JP3793503B2 - Steel plate heating method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の加熱方法に関し、特に鋼板の幅方向温度分布を加熱制御する鋼板の加熱方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板の熱間圧延は、図1に示すように、加熱炉1に低温のスラブ2を装入して、所定の温度に再加熱し、再加熱したスラブ2を粗圧延機3で所定の厚さに圧延して粗バー4となし、クロップシャー5を用いて粗バーの先尾端を切断し、粗バー4の幅方向両エッジ部の温度低下を回復するためにエッジヒーター6で両エッジ部を加熱して、複数基のスタンドからなる連続仕上圧延機7で所定の熱延鋼板に仕上圧延した後に、ランアウトテーブル上の冷却スタンド8において冷却し、コイラー9で巻き取ることにより行われている。
【0003】
また、仕上圧延の前に粗バー同士を接合して仕上圧延を行うエンドレス圧延がなされる場合には、図2に示すように、加熱炉1に低温のスラブ2を装入して、所定の温度に再加熱し、再加熱したスラブ2を粗圧延機3で所定の厚さに圧延して粗バー4となし、コイルボックス10で巻き取り、コイルボックスから巻き戻された粗バーの先端を接合シャー11で切断し、先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端を溶接装置12により接合し、粗バー4の幅方向両エッジ部の温度低下を回復するためにエッジヒーター6で両エッジ部を加熱して、複数基のスタンドからなる連続仕上圧延機7で所定の熱延鋼板に仕上圧延した後に、ランアウトテーブル上の冷却スタンド8において冷却し、コイラー9で巻き取ることにより行われている。
【0004】
このような熱延鋼板の熱間圧延又はエンドレス圧延工程においては、低温スラブを加熱炉で再加熱するために、偏熱の発生が避けられず、また加熱炉抽出の放熱や、圧延材は圧延中に板幅に対して板厚が小さくなることが原因で、粗圧延中に粗バーの両エッジ部に温度低下が発生する。これらの温度低下は、粗バーの幅方向の温度分布の不均一を招き、仕上温度の不均一の原因となる。
【0005】
そして、粗バーの幅方向の温度分布が不均一になると、仕上圧延中に熱延鋼板に耳波や中伸びが生じ、また熱延鋼板の幅方向の機械的性質等の材質特性が不均一となる等の問題が生ずる。
【0006】
このような粗バーの幅方向の温度分布の不均一に起因する問題を防止するために、粗圧延機と仕上圧延機との間に加熱装置とエッジヒーターとを設け、粗圧延機によって粗圧延された粗バーを加熱することが知られている。従来は、粗圧延機と仕上圧延機との間に、粗バーをその幅方向全体にわたって加熱するためのソレノイド型誘導加熱装置と、粗バーの両エッジ部を加熱するためのエッジヒータとを設け、ソレノイド型誘導加熱装置とエッジヒータとによって、仕上圧延機の入側における粗バーをその幅方向に均一な温度となるように加熱することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
ここで使用するソレノイド型誘導加熱装置の特徴は、板を取り囲むようにコイルを巻き、板と平行に磁場を発生させるという磁場特性があり、板全表面を集中加熱し、伝熱により温度が平均化するものであるため、板幅方向温度分布がほぼ一定の状態で全幅に均一温度だけ昇温する。
【0008】
即ち、ソレノイド型誘導加熱装置で圧延負荷が減少するように粗バーを幅方向に均一加熱すると共に、エッジヒータで温度低下の大きい両エッジ部(エッジ部)を加熱して幅方向を均一な温度分布となるようにしようとするものである。
【0009】
ところが、本発明者が熱延鋼板の幅方向の材質特性について研究した結果、仕上圧延機入側の粗バーについて、その温度低下の大きいエッジ部をエッジヒーターで加熱して幅方向の温度分布を均一化しても、仕上圧延によって得られる鋼板の幅方向材質特性が均一となっていないことを見出した。即ち、粗圧延機と仕上圧延機との間で粗バーを幅方向に全体を均一に加熱すると共に、エッジヒーターにより温度低下の大きい両エッジ部を加熱する加熱方法では、仕上圧延して得られた熱延鋼板の幅方向材質特性を均一化することは困難であった。その原因について、種々実験を行い究明したところ、加熱炉におけるスラブ加熱時に原因があることを見出した。即ち、加熱炉は高温雰囲気中でスラブを加熱するものであるので、必然的にスラブの中心部の温度が低く、この温度分布は圧延により板厚が薄くなっても維持されるため、幅方向平均温度に対して中心部は低く、エッジ部に向かって高くなっているアルファベットのM型の幅方向温度分布を呈している。
【0010】
従って、幅方向温度分布を均一化して板幅方向の材質特性の均一化を図ることは、エッジヒーターによる加熱方法や、幅方向温度一律一定値昇温のバーヒータによる加熱方法では不可能である。
【0011】
また、自動車等の車体部品のプレス素材(ブランク材)として、板幅方向に強度の異なるテーラードブランク材が製造されている。このテーラードブランク材は、車体部品にプレス成形すると、車体部品の所定の部分の機械的性質を異ならせることが可能となる。
【0012】
従来は、複数の鋼帯を溶接してテーラードブランク材とする方法が一般的であるが、近年熱延鋼帯をランアウトテーブル(ROT)で水冷する際に、鋼帯幅方向の冷却速度を変化させることにより、鋼帯の幅方向の機械的性質を異ならしめて、溶接を行うことなしにテーラードブランク材を製造する方法が種々提案されている(例えば、特許文献2及び3)。
【0013】
ところが、鋼帯の幅方向の冷却速度を変化させるよりも、仕上圧延前に鋼帯幅方向の温度差を異ならしめて、テーラードブランク材とすることにより、機械的性質、特に穴広げ率と伸び特性に優れたテーラードブランク材が製造できることを見出した。この方法においては、鋼帯幅方向の温度差を効果的に異ならしめるための鋼帯の加熱方法及び装置が必要とされているのが実状である。
【0014】
【特許文献1】
特開平3−314216号公報
【特許文献2】
特開平11−192501号公報
【特許文献3】
特開2000−11541号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記実状に鑑み、鋼板(鋼帯)幅方向の任意の領域を加熱することが可能で、かつ鋼板幅方向の温度分布を制御することが可能な鋼板の加熱方法を提供することを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、幅方向の材質特性のばらつきがない熱延鋼板を得るには、仕上圧延機入側の粗バーの幅方向温度分布を均一にすることが必要であるが、そのためにはスラブ加熱時にスラブ中心部の温度が低いことに起因する粗バー中央低温部を加熱昇温させること、また、仕上圧延前に鋼板(粗バー)幅方向の温度差を異ならしめて、テーラードブランク材とするためには、粗バー幅方向の任意の領域を加熱昇温させることが要求される。このため、鋼板(粗バー)長手方向に複数台のトランスバース型誘導加熱装置からなるバーヒータを配設し、各バーヒータを鋼板長手方向で重なり合う部分(合計昇温量が大きいこととなる)が存在するように鋼板幅方向にシフトさせ、各バーヒータを加熱運転すれば、鋼板幅方向の任意の領域を温度差を付けて加熱昇温できるので、幅方向温度分布を制御できることを知見して本発明を完成した。
