JP3785072B2 - パワーアシスト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動又は姿勢変更すべき操作対象の物体を操作する操作者の操作力に基づいて決定・出力されるアシスト力により、この操作力を補助するパワーアシスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパワーアシスト装置としては、例えば、公開特許公報「特開平7−165400:補力装置における荷重の移動制御方法及び装置」に記載されたもの等が一般に知られている。
この従来装置は、装置の操作者が荷重を移動,旋回させようとする手の動きに、いわば無慣性状態で追従する様な装置の移動や旋回状態を実現することを目標としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の様な無慣性状態で追従する様な運搬物の移動状態を実現しようとした場合、返って操作者にとっては、装置や運搬物に対する手応え(使用感)が希薄となり、運搬物の運搬状況や運動状態を手や腕等に伝わる力に基づいて感覚的或いは体感的に読み取ることが、逆に困難と成り易い等の操作容易性に関する問題が生じる場合がある。
【0004】
また、操作者に対してある程度の負荷が残るように補助力(アシスト力A)を制御する場合にも、操作者の体格、体力、操作姿勢、操作力の向き、作業継続時間、作業効率の推移等に応じて、操作者に残すべき負荷の大きさを好適化していかないと、操作性や作業効率をある程度以上に高く確保又は維持できない場合がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、操作者の体格、体力、操作姿勢、操作力の向き、作業継続時間、作業効率の推移等に応じて、操作者に残すべき負荷の大きさを好適化することにより、操作性や作業効率をある程度以上に高く確保又は維持することができるパワーアシスト装置を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、第1の手段は、移動又は姿勢変更すべき操作対象の物体を操作する操作者の操作力Hを検出する力覚センサを有し、操作力Hに基づいて決定・出力されるアシスト力Aにより操作力Hを補助するパワーアシスト装置において、操作者の体格または体力等の個人的な身体的特徴に基づいて記録、入力、または送信された身体関連データを参照する身体関連データ参照手段と、アシスト力Aの操作力Hに対する、絶対値比又は各軸成分毎の成分比を、身体関連データに基づいて決定するアシスト比演算処理を実行するアシスト比算定手段とを備える。
【0007】
体格や体力には個人差が有るため、力覚センサを用いて検出された操作者の操作力Hだけでは、その操作者が軽く操作をしているのか、精一杯の力で操作をしているか等を十分に判断することはできない。
しかしながら、例えば、年齢、性別、身長、体重、体脂肪率等の体格データや、或いは更に、例えば、左右腕力、左右脚力、利き手、軸足、背筋力、持久力等の体力データ等の個人的な身体的特徴に基づいて記録された身体関連データを用意して、これらの身体関連データに基づいて、上記の様な判定又は推定を行うことは可能である。
【0008】
また、この様な身体関連データを用いれば、例えば後述のその他の手段と併用すること等によっても、操作者の操作姿勢や疲労度等を推定することが可能となる等、作業状況を的確に把握し、それに応じてアシスト比を好適に決定するのに都合が良く成る場合が多い。
【0009】
図1は、本発明の基本思想を端的かつ簡潔に例示したグラフである。本図1において、縦軸Fは運動する物体(操作、運搬する物体)に働く力を示しており、力Fexは操作者がその物体(操作対象)に働かせたいと思う所望の力を示しており、また、A1 ,A2 は各ケース(ケース1,ケース2)におけるモータ等からのアシスト力を、H1 ,H2 は各ケースにおける操作者の操作力をそれぞれ示している。
例えば、体格や体力が弱小な操作者が操作を行う場合をケース1とし、体格や体力が強大な操作者が操作を行う場合をケース2とした時、本図1からも判る様に、操作対象に働かせたいと思う所望の力Fexの大きさが同じであっても、その同一のアシスト装置に期待される各ケース毎のアシスト比α(=A/H)の大きさは異なってくる。
【0010】
即ち、上記の手段を用いれば、個々の具体的な操作者の身体的特性や操作状況に応じて、操作者に残すべき負荷の大きさを好適化することが容易又は可能となり、これにより、操作性や作業効率をある程度以上に高く確保又は維持することが可能となる。
【0011】
