JP3790113B2 - 行き詰まり状態判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間を含む相互情報交換系、特にコンピュータを用いた教育支援システムやユーザインタフェースにおけるユーザの行き詰まり状態を判定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ユーザの行き詰まり状態の判定は、ユーザ支援を行うタイミングの決定や、それに伴うユーザの満足度の向上、あるいは教育支援システムやユーザインタフェースにおける問題点の発見、改良などに用いられる。
【0003】
従来の行き詰まり状態の判定方法としては、操作の所要時間が予め定めた一定の基準時間を超えた時点を行き詰まりと判定する方法、ユーザに行き詰まりの自己申告を行わせる方法、操作の中断時間が予め定めた一定の基準時間を超えた時点を行き詰まりと判定する方法などがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、操作の所要時間が一定の基準時間を超えた時点を行き詰まりと判定する場合、行き詰まるまでの時間には本来、個人差やばらつきがあるため、行き詰まっていないユーザを行き詰まりと判定したり、逆に行き詰まっているにも拘わらず行き詰まりと判定されないユーザが発生するなどの問題があった。
【0005】
また、ユーザ本人による自己申告の場合、行き詰まりの状態であるにも拘わらず自己申告を行わないユーザもおり、ユーザの性格や学習環境により自己申告までの時間が左右されるという問題があった。
【0006】
また、操作の中断時間が一定の基準時間を超えた時点を行き詰まりと判定する場合、必ずしも行き詰まり時点で中断時間が最大値となるとは限らないため、判定の正確性に問題があった。
【0007】
さらに、行き詰まりを検知しても、実際に支援が行われるまでには時間がかかる場合もあり、そのため前もって行き詰まりの発生を予知することができれば、より迅速な支援が行える可能性がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの行き詰まり状態の発生を、より客観的かつ正確に予知可能な判定方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの行き詰まり状態を、より客観的かつ正確に検知可能な判定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、前記目的を達成するため、請求項1では、作業中のユーザの一定数の操作を観測・記録し、それを基に操作と操作の合間の時間の分散値を算出し、その分散値を判定指数としてこれと事前に決定した規定値を比較するまでのステップを作業中に繰り返し行うことでユーザの行き詰まり状態の発生を予知するようにした。
【0011】
また、請求項2では、作業中のユーザの一定時間内の操作を観測・記録し、それを基に操作と操作の合間の時間の分散値を算出し、その分散値を判定指数としてこれと事前に決定した規定値を比較するまでのステップを作業中に繰り返し行うことでユーザの行き詰まり状態の発生を予知するようにした。
【0012】
また、請求項3では、請求項1もしくは2記載の方法により行き詰まり状態の発生を予知した後、さらに請求項1もしくは2記載の方法による分散値を算出し、その分散値と行き詰まり検知のための規定値を比較するまでのステップを繰り返すことにより、ユーザの行き詰まり時点を検知するようにした。
【0013】
一般に、ユーザが行き詰まりの状態に近くなると思考時間が増加するため、次第に操作の発生間隔は長くなる傾向がある。この時の操作と操作の合間の時間はばらつきが大きい。一方、ユーザが活発に操作を行っている時には操作の発生間隔は短く、操作と操作の合間の時間のばらつきは小さい。また、この時のユーザは作業の目的に向けて努力している状態であり、支援の必要はない。さらに、操作と操作の合間の時間のばらつきは行き詰まり時点で突然大きくなるのではなく、行き詰まり時点よりも前の時点から行き詰まり時点に掛けて次第に大きくなる特徴がある。
