JP3784616B2 - 小容量のガスタービンコージェネレーションシステムの熱電比制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力と温水や蒸気や冷水を同時に供給するガスタービンコージェネレーションシステムに於ける出力の熱電比制御方法に関するものであり、比較的小規模な各種工場やマーケット、事務所、温室農場、集合住宅等で単独又は複数台を組み合せした状態で使用する小容量のガスタービンコージェネレーションシステムに主として適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン発電機と排ガスボイラ等を組み合わせた熱電併給システム(コージェネレーションシステム)は従前から広く知られており、実用にも供されている。この熱電併給システムは、タービン発電機を駆動して電力を得ると共に、ガスタービンからの高温排ガスの熱を排熱ボイラ又は排熱温水ボイラにより回収して蒸気又は温水を得るものであり、電力と温水や蒸気や冷水を同時に必要とする事業所等に於いては、別個に電力と温水等の供給を受ける場合に比較して総合的なエネルギー効率が向上し、経済性に優れている。
【0003】
ところで、従前のこの種システムは、何れも発電容量が5000KW前後の比較的大容量のものであり、理念的には発電装置が主体であって、その排熱を排ガスボイラで回収しようとするものである。
しかし、近年省エネルギーの観点から熱電併給システムの見直しが進められ、これに伴なって容量が15〜100KW程度の小容量のガスタービンコージェネレーションシステムが広く利用され出している。
【0004】
図6は、従前のこの種小容量ガスタービンコージェネレーションシステムの一例を示すブロック構成図であり、ガスタービン1、圧縮機2、再生器3、燃焼器4、発電機5、排熱回収熱交換器(排熱温水ボイラ又は排熱蒸気ボイラ)6等からガスタービンコージェネレーションシステムが構成されている。
而して、燃焼用空気Aは、先ずガスタービン1に直結された圧縮機2において圧縮されたあと、再生器3へ導かれる。再生器3へ導かれた圧縮空気は、ガスタービン1からの約600℃の高温タービン排ガスG1 と熱交換をすることにより予熱されたあと、燃焼器4へ供給される。燃焼器4内では、前記予熱された燃焼用空気Aと供給された燃料ガスFとが混合燃焼をし、約850℃の高温燃焼ガスが発生する。この高温燃焼ガスによりガスタービン1が回転駆動され、これに直結した圧縮機2及び発電機5を回転駆動させることにより発電をする。
【0005】
燃焼器4で発生した高温燃焼ガスは、断熱膨張をしてタービン1を回転駆動することにより約600℃の高温タービン排ガスG1 となって再生器3へ送られ、ここで圧縮空気Aと熱交換して約270℃のタービン排ガスG2 となる。このタービン排ガスG2 は引き続き排熱回収熱交換器6へ導入され、温水(又は蒸気若しくは冷水)を発生させたあと、約90℃の排ガスG0 となって大気中へ放出される。
【0006】
例えば、燃料Fを都市ガス13A(9.7Nm3 /h、9930kcal/Nm3 、熱入力112KW)とする小容量のガスタービンコージェネレーションシステムの場合には、通常発電機出力が約28KW及び熱回収量が約56KWとなり、システム全体としての総合的なエネルギー効率は約75%となる。
【0007】
ところで、前記ガスタービン1から排出される高温タービン排ガスG1 の流量は、ガスタービン1の出力と略比例関係にあり、その結果、再生器3から排出されるタービン排ガスG2 の温度も略ガスタービン1の出力に比例して変化することになる。何故なら再生器3の伝熱面積が一定であるため、その熱交換量が大きく変動しないからである。
換言すれば、ガスタービン1の出力が上昇すれば、タービン排ガスG2 の流量及び温度も共に上昇し、また逆に、ガスタービン1の出力が低下すれば、タービン排ガスG2 の流量及び温度が共に低下する。
【0008】
一方、排熱回収熱交換器6に於ける排熱回収量はタービン排ガスG2 の流量及び温度によって決まる。そのため、ガスタービン出力即ち発電機出力と排熱回収量とは比例関係となり、これによって発電機5の電気出力Peと排熱回収熱交換器6の熱出力Teとの比である熱電比Q=Te/Peは、タービンコージェネレーションシステムの100〜30%の出力範囲に亘って、ほぼ一定となる。
【0009】
例えば、上記に例示した小容量のガスタービンコージェネレーションシステムに於いては、定格出力下で発電機出力Pe=28KW、熱出力Te=56KWとなり、熱電比Qは2となり、この熱電比Qはシステムの出力が低下しても略一定に保たれることになり、適宜の値に調整することができない。
