JP3794283B2 - Non-aqueous electrolyte battery - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極と、負極と、当該正極と当該負極との間に配されるセパレータと、非水電解質とを有する非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型VTR、携帯電話、ラップトップコンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。そしてこれらの電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。中でもリチウムイオン二次電池は、従来の水系電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため期待が大きい。
【0003】
例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池用セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるようなポリオレフィン微多孔膜が使用されている。
【0004】
非水電解質電池用セパレータとして用いられるポリオレフィン微多孔膜は、非水電解質電池の温度が所定値以上に上昇してシャットダウン温度に達した場合に、ポリオレフィン微多孔膜が溶融することによって多数の微小な孔を閉塞させ、これによってリチウムイオンの移動を遮断し、電池反応を強制的に停止させるものである。この結果、電池内部温度の上昇が抑制され、非水電解質電池の安全性が保たれることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シャットダウン特性の向上を目的として、低い融点のポリオレフィン微多孔膜をセパレータとして用いた場合、突き刺し等に対する物理的強度が弱くなるため、電池を生産する際の不良率が増加するという問題が生じる。
【0006】
そこで本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、異常時における温度上昇が抑制されているとともに、良好な生産性を維持することが可能な非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質電池は、正極と、負極と、当該正極と当該負極との間に配されるセパレータと、非水電解質とを有し、上記セパレータは、複数の微多孔膜が積層されてなり、上記正極に近接する微多孔膜は、120℃以上、133℃以下の範囲内で2つ以上の融点を有し、この他の微多孔膜の融点よりも低いことを特徴とする。
【0008】
以上のように構成された非水電解質電池では、セパレータを構成する複数の微多孔膜のうち、正極に近接する微多孔膜として相対的に低融点のものを用いている。このため、正極に近接する微多孔膜は、異常時における正極の発熱を速やかに吸収し、非水電解質電池の温度上昇を抑制する。それととともに、正極に近接する微多孔膜以外の微多孔膜は、相対的に高融点とされているため、高い物理的強度を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した非水電解質電池について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1に示す非水電解液二次電池は、いわゆる円筒型と言われるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶1の内部に、渦巻型電極体を有している。この渦巻型電極体は、正極活物質を有する帯状の正極2と負極活物質を有する帯状の負極3とが、イオン透過性を有するセパレータ4を介して多数回巻回されてなる。電池缶1は、例えばニッケルメッキが施された鉄により構成されており、一端部が閉鎖され、他端部が開放されている。また、電池缶1の内部には、渦巻型電極体を挟み込むように周面に対して垂直に一対の絶縁板5,6がそれぞれ配置されている。
【0011】
電池缶1の開放端部には、電池蓋7と、この電池蓋7の内側に設けられた安全弁8及び熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient ;PTC素子)9とが、封口ガスケット10を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶1の内部は密閉されている。電池蓋7は、例えば電池缶1と同様の材料により構成されている。安全弁8は、熱感抵抗素子9を介して電池蓋7と電気的に接続されており、内部短絡又は外部からの加熱等により電池の内圧が一定以上となった場合に電池蓋7と渦巻型電極体との電気的接続を切断する、いわゆる電流遮断機構を備えている。熱感抵抗素子9は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。封口ガスケット10は、例えば絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
【0012】
巻回電極体は、例えばセンターピン11を中心にして、正極2と負極3とがセパレータ4を介して積層され、多数回巻回されて構成されている。巻回電極体の正極2にはアルミニウム等よりなる正極リード12が接続されており、負極3にはニッケル等よりなる負極リード13が接続されている。正極リード12は安全弁8に溶接されることにより電池蓋7と電気的に接続されており、負極リード13は電池缶1に溶接され電気的に接続されている。また、正極2と負極3との間のセパレータ4には、非水電解質として例えば非水電解液が含浸されている。
【0013】
セパレータ4は、正極2と負極3との間に配されることによりこれらの物理的接触を防ぐとともに、孔中に非水電解液を保持すること、すなわちセパレータ4が非水電解液を吸収することにより、充放電時にリチウムイオンを通過させるものである。
【0014】
また、セパレータ4は、いわゆるシャットダウン機能を備える。シャットダウン機能とは、例えば非水電解液二次電池の温度が何らかの原因により上昇した場合に、セパレータ4を構成する微多孔膜が溶融することによって孔を閉塞させ、電池反応を強制停止させるものである。したがって、セパレータ4がシャットダウン機能を備えることにより、例えば非水電解液二次電池が誤って短絡されたような異常時に際しても非水電解液二次電池の温度上昇を抑え、安全性を確保することが可能となる。
【0015】
本発明を適用した非水電解液二次電池においては、セパレータ4は、微小な孔を多数有する微多孔膜が複数積層されてなり、正極2に近接する微多孔膜の融点が、この他の微多孔膜の融点よりも低く設定されている。なお、以下では、「正極2に近接する微多孔膜」を単に「正極側微多孔膜」と称し、「この他の微多孔膜」をまとめて「負極側微多孔膜」と称することとする。
【0016】
一般に、過充電状態における非水電解液二次電池の温度上昇は、正極の発熱に起因することが多い。このため、相対的に低融点の微多孔膜を正極側に配すると、当該正極側微多孔膜はより低い温度でシャットダウン機能を発現、すなわち吸熱反応を起こし、非水電解液二次電池の発熱反応をより速やかに抑えることができる。したがって、非水電解液二次電池は、異常時における温度上昇が確実に抑えられ、高い安全性を実現することができる。
【0017】
また、負極側微多孔膜の融点を相対的に高く設定しているため、セパレータ4は優れた物理的強度を有するものとなる。この結果、正極2及び/又は負極3がセパレータ4を突き刺すこと等に起因する内部短絡の発生が抑えられ、電池製造時の不良率が低減される。したがって、非水電解液二次電池は生産性に優れたものとなる。
【0018】
これに対して、セパレータが低融点の微多孔膜からなる単層構造である場合、当該セパレータは強度が弱くなり、内部短絡を引き起こす確率が高くなる。この結果、電池作製後に長期保存したような場合に自己放電が増大する等により、不良率が増加してしまう。
【0019】
また、セパレータが、相対的に高融点の微多孔膜を正極側に配し、相対的に低融点の微多孔膜を負極側に配した構造である場合、吸熱反応に遅延が生じる。この結果、異常時における非水電解液二次電池の温度上昇を引き起こす。
【0020】
なお、上述したような微多孔膜の融点は、例えば示差走査熱量分析(DSC:differential scanning calorimetry)を行うことにより測定される、示差走査熱量曲線の吸熱ピークの温度を指すこととする。
【0021】
本発明を適用したセパレータ4の正極側微多孔膜は、融点を2つ以上有すること、すなわち示差走査熱量曲線における吸熱ピークを2つ以上有することが好ましい。これにより、不良率をさらに低減し、生産性の向上を図ることができる。
【0022】
また、セパレータ4の総厚みに対する正極側微多孔膜の厚みは、20%以上、85%以下であることが好ましい。セパレータ4における正極側微多孔膜の厚みの占める割合が上述したような範囲内であることにより、非水電解液二次電池の温度上昇を抑制する効果と、良好な生産性を維持する効果とを確実に両立することが可能である。これに対して、セパレータ4の総厚みに対する正極側微多孔膜の厚みが20%未満である場合、低い不良率を示すものの低融点の微多孔膜の占める割合が少ないため、非水電解液二次電池の温度上昇を抑制できない虞がある。また、セパレータ4の総厚みに対する正極側微多孔膜の厚みが85%を上回る場合、非水電解液二次電池の温度上昇は抑えられるものの、セパレータ4の強度が低くなるため、不良率が増加する虞がある。なお、セパレータ4の総厚みに対する正極側微多孔膜の厚みは、26%以上74%以下であることがより好ましい。
【0023】
また、正極側微多孔膜の融点は、112℃以上、133℃以下であることが好ましい。正極側微多孔膜の融点が上述したような範囲内であることにより、非水電解液二次電池の温度上昇を確実に抑制しつつ、セパレータ4の強度も確保できる。これに対して、正極側微多孔膜の融点が112℃未満である場合、非水電解液二次電池の温度上昇は抑えられるものの、セパレータ4の強度が低くなるため、不良率が増加する虞がある。また、正極側微多孔膜の融点が133℃を上回る場合、非水電解液二次電池の温度上昇を抑制する効果が不充分となる虞がある。なお、正極側微多孔膜の融点は、120℃以上130℃以下であることがより好ましい。
【0024】
また、セパレータ4を構成する微多孔膜は、それぞれ空孔率が25%以上、50%以下であることが好ましい。微多孔膜の空孔率が上述したような範囲内にあることにより、優れた電池特性を確保するとともに、良好な生産性を維持できる。これに対して、セパレータ4を構成する微多孔膜の空孔率が25%未満である場合、セパレータ4におけるリチウムイオンの通過が妨げられ、低温特性が低下する虞がある。また、セパレータ4を構成する微多孔膜の空孔率が50%を上回る場合、負極活物質及び/又は正極活物質がセパレータ4の孔に入り込みやすくなるため、内部短絡を引き起こし、不良率が増加する虞がある。
【0025】
また、セパレータ4における負極側微多孔膜の融点は、135℃以上であることが好ましい。負極側微多孔膜の融点が135℃以上であることによって、セパレータ4は充分な強度を有することになり、非水電解液二次電池の生産性が向上する。これに対して、負極側微多孔膜の融点が135℃未満である場合、セパレータ4の強度が弱くなり、不良率が増加する虞がある。
【0026】
なお、本発明を適用したセパレータ4は、2層の微多孔膜からなる層状構造に限定されるものではない。例えば、本発明は、負極側微多孔膜が複数の微多孔膜からなる場合、すなわち、セパレータ4が3層以上の微多孔膜からなる層状構造であっても勿論適用可能である。
【0027】
また、セパレータ4を構成する微多孔膜は、ポリオレフィンからなることが好ましい。具体的なポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0028】
正極2は、例えば正極活物質を含有する正極活物質層と正極集電体とを有している。正極集電体は、例えばアルミニウム等の金属箔により構成されている。正極活物質層2は、例えば正極活物質と、グラファイト等の導電剤と、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤とを含有して構成されている。
【0029】
正極活物質としては特に限定されるものではないが、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料を用いることが好ましい。具体的には、充分な量のLiを含む材料を用いることが好ましい。充分な量のLiを含む材料としては、例えば一般式LiM但し、式中MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Tiのうち少なくとも1種の元素を表す。)で表されるリチウムと遷移金属とを含有する複合金属酸化物や、リチウムを含んだ層間化合物等を好適に用いることができる。また、その他に、正極活物質として金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子等を用いることができる。
【0030】
負極3は、例えば負極活物質を含有する負極活物質層と負極集電体とを有している。負極集電体は、例えば銅等の金属箔により構成されている。
【0031】
負極活物質としては、対リチウム金属2.0V以下の電位で電気化学的にリチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料を用いることが好ましい。
【0032】
具体的なリチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料としては、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し、炭素化したもの。)、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック類等の炭素質材料等を例示できる。また、リチウムと合金を形成可能な金属及びその合金も使用可能である。また、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等の比較的卑な電位でリチウムをドープ及び脱ドープ可能な酸化物や、その他窒化物等も、同様に負極3として使用可能である。
【0033】
また、負極3として、金属リチウム、リチウム合金を用いることも可能である。
【0034】
非水電解液は、非水溶媒と電解質塩とを適宜組み合わせて調製されるものである。非水溶媒としてはこの種の電池に用いられるものを何れも使用可能であり、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等を例示できる。
【0035】
