JP3779070B2 - Method for producing multilayer gelled food - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層ゲル化食品の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、少なくとも二の原料液を別個に調製し、これらを混合してなるゲル化食品を、容器の下層に配置し、上層には他の食品を配置した容器入りの多層ゲル化食品を製造する方法であって、下層に配置したゲル化食品を固化させる際のエネルギ−負荷が少なく、製造装置の投資コスト、ランニングコストを安価にできる製造方法に関する。
【0002】
尚、本発明において「一充填量」とは、容器1個に充填されるべき量を意味する。
【0003】
【従来の技術】
従来、ゼリ−、プリン等、種々のゲル化食品が市販されているが、これらのゲル化食品は、例えば、ゲル化剤を含む複数の原料を溶解水に溶解し、必要があれば均質化処理等を行った後に殺菌し、冷却し、ゲル化温度よりも10℃以上高い温度に保持し、高い温度で保持した流動状のゲル化食品を容器に充填し、充填した容器を冷却し、冷却した流動状のゲル化食品を固化してゲル化食品となす手順で製造されている。
【0004】
また、ゲル化食品の中には、味覚、色彩等が異なった複数の食品を一の容器に層状に充填した多層ゲル化食品も知られている。このような多層ゲル化食品の製造方法としては、各層に配置される食品の比重差を利用して多層状に形成する技術の他、最初に下層を充填し、冷却固化させてゲル化食品となし、その上から他の食品を充填する技術(例えば、特開昭48−72362号公報等。)が知られている。
【0005】
以上の各製造技術においては、流動状のゲル化食品を、ゲル化温度以上の極めて高い温度に保持し、その極めて高い温度で容器に充填し、その後に冷却する点において共通している。
【0006】
即ち、ゲル化食品を容器に充填するためには、ゲル化食品は流動状でなければならず、ゲル化食品を流動状に維持するためには、温度をゲル化温度以上、望ましくはゲル化温度よりも10℃以上高い温度に維持する必要があるのである。従って、高温の流動状ゲル化食品を充填した後は、温度がゲル化温度以下にになるまで冷却することが不可欠であり、この冷却の条件によって流動状のゲル化食品が固化するまでの時間が決定される。
【0007】
従来、高温の流動状のゲル化食品を充填し、のち温度−10〜5℃の冷蔵庫に移送し、0.5〜1時間を要して固化することが一般的であった。従って、例えば、流動状ゲル化食品を充填した容器を移送し、連続的に冷却トンネルを通過させて冷却する場合には、長大な冷却トンネルが必要となり、設備が大規模となり、広大な設置スペ−スを要し、投資コスト及びランニングコストが増加するという問題があった。
【0008】
従って、前記従来の多層ゲル化食品を製造する方法にあっては、最初に高温で流動状のゲル化食品を容器に充填し、のち大規模な冷却手段により冷却し、長時間かけて十分に固化させた後に、他の食品を充填するという手順で行われていた。即ち、多層ゲル化食品を製造する場合には、冷却工程のエネルギ−負荷が甚大である点が、極めて大きな問題となっていたのである。
【0009】
一方、従来から、流動状のゲル化食品が固化するまでの時間を短縮して冷却工程の負荷を軽減させる技術は種々提案されている。これらの技術は、基本的には、流動状ゲル化食品を容器に充填した時点において、流動状ゲル化食品の温度を可及的に低い温度とするものである。
【0010】
例えば、特許第2713732号公報には、ゲル化剤を含有するA液とゲル化剤を含有しないB液とを別個に調製し、混合した後に容器に充填する技術が開示されているが、この技術においては、A液に10℃以下の温度の冷却水を混合し、これによってA液をゲル化温度まで冷却し、ゲル化させながら容器に充填するのである。ゲル化剤を含有しないB液は、別途、10℃以下に保冷した上で容器に充填する(以下、この技術を従来技術1と記載する。)。
【0011】
また、特開平6−327421号公報には、ゲル化温度以上に保持した流動状ゲル化食品を、ゲル化温度以下に冷却し、冷却した流動状ゲル化食品を機械的に撹拌し、この機械的撹拌によってゲル化を抑制しながら、容器に充填する技術が開示されている(以下、この技術を従来技術2と記載する。)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、容器に充填する前の段階で流動状ゲル化食品を低温にした場合には、充填前にゲル化が進行し、充填ノズルの中で固化し、充填することが不可能になるという不都合が常に伴っている。
