JP3779290B2 - 漆および植物繊維を用いた成形用材料、前記成形用材料を用いて得られる漆/植物繊維成形体 - Google Patents

漆および植物繊維を用いた成形用材料、前記成形用材料を用いて得られる漆/植物繊維成形体 Download PDF

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本発明は漆を用いた成形用材料、前記成形用材料を用いて得られる漆/植物繊維成形体に関する。
漆は漆の木から滲出した樹脂液であり、その主成分であるウルシオール(カテコール誘導体)は漆の中に含まれる微量の酵素(ラッカーゼ)の作用により常温/高湿度(15〜25℃)/65〜85%RH)で酸化重合して硬化する。漆塗工品である漆器においては、主として木質素材の表面にこのようにして形成された漆被膜が素地を保護しかつ固有の深みのある色調を呈するので、食器や家具・調度等の什器や工芸品等に用いられて来た。
しかし、漆塗工品の製造工程はたとえば素材としての木地に対する下地処理を含めて下塗り、中塗り、上塗り等多数の工程と乾燥時間を要しかつ高度の熟練を必要とする作業である上、原料の漆自体が高価である。また漆器の素材として用いられている木はたとえば食器等の場合必ずしもその加工形態が量産に適しておらず、漆器の生産規模およびそれらの用途が限定されている。さらに、漆の塗工作業は作業者に対してウルシオールによるアレルギー反応に起因する皮膚疾患(漆かぶれ)を生じさせる。
近年量産品としての一般の食器の素材には圧縮成形加工に適したフェノール樹脂やユリア樹脂、ポリカーボネート等の石油合成材料が用いられているが、これらの材料には人体に有毒な成分を放出したり、又は環境ホルモンを溶出させる疑いのあるものもあり、その使用が社会的問題となっている。したがって、これら食器等の素材として天然資源である漆および木材その他の植物繊維材料を用い、外観や品質の点で従来の漆器に相当する量産品を得ることのできる加工技術の開発が漆の用途の拡大および関連産業の発達に有用であると考えられる。
特公昭56−27394号公報 特開昭58−104947号公報
特許文献1には「漆液を木綿等に含浸乾燥させて粉砕した乾漆粉と成形用樹脂とを混合し加熱圧縮成形した漆器素地の製造方法」が開示されており、漆液と木綿(漆の濾過に用いた綿布の廃棄物)の併用によりコストが低減されかつ金型成形による量産の可能なことが記載されている。しかし、この場合、水分を含む漆液と木綿から自然乾燥によって得られた粉末混合物をそのまゝ用いているので、高圧高温での金型による加熱圧縮成形の作業が必ずしも容易ではない。またこのようにして得られた漆液の混合粉末には依然としてウルシオールの活性基が残存しているため保存安定性に欠け、量産に用いる場合品質にばらつきを生じてその管理が困難であり、かつ得られた成形品は強度や耐水性等の品質の点で充分ではない。さらに輸送、保存や成形工程においてこれらに携わる多くの作業者に漆かぶれを生じさせる危険性がある。特許文献2には「漆を20〜40容積%含有し、残部が木粉から成る混合物を資材として、任意の形状に加熱加圧成型した漆器素地」が記載されている。しかし、特許文献1と同様漆と木粉との混合物がそのまゝ成形機に用いられるので成形材料の品質のばらつきや漆かぶれの恐れなとについて問題は解消されていない。
本発明の課題は従来、漆器としての食器や什器等の塗装加工に用いられている漆の用途を更に拡大し、かつ化学物質による人体への影響や環境汚染のおそれのない天然素材のみを用いて前記量産品を提供することにあり、特にこれらの目的に適した安定で取扱いの容易な成形用材料およびこの材料を用いた成形品を提供することにある。
前記本発明の課題は、漆と植物繊維とを 1:9〜6:4の重量比で配合して混練し、攪拌しながら90〜180℃の温度で30〜120分加熱してウルシオールを部分的に熱重合させ、次いで生成物を粉砕して常温で乾燥状態にある圧縮成形可能な粉末とすることにより得られる成形用材料(請求項1)によって達成される。
また本発明においては、前記請求項1記載の粉末状の成形用材料を金型内において120〜180℃の温度および15〜40MPaの圧力により加熱下で圧縮成形することにより、漆/植物繊維からなる成形体が得られる(請求項3)。
本発明においては漆と植物繊維との前記所定の比率の範囲内での配合物を前記範囲内の温度と時間で混練することによりウルシオール単量体が部分的に熱重合して硬化する。この状態では漆中のラッカーゼが失活しこれを粉砕して得られる成形用材料の粉末は湿気等に対して安定であり、常温で指触乾燥した状態にある。したがってこの成形用材料は保存、取扱いが容易で成形工程に対して常に一定の品質の材料を供給することができる。尚植物繊維は微細化した粉末を用いることが好ましく(請求項2)、これによって漆が均一かつ充分に浸漬した均質な混練物が得られる。
