JP3784642B2 - 印刷装置、印刷装置のコントローラおよびその制御方法、記録媒体並びにプログラム - Google Patents

印刷装置、印刷装置のコントローラおよびその制御方法、記録媒体並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、それぞれ印刷用紙を収納している複数の給紙カセットと、前記給紙カセットより前記印刷用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置、印刷装置のコントローラおよびその制御方法、記録媒体並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近来文字や画像、線画をレイアウトしたページデータを刷版工程を介することなく直接印刷機に出力する、いわゆるオンデマンド印刷が行われている。このようなオンデマンド印刷に使用する印刷機は、コンピュータから直接デジタルデータを受け取って印刷を行うことができるデジタル印刷機と称するものであり、その性能は、通常コンピュータのデータを印刷するために使用するプリンタとは一線を画している。
通常の印刷機同様、デジタル印刷機においても、利益を得るために印刷機の可動率の低下を防止しなければならない。また、デジタル印刷機は多数の印刷用紙に高速に印刷を行う必要もある。そのため、一般に使用されているプリンタとは異なり、例えば用紙サイズ、用紙の紙質など異なった様々な種類の印刷用紙を大量に収納できる給紙カセットを複数備えることが多い。従って、このようなデジタル印刷機によって印刷を行う前に、複数の給紙カセットの中から、使用する給紙カセットを指定する必要があり、特に給紙カセットを複数指定することも多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
デジタル印刷機にて印刷を行う場合、印刷物のページサイズがかならずしも一定でないことはままあることなので、そのような場合には、印刷物のページサイズそれぞれに適合するような用紙サイズの印刷用紙を収納した給紙カセットを複数指定しなければならない。また、印刷物の表紙などは特定種類の用紙に印刷を行わなければならないことが多いので、このような場合にも、表紙印刷用の給紙カセットと本文印刷用の給紙カセットを指定しなければならない。
さらに、給紙カセットの指定時には、給紙カセットにて印刷用紙切れや紙詰まりが発生した場合の復旧、また一つの給紙カセットに過度の負担がかからないように複数の給紙カセットから順に給紙を行うことなども考える必要があるため、給紙カセットの指定作業は大変手間のかかるものであり、印刷作業の効率を低減させていた。
また、仕分けを行うため印刷物の部数毎に合紙を挿入することについても、印刷用の給紙カセットの指定とは別に、合紙用の給紙カセットを指定する必要があったため、これもまた作業効率の低下の要因となっていた。
【0004】
そこで、本発明の目的は、従来技術の欠点を除去し、給紙カセットの指定作業を簡易化することによって印刷作業の効率を向上するために、複数の給紙カセットに収納されている印刷用紙の種類に関する情報と、複数の給紙カセットにおける給紙順序に関する情報とを格納した論理トレイを備え、該論理トレイに格納された用紙情報から印刷用紙の種類を指定することにより、給紙順序情報に基づいて給紙制御を行うことを特徴とする、印刷装置、印刷装置のコントローラおよびその制御方法、並びに記録媒体およびプログラムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、請求項1に係る発明は、それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラであって、前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定手段と、前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定手段と、前記給紙手段の制御を行う給紙制御手段と、を有し、前記給紙制御手段が、前記用紙情報および印刷時の給紙順序情報と印刷時以外の給紙順序情報とからなる給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて前記印刷装置に対して印刷時と印刷時以外の給紙制御を行うこと、を特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の印刷装置のコントローラは、複数の用紙収納手段に収納されている用紙の種類に関する情報と、複数の用紙収納手段における給紙順序に関する情報とを対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、給紙順序情報に基づいて複数の用紙収納手段を有する印刷装置の給紙制御を行うので、印刷時に複数の用紙収納手段を指定せずに済むことから、印刷作業の効率を向上することができる。また、請求項1に記載の印刷装置のコントローラは、給紙順序情報として、印刷物の印刷を行うための給紙を行うための印刷時の給紙順序情報とは別に、印刷物の印刷が行われる前、あるいは行われた後に給紙を行うための印刷時以外の給紙順序情報とを有することにより、印刷物の印刷の開始前あるいは終了後の給紙を行うことができるので、印刷物仕分けのための合紙を挿入する用紙収納手段の指定をも簡易化することができるので、印刷作業の効率をさらに向上することができる。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラであって、前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定手段と、前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定手段と、前記給紙手段の制御を行う給紙制御手段と、を有し、前記給紙制御手段が、前記用紙情報および前記複数の用紙収納手段に対する給紙動作後についての情報を有する給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて給紙制御を行うことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の印刷装置のコントローラは、複数の用紙収納手段に収納されている用紙の種類に関する情報と、複数の用紙収納手段における給紙順序に関する情報とを対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、給紙順序情報に基づいて複数の用紙収納手段を有する印刷装置の給紙制御を行うので、印刷時に複数の用紙収納手段を指定せずに済むことから、印刷作業の効率を向上することができる。また、請求項2に記載の印刷装置のコントローラは、給紙順序情報として、複数の用紙収納手段において、給紙が成功した場合や用紙切れ、用紙が詰まった場合などの動作後にそれぞれ対応して処理を行うための情報を有することにより、給紙順序の変更を行うことができるので、印刷作業の効率をさらに向上することができる。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のコントローラによって制御される印刷装置であることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の印刷装置は、複数の用紙収納手段に収納されている用紙の種類に関する情報と、複数の用紙収納手段における給紙順序に関する情報とを対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、給紙順序情報に基づいて給紙制御を行うので、印刷時に複数の用紙収納手段を指定せずに済むことから、印刷作業の効率を向上させることができる。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記印刷用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラの制御方法であって、前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定工程と、前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定工程と、前記給紙手段の制御を行う給紙制御工程と、を有し、前記給紙制御工程が、前記用紙情報および印刷時の給紙順序情報と印刷時以外の給紙順序情報とからなる給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて前記印刷装置に対して印刷時と印刷時以外の給紙制御を行うこと、を特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の印刷装置のコントローラの制御方法は、複数の用紙収納手段に収納されている用紙の種類に関する情報と、複数の用紙収納手段における給紙順序に関する情報とを対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、給紙順序情報に基づいて複数の用紙収納手段を有する印刷装置の給紙制御を行うので、印刷時に複数の用紙収納手段を指定せずに済むことから、印刷作業の効率を向上することができる。