JP3787989B2 - ハニカムサンドイッチパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、機器を搭載するハニカムサンドイッチパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
宇宙構造物における機器を搭載するハニカムサンドイッチパネルは、近年の宇宙利用の拡大や宇宙機の低コスト化要求に伴い、高発熱機器を搭載可能にすること、実装効率を上げてより多くの機器を搭載すること、機器レイアウトの柔軟性を確保すること、及び機器保温用ヒータの系統数・電力を節約すること等が要求されている。搭載機器が正常に機能・性能を発揮できる機器取付面における温度範囲を許容温度範囲と呼ぶ時、ハニカムサンドイッチパネルの全ての機器取付面温度は高温側最悪熱環境下において許容温度上限以下に、低温側最悪環境下において許容温度下限以上に制御する必要がある。許容温度範囲の要求を満足した上で、ハニカムサンドイッチパネルの上記要求を達成する方法として、あるパネル面上に搭載する機器の許容温度範囲を可能な限り一致させると共に、パネル面内及び面外の熱結合を大きくしパネルを最大限に等温化する方法が従来から採用されてきた。
【0003】
図12は従来の機器搭載ハニカムサンドイッチパネルの一例を示すものである。図12において、1〜3は電子機器等の搭載機器、4は低温熱環境時に搭載機器1〜3を許容温度下限以上に保持する保温用ヒータ、5は搭載機器1〜3及び保温用ヒータ4の発熱を面内及び面外に主に伝導熱結合により伝達する機器搭載側パネル表皮、6は機器搭載側パネル表皮5からの熱流を面内及び面外に伝導熱結合により伝達するハニカムコア、7はハニカムコア6から熱流を面内に伝導熱結合により伝達すると共に宇宙空間に放射熱結合により排熱する宇宙側パネル表皮、8は機器搭載側パネル表皮5とハニカムコア6と宇宙側パネル表皮7とで構成するハニカムサンドイッチパネル、9は機器搭載側パネル表皮5及び宇宙側パネル表皮7に接することによりハニカムサンドイッチパネル8の面外熱結合を大きくすると共に、ハニカムコア6に接しハニカムサンドイッチパネル8の面内熱結合を大きくするヒートパイプである。ハニカムサンドイッチパネル8の面内及び面外の伝導熱結合を大きくしパネルを最大限に等温化すること、高発熱機器を搭載可能にすること等から、パネル表皮5,7、及びハニカムコア6には熱伝導率の大きい材料、例えばアルミニウム合金を使用している。またパネル表皮5,7の材料として、熱伝導率の大きい複合材料、例えば高弾性CFRPを使用する場合もある。図12に示される構成によりハニカムサンドイッチパネル8はパネル全面をほぼ等温に制御することが可能になる。このパネルに搭載される搭載機器1〜3の許容温度範囲がすべて同一であれば、ハニカムサンドイッチパネルに対する上記要求は満足できるが、機器それぞれの許容温度範囲が異なっているときは、パネルに搭載されている全機器に共通の狭い温度範囲内にパネル温度を制御する必要がある。この場合パネルサイズの増大、ヒータの系統数・電力の増大をまねき、サイズ・重量・電力の利用効率や機器の実装効率の低下をまねく。従来の技術においては、例えば許容温度範囲が−20〜+60℃の機器グループと−15〜+55℃の機器グループと−10〜+25℃の機器グループの3グループのように、許容温度範囲に応じて機器のグループ分けを行い、これらのグループを別々のハニカムサンドイッチパネルに配置すること、同じパネル内において熱結合が十分小さくなるよう離れた位置に配置すること等によって異なるグループ間の断熱を図り、それぞれ独立に温度制御する等の対策がとられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハニカムサンドイッチパネルを使用する人工衛星等の宇宙構造物は地上からロケット等によって輸送するため、サイズ、重量、電力等のリソースが限られている。全ての機器の許容温度範囲を満足する狭い温度範囲に維持することは、サイズ・重量・電力効率や機器の実装効率の低下をまねく。許容温度範囲の異なる搭載機器グループ間の断熱を図るために、別々のハニカムサンドイッチパネルに配置したり、パネル内で離れた位置に配置すると重量・サイズの増大を招き、また構造強度の低下も招くために、さけることが望まれる。宇宙構造物サイズ、重量、電力の増大を防ぎ、機器実装効率を高め、かつ機器の温度要求を満足するためには、ハニカムサンドイッチパネル上で、許容温度範囲の異なるグループを搭載するパネル領域間は重量・距離をかけずに断熱すると同時に、一グループ内のパネル領域内は熱結合を大きくし等温化を図ることが必要である。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、あるグループを搭載するパネル領域内の等温化を図りつつ、異なるグループを搭載する領域との断熱を効率よく実現するハニカムサンドイッチパネルを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明によるハニカムサンドイッチパネルは、機器搭載構体を構成するハニカムサンドイッチパネルにおいて、
