JP3788522B2 - Method for producing freeze-dried products of blood cells, stem cells, and platelets - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、冷却に特殊な冷媒・装置を必要としない、したがってそのためのエネルギーの供給も少なくて済み、かつグリセリン等の凍結防止剤を混入・脱離させる必要のない血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自分の血液を保存しておいて必要なときに輸血する、いわゆる自己血輸血や、まれな血液型をもつ人が万一の場合に備えて貯血するまれ血、又は一般の輸血用血液、及びこれらの血液成分は、保存を必要とする。保存期間は1カ月以上のものが対象となる場合が多い。
【0003】
上記血液及び血液成分の長期保存には、代表的なものにエレクトリックフリーザを用いる−80℃の冷凍法や液体窒素を使う冷凍法(約−196℃保存)、また液体ヘリウムを使う冷凍法(−270℃保存)がある。これらの貯血方法はいずれも、冷却するために特殊な冷媒と容器、及びそのためのエネルギーの供給が必要である。また、冷凍保存前に、グリセリン等の、氷の結晶が成長することにより、または浸透圧などにより、細胞膜が破壊されることから細胞を保護する化合物である、凍結防止剤を血液と混合させ、使用時には、解凍後、当該グリセリン等の凍結防止剤を除去する必要があった。
【0004】
これらの血液及び血液成分の長期保存用貯蔵方法は次のように行われる。以下に濃厚赤血球(ヘマトクリット血*55〜90%)を凍結する場合を例に説明する(*ヘマトクリット値=血液成分全体に対する血球成分の割合で、健常者の末梢血血液の通常値は45〜50%程度である。)
1)クエン酸ナトリウム又はヘパリンを抗凝固剤として採血した血液を、遠心分離させ、血漿及びバフィコート(buffy coat)を除いてヘマトクリット値55〜90%の濃厚赤血球を得る。
2)これにグリセリンを主成分とする保存液を等量混和させる。
当該保存液組成は、例えば、下記のとおりのもの:
a)グリセリン 60g
b)70%の乳酸ナトリウム 2.57g
c)KCl 0.02g
d)NaCl 0.26g
を純水に溶かし、最終的に100mlとしたものが使われる。
3)この混和後の血液を保存容器に入れて冷却する。
通常の輸血用容器(容積200ml)に入った血液に対して、平均的な冷却速度は早い方法で100℃/分程度、遅いもので数℃/分程度である。
ここで、血液冷却速度とグリセリン濃度には解凍後の血液の溶血率(血球の死亡率に相当する)に対して相関があり、一定の溶血率以下に抑えようとする場合、高い冷却速度の場合には比較的薄い濃度のグリセリンでよく、低い冷却速度の場合には比較的濃い濃度のグリセリンを必要とする。実用的には、以下の2つの方法が用いられる。
a)高濃度グリセリン・低冷却速度法(high−concentration glycerol low freezing speed method)
b)低濃度グリセリン・高冷却速度法(low−concentrationglycerol high freezing speed method)
a)は、上記2)で述べた組成のグリセリン液を等量の血液に加え、適当な容器に入れた後、−80℃のエレクトリックフリーザー中に入れる。この時、容器中の血液は数10分から1ないし2時間で−80℃に到達するので、平均の冷却速度は、1−10℃/分である。(例えば、濃厚赤血球(約200ml)を室温(20℃)から冷却する場合、
b)は、例えば28%グリセリン、
3%マンニトール、
0.65%NaCl、と
からなる低濃度グリセリン液を等量の血液に加え、適当な容器に入れた後、液体窒素中に浸せきさせる。この方法では、1ないし2分で室温(約20℃)から液体窒素温度(−196℃)に到達するので、濃厚赤血球(約200ml)あたり、平均の冷却速度は、2−4℃/秒である。
4)血液を使用する場合は、冷凍庫から取り出した後、40℃程度の湯浴の中で急速に解凍する。
5)解凍後、生理食塩水等で洗浄し、グリセリンを除去する。この作業のため、数時間を要する。
【0005】
従来、血液の微粒子化の方法については、液体窒素中に気体を利用して滴下させることによって微粒子化させる方法がある。
例えば、佐藤知義による「Droplet Freezingによる赤血球凍結保存の研究」北海道医学雑誌、第58巻、第2号、第144〜153頁(1983)に記述がある。この方法では、微粒子化の手段として空気の流入の強さを調節して種々のサイズの塊(droplet)を作り出す。この場合、気体と混合するサイズは同誌中の第4図に示されているように、0.7〜2.8mmと大きい。生存率〔100−(赤血球の溶血率)〕も35〜70%と悪い。また、同図に0.5mmのサイズにした場合には、生存率が20%以下と低く実用にならない。
【0006】
この方法は内径0.4mmのポリエチレン製内管とこれを包む内径3mmの外套管よりなる二重管を用いるものである。内管から血液を、外套管から気体を導入し、ベルヌーイの原理を用いて前記内管出力端部に負圧を発生させて血液を導入し、気体と混合して、その下に置かれた液体窒素中に滴下するものである。滴下された血液の粒子サイズは、前記内管の直径で決まり、滴下速度は、外套管に流す気体の流量で決まってくる。
【0007】
したがって、この方法では、前記第4図に示すように0.7mm〜2.8mmと大きく、また、ごく限られた範囲の粒子しか生成できない。内管の直径を大きくすると、図に示すように、粒子サイズは大きくなり溶血率が大きくなる。また、内管の直径を小さくすると、目づまりを起こし、血液の滴下が不能となる。
【0008】
すなわち、従来の粒子化する方法ではベルヌーイの原理を用いた単純な負圧方式であるため、微粒子化コントロールが不十分である。また粒子サイズが0.7mm〜2.8mmと大きく、また0.5mm以下の粒子の形成は不可能であり、0.5mmのサイズの粒子の場合でもその制御が難しいため生存率が著しく悪い(溶血率が高い)という欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた従来の血液の保存方法には以下の問題点がある。
(1)冷却するために特殊な冷媒と容器を必要とし、そのための大きなエネルギーの供給が必要である。例えば、液体窒素は100円/リットル、液体ヘリウムは3000円/リットルと高価であり、密閉性、保冷性の点で特殊な容器が必要である。
(2)グリセリンを主成分とする保存液を使用するので、これを解凍して使用するまでに、脱グリセリン化のための時間を必要とする。
【0010】
以上に例示したように、従来の血液の保存方法は特殊な冷媒と容器を必要とし、そのための大きなエネルギーを供給しなければならないという問題、更には脱グリセリン化のための繁雑さ、時間がかかるため例えば緊急用には適用できないという問題がある。
また、従来のドロップレット法による血液冷凍方法では、粒子サイズが0.7から2.8mmと大きい上に、溶血率が高く実用にならないという欠点があった。
【0011】
本発明の目的は、保存のためのエネルギーが少なくて済み、常温又は例えば一般の冷蔵庫に保存するだけでよく、かつ脱グリセリン処理等を必要としない、血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明によれば血球を含む血液、骨髄液(造血幹細胞)、および血漿中血小板からなる群から選択される1種の液体を、糖類、バイオポリマー、または、酸もしくはその塩のうちの少なくとも1種類を含有する溶液で前処理する工程と、この前処理した液体を気体との混合噴霧により第1の所定のサイズに微粒子化する工程と、微粒子化した液体を氷点下温度にした気体中に噴霧することにより第2の所定のサイズの生成物に急速冷凍する工程と、凍結物から水分を昇華して乾燥する工程とからなることを特徴とする、血球、幹細胞、および血小板の凍結乾燥生成物の製造方法が提供される。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下の説明及び実施例、更に図面の説明においては、血液又は血液成分を例にとり、説明の便宜上、単に血液と略記して説明する。
【0014】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明方法の手順の1例を示すブロック図である。1は血液2と前処理液3を混合(混和)する手段、7は血液と前処理液との混合液である。4は血液と前処理液との混合液を微粒子化する手段、5は微粒子化された混合液を冷却(冷凍)する手段、6は乾燥手段である。8は得られた凍結乾燥した保存血液、9は後述するように保存手段、10は戻し(再生)手段である。
血液2は、例えばヘマトクリット値55〜90%の濃厚赤血球を使用する。
【0015】
このとき、当該血液を前処理してもよい。前処理液3の例としては、糖類、バイオポリマー、又は酸若しくは酸の塩のうち少なくとも1種類を含有してなる溶液がある。濃厚赤血球と前処理液とは両者適当量混合(混和)する。混合の手段としては、常法でよく、例えばかくはん、振とう等がある。また、混合の手順も当該血液を前処理液に注入する方法でも、その逆の方法であってもよい。好ましくは、該血液中に前処理液を混和しながら加える。
【0016】
糖類の例としては、マンノース、キシロース、グルコース、トレハロース、スクロース、マルトースから選ばれた糖類を少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。
【0017】