【0013】
前記従来技術1にあっては、この不都合に対する対処が何もなされておらず、仮に連続的な製造ラインに前記従来技術1を適用したとすれば、製造ラインが一時停止した場合には、充填装置の内部で流動状ゲル化食品が固化してしまう可能性がある。従って、前記従来技術1は、工場規模での製造に適用することは困難であった。
【0014】
また、前記従来技術1にあっては、ゲル化剤を含有するA液に対して冷却水を混合するため、別途、衛生的な冷却水を準備する必要があり、衛生管理、洗浄性、ランニングコストの面で不利になる傾向にあった。
【0015】
更に、前記従来技術1にあっては、ゲル化温度にまで冷却したA液を容器に充填し、この容器にB液を充填して容器の中で混合するため、既にゲル化が開始したA液に対してB液を均一に混合することが困難となり、容器の中で製品の品質に均一性を欠く傾向にあった。
【0016】
前記従来技術2にあっては、前記従来技術1と同様の問題があり、製造ラインが一時停止した場合には、装置の内部で流動状ゲル化食品が固化する可能性がある。
【0017】
また、前記従来技術2は、ゲル化を機械的撹拌によって抑制するものであるが、機械的撹拌はエネルギ−消費が甚大であるためランニングコストが高価となり、稼働部分が多いため交換部品の数が増加し、保守管理が複雑化する問題があった。更に、ゲル化を開始した製品に機械的撹拌を加えることは、ゲル化を開始したゲルを粉砕することになるため、同様に製品の品質が低下する欠点があった。
【0018】
結局、多層ゲル化食品の製造工程において、冷却の負荷を軽減することが緊急の課題でありながら、前記従来技術1及び従来技術2は各々問題点が多いために多層ゲル化食品の製造に適用することは困難であった。
【0019】
本発明の目的は、多層ゲル化食品の製造にあって下層を固化させる際の冷却工程の負荷を軽減し、更に冷却工程自体を省略することをも可能となし、しかも製品の品質が高く、装置の投資コスト、ランニングコストが安価な多層ゲル化食品の製造方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は、別個に調製した複数の原料液を混合してなるゲル化食品を下層に充填し、上層に他の食品を充填した容器入りの多層ゲル化食品を製造する方法であって、前記複数の原料液の一の液にゲル化剤を含有させ、他の液に前記ゲル化剤のゲル化を触発させる成分を含有させて別個に調製し、調製した各原料液の一充填量を計量して混合し、混合液をゲル化温度以下の温度に調整し、調整した混合液を前記混合後5秒以内に容器に充填し、固化し、固化した混合液の上に前記他の食品を充填し、多層ゲル化食品を形成することを特徴とする多層ゲル化食品の製造方法、である。
【0021】
また、前記本発明は、混合液の温度の調整が、混合液のゲル化温度よりも0〜15℃低い温度に調整されること(以下、第一の態様と記載する。)、混合液の温度が、次式
T = (t1×x + t2×y)/100
[ただし、上式において、Tは混合液の温度、t1は一の液の温度、t2は他の液の温度、xは一の液の混合割合(%)、yは他の液の混合割合(%)を表す。]により算出される温度に調整されること(以下、第二の態様と記載する。)、固化が、実質的に冷却装置を使用せずに行われること(以下、第三の態様と記載する。)、ゲル化剤が、κ−カラギナン、ι−カラギナン、ロ−メトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、及びロ−カストビンガムからなる群より選択される1種又は2種以上の物質であること(以下、第四の態様と記載する。)、前記ゲル化剤のゲル化を触発させる成分が、κ−カラギナンに対してはカリウムであり、ι−カラギナン、ロ−メトキシルペクチン、及びアルギン酸ナトリウムに対してはカルシウムであり、ジェランガムに対してはカルシウム又は酸であり、ロ−カストビンガムに対してはキサンタンガムであること(以下、第五の態様と記載する。)、及び、ゲル化剤が、ι−カラギナン、ロ−メトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、及びジェランガムからなる群より選択される1種又は2種以上の物質であり、ゲル化剤のゲル化を触発させる成分がカルシウムであること(以下、第六の態様と記載する。)