許容温度範囲の異なるあるグループの機器と他グループの機器は分離して上記パネルの表皮上に配置され、
上記パネルの表皮は、あるグループの機器と他グループの機器の間の方向を一方の方向とし、上記一方の方向に直角な方向を他の方向とした場合に、
単一方向に並べた炭素繊維にエポキシ樹脂あるいはシアネート樹脂を含浸させて製作された複合材料を、上記繊維が一方の方向に向いた層と、上記他の方向を向いた層を積層して構成することによって、上記パネルの表皮の面内熱伝導特性が、上記他方の方向の伝導熱結合が大きく、上記一方の方向の伝導熱結合が小さい熱伝導特性にしたものである。
【0007】
第2の発明によるハニカムサンドイッチパネルは、上記パネル表皮の複合材料として、繊維が一方の方向に向いた層の層数と、他の方向を向いた層の層数を異ならせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたものである。
【0008】
第3の発明によるハニカムサンドイッチパネルは、上記パネル表皮の複合材料として、繊維が一方の方向に向いた層の繊維密度と、他の方向に向いた層の繊維密度を異ならせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたものである。
【0009】
第4の発明によるハニカムサンドイッチパネルは、上記パネル表皮の複合材料として、繊維が一方の方向に向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率と、他の方向を向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率を異ならせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたものである。
【0010】
第5の発明によるハニカムサンドイッチパネルは、上記パネル表皮の複合材料として、繊維が一方の方向に向いた層の層数と他の方向を向いた層の層数を異ならせて積層する方法と、繊維が一方の方向に向いた層の繊維密度と他の方向に向いた層の繊維密度を異ならせて積層する方法と、繊維が一方の方向に向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率と他の方向を向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率を異ならせて積層する方法の内2つ以上を組み合わせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示す図であり、図において1〜4及び6は上記従来のハニカムサンドイッチパネルと同一のものである。ここで、搭載機器1及び2は許容温度範囲が−20〜+60℃のグループに、搭載機器3は−15〜+55℃のグループに属しているとする。パネル表皮10及び11は面内伝導特性に異方性を有しており、図ではアの方向の伝導熱結合が大きく、アと直交するイの方向の伝導熱結合が小さくなっている。この特性により、ハニカムサンドイッチパネル8もアの方向の熱結合が大きく、イの方向の熱結合が小さくなっている。一グループ内に属する搭載機器1及び2は、アの方向に平行に並んでおり熱結合が大きいので、ほぼ同一の温度範囲に制御することができる。一方搭載機器1及び2と別のグループに属する搭載機器3は、搭載機器1及び2に対してイの方向に位置しており熱結合が小さいので、効率よく搭載機器1及び2のグループと断熱し、独立に熱制御することが可能である。