【0017】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0018】
(1) 複数台のトランスバース型誘導加熱装置からなるバーヒータを鋼板長手方向の異なる位置に配設し、鋼板幅方向のそれぞれの位置を操作することで鋼板幅方向の重なり合い部分を制御して各バーヒータを加熱運転し、鋼板幅方向温度分布を制御することを特徴とする鋼板の加熱方法。
【0020】
(2) 鋼板幅方向の中央部集中加熱では、複数台のトランスバース型誘導加熱装置からなるバーヒータを鋼板幅方向中央に移動させて加熱運転を行うことを特徴とする上記(1)記載の鋼板の加熱方法。
【0021】
(3) 鋼板幅方向全体加熱では、複数台のトランスバース型誘導加熱装置からなるバーヒータを幅方向全体に一定間隔となるように移動させて加熱運転を行うことを特徴とする上記(1)または(2)記載の鋼板の加熱方法。
【0022】
(4) 熱延ラインの仕上最終スタンドよりも上流側に設置した複数台のトランスバース型誘導加熱装置からなるバーヒータにより加熱することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の鋼板の加熱方法。
【0023】
(5) バーヒータよりも上流側に配置した幅方向温度計により、鋼板幅方向温度分布を測定し、該測定した温度分布に基いて各バーヒータのシフト量を決定することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の鋼板の加熱方法。
【0024】
(6) インコイルでシフトが可能となっている上記(1)〜(5)のいずれかに記載の鋼板の加熱方法。
【0025】
(7) インコイルでそれぞれのバーヒータの加熱量を独立して可変させることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の鋼板の加熱方法。
【0026】
(8) インコイルでぞれぞれのバーヒータの鉄心間距離を独立して可変させることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の鋼板の加熱方法。
【0027】
(9) エッジヒータで板幅方向端部を加熱することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれに記載の鋼板の加熱方法。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図に基いて本発明を詳細に説明する。
【0029】
図3は、加熱炉で加熱したスラブを粗圧延した粗バーの幅方向温度分布を示す図である。
【0030】
加熱炉は高温雰囲気中でスラブを加熱するので、加熱されたスラブは、その周囲は高温となり中心部に低温部が生じることは避けられない。このため、加熱されたスラブを粗圧延した粗バーは、図3(a)に示すように、粗バー4のエッジ部は放冷大13であるため温度低下し、中央部はスラブの低温部14の履歴がそのまま維持され、図3(b)のように例えば板幅中央部の温度が1033℃、中央部からエッジ部に向かって最高温度の1056℃、エッジ部が1002℃であるアルファベットのM型を呈する幅方向温度分布となる。このような幅方向温度分布の粗バーを仕上圧延すると、図3(c)のように、板幅中央部の温度が852℃、中央部からエッジ部に向かって最高温度の865℃、エッジ部が800℃とアルファベットのM型を呈する仕上圧延鋼板となるので、冷却後に得られた熱延鋼板の幅方向の機械的性質等の材質特性は不均一となる。
【0031】
従来の熱間圧延方法においては、図4(a)に示すように、粗バーのエッジ部のみが放冷で温度低下するので、エッジヒーターにより加熱すると幅方向温度分布が均一化すると考えられていたが、エッジヒーターでエッジ部を斜線で示す昇温量15だけ加熱昇温(1056℃)させても、中央低温部(1033℃)を昇温させることができない。また、ソレノイド型誘導加熱装置を用いて、粗バー幅方向全体を加熱昇温させる方法においても、図4(b)に示すように、斜線で示すソレノイド型誘導加熱装置による昇温量16だけ全体の温度が昇温し、M型の幅方向温度分布は維持される。したがって、エッジヒーターやソレノイド型誘導加熱装置による加熱昇温では、幅方向温度分布の均一化は達成することができない。
【0032】
また、鋼帯の幅方向に異なる機械的特性、特に穴広げ特性と伸び特性との異なる特性を有するテーラード鋼板を熱間圧延によって製造するのに、仕上圧延前に鋼板幅方向で温度差を異ならしめて仕上圧延すると、鋼板の穴広げ特性が熱間仕上温度によって効果的に改善されることを見出した。
【0033】
例えば、C:0.09〜0.11%、Si:1.30〜1.50%、Mn:1.25〜1.45%、P:0.010%以下、S:0.002%以下の成分系からなる590MPa級高張力鋼帯をクロスメンバー等の自動車用部品に適用する場合には、鋼帯の幅方向に部品取りされ、その部品形状からコイル幅中央付近では伸びフランジ加工、鋼帯の1/4幅〜幅エッジ部では張り出し加工が主となる加工が行われる。
【0034】
このような加工においては、伸びフランジ加工部に対して、鋼帯の穴広げ率70%以上、望ましくは80%以上が必要で、張り出し加工に対して、鋼板の伸び率31%以上、望ましくは34%以上が必要である。
【0035】
上記の機械的性質を得るための条件について検討する。
【0036】
図5(a)は590MPa級高張力鋼帯の熱間仕上温度(℃)と穴広げ率(%)との関係を示す図で、図5(b)は、590MPa級高張力鋼帯の熱間仕上温度(℃)と伸びEL(%)との関係を示す図である。図5(a)に示すように、熱間仕上温度の上昇に対応して鋼帯の穴広げ率は改善されるが、図5(b)に示すように、熱間仕上温度の上昇に対応して鋼帯の伸びは低下する。つまり、熱間仕上温度に対して、穴広げ特性と伸び特性は相反する傾向を示す。
【0037】
したがって、図5(a)から穴広げ率70%以上とするためには熱間仕上温度が矢印で示す878℃以上とすることが要求され、また、図5(b)から伸び率31%以上とするためには、矢印で示す860℃以下とすることが要求され、両者で要求される温度範囲が異なることがわかる。しかしながら、両者の特性を併せ持つ鋼帯を得るには、熱間仕上温度を860〜880℃の極めて狭い範囲にコントロール(斜線で示す範囲)すれば得ることができるが、温度条件的中が困難であり条件外れが発生する事、たとえ温度条件を的中させても材質のばらつきによる材質目標外れが発生する事による歩留まりの低下という問題がある。
【0038】
本発明では、鋼帯幅方向の熱間仕上温度を異ならしめて、鋼帯幅中央付近は熱間仕上温度870℃以上、鋼帯の1/4幅〜幅エッジ部は熱間仕上温度860℃以下となるように鋼帯幅中央部を20℃以上加熱する熱間仕上温度条件とすることで、鋼帯幅中央付近は70%以上の穴広げ率を有し、鋼帯の1/4幅〜幅エッジ部では31%以上の伸び率を有する機械特性が幅方向で異なるテーラード鋼帯を容易に製造できることがわかった。