また、請求項4に記載の印刷装置のコントローラの制御方法は、給紙順序情報として、印刷物の印刷を行うための給紙を行うための印刷時の給紙順序情報とは別に、印刷物の印刷が行われる前、あるいは行われた後に給紙を行うための印刷時以外の給紙順序情報とを有することにより、印刷物の印刷の開始前あるいは終了後の給紙を行うことができるので、印刷物仕分けのための合紙を挿入する用紙収納手段の指定をも簡易化することができるので、印刷作業の効率をさらに向上することができる。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記印刷用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラの制御方法であって、前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定工程と、前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定工程と、前記給紙手段の制御を行う給紙制御工程と、を有し、前記給紙制御工程が、前記用紙情報および前記複数の用紙収納手段に対する給紙動作後についての情報を有する給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて給紙制御を行うこと、を特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法は、複数の用紙収納手段に収納されている用紙の種類に関する情報と、複数の用紙収納手段における給紙順序に関する情報とを格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、給紙順序情報に基づいて複数の用紙収納手段を有する印刷装置の給紙制御を行うので、印刷時に複数の用紙収納手段を指定せずに済むことから、印刷作業の効率を向上することができる。また、請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法は、給紙順序情報として、複数の用紙収納手段において、給紙が成功した場合や用紙切れ、用紙が詰まった場合などの動作後にそれぞれ対応して処理を行うための情報を有することにより、給紙順序の変更を行うことができるので、印刷作業の効率をさらに向上することができる。
【0017】
また、請求項6に係わる発明は、請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であること、を特徴としている。
【0018】
請求項6に記載の記録媒体は、一般的なコンピュータで読み取ることが可能な記録媒体に請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実行するためのプログラムが記録されているので、一般的なコンピュータにおいて請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実現することができる。
【0019】
さらに請求項7に係わる発明は、請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実行するためのプログラムであること、を特徴としている。
【0020】
請求項7に記載のプログラムは、請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実行するためのプログラムなので、一般的なコンピュータで該プログラムを実行することにより、請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施態様について説明を行うことにする。図1は、本発明の印刷装置を使用した印刷システムの概要を示すための図である。この印刷システム100は、コントローラ1、デジタル印刷機2、画像処理端末4から構成されており、コントローラ1と画像処理端末4はネットワーク3で接続されている。また、コントローラ1とデジタル印刷機2は通信線CLおよび通信線DLで接続されている。
【0022】
画像処理端末4は、複数のページからなる印刷物を印刷するためのページデータPDあるいは、複数のページデータPDからなるブックデータBDを作成する。コントローラ1は、画像処理端末4で作成されたページデータPDあるいはブックデータBDを、ネットワーク3を介して受信する。コントローラ1は、受信したページデータPDあるいはブックデータBDに対してラスタライズ処理を行う。その結果得られた印刷像を表現する印刷データRPDを、コントローラ1は通信線DLによって接続されているデジタル印刷機2に送信する。
【0023】
デジタル印刷機2は、コントローラ1の制御によって印刷を行う。印刷処理を実行するため、デジタル印刷機2は、制御部21、複数の給紙カセット22、給紙部24、搬送路25、印刷部26を備えている。制御部21は、デジタル印刷機2全体の制御を行う。コントローラ1から通信線DLを経て送信されてきた印刷データRPDは制御部21で受信され、印刷データRPDにて表現される印刷像が印刷部26で印刷される。また、通信線CLを経て送信されてきた制御データCDも同様に制御部21で受信された、給紙部24の制御が行われる。さらに、制御部21は、通信線CLを介してステータス信号SDを送信することにより、デジタル印刷機2の状態をコントローラ1へ通知する。
【0024】
給紙カセット22は、デジタル印刷機2に複数設置されている。これらの給紙カセットに識別コードを付与することで、コントローラ1による給紙カセットの識別が可能となる。図1では、給紙カセット22は6つの給紙カセットから構成されており、それぞれ「22a」、「22b」、「22c」、「22d」、「22e」、「22f」という識別コードが付与されている。
【0025】
給紙カセット22には、それぞれ複数の印刷用紙23が収納されている。給紙カセット22は、例えば普通紙、上質紙、サイズの異なる用紙など、それぞれ異なった種類の印刷用紙23を収納することができる。図1では、給紙カセット22aにA3サイズの印刷用紙23a、給紙カセット22cにA4サイズの印刷用紙23c、給紙カセット22fにA4サイズだが紙質の異なった合紙23fが収納されていることを示している。なお、図示してはいないが、給紙カセット22bには印刷用紙23a、給紙カセット22d、22eには印刷用紙23bが収納されているものとする。
【0026】
給紙部24は、制御部21の制御に従って給紙カセット22を切り替え、給紙カセット22に収納されている印刷用紙23を1枚ずつ印刷部26へ供給する。給紙カセット22から給紙された印刷用紙23は、搬送路25を経て印刷部26へと搬送される。印刷部26は、印刷データRPDが表現する印刷像を印刷用紙23へ印刷する。
【0027】
印刷物27は、制御部21、給紙部24、搬送路25、印刷部26が繰返し動作し、複数の印刷用紙23に対して印刷データRPDの表現する印刷像がそれぞれ印刷された結果生じた生成物である。この印刷物27では、印刷データRPDを印刷する際、ページデータPDの設定において印刷サイズがA4であるページは印刷用紙23cに印刷され、ページデータPDの設定において印刷サイズがA3であるページは印刷用紙23aに印刷される。また、印刷物27の印刷が終った時には、合紙23fが印刷物27の最終ページを印刷した印刷用紙の後ろに挿入される。なお、この合紙23fは、印刷物27を構成する印刷用紙23aもしくは23bと同様に搬送路25を経て印刷部26を通過するが、印刷データRPDによる印刷が行われることはない。
【0028】
信号線28、29は、制御部21が給紙部24および印刷部26を制御するために使用される。信号線28は、給紙部24に備えられた給紙センサ30が給紙カセット22に収納されている印刷用紙23がなくなったことを検知したとき、あるいはなんらかの理由で該給紙カセット22からの給紙が行えなくなったことを検知したときに、制御部21にその情報を通知する際にも使用される。信号線29は、印刷部26に対して、制御部21からの制御信号および印刷データRPDを送信する際に使用される。
