JP3781713B2 - 自動排水式受水槽 - Google Patents
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- Y02A20/00—Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水槽内に貯水された水を自動的に排水する自動排水式受水槽に関するもので、特に水槽内に貯水された水の凍結を防止して寒冷地における使用に好適な自動排水式受水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
清掃用タンク,水耕用タンク,水洗トイレ用タンク等のようにタンクに水を貯水した後、タンクから排水してそれぞれの用途に使用する各種の受水槽が広く使用されている。このような受水槽には、手動で排水する方式と自動的に排水する方式がある。
【0003】
手動でタンク内の水を排水する場合は、使用者が必要に応じてタンクの排水口を開いて排水した後、排水口を閉じて再び水槽内に貯水する。
一方、 自動的にタンク内の水を排水する方式としては、タイマーやセンサー等が用いられる。たとえばタイマーを用いる場合は、タイマーに所定の時間を設定しておき、タイマーが作動してタンクの排水口を自動的に開閉することによって、定期的に排水口を開いて排水し、次いで排水口を閉じて貯水することが可能である。またセンサーを用いる場合は、人体を検出したときにタンクの排水口を自動的に開閉することによって、自動的に排水し、次いで貯水することが可能である。
【0004】
しかし、これらの従来から知られている自動排水式受水槽では、タンクから排水した後、 再び貯水する際の給水速度が大きいので、比較的短時間でタンクが満水になる。その結果、タンクに貯水された水が排水されるまでに所定の時間が経過し、その間、タンク内で水が静止することになる。このようにして水が静止すると、寒冷地では凍結する原因になる。
【0005】
タンクや配管内の水が凍結すると、自動排水式受水槽が使用できないばかりでなく、復旧作業に多大な労力と費用を要する。また、凍結防止対策を講じると、維持費用が増大する。
さらに、タイマーやセンサーを用いる場合は、電源から電力を供給しなければならないので、電力費用が増大する。しかも電気配線が必要となり、かつその防水性を保つ必要があるので、設備保全の負荷も増大する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、水の凍結を防止し、しかも電力を消費せず、簡便な装置で水槽の排水口を自動的に開閉できる自動排水式受水槽を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、常時流入する水を貯水する水槽と、水槽の外側に配設されて水槽から流出するオーバーフロー水を貯留しオーバーフロー水の重力によって回動する重力懸垂容器と、オーバーフロー水の重力による回動の反対方向に重力懸垂容器を回動させるバランスウェイトと、重力懸垂容器の回動に応じて水槽の排水口を開閉する開閉装置とを有する自動排水式受水槽である。
【0008】
前記した発明においては、好適態様として、開閉装置が、重力懸垂装置に一端を連結しかつ他端に止水栓を取付けた鎖と、滑車とを有し、重力懸垂容器の回動に応じて鎖が滑車を介して止水栓を往復動させて排水口を開閉することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の自動排水式受水槽の例を示す側面図であり、排水口が閉じた状態を示す。図2はその平面図である。図1,2に示すように、本発明の自動排水式受水槽は、既設のタンク1内に設置して使用する。
自動排水式受水槽の水槽2には、常に水3が流入する。図1,2には水道の蛇口から水3が水槽2に流入する例を示したが、本発明では、常に水3を流入させて、水槽2内で水3が常時流動することによって、寒冷地における凍結を防止する。したがって、樋あるいはパイプ等を用いて湧き水や雨水を流入させて、本発明の自動排水式受水槽を使用することも可能である。
【0010】
排水口4は、止水栓5や止水弁6によって閉じられており、水槽2に水3が流入することによって、水槽2に貯水される水量が増加していく。なお図1,2には水槽2内に設ける止水栓5および水槽2の外側に設ける止水弁6を併用する例を示したが、必ずしも止水栓5と止水弁6を併用する必要はない。止水栓5または止水弁6のいずれか片方のみを使用することも可能である。水槽2内に貯水される水量や排水口4から排水される流速(すなわち水圧)に応じて適宜選択すれば良い。
【0011】
なお図1,2には、排水口4を水槽2の底面に設ける例を示したが、排水口4を水槽2の側面に設けても良い。排水口4を水槽2の底面に設ける場合は、止水弁6がタンク1底面と干渉しないように支柱18等を設ける。