電解質塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi、LiCl、LiBr等を使用可能である。
【0036】
上述したような非水電解液二次電池は、セパレータ4が、複数の微多孔膜が層状に配されてなり、正極2に近接する微多孔膜の融点が、負極側微多孔膜の融点よりも低く設定されている。このため、正極側微多孔膜が、正極の発熱を速やかに吸収して過充電状態における非水電解液二次電池の温度上昇を抑制するとともに、負極側微多孔膜が物理的強度を確保する。すなわち、セパレータ4を構成する正極側微多孔膜と負極側微多孔膜との相乗効果により、高い安全性を示すとともに、不良率が低減されて良好な生産性を維持する非水電解液二次電池を実現することができる。
【0037】
上述したような非水電解液二次電池を製造する方法については、特に限定されない。例えば負極3及び正極2を製造する方法としては、負極活物質又は正極活物質に公知の結着剤等を添加し溶剤を加えて塗布する方法、負極活物質又は正極活物質に公知の結着剤等を添加し加熱して塗布する方法、活物質単独、又は活物質、導電性材料、結着剤等を混合した混合物に、成型等の処理を施して成型体電極を作製する方法等が挙げられる。
【0038】
より具体的には、負極活物質又は正極活物質を結着剤、有機溶剤等と混合し、スラリー状にした後、これを負極集電体又は正極集電体上に塗布し、乾燥させることにより負極3又は正極2を作製できる。また、結着剤の有無にかかわらず、負極活物質又は正極活物質に熱を加えた状態で加熱成型することにより、高い強度を有する負極3又は正極2を作製することができる。
【0039】
また、上述の説明では、負極と正極との間にセパレータを介して積層し、巻芯の周囲に多数回巻き付けて巻回することにより作製される、いわゆる渦巻型電極体を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明では、電極とセパレータを順次積層する方法によって作製された積層型の電池であっても構わない。また、角形電池を作製する際に、負極と正極との間にセパレータを介して積層し、巻芯の周囲に多数回巻き付けて巻回する方法を採用しても構わない。
【0040】
なお、上述の説明では、非水電解質として非水電解液を用いた非水電解液二次電池を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、非水電解質として、電解質塩を含有した固体電解質、有機高分子に非水溶媒と電解質塩とを含浸させたゲル状電解質の何れも使用した場合であっても適用可能である。
【0041】
固体電解質としては、リチウムイオン導電性を有する材料であれば無機固体電解質、高分子固体電解質等、何れも使用可能である。具体的な無機固体電解質としては、窒化リチウム、ヨウ化リチウム等が挙げられる。高分子固体電解質は、電解質塩とそれを溶解する高分子化合物とからなる。高分子化合物としては、ポリ(エチレンオキサイド)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系、アクリレート系等を、単独若しくは分子中に共重合、又は混合して使用可能である。
【0042】
ゲル状電解質に用いられる有機高分子としては、有機溶媒を吸収してゲル化するものであれば、種々の高分子を用いることができる。具体的な有機高分子としては、ポリ(ビニリデンフルオロライド)やポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)等のフッ素系高分子、ポリ(エチレンオキサイド)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(アクリロニトリル)等を使用することができる。特に、酸化還元安定性の観点では、フッ素系高分子を使用することが好ましい。なお、これらの有機高分子は、電解質塩を含有されることにより、イオン導電性が付与される。
【0043】
また、上述の説明では、円筒型の非水電解質二次電池を例に挙げたが、電池の形状については特に限定されることなく、角型、コイン型、ボタン型、ラミネート型等の種々の形状をとることが可能である。また、本発明は、一次電池であっても二次電池であっても適用可能である。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。
【0045】
〈実験1〉
まず、非水電解液二次電池のセパレータとして、正極側微多孔膜に低融点を示すものを用いた場合について検討した。
【0046】
サンプル1
まず、以下のようにして負極を作製した。フィラーとなる石炭系コークス100重量部に対し、バインダーとなるコールタール系ピッチを30重量部加え、約100℃にて混合した後、プレスにて圧縮成型し、炭素成型体の前駆体を得た。この前駆体を1000℃以下で熱処理して得た炭素材料成型体に、さらに200℃以下で溶融させたバインダーピッチを含浸し、1000℃以下で熱処理するといったいわゆるピッチ含浸/焼成工程を数回繰り返した。その後、この炭素成型体を不活性雰囲気で2800℃にて熱処理し、黒鉛化成型体を得た後、粉砕分級し、試料粉末を作製した。
【0047】
なお、このとき得られた黒鉛材料についてX線回折測定を行った結果、(002)面の面間隔が0.337nmであり、(002)面のc軸結晶子厚みが50.0nmであり、ピクノメータ法による真密度が2.23であり、BET法による比表面積が1.6m2/gであり、レーザ回折法による粒度分布は平均粒径が33.0μmであり、累積10%粒径が13.3μmであり、累積50%粒径が30.6μmであり、累積90%粒径が55.7μmであり、黒鉛粒子の破壊強度の平均値が7.1kgf/mmであり、嵩密度が0.98g/cmであった。
【0048】
上記試料粉末を90重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を10重量部とを混合して負極合剤を調製し、溶剤となるN−メチルピロリドンに分散させてスラリー(ペースト)状にした。
【0049】
次に、負極合剤スラリーを負極集電体の両面に塗布し、乾燥させた後、一定圧力で圧縮成型して帯状の負極を作製した。なお、負極集電体としては厚さ10μmの帯状の銅箔を用いた。
【0050】
次に、正極を作製した。炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1モルとを混合し、この混合物を空気中、温度880℃で5時間焼成した。得られた材料についてX線回折測定を行った結果、JCPDSファイルに登録されたLiCoOのピークと良く一致していた。
【0051】
得られたLiCoOを粉砕し、平均粒径が8μmの粉末とした。このLiCoO粉末95重量部と、炭酸リチウム粉末5重量部とを混合した。この混合物を91重量部と、導電材として鱗片状黒鉛を6重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを3重量部とを混合して正極合剤を調製し、N−メチルピロリドンに分散させてスラリー(ペースト)状にした。
【0052】
次に、正極合剤スラリーを正極集電体の両面に塗布し、乾燥させた後、一定圧力で圧縮成型して帯状の正極を作製した。なお、正極集電体としては厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔を用いた。
【0053】
次に、以上のようにして作製された帯状の負極と帯状の正極とを、負極、セパレータ、正極、セパレータの順に積層してから多数回巻回し、外径18mmの渦巻型電極体を作製した。
【0054】
ここで用いたセパレータは、2層の微多孔膜からなるものである。このうち正極側微多孔膜は、融点が112℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものである。また、負極側微多孔膜は、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものである。以下では、正極側微多孔膜を1層目とし、負極側微多孔膜を、正極から離れるに従って2層目の微多孔膜、3層目の微多孔膜として数えることとする。
【0055】
なお、微多孔膜の融点の測定は、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、商品名DSC220U)で昇温速度5℃/分で行った。このとき測定される吸熱ピーク温度を融点とした。また、微多孔膜の空孔率の測定は、水銀圧入法ポロシメータ(ユアサアイオニクス社製、商品名ポアマスター)を用いて行った。
【0056】
以上のようにして得られた渦巻型電極体を、ニッケルメッキを施した鉄製の電池缶に収納した。そして渦巻型電極体の上下両面に絶縁板を配設し、アルミニウム製正極リードを正極集電体から導出して電池蓋に、ニッケル製極リードを負極集電体から導出して電池缶に溶接した。
【0057】
この電池缶の中に、重量混合比がLiPF:エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=10:40:50である非水電解液を注入した。
【0058】
次に、アスファルトで表面を塗布した絶縁封口ガスケットを介して電池缶をかしめることにより、電流遮断機構を有する安全弁、PTC素子、及び電池蓋を固定し、電池内の気密性を保持させ、直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0059】
サンプル2
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0060】
なお、1層目の微多孔膜の融点を測定したところ、図2に示すように、125℃と130℃との2カ所に吸熱のピークが観察された。
【0061】
サンプル3
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が140℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0062】
サンプル4
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が145℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0063】
サンプル5
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が165℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリプロピレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0064】
サンプル6
セパレータとして、融点が135℃であり、厚みが34μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなる微多孔膜を単層で用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0065】
サンプル7
セパレータとして、融点が125℃であり、厚みが34μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなる微多孔膜を単層で用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0066】
サンプル8
セパレータとして、融点が112℃であり、厚みが34μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなる微多孔膜を単層で用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0067】
サンプル9
1層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が125℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0068】
サンプル10
1層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0069】
以上のように作製したサンプル1〜サンプル10について、不良率の評価、過充電試験及び低温特性試験を行った。
【0070】
1.不良率
各サンプルの非水電解液二次電池を100個用意し、これらに対して23℃雰囲気中、上限電圧4.2V、電流0.3A、10時間の条件で定電流定電圧充電を行った後、23℃雰囲気中で1ヶ月間保存した。これらの電池に対してOCV測定を行い、4.15V以下の電池を不良品とした。
【0071】
2.過充電試験
各サンプルの非水電解液二次電池の表面に熱電対を貼り付け、23℃雰囲気中、上限電圧18V、電流1.5A、4時間の条件で定電流定電圧充電を行い、最高温度を測定した。
【0072】
3.低温特性試験
各サンプルの非水電解液二次電池に対して、23℃恒温槽中で、上限電圧4.2V、電流1A、3時間の条件で定電流定電圧充電を行った後、0.8Aの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行った。その後、上限電圧4.2V、電流1A、3時間の条件で定電流定電圧充電を行った。その後、−20℃の恒温槽中で3時間放置した後、−20℃の恒温槽中で0.7Aの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行い、このときの電池容量を測定した。
【0073】
以上の結果を下記表1に示す。なお、下記の表中、ポリエチレンをPEと表し、ポリプロピレンをPPとして表した。
【0074】
【表1】

Figure 0003794283
【0075】
表1から明らかなように、セパレータが2層の微多孔膜からなるとともに、正極側微多孔膜が相対的に低融点とされているサンプル1は、セパレータが単層の微多孔膜からなるサンプル6〜サンプル8に比べて、低い不良率を示すとともに、過充電時の最高温度も低く抑えられた。
【0076】
また、セパレータが2層の微多孔膜からなるとともに、正極側微多孔膜が相対的に低融点とされているサンプル1は、正極側微多孔膜が相対的に高融点とされているサンプル9に比べて、低い不良率を示すとともに、過充電時の最高温度も低く抑えられた。
【0077】
以上の結果から、セパレータが2層の微多孔膜からなるとともに、正極側微多孔膜が相対的に低融点とされている非水電解液二次電池は、生産性に優れるとともに、過充電時の温度上昇が抑制されることがわかった。
【0078】
また、サンプル2〜サンプル5の結果から、正極側微多孔膜が融点を2つ有する場合、低い不良率と過充電時の温度上昇の抑制効果とを、さらに確実に両立できることがわかった。
【0079】
〈実験2〉
次に、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の好ましい厚みについて検討した。