を望ましい態様としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、多層ゲル化食品の製造方法である。この多層ゲル化食品は、下層にゲル化食品を配置し、上層に他の食品を配置したものである。この場合、上層に配置する食品は、下層とは色彩、風味、食感等が異なるゲル化食品であっても良いが、必ずしもゲル化食品に限られるものではなく、例えば、果実、さのう、野菜、その他の固形物等を含有する食品でも良く、またジャム、マ−マレ−ド、シロップ等の流動物でも良く、また木の実、チョコレートのチップ等の乾燥固形物をトッピングしても良く、更にクリ−ム等のホイップ食品等であっても良い。
【0023】
また、多層ゲル化食品は、二層に限られるものではなく、三層以上の層を形成しても良く、また一つの層に多種類の食品を配置したものであっても良い。
【0024】
本発明は、下層に配置するゲル化食品に関しては、少なくとも二の原料液を別個に調製する。即ち、少なくとも、ゲル化剤を含有する一の液と、ゲル化剤のゲル化を触発させる成分を含有する他の液とを別個に調製するのである。尚、本発明においては、このゲル化剤のゲル化を触発させる成分を「ゲル化触発成分」と記載することがある。
【0025】
本発明においては、三以上の原料液を調製しても良いことはいうまでもないが、以下の説明においては、説明を容易にするために、便宜上、一の液と他の液との二種類の原料液を調製する場合を説明する。
【0026】
この場合、一の液には、市販のゲル化剤を含有させることができる。ただし、ゲル化剤は、別途ゲル化触発成分が混合された場合にのみ、ゲル化が開始するゲル化剤に限られる。
【0027】
例えば、ゲル化剤の中でもκ−カラギナンは、カリウムが混合された際にゲル化が開始されるが、この場合は、一の液にはκ−カラギナンを含有させ、他の液にはカリウムを含有させるのである。両者が混合された場合に、κ−カラギナンのゲル化が開始される。尚、この場合、κ−カラギナンを含有する液には、ゲル化触発成分であるカリウムは含有させないことが必要である。
【0028】
このような一の液は、ゲル化剤の1種類以上と、必要であれば増粘多糖類の1種類以上とを水に分散させ、加温して溶解し、必要であれば殺菌及び冷却を行ない、できればゲル化温度よりも低い温度に調整して保持する。この液には、必要に応じて、甘味料、野菜汁類、果汁類、酸味料、色素、香料等を配合することができる。
【0029】
これに対して、他の液は、前記ゲル化剤にゲル化触発成分を添加して調製する。例えば、前記各ゲル化剤に各々対応してゲル化触発成分を他の液に添加する。このようなゲル化触発成分としては、例えば、カリウム、カルシウム、酸、キサンタンガム等を例示することができる。
【0030】
また、他の液は、果汁、ミルク、コ−ヒ−、その他、野菜、果実、藻類及びそれらの加工品からなる固形物、甘味料、野菜汁類、酸味料、色素、香料等、各種ゲル化食品の種類を決定する添加物を含有させることができる。また、粘度調節のために、増粘多糖類を溶解した溶解液を調製し、この溶解液の所定量を混合することができる。
【0031】
そして、他の液に、ゲル化触発成分としてカルシウム、酸、カリウム等を含有させる場合は、このような成分は、各種の原料、例えば、各種の乳製品、卵製品、穀類製品、果汁果肉製品、野菜類等に由来する天然の成分をもって充当しても良い。また、食品添加物として認められている各種の有機又は無機の塩、酸を添加して充当することもできる。
【0032】
前記有機又は無機の塩、酸としては、例えば、カルシウムであれば、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、燐酸カルシウム等を例示できる。また、酸としては、クエン酸、グルコン酸、酢酸、リンゴ酸、炭酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、燐酸、フマ−ル酸等を例示することができる。更に、カリウムとしては、炭酸カリウム、燐酸カリウム、酒石酸カリウム等を例示できる。これらの添加物は、市販のものを利用することができる。
【0033】
このような他の液は、各種原料を水に添加し、加温して溶解させ、必要があれば殺菌及び冷却を行なうとともに、この分散液とは別に、増粘多糖類の1種類以上を水に添加し加温して溶解させた溶解液を調製し、この溶解液を混合して調製しても良い。また、増粘多糖類の溶液を混合した後にその他の原料を添加してもよい。