またこの成形用材料を用いて金型内で加熱下に圧縮成形を行なう際にはその取扱いや金型への充填作業が極めて容易であり、かつ、コンパウンドがその調製工程で充分に乾燥されかつウルシオールの重合硬化反応がすでに部分的に進行しているため加熱時の成形が円滑に進み、また成形時間を短縮して量産性が向上する。さらに、成形用材料の調製の加熱でラッカーゼが実質的に失活しているので、漆/植物繊維からなる成形用材料の取扱い、および成形加工時にこれらに携わる作業者、あるいは成形製品の使用者に漆かぶれを生じさせるおそれがない。
このようにして得られた成形体は強度、耐水性等の点で充分な特性を有し、そのまゝでも用いることができるが、その表面にさらに漆の塗装加工を施すことにより従来の漆器と同様な美観や耐水性を有する食器や什器を得ることができる(請求項4)。この場合成形体を構成する一方の主成分が漆であるため、仕上げの際の漆塗りと素材のなじみが極めて良く、従来の漆器における繁雑な下地工程を省略することができる。また得られた成形体をさらに加熱処理することにより硬化がより完全になって耐水性等の品質が向上する(請求項5)。
本発明の成形用材料は漆と植物繊維との混練配合物(以下漆/植物繊維コンパウンドという)からなり、主成分としての漆と植物繊維との組合せにより最終生成物としての成形体が天然の植物繊維(たとえば木質素材等)の感触を備えたものとなる。植物繊維としては、たとえば木質繊維の場合、スギ、ヒノキ、ツガ、キリ、マツ、スプルース等の一般的な樹種のセルロースが対象となり、また木質素材以外にもタケやアシ、綿等の植物性繊維を含むものゝ使用も考えられる。植物繊維粉末の粒度としては10〜120メッシュのものが適している。植物繊維はたとえば摩砕機により微細化したものではフィブリル化した繊維となり、混練時に漆が容易に滲透して均一な漆/植物繊維コンパウンドが得られる。
漆と植物繊維との配合比は重量比で1:9〜6:4である。
漆/植物繊維の重量比がこの範囲以下だと、圧縮成形して得られた成形体の強度が低く、耐水性の点で問題が生じ、この範囲以上では植物繊維へ含浸した漆以外の漆量が多くなり、それらが植物繊維どうしを凝集させ大きな固まりを作って成形材料として使えないものが多くできてしまい収率が悪くなる。
本発明においては前記混練物を90〜180℃の温度で30〜120分加熱することによりウルシオールに部分的な熱重合を生じさせてコンパウンドを乾燥硬化させる。漆と植物繊維を混練したまゝの状態では漆中の酵素であるラッカーゼがウルシオールに作用して酸化重合を生じるが(図1)、その度合いは漆液の品質や温度/湿度、保管時間によって異なり、成形に用いる際の漆/植物繊維コンパウンドの品質にばらつきが生じる。このコンパウンドを例えば120℃、90から120分に加熱するとラッカーゼは失活して作用しなくなり、代わって熱重合によりウルシオールのキノンの側鎖が重合し(図2に示すようなディルス・アルダ型付加反応が考えられる)、これによってコンパウンドが硬化乾燥する。
漆のラッカーゼは90〜180℃の温度では失活して硬化に関与せず、乾燥温度ー完全硬化時間については熱重合が支配的となる。たとえば図2のグラフに示すようなほゞ一定の関係が認められた。漆と木質繊維のコンパウンドは、たとえば120℃では240分で完全乾燥を与えるが、120分乾燥させたものは常温で指触乾燥しており、成形の際の圧力と温度では流動性を発現する。
漆/植物繊維コンパウンドを調製する際の加熱処理温度は90〜180℃であり、この温度範囲以下だと熱による重合が発現せず、またこの温度範囲以上だと反応が速すぎてコンパウンドの品質が安定せず反応による発熱により発火する場合がある。加熱処理時間は30〜120分で常温にしたときに指触乾燥し始める時間とし、加熱温度、漆と混合する植物繊維の種類、粒度、性状により適切な時間を選択する。ラッカーゼは約80℃で失活しているので前記の加熱処理温度では実質的に失活し、かつ成形用材料の取扱い時に漆かぶれを生じるおそれがない。
このようにしてえられた漆/植物繊維コンパウンドからなる成形用材料は任意の形状の金型による圧縮成形のための原料として用いられる。本発明の成形用材料としての漆/植物繊維コンパウンドは常温で指触乾燥状態を示す粉末状であって容易に金型に充填することができ、金型内での加熱、加圧状態では流動化して粘性を再現する。さらにコンパウンドは製造過程で充分に乾燥されているので加熱圧縮による成形は水分の影響を受けずに円滑に進行し、その結果空隙のない均一で緻密な成形体が得られる。