より一般には、例えば同一人物が操作を実行する場合等においても、期待されるアシスト比αの大きさが異なるケースとして、その他にも図1に対応する様な各種のケースが考えられる。図1に対応する簡単な例を以下に示す。
(1)操作形態により違いが生じる場合
《ケース1》…操作部を両手で押している時
《ケース2》…操作部を両手で引いている時
(2)対象物の質量mにより違いが生じる場合
《ケース1》…対象物の質量mが大きい時
《ケース2》…対象物の質量mが小さい時
(3)操作者の疲労度により違いが生じる場合
《ケース1》…操作者が疲労している時
《ケース2》…操作者が疲労していない時
以下、これらの各ケースに係わる本発明の有効な手段について説明する。
【0012】
即ち、本発明の第1の手段は、更に、パワーアシスト装置の操作部と操作者との間隔d、物体又は操作部の床面からの高さz、操作力H、或いは身体関連データ等に基づいて、操作者の作業姿勢を推定する作業姿勢推定手段を備え、更に、上記のアシスト比算定手段において、この推定された作業姿勢に基づいて、アシスト比演算処理を実行することである。
【0013】
上記の様な作業姿勢推定手段を用いれば、作業者に肉体的負担が掛かり易い姿勢と、容易に作業を行うことができる姿勢とを判別することが可能となる。また、この様な判別は、作業姿勢の容易度に応じて段階的なクラス分けを行うことにより実施しても良いし、定量的或いは連続的に作業姿勢の容易度を表す様にしても良い。また、特定の作業姿勢から人体の特定部位に与える肉体的負担を定量的に推定するプログラムが、医学的或いは人間工学的な見地から各種開発されており、これらのソウトウェアの中にはインターネット等を介して一般に無料で流布されているものまで有る。そこで、この様なソフトウェア等を上記の判別等に利用する様にしても良い。
これにより、個々の姿勢に応じた適度のアシスト比が決定できるので、作業者に掛かる肉体的負担を十分に軽減できると同時に、作業者に対して適度或いは自然な手応え(使用感)を残すことができる。
【0014】
また、第2の手段は、上記の第1の手段において、パワーアシスト装置の操作部と操作者との間隔dを測定する間隔センサを備えることである。
この様な間隔センサは、操作者の有無や作業姿勢を推定する場合等に有用となることがある。例えば、操作者が装置から一定時間以上離れた場合には、この様な間隔センサへの期待される入力が途絶えるため、その様な場合には、一時的に装置を停止させる等の処置を下す様にしても良い
【0015】
即ち、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段のアシスト比算定手段において、操作対象の物体の質量m、位置r、速度v、又は運動量pに基づいて、アシスト比演算処理を実行することである。
ただし、ここで言う操作対象の物体の質量mには、運搬対象物と略平行に並進又は回転し得る例えば装置の操作部等の運搬対象物以外の質量を加味しておいても良い。したがって、この質量mは、例えば装置の駆動軸の方向や、或いは運搬対象物と略平行に並進又は回転し得る方向等に依存する様な方向性を有する性質のものであっても良い。したがって、上記の物体の質量mは、運搬対象物の質量の他に、装置の具体的な構成や姿勢や運動方向等に応じて変動する量であっても良い。
【0016】
同一の操作者が、同じ装置の操作を行う場合であっても、運搬対象物の質量mや運動量pが大きな場合には、大きな操作力が必要となるため、これらの諸量に基づいてアシスト比(上記の絶対値比又は各軸成分毎の成分比)も大きく設定しておいた方が望ましい場合が多い。したがって上記の手段によれば、操作者に対する過度の負担を抑制することができ、よって、操作性が高くかつ疲労し難いパワーアシスト装置を構成することが可能となる。
また、操作者の体格と操作対象物の高さが判れば、操作者の頭の高さや屈み具合等を概ね推定できる場合も考えられる。したがって、例えばこの様な場合等には、不自然な姿勢で大きな力を出すことを操作者に未然に回避させることも可能となり、これによりある程度の作業効率の向上も期待できる。
【0017】
また、第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段のアシスト比算定手段において、操作力Hの方向及び向きに基づいて、アシスト比演算処理を実行することである。
【0018】
例えば、硬式テニスの場合、フォアハンドの方がバックハンドよりもボールを強く打ち易い。例えばこの様に、通常人間には、動作や操作が得意な方向と、苦手な方向とが有る。この様な優劣は、時には操作者個人の利き手や軸足がどちらであるか等に依存する場合もある。