水槽2内に貯水される水量が増加していくと、水槽2から水3が溢れ出る。水槽2の上部には、このようにして溢れ出る水(以下、オーバーフロー水7という)の流路8が設けられる。オーバーフロー水7は、流路8を通って重力懸垂容器9に貯留される。このとき、水槽2には常に水3が流入しているので、オーバーフロー水7も常に重力懸垂容器9に流れ込む。このようにして重力懸垂容器9に貯留されるオーバーフロー水7が増加していく。
【0012】
重力懸垂容器9は水槽2の外側に配設され、かつ回動軸10を中心にして回動可能に配設される。重力懸垂容器9を水槽2内に配設すると、重力懸垂容器9が回動する際に水槽2内の水3の抵抗を受けて十分に回動できないので、後述する排水口4の開閉に支障をきたす。したがって重力懸垂容器9は、水槽2の外側に配設する。
【0013】
重力懸垂容器9内のオーバーフロー水7が所定量を超えたときに、オーバーフロー水7の重力によって重力懸垂容器9が回動する。図1に示した例では、重力懸垂容器9は、回動軸10を中心にして反時計方向(すなわち左回り)に回動する。なお、重力懸垂容器9にはバランスウェイト11が取付けられており、バランスウェイト11の重量や取付け位置(すなわち回動軸10とバランスウェイト11との距離)を変更することによって、重力懸垂容器9を回動させるに要するオーバーフロー水7の量を調整できる。
【0014】
つまり重力懸垂容器9に貯留されるオーバーフロー水7の量を調整することによって、排水口4が開いて排水した後、再び排水口4が開いて排水するまでの所要時間(すなわちサイクルタイム)を調整できる。
したがってバランスウェイト11は、外面にネジを切った取付け軸にナット20を用いて固定するのが好ましい。その理由は、バランスウェイト11の重量の変更や取付け位置の変更が容易に行なえるからである。
【0015】
図3は、図1に示した重力懸垂容器が回動して、排水口が開いた状態を示す側面図である。
図3に示すように、重力懸垂容器9が回動軸10を中心にして反時計方向に回動することによって、ピン12を介して重力懸垂容器9に取付けられた棒材(以下、開閉シャフト13という)が上昇する。開閉シャフト13には止水栓5が連結されており、開閉シャフト13の上昇に伴って、止水栓5も上昇する。また開閉シャフト13には、止水弁6も連結され、開閉シャフト13の上昇に伴って、止水弁6が開く。このようにして水槽2に貯水された水3が、排水口4から排水される。
【0016】
重力懸垂容器9が回動すると、重力懸垂容器9に貯留されたオーバーフロー水7が重力懸垂容器9から排出される。その結果、バランスウェイト11の重力によって、重力懸垂容器9を回動軸10を中心にして時計方向(すなわち右回り)に回動させようとする作用が生じる。しかし、排水口4から排水される水3の圧力によって、止水弁6が排水口4を開いた状態に保持される。その結果、 開閉シャフト13に連結された止水栓5も排水口4を開いた状態に保持される。
【0017】
したがって、水槽2に貯水された水3が全て排水されるまで排水口4は開いた状態になる。水槽2から水3が全量排水されると、排水口4から排水される水3の圧力も解消する。その結果、 バランスウェイト11の重力によって、 重力懸垂容器9が回動軸10を中心にして時計方向に回動する。こうして重力懸垂容器9が、オーバーフロー水7を貯留する位置(すなわち図1に示す位置)に復帰する。
【0018】
ここでは、重力懸垂容器9が、オーバーフロー水7の重力によって反時計方向に回動し、バランスウェイト11の重力によって時計方向に回動する例について説明したが、本発明では重力懸垂容器9が回動する方向は限定しない。つまり重力懸垂容器9が、オーバーフロー水7の重力によって時計方向に回動し、バランスウェイト11の重力によって反時計方向に回動するように設定しても何ら支障はない。
【0019】
なお、重力懸垂容器9から排出されたオーバーフロー水7は、タンク1内で排水口4から排水される水3と合流して、それぞれの用途(たとえば清掃,水耕,水洗トイレ等)に使用される。
本発明では排水口4の開閉装置として、前記した通り、水槽2内に設ける止水栓5と水槽2の外側に設ける止水弁6を併用しても良いし、あるいは止水栓5または止水弁6のいずれかを単独で使用しても良い。図1〜3では、止水栓5と止水弁6を併用する例について説明した。
【0020】
排水口4の開閉装置として、水槽2の外側に設ける止水弁6を単独で用いる場合は、オーバーフロー水7の重力によって重力懸垂容器9が回動して、重力懸垂容器9からオーバーフロー水7から排出された後も、排水口4から排水される水3の圧力によって、排水口4を開いた状態が保持される。
しかし排水口4の開閉装置として、水槽2内に設ける止水栓5を単独で用いる場合は、オーバーフロー水7の重力によって重力懸垂容器9が回動して、重力懸垂容器9からオーバーフロー水7が排出された後、排水口4から排水される水3の流れに止水栓5が巻き込まれて、排水口4を閉じてしまう。