前記バイオポリマーの例としては、デキストラン、りん酸エステル塩、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルブミンから選ばれたバイオポリマーを少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。ここで、前記りん酸エステル塩の例としては、ホスホリルコリンクロライド[シグマ(Sigma)試薬#P0378]、5−ホスホリルリボース−1−ピロホスフェート(シグマ試薬#P8296)、また、C3H3NO6P(シグマ試薬#P5506)、C3H5NO6P(シグマ試薬#P0753)、C3H8NO6P(シグマ試薬#P0878)、C3H10NO6P(シグマ試薬#P1003)が挙げられ、それらの塩の例としてはナトリウム塩、カルシウム塩が挙げられる。
【0018】
前記アルブミンの例としては、人アルブミン、牛アルブミン、卵白アルブミンから選ばれたアルブミンを少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。
【0019】
ここで、人アルブミンの例としては、シグマ試薬A−1653,同A−1887,同A−9511,同A−8763,同A−3782,同A−6784,同A−6019,同A−6909,ジニトリフェニール(同A−6661)などがある。
【0020】
また、牛アルブミンの例としては、シグマ試薬A−2153,同A−3350,同A−4503,同A−3425,同A−9647,同A−8022,同A−6003,同A−2934,同A−9543,同A−4628,同A−7888,同A−4378,同A−3424,同A−7511,同A−7638,同A−0281,同A−3059,同A−3902,同A−7906,同A−6793,同A−6918,同A−3912,同A−7409,同A−7534,同A−7284,同A−1662,同A−3299,同A−3174,同A−7159,同A−7034,同A−3294,同A−7030,同A−9430,同A−3803,同A−7688,同A−3675,同A−9306,などがある。
【0021】
また、卵白アルブミンの例としては、シグマ試薬A−5253,同A−5378,同A−5503,同A−2512,同A−7641,同A−3154,などがある。
【0022】
また、前記酸若しくは酸の塩の例としては、フィチン酸(別名、イノシトールヘキサりん酸:IHP)、ピロりん酸塩、アデノシン三りん酸(ATP)、2,3−ジホスホグリセリン酸(2,3−DPG)から選ばれた物質を少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。そして前記ピロりん酸塩の例としては、カルシウム塩(Ca2P2O7)、鉄塩[Fe4(P2O7)3]、カリウム塩(K4P2O7)、ナトリウム塩(Na2H2P2O7、又はNa4P2O7・10H2O)、スズ塩(Sn2P2O7)、トリブチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0023】
前処理液3のpHについては、4から9の間に制御する。好ましくは7.0〜8.0の間とする。用いた試薬は、りん酸水素二カリウムとりん酸二水素カリウムである。各々1/15モル濃度溶液を作り混合して緩衝液を作製する。これを基に後述する前処理液を作製する。この最終濃度をpHが4から9の間、好ましくは7.0〜8.0の間にくるようにする。pHが4より低い場合には細胞膜が硬化する傾向になり、変形特性の劣化が見られる。また、pHが9より高いと細胞膜が溶解する傾向にある。
【0024】
微粒子化手段4は、例えば図2に示すように、エア、窒素ガス等の気体と血液(上記混合液)を混合噴霧させる構成が好ましい。
【0025】
図2は、本発明における微粒子化及び急速冷凍を行う装置の1例と、微粒子の挙動を示す断面模式図である。
図2において、符号11はノズル、12は気体、13は飛散した混合液、14は血液回収用容器、14′は蓋部、15は冷媒、16は冷却用容器、17は気体回収用の孔、18は容器14の回転軸、19は回転方向、20はノズル径を意味する。図2に示すように、混合液7は気体12とノズル11で混合された飛散・微粒子化される。13は飛散した混合液である。血液回収用容器14は冷却用容器16に入れられた液体窒素などの冷媒15によって冷却されており、飛散した混合液13は血液回収用容器14の内壁で急激に冷却される。
【0026】
ここで、従来の冷却方法では、前記のように速い方法でも、2−4℃/秒であるのに対し、微粒子化した場合には、熱伝導効率が高い上に、(単位体積当たりの冷却速度が同じであるとしても)体積そのものが小さいため、1微粒子当たりの冷却速度は飛躍的に大きくなる。
【0027】
例えば、単純にボリウム効果だけを考慮して冷却速度比を推定すれば、体積200mlの血液(前記の場合)と、半径10μmの微粒子化された塊との平均冷却速度の比較は、
即ち、5×1010倍となる。
【0028】
実際には、容器の内側に付着凍結された粒子の上に次々と粒子が飛散してくるため、粒状を保ったまま次々と堆積を繰り返し、図2の拡大図に模式的に示すように、これらの粒子が集合したある大きさの樹枝状クラスタとなる。または、ポア(pore)の多い多孔質状(porous)の生成物ができる。従って、このクラスタまたは多孔質状(porous)の生成物を構成する粒子の冷却速度は、前記5×1010倍よりは小さく、実測手段がないため厳密に言うことは困難であるが、少なく見積もっても、103ないし106倍程度、即ち、1000℃/秒ないし数100万℃/秒の冷却速度と推定される。
【0029】
従って、該血液を構成する水による氷の結晶成長速度より、冷却速度が十分に速いため、凍結時に大きな氷が生成されず、血液(血球)がこわれることなく凍結される。この高い冷却速度は前処理液の影響を更に高め結果的によい血球の生存率を確保することに貢献する。血液回収用容器14は冷却温度を一定に保つため軸18の周りに回転(19)する機構を設ければ、付着する血液の冷却条件を同じにすることができる。血液回収用容器14には、気体回収用の孔17が設けられており、当該容器内圧力はほとんど上昇しない機構となっている。それらの構成にすることによって多量の血液を微粒子化・冷却することができる。又、該容器14は滅菌構造にしておく。
【0030】
冷却効率をあげるために、容器14を回転させたり、容器14を傾けて回転させてもよい。また、滅菌閉容器中において、回転するクーリングキャン(cooling can)に噴射して、必要に応じてブレードを使用してリアルタイムに取り除いて回収したり、板状の冷却板に吹き付け、必要に応じて相対速度をもたせ、または/かつブレードを使用してリアルタイムに取り除いて回収したり、複数のノズルを用いて、必要に応じて相対速度をもたせ、または/かつブレードを使用してリアルタイムに取り除いて回収することも可能である。
【0031】
該ノズル11は以下の機能を有するものが望ましい、即ち、「特許出願公告平4−21551」(公告日平成4年4月10日/日本国特許第1730868号)なる「高速渦流気体による超微粒子発生用ノズル」に記述されている、「液体噴射口と、前記液体噴射口を取り組む位置に形成された環状の渦流室と、渦巻状に渦流室に延びて、渦流室内に高速気流を導入する複数の旋回導孔と、前記渦流室の前記液体噴射口に臨む側に液体噴射口の前方に向けて開口され、液体噴射口の前方に焦点をもつ先細り円錐形の高速渦流を噴射形成する環状の気体噴射口と、を備えた高速渦流気体による超微粒子発生ノズル」を用いる。また、同様な機能を有する日本国特許第1689645号,同1689660号,同1757351号,または同1770496号記載のノズルであってもよい。これらは、気体と、液体の導入方法の種々例を規定したものである。
【0032】
そのポイントは、「気体導入口から導入された気体を、渦巻状に渦流室に延びて渦流室内に高速気流を導入する複数の旋回導孔によって渦巻き状になし、渦流室を経て液体噴射口の前方に焦点をもつ先細り円錐形の環状の気体噴射口から噴射させることによって、高速渦流を発生させ、これによって液体を粉砕・微粒子化する」ものである。ただし、図2には、ノズルの内側構造は詳細に示されていない。このノズルを使うと後述するように血液を含む液体を微粒子化することが可能となる。また、該粒子サイズの分布が狭く、サイズのそろった微粒子化が可能となる。
【0033】
前記血液は混合する気体の圧力12とノズル径20に依存して異なる粒子サイズ(血球が複数集まって大きな粒子状になったもの)の液状となって飛散する。例えば、ノズル径1.2mmのノズルを使った場合、気体の圧力と前記粒子の大きさの関係は図3に示すようになる。図3で、縦軸は平均粒子サイズ(μm)、横軸はエア噴射圧力(kg/cm2)、23、23′が両者の関係を示す曲線である。図3中のハッチ部分は処理する血液混合液1〜20cc/分の範囲である。図3の例では、ノズル径1.2mmの場合、エア噴射圧力0.5〜6kg/cm2の範囲で数μmから40μm程度までのサイズの粒子が飛散し、容器に付着する。ノズル径が大きくなると、曲線23は24の方向に移動し、粒子サイズと混合液の処理量の制御が可能である。
【0034】
ここで、「粒子」とは、ノズルから飛散した時のものを意味し、「クラスタ」とは、これらの粒子が複数集合したものを意味する。
図4及び図5は図3で説明するノズルを使用して、空気圧力各々1kg/cm2、4Kg/cm2で血液を含む液体を微粒子化し、これをレーザーを用いた粉塵測定器で測定したものである。図からわかるように、サイズは数10ミクロンと小さく、またその分布もシャープでサイズの均一性に優れていることがわかる。なお、図4および図5において、nは被測定粒子数を示す。
【0035】
微粒子化は図3に示す通り、あるノズル径のものに対して気体圧力、液体流量によって制御可能であり、同特性はノズル径の大きさによっても制御できる。ノズル噴射口で微粒子のサイズは数ミクロンから数100ミクロンまで制御可能であるが、好ましくは10ミクロンから200ミクロン、細胞サイズ(微粒子の直径)で言えば赤血球の場合、2,3個から数十個の細胞程度の大きさの直径がよい結果が得られた。
【0036】