【0014】
そこで、本発明では、行き詰まり状態判定の指数として、操作と操作の合間の時間のばらつきを示す分散値が用いる。操作と操作の合間の時間の分散値は、行き詰まり状態になる前の時点から次第に増加し、行き詰まり時点付近で最大となる。また、行き詰まり時点の値に個人差が少ない特徴がある。このように、本発明ではユーザの行き詰まり状態を、ユーザの思考時間と相関のある操作と操作の合間の時間の分散値で判定するため、ユーザの認知活動を巨視的に捉えることができ、このため、客観的で正確なユーザの行き詰まり状態の予知及び検知が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態1を図1および図2について説明する。実施の形態1は請求項1に対応するもので、行き詰まり状態の判定対象として、コンピュータを用いた教育支援システムを用いている。
【0016】
図1は教育支援システムのハードウェア構成を示すもので、教育支援システムは、学習者(生徒)用コンピュータ1と、学習者用コンピュータ1の出力(表示)装置2と、学習者用コンピュータ1の入力装置3と、教育支援用コンピュータ4と、教育支援用コンピュータ4に設けられた操作情報受信手段5と、教育支援用コンピュータ4に設けられた行き詰まり状態判定手段6と、ネットワーク7とから構成されている。
【0017】
なお、本実施の形態では、操作情報の観測・記録および行き詰まりの判定を教育支援用コンピュータ4により行っているが、これを学習者用コンピュータ1により行っても良い。さらに、図1ではネットワーク上に2台の学習者用コンピュータが接続されているが、学習者用コンピュータは1台でも、3台以上でも良い。
【0018】
操作情報の収集には、学習者用コンピュータ上の学習用教材を表示するためのWebブラウザから、演習問題の解答チェックや、演習問題に1回の解答チェックで正解できなかった時のために用意された支援機能を実行するためのボタンが押される度に、教育支援用コンピュータ4に操作情報を送信し、コンピュータ4で受信した操作情報をコンピュータ4の記憶装置に記録することにより行った。
【0019】
収集した操作情報は、解答チェックのためのボタンを押す、演習問題に1回の解答チェックで正解できなかった時のために用意された支援機能を実行するためのボタンを押す、などの全ての操作に対してその操作種別、操作時刻および解答内容などである。
【0020】
演習問題に1回の解答チェックで正解できなかった時のために用意された支援機能としては、解答の作成の指針を与えるヒントを解答欄横のボタンを押すことにより表示する機能、解答欄に解答するために必要な基本知識を獲得するために、基本知識を1つ1つ問う問題(小テスト)を解答欄横のボタンを押すことにより実行できる機能、例題の説明からなる教程部分の内容を、ボタンを押すことにより、ブラウザ画面上に表示して演習問題解答中に参照できる機能等がある。これにより、演習問題解答のために行った全ての操作に関する操作情報を収集・記録することが可能となる。
【0021】
次に、判定手順を図2について説明する。
【0022】
即ち、図1の教育支援コンピュータ4の操作情報受信手段5により、連続する一定数の操作情報を観測・記録する(s1)。次に、教育支援用コンピュータ4の行き詰まり状態判定手段6により、記録した一定数の操作情報を読み出し、操作と操作の合間の時間(標本)xの分散値V(x)を、
(但し、E(x)は時間(標本)xの平均値、nは一定数(標本数))より算出する(s2)。
【0023】
次に、この算出された分散値V(x)を判定指数として(s3)、予め定めた行き詰まり予知のための規定値と比較し(s4)、分散値V(x)が規定値以上の場合にその後の行き詰まりの発生を予知する(s5)。分散値V(x)が規定値よりも小さかった場合は、上記ステップs1〜s4を繰り返す。
【0024】