【0080】
サンプル11
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが4μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが30μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、11.8%である。
【0081】
サンプル12
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、20.6%である。
【0082】
サンプル13
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが9μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが25μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、26.5%である。
【0083】
サンプル14
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが11μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが23μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、32.4%である。
【0084】
サンプル15
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが20μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが14μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、58.8%である。
【0085】
サンプル16
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが25μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが9μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、73.5%である。
【0086】
サンプル17
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが29μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが5μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、85.3%である。
【0087】
サンプル18
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが31μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが3μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。なお、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、91.2%である。
【0088】
以上のように作製したサンプル11〜サンプル18について、上述した実験1と同様にして不良率の評価、過充電試験及び低温特性試験を行った。結果を下記表2に示す。
【0089】
【表2】
Figure 0003794283
【0090】
表2から明らかなように、サンプル12〜サンプル15は、低い不良率を示すとともに、過充電時の最高温度も低く抑えられた。これに対して、セパレータの総厚みに対する正極側微多孔膜の厚みが11.8%であるサンプル11は、低融点の正極側微多孔膜の存在割合が低いため、過充電時の温度上昇を抑制する効果が不充分であった。また、セパレータの総厚みに対する正極側微多孔膜の厚みが91.2%であるサンプル20は、セパレータの強度が弱くなったため、不良率が高い値を示した。
【0091】
以上の実験2の結果から、セパレータの総厚みに対する、正極側微多孔膜の厚みは、20%〜73%の範囲内であることが好ましいとわかった。
【0092】
〈実験3〉
次に、セパレータを構成する正極側微多孔膜の融点の好ましい範囲について検討した。
【0093】
サンプル19
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0094】
サンプル20
1層目の微多孔膜として、融点が122℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0095】
サンプル21
1層目の微多孔膜として、融点が120℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0096】
サンプル22
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0097】
サンプル23
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び133℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0098】
サンプル24
1層目の微多孔膜として、融点が108℃及び130℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが27μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0099】
以上のように作製したサンプル19〜サンプル24について、上述した実験1と同様にして不良率の評価、過充電試験及び低温特性試験を行った。結果を下記表3に示す。
【0100】
【表3】
Figure 0003794283
【0101】
表3から明らかなように、サンプル19〜サンプル23は、低い不良率を示すとともに、過充電時の最高温度も低く抑えられた。これに対して、1層目の微多孔膜の融点が、108℃及び130℃であるサンプル24は、1層目の微多孔膜の融点が低いために充分な強度が確保できず、不良率の増加を引き起こした。
【0102】
以上の実験3の結果から、正極側微多孔膜の融点は、120℃以上、133℃以下の範囲内であることが好ましいことがわかった。
【0103】
〈実験4〉
次に、セパレータの好ましい空孔率について検討した。
【0104】
サンプル25
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が20%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が20%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0105】
サンプル26
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が25%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が25%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0106】
サンプル27
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が30%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が30%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0107】
サンプル28
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が40%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が40%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0108】
サンプル29
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が45%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が45%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0109】
サンプル30
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が50%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が50%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0110】
サンプル31
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が55%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が55%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0111】
以上のように作製したサンプル25〜サンプル31について、上述した実験1と同様にして不良率の評価、過充電試験及び低温特性試験を行った。結果を下記表4に示す。
【0112】
【表4】
Figure 0003794283
【0113】
表4から明らかなように、サンプル26〜サンプル29は、低い不良率を示し、過充電時の最高温度も低く抑えられ、また、低温特性も良好な結果であった。これに対して、セパレータの空孔率が20%であるサンプル25は、空孔率が低いためにリチウムイオンの移動が妨げられ、低温特性が損なわれていた。また、セパレータの空孔率が50%以上であるサンプル30、31は、空孔率が高いためにセパレータの孔に活物質粒子が入り込む確率が高くなり、不良率が高い値を示した。
【0114】
以上の実験4の結果から、セパレータの空孔率は、25%以上、50%未満の範囲内であることが好ましいことがわかった。
【0115】
〈実験5〉
次に、微多孔膜が複数の融点を有する場合について検討した。
【0116】
サンプル32
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が132℃であり、厚みが10μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、3層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0117】
サンプル33
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが10μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、3層目の微多孔膜として、融点が132℃であり、厚みが7μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0118】
サンプル34
1層目の微多孔膜として、融点が125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃及び140℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
【0119】
サンプル35
1層目の微多孔膜として、融点が120℃、125℃及び130℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用い、2層目の微多孔膜として、融点が135℃であり、厚みが17μmであり、空孔率が36%であり、微多孔性ポリエチレンからなるものを用いたこと以外は、サンプル1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。以上のように作製したサンプル32〜サンプル35について、上述した実験1と同様にして不良率の評価、過充電試験及び低温特性試験を行った。結果を下記表5に示す。
【0120】
【表5】
Figure 0003794283
【0121】
表5から明らかなように、セパレータが3層の微多孔膜からなる構成であっても、最も融点の低い微多孔膜が正極に近接するように配されてなるサンプル32及びサンプル33は、低い不良率を示すとともに、過充電時の最高温度も低く抑えられた。
【0122】
また、サンプル34及びサンプル35の結果から明らかなように、最も融点の低い微多孔膜が正極に近接するように配されているのであれば、2層の微多孔膜がそれぞれ融点を2つ有する場合、及び微多孔膜が融点を3つ有する場合の何れであっても、良好な結果を得られることがわかった。
【0123】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る非水電解質電池は、セパレータとして、複数の微多孔膜を積層したものを用い、正極に近接する微多孔膜として、120℃以上、133℃以下の範囲内で2つ以上の融点を有し、この他の微多孔膜の融点よりも低いものを用いている。このため、正極に近接する微多孔膜は、異常時における正極の発熱を速やかに吸収し、非水電解質電池の温度上昇を抑制する。それとともに、正極に近接する微多孔膜以外の微多孔膜は、相対的に高融点とされているため、高い物理的強度を有する。したがって、本発明によれば、異常時における温度上昇が抑制され、優れた安全性を確保するとともに、良好な生産性を維持することが可能な非水電解質電池を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した非水電解液二次電池の一構成例を示す縦断面図である。
【図2】サンプル4のセパレータのうち、1層目の微多孔膜の示差走査熱量曲線を示す特性図である。
【符号の説明】
1 電池缶、 2 正極、 3 負極、 4 セパレータ、 5,6 絶縁板、 7 電池蓋、 8 安全弁、 9 熱感抵抗素子、 10 封口ガスケット、 11 センターピン、 12 正極リード、 13 負極リード[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention relates to a non-aqueous electrolyte battery having a positive electrode, a negative electrode, a separator disposed between the positive electrode and the negative electrode, and a non-aqueous electrolyte.