漆/植物繊維コンパウンドはその調製工程で漆がすでに部分的に硬化されているので金型での成形時間はその分短縮され成形工程は比較的迅速に行われる。この場合のコンパウンドの圧縮成形条件はたとえば成形温度120〜180℃、成形圧力15〜40MPa、成形時間15〜30分である。
成形温度が180℃以上だと十分な圧力が発現する前に漆/植物繊維コンパウンドの硬化が進んでしまい、目的の成形体が得られない場合がある。また、成形時のガス発生のため成形品の外面にふくれ、あるいは内部に巣を生じる。120℃以下だと、硬化不良が発生しやすく、成形時間がかかりすぎる。成形圧力は、15MPa以下だと金型のキャビティのすみずみまで材料がゆきわたらなかったり、厚肉の成形品では内部に巣ができたりする。また、40MPa以上だと離型が悪くなって取り出しにくくなったり、金型の変形を引き起こしやすくなる。成形時間は、最小時間の設定条件として離型可能であり、離型後に変形しないこととした。圧縮成形完了後の成形体は離型後更に加熱処理を施して完全硬化させることが好ましい。この時の熱処理条件は、たとえば加熱温度180℃、30〜120分程度とする。
このようにして得られた成形体は、たとえば植物繊維として木質繊維を用いた場合木質素材の感触を備えたものとなり、そのまゝでもたとえば什器や各種の工業材料として用いることができるが、美観や耐水性の向上が必要な用途によってはさらにその表面に漆の塗装加工を施すことが好ましい。この場合、成形体の原料としての漆/植物繊維コンパウンドの一方の主成分が漆であるため、漆塗りの際のコンパウンド素材とのなじみが極めて良好で従来の塗装加工における種々の下地工程を省略することができる。
さらにこのようにして得られた成形体に最終的な加熱処理を施すと、漆塗工膜が完全に硬化して下地との密着性が向上し、かつウルシオールの活性基が消失してユーザに対する漆かぶれのおそれがほとんどなくなるものと考えられる。得られた成形体はたとえば食器としてのユリア樹脂やフェノール樹脂について規定されたJIS基準の曲げ強度や耐熱性に匹敵し又はそれを上回る特性を有しており、実際の使用に充分なものである。
以下本発明の実施例を成形用材料の調製方法およびこの方法によって得られらた成形用材料を用いて圧縮加熱成形により成形体を製造する工程について説明する。
漆/植物繊維コンパウンドの調製
(木質繊維)
本実施例においては植物繊維の素材としてスギの平均粒度100メッシュのものを用いた(市販品および摩砕機で微粒子化したもの:以下木質繊維)。
(漆液)
前記木質繊維と混合して漆/木質繊維コンパウンドを得るための漆液としてはウルシオール63.9%、ゴム質9.7%、全窒素物0.7%および水分25.7%の組成を有する中国産生漆を用いた。
前記漆/木質繊維を下記の配合比(重量比)で混合し、自動乳鉢中で約20分間充分に混練し、次いで熱風乾燥炉中で120℃で90分間(5〜10分間隔毎で攪拌)加熱乾燥した。乳鉢で微粉化した後ふるい分けにより50〜350μmの漆/木質繊維コンパウンドとした。
(漆/木質繊維混合比)
(1)0.5:9.5; (2)1:9; (3)2:8; (4)3:7;
(5)4:6; (6)5:5; (7)6:4((1)は発明範囲外)。
混練により漆は充分に木質繊維中に浸透し、また加熱によって漆/木質繊維コンパウンド中のウルシオールが熱重合し、途中段階まで硬化することによりコンパウンドは常温で指触乾燥状態を示した。ウルシオール単量体の加熱による重合によって二重結合が消失していることがIR測定およびアセトン溶出試験によって示された。
(漆かぶれテスト)
本発明の漆/木質繊維コンパウンドはその製造過程でウルシオールの熱重合による硬化がある程度進行しているため、たとえば大気中で保存しても経時変化が少なく安定しており、また漆かぶれを大幅に低減できるものと考えられるが、これを下記テストにより実証した。
生漆と木質繊維の1:1混練物をそのまゝで用いたもの(A=比較材料)およびさらに120℃で90分処理したもの(B=本発明の成形用材料)をパッチテスト用粘着テープに夫々所定量値を同一被験者の下腕の内側の異なる2ケ所に貼りつけて8時間放置し、その後テープをはがして貼った箇所を観察したところ、Aの貼着部分では中央に漆が付着してその周囲の皮ふに赤いかぶれが認められ、一方Bの貼着部分には全くかぶれが見られなかった。
コンパウンドの金型圧縮成形工程