前記のように、ノズル噴射口から飛散した粒子は、次々に容器壁に付着し、冷却(凍結)される。従って、凍結後の血液は、個々の粒子が集まって(粒子形態を残したまま)結合して樹枝状のクラスタ(cluster)となる。または、厚く堆積した場合には、ポア(pore)の多い多孔質状(porous)の生成物ができる。
【0037】
例えば、ノズル噴射口で飛散された粒子サイズが30ミクロンの条件で生成した場合、数10個から数100個程度あつまった樹枝状のクラスタ(cluster)、または、多孔質状(porous)の生成物となる。走査型電子顕微鏡による観察によれば、後述するように凍結乾燥後の大きさは1mm以下、100ないし数100ミクロンの樹枝状のクラスタ(cluster)、または、多孔質状(porous)の生成物であることがわかった。
【0038】
一方、比較例に示すように、本方式の微粒子化をしない場合には、上記特徴の生成物は得られず、バルク状の固形物となって、保存や戻し工程が限定される。また、粒子サイズが30ミクロン及びそれ以下の粒子が各々独立している(クラスタとなっていない)場合には、凍結乾燥後は軽量の微粉末となるため、飛散し易く取り扱いが極めて難しい。
【0039】
更に微粒子化、凍結のための前記各方法と異なる方法としては、少なくとも氷点以下の低温のガス中に血液を噴霧することによって小さな粒子として凍結させる方法を用いてもよい。この方法は、アイススクライバとも呼ばれ、液体窒素温度下で、窒素ガス中に液体を導入することによって、小さな凍結粒子をつくる方法を含む。
なお、前記した各方法の中では噴霧化を伴う方法が好適である。
【0040】
付着工程を終了した後、血液回収用容器14は蓋部14′からはずし直ちに乾燥手段6にかけられる。乾燥手段としては一般の真空乾燥機(図示せず)が用いられてもよい。ここでは、付着・凍結した血液は極低温度になっているため、当該乾燥機では昇華過程によって脱水され、凍結乾燥血液8の製造が完成する。この時、上記説明の様に大きさ1mm以下数100μmの樹脂状クラスタ又はポアの厚い多孔質状生成物となる。
【0041】
凍結乾燥血液8は通常の冷蔵庫(保存温度約5℃程度)に保管しておけばよく、使用する場合は図1の10の戻し手段によって戻され、洗浄後の実際の輸血等に使用される。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0043】
なお、以下の実施例1ないし6、および比較例1ないし3において、グルコース、キシロース、マンノース、及び二糖類は1から2モル、PVPは分子量約40,000のものを使用した。また、ピロりん酸塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、鉄塩でいずれも同様な結果が得られた。
【0044】
実施例1
本例では、保存後の戻し時の血球の生存率に関しての実施例を述べる。後記の表1に示す代表的な組成の前処理液を用意し、等量の血液(ヘマトクリット値55%〜90%の濃厚赤血球)と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。エア噴射圧は、1kg/cm2、液体(血液)噴射量は20cc/分としたため、ノズル出力端での粒子サイズは、平均で30ないし40μmと推定された。凍結乾燥後の生成物は、大きさ300μm〜700μmの樹枝状クラスタが得られた。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた血液を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した(試料番号#1および#2)。この時、凍結乾燥血液は、戻し液となじみが良く、容易に解けてもどることがわかった。また保存期間の3ケ月の試料をそれぞれ#3および#4とした。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定した微粒子化・凍結乾燥前の混合液のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を微粒子化・冷凍乾燥後の生存率と近似した。生存率=100−(溶血率)%である。
【0045】
比較例1及び2
比較例1及び2として、前記工程で微粒子化を行わず、当該同じ組成の血液混合液をそのままフラスコに入れ、同様な手段によって凍結乾燥血液を製造し、同様な戻し実験を行った(保存期間1か月)。生成物は乾燥状態にあり、容器の内側形状に沿ったバルクの固形物となった。(粒子化していないので粒子サイズはない。)この生成物の場合、戻し液に浸漬して混和しても解けにくく、溶解(戻し)までに多くの時間を要した。また、前処理液をグルコースだけを含有する組成とし同様の実験を行った(比較例3)。結果を下記表1に示す。
【0046】
【表1】
【0049】
以上の結果から明らかなように、本発明の凍結乾燥血液は、保存の安定性に優れ、また実用上十分な生存率を有するので実際の輸血に適応できる。
なお、下記の実施例2〜4において、PVP、りん酸エステル塩、及びデキストランは、いずれも分子量約4万のものを用いた。その結果、りん酸エステル塩では、ナトリウム塩とカルシウム塩で同様な結果が得られ、またピロりん酸塩では、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、鉄塩で同様な結果が得られた。
【0050】
実施例2
表2に示す組成の前処理液を用意し、等量の血液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。
【0051】
微粒子化・急冷速度は1000℃/秒から数100万℃/秒と、前記従来の冷却速度と比較して1000倍から数100万倍速い条件とした。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた樹枝状クラスタ様血液を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定した微粒子化・凍結乾燥前の混合液のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を微粒子化・凍結乾燥後の生存率と近似した。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
実施例3
前処理液のバイオポリマーの種類を変える以外は実施例2と同様な方法で前処理液を使い同様の実験を行った。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例4
前処理液の酸又は酸の塩の種類を変える以外は実施例2と同様な方法で前処理液に同様の実験を行った。なお各成分の濃度は以下のとおりである。
糖類 ………………………… 1から2モル
りん酸エステル塩……………… 15wt%
ATP ………………………… 1.0wt%
2,3−DPG ……………… 1.0wt%
結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
以上の実施例の戻し後の血液を生理食塩水などで洗浄し実際の輸血に供し、良好な結果を得た。
【0057】
下記の実施例5〜7、及び比較例4において、PVP、りん酸エステル塩、及びデキストランは、いずれも分子量約4万のものを用いた。その結果、りん酸エステル塩では、ナトリウム塩とカルシウム塩で同様な結果が得られ、またピロりん酸塩では、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、鉄塩で同様な結果が得られた。また、pH値については、主に7,4としたが、4から9の間の液の場合は凍結乾燥、及び保存再生後の生存率は同様な値を示した。
【0058】
実施例5
血液単独組成のもの(濃厚赤血球)と、表5に示す前処理液を用意し等量の血液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。微粒子化・急冷速度は103℃/秒から106℃/秒と前記従来の冷却速度と比較して103〜106倍程度速い条件とした。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた乾燥血液樹枝状クラスタ様生成物を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、血液単独のものは等量の前処理液で、また前処理したものは混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス〕(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定しておいた微粒子化・凍結乾燥前の混合液(濃厚赤血球と前処理液との混合液)のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を基に、微粒子化・冷凍乾燥後の生存率を(100−溶血率)(%)と近似した。結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
実施例6
前処理液のバイオポリマーの種類を変える以外は実施例5と同様な方法で前処理液を使い同様の実験を行った。結果を表6に示す。
【0061】
【表6】
【0062】
実施例7
前処理液の酸又は酸の塩の種類を変える以外は実施例5と同様な方法で前処理液に同様な実験を行った。なお各成分の濃度は以下のとおりである。
糖類 ………………………… 1から2モル
りん酸エステル塩……………… 10wt%
ATP ………………………… 1.0wt%
2,3−DPG ……………… 1.0wt%
結果を表7に示す。
【0063】
【表7】
以上の実施例の戻し後の血液を生理食塩水などで洗浄し実際の輸血に供し、良好な結果を得た。
【0064】
比較例4
表5の濃厚赤血球を微粒子化することなく従来の遅い冷却速度で凍結し(凍結に要する時間は数分)乾燥させた。乾燥後はバルクの固形質となり、本実施例でのべたような樹枝状クラスタまたはポアの多い多孔質状の形態とは異質なものとなった。その後同様な条件で保存し、前処理液で処理した結果、すべての血球が壊され、生存率が0であった。