【0010】
ところで、電力負荷7の電力需要Pe′と熱負荷8の熱需要Te′との比率Q′(熱電需要比Q′=Te′/Pe′)が常に約2である場合には特に問題が生じないが、熱電需要比Q′=Te′/Pe′が大きく変動する場合には、前記システム出力の熱電比Qが常に一定であると、必然的に電気出力Pe又は熱出力Teの余剰若しくは不足を生ずることとなる。
そのため、クーリングタワー等によって余剰な熱を放熱したり、或いは蓄電設備や電力販売等によって余剰な電力を処理する必要があり、システム全体としての総合的なエネルギー効率の低下を招来することになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従前のこの種小容量のガスタービンコージェネレーションシステムに於ける上述の如き問題、即ち、システム側の発電機出力Peと熱出力Teの比Q(熱電比Q=Pe/Te)が常にほぼ一定であるため、電力負荷7の電力需要Pe′と熱負荷8の熱需要Te′との比Q′(熱電需要比Q′=Te′/Pe′が前記熱電比Qと異なる場合には、電力又は熱の何れかに余剰が生じてシステム全体の総合的なエネルギー効率が低下すると云う問題を解決せんとするものであり、再生器に於ける高温タービン排ガスG1 からの回収熱量を調整することにより、システム出力の熱電比Qを現実の熱電需要比Q′に近づけることにより、ガスタービンコージェネレーションシステムを常に高い総合エネルギー効率でもって運転できるようにした小容量のガスタービンコージェネレーションシステムの熱電比制御方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は多数の小容量のガスタービンコージェネレーションシステムの開発並びに試験を通して、再生器に於ける高温タービン排ガスからの熱回収量を相当大きく変化させても、燃焼用空気Aと燃料Fとの供給量に変化の無い限りタービン出力(即ち発電機出力)及び高温タービン排ガス流量は略一定に保たれることを知得した。
本発明は、発明者等の上記知得に基づいて創作されたものであり、請求項1の発明は、ガスタービンと発電機と圧縮機と再生器と燃焼器と排熱回収熱交換器とを備え、ガスタービンからの高温タービン排ガスを再生器を経て排熱回収熱交換器へ供給すると共に、圧縮機からの燃焼用空気を再生器で前記高温タービン排ガスの熱により加熱して燃焼器へ供給し、燃焼器からの高温燃焼ガスを前記ガスタービンへ供給する構成の小容量のガスタービンコージェネレーションシステムに於いて、前記再生器に制御バルブを備えた高温タービン排ガスのバイパス通路を設け、排熱回収熱交換器の熱負荷に応じて前記制御バルブの開度を調整することにより、システム出力の熱電比を制御することを発明の基本構成とするものである。
【0013】
請求項2の発明は、ガスタービンと発電機と圧縮機と再生器と燃焼器と排熱回収熱交換器とを備え、ガスタービンからの高温タービン排ガスを再生器を経て排熱回収熱交換器へ供給すると共に、圧縮機からの燃焼用空気を再生器で前記高温タービン排ガスの熱により加熱して燃焼器へ供給し、燃焼器からの高温燃焼ガスを前記ガスタービンへ供給する構成の小容量のガスタービンコージェネレーションシステムに於いて、前記再生器に制御バルブを備えた高温排ガスのバイパス通路と制御バルブを備えた燃焼用空気のバイパス通路を夫々設け、排熱回収熱交換器の熱負荷に応じて前記両制御バルブの開度を調整することにより、システム出力の熱電比を制御することを発明の基本構成とするものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、排熱回収熱交換器を真空式の排熱温水ボイラとしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の各実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る小容量のガスタービンコージェネレーションシステムのブロック構成図である。
尚、図1では、前記図6の場合と同一の部材についてはこれと同じ参照番号が付されている。
また、図1に示したガスタービンコージェネレーションシステムの基本的な構成は、前記図6に示した従前のシステムとほぼ同一であるため、ここではその詳細説明を省略する。
【0018】
図1を参照して、本実施形態に於いては、再生器3にガスタービン1から再生器3へ流入する高温タービン排ガスG1 のバイパス通路10を設けると共に、このバイパス通路10に制御弁11を介設した点が、従前のシステム構成と異なっている。
