JP3793892B2 - 材料の調製方法、装置および分析方法 - Google Patents

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技術分野
本発明は材料に切断面および/または切目を形成する材料の調製方法、特に分析、観察、記録等(以下、分析等という場合がある。)に供する試料として用いるのに適した材料の調製方法、装置および分析方法に関し、さらに詳細には生物、有機・無機物、化学物質等の変形、破壊または変質しやすい材料に適した材料の調製方法、装置および分析方法に関するものである。
背景技術
種子等の生物体その他の材料を試料として分光分析する場合、生物体等の材料を切断して鏡面仕上げ切断面を形成することが要求される。また試料をレーザービームで打抜いて質量分析する場合は、特定の厚さの試料片とすることが要求される。このような試料に切断面および/または切込を形成して鏡面仕上げする装置としては、刃物をスライド式および回転式で用いるものがある。
このうちスライド式のものは鋭利な刃をスライドさせるもので、肝細胞等の動物組織などを柔らかいパラフィンなどに包埋して切断するのに適している。しかし刃物の圧力により組織が変形あるいは破壊されやすく、また植物の茎、葉のようにプラントオパールなどのケイ酸成分を含む組織を切る場合、スチールナイフはケイ酸で傷付き、ナイフマークなどの引っかき傷が試料に生じやすい。
回転式のものはダイヤモンドソーのような回転式カッタを用いるものであるが、上記と同様の刃物の圧力による組織の変形や破壊のほか、摩擦熱で試料が変質しやすい。これを防止するために切削油などを用いて冷却と酸化防止を図っているが、生物試料の場合は切削油を吸収し易く、分光分析を行うと異物として検出されてしまい、測定精度が悪くなる。
このほか両方式とも材料を切るときに材料が動かないようにするために、パラフィン、樹脂等で包埋して切ることが行われているが、切断に際して包埋剤が試料中に混入し、測定精度が悪くなるなどの問題点がある。
本発明の第1の目的は、簡単な構成と装置により、材料の変形、破壊、変質等を防止して切断面および/または切込を形成することができる材料の調製方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、簡単な構成と操作により、材料の変形、破壊、変質等を防止して切断面および/または切込を形成し、一定の位置および角度に測定面を形成して、高精度の分析、観察、記録等の試料としての利用を可能にする材料の調製方法を提案することである。
本発明の第3の目的は、上記の材料の調整に適した材料調製装置を提供することである。
発明の開示
本発明は次の材料の調製方法および装置である。
(1)保持ユニットの保持部に材料を保持し、
保持ユニットに保持された材料を固定部材で固定し、
材料を覆うように材料の周囲および上部に置いたドライアイスで材料を凍結するとともに、発生する炭酸ガスで気相置換し、
固定されかつ凍結された材料をドライアイスで覆った状態で、カッタで材料を切り、
飛散する切屑をドライアイスに捕捉させて除去することにより、切った面への付着を防止し、
汚染のない切断面および/または切目を形成する材料の調製方法。
(2)保持ユニットに充填した充填剤に材料を包埋した状態で、ドライアイスで凍結して充填剤を固化させ、カッタで材料を切るようにした上記(1)記載の方法。
(3)カッタで切断面および/または切目を形成したのち、切った面をカッタで研磨し鏡面仕上げする上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)材料が分析、観察または記録用の試料である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法により調製された材料。
(6)保持部を有する保持ユニットと、
保持部に保持された材料を固定する固定部材と、
保持ユニットに保持された材料を覆うように材料の周囲および上部にドライアイス置いて、材料を凍結および気相置換するように設けられたドライアイス収容部と、