[0002]
[Prior art]
  In recent years, many portable electronic devices such as camera-integrated VTRs, mobile phones, laptop computers, and the like have appeared, and their size and weight have been reduced. As portable power sources for these electronic devices, research and development for improving the energy density of batteries, particularly secondary batteries, are being actively promoted. Among these, lithium ion secondary batteries are highly expected because they can provide a higher energy density than lead batteries and nickel cadmium batteries, which are conventional aqueous electrolyte secondary batteries.
[0003]
  For example, as a separator for a non-aqueous electrolyte secondary battery such as a lithium ion secondary battery, a polyolefin microporous film represented by polyethylene, polypropylene and the like is used.
[0004]
  The polyolefin microporous membrane used as a separator for nonaqueous electrolyte batteries has a large number of microporous membranes by melting the polyolefin microporous membrane when the temperature of the nonaqueous electrolyte battery rises above a predetermined value and reaches a shutdown temperature. The hole is closed, thereby blocking the movement of lithium ions and forcibly stopping the battery reaction. As a result, an increase in the battery internal temperature is suppressed, and the safety of the nonaqueous electrolyte battery is maintained.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
  However, when a polyolefin microporous membrane having a low melting point is used as a separator for the purpose of improving shutdown characteristics, the physical strength against piercing or the like is weakened, resulting in an increase in the defect rate when producing batteries. .
[0006]
  Therefore, the present invention has been proposed in view of such a conventional situation, and provides a non-aqueous electrolyte battery capable of suppressing a temperature rise at the time of abnormality and maintaining good productivity. For the purpose.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve the above object, a nonaqueous electrolyte battery according to the present invention includes a positive electrode, a negative electrode, a separator disposed between the positive electrode and the negative electrode, and a nonaqueous electrolyte. Is formed by laminating a plurality of microporous membranes,the aboveMicroporous membrane close to the positive electrodeHas two or more melting points within the range of 120 ° C or higher and 133 ° C or lower,It is characterized by being lower than the melting point of other microporous membranes.
[0008]
  In the non-aqueous electrolyte battery configured as described above, among the plurality of microporous membranes constituting the separator, those having a relatively low melting point are used as microporous membranes close to the positive electrode. For this reason, the microporous membrane close to the positive electrode quickly absorbs the heat generation of the positive electrode at the time of abnormality, and suppresses the temperature increase of the nonaqueous electrolyte battery. At the same time, since the microporous film other than the microporous film adjacent to the positive electrode has a relatively high melting point, it has high physical strength.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  Hereinafter, a nonaqueous electrolyte battery to which the present invention is applied will be described in detail with reference to the drawings.
[0010]
  The non-aqueous electrolyte secondary battery shown in FIG. 1 is a so-called cylindrical type, and has a spiral electrode body inside a substantially hollow cylindrical battery can 1. This spiral electrode body is formed by winding a strip-shaped positive electrode 2 having a positive electrode active material and a strip-shaped negative electrode 3 having a negative electrode active material through a separator 4 having ion permeability. The battery can 1 is made of, for example, iron plated with nickel, and has one end closed and the other end open. In addition, a pair of insulating plates 5 and 6 are arranged inside the battery can 1 perpendicular to the peripheral surface so as to sandwich the spiral electrode body.
[0011]
  At the open end of the battery can 1, a battery lid 7, a safety valve 8 and a thermal resistance element (Positive Temperature Coefficient; PTC element) 9 provided inside the battery lid 7 are provided via a sealing gasket 10. It is attached by caulking, and the inside of the battery can 1 is sealed. The battery lid 7 is made of, for example, the same material as the battery can 1. The safety valve 8 is electrically connected to the battery lid 7 via the heat sensitive resistance element 9, and when the internal pressure of the battery becomes a certain level or more due to internal short circuit or external heating, the safety valve 8 and the spiral lid A so-called current interrupting mechanism for disconnecting the electrical connection with the electrode body is provided. The heat-sensitive resistor element 9 limits the current by increasing the resistance value when the temperature rises, and prevents abnormal heat generation due to a large current. The sealing gasket 10 is made of, for example, an insulating material, and asphalt is applied to the surface.
[0012]
  The wound electrode body is formed by, for example, stacking a positive electrode 2 and a negative electrode 3 with a separator 4 around a center pin 11 and winding it many times. A positive electrode lead 12 made of aluminum or the like is connected to the positive electrode 2 of the wound electrode body, and a negative electrode lead 13 made of nickel or the like is connected to the negative electrode 3. The positive electrode lead 12 is electrically connected to the battery lid 7 by being welded to the safety valve 8, and the negative electrode lead 13 is welded to and electrically connected to the battery can 1. In addition, the separator 4 between the positive electrode 2 and the negative electrode 3 is impregnated with, for example, a non-aqueous electrolyte as a non-aqueous electrolyte.
[0013]
  The separator 4 is disposed between the positive electrode 2 and the negative electrode 3 to prevent these physical contacts and hold the non-aqueous electrolyte in the holes, that is, the separator 4 absorbs the non-aqueous electrolyte. Thus, lithium ions are allowed to pass through during charging and discharging.