【0018】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2を示す、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮10あるいは11の構成図である。図において12は炭素繊維複合材料(CFRP)を構成する一層を示しており、線で示す単一方向に並べた炭素繊維にエポキシ樹脂あるいはシアネート樹脂を含浸させて製作している。層12の繊維は高弾性率炭素繊維であり、その熱伝導率は繊維方向で55〔W/mK〕以上、直角方向で1.3〔W/mK〕程度である。CFRP製の表皮を製作するにあたり、繊維をアの方向に向けた層を12層、繊維をイの方向に向けた層を2層積層している。なおアとイは直交させることとする。層12の熱伝導率を繊維方向でx〔W/mK〕、直角方向でy〔W/mK〕とすると、上記構成によりアの方向の伝導熱結合は(12x+2y)に比例し、イの方向に伝導熱結合は(2x+12y)に比例する。ア方向とイ方向の伝導熱結合の比は(6x+y)/(x+6y)となり、この値はxの値に対し単調増加する。xが55以上、yが1.3であるのでア方向とイ方向の伝導熱結合の比は5.3以上となる。従って上記構成によりアの方向の伝導熱結合がイの方向の伝導熱結合の5.3倍以上大きい表皮を得ることが可能である。なお上記ではアの方向に12層、イの方向に2層で構成する表皮の例を述べたが、層数の組合わせを変化させることで、表皮の熱伝導特性の異方性を変更することも可能である。
【0019】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3を示す、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮10あるいは11の構成図である。図において13及び14は炭素繊維複合材料(CFRP)を構成する一層を示しており、線で示す単一方向に並べた炭素繊維にエポキシ樹脂あるいはシアネート樹脂を含浸させて製作し、13の繊維密度は14の3倍以上にしている。層13及び14の繊維は高弾性率炭素繊維であり、その繊維方向の熱伝導率は直角方向の40倍以上である。複合材料製の表皮を製作するにあたり、13の繊維をアの方向に、14の繊維をイの方向に向けて積層している。なおアとイは直交させることとする。層13の熱伝導率を繊維方向でx〔W/mK〕、直角方向でy〔W/mK〕、層14の熱伝導率を繊維方向でz〔W/mK〕、直角方向でw〔W/mK〕とすると、上記構成によりアの方向の伝導熱結合は(x+w)に比例し、イの方向の伝導熱結合は(y+z)に比例する。ア方向とイ方向の伝導熱結合の比は(x+w)/(y+z)となり、この値は1/(y/x+z/x)より大きくx/yあるいはx/zの値に対し単調増加する。x/yが40倍以上、x/zが3倍以上なので、ア方向とイ方向の伝導熱結合の比は2.8以上となる。従って上記構成によりアの方向の伝導熱結合がイの方向の伝導熱結合の2.8倍以上大きい表皮を得ることが可能である。
【0020】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4を示す、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮10あるいは11の構成図である。図において15及び16は炭素繊維複合材料(CFRP)を構成する一層を示しており、線で示す単一方向に並べた炭素繊維にエポキシ樹脂あるいはシアネート樹脂を含浸させて製作している。層15の繊維は高弾性率炭素繊維であり、その熱伝導率は繊維方向で55〔W/mK〕以上、直角方向で1.3〔W/mK〕程度である。層16の繊維は高強度炭素繊維であり、その熱伝導率は繊維方向で4.2〔W/mK〕程度、直角方向で0.70〔W/mK〕程度である。CFRP製の表皮を製作するにあたり、層15の繊維をアの方向に、層16の繊維をイの方向に向けて積層している。なおアとイは直交させることとする。層15の熱伝導率を繊維方向でx〔W/mK〕、直角方向でy〔W/mK〕、層16の熱伝導率を繊維方向でz〔W/mK〕、直角方向でw〔W/mK〕とすると、上記構成によりアの方向の伝導熱結合は(x+w)に比例し、イの方向の伝導熱結合は(y+z)に比例する。ア方向とイ方向の伝導熱結合の比は(x+w)/(y+z)となり、この値はxの値に対し単調増加する。xが55以上、yが1.3、zが4.2、wが0.7なので、ア方向とイ方向の伝導熱結合の比は10以上となる。従って上記構成によりアの方向の伝導熱結合がイの方向の伝導熱結合の10倍以上大きい表皮を得ることが可能である。