燃焼用空気Aは圧縮機2により圧縮され、圧縮された燃焼用空気Aは再生器3内で高温タービン排ガスG1aにより予熱されたあと、燃焼器4へ供給される。
燃焼器4では、前記予熱された燃焼用空気Aと供給された燃料Fとが混合燃焼をし、発生した高温燃焼ガスによりガスタービン1が回転駆動される。
また、ガスタービン1内で断熱膨張をした高温のタービン排ガスG1 は高温タービン排ガス通路9を経て再生器3側へ送られ、その一部G1bはバイパス通路10へ、また残部G1aは再生器3内へ流入する。
【0019】
前記再生器3内へ流入した高温タービン排ガスG1aは圧縮空気Aと熱交換をしたあと、タービン排ガス通路12を経て排熱回収熱交換器6側へ導出され、バイパス通路10を通して分流された前記高温タービン排ガスG1bと合流して排熱回収熱交換器6へ流入し、ここで排熱回収が行なわれ、高温水W1 が生成される。
【0020】
前記バイパス通路10へ分流される高温タービン排ガスG1bの流量は、熱負荷8の増・減に応じて制御バルブ11の開度を調整することにより連続的に制御されており、これによって発電機5の電気出力Peと排熱回収熱交換器6の熱出力Teの熱電比Q(Te/Pe=Q)を、現実の電力負荷Pe′と熱負荷Te′の比Q′(熱電需要比Q′=Te′/Pe′)に合致させる。
【0021】
例えば、今熱負荷8の熱需要Te′が少ない場合には、制御バルブ11の開度を下げ(バルブを絞る)、高温ガスタービン排ガスG1bの流量を減少させて排熱回収熱交換器6への熱入力を減少させることにより、前記システム出力の熱電比Qを下降させる。
尚、燃焼空気Aの温度は再生器3内へ流入する高温タービン排ガスG1aの流量が増すために上昇し、これによって発電機5の発電効率が若干上昇することになる。
逆に、熱負荷8の熱需要Te′が増加した場合には、制御バルブ11の開度を上げ(バルブを開放する)、高温ガスタービン排ガスG1bの流量を増加することにより排熱回収熱交換器6への熱入力を高め、前記熱電比Q(Q=Te/Pe)を高める。
【0022】
【実施例】
図4(後述)に示す如きガスタービン1、圧縮機2、再生器3、燃焼器4及び発電機5等を一体的に組み付けして成るガスタービン発電機ユニットUを用いたパッケージ型の小容量ガスタービンコージェネレーションシステムを作動させ、燃料F及び燃焼用空気Aの供給量を略一定とした状態下で制御バルブ11の開度調整を行なった場合の熱電比Q、高温排ガスG1 の流量、再生器伝熱量、総合効率等を測定した。尚、燃料Fには都市ガス13A(9.7Nm3 /h、9930kcal/Nm3 、熱入力112KW)を用い、定格状態に於けるガスタービン発電機ユニットUの発電機出力Peは28KW、排熱回収熱交換器(真空式排熱温水ボイラ)6の熱出力Teは56KWであり、熱電比Qは2である。
【0023】
表1は、上記ガスタービンコージェネレーションシステムを用いた熱電比制御試験の結果を示すものである。
【0024】
【表1】
【0025】
表1からも明らかなように、制御バルブ11の開度を高め、高温タービン排ガスG1 の流量815.5Nm3 /hのうちの40.4、178.4、445.4、627.6Nm3 /hをバイパス(G1b)させることにより、排ガス温水ボイラ6へ流入するタービン排ガスG2 の温度は305.25、329.71、410.49、490.11℃と上昇し、排熱回収量は80504.6、87032、108790、130548kcal/hと増加する。
一方、ガスタービン発電機の出力Peはほぼ一定(25.3KW)であるので、熱電比Qは2.7、3、4、5となる。また、総合効率は低下することなく80.2、81.4、84.6、86.8%と上昇する。
【0026】
尚、熱負荷8の変動により制御バルブ11の開度制御を行なう方法としては、例えば排熱温水ボイラ6の低温水入口管13或は高温水出口管14に温度検出センサー(図示せず)を設け、熱負荷の変動を温水W1 の温度変化としてとらえ、制御バルブ11の開度を制御することができる。
また、前記図1の実施形態に於いては、排熱回収熱交換器6として排熱温水ボイラを使用しているが、排熱蒸気ボイラを用いてもよいことは勿論であり、この場合には熱負荷8の変動を蒸気圧力の変化から検知し、例えば排熱蒸気ボイラの蒸気取出口に設けた蒸気圧検出センサからの信号により、制御バルブ11の開度制御を行なうようにしてもよい。
【0027】
図2は本発明の第2実施形態に係る小容量のガスタービンコージェネレーションシステムのブロック構成図である。
