JP3786244B2 - ヒノキチオール含有の水蒸気を発生させる方法およびその装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明はヒノキチオールを含む水蒸気（スチーム）を発生させる方法およびその加湿器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
室内の加湿のための一般に市販されている加湿器にはスチーム式加湿器と超音波型の加湿器があり、保湿と共に埃塵、臭い、花粉、および細菌の除去に効果があることが知られている。
【０００３】
また、ヒノキチオールが低濃度で坑菌性を示し、一般細菌、真菌類にわたる坑菌スペクトルが広いことが知られており、安全性が高く、歯科関係、皮膚病の治療、一般防腐剤、病害虫への応用も行われている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような効果のあるヒノキチオールを、加湿器から発生する水蒸気中に容易に、効率良く溶解させ、ヒノキチオールを含有する水蒸気を発生させようとするものであり、またそのための加湿器を得ようとするものである。
【０００５】
ヒノキチオール水溶液（０．１％）を調整し、これを水蒸気（スチーム）発生用の水の代りに用いてスチーム式加湿器を作動させると発生する水蒸気から微かにヒノキチオールの香りは確認できるが、非常に微弱であり効果的な発生とはいえない。また、作動時間の経過と共にヒノキチオール水溶液中のヒノキチオールの濃度は濃縮されて高くなり、水溶液は次第に黄変し、冷後は結晶が加湿器に付着する欠点も発生する。
【０００６】
超音波型の加湿器を使用して同様の試みを行ったが、ヒノキチオールが装置の膜振動を妨げてしまうためか、正常な霧の発生がみられない。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような問題を解決するため、ヒノキチオールの結晶を、蒸気を通し、かつ加熱により液体化したヒノキチオールが通過できないような材質の容器に入れ、その容器にスチーム式加湿器の水蒸気を当てることによりヒノキチオール含有の水蒸気（スチーム）を得たものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図１はスチーム式加湿器の蒸気パイプであって、図示しない水タンクより送られた水がヒータで加熱されて蒸気となり蒸気パイプ１を通り蒸気孔２より噴出する。
【０００９】
３は容器であり、蒸気孔２付近に設置され、ヒノキチオールの結晶を入れるもので、水蒸気は通すが、加熱されて液体状となったヒノキチオールは通さない材質、例えばコルク、プラスチック、セラミック等から成り、この実施例では外形１７ｍｍ、高さ１９ｍｍ、厚さ２ｍｍのカップ状のコルクの容器であり、ヒノキチオールの結晶１ｇを入れる。
【００１０】
この状態で加湿器を作動すると、発生する８０℃前後の水蒸気の熱によりヒノキチオールの結晶は液体化し、ヒノキチオールを含む水蒸気を発生することができる。
【００１１】
このヒノキチオール含有の水蒸気による空気清浄の効果を測定するため１２畳の和室において前述のヒノキチオール結晶１ｇを用いて加湿器を作動し、経時的に落下菌（生菌数）を測定した結果、コロニー数が試験前１２、４時間経過後４、８時間経過後１、試験翌日０、の結果を得ることができ、室内にはヒノキチオールの香りが漂っていた。
【００１２】
【発明の効果】
この発明は、ヒノキチオールの結晶を入れた容器にスチーム式加湿器の蒸気を当てることにより容易にヒノキチオール含有の水蒸気を発生することができ、空気中の微生物の発育を抑制し、室内の空気を清浄化することができ、さらにヒノキチオールの香りにより、森林浴、アロマコロジーの効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 加湿器の蒸気パイプの斜視図
【図２】 容器の斜視図
１ 蒸気パイプ
２ 蒸気孔
３ 容器

Claims (2)

1. 水蒸気は通すが、液体化したヒノキチオールは通さない材料から成る容器にヒノキチオールの結晶を入れ、スチーム式加湿器の蒸気を当てることによりヒノキチオール含有の水蒸気を発生させる方法。
2. 水蒸気は通すが液体化したヒノキチオールは通さない材料から成る容器を蒸気孔付近に備えたヒノキチオール含有の水蒸気を発生させるスチーム式加湿器。

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