【0039】
ところが、幅方向の材質特性が均一化した鋼板や幅方向の材質特性が異なるテーラード鋼板を製造するに必要である加熱装置、即ち、鋼板の幅方向温度分布を任意に制御して、幅方向温度分布を均一化すること、あるいは幅方向温度を効果的に異ならしめることができる加熱装置はこれまで提案されていない。
【0040】
本発明者は、鋼板幅方向温度分布を任意に制御することができる鋼板の加熱方法及び装置について鋭意研究し、トランスバース型誘導加熱装置からなるバーヒータを鋼板長手方向(圧延ライン)に複数台配置し、各バーヒータを幅方向にシフトさせ、鋼板長手方向のバーヒータの重なり合い部分量を制御して、各バーヒータを加熱運転することで、幅方向温度分布を任意に制御し得ることを見出した。
【0041】
図6に示すように、トランスバース型誘導加熱装置17は、ソレノイド誘導加熱装置とは異なり、鉄心18にコイル19を巻き回すことによって構成されていて鉄心幅に応じて鋼板20の幅方向特定部分を均一に加熱することができる特性を有している。
【0042】
しかも、鋼板の上下位置に配置して使用することができるので、鋼板幅方向へのシフトを容易に行うことができ、鋼板表面に疵をつけることがないという特性を有している。
【0043】
図7(a)は、バーヒータ1台の鋼板幅方向の配置とその昇温量を示す図で、図7(c)〜(e)は、鋼板長手方向に3台のバーヒータを配置し、各バーヒータを幅方向に所定量シフトした場合の、鋼板幅方向の昇温量を示す図である。
【0044】
図7(a)に示すように、鋼板21中央部に1台のバーヒータ(トランスバース型誘導加熱装置)22を配置してバーヒータを加熱運転すると、鋼板幅方向の昇温量分布23は、バーヒータの幅(鉄心幅)に対応して山型の昇温量分布となる。このような昇温特性を有するバーヒータ3台を鋼板長手方向に配設し、各バーヒータを鋼板幅方向に所定量シフト(幅方向の中心をシフト量の基準とする。またシフト量ゼロの場合も含む。)させると、例えば、図7(b)は、シフト量がゼロで、バーヒータ3台全てが重なりあう場合の例で、バーヒータ3台の昇温量が合算されて、下部の図に示すように鋼板幅方向中央部の昇温量分布が高い状態となり、図7(c)は、中央の1台のバーヒータはシフトさせずに上流側及び下流側の2台のバーヒータを逆方向にシフトさせ、バーヒータの重なりあう部分を少し減少させた場合の例で、3台のバーヒータの昇温量がシフト量に応じてずれた状態で合算されて、下部の図に示すように鋼板幅方向に広い山型の昇温量分布となり、そして、図7(d)は、上流側及び下流側の2台のバーヒータのシフト量を図7(c)よりも大きくし、バーヒータの重なりあう部分をさらに減少させた場合の例で、3台のバーヒータの合算昇温量分布は、図7(c)よりも更に広い山型の昇温量分布となる。また図7(e)はバーヒータを幅方向全体に一定間隔となるように移動させて、バーヒータの重なりあう部分を無くして、幅全体を加熱する場合の例であり、図7(c)よりも更に広い山型の昇温量分布となる。
【0045】
なお、シフトさせるバーヒータは下流側に限らずどのバーヒータをシフトさせても同様の昇温分布が達成できる。上記例では3台のバーヒータの例を示したが、バーヒータの台数を更に多くすれば、合算昇温量を高くすることができると共に、鋼板幅方向の昇温量分布を精度よく制御することが可能となる。即ち、複数台(2台以上)のバーヒータを鋼板幅方向にシフト可能とし、シフトすることで幅方向の鋼板昇温の分担の分布を可変化させることができるので、鋼板幅方向の任意の領域を昇温させることができ、幅方向温度分布を制御できる。また、バーヒータはインコイルでシフト可能とすることができ、更にバーヒータは、同幅および/または異幅のバーヒータを組み合わせて使用することが可能である。さらに複数のバーヒータはインコイルでそれぞれのバーヒータの加熱量や鉄心間距離を独立して可変させることにより、さらに温度制御性を向上させることが可能になる。
【0046】
例えば、鋼板(粗バー)中央部の温度が低い場合に、同幅の3台のバーヒータを用いて幅方向温度偏差を改善する例を説明する。
【0047】
図8(a)に示すように、1500mm幅の粗バーの幅方向温度分布は、中央部が40℃低いアルファベットのM 型となっていた(点線で示す)。そこで、鋼板中央部を逆M型に40℃昇温させて幅方向の温度分布を均一にするため、3台のバーヒータを用いて加熱昇温した( 斜線領域が昇温量である)。3台のバーヒータの合算昇温量(実線で示す)は、中央部が40℃高いなだらかな山型の昇温量分布(逆M型)とする必要がある。この昇温量分布とするため、図8(b)に示すように、3台のバーヒーターはそれぞれの鉄心間距離及び昇温量は同じものとし、600mm幅の3台のバーヒータ(No.1〜3)の内2台のバーヒータ(No.1及びNo.3)を幅方向の中心(板幅方向距離が750mm位置)を基準として±150mmシフトさせ加熱運転を行った。即ち、板幅方向距離が600mm〜900mm位置(板幅方向の中心を基準として±150mm)はNo.1〜3の3台全てのバーヒータの鉄心が重なり合う部分を存在させ、板幅方向距離が450mm〜900mm位置(板幅方向の中心を基準として、−300mm〜+150mm)はNo.1と2の2台のバーヒータの鉄心が、さらに板幅方向距離が600mm〜1050mm位置(板幅方向の中心を基準として、−150mm〜+300mm )はNo.2と3の2台のバーヒータの鉄心がそれぞれ重なり合う部分を存在させた。その結果各バーヒータ(No.1〜No.3)の昇温量分布は、ずれたなだらかな山型となり、3台の合計昇温量は中央部が40℃高い山型の昇温量分布となった。
【0048】
鋼板の昇温量の決定の仕方は、鋼板(粗バー)の幅別、バーヒータのシフト量別、バーヒータの昇温量別にバーヒータの幅方向の加熱プロフィールを計算機に記憶させ、バーヒータよりも上流側に配置した幅方向温度計により鋼板幅方向の温度分布を把握し、目的とする幅方向温度分布のプロフィールの差分を加熱するように、最も近いシフト量、昇温量を計算機で選択して、その指令を電気シーケンサーに指示してバーヒータシフト量(バーヒータの重なり合い部分量)、加熱量を設定することにより行うことができる。これによって、鋼板の幅方向の任意の領域を所定量昇温させることが可能となる。
【0049】
また、バーヒータをシフトさせる手段としては、例えばレール上を走行可能な台車に、昇降自在にバーヒータを設置し、駆動装置により台車をシフトさせることにより、鋼板幅方向にバーヒータをシフトさせることができる。そして、上下のバーヒータを昇降させてバーヒータの間隙を調整することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例に基いて本発明を詳細に説明する。
【0051】
熱間圧延において、600mm幅の3台の同幅のトランスバース型バーヒータ(BH1、BH2、BH3)を用いて、900mm幅、1200mm幅、1500mm幅、及び1800mm幅の4種類の粗圧延された鋼板(粗バー)を仕上圧延機前でバーヒータを幅方向にシフトさせて加熱し、鋼板幅方向温度分布を均一化する試験(a)〜(e)を行った。なお、上下のバーヒータの鉄心間距離(ギャップ)はそれぞれの板幅で▲1▼210mm、▲2▼160mm、▲3▼130mmの3水準変更して行った。そして、それぞれの水準での昇温量及び昇温量差を求めた。さらに900mm幅ではさらにエッジヒータでの加熱を付加した場合の試験(e)もおこなった。