この第2実施形態に於いては、図2に示す如く、再生器3に、圧縮機2から流出して再生器3側へ流入する圧縮空気Aのバイパス通路15を設けると共に、このバイパス通路15に制御バルブ16を介設する構成としている。
即ち、圧縮機2から流出した燃焼用空気Aの一部A2 はバイパス通路15を通して直接燃焼器4へ供給されると共に、燃焼用空気Aの残部A1 は再生器3内で予熱されたあと、燃焼器4へ供給される。
【0028】
従って、今、熱負荷8の熱需要Te′が増大したとすると、制御バルブ16の開度を上げてバイパス空気流A2 の流量を増す。これにより再生器3へ流入する燃焼用空気A1 の流量が減少し、再生器3に於ける高温タービン排ガスG1 からの熱回収量が低下する。その結果、再生器3から排出されるタービン排ガスG2 の温度が上昇し、排熱回収熱交換器6の熱出力Teが増大する。
【0029】
一方、燃焼器4へ供給する燃焼用空気Aの温度が低下することにより、ガスタービン1の効率は若干低下することになるものの大きな出力低下を来たすことはない。
その結果、システム出力の熱電比Q(Te/Pe)は増大し、現実の電力負荷Pe′と熱負荷Te′との熱電需要比Q′(Te′/Pe′)にマッチした熱電比Qでもって、ガスタービンコージェネレーションシステムは高効率で運転されることになる。
【0030】
尚、熱負荷8の熱負荷Te′が減少した場合には、前述とは逆に制御バルブ16の開度を下げ、再生器3に於ける燃焼用空気A1 による熱回収量を増加する。これにより、前記熱電比Qが減少し、実際の電力負荷Pe′と熱負荷Te′との熱電需要比Q′=Te′/Pe′にマッチした最適の熱電比Qでもって、システムの運転を行なうことができる。
また、排熱回収熱交換器6として排熱温水ボイラや排熱蒸気ボイラの使用が可能なこと、及び制御バルブ16の開度制御が温水の温度検出信号や発生蒸気の蒸気圧検出信号によって行なえる等は、前記第1実施態様の場合と同様である。
【0031】
図3は、本発明の第3実施形態を示すものであり、前記第1実施形態と第2実施形態とを合体し、より高精度なシステム出力の熱電比Qの制御を可能としたものである。
即ち、図3に示す如く、再生器3に、高温タービン排ガスG1 のバイパス通路10と燃焼用空気Aのバイパス流路15を設けると共に、各バイパス流路10・15に夫々制御バルブ11・16を設け、熱負荷8の変動に応じて何れか一方又は両方の制御バルブの開度を適宜に調整することにより、ガスタービンコージェネレーションシステムのシステム出力の熱電比Qを、現実の電力負荷7と熱負荷8との熱電需要比Q′により高精度で、然も円滑に合致させることを可能とするものである。
【0032】
図4は、本発明の前記実施例で使用したガスタービン発電機ユニットUの概要説明図であり、ガスタービン1・空気圧縮機2・再生器3・燃焼器4・発電機5・空気予熱管(通路)2a・高温タービン排ガス管(通路)9・高温タービン排ガス分岐口9a・空気ベアリング17・発電機冷却フィン18・再生器ケーシング19及びタービン排ガス口3c等を一体的に組み付けることにより、ガスタービン発電機ユニットUが形成されている。
また、当該ガスタービン発電機ユニットUは、他の各機器類と共に一つの支持枠体上に乗せられてパッケージケーシング内に収納されており、コンパクトなガスタービンコージェネレーション装置として工場内で量産されたあと、据付場所へ搬送される。
【0033】
更に、図5は、本実施形態に於ける排熱回収熱交換器6の一例を示すものであり、真空式排熱ボイラとして知られているものである。
即ち、当該真空式排熱ボイラは、タービン排ガスG2 によって缶水(熱媒水)6cを加熱し、これによって缶水6cを蒸発せしめると共に、減圧蒸気室6dに温水加熱管6aを設け、前記缶水6cの蒸発蒸気により温水加熱管6a内の温水Wを加熱するよう構成されており、減圧蒸気室6d内に蒸気が無い場合には、温水W側から缶水6c側へ熱が移行しないと云う特徴を有している。尚、6bは熱交換管である。
【0034】
本発明の実施対象の一つである小容量のガスタービンコージェネレーションシステムは、これを複数台並列状に組み合せて使用する場合が屡々あり、所謂複数のシステムの台数制御を行ないつつ負荷に対応するケースが多くある。
このような場合、例えば3台のシステムの並列運転に於いて、1台を運転休止にし、他の2台のシステムにより熱負荷へ温水を供給するとすると、通常の排熱温水ボイラを使用している場合には、運転中のシステムの排熱温水ボイラの熱が温水ヘッダを通して運転休止中の排熱温水ボイラの缶水(熱媒水)側へ伝わり、これによって熱損失が大幅に増大する。