固定されかつドライアイスで凍結および気相置換された材料を、ドライアイスで覆った状態切るカッタと、
飛散する切屑をドライアイスに捕捉させて除去することにより、切った面への付着を防止し、汚染のない切断面および/または切目を形成するカッティング空間と
を備えている材料調製装置。
(7)保持部が複数個一列に設けられた上記(6)記載の装置。
(8)保持ユニットから突出する材料の突出部を保持する突出部受部を有し、保持ユニットに着脱可能に取付けられる受台
をさらに備えている上記(6)または(7)記載の装置。
(9)受台は切離された突出部を固着する固着手段を有する上記(8)記載の装置。
(10)上記(5)記載の材料を試料として分析を行う分析方法。
本発明において調製の対象となる材料は切断面および/または切込を形成する材料であって、変形、破壊または変質しやすい材料を含むすべての材料が対象になるが、特に分析等の試料のための材料が適している。
このような材料としては生物、有機・無機物、化学物質などがあげられ、具体的には植物の種子、茎、葉、根、動植物(ヒトを含む)の組織などがあげられる。これらは試料以外の目的に用いるものでもよい。これら以外の材料としては、シリコン結晶等のウエハを切り出すための材料、変形しやすい織物、その他の材料があげられる。
このような材料を調製した試料を用いる分析、観察等としては、試料の切断面または切込を利用して分析、観察、記録等を行うすべての方法に適用できる。例えば電磁波を利用した分光分析(赤外線、ラマン、蛍光X線、色彩色差計を含む)、質量分析など計数的に分析するもののほか、顕微鏡(電子顕微鏡を含む)、テレビジョン、画像解析装置、写真、肉眼等により画像として観察、測定、記録するものなどを含む。
本発明では、このような変形、破壊または変質しやすい材料を保持ユニットで保持し、ドライアイスで材料を冷却して実質的に瞬時に凍結させるとともに、気相を炭酸ガスに置換して固定した状態でカッタで切って切断面および/または切込を形成することにより材料を調製する。ドライアイスは炭酸ガスを冷却して固化したものであり、粒径0.1〜5mm、好ましくは0.1〜2mmのものを使用することができる。このドライアイスは材料を冷却、凍結、気相置換できる位置に存在させ、材料を覆うように、材料の周囲および上部に置く。
材料を切る段階で材料は保持ユニットに固定されている必要があるが、この固定は保持ユニットに設けた固定部材により固定してもよく、また充填剤を保持ユニットに充填し、充填剤自身の固着力により、またはドライアイスで冷却して固化させることにより固定することができる。充填剤としてはパテ(例えばシリコン系、水性アクリル樹脂系等)あるいは、水のような低温で固化する物質が作業性が良いため好ましいが、樹脂のように重合または縮合性のものを用いてもよい。
保持ユニットは材料を一部が突出するように部分的に保持し、固定部材で固定できるように構成することができる。保持ユニットに形成される保持部は材料を保持できる構造となっていればよいが、切断後に材料を収容できるように材料の外形に対応した形状を有するのが好ましい。この保持部は完全に材料の外形に一致する必要はなく、ほぼ対応した形状の大きめの収容部とし、この収容部にパテ、水のような充填剤を収容して材料を包埋できるようにするのが好ましい。この保持部は複数個を形成するのが好ましく、この場合カッタにより同一平面上で一度に切ることができるように複数個を一列または複数列に並べて形成するのが効率的で好ましい。複数列に配置する場合には、保持部を格子状あるいは蜂の巣状に形成することができる。
固定部材は保持部に保持された材料を固定する部材であり、保持部に保持された形状に応じて材料を傷つけない限度で弾性体により押しつけて固定するものが好ましい。保持部と固定部材は一体的に形成されてもよい。保持ユニットが保持部を複数個有する場合は固定部材もこれに対応して固定できる構造とし、例えば保持部が一列に配置される場合にはこれに対応した長板状またはくし歯状の固定部材を用いることができる。