[0014]
  Further, the separator 4 has a so-called shutdown function. The shutdown function is, for example, that when the temperature of the non-aqueous electrolyte secondary battery rises due to some cause, the microporous membrane constituting the separator 4 is melted to close the pores and forcibly stop the battery reaction. is there. Therefore, by providing the separator 4 with the shutdown function, for example, even when the non-aqueous electrolyte secondary battery is accidentally short-circuited, the temperature rise of the non-aqueous electrolyte secondary battery is suppressed and safety is ensured. It becomes possible.
[0015]
  In the non-aqueous electrolyte secondary battery to which the present invention is applied, the separator 4 is formed by laminating a plurality of microporous films having a large number of minute holes, and the melting point of the microporous film adjacent to the positive electrode 2 is the other. It is set lower than the melting point of the microporous membrane. In the following, the “microporous film adjacent to the positive electrode 2” is simply referred to as “positive microporous film”, and the “other microporous films” are collectively referred to as “negative microporous film”. .
[0016]
  In general, the temperature rise of the nonaqueous electrolyte secondary battery in an overcharged state is often caused by the heat generation of the positive electrode. For this reason, when a microporous film having a relatively low melting point is arranged on the positive electrode side, the positive microporous film exhibits a shutdown function at a lower temperature, that is, an endothermic reaction occurs, and heat is generated from the nonaqueous electrolyte secondary battery. The reaction can be suppressed more quickly. Therefore, the non-aqueous electrolyte secondary battery can reliably suppress a temperature rise during an abnormality and can realize high safety.
[0017]
  Moreover, since the melting point of the negative electrode side microporous film is set relatively high, the separator 4 has excellent physical strength. As a result, the occurrence of an internal short circuit caused by the positive electrode 2 and / or the negative electrode 3 piercing the separator 4 or the like is suppressed, and the defect rate during battery manufacture is reduced. Therefore, the non-aqueous electrolyte secondary battery is excellent in productivity.
[0018]
  On the other hand, when the separator has a single layer structure composed of a low melting point microporous film, the strength of the separator is reduced, and the probability of causing an internal short circuit is increased. As a result, when the battery is stored for a long time after the manufacture of the battery, the defect rate increases due to an increase in self-discharge and the like.
[0019]
  Further, when the separator has a structure in which a relatively high melting point microporous film is disposed on the positive electrode side and a relatively low melting point microporous film is disposed on the negative electrode side, a delay occurs in the endothermic reaction. As a result, the temperature of the non-aqueous electrolyte secondary battery increases during an abnormality.
[0020]
  Note that the melting point of the microporous film as described above refers to the temperature of the endothermic peak of the differential scanning calorimetry curve measured by, for example, performing differential scanning calorimetry (DSC).
[0021]
  The positive electrode side microporous membrane of the separator 4 to which the present invention is applied preferably has two or more melting points, that is, two or more endothermic peaks in the differential scanning calorimetry curve. Thereby, the defect rate can be further reduced and productivity can be improved.
[0022]
  Moreover, it is preferable that the thickness of the positive electrode side microporous film with respect to the total thickness of the separator 4 is 20% or more and 85% or less. The ratio of the thickness of the positive electrode side microporous membrane in the separator 4 is within the above-described range, thereby suppressing the temperature rise of the non-aqueous electrolyte secondary battery and maintaining good productivity. It is possible to ensure both. On the other hand, when the thickness of the positive microporous membrane with respect to the total thickness of the separator 4 is less than 20%, a low defect rate is obtained but the proportion of the low melting microporous membrane is small. There is a possibility that the temperature rise of the secondary battery cannot be suppressed. Further, when the thickness of the positive microporous membrane with respect to the total thickness of the separator 4 exceeds 85%, the temperature rise of the non-aqueous electrolyte secondary battery can be suppressed, but the strength of the separator 4 is reduced, and the defect rate increases. There is a risk of doing. The thickness of the positive electrode side microporous film with respect to the total thickness of the separator 4 is more preferably 26% or more and 74% or less.
[0023]
  Moreover, it is preferable that melting | fusing point of a positive electrode side microporous film is 112 degreeC or more and 133 degrees C or less. When the melting point of the positive electrode-side microporous membrane is within the above-described range, the strength of the separator 4 can be secured while reliably suppressing the temperature increase of the nonaqueous electrolyte secondary battery. On the other hand, when the melting point of the microporous membrane on the positive electrode side is less than 112 ° C., the temperature rise of the nonaqueous electrolyte secondary battery can be suppressed, but the strength of the separator 4 becomes low, and the defect rate may increase. There is. Further, when the melting point of the positive microporous membrane exceeds 133 ° C., the effect of suppressing the temperature rise of the nonaqueous electrolyte secondary battery may be insufficient. In addition, it is more preferable that melting | fusing point of a positive electrode side microporous film is 120 degreeC or more and 130 degrees C or less.
[0024]
  Further, the microporous membrane constituting the separator 4 preferably has a porosity of 25% or more and 50% or less, respectively. When the porosity of the microporous membrane is within the above-described range, excellent battery characteristics can be secured and good productivity can be maintained. On the other hand, when the porosity of the microporous film constituting the separator 4 is less than 25%, the passage of lithium ions in the separator 4 is hindered, and the low-temperature characteristics may be deteriorated. In addition, when the porosity of the microporous film constituting the separator 4 exceeds 50%, the negative electrode active material and / or the positive electrode active material easily enters the pores of the separator 4, thereby causing an internal short circuit and increasing the defect rate. There is a risk of doing.
[0025]
  The melting point of the negative electrode-side microporous film in the separator 4 is preferably 135 ° C. or higher. When the melting point of the negative electrode-side microporous film is 135 ° C. or higher, the separator 4 has sufficient strength, and the productivity of the nonaqueous electrolyte secondary battery is improved. On the other hand, when the melting point of the negative electrode-side microporous film is lower than 135 ° C., the strength of the separator 4 is weakened and the defect rate may increase.
[0026]
  The separator 4 to which the present invention is applied is not limited to a layered structure composed of two microporous films. For example, the present invention can be applied to the case where the negative electrode-side microporous film is composed of a plurality of microporous films, that is, the separator 4 has a layered structure composed of three or more microporous films.
[0027]
  Moreover, it is preferable that the microporous film which comprises the separator 4 consists of polyolefin. Specific examples of the polyolefin include polyethylene and polypropylene.
[0028]
  The positive electrode 2 has, for example, a positive electrode active material layer containing a positive electrode active material and a positive electrode current collector. The positive electrode current collector is made of, for example, a metal foil such as aluminum. The positive electrode active material layer 2 includes, for example, a positive electrode active material, a conductive agent such as graphite, and a binder such as polyvinylidene fluoride.
[0029]
  Although it does not specifically limit as a positive electrode active material, It is preferable to use the material which can dope and dedope lithium. Specifically, it is preferable to use a material containing a sufficient amount of Li. As a material containing a sufficient amount of Li, for example, the general formula LiMxOy(However,In the formula, M represents at least one element of Co, Ni, Mn, Fe, Al, V, and Ti. A composite metal oxide containing lithium and a transition metal represented by), an intercalation compound containing lithium, or the like can be suitably used. In addition, a metal oxide, a metal sulfide, a specific polymer, or the like can be used as the positive electrode active material.
[0030]
  The negative electrode 3 has, for example, a negative electrode active material layer containing a negative electrode active material and a negative electrode current collector. The negative electrode current collector is made of, for example, a metal foil such as copper.
[0031]
  As the negative electrode active material, it is preferable to use a material that can be electrochemically doped and dedoped with lithium at a potential of lithium metal of 2.0 V or less.
[0032]
  Specific materials capable of doping and dedoping lithium include non-graphitizable carbon, artificial graphite, natural graphite, pyrolytic carbons, cokes (pitch coke, needle coke, petroleum coke, etc.), graphites, glass Carbonaceous materials such as carbonaceous materials, organic polymer compound fired bodies (phenol resins, furan resins, etc., fired at an appropriate temperature and carbonized), carbon fibers, activated carbon, carbon blacks and the like. Further, a metal capable of forming an alloy with lithium and an alloy thereof can also be used. Similarly, oxides that can be doped and dedoped with lithium at a relatively base potential such as iron oxide, ruthenium oxide, molybdenum oxide, tungsten oxide, titanium oxide, tin oxide, and other nitrides are also used as the negative electrode 3. It can be used.
[0033]
  Further, as the negative electrode 3, it is also possible to use metallic lithium or a lithium alloy.