なお、下記の実施例8〜10及び比較例5において、用いた人アルブミン及び牛アルブミンは、いずも分子量約66,000のものを用いた。その結果、人アルブミンでは、同様な結果が得られ、また牛アルブミンについても同様な結果が得られた。また、牛アルブミン、人アルブミン、卵白アルブミンの少なくとも2種を混合して用いた場合でも同様な結果が得られた。また、pH値については、主に7.4としたが、4から9の間の液の場合は凍結乾燥、及び保存再生後の生存率は同様な値を示した。
【0065】
実施例8
血液単独組成のもの(濃厚赤血球)と、表8に示す前処理液を用意し等量の血液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。微粒子化・急冷速度は103℃/秒から106℃/秒と前記従来の冷却速度と比較して103〜106倍程度速い条件とした。乾燥時の含有水分量は0〜30%とした。得られた乾燥血液の形態は大きさ数100μmの樹枝状クラスタ又はポアの多い多孔質状となっていることがわかった。得られた乾燥血液を一般の冷蔵庫(温度5℃)に1カ月保存した後、血液単独のものは等量の前処理液で、また前処理したものは混合時と同じ量の前処理液を加えて戻した。得られた血液を毎分2000回転、10分間遠心分離した後に上清を採取し、血球カウンタ〔シスメクス(sysmecs)NE−8000〕でヘモグロビン量を測定した。これを予め測定しておいた微粒子化・凍結乾燥前処理液の混合液(濃厚赤血球と前処理液との混合液)のヘモグロビン値で除した(割った)値を溶血率とした。この時の溶血率を基に、微粒子化・冷凍乾燥後の生存率を(100−溶血率)(%)と近似した。結果を表8に示す。
【0066】
【表8】
【0067】
実施例9
前処理液のアルブミンの種類を変える以外は実施例8と同様な方法で前処理液を使い同様の実験を行った。結果を表9に示す。
【0068】
【表9】
【0069】
実施例10
前処理液の酸又は酸の塩の種類を変える以外は実施例8と同様な方法で前処理液に同様な実験を行った。なお各成分の濃度は以下のとおりである。
糖類 ………………………… 1から2モル
牛アルブミン ………………… 5wt%
結果を表10に示す。
【0070】
【表10】
以上の実施例の戻し後の血液を生理食塩水などで洗浄し実際の輸血に供し、良好な結果を得た。
【0071】
比較例5
表8の濃厚赤血球を微粒子化することなく従来の遅い冷却速度で凍結し(凍結に要する時間は数分)乾燥させた。この乾燥血液はクラスタ固形質のものであった。その後同様な条件で保存し、前処理液で処理した結果、すべての血球が壊され、生存率が0であった。
【0072】
実施例11
実施例8の血液単独組成のもの(濃厚赤血球)の替わりに、人から採取され、以下の手順で処理された骨髄液に置き換える以外は同様な方法で、表11に示す前処理液を用意し、等量の骨髄液と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。生成物は大きさ数100μmの樹枝状クラスタとなっていた。尚、表11中、前処理液のアルブミンは前記した牛アルブミンまたは人アルブミン、及び同種またはいずれかの少なくとも2種類の薬品(アルブミン)を使用したが、いずれの場合も同様な結果を得た。
【0073】
ここで、骨髄液とは骨髄から直接摂取されたものと、骨髄より化学療法等によって抹消血中に動員(mobilizarion)された幹細胞(末梢造血幹細胞)があるが、以下では後者を例に簡単に説明する。本発明はこれに限定されない。なお、本例は島崎千尋、中川雅夫著「自己末梢造血幹細胞の採取法と移植効果」輸血医学、75(1049)頁、1993年7月号)にも紹介されている。
【0074】
血液採取にはCS3000型装置(Fenwal社)で採取した後、輸血パックのまま6%HES(hydrooxthyl starch)を添加後、1時間静置して、赤血球を除去する。次に、1800rpm、10分程度遠心したあと、PRP(platelet rich plasma;血小板混入血漿)を除去し、幹細胞(末梢造血幹細胞)を得る。
【0075】
凍結乾燥後、一般の冷蔵庫(約5℃)に1カ月保存した後、前処理液と同様な組成の液で戻した。得られた幹細胞を顕微鏡下で観察し、その正常細胞数をカウントして初期値(凍結乾燥前であって、前処理液添加後の正常細胞数)に対する生存率で比較した。
【0076】
【表11】
【0077】
比較例6
実施例11に於いて、採取された幹細胞(未梢造血幹細胞)を、本願の前処理液を加えることなく、通常の凍結保護液、例えば、5%DMSO(ジメチルスルホキシド/dimethylsulfoxide)、6%HES(hydrooxthyl starch)、4%アルブミンからなるものを添加し、凍結乾燥した。生成物はバルク状固形質であった。上記と同様な手順で保存、戻し後の正常細胞を調べた結果、生存率は0であった。
【0078】
実施例12
実施例8の血液単独組成のもの(濃厚赤血球)の替わりに、採血後通常の手順で分離され、自己血漿中に浮遊させた血小板液(血漿中血小板)に置き換える以外は同様な手順で、表12に示す前処理液を用意し、等量の血漿中血小板と混合し、微粒子化・凍結乾燥させた。生成物は大きさ約100μmの樹枝状クラスタであった。
【0079】
尚、前処理液のアルブミンは前記した牛アルブミンまたは人アルブミン、及び同種またはいずれかの少なくとも2種類の薬品(アルブミン)を使用したが、いずれの場合も同様な結果を得た。
【0080】
凍結乾燥後、一般の冷蔵庫(約5℃)に1カ月保存した後、前処理液と同様な組成の液で戻した。得られた血小板を血球カウンタで測定して、その初期値(凍結乾燥前、前処理液添加後の血小板数)に対する生存率で比較するとともに、血小板凝集能測定装置(CHRONO−LOG Corporation)で測定した結果、正常に近い値を示した。
【0081】
【表12】
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、血球、幹細胞、および血小板を凍結乾燥しているので常温で保存できる。また、安全を見込んで通常の冷蔵庫に保管すれば一層の長期間保存に耐え得る。つまり、従来の血液保存に比べて保存に際して特殊な冷媒と容器を必要とせず、そのため保存温度維持のための大きなエネルギーを供給しなければならないという問題がない。更には従来必須であった脱グリセリン化のための手段が不必要であるので、使用に際して制約が極めて少ない。したがって、簡便であるため緊急用輸血にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の手順の1例を示すブロック図である。
【図2】本発明における微粒子化及び急速冷凍を行う装置の1例と、微粒子の挙動を示す断面模式図である。
【図3】本発明方法の1例における平均粒子サイズとエア噴射圧力との関係を示すグラフである。
【図4】図3に示したノズルを使用して、空気圧力1kg/cm2で血液を含む液体を微粒子化した場合のノズル出力端での粒子サイズ分布を示す図である。
【図5】図3に示したノズルを使用して、空気圧力4kg/cm2で血液を含む液体を微粒子化した場合のノズル出力端での粒子サイズ分布を示す図である。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention does not require a special refrigerant / device for cooling, and therefore requires less energy supply, and does not require any antifreezing agents such as glycerin to be mixed / desorbed from blood cells, stem cells, and platelets. The present invention relates to a freeze-dried product and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
So-called autologous blood transfusions that preserve their own blood and transfuse when needed, rare blood that is stored in case a person with a rare blood type, or general blood for transfusion, and These blood components require storage. In many cases, the retention period is one month or more.
[0003]
For the long-term storage of the above blood and blood components, typical methods include a freezing method using an electric freezer at −80 ° C., a freezing method using liquid nitrogen (stored at about −196 ° C.), and a freezing method using liquid helium (− Stored at 270 ° C.). All of these blood storage methods require special refrigerants and containers for cooling and the supply of energy therefor. Also, before cryopreservation, a cryoprotectant, which is a compound that protects cells from the destruction of cell membranes due to the growth of ice crystals or osmotic pressure, such as glycerin, is mixed with blood, At the time of use, it was necessary to remove the antifreezing agent such as glycerin after thawing.