上記の手段により、操作者の操作力Hの方向及び向きに基づいてアシスト比演算処理を実行すれば、力を入れることが苦手な向きに対しても、その方向により力強くアシストすることにより、力を入れることが得意な向きに対する動作と同等の操作能力を発揮することが可能となる。これにより、力を入れることが苦手な向きに対する操作が多い作業を行う場合においても、そうでない場合と同様に効率よく作業を実施することができる。
【0019】
また、第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段のアシスト比算定手段において、操作者の継続的な作業時間T、又は、操作者の所定の作業に対する作業効率γに基づいて、アシスト比演算処理を実行することである。
【0020】
人間は、同じ重さのものを持った時でも、その時の疲労度に応じて感じる重さが異なってくる。これらの感覚は、操作者に手応えを残すために設定されている操作時の抗力に対しても同様である。
したがって、上記の手段によれば、操作者の疲労度に応じた好適な手応えを設定しつつ、操作者の作業効率を一定以上に確保することが可能となる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
図2、図3、図4は、本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100を例示した斜視図である。操作者は、操作部150の先端に設けられたハンド152で物体10を把持して、本パワーアシスト装置100により物体10を配置台20上から配置台21上に移動しようとしている。
【0022】
本パワーアシスト装置100は、グランド面に固定された計4本の略鉛直方向のハリ111で支えられており、各ハリ111は計4本の水平方向のレール112により互いに連結されている。移動輪181(x方向ロッド移動用)と移動輪182(y方向ロッド移動用)は各レール112上を回転しながら移動する(転がる)ことができる。本機械系の座標系における制御点のx座標は、y方向ロッド122が転がって平行移動した変位分だけ増減する。同様に、この座標系における制御点のy座標は、x方向ロッド121が転がって平行移動した変位分だけ増減する。また、通常、ハンド152の先端付近や、或いはハンド152で把持された物体10の重心等に制御点(位置の制御対象となる点)が固定される。
【0023】
2つの移動輪181(x方向ロッド移動用)はx方向ロッド121により連結されているので、x方向ロッド121と2つの移動輪181(x方向ロッド移動用)とは同じ回転速度で同一方向に回転しながら移動する。この時移動輪181(x方向ロッド移動用)は、レール112上を転がる。y方向ロッド122と2つの移動輪182(y方向ロッド移動用)に付いても同様である。
【0024】
x方向ロッド121は軸受け141で受けられ、y方向ロッド122は軸受け142で受けられている。これらの軸受けはベアリング機構により構成されている。これらの軸受けは中央ベース140に固定されているので、各ロッドの移動にともなって、中央ベース140はxy平面上を自由に移動することができる。また、中央ベース140には、その略中央を貫通して鉛直方向にz軸軸受け用雌ネジ管143が管軸に対して回転自在に固定されており、ボールネジで構成されたz軸130は、対を構成する雄ネジとしてこのz軸軸受け用雌ネジ管143で受けられている。また、z軸軸受け用雌ネジ管143はz軸移動用のモータ163により駆動されて回転するので、このz軸軸受け用雌ネジ管143の回転運動に伴ってz軸130は鉛直方向に移動することができる。通常、xy平面上における上記の管軸の位置が、xy平面上における制御点として選択される。
【0025】
操作部150の内部には、操作ハンドル151に付与された操作力Hの大きさや方向を検出するための6軸力覚センサ(図略)と、物体10の重さ(質量m)を測定する重量計(図略)とが内蔵されている。検出された物体10の重さ(質量m)や操作力Hは、無線又は有線で所定の計算機(図略)に入力される。
また、操作部150の操作者側に相対する面(コンソール・プレート)には、緊急停止ボタン(図略)などの操作スイッチが配列されている。また、この面(コンソール・プレート)には、図略の小型カメラが装着されており、操作部150から操作者までの距離dを随時測定することができる。
【0026】
x方向ロッド移動用のモータ161の出力トルクは、x方向ロッド駆動ギヤ171、x方向ロッド駆動シャフト172、及び2本のx方向ロッド駆動ベルト173に伝達され、この出力トルクがx方向ロッド移動用の移動輪181とx方向ロッド121をy方向ロッド方向に移動させる(転がす)。y方向ロッド移動用のモータ162の出力トルクに付いても同様である。