[0034]
  The nonaqueous electrolytic solution is prepared by appropriately combining a nonaqueous solvent and an electrolyte salt. As the non-aqueous solvent, any of those used in this type of battery can be used. Propylene carbonate, ethylene carbonate, vinylene carbonate, diethyl carbonate, dimethyl carbonate, 1,2-dimethoxyethane, 1,2-diethoxyethane , Γ-butyrolactone, tetrahydrofuran, 2-methyltetrahydrofuran, 1,3-dioxolane, 4-methyl-1,3-dioxolane, diethyl ether, sulfolane, methylsulfolane, acetonitrile, propionitrile, acetate ester, butyrate ester, propionic acid Examples include esters.
[0035]
  Examples of the electrolyte salt include LiPF.6LiClO4, LiAsF6, LiBF4, LiB (C6H5)4, CH3SO3Li, CF3SO3Li, LiCl, LiBr or the like can be used.
[0036]
  In the non-aqueous electrolyte secondary battery as described above, the separator 4 has a plurality of microporous membranes arranged in layers, and the melting point of the microporous membrane adjacent to the positive electrode 2 is higher than the melting point of the negative-side microporous membrane. Is set too low. For this reason, the positive electrode-side microporous membrane quickly absorbs the heat generated by the positive electrode to suppress the temperature rise of the non-aqueous electrolyte secondary battery in an overcharged state, and the negative electrode-side microporous membrane ensures physical strength. . That is, the non-aqueous electrolyte secondary that exhibits high safety and maintains good productivity by reducing the defective rate due to the synergistic effect of the positive electrode side microporous membrane and the negative electrode side microporous membrane constituting the separator 4 A battery can be realized.
[0037]
  The method for producing the non-aqueous electrolyte secondary battery as described above is not particularly limited. For example, the negative electrode 3 and the positive electrode 2 can be manufactured by adding a known binder or the like to the negative electrode active material or the positive electrode active material and applying a solvent, or by applying a known binder to the negative electrode active material or the positive electrode active material. A method in which an agent is added and heated to apply, a method in which an active material alone or a mixture in which an active material, a conductive material, a binder, etc. are mixed is subjected to a treatment such as molding to produce a molded body electrode. Can be mentioned.
[0038]
  More specifically, the negative electrode active material or the positive electrode active material is mixed with a binder, an organic solvent or the like to form a slurry, which is then applied onto the negative electrode current collector or the positive electrode current collector and dried. Thus, the negative electrode 3 or the positive electrode 2 can be produced. Regardless of the presence or absence of the binder, the negative electrode 3 or the positive electrode 2 having high strength can be produced by thermoforming the negative electrode active material or the positive electrode active material with heat applied.
[0039]
  In the above description, a so-called spiral electrode body is described as an example, which is produced by laminating a separator between a negative electrode and a positive electrode, and winding around the core many times. However, the present invention is not limited to this. For example, in the present invention, a stacked battery manufactured by a method of sequentially stacking an electrode and a separator may be used. Moreover, when producing a square battery, you may employ | adopt the method of laminating | stacking via a separator between a negative electrode and a positive electrode, winding around the winding core many times, and winding.
[0040]
  In the above description, a non-aqueous electrolyte secondary battery using a non-aqueous electrolyte as a non-aqueous electrolyte is taken as an example, but the present invention is not limited to this. The present invention is applicable even when a solid electrolyte containing an electrolyte salt or a gel electrolyte obtained by impregnating an organic polymer with a nonaqueous solvent and an electrolyte salt is used as the nonaqueous electrolyte.
[0041]
  As the solid electrolyte, any material such as an inorganic solid electrolyte and a polymer solid electrolyte can be used as long as the material has lithium ion conductivity. Specific examples of the inorganic solid electrolyte include lithium nitride and lithium iodide. The polymer solid electrolyte is composed of an electrolyte salt and a polymer compound that dissolves the electrolyte salt. As the polymer compound, an ether polymer such as poly (ethylene oxide) or a crosslinked product thereof, a poly (methacrylate) ester compound, an acrylate compound or the like can be used alone or copolymerized or mixed in the molecule. .
[0042]
  As the organic polymer used for the gel electrolyte, various polymers can be used as long as they absorb an organic solvent and gel. Specific organic polymers include fluorine-based polymers such as poly (vinylidene fluoride) and poly (vinylidene fluoride-co-hexafluoropropylene), and ether-based polymers such as poly (ethylene oxide) and the same cross-linked products. Poly (acrylonitrile) can be used. In particular, from the viewpoint of redox stability, it is preferable to use a fluorine-based polymer. In addition, ionic conductivity is provided to these organic polymers by containing an electrolyte salt.
[0043]
  In the above description, the cylindrical non-aqueous electrolyte secondary battery is taken as an example. However, the shape of the battery is not particularly limited, and various types such as a square type, a coin type, a button type, and a laminate type are available. It is possible to take a shape. Further, the present invention can be applied to either a primary battery or a secondary battery.
[0044]
【Example】
  Hereinafter, specific examples to which the present invention is applied will be described based on experimental results.
[0045]
  <Experiment 1>
  First, the case of using a positive microporous membrane with a low melting point as a separator for a non-aqueous electrolyte secondary battery was examined.
[0046]
  Sample 1
  First, a negative electrode was produced as follows. 30 parts by weight of coal tar pitch as a binder is added to 100 parts by weight of coal-based coke as a filler, mixed at about 100 ° C., and then compression molded by a press to obtain a precursor of a carbon molded body. . A so-called pitch impregnation / firing process is repeated several times, in which a carbon material molded body obtained by heat-treating this precursor at 1000 ° C. or lower is further impregnated with a binder pitch melted at 200 ° C. or lower and heat-treated at 1000 ° C. or lower. It was. Thereafter, the carbon molded body was heat-treated at 2800 ° C. in an inert atmosphere to obtain a graphitized molded body, and then pulverized and classified to prepare a sample powder.
[0047]
  As a result of X-ray diffraction measurement of the graphite material obtained at this time, the (002) plane spacing was 0.337 nm, and the (002) plane c-axis crystallite thickness was 50.0 nm. The true density by the pycnometer method is 2.23, the specific surface area by the BET method is 1.6 m 2 / g, the particle size distribution by the laser diffraction method is an average particle size of 33.0 μm, and a cumulative 10% particle size is 13 3 μm, 50% cumulative particle size is 30.6 μm, 90% cumulative particle size is 55.7 μm, and the average value of the fracture strength of graphite particles is 7.1 kgf / mm.2And the bulk density is 0.98 g / cm.3Met.
[0048]
  90 parts by weight of the above sample powder and 10 parts by weight of polyvinylidene fluoride (PVDF) as a binder are mixed to prepare a negative electrode mixture, which is dispersed in N-methylpyrrolidone as a solvent and slurry (paste) I made it.
[0049]
  Next, the negative electrode mixture slurry was applied to both sides of the negative electrode current collector, dried, and then compression molded at a constant pressure to produce a strip-shaped negative electrode. As the negative electrode current collector, a strip-shaped copper foil having a thickness of 10 μm was used.
[0050]
  nextA positive electrode was produced. 0.5 mol of lithium carbonate and 1 mol of cobalt carbonate were mixed, and this mixture was calcined in air at a temperature of 880 ° C. for 5 hours. As a result of X-ray diffraction measurement of the obtained material, LiCoO registered in the JCPDS file2It was in good agreement with the peak.
[0051]
  Obtained LiCoO2Was pulverized into a powder having an average particle size of 8 μm. This LiCoO295 parts by weight of powder and 5 parts by weight of lithium carbonate powder were mixed. A positive electrode mixture was prepared by mixing 91 parts by weight of this mixture, 6 parts by weight of flake graphite as a conductive material, and 3 parts by weight of polyvinylidene fluoride as a binder, and dispersed in N-methylpyrrolidone. To form a slurry (paste).
[0052]
  Next, the positive electrode mixture slurry was applied to both surfaces of the positive electrode current collector, dried, and then compression-molded at a constant pressure to produce a belt-like positive electrode. As the positive electrode current collector, a band-shaped aluminum foil having a thickness of 20 μm was used.
[0053]
  nextThe strip-shaped negative electrode and the strip-shaped positive electrode manufactured as described above were laminated in the order of the negative electrode, the separator, the positive electrode, and the separator and then wound many times to prepare a spiral electrode body having an outer diameter of 18 mm.
[0054]
  The separator used here consists of a two-layer microporous membrane. Of these, the positive microporous membrane has a melting point112 ° CIt has a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and is made of microporous polyethylene. The negative electrode side microporous membrane has a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and is made of microporous polyethylene. In the following, the positive-side microporous film is the first layer, and the negative-side microporous film is counted as a second-layer microporous film and a third-layer microporous film as the distance from the positive electrode increases.