保持部の構造によっては充填剤を固定部材として利用することもできる。例えば保持部が穴状に形成されている場合には、穴状部に材料を挿入した状態で周囲にパテのような充填剤を充填して材料を包埋し、充填剤を固化させれば充填剤で試料を固定することができる。充填剤としては両面粘着テープのようなシート状のものであってもよい。
保持ユニットに保持された材料を凍結し、気相置換するように設けられるドライアイス収容部は、保持ユニットに一体的に形成してもよく、また保持ユニットを取付ける取付台に形成してもよく、また保持ユニットと取付台の中間部に形成してもよい。ドライアイスは単に試料保持部の周辺上部にドライアイスを載せるだけでもよいが高速回転するカッタの風圧によるドライアイスの浮上を防止するためにアンカーとして機能するドライアイス収容部を保持部を取り囲むように溝状に設けるのが望ましい。
カッティング空間は保持ユニットに保持された材料をカッタで切って切断面および/または切込を形成するように設けられる。このカッタは保持ユニットと一体化し、または独立して設けられるもので、一般には半導体ウエハ用の高精度スライサ等のカッティング装置のカッタをそのまま利用できるが、簡易切断の場合には保持ユニットの一端部に支点を有するレバー式のカッタなども使用できる。この場合保持ユニットをカッティング装置に装着して位置決めし、保持部から突出する試料を切るように構成される。複数の試料保持部に複数の試料が保持される場合にはすべての試料を同一平面で切るように配置される。例えば複数の保持部が一列に配置される場合には、その列方向にカッタまたは保持ユニットを移動させて、複数の材料を切るように構成される。カッタはスライド式、回転式など任意のものが使用できるが、ダイヤモンドソーのような刃部にダイヤモンド等の超硬材を有する回転式のカッタが好ましい。
保持ユニットから突出する材料をカッタで切る場合、突出部を保持するための突出部受部を設けるのが好ましい。突出部受部には粘着テープ等の固着手段を設けて切離された突出部を固着し化学分析用の試料として回収できるようにするのが好ましい。この突出部受部は保持ユニットに直接または取付台等を介して着脱自在に取付けられる受台に設けられるのが好ましい。
上記のような装置により材料を調製するためには、まず保持ユニットの保持部に材料を保持し、好ましくは保持部に充填剤を充填して材料を包埋した状態で材料を保持し、固定部材がある場合は固定部材で材料を固定する。また受台がある場合は受台を保持ユニットに取付けて突出部受部で材料の突出部を保持する。この状態でドライアイス収容部にドライアイス粉末を収容し、材料の周囲および上部をドライアイス粉末で覆う。
ドライアイスは昇華温度が大気圧下では−78.5℃であるため、材料は実質的に瞬時に凍結されて周囲の気相が不活性な炭酸ガスに置換される。材料は瞬時に凍結するため、組織内部の氷の結晶は成長せず、また酸素が追出されるため、氷、酸素および熱による変質はなくなる。また低温のため充填剤は固化して材料は固定される。
この状態でカッタをスライドまたは回転させてカッティング空間において材料を切ると、摩擦熱はドライアイスに吸収されるため、材料は実質的に−78.5℃の不活性雰囲気に保たれた状態で切断面または切込が形成される。材料および充填剤とも固化するため、根のような軟質組織も切られ、切屑は飛散し、材料の切った面に付着しない。切った面をカッタの刃で薄く研磨することにより、鏡面仕上げにすることができる。この場合は切屑、研磨屑はドライアイスに捕捉されて除去され、材料には汚染のない均一な鏡面が形成される。
上記により調製された材料は保持ユニットから取り出してそれぞれの目的に使用するが、分析等の試料として用いるのが好ましい。本発明の分析方法は上記のような材料を試料として分析を行う方法である。材料に切断面および/または切込を形成して分析等用の試料を調製したときは、試料は試料ホルダごと受台から取外して分析装置に装着して分析、観察、記録等の操作を行うことができる。これらの操作は試料を凍結させた状態で行ってもよく、また結露防止のためデシケータなどで常温に戻した状態で行ってもよい。切断面を形成した場合は切断面に電磁波を照射して分光分析等の分析を行ったり、顕微鏡または写真等による観察、画像解析装置等による形状の記録、測定などを行う。切断面と平行に切込を形成した場合は、板状に形成された材料片にレーザ照射して成分を蒸発させることにより質量分析を正確に行うことができる。上記の試料は分析面を光軸に対して直角にできるため、従来法では光散乱で測定できなかった微量成分の分析が可能になる。また切断面は試料ホルダの基部から一定の距離に形成できるため、多数の試料を同一条件で定量的に分析でき分析精度が高くなる。また切断面および/または切込形成後研磨により鏡面を形成したときは光散乱が防止され、分析精度はさらに高くなる。