給紙部24に備えられた給紙センサ30は、給紙カセット22それぞれに対して設置されている。給紙センサ30は、給紙カセット22に収納されている印刷用紙23の有無を検知することや、なんらかの理由で該給紙カセット22から印刷用紙23の給紙が行えなくなったことを検知するためのものである。
【0029】
図2は、コントローラ1の構成を示すための図である。コントローラ1は、一般的に使用されているパーソナルコンピュータであり、CPU11、表示部12、入力部13、ネットワークI/F14、メディアドライブ15、記憶部16、メモリ17、通信線CL、DLより構成されている。CPU11は、コントローラ1全体を制御し、特にメディアドライブ15に挿入されたメディアディスク18に記録されているプログラムをメモリ17において実行することによって、コントローラ1の機能を実現している。表示部12は、コントローラ1の動作に必要な情報を表示する。入力部13は、マウスやキーボードで構成されており、コントローラ1に対してオペレータが指示を入力するために使用する。ネットワークI/F14は、コントローラ1とネットワーク3とを接続するためのものである。ネットワークI/F14を介して、コントローラ1はネットワーク3に接続されている画像処理端末4からページデータPDあるいはブックデータBDを受信する。また、図示しないサーバより、コントローラ1の機能を実現するプログラムをダウンロードすることも可能である。さらに、デジタル印刷機2がネットワーク3を介してコントローラ1と接続されている場合には、このネットワークI/F14を介して、デジタル印刷機2に印刷データRPDおよび制御信号CDを送信し、デジタル印刷機2から送信されるステータス信号SDを受信する。メディアドライブ15は、メディアディスク18に記録されているプログラムを読み取るために使用する。メディアドライブ15で読み取られたプログラムにより、コントローラ1の機能が実現される。また、コントローラ1を画像処理端末4とはオフラインで運用する場合、画像処理端末4で作成されたページデータPDあるいはブックデータBDをメディアディスク18に記録し、このメディアドライブ15によって該メディアディスク18を読み込むことにより後続の処理を行うようにしてもよい。記憶部16は、メディアドライブ15で読み取られたプログラムを格納する。また、記憶部16は、ページデータPD、ブックデータBD、印刷データRPDをも記憶する。通信線CLは、デジタル印刷機2と接続されており、特にデジタル印刷機2に対して制御信号CDを送信すること、およびデジタル印刷機2から送信されるステータス信号SDを受信することに使用する。通信線DLは、デジタル印刷機2と接続されており、特に印刷データRPDを送信するのに使用する。なお、、通信線CLとDLを単独の通信線によって実現するようにしても良い。
【0030】
メモリ17は、記憶部16によって記憶されたプログラムをCPU11が実行するためのワークエリアである。CPU11によってプログラムが実行された結果、メモリ17において、用紙情報設定部171、給紙順序情報設定部172、給紙制御部173の機能が実現する。
【0031】
用紙情報設定部171は、デジタル印刷機2の給紙カセット22に収納されている印刷用紙23に関する情報を設定する。前述のように、デジタル印刷機2に複数設置された給紙カセット22には、それぞれ異なった種類の印刷用紙23が収納されている。そこで、用紙情報設定部171は、給紙カセット22毎に収納されている印刷用紙23についての用紙情報を設定する、この用紙情報は、給紙カセット22の識別コードと印刷用紙23の種類とから成るものである。
【0032】
給紙順序情報設定部172は、デジタル印刷機2の給紙部24による給紙カセット22からの給紙順序に関する情報を設定する。給紙部24が給紙カセット22から給紙を行う際、一定の順序で複数設置された給紙カセット22から給紙を行うので、その順序についての給紙順序情報を給紙順序情報設定部172が設定する。また、給紙順序情報設定部172は、給紙カセット22それぞれにおける印刷用紙23の給紙数についても設定を行い、給紙順序情報に付加する。さらに、給紙カセット22に対する給紙部24の給紙前あるいは給紙後の動作についても、この給紙順序情報設定部172で設定を行い、給紙順序情報に付加する。
【0033】
給紙制御部173は、デジタル印刷機2の制御部21に対して給紙制御を行うための制御信号CDを発行する。制御信号CDを受信したデジタル印刷機2の制御部21が、制御信号CDを解析して給紙部24の制御を行うことにより、給紙制御部173の給紙制御が実現する。
【0034】
給紙制御部173は、論理トレイLT、ページデータサイズ判定部1733を備えている。また、給紙制御部173は、給紙制御のため、部数カウンタm、印刷ページカウンタiを備えている。部数カウンタmは、ブックデータBDに設定された印刷部数分の印刷を行ったか否かを判定するために使用する。印刷ページカウンタiは、印刷データRPDの印刷を全て行ったか否かを判定するために使用する。
【0035】
論理トレイLTは、デジタル印刷機2の給紙制御を行うため、コントローラ1に仮想的に用意された給紙カセットである。画像処理端末4がページデータPDあるいはブックデータBDの印刷を行うためコントローラ1にアクセスした場合、デジタル印刷機2の給紙カセット22についての情報として、この論理トレイLTに格納された用紙情報が画像処理端末4に送信される。
【0036】
論理トレイLTは、イヴェントテーブル1731および給紙カセット制御テーブル1732を備えている。イヴェントテーブル1731は、印刷開始前、印刷終了後、冊子印刷前、冊子印刷後など、デジタル印刷機2における印刷データRPDの印刷時以外の給紙について管理を行うためのテーブルである。給紙カセット制御テーブル1732は、デジタル印刷機2において印刷データRPDの印刷時の給紙について管理を行うためのテーブルである。
論理トレイLTは、用紙情報設定部171で設定された用紙情報、給紙順序情報設定部172で設定された給紙順序情報に基づいて、イヴェントテーブル1731および給紙カセット制御テーブル1732を構築する。
【0037】
ページデータサイズ判定部1733は、画像処理端末4から送信されたページデータPDの印刷サイズを判定する。ページデータサイズ判定部1733でページデータPDの印刷サイズが判定されると、該印刷サイズに対応する印刷用紙が論理トレイLTにて選択される。
【0038】
ここで、論理トレイの概念について説明を行う。図3は、デジタル印刷機2における給紙制御を説明するための図である。図3(a)は、従来のデジタル印刷機2における給紙制御である。画像処理端末4にて作成したページデータPDをデジタル印刷機2で印刷する場合、画像処理端末4のオペレータは、ページデータPDの印刷サイズに合わせてデジタル印刷機2の給紙カセット22を選択しなければならない。例えばA3サイズでページデータPDを印刷するためには、給紙カセット22aもしくは給紙カセット22bを選択する必要がある。同様に、A4サイズでページデータPDを印刷するためには、給紙カセット22c、d、eのいずれかを選択する必要がある。
そこでオペレータによる最も容易な選択は、給紙カセット22aおよび給紙カセット22cのみを選択することである。しかし、その場合給紙カセット22aおよび給紙カセット22cのみから給紙を行うことになるため、給紙カセット22aもしくは22cに収納されている印刷用紙23が切れてしまった場合や、紙詰まりなどが発生した場合、印刷が途中で止まってしまう。それを防ぐためには、例えば給紙カセット22aによる給紙が停止した場合に備えて給紙カセット22bも選択し、給紙カセット22c以外に給紙カセット22dもしくは22eも選択しなければならない。また、特定の給紙カセットに給紙が集中するとトラブルが発生する可能性が高くなるため、給紙カセットの負荷はなるべく分散する必要がある。従って、画像処理端末4のオペレータは、給紙カセット22からの給紙が円滑に行われるよう、結局のところ給紙カセット22を逐一選択しなければならない。
また、印刷物の印刷が終了した後に合紙を挿入する場合についても、オペレータは合紙の収納されている給紙カセット22fを特定して選択する必要がある。
【0039】
それに対して、図3(b)に示す論理トレイを有するコントローラ1が存在する場合、画像処理端末4のオペレータは給紙カセット22を逐一選択する必要はない。コントローラ1は、論理トレイに格納されている用紙情報に基づいて、現在デジタル印刷機2の給紙カセット22に収納されている印刷用紙の種類のみを画像処理端末4に送信する。この例では、デジタル印刷機2に収納されている印刷用紙はA4普通紙、A3普通紙、A4合紙なので、画像処理端末4に送信される情報は、デジタル印刷機2において使用される印刷用紙の種類、「A4普通紙」、「A3普通紙」、「A4合紙」という情報のみである。オペレータは、送信されてきた印刷用紙の種類に関する情報に基づいて、印刷に所望する用紙の種類を指定するだけでよい。オペレータが、デジタル印刷機2の給紙カセット22の選択を行わずとも、コントローラ1の給紙制御部173が論理トレイに備えられたイヴェントテーブル1731およびカセット制御テーブル1732を参照して、デジタル印刷機2における給紙制御を行う。これにより画像処理端末4で指定した種類の印刷用紙にページデータPDの印刷を行うので、効率の良い印刷作業を実行することができる。