前述の学習支援システムを用いてJava言語を学習する学習実験を行い、演習問題解答時の操作情報の収集を行った。実験はJava言語を知らない学習者(ユーザ)に事前にシステムの使い方と支援機能の内容について良く説明を行った。また、演習問題解答中の指示として、全ての支援機能を学習者が任意に実行して良いこと、演習問題をできるだけ自力で解くよう努力すること、さらに、これ以上努力しても解答できないと判断した場合は、躊躇することなく行き詰まりの自己申告を行うようにという3つの指示を与えた。そして、演習問題に正解するか、行き詰まりを自己申告するためのボタン(SOSボタン)を押すまで解答させた。
【0025】
次に、実験結果を以下に示す。学習者20名がそれぞれ10題の演習問題を実行したが、実験期間内に10題全ての演習問題を終了できなかった学習者も4名いたため、全体でのべ191題分の実験データを収集した。その中で10題中1題でも行き詰まりの自己申告を行った学習者は17名で、行き詰まりの自己申告が有った演習問題の総数は43題であった。
【0026】
図3に、ある学習者(行き詰まりの自己申告有り)における操作と操作の合間の時間の変化を示す。グラフの最後のデータがSOSボタンを押した操作とその直前の操作との合間の時間を示す。このグラフから、全体にかなりばらつきが激しいものの、SOSボタンを押した付近のばらつきが大きくなっており、それ以前の波形と明らかな違いが見られることが分かる。またSOSボタンが押される前の時点から波形が変化しているのが分かる。このことから行き詰まりの発生を予知できることが分かる。
【0027】
図4に、連続する10個の操作と操作の合間の時間の分散値を連続して算出した場合(移動量10の移動分散)の分散値の変化を示す。このグラフから、解答初期の行き詰まりでない部分では値および変動が小さく、行き詰まりの自己申告時点よりも前の時点から値が増加し始め、SOSボタンが押された時点で値が最大値になっていることが分かる。
【0028】
行き詰まりの自己申告が有った全ての演習問題43題中、34題でSOSボタンが押された時点もしくはその近傍で移動分散値が最大値となっていた。具体的には、31題においてSOSボタンが押された時点が最大値であり、残りの3題のうち、2題がSOSボタンが押される1つ前のデータが最大値、1題がSOSボタンが押される4つ前のデータが最大値であった。また、この場合のSOSボタンが押された時点の値と最大値との差は、最大値の9%以内と僅かであった。それ以外の9題については、SOSボタンが押された時点とそれ以外の部分に値の差異がみられず、行き詰まりの自己申告付近の値が最大値ではなかった。
【0029】
行き詰まりの自己申告があり、かつ行き詰まりの特徴が現れているグラフを、行き詰まりの特徴の見られない部分と、行き詰まりの予兆が現れている部分と、行き詰まりの自己申告が行われた部分という3つの部分に分割し、それぞれ通常部分、予兆部分、出現部分と呼ぶことにする。そして、これらの部分と境界を以下のように定義し、行き詰まりの予知や検知の判別に利用する。
【0030】
出現部分は、SOSボタンが押された時点のデータであって値がそれまでの最大値であるもの、もしくはSOSボタンが押された時点のデータであって最大値の近傍(最大値が現れた時点から10分以内)にありかつ最大値との値の差が僅か(最大値の20%以内)であるものとする。即ち、SOSボタンが押された時点のデータでも、通常部分と値に差異がみられず、行き詰まりの特徴が見られない場合は出現部分としない。
【0031】
通常部分は、解答開始から予兆部分との境界までの値が小さく変動の少ない部分で、学習者がシステムに活発に働きかけを行っていると考えられる部分とする。
【0032】
予兆部分は、通常部分と出現部分の間の部分で、値が出現部分にかけて増加傾向を示し、行き詰まりの予兆を表していると考えられる部分とする。
【0033】
通常部分と予兆部分の境界は、それ以前のどのデータよりも値が大きく、その後の出現部分まで値が増加傾向(ここでは移動量20の移動平均を取った場合に単調増加を示すものとする)を示すもののうち、最も発生時刻の早いものを予兆部分の始まりであると定義する。
【0034】