[0055]
  The melting point of the microporous film was measured with a differential scanning calorimeter (manufactured by Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd., trade name DSC220U) at a heating rate of 5 ° C./min. The endothermic peak temperature measured at this time was taken as the melting point. The porosity of the microporous membrane was measured using a mercury intrusion method porosimeter (trade name Poremaster, manufactured by Yuasa Ionics Co., Ltd.).
[0056]
  The spiral electrode body obtained as described above was housed in a nickel-plated iron battery can. Insulating plates are arranged on both the upper and lower surfaces of the spiral electrode body, the aluminum positive electrode lead is led out from the positive electrode current collector and the nickel electrode lead is led out from the negative electrode current collector and welded to the battery can. did.
[0057]
  In this battery can, the weight mixing ratio is LiPF.6A non-aqueous electrolyte solution of ethylene carbonate: dimethyl carbonate = 10: 40: 50 was injected.
[0058]
  Next, the battery can is caulked through an insulating sealing gasket whose surface is coated with asphalt, thereby fixing the safety valve, PTC element, and battery cover having a current interruption mechanism, and maintaining the airtightness in the battery, and the diameter. A cylindrical nonaqueous electrolyte secondary battery of 18 mm and a height of 65 mm was produced.
[0059]
  Sample 2
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The film has a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and is microporous.polyethyleneA non-aqueous electrolyte secondary battery was produced in the same manner as in Sample 1 except that a material consisting of
[0060]
  When the melting point of the first microporous film was measured, endothermic peaks were observed at two locations of 125 ° C. and 130 ° C. as shown in FIG.
[0061]
  Sample 3
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 140 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0062]
  Sample 4
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. As a film, melting point145A non-aqueous electrolyte secondary battery was fabricated in the same manner as Sample 1, except that a temperature of 27 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used.
[0063]
  Sample 5
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. As the membrane, a non-aqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as in Sample 1 except that the membrane had a melting point of 165 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polypropylene. A secondary battery was produced.
[0064]
  Sample 6
  The separator was the same as Sample 1 except that the separator had a melting point of 135 ° C., a thickness of 34 μm, a porosity of 36%, and a microporous membrane made of microporous polyethylene was used as a single layer. A non-aqueous electrolyte secondary battery was produced.
[0065]
  Sample 7
  The separator was the same as Sample 1 except that the melting point was 125 ° C., the thickness was 34 μm, the porosity was 36%, and a microporous membrane made of microporous polyethylene was used as a single layer. A non-aqueous electrolyte secondary battery was produced.
[0066]
  Sample 8
  The separator was the same as Sample 1 except that the melting point was 112 ° C., the thickness was 34 μm, the porosity was 36%, and a microporous membrane made of microporous polyethylene was used as a single layer. A non-aqueous electrolyte secondary battery was produced.
[0067]
  Sample 9
  As the first microporous film, the melting point is 135 ° C., the thickness is 17 μm, the porosity is 36%, and the second microporous film is made of microporous polyethylene. Melting point125A non-aqueous electrolyte secondary battery was produced in the same manner as Sample 1, except that a temperature of 17 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used.
[0068]
  Sample 10
  As the first microporous film, the melting point is 135 ° C., the thickness is 17 μm, the porosity is 36%, and the second microporous film is made of microporous polyethylene. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the melting points were 125 ° C. and 130 ° C., the thickness was 17 μm, the porosity was 36%, and a microporous polyethylene was used. A secondary battery was produced.
[0069]
  Samples 1 to 1 produced as described aboveSample 10Were evaluated for defective rate, overcharge test, and low temperature characteristic test.
[0070]
  1. Defective rate
  After preparing 100 non-aqueous electrolyte secondary batteries of each sample, and carrying out constant current and constant voltage charging under conditions of an upper limit voltage of 4.2 V, a current of 0.3 A, and 10 hours in an atmosphere of 23 ° C. And stored in a 23 ° C. atmosphere for 1 month. OCV measurement was performed on these batteries, and a battery of 4.15 V or less was regarded as a defective product.
[0071]
  2. Overcharge test
  A thermocouple is attached to the surface of the non-aqueous electrolyte secondary battery of each sample, and constant current and constant voltage charging is performed under conditions of an upper limit voltage of 18 V, a current of 1.5 A and 4 hours in a 23 ° C. atmosphere, and the maximum temperature is measured. did.
[0072]
  3. Low temperature characteristic test
  The nonaqueous electrolyte secondary battery of each sample was subjected to constant current and constant voltage charging in a constant temperature bath at 23 ° C. under conditions of an upper limit voltage of 4.2 V, a current of 1 A, and 3 hours, and then a constant current of 0.8 A. Current discharge was performed to a final voltage of 3.0V. Thereafter, constant current and constant voltage charging was performed under conditions of an upper limit voltage of 4.2 V, a current of 1 A, and 3 hours. Then, after leaving in a -20 degreeC thermostat for 3 hours, 0.7 A constant current discharge was performed to the final voltage of 3.0 V in a -20 degreeC thermostat, and the battery capacity at this time was measured.
[0073]
  The above results are shown in Table 1 below. In the table below, polyethylene was expressed as PE and polypropylene was expressed as PP.
[0074]
[Table 1]
Figure 0003794283
[0075]
  As is clear from Table 1, the separator is composed of two layers of microporous membranes, and the positive-side microporous membrane has a relatively low melting point.Sample 1The separator consists of a single layer microporous membraneSample 6 to Sample 8Compared to the above, the defect rate was low and the maximum temperature during overcharging was kept low.
[0076]
  Further, in the sample 1 in which the separator is composed of two layers of microporous films and the positive electrode side microporous film has a relatively low melting point, the positive electrode side microporous film has a relatively high melting point.Sample 9Compared to the above, the defect rate was low and the maximum temperature during overcharging was kept low.
[0077]
  From the above results, the non-aqueous electrolyte secondary battery in which the separator is composed of two layers of microporous membrane and the positive electrode side microporous membrane has a relatively low melting point is excellent in productivity and at the time of overcharging. It has been found that the temperature rise of is suppressed.
[0078]
  Also,Sample 2 to Sample 5From the results, it was found that when the positive microporous membrane has two melting points, it is possible to more reliably achieve both a low defect rate and an effect of suppressing the temperature rise during overcharge.
[0079]
  <Experiment 2>
  nextThe preferred thickness of the positive microporous membrane relative to the total thickness of the separator was examined.
[0080]
  Sample 11
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 4 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene are used. A nonaqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 30 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced. In addition, the thickness of the positive electrode side microporous film with respect to the total thickness of the separator is 11.8%.
[0081]
  Sample 12
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced. Note that the thickness of the positive microporous membrane with respect to the total thickness of the separator is 20.6%.
[0082]
  Sample 13
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 9 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. A nonaqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as in Sample 1, except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 25 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced. In addition, the thickness of the positive electrode side microporous film with respect to the total thickness of the separator is 26.5%.
[0083]
  Sample 14
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 11 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. A nonaqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 23 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced. In addition, the thickness of the positive electrode side microporous film with respect to the total thickness of the separator is 32.4%.
[0084]
  Sample 15
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 20 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 14 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene. A secondary battery was produced. The thickness of the positive microporous membrane with respect to the total thickness of the separator is 58.8%.
[0085]
  Sample 16
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 25 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 9 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced. In addition, the thickness of the positive electrode side microporous film with respect to the total thickness of the separator is 73.5%.
[0086]
  Sample 17
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 29 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 5 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced. Note that the thickness of the positive microporous membrane with respect to the total thickness of the separator is 85.3%.
[0087]
  Sample 18
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 31 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 3 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced. The thickness of the positive microporous membrane with respect to the total thickness of the separator is 91.2%.
[0088]
  Samples 11 to 18 produced as described above were evaluated for the defect rate, overcharge test, and low-temperature characteristic test in the same manner as in Experiment 1 described above. The results are shown in Table 2 below.
[0089]
[Table 2]
Figure 0003794283
[0090]
  As is clear from Table 2,Sample 12 to Sample 15Showed a low defect rate and a low maximum temperature during overcharging. In contrast, the thickness of the positive microporous membrane with respect to the total thickness of the separator is 11.8%.Sample 11Since the existence ratio of the low melting point positive electrode side microporous film is low, the effect of suppressing the temperature rise during overcharging was insufficient. Sample 20 in which the thickness of the microporous membrane on the positive electrode side with respect to the total thickness of the separator was 91.2% showed a high defect rate because the strength of the separator was weakened.
[0091]
  From the result of Experiment 2 above, the thickness of the microporous membrane on the positive electrode side is 20% to the total thickness of the separator.73%It was found that it was preferable to be within the range.