【0040】
続いて、前述のような概念を有する論理トレイを有する印刷システムの動作について説明を行う。図4は、印刷システム100における印刷実行時の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS1において、画像処理端末4のオペレータが、図示しないページレイアウト作成部を使用して、印刷物を構成するページを表現するための内容を有するページデータPDを作成する。オペレータが、印刷を所望するページ上に文字、画像、線画などをレイアウトすると、そのレイアウトに基づいてページレイアウト作成部がページデータPDを作成する。ここで作成されるページデータPDは、例えばPostScript(アドビ・システムズ社の登録商標)などのページ記述言語で記述されたファイルや、あるいはPDF(Portable Document Format)形式のファイルである。このようなファイル形式を有するページデータPDはその内部に、ページレイアウト作成部でレイアウトされた文字データ、画像データ、線画データを、ページ上に配置するためのオフセット情報と共に、格納している。また、作成したページに関するサイズ情報、すなわちページの印刷サイズに関する情報をも格納している。
オペレータが、このようなページデータPDを複数作成した後に、これらページデータPDを格納したブックデータBDを作成する。ブックデータBDは、複数のページデータPDをページ順に格納することにより、デジタルデータによって印刷物を構成したものであり、総ページ数、印刷時の解像度など、印刷処理に必要な情報を格納している。また、ブックデータBDは、印刷部数についての情報も格納している。これは、後述する印刷工程において、必要とする部数を印刷するための情報である。このブックデータBDをコントローラ1に送信することで、ページデータPDそれぞれの内容が印刷された印刷物が作成される。なお、1ファイルに複数のページを含むようなファイル形式で、印刷に使用するデータを作成しても良い。図5は、このようなブックデータBDの構成を説明するための図である。ブックデータBDに格納されたページデータPD1〜4は、それぞれページサイズ、すなわち印刷サイズに関する情報を格納している。ここでは、ページデータPD1は「A3」、PD2は「A4」、PD3は「A4」、PD4は「A3」というページサイズを有している。なお、このページサイズに関する情報は、1ファイルに複数のページを含むようなファイル形式であれば、ブックデータBDの方に格納するようにしても良い。
【0041】
ステップS2では、コントローラ1のオペレータが論理トレイLTを作成する。論理トレイLTを作成するためには、デジタル印刷機2の複数の給紙カセット22にそれぞれ収納された印刷用紙の種類に関する用紙情報と、複数の給紙カセット22の給紙順序に関する給紙順序情報を入力する必要がある。そこで、用紙情報設定部171および給紙順序情報設定部172が、図6に示すような論理トレイ作成メニューMLTを表示部12に表示し、この論理トレイ作成メニューMLTにオペレータが入力を行うことにより、論理トレイLTが作成される。
【0042】
論理トレイ作成メニューMLTは、論理トレイを作成するために、イヴェントテーブル入力欄61、給紙カセット制御テーブル入力欄62、論理トレイ名入力欄64、OKボタン65、キャンセルボタン66を備えている。
【0043】
イヴェントテーブル入力欄61は、論理トレイLT内に印刷作業全体での給紙制御に関するイヴェントテーブル1731を構築するために入力するものであり、印刷開始前合紙挿入入力欄61a、印刷終了後合紙挿入入力欄61b、冊子印刷前合紙挿入入力欄61c、冊子印刷後合紙挿入入力欄61dを備えている。これら入力欄61a〜61dには、通常合紙を収納している給紙カセット22の識別コードを入力する。
【0044】
印刷開始前合紙挿入入力欄61aは、印刷システム100における印刷作業を開始する前に、合紙を出力したい場合に入力を行うための欄である。この印刷開始前合紙挿入入力欄61aに合紙が収納された給紙カセット22の識別コードを入力することにより、印刷システム100が行う印刷作業全体の前に、デジタル印刷機2は合紙を出力する。
【0045】
印刷終了後合紙挿入入力欄61bは、印刷システム100における印刷作業を終了した後に、合紙を出力したい場合に入力を行うための欄である。この印刷終了後合紙挿入入力欄61bに合紙が収納された給紙カセット22の識別コードを入力することにより、印刷システム100が行った印刷作業全体の後に、デジタル印刷機2は合紙を出力する。
【0046】
冊子印刷前合紙挿入入力欄61cは、印刷システム100におけるブックデータBDの印刷作業を行う前に、合紙を出力したい場合に入力を行うための欄である。この冊子印刷前合紙挿入入力欄61cに合紙が収納された給紙カセット22の識別コードを入力することにより、印刷システム100が行ったブックデータBDの印刷作業の前に、デジタル印刷機2は合紙を出力する。
【0047】
冊子印刷後合紙挿入入力欄61でゃ、印刷システム100におけるブックデータBDの印刷作業を行った後に、合紙を出力したい場合に入力を行うための欄である。この冊子印刷後合紙挿入入力欄61dに合紙が収納された給紙カセット22の識別コードを入力することにより、印刷システム100が行ったブックデータBDの印刷作業の後に、デジタル印刷機2は合紙を出力する。
【0048】
ここでは、冊子印刷後合紙挿入入力欄61dに、識別コード「f」を有する給紙カセット22が指定されたものとする。これにより、ブックデータBDの印刷後に、給紙カセット22fに収納されている合紙23fが出力される。
【0049】
給紙カセット制御テーブル入力欄62は、論理トレイLT内に印刷実行時における各給紙カセット22の給紙制御に関する給紙カセットテーブル1732を構築するために入力するものであり、給紙カセット識別コード入力欄62a、用紙情報入力欄62b、給紙枚数入力欄62c、次動作入力欄62d、エラー処理入力欄62eを備えており、これら入力欄62a〜62eはスクロールバー63で任意にスクロールして表示することができる。
【0050】
給紙カセット識別コード入力欄62aは、デジタル印刷機2の給紙カセット22それぞれに割り当てられた識別コードを入力するための欄である。オペレータによって、デジタル印刷機2に設置された給紙カセット22それぞれの識別コードが入力されることにより、給紙制御を行うべき給紙カセット22についての情報が論理トレイLTに格納される。給紙カセット識別コード入力欄62aの各入力欄にはそれぞれ処理番号が付されており、給紙制御の設定(後述する)が行われなかった場合には、この処理番号に基づいて入力された識別コードを有する給紙カセット22による給紙が行われる。また、給紙制御の設定が行われた場合においても、この処理番号の順序に基づいて給紙カセット22を切り換えることもある(後述する)。
【0051】
用紙情報入力欄62bは、デジタル印刷機2の給紙カセット22にそれぞれ収納されている印刷用紙の種類に関する情報を入力するための欄である。用紙情報としては用紙サイズの他に、用紙種類すなわち印刷用紙乃至合紙についての入力を行うことができる。オペレータは、デジタル印刷機2に設置された給紙カセット22それぞれに収納されている印刷用紙の種類について、この用紙情報入力欄62bに入力を行う。なお、ここで入力される用紙情報は、給紙カセット識別コード入力欄62aにて入力された識別コードに該当する給紙カセット22それぞれが収納している印刷用紙についての情報である。前述の通り、デジタル印刷機2に設置された給紙カセット22は、それぞれ22a、22bにA3サイズの印刷用紙23aが収納されており、22c、22d、22eにA4サイズの印刷用紙23cが収納されており、給紙カセット22fに合紙23fが収納されているので、給紙カセット識別コード入力欄62a、用紙情報入力欄62bには、図示されているように、給紙カセット識別コード「a」、「b」に対応して「A3」、給紙カセット識別コード「c」、「d」、「e」に対応して「A4」、給紙カセット識別コード「f」に対応して「合紙」が入力されている。
【0052】