SOSボタンは押されなかったが、移動分散のグラフに出現部分と予兆部分の特徴が確認された演習問題も3題あった。演習問題終了後に、学習者がこの3題の難易度を評価した結果は、いずれも5段階中の最高値5であり、実験終了後に、該当する学習者2名に行き詰まり状態はなかったかどうか質問をしたところ、該当する演習問題が1題有った学習者からは「行き詰まりの状態はあったと思うがSOSボタンを押すのを忘れていた。その後、適当に解答チェックを数回行ったところ偶然正解に至ったが、内容を理解していたわけではなかった」との回答を得た。
【0035】
該当する演習問題が2題有った学習者からは「これらの演習問題は自分にとってかなり難しかったが、SOSを押すまでではないと思った」との回答を得た。しかし、この2回の場合とも所要時間が100分を越えており、かつ解答履歴から容易に正解できそうにないと判断して、こちらからヒントを数回与えることで正解に至ったものであった。このことから、この学習者は、他の学習者と比較してSOSと判断する基準が高い、あるいは性格的に負けず嫌いの性格で必ず正解できるという信念をもっていたと推測される。
【0036】
これらの状況から、学習者が自発的にSOSボタンを押さない場合でも行き詰まり、もしくはそれに近い状態が存在すると考えられ、このような場合にも前記操作記録を基にした方法によれば、行き詰まり状態を検出できる可能性がある。
【0037】
演習問題191題分の全てのデータを、前述の定義に従って通常部分、予兆部分、出現部分の3つの部分に分割した。この時、行き詰まりの自己申告がなく、出現部分の特徴も見られなかった演習問題148題分のデータについては全て通常部分とした。また、行き詰まりの自己申告はなかったが、演習問題終了後の質問や解答状況などから行き詰まり状態かそれに近い状態が有ったと思われる3題については、波形の最大値のデータを行き詰まり時の出現部分とした。
【0038】
その結果、全ての通常部分のデータの最大値は2358であるのに対して、全ての出現部分の最低値は2970であり、通常部分が出現部分を上回る例は一例もみられなかった。このことから、行き詰まりの自己申告のなかった演習問題148題分のデータを含む全ての通常部分と、行き詰まりの特徴の見られた演習問題34題分の出現部分のデータは誤判別なしに判別可能である。即ち、出現部分の特徴が見られる行き詰まりの場合には、移動分散の値が通常部分の最大値(この場合2358)を超えるかどうかで、その後の行き詰まりを誤判別無しに判別することが可能である。
【0039】
統計的手法を用いて行き詰まり状態の検知および予知の判別値を決定する方法について説明する。
【0040】
まず、前述の定義に従い、全ての実験データを出現部分、予兆部分、通常部分の3つの部分に分割する。
【0041】
行き詰まりの自己申告時の出現部分と、それ以外のデータの判別分析を行い、行き詰まり検知の場合の判別値を決定する。この時、両者の発生確率を事前確率として判別分析に考慮した。
【0042】
具体的には、出現部分のデータの中で、その他の部分のデータであると誤判別される度数と、その他の部分のデータの中で出現部分のデータであると誤判別される度数が等しくなる判別値を求めた。その結果、行き詰まり検知のための判別値は2980.16となった。即ち、この判別値を行き詰まり検知のための規定値とする。この時、出現部分のデータの中で、その他の部分のデータであると誤判別される確率P1と、その他の部分のデータの中で出現部分のデータであると誤判別される確率P2の実測値は、P1=2.703%、P2=0.192%であり、良好な判別が行われていた。
【0043】
次に、出現部分および予兆部分のデータと、通常部分のデータの判別分析を行い、行き詰まり予知の場合の判別値を決定する。この判別分析は行き詰まり検知の時と同じ方法で行った。その結果、行き詰まり予知のための判別値は1786.95となった。この時、出現部分および予兆部分のデータの中で、通常部分のデータであると誤判別される確率P1と、通常部分のデータの中で出現部分および予兆部分のデータであると誤判別される確率P2の実測値は、P1=43.192%、P2=0.122%であった。
【0044】
次に、移動分散をとる時の最適な移動量を次の手順により決定する。
【0045】
移動量5,10,20のそれぞれの場合について、行き詰まり検知の場合と、予知の場合について判別分析を行い、最も誤判別確率の低いものを採用する。その結果、移動量10の誤判別確率が最も低く、移動量10を採用した。