【0052】
表1に試験条件及び昇温量を示す。表1に示すように、上下のバーヒータの鉄心間距離(ギャップ)が狭いほど昇温量、昇温量差が大きく、また、バーヒータの重なりが大きいほど昇温量、昇温量差が大きくなっていた。なお、図9に示すように、3台のバーヒータ(BH1〜3)の各々は、WS(Work Side)側、或いはDS(Drive Side)側にシフトさせた。図12の(a)〜(e)は各加熱試験a〜eに対応するバーヒータの幅方向シフトの状態を示している。表1のバーヒータによる「昇温量」は、図10(a)に示すように、昇温前後の板幅方向のそれぞれの最低温度の差とした。また、同様に表1の「昇温量差」は、図10(b)に示すように、鋼板幅方向のセンターの昇温量に対して、鋼板エッジから150mmの位置の昇温量の差とした。
【0053】
【表1】
【0054】
図11に4種類の鋼板をバーヒータで加熱昇温(バーヒータの鉄心間距離=210mm)させたそれぞれの仕上圧延機前でのバーヒータによる昇温量(BH昇温量)と仕上圧延機出側の板幅方向の温度分布の比較(バーヒータの加熱の有無の比較)結果を示す。図11に示すように、粗圧延された各鋼板はアルファベットM型の温度偏差を有する点線で示す温度分布であったが、3台のバーヒータによる細い実線で示す温度分布の合計昇温量により昇温された。その結果、太い実線で示すように鋼板幅方向温度分布はほぼ均一化された。
【0055】
このように幅方向温度分布を有する鋼板を仕上圧延することにより、鋼板幅方向に材質特性が均一化された熱延鋼板が得られる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、鋼板幅方向の任意の領域を加熱昇温することができるので、熱間圧延において、鋼板(粗バー)幅方向の温度分布の均一化することができ、その結果熱延鋼板幅方向の材質特性の均一化を達成することができる。また、鋼板(粗バー)幅方向の温度分布を意図的に異ならしめることもでき、熱間圧延によって幅方向材質特性の異なるテーラード鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間圧延工程を示す模式図である。
【図2】連続熱間圧延工程を示す模式図である。
【図3】粗圧延した粗バー及び仕上圧延した鋼板の幅方向温度分布を示す図である。
【図4】(a)は、エッジヒーターによる昇温を行った鋼板幅方向温度分布を示す図で、(b)はソレノイド型誘導加熱装置によって昇温された鋼板幅方向温度分布を示す図である。
【図5】(a)は600MPa級高張力鋼板の熱間仕上温度(℃)と穴広げ率(%)との関係を示す図で、(b)は600MPa級高張力鋼板の熱間仕上温度(℃)と伸びEL(%)との関係を示す図である。
【図6】トランスバース型バーヒータの概要を示す図である。
【図7】複数台のバーヒータを鋼板幅方向にシフトして、鋼板を加熱する際の幅方向昇温量を示す模式図である。
【図8】バーヒータによる幅方向昇温分布及び鋼板の幅方向温度偏差改善を示す図である。
【図9】実施例におけるバーヒータの幅方向シフトを説明するための図である。
【図10】実施例におけるバーヒータによる昇温量及び昇温量差の規定を説明するための図である。
【図11】実施例における鋼板幅方向温度偏差改善を示す図である。
【図12】実施例における(a)〜(e)の加熱試験に対応する幅方向シフトの状態を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱炉
2 スラブ
3 粗圧延機
4 粗バー
5 クロップシャー
6 エッジヒーター
7 連続仕上圧延機
8 冷却スタンド
9 コイラー
10 コイルボックス
11 接合シャー
12 溶接装置
13 放冷大
14 低温部
15 エッジヒーターによる昇温量
16 ソレノイド型誘導加熱装置による昇温量
17 トランスバース型誘導加熱装置
18 鉄心
19 コイル
20 鋼板
21 鋼板(粗バー)
22 バーヒータ
23 昇温量分布[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for heating a steel sheet, and more particularly to a method for heating a steel sheet that controls the temperature distribution in the width direction of the steel sheet.
[0002]
[Prior art]
As shown in FIG. 1, hot rolling of a steel plate is performed by inserting a low-
[0003]
In addition, when endless rolling is performed in which rough bars are joined to each other before finish rolling, as shown in FIG. 2, a low-
[0004]
In such a hot-rolling or endless rolling process of a hot-rolled steel sheet, since the low-temperature slab is reheated in a heating furnace, the occurrence of uneven heat is inevitable, and the heat release from the heating furnace and the rolled material are rolled. Due to the fact that the plate thickness becomes smaller with respect to the plate width, temperature drop occurs at both edge portions of the coarse bar during rough rolling. These temperature drops cause non-uniform temperature distribution in the width direction of the coarse bars, and cause non-uniform finishing temperatures.
[0005]
If the temperature distribution in the width direction of the rough bar becomes non-uniform, ear waves and medium elongation occur in the hot-rolled steel plate during finish rolling, and the material properties such as the mechanical properties in the width direction of the hot-rolled steel plate are non-uniform. The problem of becoming.
