provided in the reaction tank 4 is used. In the presence of the supplied polycondensation reaction catalyst or in the presence of the transesterification reaction catalyst supplied from the
[0025]
The second double condensation reaction tank 5 is a horizontal reaction tank equipped with a stirrer M5 having a horizontal rotation axis. In the reaction tank 5, it is usually 235 to 280 ° C., preferably 235 to 265 ° C., usually 2 kPa or less, The polycondensation reaction is further advanced under a reduced pressure of preferably 1 kPa or less and with stirring by the stirring device M5, and a polymer having an intrinsic viscosity of preferably 0.6 to 1.3 dl / g is produced. Is passed through the pipe L5 and transferred to the polymer extraction die 6. At that time, a
[0026]
The resin transferred to the polymer extraction die 6 is extracted in the form of a strand, and subsequently cut by the pelletizer 7 to form a pellet.
In the above description, the second transesterification reaction tank 3 and the second transesterification reaction tank 3 are connected to the second
[0027]
In addition, the filter installation position is the intermediate position of each pipe constituting the reaction product flow path in the above description, but the inlet or outlet of the transesterification reaction tank or polycondensation reaction tank, or the inlet of the polymer extraction die Alternatively, it may be in a die, or a plurality of filters may be provided at each installation position.
The polybutylene terephthalate resin obtained by the production method of the present invention has a reduced fish eye. For example, in a film having a thickness of 50 μm, the number of fish eyes having a nucleus having a size of 20 μm or more is 10/100 cm. 2 It can be the following, and further 5 / 100cm 2 It is also possible to:
[0028]
In addition, the resin granules after the polycondensation reaction obtained in the method for producing a polybutylene terephthalate resin of the present invention are subjected to an inert gas atmosphere or / and a reduced pressure of about 0.01 to 1.5 kPa. In general, the heat treatment is usually performed for about 5 to 20 hours at a temperature 5 to 50 ° C. lower than the melting point of the resin, preferably 10 to 40 ° C. lower than the melting point, while allowing the particles to flow so as not to stick to each other. By performing solid phase polycondensation, the degree of polymerization can be further increased, and the reaction by-products such as tetrahydrofuran and low-molecular oligomers can be reduced.
[0029]
【Example】
Hereinafter, although an example and a comparative example explain the present invention still in detail, the present invention is not limited to these examples.
Example 1
The same manufacturing apparatus as shown in FIG. 1 is used except that the filter installation flow path is a flow path described later. Dimethyl terephthalate is supplied from the
[0030]
Subsequently, the oligomer is passed through the pipe L2 by the pump P1 and transferred to the second transesterification reaction tank 3 adjusted to a temperature of 195 ° C. and a pressure of 80 kPa, and the transesterification reaction is carried out for 1 hour with stirring by the stirring device M3. Further, an oligomer having a transesterification rate of 96.7% was obtained, and the oligomer was passed through the pipe L3 by the pump P2 and transferred to the first polycondensation reaction tank 4 adjusted to a temperature of 240 ° C. and a pressure of 4 kPa. In the presence of the titanium compound supplied from the
[0031]
Subsequently, the prepolymer was passed through the pipe L4 by the pump P3 and installed in the middle of the pipe L4 (corresponding to the installation flow path of the
[0032]
Next, the obtained polybutylene terephthalate resin pellets were supplied to a single screw extruder equipped with a T die and the cylinder temperature set at 270 ° C., melted and extruded into a film, and then maintained at a temperature of 58 to 62 ° C. By quenching with a metal cooling roll, it was formed into a film having a thickness of 50 μm, and the number of fish eyes was measured by the method shown below. 2 Met.
[0033]
Here, the transesterification rate, the intrinsic viscosity (IV), and the number of fish eyes were measured by the following methods.
<Transesterification reaction rate>
The obtained oligomer was dissolved in a mixed solvent of hexafluoroisopropyl alcohol / chloroform-d (weight ratio 3/7). 1 Measured by 1 H-NMR, the concentration of methyl groups derived from unreacted dimethyl terephthalate was measured, and the transesterification rate of the oligomer was determined.
[0034]
<Intrinsic viscosity (IV)>
The viscosity of a solution obtained by dissolving the obtained polymer in a mixed solvent of phenol / tetrachloroethane (weight ratio 1/1) at a concentration of 1.0 g / dl is determined by measuring at 30 ° C. using an Ubbelohde viscometer. It was.
<Number of fish eyes>
About the obtained film, 10cm square (100cm 2 ) Was observed with a stereomicroscope with a magnification of 50 times, the number of fish eyes having nuclei having a size of 20 μm or more at each location was counted, and the average value was calculated.
[0035]
Example 2
A pleated cylindrical filter using a metal nonwoven fabric having an absolute filtration accuracy of 30 μm as a filter medium was used, and the filter was installed in the middle of a pipe L5 between the second double condensation reaction tank 5 and the polymer extraction die 6. The polybutylene terephthalate resin pellets were manufactured in the same manner as in Example 1 except that (corresponding to the installation flow path of the
[0036]
Comparative Example 1
Polybutylene terephthalate resin pellets were produced in the same manner as in Example 1 except that no filter was used. At that time, the transesterification rate of the oligomer at the outlet of the
[0037]
【The invention's effect】
According to the present invention, in the continuous production of a polybutylene terephthalate resin through a transesterification reaction in the presence of a transesterification reaction catalyst, a method for producing a polybutylene terephthalate resin with less fisheye, and thereby The resulting polybutylene terephthalate resin can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flow chart showing an embodiment of a production apparatus used in the method for producing a polybutylene terephthalate resin of the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Dimethyl terephthalate storage tank
1a: Dimethyl terephthalate supply port
2: First transesterification reactor
2a: Vent port
2b: 1,4-butanediol supply port
2c: catalyst supply port
3: Second transesterification reactor
3a: Vent port
4: First polycondensation reaction tank
4a: Vent port
5: Second double condensation reactor
5a: Vent port
6: Polymer extraction die
7: Pelletizer
8, 9, 10, 11: Filter
M1, M2, M3, M4, M5: Stirring device
P1, P2, P3, P4: Pump
L1, L2, L3, L4, L5: Piping
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