【0046】
算出した行き詰まり予知の判別値を用いて、実際に行き詰まり状態の発生の何分前の時点で、行き詰まり状態の発生を予知することができるかについて調べた。この場合の予知してから行き詰まり状態が発生するまでの時間のことを予知可能時間と呼ぶ。
【0047】
具体的には、行き詰まりの自己申告があり、かつ出現部分の特徴の見られた演習問題34題分について、操作の間隔時間の移動分散の値が、行き詰まり予知の場合の判別値1786.95を超えた時点から、実際にSOSボタンが押された時点までの時間を調べた。図5に、予知可能時間の度数分布を示す。予知可能時間は0分から16分21秒までの間に分布し、平均値は6分53秒であった。この結果より、行き詰まりの予知可能時間にばらつきはあるが、ほとんどの場合において行き詰まり自己申告よりも前の時点で、その後に行き詰まりの自己申告が起こることを予知できていることが分かる。
【0048】
次に、本発明の実施の形態2を図6について説明する。実施の形態2は請求項2に対応する。図6は実施の形態2における判定手順を示すものである。
【0049】
まず、図1の教育支援コンピュータ4の操作情報受信手段5により、一定時間内に発生した操作情報を観測・記録する(s11)。次に、教育支援用コンピュータ4の行き詰まり状態判定手段6により、記録した一定時間内に発生した操作情報を読み出し、操作と操作の合間の時間の分散値V(x)を、実施の形態1の場合と同様に算出する(s12)。
【0050】
次に、この算出された分散値V(x)を判定指数として(s13)、予め定めた行き詰まり予知のための規定値と比較し(s14)、分散値V(x)が規定値以上の場合にその後の行き詰まりの発生を予知する(s15)。分散値V(x)が規定値よりも小さかった場合は上記ステップs11〜s14を繰り返す。
【0051】
この実施の形態2は、判定間隔が一定で定時的な判定が行えるという特徴がある。
【0052】
次に、本発明の実施の形態3を図7について説明する。実施の形態3は請求項3に対応する。図7は実施の形態3における判定手順を示すものである。
【0053】
まず、図1の教育支援コンピュータ4の操作情報受信手段5により、一定数もしくは一定時間内に発生した操作情報を観測・記録する(s21)。次に、教育支援用コンピュータ4の行き詰まり状態判定手段6により、記録した一定数もしくは一定時間内に発生した操作情報を読み出し、操作と操作の合間の時間の分散値V(x)を前記同様に算出する(s22)。
【0054】
次に、この算出された分散値V(x)を判定指数として(s23)、予め定めた行き詰まり予知のための規定値(規定値1)と比較し(s24)、分散値V(x)が規定値以上の場合にその後の行き詰まりの発生を予知する(s25)。分散値V(x)が規定値よりも小さかった場合は上記ステップs21〜s24を繰り返す。
【0055】
さらに、行き詰まりを予知した後、上記ステップs22により算出された分散値V(x)と予め定めた行き詰まり検知のための規定値(規定値2)とを比較し(s26)、分散値V(x)が規定値以上の場合に、その後の行き詰まりの発生を検知する(s27)。分散値V(x)が規定値よりも小さかった場合は上記ステップs21〜s26を繰り返す。これにより行き詰まりの予知と検知ができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザの行き詰まり状態の発生を客観的かつ正確に予知でき、また、その後、実際に行き詰まりが発生する時点の検知ができる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す教育支援システムのハードウェア構成図
【図2】本発明の実施の形態1を示す判定手順の流れ図
【図3】操作と操作の合間の時間の変化の一例を示すグラフ
【図4】操作と操作の合間の時間の移動分散の変化の一例を示すグラフ
【図5】予知可能時間の度数分布の一例を示すグラフ
【図6】本発明の実施の形態2を示す判定手順の流れ図