これに対して、真空式排熱温水ボイラの場合には、前述の通り運転休止中のシステムの温水加熱管6aを通してその缶水6c側へ熱が伝わることが全くないため、システム全体としての熱効率の低下が防止されることになり、好都合である。
【0035】
【発明の効果】
本発明に於いては、ガスタービンコージェネレーションシステムを構成する再生器に、高温タービン排ガスG1 と燃焼用空気Aの何れか一方又は両方のバイパス通路を設けると共に、当該バイパス通路に設けた制御バルブを熱負荷の変動に応じて適宜に調整することにより、システム出力の熱電比Qを負荷側の実際の熱電需要比Q′に合致させる構成としている。
その結果、従前のこの種ガスタービンコージェネレーションシステムのように、システム出力の熱電比Qと負荷側の熱電需要比Q′との間に差異を生じて熱の余剰や熱の不足を生ずることが皆無となり、ガスタービンコージェネレーションシステムを常に最適のシステム出力の熱電比でもって高効率運転することが可能となる。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る小容量のガスタービンコージェネレーションシステムのブロック構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る小容量のガスタービンコージェネレーションシステムのブロック構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る小容量のガスタービンコージェネレーションシステムのブロック構成図である。
【図4】本発明で使用するガスタービン発電機ユニットの概要説明図である。
【図5】本発明で使用する排熱回収ユニットの概要説明図である。
【図6】従前のガスタービンコージェネレーションシステムのブロック構成図である。
【符号の説明】
1はガスタービン、2は圧縮機、3は再生器、3a・3bは熱交換管、3cはタービン排ガス出口、4は燃焼器、5は発電機、6は排熱回収熱交換器、6aは温水加熱管、6bは熱交換管、6cは缶水(熱媒水)、6dは減圧蒸気室、7は電力負荷、8は熱負荷、9は高温タービン排ガス通路、9aは高温タービン排ガス分岐口、10は高温タービン排ガスG1 のバイパス通路、11は制御バルブ、12はタービン排ガス通路、13は低温水入口管、14は高温水出口管、15は燃焼用空気のバイパス通路、16は制御バルブ、17は空気ベアリング、18は発電機冷却ファン、19は再生器ケーシング、Uはガスタービン発電機ユニット、Fは燃料ガス、Aは燃焼用空気、G1 は高温タービン排ガス、G2 はタービン排ガス、G0 は排ガス、W1 は高温水、W2 は低温水、Peは発電機側の電気出力、Teは排熱回収熱交換器の熱出力、Te′は熱負荷側の熱需要、Pe′は電力負荷側の電力需要、Qは熱電比(Te/Pe)、Q′は熱電需要比(Te′/Pe′)。
Claims (3)
- ガスタービンと発電機と圧縮機と再生器と燃焼器と排熱回収熱交換器とを備え、ガスタービンからの高温タービン排ガスを再生器を経て排熱回収熱交換器へ供給すると共に、圧縮機からの燃焼用空気を再生器で前記高温タービン排ガスの熱により加熱して燃焼器へ供給し、燃焼器からの高温燃焼ガスを前記ガスタービンへ供給する構成の小容量のガスタービンコージェネレーションシステムに於いて、前記再生器に制御バルブを備えた高温タービン排ガスのバイパス通路を設け、排熱回収熱交換器の熱負荷に応じて前記制御バルブの開度を調整することにより、システム出力の熱電比を制御することを特徴とする小容量のガスタービンコージェネレーションシステムの熱電比制御方法。
- ガスタービンと発電機と圧縮機と再生器と燃焼器と排熱回収熱交換器とを備え、ガスタービンからの高温タービン排ガスを再生器を経て排熱回収熱交換器へ供給すると共に、圧縮機からの燃焼用空気を再生器で前記高温タービン排ガスの熱により加熱して燃焼器へ供給し、燃焼器からの高温燃焼ガスを前記ガスタービンへ供給する構成の小容量のガスタービンコージェネレーションシステムに於いて、前記再生器に制御バルブを備えた高温排ガスのバイパス通路と制御バルブを備えた燃焼用空気のバイパス通路を夫々設け、排熱回収熱交換器の熱負荷に応じて前記両制御バルブの開度を調整することにより、システム出力の熱電比を制御することを特徴とする小容量のガスタービンコージェネレーションシステムの熱電比制御方法。
- 排熱回収熱交換器を真空式の排熱温水ボイラとするようにした請求項1又は請求項2に記載の小容量のガスタービンコージェネレーションシステムの熱電比制御方法。
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