【0021】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5を示す、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮10あるいは11の構成図である。図において17及び18は炭素繊維複合材料(CFRP)を構成する一層を示しており、線で示す単一方向に並べた炭素繊維にエポキシ樹脂あるいはシアネート樹脂を含浸させて製作している。層17の繊維は高弾性率炭素繊維であり、その熱伝導率は繊維方向で55〔W/mK〕以上、直角方向で1.3〔W/mK〕程度である。層18の繊維は高強度炭素繊維であり、その熱伝導率は繊維方向で4.2〔W/mK〕程度、直角方向で0.70〔W/mK〕程度である。複合材料製の表皮を製作するにあたり、繊維をアの方向に向けた層17を12層、繊維をイの方向に向けた層18を2層積層している。なおアとイは直交させることとする。層17の熱伝導率を繊維方向でx〔W/mK〕、直角方向でy〔W/mK〕、層18の熱伝導率を繊維方向でz〔W/mK〕、直角方向でw〔W/mK〕とすると、上記構成によりアの方向の伝導熱結合は(12x+2w)に比例し、イの方向の伝導熱結合は(12y+2z)に比例する。ア方向とイ方向の伝導熱結合の比は(6x+w)/(6y+z)となり、この値はxの値に対し単調増加する。xが55以上、yが1.3、zが4.2、wが0.7なので、ア方向とイ方向の伝導熱結合の比は28以上となる。従って上記構成によりアの方向の伝導熱結合がイの方向の伝導熱結合の28倍以上大きい表皮を得ることが可能である。なお上記ではアの方向に12層、イの方向に2層で構成する表皮の例を述べたが、層数の組合わせを変化させることで、表皮の熱伝導特性の異方性を変更することも可能である。
【0022】
実施の形態6.
図6はこの発明の実施の形態6を示す図であり、図において1〜5及び7は上記従来のハニカムサンドイッチパネルと同一のものである。ここで、搭載機器1及び2は許容温度範囲が−20〜+60℃のグループに、搭載機器3は−15〜+55℃のグループに属しているとする。ハニカムコア19は面内熱伝導特性に異方性を有しており、図ではアの方向の伝導熱結合が大きく、アと直交するイの方向の伝導熱結合が小さくなっている。この特性により、ハニカムサンドイッチパネル8もアの方向の熱結合が大きく、イの方向の熱結合が小さくなっている。一グループ内に属する搭載機器1及び2はアの方向に平行に並んでおり熱結合が大きいので、ほぼ同一の温度範囲に制御することができる。一方搭載機器1及び2と別のグループに属する搭載機器3は、搭載機器1及び2に対してイの方向に位置しており熱結合が小さいので、効率よく搭載機器1及び2と断熱し、独立に熱制御することが可能である。
【0023】
実施の形態7.
図7(a)はこの発明の実施の形態7を示す、面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムコア20の詳細図である。図7(b)はハニカムコア20のパターンの拡大図であり、図7(c)は図7(b)に示すハニカムコアパターンの単位形状図である。図においてハニカムコア20のパターンを構成する六角形はアの方向に細長く歪んでおり、ア方向に並ぶ2頂点の内角は60゜、他の4頂点の内角は150゜である。図7(c)のア方向については、幅x/2長さ(1+cos30゜)xの領域に対し伝導熱結合はt/2xに比例し、それと直交するイの方向については、幅(1+cos30゜)x長さx/2の領域に対し伝導熱結合はt/xに比例する。これはアの方向の伝導熱結合が(1+cos30゜)t/xに比例し、イの方向の伝導熱結合がt/(2(1+cos30゜)x)に比例する物質と等価である。従って上記形状によりアの方向の伝導熱結合がイの方向の伝導熱結合の約7倍となるハニカムコアを得ることが可能である。なお上記では六角形のア方向に並ぶ2頂点の内角を60゜とするハニカムコアの例を述べたが、この角度を変化させることで、ハニカムコアの熱伝導特性の異方性を変更することも可能である。
【0024】
実施の形態8.
図8はこの発明の実施の形態8を示す、面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムコア19の構成図である。図において19は、A15056(熱伝導率は約109〔W/mK〕)製のハニカムコア21と高強度CFRP(熱伝導率は約4.2〔W/mK〕)製のハニカムコア22から構成されており、ハニカムコア22はイの方向を横切るように配置している。この構成によりアの方向の伝導熱結合が、ハニカムコア22を横切るイの方向の伝導熱結合より大きいハニカムコアを得ることが可能である。
【0025】
実施の形態9.