上記により調製された材料はドライアイスで凍結した状態で切っているため、変形、破壊、変質が生じない。このため、分析等の試料として利用でき、試料の内部状態を正確に分析、観察等を行い、分析等の精度を高くすることができる。またドライアイスにより生成する炭酸ガスは容易に除去できるため、分析精度への影響を少なくすることができる。
切断された材料または突出部は瞬間的に凍結が起こるため変質はなく、解凍後は元の状態に復帰する。このため種子を材料とした場合、胚部は発芽機能を維持するから、育種することが可能になる。従って試料分析により優れた種子を選別し、選別された種子の胚部を発芽させて育種することにより、目的とする種子を増すことができる。この場合胚部を保持部側に位置させることにより、分析による影響を受けることなく、種子の選別が可能になる。切り離された突出部は化学分析による成分分析の試料などとして利用される。また調製材料を分析試料以外の用途に用いる場合、例えばシリコン結晶を切断してシリコンウエハ等として用いる場合も変質がないので、調製前の成分、物理、化学的特性を維持することができる。
本発明によれば、保持ユニットの保持部に材料を保持し、保持ユニットに保持された材料を固定部材で固定し、材料を覆うように材料の周囲および上部に置いたドライアイスで材料を凍結するとともに、発生する炭酸ガスで気相置換し、固定されかつ凍結された材料をドライアイスで覆った状態で、カッタで材料を切り、飛散する切屑をドライアイスに捕捉させて除去することにより、切った面への付着を防止し、汚染のない切断面および/または切目を形成するようにしたので、簡単な構成と操作により、材料の変形、破壊、変質等を防止して汚染のない切断面および/または切込を形成することができ、調製材料を分析等の試料として利用する場合、高精度の分析等を行うことができる。
保持部に充填剤を充填し材料を包埋してドライアイスにより充填剤を固化させると、材料の固定が容易であり、種子のように機械的な固定が困難な材料についても容易に固定することができる。
ホルダから突出する突出部を保持する突出部受部を設けることにより、カッタにより切るときの振動等による材料の移動を防止し、材料を正確に切ることができる。この突出部受部に固着手段を設けると、切り離された突出部を回収して分析等に有効利用することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
第1図は実施形態の材料調製装置の斜視図である。第2図はカッタで切る状態を示す斜視図である。第3図(a)は材料を切る状態の断面図、(b)は切った状態の試料の斜視図である。第4図は切った状態の保持ユニットの斜視図である。第5図(a)は材料を保持しない状態、(b)は材料を保持した状態、(c)は材料を切った状態の保持ユニットの一部の拡大斜視図である。
第1ないし第5図において、材料調製装置10は保持ユニット1と受台2が結合部材3aにより着脱可能に取付けられている。保持ユニット1は上辺のエッジに沿って材料11(本実施形態では小麦種子)の半分の形状に対応した凹部からなる複数の保持部4が一列に形成されている。この保持部4に保持された材料11の被保持部11aを上から押えて固定するようにくし歯状の固定部材5が結合部材3bによって取付けられている。保持部4には充填剤13を充填する充填空間4aを形成するのが好ましい。保持ユニット1には保持部4を取り囲むようにドライアイス12を収容するためのドライアイス収容部6aが溝状に形成されている。