給紙枚数入力欄62cは、印刷時に給紙カセット22それぞれから行う給紙枚数を入力するための欄である。すなわち、給紙制御部173によって給紙カセット22から印刷のための給紙を行うとき、該給紙カセットから一度に給紙する印刷用紙の枚数を、この給紙枚数入力欄62cに入力する。ここでは、給紙カセット22aについて、給紙枚数入力欄62cに「1」が入力されているので、給紙カセット22aから一度に行われる給紙枚数は1枚ということになる。同様に、給紙カセット22cについては、給紙枚数入力欄62cに「2」が入力されているので、給紙カセット22cから一度に行われる給紙枚数は2枚ということになる。
【0053】
次動作入力欄62dは、給紙カセット22による給紙動作の後に、給紙制御部173が行うべき給紙制御について入力するための欄である。給紙カセット22からの給紙が、給紙枚数入力欄62cに入力された給紙枚数では印刷物を作成するのに不足する場合、続けて給紙を行わなければならないので、該給紙カセット22の給紙動作終了後の動作について、この次動作入力欄62dに入力する。つまり、次動作入力欄62dには、続けて給紙を行うための給紙カセット22についての情報を入力することになる。
例えば、給紙カセット22aに対応する次動作として「next」が入力されている。これは、給紙制御部173の動作として、給紙カセット22aの給紙が行われたならば、給紙カセット識別コード入力時の給紙カセット識別コード入力欄62aの処理番号に基づいて、処理番号「1」の給紙カセット22aから処理番号「2」の給紙カセット22bに給紙先を切り換えること、を意味している。また、給紙カセット22bに対応する次動作として「jump a」が入力されているので、給紙制御部173は、給紙カセット22bの給紙を行った後、処理番号に従わず、識別コードが「a」である給紙カセット22aに給紙先を切り換える動作を行う。なお、次動作の指定として、「jump 1」という入力を行って、処理番号を指定して次の給紙先を決定するようにしても良い。
ここで、給紙カセット22fに対応する次動作が入力されていないのは、給紙カセット22fに収納されている合紙と同じ用紙を収納している給紙カセットが他に存在しないためである。
【0054】
エラー処理入力欄62eは、給紙カセット22の給紙動作が失敗に終わった場合、例えば印刷用紙切れ、あるいは給紙カセット22から給紙しようとしたときの紙詰まりなどが発生した場合に、給紙制御部173が行うべき給紙制御について入力するための欄である。給紙カセット22からの給紙が、なんらかの理由で失敗した場合、続けて給紙を行わなければならないので、該給紙カセット22からの給紙失敗時に行うべき動作について、このエラー処理入力欄62eに入力する。ここでは、給紙カセット22aに対応するエラー処理として「skip」が入力されている。これは、給紙制御部173の動作として、給紙カセット22aの動作が失敗したならば、給紙カセット22aによる給紙を中止して、給紙カセット識別コード入力欄62aの処理番号に基づいて、給紙先を給紙カセット22bに切り換えること、を意味している。
また、給紙カセット22bに対応するエラー処理として「Operator」が入力されているので、給紙制御部173は、給紙カセット22bの給紙に失敗した場合、給紙カセット識別コード入力欄62aの処理番号に従わず、表示部12にエラー表示を行うなどして、給紙ミスの状況を解消するためにコントローラ1のオペレータの介入を促す。
【0055】
なお、デジタル印刷機2が、自身で給紙カセット22それぞれの設置状況、給紙カセット22それぞれに収納された印刷用紙の種類を識別することができる、俗に「インテリジェント型」と言われる形式のデジタル印刷機であるならば、給紙カセット識別コード入力欄62a、用紙情報入力欄62bの入力は行わなくとも良い。このような場合、給紙制御部173は、デジタル印刷機2から送信されるステータス信号SDによって該情報を取得することにより、論理トレイLTの作成に反映することが可能である。
【0056】
論理トレイ名入力欄64は、イヴェントテーブル入力欄61、給紙カセット制御テーブル欄62に対して行った入力を保存する際の名称を入力するために使用する。この論理トレイ入力欄64に対して名称を入力することにより、異なった設定が行われたイヴェントテーブル1731もしくは給紙カセット制御テーブル1732を格納した論理トレイLTが、ユニークな名称で保存される。従って、給紙制御部173は、複数の論理トレイLTを備えることができるので、オペレータはデジタル印刷機2の状態に応じて、論理トレイLTを選択することが可能となる。従って、先に論理トレイLTを複数用意しておけば、デジタル印刷機2の設定が変化するごとに、論理トレイLTを作成する必要はない。また、逆に論理トレイLTを適宜選択することにより、デジタル印刷機2の状態を設定することもできる。
【0057】
イヴェントテーブル入力欄61、給紙カセット制御テーブル入力欄62、論理トレイ名入力欄64に対する入力が終ったならば、オペレータはOKボタン65を、入力部13を操作して押下する。それにより、イヴェントテーブル1731および給紙カセット制御テーブル1732に各情報が入力された論理トレイLTが給紙制御部173に確定する。用紙情報設定部171および給紙順序情報設定部172は、論理トレイLTが確定したことにより、論理トレイ作成メニューMLTの表示を終了する。オペレータが、論理トレイLTの作成を中止したい場合には、キャンセルボタン66を入力部13で押下する。
【0058】
図6に示した論理トレイ作成メニューで作成された論理トレイLTの一例を、図7に示す。論理トレイLTの名称は「LT1」と入力され、イヴェントテーブル1731および給紙カセット制御テーブル1732を格納している。イヴェントテーブル1731および給紙カセット制御テーブル1732には、それぞれ論理トレイ作成メニューMLTのイヴェントテーブル入力欄61および給紙カセット制御テーブル入力欄62で入力した情報が格納されている。給紙制御部173は、このような入力が行われた論理トレイLTを参照して、デジタル印刷機2の給紙制御を行う。
【0059】
ステップS3において、コントローラ1は、画像処理端末4からの印刷指示およびブックデータBDを受信することにより、ブックデータBDの印刷作業を開始する。
【0060】
ステップS4では、コントローラ1は、画像処理端末4から送信されてきたブックデータBDについて、用紙サイズ指定情報が付加されているか否か、を判定する。前述のように、ページデータPDそれぞれには印刷サイズ情報が格納されているが、画像処理端末4のオペレータによっては、ページデータPDの印刷サイズとは異なった印刷サイズの印刷物を所望することがある。そのような場合、ブックデータBDをコントローラ1に送信する際に用紙サイズ指定情報を付加することにより、所望する印刷サイズの印刷物を得ることができる。そこで、ステップS4において、このような用紙サイズ指定情報がブックデータBDに付加されているか否かを判定するため、給紙制御部173がブックデータBDを解析することにより、該ブックデータBDにおける用紙サイズ指定情報の記述の有無を判定する。
なお、用紙サイズ指定情報はブックデータBDとは別個に送信されるようにしても良い。
【0061】
ステップS4にて、ブックデータBDに用紙サイズ指定情報が付加していると判定された場合、ステップS5に移行して、給紙制御部173は論理トレイLTに格納されている用紙情報を画像処理端末4に送信することにより、デジタル印刷機2の給紙カセット22に収納されている印刷用紙23の種類を通知する。この時、給紙制御部173が画像処理端末4に送信するのは用紙情報だけであり、印刷用紙23の収納されている給紙カセット22それぞれの識別コードについては送信することがない。従って、画像処理端末4のオペレータは逐一複数の給紙カセット22を選択せず、所望する印刷サイズのみを通知された用紙情報に基づいて指定すればよく、画像処理端末4のオペレータの作業を低減させることができる。
【0062】
ステップS4にて、ブックデータBDに用紙サイズ指定情報が付加されていないと判定された場合、ステップS6に移行して、給紙制御部173は、論理トレイLTを参照して、ページデータPDそれぞれに格納されている印刷サイズ情報によって給紙を行うものとする。
【0063】
ステップS7において、コントローラ1は受信したブックデータBDに格納されたページデータPDを、デジタル印刷機2において出力できるデータ形式に変換する。コントローラ1は、図示しないRIP部にて、ページデータPDそれぞれに対してラスタライズ処理を行うことにより、ページデータPDのファイル形式をラスタライズ形式の印刷データRPDに変換する。ラスタライズ化された各印刷データRPDは、デジタルデータによって印刷物を構成した印刷ジョブPJにページ順に格納される。すなわちブックデータBDと印刷ジョブPJは、格納しているデータの形式は異なっているものの、デジタルデータによって印刷物を構成しているという点については、同じものである。なお、論理トレイLTが複数用意されている場合には、印刷用紙23の給紙制御のための論理トレイ名を指定することもできる。