[0006]
In order to prevent such problems due to uneven temperature distribution in the width direction of the rough bar, a heating device and an edge heater are provided between the rough rolling mill and the finish rolling mill, and rough rolling is performed by the rough rolling mill. It is known to heat the roughed bar. Conventionally, a solenoid-type induction heating device for heating the rough bar over the entire width direction and an edge heater for heating both edges of the rough bar are provided between the rough rolling mill and the finish rolling mill. It has been proposed to heat a rough bar on the entrance side of a finishing mill so as to have a uniform temperature in the width direction by a solenoid induction heating device and an edge heater (for example, Patent Document 1).
[0007]
The feature of the solenoid type induction heating device used here is that the coil is wound around the plate and a magnetic field is generated in parallel with the plate. The entire surface of the plate is heated centrally, and the temperature is averaged by heat transfer. Therefore, the temperature is increased by a uniform temperature over the entire width in a state where the temperature distribution in the plate width direction is substantially constant.
[0008]
That is, the coarse bar is uniformly heated in the width direction so that the rolling load is reduced by a solenoid type induction heating device, and both edge portions (edge portions) having a large temperature drop are heated by an edge heater so that the temperature in the width direction is uniform. It is intended to be a distribution.
[0009]
However, as a result of studying the material properties in the width direction of the hot-rolled steel sheet, the present inventor has heated the edge portion of the coarse bar on the finishing rolling mill entrance side with an edge heater to increase the temperature distribution in the width direction. It has been found that the material properties in the width direction of the steel sheet obtained by finish rolling are not uniform even when uniformized. That is, in the heating method in which the rough bar is uniformly heated in the width direction between the rough rolling mill and the finish rolling mill, and both the edge portions having a large temperature drop are heated by the edge heater, it is obtained by finish rolling. It was difficult to make uniform the material properties in the width direction of the hot-rolled steel sheet. The cause was investigated through various experiments, and it was found that there was a cause during slab heating in a heating furnace. That is, since the heating furnace heats the slab in a high temperature atmosphere, the temperature at the center of the slab is inevitably low, and this temperature distribution is maintained even if the plate thickness is reduced by rolling. It exhibits an M-shaped widthwise temperature distribution of the alphabet that is lower in the center than the average temperature and higher toward the edge.