受台2は保持ユニット1に着脱自在に取り付けられており、材料11の突出部11bを保持する突出部受部7が保持部4に対向して一列に設けられており、その先端に突出部11bを固着する固着材7aとして両面粘着テープが、固着されている。突出部受部7の周囲にはドライアイス収容部6bが設けられ、ドライアイス収容部6aに連なっている。
保持ユニット1と受台2の合せ面8の上部にはカッティング空間9が形成されている。
第2図において、20はカッティング装置、21は材料ステージ、22は回転式のダイヤモンドソーからなるカッタ、23は押え治具、24はカバーである。
上記の装置による材料調製方法は以下のように行われる。まず第5図(a)の状態から第5図(b)に示すように、保持ユニット1の保持部4に材料11の胚部11c側を被保持部11aとして収容した状態でシリコンパテ等の充填剤13を充填して材料11を包埋し、固定部材5で固定する。そして第3図(a)に示すように受台2を結合部材3aで結合し、突出部11bを固着材7aに固定して突出部受部7で保持する。この状態で第2図に示すように材料調製装置10をカッティング装置20の材料ステージ21に載せ押え治具23で位置決めする。そしてドライアイス収容部6a、6bおよび材料11の上にドライアイス12を収容して材料11を凍結させ、気相置換するとともに充填剤13を固化させて材料11を固定する。
この状態でカッタ22をカッテイング空間9に降下させ、カッタ22または材料ステージ21を移動させて材料を切り、切断面14および切込15を形成する。このときカッタ22による摩擦熱はドライアイスにより吸収される。材料11は凍結により脆化しているのでカッタ22による切取部分は粉末化して飛散し、材料11の外層部等が内層部の切断面に付着せず、変形、破壊、変質等のない観察面としての切断面14および切込15が得られる。カッタ22を再度降下させて切断面を薄く研磨することにより鏡面仕上げも可能である。
こうして調製した材料11は保持ユニット1ごと取り出して受台2から分離すると、第4図および第5図(c)に示すように、材料11の切断面14が露出した状態になる。材料11の形状は第3図(b)に示す通りである。この材料ホルダ1を材料11が凍結状態のまま、または常温に戻して分析等の試料として利用し、分析装置等に装着して分析等を行う。例えば分光分析の場合、材料11の切断面14に照射光を照射するように保持ユニット1を装着して分光分析を行う。この場合切断面14は保持ユニット1の基部から一定距離、一定角度(直角)となっているので、多数の試料について同一条件で分析を行うことができ、分析精度は高い。質量分析を行う場合は切断面14と切込15間の試料片16にレーザ光を照射して蒸発させ、質量分析を行う。他の分析、観察、記録、測定等も上記と同様にして行うことができる。切離された突出部11bは固着材7aに固着されて回収され、化学分析等が行われる。
実施形態のように小麦の種子を試料とする場合には、上記の分析により種子の選別を行い、これを育種して増やすことができる。この場合胚部11cは発芽機能を維持したまま残留するので、その中から選別した種子の胚部をとり出して育種することができる。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例1
第1図の材料調製装置を用い、材料として小麦品種(農林61号、関東119号、Halberd、Eradu)の種子を各5粒ずつ(合計20粒)切断面および切込を形成して試料を調製し、測色分析に供し白度を調べた。材料調製装置は、アクリル樹脂を切削加工して作成した。試料ホルダと受台を結合ネジで結合し、材料調製装置を組み立てた。小麦種子をシリコン系のパテを薄く塗布した保持部に並べ、ワイヤカット放電加工機で作成したステンレス製の板バネ(t=1mm)からなる固定部材をネジ止めして種子の下部をパテの中に包埋した。