[0092]
  <Experiment 3>
  nextThe preferred range of the melting point of the positive electrode side microporous membrane constituting the separator was examined.
[0093]
  Sample 19
As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0094]
  Sample 20
  As the first microporous membrane, a melting point of 122 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0095]
  Sample 21
  As the first microporous membrane, a melting point of 120 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0096]
  Sample 22
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0097]
  Sample 23
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 133 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0098]
  Sample 24
  As the first microporous membrane, a melting point of 108 ° C. and 130 ° C., a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 27 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0099]
  Sample 19 to sample 24 produced as described above were evaluated for defect rate, overcharge test, and low-temperature characteristic test in the same manner as in Experiment 1 described above. The results are shown in Table 3 below.
[0100]
[Table 3]
Figure 0003794283
[0101]
  As is clear from Table 3,Sample 19 to Sample 23Showed a low defect rate and a low maximum temperature during overcharging. In contrast, the melting point of the first microporous membrane is 108 ° C. and 130 ° C.Sample 24Since the melting point of the first microporous film was low, sufficient strength could not be secured, resulting in an increase in the defect rate.
[0102]
  From the results of Experiment 3 above, the melting point of the positive microporous membrane is120 ° CAs mentioned above, it turned out that it is preferable to exist in the range of 133 degrees C or less.
[0103]
  <Experiment 4>
  nextThe preferable porosity of the separator was examined.
[0104]
  Sample 25
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 20%, and a microporous polyethylene were used. A nonaqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 20%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0105]
  Sample 26
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 25%, and a microporous polyethylene were used. A nonaqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 25%, and a microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0106]
  Sample 27
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 30%, and a microporous polyethylene is used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 30%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0107]
  Sample 28
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 40%, and a microporous polyethylene were used. As the membrane, a non-aqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as in Sample 1, except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 40%, and made of microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0108]
  Sample 29
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 45%, and a microporous polyethylene were used. The nonaqueous electrolyte solution 2 was the same as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 45%, and a microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0109]
  Sample 30
  As the first microporous membrane, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 50%, and a microporous polyethylene were used. A nonaqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as in Sample 1, except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 50%, and a microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0110]
  Sample 31
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 55%, and a microporous polyethylene were used. A nonaqueous electrolyte solution 2 was used in the same manner as in Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 55%, and a microporous polyethylene. A secondary battery was produced.
[0111]
  Produced as aboveSample 25 to Sample 31In the same manner as in Experiment 1 described above, the failure rate evaluation, the overcharge test, and the low temperature characteristic test were performed. The results are shown in Table 4 below.
[0112]
[Table 4]
Figure 0003794283
[0113]
  As is clear from Table 4,Sample 26 to Sample 29Showed a low defect rate, the maximum temperature during overcharging was kept low, and the low temperature characteristics were good. In contrast, the porosity of the separator is 20%.Sample 25Has a low porosity, which hinders lithium ion movement and impairs low-temperature characteristics. In addition, the porosity of the separator50% or moreIsSample 30, 31Since the porosity is high, the probability that the active material particles enter the pores of the separator is high, and the defect rate is high.
[0114]
  From the result of the above experiment 4, the porosity of the separator is 25% or more,Less than 50%It has been found that it is preferable to be within the range.
[0115]
  <Experiment 5>
  nextThe case where the microporous membrane has a plurality of melting points was examined.
[0116]
  Sample 32
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The film has a melting point of 132 ° C., a thickness of 10 μm, a porosity of 36%, and is made of microporous polyethylene. The third layer of the microporous film has a melting point of 135 ° C. A non-aqueous electrolyte secondary battery was fabricated in the same manner as Sample 1, except that a material having a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene was used.
[0117]
  Sample 33
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The film has a melting point of 135 ° C., a thickness of 10 μm, a porosity of 36%, and is made of microporous polyethylene. The third layer of the microporous film has a melting point of 132 ° C. A non-aqueous electrolyte secondary battery was fabricated in the same manner as Sample 1, except that a material having a thickness of 7 μm, a porosity of 36%, and made of microporous polyethylene was used.
[0118]
  Sample 34
  As the first microporous film, a melting point of 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. The membrane was non-aqueous in the same manner as Sample 1 except that the membrane had a melting point of 135 ° C. and 140 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene. An electrolyte secondary battery was produced.
[0119]
  Sample 35
  As the first microporous membrane, a melting point of 120 ° C., 125 ° C. and 130 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. As for the microporous film, a non-water-soluble membrane was obtained in the same manner as in Sample 1, except that a melting point of 135 ° C., a thickness of 17 μm, a porosity of 36%, and a microporous polyethylene were used. An electrolyte secondary battery was produced. Produced as aboveSample 32-35In the same manner as in Experiment 1 described above, the failure rate evaluation, the overcharge test, and the low temperature characteristic test were performed. The results are shown in Table 5 below.
[0120]
[Table 5]
Figure 0003794283
[0121]
  As is apparent from Table 5, even when the separator is composed of three layers of microporous membrane, the microporous membrane having the lowest melting point is arranged so as to be close to the positive electrode.Sample 32 and Sample 33Showed a low defect rate and a low maximum temperature during overcharging.
[0122]
  Also,Sample 34 and Sample 35As is clear from the results of the above, if the microporous film having the lowest melting point is arranged so as to be close to the positive electrode, the two-layer microporous film each has two melting points, and the microporous film has It has been found that good results can be obtained with any of the three melting points.
[0123]
【The invention's effect】
  As is clear from the above description, the nonaqueous electrolyte battery according to the present invention isAs the separator, a laminate of a plurality of microporous films is used, and the microporous film close to the positive electrode has two or more melting points within a range of 120 ° C. or higher and 133 ° C. or lower,A material having a melting point lower than that of the other microporous film is used. For this reason, the microporous membrane close to the positive electrode quickly absorbs the heat generation of the positive electrode at the time of abnormality, and suppresses the temperature increase of the nonaqueous electrolyte battery. At the same time, since the microporous film other than the microporous film close to the positive electrode has a relatively high melting point, it has a high physical strength. Therefore, according to the present invention, it is possible to provide a non-aqueous electrolyte battery capable of suppressing temperature increase during an abnormality, ensuring excellent safety, and maintaining good productivity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a configuration example of a nonaqueous electrolyte secondary battery to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a characteristic diagram showing a differential scanning calorimetry curve of the first microporous membrane in the separator of sample 4.
[Explanation of symbols]
  DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Battery can, 2 Positive electrode, 3 Negative electrode, 4 Separator, 5, 6 Insulation board, 7 Battery cover, 8 Safety valve, 9 Thermal resistance element, 10 Sealing gasket, 11 Center pin, 12 Positive electrode lead, 13 Negative electrode lead

Claims (7)

正極と、負極と、当該正極と当該負極との間に配されるセパレータと、非水電解質とを有し、
上記セパレータは、複数の微多孔膜が積層されてなり、上記正極に近接する微多孔膜は、120℃以上、133℃以下の範囲内で2つ以上の融点を有し、この他の微多孔膜の融点よりも低いことを特徴とする非水電解質電池。
A positive electrode, a negative electrode, a separator disposed between the positive electrode and the negative electrode, and a non-aqueous electrolyte;
The separator is formed by laminating a plurality of microporous films, and the microporous film adjacent to the positive electrode has two or more melting points within a range of 120 ° C. or higher and 133 ° C. or lower. A nonaqueous electrolyte battery characterized by being lower than the melting point of the membrane.
上記セパレータの総厚みに対する、上記正極に近接する微多孔膜の厚みは、20%以上、85%以下であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。  The nonaqueous electrolyte battery according to claim 1, wherein the thickness of the microporous membrane adjacent to the positive electrode is 20% or more and 85% or less with respect to the total thickness of the separator. 上記セパレータの空孔率は、25%以上、45%以下であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。The nonaqueous electrolyte battery according to claim 1, wherein the separator has a porosity of 25% or more and 45% or less . 上記この他の微多孔膜の融点が、135℃以上であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。  The nonaqueous electrolyte battery according to claim 1, wherein the other microporous membrane has a melting point of 135 ° C. or higher. 上記微多孔膜は、ポリオレフィンからなることを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。  The nonaqueous electrolyte battery according to claim 1, wherein the microporous membrane is made of polyolefin. 上記負極は、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料を含有することを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。  The non-aqueous electrolyte battery according to claim 1, wherein the negative electrode contains a material capable of doping and dedoping lithium. 上記正極は、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料を含有することを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。  The non-aqueous electrolyte battery according to claim 1, wherein the positive electrode contains a material capable of doping and dedoping lithium.
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