なお、複数のページデータPDを画像処理端末4で作成し、コントローラ1に送信されてきた該複数のページデータPDをラスタライズ処理し、印刷ジョブPJに格納するようにしても良い。この場合、印刷部数などは、コントローラ1のオペレータが指定することになる。
【0064】
ステップS8で、コントローラ1は、印刷ジョブPJを信号線DLを介してデジタル印刷機2に送信する。ここで、印刷ジョブPJに格納された印刷データRPDが表現する印刷像を印刷するため、給紙制御部173は、信号線CLを介して制御信号CDをデジタル印刷機2の制御部21に送信する。制御部21は制御信号CDの指示に従って給紙部24の制御を行い、印刷データRPDの印刷サイズに該当する印刷用紙23を給紙カセット22から給紙する。給紙された印刷用紙23は搬送路25を経て印刷部26に供給され、印刷部26にて印刷データRPDが表現する印刷像が印刷される。印刷データRPD数(すなわち総ページ数)分の印刷を行い、印刷ジョブPJに格納された印刷部数に相当する回数の印刷処理を繰り返した結果、印刷物27が生成される。
【0065】
図8は、ステップS8にて行われる処理を詳細に説明するための図であり、特に印刷ジョブPJについての印刷作業全体のプロセスを説明するためのものである。
ステップS101において、給紙制御部173は論理トレイLTのイヴェントテーブル1731を参照して、給紙制御を開始する。ここでは論理トレイ「LT1」に格納されたイヴェントテーブルを参照するものとする。
【0066】
ステップS102では、給紙制御部173が、印刷開始前の給紙を行うか否かを判定する。印刷開始前の給紙とは、印刷ジョブPJ全体の印刷開始前に、給紙カセット22から給紙部24による印刷用紙23の給紙を行うことである。これにより、印刷ジョブPJによって得られた印刷物27と他の印刷ジョブによって得られた印刷物を区別することができる。給紙制御部173は、イヴェントテーブル1731の項目「印刷開始前」に給紙カセット22の識別コードが格納されているか否かを判定することによって、印刷開始前の給紙の実行/非実行を決定する。項目「印刷開始前」に給紙カセット22の識別コードが格納されている場合には、ステップS103に移行して、該当識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行うよう、給紙制御部173が制御信号CDをデジタル印刷機2の制御部21に送信する。制御部21は、その制御信号を受けて給紙部24を動作させて、該当識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行う。項目「印刷開始前」に給紙カセット22の識別コードが格納されていなければ、ステップS104へ移行する。
【0067】
ステップS104では、給紙制御部173が印刷ジョブPJより印刷部数を取得する。印刷部数とは、前述したように、総ページ数Nからなるページを有する印刷物の個数である。ここでは、印刷部数をnとして処理を進める。
【0068】
ステップS105にて、給紙制御部173は内蔵する部数カウンタmを初期化してカウンタに1をセットする。
【0069】
ステップS106では、給紙制御部173が冊子印刷前の給紙を行うか否かを判定する。冊子印刷前の給紙とは、印刷ジョブPJに格納された各印刷データRPDの印刷開始前に、給紙カセット22から給紙部24による印刷用紙23の給紙を行うことである。これにより、印刷ジョブPJによって得られた印刷物27を部数毎に区別することができる。給紙制御部173は、イヴェントテーブル1731の項目「冊子印刷前」に給紙カセット22の識別コードが格納されているか否かを判定することによって、冊子印刷前の給紙の実行/非実行を決定する。項目「冊子印刷前」に給紙カセット22の識別コードが格納されている場合には、ステップS107に移行して、該当識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行うよう、給紙制御部173が制御信号CDをデジタル印刷機2の制御部21に送信する。制御部21は、その制御信号を受けて給紙部24を動作させて、該当識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行う。項目「冊子印刷前」に給紙カセット22の識別コードが格納されていなければ、ステップS108へ移行する。
【0070】
ステップS108では、印刷ジョブPJに格納された各印刷データRPDの印刷を行う。印刷データRPDの印刷工程においても、給紙制御部173および論理トレイLTの動作が行われている。このステップS108にて行われる処理については後述する。
【0071】
ステップS108での印刷ジョブPJの印刷処理が終了すると、ステップS109へ移行して、給紙制御部173が、冊子印刷後の給紙を行うか否かを判定する。冊子印刷後の給紙とは、印刷ジョブPJに格納された各印刷データRPDの印刷終了後に、給紙カセット22から給紙部24による印刷用紙23の給紙を行うことである。これによっても、印刷ジョブPJによって得られた印刷物27を部数毎に区別することができる。給紙制御部173は、イヴェントテーブル1731の項目「冊子印刷後」に給紙カセット22の識別コードが格納されているか否かを判定することによって、冊子後の給紙の実行/非実行を決定する。項目「冊子印刷後」に給紙カセット22の識別コードが格納されている場合には、ステップS110に移行して、該当識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行うよう、給紙制御部173が制御信号CDをデジタル印刷機2の制御部21に送信する。制御部21は、その制御信号を受けて給紙部24を動作させて、該当識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行う。項目「冊子印刷後」に給紙カセット22の識別コードが格納されていなければ、ステップS111へ移行する。
ここでは、論理トレイLT1のイヴェントテーブルの項目「冊子印刷後」に、給紙カセット22の識別コード「f」が格納されているので、給紙制御部173は、デジタル印刷機2の給紙カセット22fより合紙を給紙するよう、制御信号CDを発行する。
【0072】
ステップS111では、給紙制御部173に内蔵された部数カウンタmに1を加算する。
【0073】
ステップS112において、給紙制御部173は、内蔵された部数カウンタmと印刷部数nとを比較する。m<nならば、給紙制御部173は印刷ジョブPJの印刷が終了していないものと判断して、ステップS106へ帰還し、これまでのプロセスを繰り返す。m≧nならば、給紙制御部173は印刷ジョブPJの印刷が終了したものと判断して、ステップS113へ移行する。
【0074】
ステップS113では、給紙制御部173が、印刷終了後の給紙を行うか否かを判定する。印刷終了後の給紙とは、印刷ジョブPJ全体の印刷終了後に、給紙カセット22から給紙部24による印刷用紙23の給紙を行うことである。これによっても、印刷ジョブPJによって得られた印刷物27と他の印刷ジョブによって得られた印刷物を区別することができる。給紙制御部173は、イヴェントテーブル1731の項目「印刷終了後」に給紙カセット22の識別コードが格納されているか否かを判定することによって、印刷終了後の給紙の実行/非実行を決定する。項目「印刷終了後」に給紙カセット22の識別コードが格納されている場合には、ステップS114に移行して、該当識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行うよう、給紙制御部173が制御信号CDをデジタル印刷機2の制御部21に送信する。制御部21は、その制御信号を受けて給紙部24を動作させて、該当する識別コードが指定された給紙カセット22から給紙を行う。項目「印刷終了後」に給紙カセット22の識別コードが格納されていなければ、図4のフローチャートに帰還する。
【0075】
図9は、ステップS108において行われる印刷データRPDの印刷処理について詳細に説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1081において、給紙制御部173が、印刷物の総ページ数Nを印刷ジョブPJから取得する。給紙制御部173は、印刷ジョブPJに付加されている総ページ数情報を取得するか、あるいは印刷ジョブPJに格納されている印刷データRPDの総数から、印刷物の総ページ数Nを取得することができる。
【0076】