【図7】本発明の実施の形態3を示す判定手順の流れ図
【符号の説明】
1:学習者用コンピュータ、2:学習者用コンピュータ1の出力(表示)装置、3:学習者用コンピュータの入力装置、4:教育支援用コンピュータ、5:教育支援用コンピュータの操作情報受信手段、6:教育支援用コンピュータの行き詰まり状態判定手段、7:ネットワーク。
Claims (3)
- コンピュータを用いてユーザの行き詰まり状態を判定する方法であって、
前記コンピュータは、
操作情報受信手段と、
予め実験データから操作と操作の合間の時間の移動分散値を算出し、該算出した移動分散値を行き詰まりの出現部分、予兆部分、通常部分の3つの部分に分割し、通常部分の移動分散値の中でその他の部分の移動分散値であると誤判別される度数及びその他の部分の移動分散値の中で通常部分の移動分散値であると誤判別される度数が等しくなる移動分散値として求めた行き詰まり予知のための規定値を保持する行き詰まり状態判定手段とを備え、
前記操作情報受信手段により、作業中のユーザの一定数の操作を観測・記録し、
前記行き詰まり状態判定手段により、前記記録した一定数の操作情報を読み出し、それを基に操作と操作の合間の時間の分散値を算出し、
前記行き詰まり状態判定手段により、前記分散値を判定指数としてこれと前記規定値を比較し、前記分散値が前記規定値以上の場合はユーザの行き詰まり状態の発生を予知する
ことを特徴とする行き詰まり状態判定方法。 - コンピュータを用いてユーザの行き詰まり状態を判定する方法であって、
前記コンピュータは、
操作情報受信手段と、
予め実験データから操作と操作の合間の時間の移動分散値を算出し、該算出した移動分散値を行き詰まりの出現部分、予兆部分、通常部分の3つの部分に分割し、通常部分の移動分散値の中でその他の部分の移動分散値であると誤判別される度数及びその他の部分の移動分散値の中で通常部分の移動分散値であると誤判別される度数が等しくなる移動分散値として求めた行き詰まり予知のための規定値を保持する行き詰まり状態判定手段とを備え、
前記操作情報受信手段により、作業中のユーザの一定時間内の操作を観測・記録し、
前記行き詰まり状態判定手段により、前記記録した一定時間内の操作情報を読み出し、それを基に操作と操作の合間の時間の分散値を算出し、
前記行き詰まり状態判定手段により、前記分散値を判定指数としてこれと前記規定値を比較し、前記分散値が前記規定値以上の場合はユーザの行き詰まり状態の発生を予知する
ことを特徴とする行き詰まり状態判定方法。 - コンピュータを用いてユーザの行き詰まり状態を判定する方法であって、
前記コンピュータは、
操作情報受信手段と、
予め実験データから操作と操作の合間の時間の移動分散値を算出し、該算出した移動分散値を行き詰まりの出現部分、予兆部分、通常部分の3つの部分に分割し、通常部分の移動分散値の中でその他の部分の移動分散値であると誤判別される度数及びその他の部分の移動分散値の中で通常部分の移動分散値であると誤判別される度数が等しくなる移動分散値として求めた行き詰まり予知のための規定値を保持し、かつ出現部分の移動分散値の中でその他の部分の移動分散値であると誤判別される度数及びその他の部分の移動分散値の中で出現部分の移動分散値であると誤判別される度数が等しくなる移動分散値として求めた行き詰まり検知のための規定値を保持する行き詰まり状態判定手段とを備え、
前記操作情報受信手段により、作業中のユーザの一定数もしくは一定時間内の操作を観測・記録し、
前記行き詰まり状態判定手段により、前記記録した一定数もしくは一定時間内の操作情報を読み出し、それを基に操作と操作の合間の時間の分散値を算出し、
前記行き詰まり状態判定手段により、前記分散値を判定指数としてこれと前記行き詰まり予知のための規定値を比較し、前記分散値が前記規定値以上の場合はユーザの行き詰まり状態の発生を予知し、また、前記分散値と前記行き詰まり検知のための規定値を比較し、前記分散値が前記規定値以上の場合はユーザの行き詰まり状態の発生を検知する
ことを特徴とする行き詰まり状態判定方法。
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