小麦は、可食部である胚乳部を突出部として、以下の通り高精度スライサー(USM 150A、東芝機械)で切断した。20個の試料を保持した試料ホルダをスライサーの電磁チャック式ステージに固定用治具で固定し、切断位置の照準を合わせた後、材料調製装置のドライアイス収容部および材料上部を直径約1mmに粉砕したドライアイスで埋め、ドライアイスで全体を−78.5℃に冷却して材料およびパテを固化させて切断時の変形および発熱を防ぐと共に、昇華した炭酸ガスで酸素を置換して酸化を防止した。切断は、ダイヤモンドソー(φ=100mm、t=200μm、ダイヤモンド粒度500メッシュ、旭ダイヤモンド社)を用い、ドライアイス粉末の中に包埋された試料を6,000rpmの回転速度で切断した。次いで、表面を5〜10μm削り、鏡面仕上げの切断面として試料測定部を調製した。試料の厚さの均一性が要求される場合には、切断面より1mm後方に切込を入れ、試料片の厚さを一定にした。
白度の測定は、切断した種子が並んでいる材料調製装置の結合ネジを外して受台を離し、試料の鏡面状の切断面が上面になるように材料ステージに設置し、微小面(φ300μm)の顕微測色を試みた。測色データはコンピュータに記録し、色彩解析ソフトを用いて、カラー画像化して解析した。その測定結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003793892
産業上の利用可能性
本発明の材料の調製方法および装置は生物、有機物、化学物質等の変形、破壊または変質しやすい材料を、分析、観察、記録等の試料、あるいはその他の材料として用いることができるように、切断面および/または切込を形成するために利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の材料調製装置の斜視図である。
【図2】 カッタで切る状態を示す斜視図である。
【図3】 (a)は材料を切る状態の断面図、(b)は切った状態の試料の斜視図である。
【図4】 切った状態の保持ユニットの斜視図である。
【図5】 (a)は材料を保持しない状態、(b)は材料を保持した状態、(c)は材料を切った状態の保持ユニットの一部の拡大斜視図である。

Claims (10)

  1. 保持ユニットの保持部に材料を保持し、
    保持ユニットに保持された材料を固定部材で固定し、
    材料を覆うように材料の周囲および上部に置いたドライアイスで材料を凍結するとともに、発生する炭酸ガスで気相置換し、
    固定されかつ凍結された材料をドライアイスで覆った状態で、カッタで材料を切り、
    飛散する切屑をドライアイスに捕捉させて除去することにより、切った面への付着を防止し、
    汚染のない切断面および/または切目を形成する材料の調製方法。
  2. 保持ユニットに充填した充填剤に材料を包埋した状態で、ドライアイスで凍結して充填剤を固化させ、カッタで材料を切るようにした請求項1記載の方法。
  3. カッタで切断面および/または切目を形成したのち、切った面をカッタで研磨し鏡面仕上げする請求項1または2に記載の方法。
  4. 材料が分析、観察または記録用の試料である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法により調製された材料。
  6. 保持部を有する保持ユニットと、
    保持部に保持された材料を固定する固定部材と、
    保持ユニットに保持された材料を覆うように材料の周囲および上部にドライアイス置いて、材料を凍結および気相置換するように設けられたドライアイス収容部と、
    固定されかつドライアイスで凍結および気相置換された材料を、ドライアイスで覆った状態で切るカッタと、
    飛散する切屑をドライアイスに捕捉させて除去することにより、切った面への付着を防止し、汚染のない切断面および/または切目を形成するカッティング空間と
    を備えている材料調製装置。
  7. 保持部が複数個一列に設けられた請求項6記載の装置。
  8. 保持ユニットから突出する材料の突出部を保持する突出部受部を有し、保持ユニットに着脱可能に取付けられる受台
    をさらに備えている請求項6または7記載の装置。
  9. 受台は切離された突出部を固着する固着手段を有する請求項8記載の装置。
  10. 請求項5記載の材料を試料として分析を行う分析方法。
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