[0010]
Therefore, it is impossible to equalize the material characteristics in the width direction of the plate by making the temperature distribution in the width direction uniform by the heating method using an edge heater or the heating method using a bar heater that raises the temperature in the width direction at a constant value.
[0011]
Further, tailored blank materials having different strengths in the plate width direction are manufactured as press materials (blank materials) for body parts such as automobiles. When this tailored blank material is press-molded into a vehicle body part, the mechanical properties of a predetermined part of the vehicle body part can be made different.
[0012]
Conventionally, a method of welding a plurality of steel strips to make a tailored blank is common, but when the hot-rolled steel strip is water-cooled with a run-out table (ROT) in recent years, the cooling rate in the steel strip width direction is changed. Various methods have been proposed for producing tailored blank materials without making welding by making the mechanical properties in the width direction of the steel strip different from each other (for example,
[0013]
However, rather than changing the cooling rate in the width direction of the steel strip, by making the temperature difference in the width direction of the steel strip different before finish rolling to make a tailored blank material, mechanical properties, especially hole expansion rate and elongation characteristics It was found that a tailored blank material excellent in the production can be produced. In fact, this method requires a heating method and apparatus for a steel strip for effectively making the temperature difference in the steel strip width direction different.
[0014]
[Patent Document 1]
JP-A-3-314216 [Patent Document 2]
JP-A-11-192501 [Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-11541
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above, the present invention provides a method for heating a steel plate that can heat an arbitrary region in the width direction of the steel plate (steel strip) and can control the temperature distribution in the width direction of the steel plate. It is an object to do.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to obtain a hot-rolled steel sheet having no variation in material properties in the width direction, the inventor needs to make the temperature distribution in the width direction of the rough bar on the finishing rolling mill entrance side uniform. Heating and heating the low temperature part of the coarse bar due to the low temperature at the center of the slab during heating, and making the temperature difference in the width direction of the steel plate (coarse bar) different before finish rolling to obtain a tailored blank material Therefore, it is required to heat up an arbitrary region in the coarse bar width direction. For this reason, bar heaters composed of a plurality of transverse induction heating devices are arranged in the longitudinal direction of the steel plate (coarse bar), and there is a portion where each bar heater overlaps in the longitudinal direction of the steel plate (the total heating amount is large). If it is shifted in the width direction of the steel plate and each bar heater is heated and operated, any region in the width direction of the steel plate can be heated and heated with a temperature difference. Was completed.
[0017]
The gist of the present invention is as follows.
[0018]
(1) Bar heaters composed of a plurality of transverse type induction heating devices are arranged at different positions in the longitudinal direction of the steel sheet, and each overlapping position in the steel sheet width direction is controlled by operating the respective positions in the steel sheet width direction. A method for heating a steel plate, characterized in that a bar heater is heated to control temperature distribution in the width direction of the steel plate.
[0020]
(2) In the central portion intensive heating of the steel plate width direction, above, wherein the performing the heating operation by moving the bar heater comprising a plurality of transverse-type induction heating device in the steel sheet width direction center (1) steel sheet according Heating method.
[0021]
( 3 ) In the whole heating in the width direction of the steel sheet, the heating operation is performed by moving a bar heater including a plurality of transverse type induction heating devices at regular intervals in the entire width direction. (2) The heating method of the steel plate as described.
[0022]
( 4 ) Heating by a bar heater comprising a plurality of transverse type induction heating devices installed upstream from the finishing final stand of the hot rolling line, as described in any one of (1) to (3) above Method of heating steel sheet.
[0023]
( 5 ) The steel sheet width direction temperature distribution is measured by a width direction thermometer disposed upstream of the bar heater, and the shift amount of each bar heater is determined based on the measured temperature distribution (1) The heating method of the steel plate in any one of (4)-(4) .
[0024]
( 6 ) The method for heating a steel plate according to any one of the above (1) to (5) , wherein shifting is possible by in-coil.
[0025]
( 7 ) The method for heating a steel plate according to any one of (1) to (6) , wherein the heating amount of each bar heater is varied independently by in-coil.
[0026]
( 8 ) The method for heating a steel sheet according to any one of (1) to (7) , wherein the distance between the iron cores of each bar heater is varied independently by an in-coil.
[0027]
( 9 ) The method for heating a steel plate according to any one of the above (1) to (8), wherein an edge of the plate width direction is heated with an edge heater.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0029]
FIG. 3 is a diagram showing a temperature distribution in the width direction of a coarse bar obtained by roughly rolling a slab heated in a heating furnace.
[0030]
Since the heating furnace heats the slab in a high-temperature atmosphere, it is inevitable that the heated slab has a high temperature around it and a low temperature portion in the center. For this reason, as shown in FIG. 3 (a), the coarse bar obtained by roughly rolling the heated slab is lowered in temperature because the edge portion of the coarse bar 4 has a
[0031]
In the conventional hot rolling method, as shown in FIG. 4 (a), only the edge portion of the coarse bar is allowed to cool and the temperature is lowered, so that it is considered that the temperature distribution in the width direction becomes uniform when heated by an edge heater. However, even if the edge portion is heated by a temperature increase of 15 (1056 ° C.) indicated by oblique lines at the edge portion, the central low temperature portion (1033 ° C.) cannot be raised. Also in the method of heating and heating the entire coarse bar width direction using the solenoid type induction heating device, as shown in FIG. 4B, the entire temperature is increased by the amount of temperature increase 16 by the solenoid type induction heating device indicated by hatching. Thus, the temperature distribution in the width direction of the M type is maintained. Accordingly, uniform temperature distribution in the width direction cannot be achieved by heating with an edge heater or solenoid induction heating device.