図9はこの発明の実施の形態9を示す、面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムコア19の構成図である。図においてハニカムコア23及び24のパターンを構成する六角形はアの方向に細長く歪んでおり、ア方向に並ぶ2頂点の内角は60゜、他の4頂点の内角は150゜である。またハニカムコア23,24の材料はそれぞれA15056(熱伝導率は約109〔W/mK〕)及び高強度CFRP(熱伝導率は約4.2〔W/mK〕)であり、ハニカムコア24はイの方向を横切るように配置されている。この構成によりアの方向の伝導熱結合が、ハニカムコア24を横切るイの方向の伝導熱結合より大きいハニカムコアを得ることが可能である。
【0026】
実施の形態10.
図10はこの発明の実施の形態10を示す、面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムサンドイッチパネルの構成図である。図において表皮10及び11は炭素繊維複合材料(CFRP)製であり、17及び18はCFRPを構成する一層を示しており、線で示す単一方向に並べた炭素繊維にエポキシ樹脂あるいはシアネート樹脂を含浸させて製作している。層17の繊維は高弾性率炭素繊維であり、その熱伝導率は繊維方向で55〔W/mK〕以上、直角方向で1.3〔W/mK〕程度である。層18の繊維は高強度炭素繊維であり、その熱伝導率は繊維方向で4.2〔W/mK〕程度、直角方向で0.70〔W/mK〕程度である。CFRP製の表皮を製作するにあたり、繊維をアの方向に向けた層17を12層、繊維をイの方向に向けた層18を2層積層している。なおアとイは直交させることとする。ハニカムコア19は、ハニカムコア23及び24によって構成されている。ハニカムコア23及び24のパターンを構成する六角形はアの方向に細長く歪んでおり、ア方向に並ぶ2頂点の内角は60゜、他の4頂点の内角は150゜である。またハニカムコア23,24の材料はそれぞれA15056(熱伝導率は約109〔W/mK〕)及び高強度CFRP(熱伝導率は約4.2〔W/mK〕)であり、ハニカムコア24はイの方向を横切るように配置されている。この構成によりアの方向の熱結合がイの方向の熱結合に比べ大きいハニカムサンドイッチパネルを得ることが可能である。
【0027】
実施の形態11.
図11はこの発明の実施の形態11を示す、面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムサンドイッチパネルの構成図である。図においてハニカムサンドイッチパネルは実施の形態10に示す構成をしており、更に各グループ内においてヒートパイプ9を埋め込み、面内及び面外熱結合を大きくしている。この構成のハニカムサンドイッチパネルを使用すれば、アの方向の熱結合がイの方向の熱結合に比べ大きいパネルを得ることが可能である。
【0028】
【発明の効果】
第1の発明によれば、同一パネル上において、許容温度範囲に応じて分けたグループ間は重量・距離をかけずに断熱し、グループ内は熱結合を大きくし等温化することができるようになる。
【0029】
第2の発明によれば、同一パネル上において、許容温度範囲に応じて分けたグループ間は重量・距離をかけずに断熱し、グループ内は熱結合を大きくし等温化することができるようになる。また、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮を、積層方向を特定の方向に偏らせた複合材料で製作するため、構成が簡単な上、同一材料で製作することができる。
【0030】
第3の発明によれば、同一パネル上において、許容温度範囲に応じて分けたグループ間は重量・距離をかけずに断熱し、グループ内は熱結合を大きくし等温化することができるようになる。また、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮を、繊維密度の異なった層を積層した複合材料で製作するため、構成が簡単な上、同一種類の材料で、積層層数を少なく製作することができる。
【0031】
第4の発明によれば、同一パネル上において、許容温度範囲に応じて分けたグループ間は重量・距離をかけずに断熱し、グループ内は熱結合を大きくし等温化することができるようになる。また、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮を、繊維種類の異なった層を積層した複合材料で製作するため、構成が簡単な上、少ない積層層数で異方性の高い表皮を製作することができる。
【0032】
第5の発明によれば、同一パネル上において、許容温度範囲に応じて分けたグループ間は重量・距離をかけずに断熱し、グループ内は熱結合を大きくし等温化することができるようになる。また、面内熱伝導特性に異方性を有する表皮として、積層方向の偏り、繊維密度・種類の異なる層の積層により製作した複合材料を使用するため、異方性の高い表皮を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態1の構成を示す図である。
【図2】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態2の面内熱伝導特性に異方性を有する表皮の構成を示す図である。
【図3】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態3の面内熱伝導特性に異方性を有する表皮の構成を示す図である。