続いて、ステップS1082において、給紙制御部173は、内蔵する印刷ページカウンタiをリセットして、1をセットする。これは、印刷ジョブPJに格納されている印刷データRPD1、すなわち1ページ目から印刷を行うことを意味している。従って、2ページ目以降から印刷を行う場合には、当該ページ番号に相当する数値を印刷ページカウンタiにセットする。
【0077】
ステップS1083において、図4に示したフローチャートのステップS4にて、印刷サイズが印刷データRPDとは別個に指定されているか否かを判定する。ステップS4において、画像処理端末4のオペレータが印刷サイズを指定したならば、ステップS1084にて給紙制御部173は論理トレイLTに備えられた給紙カセット制御テーブル1732を参照して、画像処理端末4のオペレータが指定した印刷サイズにて給紙を行う準備をする。例えば、画像処理端末4のオペレータが印刷サイズ「A4」を所望したならば、給紙制御部173は給紙カセット制御テーブル1732を参照して、複数の給紙カセット22の中から印刷用紙のサイズが「A4」である給紙カセット22のみを選択して給紙を行うものとして、ステップS1087へ移行する。
【0078】
印刷サイズが印刷データRPDとは別個に指定されていない場合、すなわち、印刷データRPDに設定された印刷サイズで印刷を行う場合には、ステップS1085へ移行する。ステップS1085では、給紙制御部173が画像処理端末4から送信されてきたブックデータBDを解析し、該給紙制御部173が備えているページデータサイズ判定部1733を起動させる。ページデータサイズ判定部1733が、ページデータPDそれぞれに格納されている印刷サイズ情報を判定することにより、印刷物を作成するのに必要な印刷用紙の種類が判明する。
【0079】
ついでステップS1086にて、給紙制御部173は給紙制御テーブル1732を参照して、ページデータサイズ判定部1733が判定したページデータPDそれぞれの印刷サイズに該当する給紙カセット22を選択して給紙を行う準備をする。例えば、ブックデータBD1に格納されたページデータPDそれぞれより印刷サイズ情報を判定した結果、ブックデータBD1による印刷物を作成するのに必要な印刷用紙のサイズが「A3」、「A4」であるならば、給紙制御部173は給紙カセットテーブル1732を参照して、複数の給紙カセットの中から印刷用紙のサイズが「A3」である給紙カセット22、「A4」である給紙カセット22をそれぞれ選択して給紙を行うものとして、ステップS1087へ移行する。
【0080】
ステップS1087では、ステップS1084乃至ステップS1086で選択された給紙カセット22の中、最先の給紙カセット22を給紙先に指定する。給紙制御部173は、ステップS1084乃至ステップS1086で、ページデータPDの印刷サイズに相当する印刷用紙23が収納された給紙カセット22が複数存在する場合、どの給紙カセット22から給紙を開始するかを指定しなければならない。そのため、給紙制御部173は、給紙カセット制御テーブル1732を参照し、該給紙カセット制御テーブル1732における給紙カセット22に関する処理番号に基づいて、給紙を行う給紙カセット22を指定する。例えば、印刷サイズがA3の印刷用紙に印刷データRPDを印刷するために、論理トレイ「LT1」を参照して給紙制御部173が給紙先を指定しようとする場合であれば、「A3」の印刷用紙を収納している給紙カセットは、給紙カセット22a、22bの二つであり、給紙カセット22aの処理番号が「1」、給紙カセット22bの処理番号が「2」なので、給紙制御部173は処理番号が若い給紙カセット22aを給紙先として指定する。
【0081】
ステップS1088において、給紙制御部173は、給紙先に指定した給紙カセット22から給紙が行えるか否かを判定する。給紙が行える場合には、ステップS1090へ移行する。しかし、デジタル印刷機2の給紙部24に備えられた給紙センサ30からの信号により、給紙先に指定した給紙カセット22からの給紙がなんらかの理由、例えば、印刷用紙切れ、給紙カセット内での紙詰まりなど、で行えないものと制御部21が判定してステータス信号SDを送信してきた場合には、ステップS1089へ移行する。
【0082】
ステップS1089では、給紙制御部173は、論理トレイLTの給紙カセット制御テーブル1732を参照して、給紙先の給紙カセットを変更する。給紙制御部173は、ステップS1088による判定で、給紙先として指定した給紙カセット22による給紙が行えないと判定した場合、給紙カセット制御テーブル1732に格納されている該給紙カセット22の項目「次動作」および「エラー処理」を参照し、項目「次動作」に格納されている情報に基づき、給紙先の給紙カセットを変更する。
【0083】
図10にて、このプロセスについての説明を図示する。例えば、給紙制御部173が、給紙カセット22aによる給紙が行えないと判定した場合、給紙制御部173は給紙カセット制御テーブル1732に格納されている給紙カセット22aに関する情報を参照する。この時、項目「次動作」に格納されている情報は「next」なので、給紙制御部173は、該給紙カセット制御テーブル1732における給紙カセット22に関する処理番号に基づいて、給紙先を給紙カセット22bに変更する。また、項目「エラー処理」に格納されている情報は「skip」であり、これは特別なエラー処理を行わないことを意味しているので、給紙制御部173の処理は、給紙先を給紙カセット22bに変更したことに留める。あるいは、給紙カセット22bを給紙先として指定したときに、給紙カセット22bからの給紙が行えない場合、給紙制御部173は、やはり給紙カセット制御テーブル1732に格納されている給紙カセット22bに関する情報を参照する。この時もまた、項目「次動作」および「エラー処理」に格納されている情報に基づき、給紙制御部173は処理を行う。ここで、項目「次動作」の情報として「Jump a」が格納されているので、給紙制御部173はその情報に従って、給紙カセット22aに給紙先を変更する。と、同時に項目「エラー処理」の情報として「Operator」が格納されているので、給紙制御部173は表示部12にエラーメッセージを表示するなどして、コントローラ1のオペレータによる処理を促す。これは、このような場合、
(1)給紙カセット22aに印刷用紙23aの補充が済んでいる
(2)給紙カセット22a、22bともに印刷用紙23が切れている
と、いう状態が存在するためである。(1)の場合であれば給紙カセット22bに印刷用紙23aを補充する必要があり、(2)の場合であれば給紙カセット22a、22bともに印刷用紙23を補充する必要がある。このどちらの場合においても、コントローラ1およびデジタル印刷機2では処理のできない問題であり、コントローラ1のオペレータによる介入が必須となるためである。
なお、(1)の場合であれば、デジタル印刷機2による印刷が行われるが、(2)の場合は給紙先が存在しないため、その間ステップS1089における処理はループし続けるため、印刷処理は行われない。給紙カセット22aもしくは22bに印刷用紙23の補充を行えば、項目「次動作」に格納された情報によって給紙先が指定されるので、ループが解除されて印刷処理が再開する。
【0084】
ステップS1090において、印刷データRPDiの印刷が実行される。給紙カセット22より給紙部24により給紙された印刷用紙23が搬送路25を経て印刷部26へ搬送される。一方、コントローラ1より、通信線DLを経て送信された印刷データRPDiを受信したデジタル印刷機2の制御部21は、印刷データRPDiを印刷部26にて印刷を行うためのデータ形式に変換を行う。印刷部26が、印刷データRPDiの表現する印刷像を印刷用紙23に印刷し、再び搬送路25を経て、印刷物27が作成される。
なお、このステップS1090において、給紙制御部173は、給紙カセット制御テーブル1732に格納された項目「給紙枚数」の情報に従って、指定された枚数分の給紙を給紙カセット22より行う。
【0085】
ステップS1091にて、給紙制御部173は、印刷ページカウンタiを1加算する。
【0086】
続いてステップS1092で、給紙制御部173は、印刷ジョブPJの総ページ数Nと印刷ページカウンタiとを比較する。N>iであるならば、ステップS1085に帰還して、印刷処理を繰り返し行う。N≦iならば、印刷ジョブPJに格納された印刷データRPDは全て印刷されたものとして、給紙制御部173は、給紙制御を中止する。そして、図8のフローチャートに帰還する。
【0087】
このように、図1および図2に示した印刷システム100およびコントローラ1が、図4、図8、および図9のフローチャートに示したような動作を行うことにより、印刷物のページサイズがかならずしも一定でない場合においても、印刷物のページサイズそれぞれに適合するような用紙サイズの印刷用紙を収納した給紙カセットを複数指定する必要がなく、給紙カセットにて印刷用紙切れや紙詰まりが発生した場合の復旧、また一つの給紙カセットに過度の負担がかからないように複数の給紙カセットから順に給紙を行うことなども考えに入れる必要はないので、容易に印刷処理を実行することができる。