[0032]
In addition, when manufacturing tailored steel sheets with different mechanical properties in the width direction of the steel strip, in particular, the properties of hole expansion and elongation, by hot rolling, the temperature difference in the width direction of the steel plate is different before finish rolling. It has been found that when the finish rolling is performed, the hole expansion property of the steel sheet is effectively improved by the hot finishing temperature.
[0033]
For example, C: 0.09 to 0.11%, Si: 1.30 to 1.50%, Mn: 1.25 to 1.45%, P: 0.010% or less, S: 0.002% or less When applying 590MPa class high-strength steel strips consisting of the above components to automotive parts such as cross members, parts are removed in the width direction of the steel strip, and from the part shape, stretch flange processing is performed near the center of the coil width. In the quarter width to width edge portion of the band, the main processing is overhanging.
[0034]
In such processing, it is necessary for the stretch flanged portion to have a steel strip hole expansion ratio of 70% or more, preferably 80% or more. 34% or more is necessary.
[0035]
The conditions for obtaining the above mechanical properties will be examined.
[0036]
FIG. 5 (a) is a diagram showing the relationship between the hot finishing temperature (° C.) of the 590 MPa class high strength steel strip and the hole expansion rate (%), and FIG. 5 (b) is the heat of the 590 MPa class high strength steel strip. It is a figure which shows the relationship between interfinishing temperature (degreeC) and elongation EL (%). As shown in FIG. 5 (a), the hole expansion ratio of the steel strip is improved in response to the increase in hot finishing temperature, but as shown in FIG. 5 (b), it corresponds to the increase in hot finishing temperature. As a result, the elongation of the steel strip decreases. That is, the hole expansion characteristic and the elongation characteristic tend to conflict with each other with respect to the hot finishing temperature.
[0037]
Therefore, in order to obtain a hole expansion ratio of 70% or more from FIG. 5A, the hot finish temperature is required to be 878 ° C. or more indicated by an arrow, and from FIG. 5B, the elongation ratio is 31% or more. Therefore, it is required that the temperature is 860 ° C. or lower indicated by an arrow, and it is understood that the temperature range required for both is different. However, in order to obtain a steel strip having both characteristics, it can be obtained by controlling the hot finishing temperature to a very narrow range of 860 to 880 ° C. (range shown by hatching), but it is difficult to keep the temperature condition. There is a problem that a certain condition is deviated, and even if the temperature condition is correct, the yield is lowered due to the deviating material target due to the variation of the material.
[0038]
In the present invention, the hot finishing temperature in the width direction of the steel strip is made different so that the hot finishing temperature is 870 ° C. or more near the center of the steel strip width, and the quarter-width to width edge portion of the steel strip is
[0039]
However, it is necessary to control the width direction temperature distribution of the steel sheet, which is necessary for the manufacture of steel plates with uniform material properties in the width direction and tailored steel plates with different material properties in the width direction. A heating apparatus that can make the distribution uniform or can effectively vary the temperature in the width direction has not been proposed so far.
[0040]
The present inventor has intensively studied a method and apparatus for heating a steel sheet capable of arbitrarily controlling the temperature distribution in the width direction of the steel sheet, and arranged a plurality of bar heaters composed of a transverse type induction heating apparatus in the longitudinal direction (rolling line) of the steel sheet. Then, it has been found that the temperature distribution in the width direction can be arbitrarily controlled by shifting each bar heater in the width direction, controlling the overlapping portion amount of the bar heater in the longitudinal direction of the steel sheet, and heating each bar heater.
[0041]
As shown in FIG. 6, the transverse induction heating device 17 is configured by winding a
[0042]
And since it can arrange | position and use in the up-and-down position of a steel plate, it has the characteristic that a shift to a steel plate width direction can be performed easily and a wrinkle is not given to the steel plate surface.
[0043]
Fig.7 (a) is a figure which shows the arrangement | positioning of the steel plate width direction of 1 bar heater, and its heating amount, FIG.7 (c)-(e) arrange |
[0044]
As shown in FIG. 7A, when one bar heater (transverse induction heating device) 22 is arranged at the center of the steel plate 21 and the bar heater is heated, the temperature rise
[0045]
The bar heater to be shifted is not limited to the downstream side, and the same temperature rise distribution can be achieved by shifting any bar heater. In the above example, an example of three bar heaters is shown. However, if the number of bar heaters is further increased, the total temperature rise amount can be increased and the temperature rise amount distribution in the steel plate width direction can be accurately controlled. It becomes possible. That is, a plurality of (two or more) bar heaters can be shifted in the steel plate width direction, and the distribution of the steel plate temperature increase in the width direction can be varied by shifting. The temperature distribution in the width direction can be controlled. The bar heater can be shifted by an in-coil, and the bar heater can be used in combination with bar heaters having the same width and / or different widths. Furthermore, the plurality of bar heaters can be further improved in temperature controllability by varying the heating amount of each bar heater and the distance between the iron cores independently by in-coil.
[0046]
For example, when the temperature of the steel plate (coarse bar) center is low, an example in which the temperature deviation in the width direction is improved using three bar heaters having the same width will be described.