【図4】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態4の面内熱伝導特性に異方性を有する表皮の構成を示す図である。
【図5】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態5の面内熱伝導特性に異方性を有する表皮の構成を示す図である。
【図6】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態6の構成を示す図である。
【図7】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態7の面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムコアを示す図である。
【図8】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態8の面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムコアの構成を示す図である。
【図9】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態9の面内熱伝導特性に異方性を有するハニカムコアの構成を示す図である。
【図10】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態10の構成を示す図である。
【図11】 この発明に関わるハニカムサンドイッチパネルの実施の形態11の構成を示す図である。
【図12】 従来のハニカムサンドイッチパネルの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 搭載機器、2 搭載機器、3 搭載機器、4 保温用ヒータ、5 機器搭載側パネル表皮、6 ハニカムコア、7 宇宙側パネル表皮、8 ハニカムサンドイッチパネル、9 ヒートパイプ、10 パネル表皮、11 パネル表皮、12 CFRPを構成する一層、13 CFRPを構成する一層、14 CFRPを構成する一層、15 高弾性率炭素繊維製の一層、16 高強度炭素繊維製の一層、17 高弾性率炭素繊維製の一層、18 高強度炭素繊維製の一層、19ハニカムコア、20 ハニカムコア、21 A15056製のハニカムコア、22 高強度CFRP製ハニカムコア、23 A15056製ハニカムコア、24 高強度CFRP製ハニカムコア。
Claims (5)
- 機器搭載構体を構成するハニカムサンドイッチパネルにおいて、
許容温度範囲の異なるあるグループの機器と他グループの機器は分離して上記パネルの表皮上に配置され、
上記パネルの表皮は、あるグループの機器と他グループの機器の間の方向を一方の方向とし、上記一方の方向に直角な方向を他の方向とした場合に、
単一方向に並べた炭素繊維にエポキシ樹脂あるいはシアネート樹脂を含浸させて製作された複合材料を、上記繊維が一方の方向に向いた層と、上記他の方向を向いた層を積層して構成することによって、上記パネルの表皮の面内熱伝導特性が、上記他方の方向の伝導熱結合が大きく、上記一方の方向の伝導熱結合が小さい熱伝導特性にしたことを特徴とするハニカムサンドイッチパネル。 - 上記パネル表皮の複合材料として、
繊維が一方の方向に向いた層の層数と、他の方向を向いた層の層数を異ならせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたことを特徴とする請求項1記載のハニカムサンドイッチパネル。 - 上記パネル表皮の複合材料として、
繊維が一方の方向に向いた層の繊維密度と、他の方向に向いた層の繊維密度を異ならせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたことを特徴とする請求項1記載のハニカムサンドイッチパネル。 - 上記パネル表皮の複合材料として、
繊維が一方の方向に向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率と、他の方向を向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率を異ならせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたことを特徴とする請求項1記載のハニカムサンドイッチパネル。 - 上記パネル表皮の複合材料として、
繊維が一方の方向に向いた層の層数と他の方向を向いた層の層数を異ならせて積層する方法と、繊維が一方の方向に向いた層の繊維密度と他の方向に向いた層の繊維密度を異ならせて積層する方法と、繊維が一方の方向に向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率と他の方向を向いた層に使用する繊維材料の熱伝導率を異ならせて積層する方法の内2つ以上を組み合わせて積層することにより、パネル表皮の面内熱伝導特性に異方性を持たせたことを特徴とする請求項1記載のハニカムサンドイッチパネル。
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JP (1) | JP3787989B2 (ja) |
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