また、合紙を挿入することについても、所定の位置に対して合紙挿入を指示するだけで印刷物への合紙挿入が可能となるので、容易に印刷処理を実行することができる。
【0088】
「変形例」
なお、実施の形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で、変形することが可能である。
【0089】
例えば、これまでの説明では、コントローラ1とデジタル印刷機2を別個のものとして説明してきたが、コントローラ1とデジタル印刷機2が一体となった形態をしていても良い。
【0090】
また、コントローラ1内に論理トレイLTが備えられているものとして説明してきたが、論理トレイLTをデジタル印刷機2に備えるようにしても良い。
【0091】
さらに、給紙制御部173が論理トレイLTを参照するような給紙制御について説明を行ってきたが、コントローラ1が印刷ジョブPJを作成する際に論理トレイLTを参照することにより、印刷ジョブPJ内に論理トレイLTを格納して(図11(a)参照)、給紙制御部173は印刷ジョブPJに格納された論理トレイLTを参照して、給紙制御を行うようにしても良い。
【0092】
加えて、コントローラ1が印刷ジョブPJを作成する際に論理トレイLTを参照することにより、印刷ジョブPJ内に格納された印刷データRPD毎に給紙カセット22を指定し(図11(b)参照)、通常は指定された給紙カセット22からの給紙された印刷用紙23で印刷データRPDの印刷像を印刷し、印刷データRPDに指定された給紙カセット22からの給紙が何らがの理由で行われない場合には、論理トレイLTを参照して給紙カセット22を切り換えるような処理を、給紙制御部173が行うようにしても良い。
【0093】
また、論理トレイLTに格納する用紙情報は、用紙サイズ以外の情報として、例えば紙厚、用紙種類、用紙色などを指定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷装置を使用した印刷システムの概要を示すための図である。
【図2】コントローラ1の構成を示すための図である。
【図3】デジタル印刷機2における給紙制御を説明するための図である。
【図4】印刷システム100における印刷実行時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】ブックデータBDの構成を説明するための図である。
【図6】論理トレイ作成メニューMLTを説明するための図である。
【図7】論理トレイLTの一例を示すための図である。
【図8】特に印刷ジョブPJについての印刷作業全体のプロセスを説明するためのフローチャートである。
【図9】ステップS108において行われる印刷データRPDの印刷処理について詳細に説明するためのフローチャートである。
【図10】ステップS1089で、給紙制御部173が行う、給紙カセット変更時の一例を説明するための図である。
【図11】印刷ジョブPJ内に論理トレイLTを格納した場合の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コントローラ
2 デジタル印刷機
3 ネットワーク
4 画像処理端末
11 CPU
12 表示部
13 入力部
14 外部ネットワークI/F
15 メディアドライブ
16 記憶部
17 メモリ
18 メディアディスク
21 制御部
22、22a〜22f 給紙カセット
23、23a、23c 印刷用紙
24 給紙部
25 搬送路
26 印刷部
27 印刷物
28、29 信号線
30 給紙センサ
61 イヴェントテーブル入力欄
61a〜61d 入力欄
62 給紙カセット制御テーブル入力欄
62a〜62e 入力欄
64 論理トレイ名入力欄
65 OKボタン
100印刷システム
171 用紙情報設定部
172 給紙順序情報設定部
173 給紙制御部
1731 イヴェントテーブル
1732 給紙カセット制御テーブル
1733 ページデータサイズ判定部
BD ブックデータ
CD 制御信号
CL、DL 信号線
i ページカウンタ
m 部数カウンタ
MLT 論理トレイ作成メニュー
N 総ページ数
n 印刷部数
LT、LT1 論理トレイ
PD、PD1〜PD4 ページデータ
PJ 印刷ジョブ
RPD RPD1〜RPD4 印刷データ
SD ステータス信号

Claims (7)

  1. それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラであって、
    前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定手段と、
    前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定手段と、
    前記給紙手段の制御を行う給紙制御手段と、
    を有し、
    前記給紙制御手段が、前記用紙情報および印刷時の給紙順序情報と印刷時以外の給紙順序情報とからなる給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて前記印刷装置に対して印刷時と印刷時以外の給紙制御を行うこと、
    を特徴とする印刷装置のコントローラ。
  2. それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラであって、
    前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定手段と、
    前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定手段と、
    前記給紙手段の制御を行う給紙制御手段と、
    を有し、
    前記給紙制御手段が、前記用紙情報および前記複数の用紙収納手段に対する給紙動作後についての情報を有する給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイを備え、該論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて給紙制御を行うこと、
    を特徴とする印刷装置のコントローラ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のコントローラによって制御される印刷装置。
  4. それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記印刷用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラの制御方法であって、
    前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定工程と、
    前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定工程と、
    前記給紙手段の制御を行う給紙制御工程と、
    を有し、
    前記給紙制御工程が、前記用紙情報および印刷時の給紙順序情報と印刷時以外の給紙順序情報とからなる給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて前記印刷装置に対して印刷時と印刷時以外の給紙制御を行うこと、
    を特徴とする印刷装置のコントローラの制御方法。
  5. それぞれ用紙を収納している複数の用紙収納手段と、前記用紙収納手段より前記印刷用紙を印刷部へ給紙する給紙手段と、を備えた印刷装置のコントローラの制御方法であって、
    前記複数の用紙収納手段にそれぞれ収納されている前記用紙の種類に関する用紙情報を設定する用紙情報設定工程と、
    前記複数の用紙収納手段における前記用紙の給紙順序に関する給紙順序情報を設定する給紙順序情報設定工程と、
    前記給紙手段の制御を行う給紙制御工程と、
    を有し、
    前記給紙制御工程が、前記用紙情報および前記複数の用紙収納手段に対する給紙動作後についての情報を有する給紙順序情報を対応付けて格納した論理トレイにて用紙の種類を指定することにより、前記給紙順序情報に基づいて給紙制御を行うこと、
    を特徴とする印刷装置のコントローラの制御方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  7. 請求項4又は請求項5に記載の印刷装置のコントローラの制御方法を実行するためのプログラム。
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