【0021】
そこで止水栓5を単独で用いる場合は、重力懸垂容器9からオーバーフロー水7が排出される所要時間を調整するのが好ましい。止水栓5は、図1〜3に示すように棒状の開閉シャフト13で吊り上げる構成にしても良いし、あるいは図4に示すように滑車14を介して鎖15で吊り上げる構成にしても良い。ここでは、止水栓5を単独で用いる場合について、図4に基づいて説明する。なお、 図4にはタンク1は図示していない。
【0022】
図4に示すように、止水栓5を単独で用いる場合は、重力懸垂容器9にオーバーフロー水排出孔16を設ける。オーバーフロー水排出孔16の大きさは、特定の寸法に限定しない。つまり、バランスウェイト11の重量や取付け位置あるいは水槽2に流入する水3の水量に応じて、重力懸垂容器9からオーバーフロー水7が所定の時間で排出されるようにオーバーフロー水排出孔16の大きさを適宜設定すれば良い。
【0023】
さらに、重力懸垂容器9の回動によってオーバーフロー水7が重力懸垂容器9から溢れ出るのを防止するために、天井板17を取付けるのが好ましい。
このようにして電力を消費せず、簡便な装置で水槽2の排水口4を自動的に開閉できる。しかも水槽2内で水3が常時流動しているので、寒冷地で使用しても凍結を防止できる。
【0024】
また、電気を使用しないので、電力費用は必要なく、しかも可燃性の溶剤,製粉,微粉炭等の洗浄や仕訳にも使用できる。
【0025】
【実施例】
図1〜3に示す本発明の自動排水式受水槽を、寒冷地の水洗トイレのタンク1内に設置した。水槽2には蛇口から水道水3が常時流入するようにした。
このようにして冬季の間、 自動排水式受水槽を使用した。その期間中に、水槽2や水道管の凍結は発生せず、しかも排水口4の開閉装置の故障は皆無であった。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、水の凍結を防止し、しかも電力を消費せず、簡便な装置で水槽の排水口を自動的に開閉できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動排水式受水槽の例であり、排水口が閉じた状態を示す側面図である。
【図2】本発明の自動排水式受水槽の例を示す平面図である。
【図3】本発明の自動排水式受水槽の例であり、排水口が開いた状態を示す側面図である。
【図4】本発明の自動排水式受水槽の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 タンク
2 水槽
3 水
4 排水口
5 止水栓
6 止水弁
7 オーバーフロー水
8 オーバーフロー水流路
9 重力懸垂容器
10 回動軸
11 バランスウェイト
12 ピン
13 開閉シャフト
14 滑車
15 鎖
16 オーバーフロー水排出孔
17 天井板
18 支柱
19 ガイド
20 ナット
Claims (2)
- 常時流入する水を貯水する水槽と、前記水槽の外側に配設されて前記水槽から流出するオーバーフロー水を貯留し前記オーバーフロー水の重力によって回動する重力懸垂容器と、前記オーバーフロー水の重力による回動の反対方向に前記重力懸垂容器を回動させるバランスウェイトと、前記重力懸垂容器の回動に応じて前記水槽の排水口を開閉する開閉装置とを有することを特徴とする自動排水式受水槽。
- 前記開閉装置が、前記重力懸垂装置に一端を連結しかつ他端に止水栓を取付けた鎖と、滑車とを有し、前記重力懸垂容器の回動に応じて前記鎖が前記滑車を介して前記止水栓を往復動させて前記排水口を開閉することを特徴とする請求項1に記載の自動排水式受水槽。
Priority Applications (1)
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JP2002314558A JP3781713B2 (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | 自動排水式受水槽 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002314558A JP3781713B2 (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | 自動排水式受水槽 |
Publications (2)
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Family
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Family Applications (1)
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