【0027】
図5は、本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100の制御部を構成するモータ制御装置200のハードウェア構成図であり、この装置200は、上記のアシスト装置100の各軸(x,y,z)毎に、論理的或いは物理的にそれぞれ用意されている。
【0028】
アシストトルクを発生する図5のブラシレス直流モータM(以下、単に「モータM」という)には、駆動回路213より電流検出器215を介してU,V,Wの3相に対する各モータ駆動電流iu,iv,iwが供給されている。ただし、本モータMの形態(実現形式)は、特に限定されるものではなく、任意の形態のモータを用いて良い。
図3、図4に図示した操作部150の内部には、操作者から付与された操作力Hの大きさ及びその方向を検出するための力覚センサ232(図5)が設けられている。この力覚センサ232には、例えば、一般に市販されている3軸〜6軸の力覚センサ等を搭載することができる。
モータMには、モータ回転角を検出する回転角センサ(エンコーダ)Eが設けられており、CPU210は、回転角センサEが出力するモータMの所定出力信号に基づいてこのモータMの回転角を算定する。
【0029】
モータ制御装置200は、CPU210、ROM211、RAM212、駆動回路213、入力インターフェイス(IF)214、電流検出器215等から構成されている。駆動回路213は、図略のバッテリー、PWM変換器、PMOS駆動回路等から構成され、チョッパ制御により駆動電流を正弦波にしてモータMに電力を供給する。
【0030】
そして、モータ制御装置200は、上記の操作力H、モータMの回転角及び、モータ駆動電流iu,ivを入力インターフェイス(IF)214を介してCPU210に入力し、これらの入力値から所定のトルク計算により、電流指令値を決定する。
尚、入力インターフェイス(IF)214は、パソコン(PC)250とのインターフェイスも持っており、必要に応じてデータベースの読み込みや更新等を行ったり、或いは各種のパラメータや指令(コマンド)の入力等を実行することができる。
【0031】
図6は、本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100の基本的な制御方式を例示する制御ブロックダイヤグラムである。例えばこの様な制御方式により、上記のモータ161、モータ162、或いはモータ163を制御することができる。本発明は、例えば上記の様なパワーアシスト装置100を合理的に制御するために成されたものであり、主に、操作力Hに基づいてアシスト力Aを算出する図6のアシスト演算部400を計算機システム上で実現するための各種の演算手段に関するものである。
【0032】
図7は、本第1実施例の実現方式を例示するゼネラル・フローチャートであり、このフローチャートは、図6のアシスト演算部400を前記の計算機システム上で実現するためのものである。
本フローチャートでは、まず最初にステップ510にて、操作者の体格又は体力等の個人的な身体的特徴に基づいて、所定のデータベース上に記録された身体関連データを参照する(身体関連データ参照手段)。この身体関連データとしては、例えば、年齢、性別、身長、体重、体脂肪率等の体格データや、或いは更に、左右腕力、左右脚力、利き手、軸足、背筋力、持久力等の体力データ等が、その操作者の個人的な身体的特徴に基づいて記録されている。
【0033】
ステップ520では、各種の体格パラメータの設定を行う。この体格パラメータとしては、例えば、上記の身体関連データに基づいて、操作者が起立した際の腰の高さや目の高さ等の各種の推定値が算出されて設定される。これらの体格パラメータは、後述のステップ550での「作業姿勢の推定」に利用されるものである。
ステップ530では、前述の重量計(図略)から、ハンド152で把持された物体10の質量mを入力する。ただし、このステップ530は、図7に例示する様に、以下に詳述する1サイクルのループ処理の最初で毎回実行しても良いし、ハンド152で物体10を最初に把持した時にだけ行う様にしても良い。前者の方法(図7の方法)に従えば、ハンド152で物体10を最初に把持した後に、物体10に対する部品の組み付けや取り外し等により、目的の操作対象の質量が動的に変化した場合にも十分に対応することができる。
【0034】
ステップ540では、操作力H、操作部150の床面からの高さz、操作者までの距離d等の各種の物理量を検出する。