[0004]
The storage method for long-term storage of these blood and blood components is performed as follows. The case of freezing concentrated red blood cells (hematocrit blood * 55 to 90%) will be described below as an example (* hematocrit value = the ratio of blood cell components to the whole blood components, and normal values of peripheral blood of healthy individuals are 45 to 50) %)
1) Blood collected with sodium citrate or heparin as an anticoagulant is centrifuged to obtain concentrated erythrocytes with a hematocrit value of 55 to 90%, excluding plasma and buffy coat.
2) An equal amount of a preservative solution containing glycerin as a main component is mixed with this.
The preservation solution composition is, for example, as follows:
a) Glycerin 60g
b) 2.57 g of 70% sodium lactate
c) KCl 0.02g
d) NaCl 0.26 g
Is dissolved in pure water and finally made up to 100 ml.
3) Place the mixed blood in a storage container and cool.
For blood in a normal blood transfusion container (volume 200 ml), the average cooling rate is about 100 ° C./min for a fast method and about several ° C./min for a slow one.
Here, the blood cooling rate and the glycerin concentration have a correlation with the hemolysis rate of blood after thawing (corresponding to the mortality rate of blood cells). In some cases, a relatively low concentration of glycerin may be used, and in the case of a low cooling rate, a relatively high concentration of glycerin is required. Practically, the following two methods are used.
a) High-concentration glycerol low freezing speed method
b) Low-concentration glycerol high freezing speed method
In a), the glycerin solution having the composition described in the above 2) is added to an equal amount of blood, placed in a suitable container, and then placed in an electric freezer at -80 ° C. At this time, since the blood in the container reaches −80 ° C. in several tens of minutes to 1 to 2 hours, the average cooling rate is 1-10 ° C./min. (For example, when cooling concentrated red blood cells (about 200 ml) from room temperature (20 ° C.)
b) is for example 28% glycerin,
3% mannitol,
0.65% NaCl, and
A low-concentration glycerin solution consisting of is added to an equal volume of blood, placed in a suitable container, and then immersed in liquid nitrogen. In this method, the liquid nitrogen temperature (−196 ° C.) is reached from room temperature (about 20 ° C.) in 1 to 2 minutes, so the average cooling rate per concentrated red blood cell (about 200 ml) is 2-4 ° C./second. is there.
4) When using blood, remove it from the freezer and thaw it rapidly in a hot water bath at about 40 ° C.
5) After thawing, wash with physiological saline to remove glycerin. This operation takes several hours.
[0005]
Conventionally, as a method for microparticulating blood, there is a method of microparticulating by dropping a gas into liquid nitrogen.
For example, there is a description in “Research on cryopreservation of erythrocytes by Driplet Freezing” by Tomoyoshi Sato, Hokkaido Medical Journal, Vol. 58, No. 2, pp. 144-153 (1983). In this method, as the means for atomization, the strength of air inflow is adjusted to create droplets of various sizes. In this case, the size mixed with the gas is as large as 0.7 to 2.8 mm as shown in FIG. The survival rate [100- (erythrocyte hemolysis rate)] is also poor at 35 to 70%. In addition, when the size is 0.5 mm in the same figure, the survival rate is as low as 20% or less, which is not practical.
[0006]
This method uses a double tube comprising a polyethylene inner tube having an inner diameter of 0.4 mm and an outer tube having an inner diameter of 3 mm for enclosing the inner tube. Blood was introduced from the inner tube, gas was introduced from the outer tube, blood was introduced by generating a negative pressure at the inner tube output end using Bernoulli's principle, mixed with the gas, and placed underneath It is dripped in liquid nitrogen. The particle size of the dropped blood is determined by the diameter of the inner tube, and the dropping speed is determined by the flow rate of the gas flowing through the outer tube.