[0047]
As shown in FIG. 8 (a), the temperature distribution in the width direction of the 1500 mm wide rough bar was an M-shaped alphabet with a 40 ° C. lower central part (indicated by a dotted line). Therefore, in order to make the temperature distribution in the width direction uniform by increasing the temperature of the central portion of the steel plate to 40 ° C. by using an inverted M shape, the temperature was increased using three bar heaters (the shaded area is the temperature increase). The total amount of temperature increase (indicated by the solid line) of the three bar heaters needs to be a gentle mountain-shaped temperature increase distribution (reverse M type) at the
[0048]
The method of determining the temperature rise of the steel sheet is that the heating profile in the width direction of the bar heater is stored in the computer for each width of the steel plate (rough bar), each shift amount of the bar heater, and each temperature rise amount of the bar heater. Grasping the temperature distribution in the width direction of the steel sheet with the width direction thermometer placed in, and selecting the nearest shift amount, temperature increase amount with a computer so as to heat the difference in the profile of the desired width direction temperature distribution, This command can be issued by instructing the electric sequencer to set the bar heater shift amount (bar heater overlapping portion amount) and the heating amount. This makes it possible to raise the temperature of an arbitrary region in the width direction of the steel plate by a predetermined amount.
[0049]
In addition, as a means for shifting the bar heater, for example, the bar heater can be shifted in the steel plate width direction by installing the bar heater on a cart that can travel on rails so that the bar heater can be moved up and down, and shifting the cart with a driving device. The upper and lower bar heaters can be raised and lowered to adjust the gap between the bar heaters.
[0050]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on examples.
[0051]
In hot rolling, four types of roughly rolled steel plates of 900 mm width, 1200 mm width, 1500 mm width and 1800 mm width using three 600 mm wide transverse bar heaters (BH1, BH2, BH3) Tests (a) to (e) were performed in which the (rough bar) was heated by shifting the bar heater in the width direction in front of the finish rolling mill and the steel plate width direction temperature distribution was made uniform. In addition, the distance (gap) between the iron cores of the upper and lower bar heaters was changed in three levels of (1) 210 mm, (2) 160 mm, and (3) 130 mm depending on the respective plate widths. And the temperature rising amount and temperature rising amount difference in each level were determined. Furthermore, in the case of 900 mm width, the test (e) in the case where heating with an edge heater was further added was also performed.
[0052]
Table 1 shows the test conditions and the temperature rise. As shown in Table 1, as the distance between the iron cores of the upper and lower bar heaters (gap) is narrower, the temperature rise and the temperature rise difference are larger, and as the bar heater overlap is larger, the temperature rise and the temperature rise difference are larger. It was. As shown in FIG. 9, each of the three bar heaters (BH1 to 3) was shifted to the WS (Work Side) side or the DS (Drive Side) side. (A)-(e) of FIG. 12 has shown the state of the width direction shift of the bar heater corresponding to each heating test ae. As shown in FIG. 10A, the “temperature increase amount” by the bar heater in Table 1 is the difference between the minimum temperatures in the plate width direction before and after the temperature increase. Similarly, as shown in FIG. 10B, the “temperature increase difference” in Table 1 is the difference in the temperature increase at a
[0053]
[Table 1]
[0054]
In FIG. 11, four types of steel plates are heated with a bar heater (bar heater core distance = 210 mm), and the heating amount by the bar heater (BH heating amount) in front of each finishing mill and the finish rolling mill outlet side A comparison of temperature distribution in the plate width direction (comparison of presence / absence of heating of the bar heater) is shown. As shown in FIG. 11, each of the roughly rolled steel plates had a temperature distribution indicated by a dotted line having a temperature deviation of the alphabet M type, but the temperature increased by the total temperature increase of the temperature distribution indicated by thin solid lines by three bar heaters. Warmed. As a result, as shown by the thick solid line, the temperature distribution in the width direction of the steel sheet was made substantially uniform.
[0055]
In this way, by hot rolling a steel sheet having a temperature distribution in the width direction, a hot rolled steel sheet having uniform material properties in the steel sheet width direction can be obtained.
[0056]
【The invention's effect】
According to the present invention, since an arbitrary region in the steel plate width direction can be heated and heated, the temperature distribution in the steel plate (coarse bar) width direction can be made uniform in hot rolling, and as a result, hot rolling. Uniformity of material properties in the width direction of the steel sheet can be achieved. Further, the temperature distribution in the width direction of the steel plate (coarse bar) can be intentionally varied, and a tailored steel plate having different width direction material properties can be obtained by hot rolling.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a hot rolling process.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a continuous hot rolling process.
FIG. 3 is a diagram showing the temperature distribution in the width direction of a roughly rolled rough bar and a finish rolled steel plate.
4A is a diagram showing a steel plate width direction temperature distribution heated by an edge heater, and FIG. 4B is a diagram showing a steel plate width direction temperature distribution heated by a solenoid induction heating device. is there.
FIG. 5A is a diagram showing the relationship between the hot finishing temperature (° C.) of a 600 MPa class high strength steel sheet and the hole expansion rate (%), and (b) is the hot finishing temperature of a 600 MPa class high strength steel sheet. It is a figure which shows the relationship between (degreeC) and elongation EL (%).
FIG. 6 is a diagram showing an outline of a transverse bar heater.
FIG. 7 is a schematic diagram showing the amount of temperature increase in the width direction when a plurality of bar heaters are shifted in the steel plate width direction to heat the steel plate.
FIG. 8 is a diagram showing a width direction temperature rise distribution by a bar heater and an improvement in the width direction temperature deviation of a steel plate.
FIG. 9 is a diagram for explaining a shift in the width direction of the bar heater in the embodiment.
FIG. 10 is a diagram for explaining the regulation of the temperature rise by the bar heater and the temperature rise difference in the embodiment.
FIG. 11 is a diagram showing improvement in temperature deviation in the width direction of the steel plate in the example.
FIG. 12 is a diagram showing a state of a width direction shift corresponding to the heating test of (a) to (e) in an example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
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