ステップ550では、上記の操作力H、高さz、距離d、及び体格パラメータより、操作者の作業姿勢を推定する。推定される作業姿勢の例としては、例えば、前屈み等の低姿勢の作業姿勢、操作部150を押している作業姿勢、操作部150を引いている作業姿勢等の種種の判別が可能である。
【0035】
ステップ560では、推定された作業姿勢に見合ったアシスト比の値αを決定する。例えば、操作部150を水平方向に押している場合のアシスト比αは、操作部150を水平方向に引いている場合のアシスト比αよりも大きい値に設定する。これにより、パワーアシスト装置及び操作者より物体10に働く全ての力の総和(全力F)を比較的安定した数値範囲内に保つことができる。これは引いている時の方が押している時よりも操作が比較的容易であること等に起因した作用・効果によるものである。
【0036】
より一般にも、この様な設定により、比較的苦手(非力)な操作をカバーすることができ、苦手な操作が多い作業時にも、操作者は十分な作業能力を発揮することができる。
また、背筋や足腰等に肉体的負担が掛かり易い姿勢が取られている場合や、或いは、肉体の極一部分に肉体的負担が集中し易い姿勢が取られている場合等には、それらの負担をより軽減する様に、アシスト比αをより大きい値に設定する等の対策が有効と考えられる。
【0037】
ステップ570では、上記の様に決定されたアシスト比αに基づいて、例えば次式(1)により、アシスト力Aを算出する。
【数1】
A=αH …(1)
ただし、ここで、A,Hはそれぞれ3次元ベクトル、αはスカラーである。
【0038】
ステップ580では、上記の式(1)に従って求めたアシスト力Aの各軸成分Ax ,Ay ,Az をそれぞれ対応するサーボ制御装置の速度演算部又はトルク演算部(図6)に出力する。
ステップ530〜ステップ580の各処理は、これらを一連のサイクルとして、所定周期で繰り返し実行する。
【0039】
以上の様な構成により、個々の具体的な操作者の身体的特性や操作状況に応じて、操作者に残すべき負荷の大きさを好適化することが容易又は可能となる。また、これにより、操作性や作業効率をある程度以上に高く確保又は維持することができ、よって従来よりも高い生産性を達成することが可能となる。
【0040】
尚、上記の式(1)の代わりに、次式(2),(3)を用いてアシスト力Aを算出しても良い。
【数2】
A=αβH …(2)
【数3】
β=f1(T) …(3)
【0041】
ただし、ここで、βは所定の疲労係数で、例えば図8に例示する様に、作業時間Tの関数f1として定義することができる。或いは、疲労係数βは、次式(4)の様に、所定の単位作業に対する作業効率γの関数f2として定義して置いても良い。
【数4】
β=f2(γ) …(4)
例えばこの様な手段によれば、操作者の疲労度に応じた好適な手応えを設定しつつ、操作者の作業効率を一定以上に確保することが可能となる。
【0042】
(第2実施例)
図9は、本第2実施例の実現方式を例示するゼネラル・フローチャートであり、このフローチャートは、図6のアシスト演算部400を前記の計算機システム上で実現するためのものである。
更に、このゼネラル・フローチャートは、例えば前述の第1実施例の図7のゼネラル・フローチャートにおいては、ステップ560を実行する代りに、1つのサブルーチンとして、代替的に実行可能なものである。
【0043】
このフローチャート(サブルーチン)では、まず最初にステップ710にて、操作部150に対する作業者(操作者)の相対的な位置を推定する。この様な相対的な位置は、例えば、前述の操作力H、高さz、距離d、及び体格パラメータ等から推定することが可能である。
【0044】
次に、ステップ730では、操作部150の位置姿勢を基準とした操作力Hの向き(操作入力方向)を算出する。
そして、ステップ750では、作業者(操作者)の位置姿勢を基準とした操作力Hの向き(操作入力方向)を算出する。
【0045】
次に、ステップ770では、一般の操作方向と操作力との間の標準的な関係を作業特性を考慮した操作力変化のデータベースを用いて調査(検索)する。これにより、ステップ550で推定済みの各作業姿勢毎に、任意の各方向別の力の入れ方の得意、不得意を定量的に知ることができる。即ち、力を入れることが苦手な方向については、どの程度苦手なのかが定量的に判定できる。
そして、ステップ790では、上記の様に定量化された得意、不得意の指標の値に基づいて、アシスト比αを算出する。
【0046】
例えばこの様な手段により、操作者の操作力Hの方向及び向きに基づいてアシスト比演算処理を実行すれば、力を入れることが苦手な向きに対しても、その方向により力強くアシストすることにより、力を入れることが得意な向きに対する動作と同等の操作能力を発揮することが可能となる。これにより、力を入れることが苦手な向きに対する操作が多い作業を行う場合においても、そうでない場合と同様に効率よく作業を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本思想を端的かつ簡潔に例示したグラフ。