[0007]
Therefore, in this method, particles as large as 0.7 mm to 2.8 mm as shown in FIG. 4 can be generated, and only a limited range of particles can be generated. Increasing the diameter of the inner tube increases the particle size and hemolysis rate as shown in the figure. Further, when the diameter of the inner tube is reduced, clogging occurs and blood cannot be dropped.
[0008]
That is, since the conventional method of particle formation is a simple negative pressure method using Bernoulli's principle, fine particle control is insufficient. Further, the particle size is as large as 0.7 mm to 2.8 mm, and it is impossible to form particles having a size of 0.5 mm or less, and even in the case of particles having a size of 0.5 mm, the control is difficult, so the survival rate is remarkably bad ( The hemolysis rate was high).
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The conventional blood storage methods described above have the following problems.
(1) A special refrigerant and a container are required for cooling, and a large amount of energy is required for that purpose. For example, liquid nitrogen is 100 yen / liter and liquid helium is 3000 yen / liter, which is expensive, and a special container is required in terms of hermeticity and cold insulation.
(2) Since a preservation solution containing glycerin as a main component is used, it takes time for deglycerination before it is thawed and used.
[0010]
As illustrated above, the conventional blood storage method requires a special refrigerant and a container, and has to supply a large amount of energy for that purpose, and more complicated and time-consuming for deglycerination. Therefore, for example, there is a problem that it cannot be applied to emergency use.
In addition, the conventional blood freezing method using the droplet method has the disadvantages that the particle size is as large as 0.7 to 2.8 mm and the hemolysis rate is high, making it impractical.
[0011]
The object of the present invention is a freeze-dried product of blood cells, stem cells, and platelets that requires less energy for storage, only needs to be stored at room temperature or in a general refrigerator, and does not require deglycerin treatment, etc. And a manufacturing method thereof.
[0012]
[Means and Actions for Solving the Problems]
According to the present invention, one liquid selected from the group consisting of blood containing blood cells, bone marrow fluid (hematopoietic stem cells), and plasma platelets is used as at least one of saccharides, biopolymers, or acids or salts thereof. The step of pre-treatment with a solution containing the kind and the pre-treated liquidBy mixed spray with gasA step of micronizing into a first predetermined size, and a micronized liquidBy spraying into a gas at sub-freezing temperatureA method for producing a freeze-dried product of blood cells, stem cells, and platelets, comprising: a step of rapidly freezing into a second predetermined size product; and a step of sublimating moisture from the frozen product and drying the product. Is provided.
[0013]
The present invention will be described in detail below.
In the following description and examples, and in the description of the drawings, blood or blood components are taken as an example, and for the sake of convenience of explanation, they are simply abbreviated as blood.
[0014]
Hereinafter, the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a block diagram showing an example of the procedure of the method of the present invention. 1 is a means for mixing (mixing)
As the
[0015]
At this time, the blood may be pretreated. Examples of the
[0016]
Examples of the saccharide include those containing at least one saccharide selected from mannose, xylose, glucose, trehalose, sucrose, and maltose.
[0017]
Examples of the biopolymer include those containing at least one biopolymer selected from dextran, phosphate ester salt, polyvinylpyrrolidone (PVP), and albumin. Here, examples of the phosphoric acid ester salt include phosphorylcholine chloride [Sigma reagent # P0378], 5-phosphorylribose-1-pyrophosphate (Sigma reagent # P8296), and CThreeHThreeNO6P (Sigma reagent # P5506), CThreeHFiveNO6P (Sigma reagent # P0753), CThreeH8NO6P (Sigma reagent # P0878), CThreeHTenNO6P (Sigma reagent # P1003) is exemplified, and examples of the salts thereof include sodium salt and calcium salt.
[0018]
Examples of the albumin include those containing at least one albumin selected from human albumin, bovine albumin, and ovalbumin.
[0019]
Here, as an example of human albumin, Sigma reagent A-1653, A-1887, A-9951, A-8863, A-37782, A-6784, A-6019, A-6909 , Dinitriphenyl (A-6661).
[0020]
Examples of bovine albumin include Sigma reagent A-2153, A-3350, A-4450, A-3425, A-9647, A-8022, A-6003, and A-2934. A-9543, A-4628, A-7688, A-4788, A-3378, A-3424, A-7511, A-7638, A-0281, A-3059, A-3902 A-7906, A-6793, A-6918, A-3918, A-7912, A-7409, A-7534, A-7284, A-1662, A-3299, A-3174, A-3174 A-7159, A-7034, A-3294, A-7030, A-9430, A-3803, A-7688, A-3675, A-9306, and the like.
[0021]
Examples of ovalbumin include Sigma reagent A-5253, A-5378, A-5503, A-2512, A-7641, A-3154, and the like.
[0022]
Examples of the acid or acid salt include phytic acid (also known as inositol hexaphosphate: IHP), pyrophosphate, adenosine triphosphate (ATP), 2,3-diphosphoglycerate (2, And those containing at least one substance selected from 3-DPG). Examples of the pyrophosphate include calcium salt (Ca2P2O7), Iron salt [FeFour(P2O7)Three], Potassium salt (KFourP2O7), Sodium salt (Na2H2P2O7Or NaFourP2O7・ 10H2O), tin salt (Sn2P2O7) And tributylammonium salt.
[0023]
The pH of the
[0024]
For example, as shown in FIG. 2, the microparticulation means 4 is configured to mix and spray a gas such as air or nitrogen gas and blood (the mixed liquid).Is preferred.
[0025]
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing an example of an apparatus for performing micronization and quick freezing in the present invention and the behavior of the microparticles.
In FIG. 2, reference numeral 11 is a nozzle, 12 is a gas, 13 is a scattered liquid mixture, 14 is a blood collection container, 14 'is a lid, 15 is a refrigerant, 16 is a cooling container, and 17 is a hole for gas collection. , 18 indicates the rotation axis of the
[0026]
Here, in the conventional cooling method, the fast method as described above is 2-4 ° C./sec. However, when fine particles are formed, the heat conduction efficiency is high and the cooling per unit volume (cooling per unit volume). Since the volume itself is small (even if the speed is the same), the cooling rate per fine particle increases dramatically.
[0027]
For example, if the cooling rate ratio is estimated simply by considering only the volume effect, a comparison of the average cooling rate between a blood volume of 200 ml (in the above case) and a finely divided lump having a radius of 10 μm is as follows:
That is, 5 × 10TenDoubled.
[0028]
Actually, since the particles are scattered one after another on the particles that are adhered and frozen inside the container, the deposition is repeated one after another while maintaining the granular shape, as schematically shown in the enlarged view of FIG. A dendritic cluster of a certain size in which these particles are assembled. Alternatively, a porous product with a lot of pores can be produced. Therefore, the cooling rate of the particles constituting this cluster or porous product is 5 × 10 5.TenIt is difficult to say exactly because it is smaller than twice, and there is no actual measurement means.Three106It is estimated that the cooling rate is about double, that is, 1000 ° C./second to several million ° C./second.