このようにして得られた本発明の漆/木質繊維コンパウンドを金型により圧縮成形した。この実験では直径100mm円形平板作成用金型により成形した。前記コンパウンドを常温の金型に所定量入れ、成形温度140℃、成形圧力25MPaで25分間の圧縮成形を行なって成形品を金型から取出した。成形中、加熱温度を段階的に上昇させ各段階毎に型内のガス抜きを行ないながら成形したが、成形は極めて円滑に行なわれ、水分等の蒸発に起因するボイドのほとんどない緻密な成形体が得られた。さらに金型から取り出した成形体は熱風乾燥炉で120℃、120分加熱して完全硬化させた。このようにして得られた成形品の試験結果を表1および表2に示す。この成形体の曲げ強度は漆や木質繊維の種類、木質繊維の製造方法、木質繊維粒度等を選択することによりJIS規格における食器用樹脂材料の曲げ強度値をほゞ満足するものであった。
表1 曲げ強度
Figure 0003779290
表2 温水浸せき試験(60℃温水3時間)
Figure 0003779290
またこの成形体の耐熱性を検討するために熱重量測定を行なったところ、図4のグラフに示すように、その熱分解開始温度は食器用ユリア樹脂に比べて47℃高く、耐熱性にすぐれていた。またその熱分解開始温度は300℃に近く充分実用性のあるものと考えられる。
尚前記成形体は用途によっては金型成形した状態でもそのまゝ用いることができるが、その表面に更に仕上げの漆塗りを施してもよい。この場合、素地の主成分の一つが漆であるため漆塗りとのなじみが極めて良く、従来の木地上への漆塗りの場合のような多くの下地処理を省略して、直接下塗り、中塗り、および上塗りを施すことができる。さらに素地が従来の漆器のように木の素材ではないので漆塗り後に更に加熱処理を施すこともでき(150℃/3分)、それによって漆膜をより完全に硬化させることができかつ製品ユーザの漆かぶれを解消させることができる。
比較例
本発明の成形体材料である漆/植物繊維コンパウンドの特色はこの混練物を加熱してラッカーゼを失活させまた漆中のウルシオールを熱重合させて少なくとも部分的に予め硬化乾燥させた点にある。これによって品質が安定し、取扱いが容易で金型成形加工に適した材料が得られる。
以下このような漆/木質繊維コンパウンドからなる本発明の成形用材料と加熱処理を伴わない漆/木質繊維混合物からなる成形用材料とから同一条件で成形された夫々の成形体の特性を比較して示す。調製材料としての漆および木質繊維(配合比1:1)、調製条件、ならびに成形用材料の成形条件は実施例と同様である。
本発明の成形用材料を用いた成形では成形が円滑に進行したが、非加熱の比較成形用材料では漆が金型内面から滲み出しまた金型内面に付着して成形性に問題があり、かつ離型時に十分な硬度に達していなかった。
また成形品の試験では表3に示すように非加熱の成形用材料を用いた成形品では曲げ強度、膨脹率、吸水率等の物性が本発明による成形用材料による成形品に比較して不充分であった。
表3 曲げ強度
Figure 0003779290
本発明の成型用材料は漆および植物繊維を素材とする成形品の量産に適した材料として用いられ、それによって得られる成形品はそれ自体でまた漆塗装加工の容易な素地としての用途を有する。
ウルシオールのラッカーゼによる酸化重合過程を示す図である。 ウルシオールの加熱による重合効果過程を示す図である。 漆の乾燥温度をと完全硬化時間の関係を示す図である。 成形体の熱重量測定の結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 漆と植物繊維とを 1:9〜6:4の重量比で配合して混練し、攪拌しながら90〜180℃の温度で30〜120分加熱してウルシオールを部分的に熱重合させ、次いで生成物を粉砕して常温で乾燥状態にある圧縮成形可能な粉末とすることにより得られる成形用材料。
  2. 前記植物繊維が10〜120メッシュの粒度の粉末である請求項1記載の成形用材料。
  3. 漆と植物繊維とを 1:9〜6:4の重量比で配合して混練し、攪拌しながら90〜180℃の温度で30〜120分加熱してウルシオールを部分的に熱重合させ、次いで生成物を粉砕して常温で乾燥状態にある圧縮成形可能な粉末とし、前記粉末を所定の形状の成形金型内で120〜180℃の温度および15〜40MPa圧力により圧縮成形して得られる漆/植物繊維の圧縮成形体。
  4. 前記圧縮成形体の表面に漆を塗工した請求項3記載の漆/植物繊維の圧縮成形体。
  5. 前記圧縮成形体をさらに加熱してウルシオールを完全硬化させた請求項3又は4記載の漆/植物繊維の圧縮成形体。
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