【図2】本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100を例示する斜視図。
【図3】本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100を例示する斜視図。
【図4】本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100を例示する斜視図。
【図5】本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100の制御部を構成するモータ制御装置200のハードウェア構成図。
【図6】本発明の各実施例に係わるパワーアシスト装置100の制御方式を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【図7】第1実施例の実現方式を例示するゼネラル・フローチャート。
【図8】疲労係数βの定義形態を例示するグラフ。
【図9】第2実施例の実現方式を例示するゼネラル・フローチャート。
【符号の説明】
m … 操作対象の物体の質量(スカラー)
H … 操作者の操作力(ベクトル)
A … パワーアシスト装置が出力するアシスト力(ベクトル)
r … 物体の位置(ベクトル)
v … 物体の速度(ベクトル)
p … 物体の運動量(mv、又はMv)
F … 物体に作用する全力(ベクトル)
α … アシスト比(スカラー)
10 … 物体
100 … パワーアシスト装置
111 … ハリ
112 … レール
121 … x方向ロッド
122 … y方向ロッド
130 … z軸(ボールネジ)
140 … 中央ベース
141 … 軸受け(x方向ロッド用)
142 … 軸受け(y方向ロッド用)
143 … z軸軸受け用雌ネジ管
150 … 操作部
151 … 操作ハンドル
152 … ハンド
161 … モータ(x方向ロッド移動用)
162 … モータ(y方向ロッド移動用)
163 … モータ(z軸移動用)
171 … x方向ロッド駆動ギヤ
172 … x方向ロッド駆動シャフト
173 … x方向ロッド駆動ベルト
181 … 移動輪(x方向ロッド移動用)
182 … 移動輪(y方向ロッド移動用)

Claims (5)

  1. 移動又は姿勢変更すべき操作対象の物体を操作する操作者の操作力Hを検出する力覚センサを有し、前記操作力Hに基づいて決定・出力されるアシスト力Aにより前記操作力Hを補助するパワーアシスト装置において、
    前記操作者の体格又は体力等の個人的な身体的特徴に基づいて記録、入力、又は送信された身体関連データを参照する身体関連データ参照手段と、
    前記アシスト力Aの前記操作力Hに対する、絶対値比又は各軸成分毎の成分比を、前記身体関連データに基づいて決定するアシスト比演算処理を実行するアシスト比算定手段と、
    前記パワーアシスト装置の操作部と前記操作者との間隔d、前記物体又は前記操作部の床面からの高さz、前記操作力H、或いは前記身体関連データ等に基づいて、前記操作者の作業姿勢を推定する作業姿勢推定手段とを有し、
    前記アシスト比算定手段は、推定された前記作業姿勢に基づいて、前記アシスト比演算処理を実行することを特徴とするパワーアシスト装置。
  2. 前記パワーアシスト装置の操作部と前記操作者との間隔dを測定する間隔センサを有することを特徴とする請求項1に記載のパワーアシスト装置。
  3. 前記アシスト比算定手段は、前記物体の質量m、位置r、速度v、又は運動量pに基づいて、前記アシスト比演算処理を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパワーアシスト装置。
  4. 前記アシスト比算定手段は、前記操作力Hの方向及び向きに基づいて、前記アシスト比演算処理を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のパワーアシスト装置。
  5. 前記アシスト比算定手段は、前記操作者の継続的な作業時間T、又は、前記操作者の所定の作業に対する作業効率γに基づいて、前記アシスト比演算処理を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパワーアシスト装置。
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