[0029]
Accordingly, since the cooling rate is sufficiently faster than the ice crystal growth rate by the water constituting the blood, large ice is not generated at the time of freezing, and the blood (blood cells) is frozen without being broken. This high cooling rate contributes to further increasing the influence of the pretreatment liquid and consequently ensuring a good blood cell survival rate. If the
[0030]
In order to increase the cooling efficiency, the
[0031]
The nozzle 11 preferably has the following functions, that is, “Patent Application Publication No. Hei 4-215551” (Publication Date: April 10, 1992 / Japan Patent No. 1,730,868) “A nozzle for generation”, “A liquid jet port, an annular vortex chamber formed at a position where the liquid jet port is tackled, and a spiral vortex chamber extending into the vortex chamber to introduce a high-speed air flow into the vortex chamber. A plurality of swirl guide holes and an annular shape that opens toward the front side of the liquid jet port on the side facing the liquid jet port of the vortex chamber and injects and forms a tapered conical high-speed vortex having a focal point in front of the liquid jet port And an ultrafine particle generating nozzle using a high-speed eddy current gas. Further, the nozzle described in Japanese Patent Nos. 1689645, 1689660, 1757351, or 1770496 having the same function may be used. These define various examples of gas and liquid introduction methods.
[0032]
The point is that "the gas introduced from the gas inlet is spirally formed by a plurality of swirl guide holes that spirally extend into the vortex chamber and introduce high-speed airflow into the vortex chamber. "High-speed eddy currents are generated by jetting from a tapered conical annular gas jet having a focal point in the front, thereby pulverizing and atomizing the liquid." However, the inner structure of the nozzle is not shown in detail in FIG. When this nozzle is used, a liquid containing blood can be made into fine particles as described later. In addition, the particle size distribution is narrow, and fine particles with uniform sizes can be obtained.
[0033]
The blood scatters in the form of liquids having different particle sizes (a plurality of blood cells gathered into large particles) depending on the
[0034]
Here, “particle” means a particle when scattered from a nozzle, and “cluster” means a collection of a plurality of these particles.
4 and FIG. 5 show that the air pressure is 1 kg / cm each using the nozzle described in FIG.24Kg / cm2The liquid containing blood was made into fine particles and measured with a dust measuring instrument using a laser. As can be seen from the figure, the size is as small as several tens of microns, the distribution is sharp, and the uniformity in size is excellent. 4 and 5, n indicates the number of particles to be measured.
[0035]
As shown in FIG. 3, the atomization can be controlled by the gas pressure and the liquid flow rate with respect to a certain nozzle diameter, and the characteristics can also be controlled by the size of the nozzle diameter. The size of the fine particles can be controlled from several microns to several hundreds of microns at the nozzle injection port, but preferably 10 to 200 microns. In terms of cell size (diameter of fine particles), in the case of erythrocytes, a few to several tens Good results were obtained with a diameter as small as one cell.
[0036]
As described above, the particles scattered from the nozzle injection port adhere to the container wall one after another and are cooled (frozen). Therefore, after freezing blood, individual particles gather together (while leaving the particle form) and combine to form a dendritic cluster. Or, when thickly deposited, a porous product with many pores is formed.
[0037]
For example, when the particle size scattered at the nozzle outlet is 30 microns, the product is a dendritic cluster or a porous product having several tens to several hundreds of particles. It becomes. According to the observation with a scanning electron microscope, as described later, the size after freeze-drying is 1 mm or less, 100 to several 100 microns of a dendritic cluster, or a porous product. I found out.
[0038]
On the other hand, as shown in the comparative example, when the microparticulation of this method is not performed, the product having the above characteristics cannot be obtained and becomes a bulk solid, which limits the storage and return process. In addition, when particles having a particle size of 30 microns or less are independent (not clustered), they become light and fine powders after lyophilization, and thus are easily scattered and extremely difficult to handle.
[0039]
Further, as a method different from the above-described methods for atomization and freezing, a method of freezing as small particles by spraying blood into a low-temperature gas at least below freezing point may be used. This method is also called an ice scriber and includes a method of producing small frozen particles by introducing a liquid into nitrogen gas at a liquid nitrogen temperature.
Of the above-described methods, a method involving atomization is preferable.
[0040]
After the adhering step is finished, the
[0041]
The freeze-dried
[0042]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0043]
The following examples1 to 6In Comparative Examples 1 to 3, glucose, xylose, mannose, and disaccharide were used in an amount of 1 to 2 mol, and PVP having a molecular weight of about 40,000. In addition, the same results were obtained for pyrophosphates using sodium, potassium, calcium, and iron salts.
[0044]
Example 1
In this example, an example relating to the survival rate of blood cells at the time of return after storage will be described. A pretreatment liquid having a typical composition shown in Table 1 described below was prepared, mixed with an equal amount of blood (concentrated erythrocytes having a hematocrit value of 55% to 90%), micronized and freeze-dried. Air injection pressure is 1kg / cm2Since the liquid (blood) injection amount was 20 cc / min, the particle size at the nozzle output end was estimated to be 30 to 40 μm on average. The product after lyophilization yielded dendritic clusters having a size of 300 μm to 700 μm. The moisture content during drying was 0 to 30%. The obtained blood was stored in a general refrigerator (
[0045]
Comparative Examples 1 and 2
As Comparative Examples 1 and 2, the blood mixture of the same composition was put into a flask as it was without micronization in the above step, freeze-dried blood was produced by the same means, and a similar return experiment was conducted (storage period) 1 month). The product was in a dry state and became a bulk solid along the inner shape of the container. (There is no particle size because it is not granulated.) In the case of this product, it was difficult to dissolve even if it was immersed in the return solution and mixed, and it took much time to dissolve (return). Further, a similar experiment was conducted with the pretreatment liquid containing only glucose (Comparative Example 3). The results are shown in Table 1 below.
[0046]
[Table 1]
[0049]
As is apparent from the above results, the freeze-dried blood of the present invention is excellent in storage stability and has a practically sufficient survival rate, so that it can be adapted to actual blood transfusion.
The followingExamples 2-4, All of PVP, phosphate ester salt and dextran having a molecular weight of about 40,000 were used. As a result, the same results were obtained with the sodium salt and calcium salt in the phosphate ester salt, and the same results were obtained with the sodium salt, potassium salt, calcium salt, and iron salt in the pyrophosphate salt.
[0050]
Example 2
A pretreatment liquid having the composition shown in Table 2 was prepared, mixed with an equal amount of blood, and micronized and freeze-dried.
[0051]
The micronization / rapid cooling rate was 1000 ° C./second to several million ° C./second, which was 1000 to several million times faster than the conventional cooling rate. The moisture content during drying was 0 to 30%. The obtained dendritic cluster-like blood was stored in a general refrigerator (
[0052]
[Table 2]
[0053]
Example 3
Other than changing the type of prepolymer biopolymerExample 2The same experiment was carried out using the pretreatment liquid in the same manner as above. The results are shown in Table 3.
[0054]
[Table 3]
[0055]
Example 4
Other than changing the type of acid or acid salt in the pretreatment solutionExample 2The same experiment was performed on the pretreatment liquid in the same manner as described above. The concentration of each component is as follows.
Sugar ………………………… 1-2 moles
Phosphate ester salt ……………… 15wt%
ATP ………………………… 1.0wt%
2,3-DPG ............ 1.0 wt%
The results are shown in Table 4.
[0056]
[Table 4]
The returned blood of the above examples was washed with physiological saline or the like and subjected to actual blood transfusion, and good results were obtained.
[0057]
belowExamples 5-7In Comparative Example 4, PVP, phosphate ester salt, and dextran all used had a molecular weight of about 40,000. As a result, the same results were obtained with the sodium salt and calcium salt in the phosphate ester salt, and the same results were obtained with the sodium salt, potassium salt, calcium salt, and iron salt in the pyrophosphate salt. The pH value was mainly 7 or 4, but in the case of a solution between 4 and 9, the survival rate after freeze-drying and storage / regeneration showed similar values.
[0058]
Example 5
The blood alone composition (concentrated erythrocytes) and the pretreatment liquid shown in Table 5 were prepared, mixed with an equal amount of blood, micronized and freeze-dried. The micronization / quenching rate is 10Three℃ / sec to 10610 ° C / second compared to the conventional cooling rateThree-106The conditions were about twice as fast. The moisture content during drying was 0 to 30%. After the obtained dried blood dendritic cluster-like product is stored in a general refrigerator (
[0059]
[Table 5]
[0060]
Example 6
Other than changing the type of prepolymer biopolymerExample 5The same experiment was carried out using the pretreatment liquid in the same manner as above. The results are shown in Table 6.
[0061]
[Table 6]
[0062]
Example 7
Other than changing the type of acid or acid salt in the pretreatment solutionExample 5The same experiment was performed on the pretreatment liquid in the same manner as described above. The concentration of each component is as follows.
Sugar ………………………… 1-2 moles
Phosphate ester salt ……………… 10wt%
ATP ………………………… 1.0wt%
2,3-DPG ............ 1.0 wt%
The results are shown in Table 7.
[0063]
[Table 7]
The returned blood of the above examples was washed with physiological saline or the like and subjected to actual blood transfusion, and good results were obtained.
[0064]
Comparative Example 4
The concentrated erythrocytes in Table 5 were frozen at a conventional slow cooling rate without micronization (the time required for freezing was several minutes) and dried. After drying, it became a bulky solid, which was different from a porous form having a lot of dendritic clusters or pores as in this example. Thereafter, the sample was stored under the same conditions and treated with the pretreatment solution. As a result, all blood cells were destroyed and the survival rate was zero.
The followingExamples 8-10In Comparative Example 5, human albumin and bovine albumin used had a molecular weight of about 66,000. As a result, similar results were obtained with human albumin, and similar results were obtained with bovine albumin. Similar results were obtained even when at least two of bovine albumin, human albumin, and ovalbumin were mixed and used. The pH value was mainly 7.4, but in the case of a solution between 4 and 9, the survival rate after freeze-drying and storage / regeneration showed similar values.
[0065]
Example 8
A blood composition (concentrated erythrocyte) and a pretreatment solution shown in Table 8 were prepared, mixed with an equal amount of blood, micronized and freeze-dried. The micronization / quenching rate is 10Three℃ / sec to 10610 ° C / second compared to the conventional cooling rateThree-106The conditions were about twice as fast. The moisture content during drying was 0 to 30%. It was found that the obtained dried blood had a dendritic cluster size of several 100 μm or a porous shape with many pores. After the obtained dried blood is stored in a general refrigerator (
[0066]
[Table 8]
[0067]
Example 9
Other than changing the type of albumin in the pretreatment solutionExample 8The same experiment was carried out using the pretreatment liquid in the same manner as above. The results are shown in Table 9.
[0068]
[Table 9]
[0069]
Example 10
Other than changing the type of acid or acid salt in the pretreatment solutionExample 8The same experiment was performed on the pretreatment liquid in the same manner as described above. The concentration of each component is as follows.
Sugar ………………………… 1-2 moles
Bovine albumin ………………… 5wt%
The results are shown in Table 10.
[0070]
[Table 10]
The returned blood of the above examples was washed with physiological saline or the like and subjected to actual blood transfusion, and good results were obtained.
[0071]
Comparative Example 5
The concentrated erythrocytes in Table 8 were frozen at a conventional slow cooling rate without being microparticulated (the time required for freezing was several minutes) and dried. The dried blood was cluster solid. Thereafter, the sample was stored under the same conditions and treated with the pretreatment solution. As a result, all blood cells were destroyed and the survival rate was zero.
[0072]
Example 11
Example 8Prepare the pretreatment liquid shown in Table 11 in the same manner except that it is replaced with bone marrow fluid collected from a person and processed according to the following procedure instead of the blood single composition (concentrated erythrocyte). Were mixed with bone marrow fluid and micronized and lyophilized. The product was a dendritic cluster having a size of several hundred μm. In Table 11, the albumin of the pretreatment liquid used was the above-described bovine albumin or human albumin, and the same kind or at least two kinds of chemicals (albumin), but the same results were obtained in either case.
[0073]
Here, the bone marrow fluid includes those directly taken from the bone marrow, and stem cells (peripheral hematopoietic stem cells) that have been mobilized during peripheral blood from the bone marrow by chemotherapy or the like. explain. The present invention is not limited to this. This example was also introduced in Chihiro Shimazaki and Masao Nakagawa, “Methods for Collecting and Transplanting Autologous Peripheral Hematopoietic Stem Cells”, Transfusion Medicine, 75 (1049), July 1993).
[0074]
For blood collection, after collecting with a CS3000 type apparatus (Fenwal), 6% HES (hydroxthyl starch) is added as a transfusion pack, and left for 1 hour to remove red blood cells. Next, after centrifugation at 1800 rpm for about 10 minutes, PRP (platelet rich plasma; platelet-contained plasma) is removed to obtain stem cells (peripheral hematopoietic stem cells).
[0075]
After freeze-drying, it was stored in a general refrigerator (about 5 ° C.) for 1 month, and then returned with a liquid having the same composition as the pretreatment liquid. The obtained stem cells were observed under a microscope, and the number of normal cells was counted and compared with the survival rate with respect to the initial value (the number of normal cells before lyophilization and after the addition of the pretreatment solution).
[0076]
[Table 11]
[0077]
Comparative Example 6
Example 11In this case, the collected stem cells (non-treetop hematopoietic stem cells) were added to a normal cryoprotective solution such as 5% DMSO (dimethylsulfoxide), 6% HES (hydroxthyl starch) without adding the pretreatment solution of the present application. ) 4% albumin was added and lyophilized. The product was a bulk solid. As a result of investigating normal cells after storing and returning in the same procedure as described above, the survival rate was 0.
[0078]
Example 12
[0079]
In addition, although the above-mentioned bovine albumin or human albumin and the same kind or at least two kinds of chemicals (albumin) were used as the pretreatment liquid albumin, similar results were obtained in either case.
[0080]
After freeze-drying, it was stored in a general refrigerator (about 5 ° C.) for 1 month, and then returned with a liquid having the same composition as the pretreatment liquid. The obtained platelets were measured with a blood cell counter, and compared with the survival rate with respect to the initial value (the number of platelets before lyophilization and after the addition of pretreatment liquid), and measured with a platelet aggregation measuring device (CHRONO-LOG Corporation). As a result, it was close to normal.
[0081]
[Table 12]
[0082]
【The invention's effect】
According to the present invention, blood cells, stem cells, and platelets are lyophilized and can be stored at room temperature. In addition, if it is stored in a normal refrigerator in anticipation of safety, it can withstand further long-term storage. In other words, compared to conventional blood storage, there is no problem that a special refrigerant and a container are not required for storage, and therefore a large amount of energy for maintaining the storage temperature must be supplied. Furthermore, since the means for deglycerination which was essential in the past is unnecessary, there are very few restrictions in use. Therefore, since it is simple, it can be applied to emergency blood transfusion.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing an example of a procedure of a method of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing an example of an apparatus for performing micronization and quick freezing according to the present invention and the behavior of microparticles.
FIG. 3 is a graph showing the relationship between average particle size and air injection pressure in an example of the method of the present invention.
FIG. 4 shows an air pressure of 1 kg / cm using the nozzle shown in FIG.2It is a figure which shows the particle size distribution in the nozzle output end at the time of atomizing the liquid containing blood in FIG.
FIG. 5 shows an air pressure of 4 kg / cm using the nozzle shown in FIG.2It is a figure which shows the particle size distribution in the nozzle output end at the time of atomizing the liquid containing blood in FIG.
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