【0034】
ゲル化剤の配合量は、一の液と他の液との混合液に対しては0.1〜1.2%(重量。以下、特に断りのない限り同じ。)程度とすることができる。
【0035】
本発明の多層ゲル化食品の製造方法においては、最初に、前記のとおり調製された一の液と、他の液とを別個に保持しておく。一の液は、ゲル化剤を含有するものであるが、ゲル化触発成分を含有していないため、低温で保持してもゲル化が始まることがない。
【0036】
この一の液及び他の液の保持においては、次の工程に備え、厳密に温度を調節することが望ましい。即ち、次の工程では一の液と他の液とを混合するが、混合後の混合液がゲル化温度よりも低い温度に調整するためである。そして、混合液の温度は、常に一定であることが好ましいので、前記一の液及び他の液を保持する際の温度を、混合液の温度がゲル化温度よりも低い一定の温度になるように、予め温度を調節しながら保持することが望ましい。
【0037】
尚、一の液又は他の液を保持するべき温度が、常温以下である場合は、各々冷却することもできる。
【0038】
このように保持した一の液及び他の液を、各一充填量つづ計量して混合する。前記のとおり「一充填量」は、容器1個に充填されるべき量である。即ち、一の液と他の液とを混合した後の量が容器1個に充填される量と一致するように一の液と他の液とを計量し、混合するのである。
【0039】
このように「一充填量」づつ計量して混合する手段としては、定量ポンプ、特にピストン式のシリンダ−ポンプ(例えば、図1の130、230参照)を採用することが望ましい。ピストン式のシリンダ−ポンプであれば、ピストンの一回の稼働により一の液又は他の液を計量して送液することができる。この場合、1回の計量は5〜200mlの範囲で調節できる機能を有する装置が望ましい。
【0040】
具体的には、例えば、ピストン式のシリンダ−ポンプの吐出側に、送液された一の液と他の液とを混合して一充填量の流動状のゲル化食品となす合流管路(例えば、図1の301参照)を備えれば、ピストン式のシリンダ−ポンプにより計量された一の液と他の液とは混合されて、混合液(流動状のゲル化食品)となる。
【0041】
一の液と他の液とを混合した後の温度は、ゲル化温度以下の温度に調整するが、この調整は、予め一の液と他の液とを保持する際の温度を調整することにより行うことが望ましい。
【0042】
混合後は、一の液に含有されているゲル化剤は、他の液のゲル化触発成分と混合されることになり、ゲル化が開始される。ただし、混合した直後においては、混合液は尚も十分な流動性を有している。
【0043】
混合液は、混合後5秒以内に一つの容器に充填する。混合液は、混合された後には直ちにゲル化が開始されるので、混合後は遅滞なく充填するのである。混合された液の量は一充填量であるから、一つの容器に全量を充填することができる。
【0044】
尚、混合した後、充填するまでの間に、混合液を撹拌して均一にする工程を設けることもできる。この場合は、静止型混合器(例えば図1の300参照)を使用することが望ましい。
【0045】
従来の製造方法では、ゲル化食品をゲル化温度よりも10℃以上も高い温度に保持し、この温度で充填していたが、本発明の製造方法によれば、容器に充填されたゲル化食品の温度は、ゲル化温度よりも低い温度範囲である。従って、充填後の容器の中では、素早く流動状のゲル化食品が固化し、冷却工程の負荷を軽減することができる。このため、工場規模の製造において、充填後の容器を冷却するための冷却手段を使用する場合には、能力が小さいもので済み、投資コスト及びランニングコストを軽減することができる。
【0046】
尚、冷却手段は、連続式でも回分式でもいずれでも良く、方法としては、例えば、液体窒素、ドライアイス等によって急速冷却を行なうこともできるが、各種の冷蔵庫、冷却トンネル等を利用することが望ましい。
【0047】
前記従来技術1及び従来技術2においては、製造ラインが一時停止した場合、充填装置の内部でゲル化食品が固化する可能性があった。しかしながら、本発明においては、一の液と他の液とを混合する際には、それぞれの一充填量を混合し、しかも混合した液は、5秒以内に一つの容器に全量を充填するため、混合液が充填装置の内部に滞留することがない。従って、仮に製造ラインが一時停止したとしても、充填装置の内部でゲル化食品が固化する可能性は皆無である。
【0048】
また、本発明の製造方法は、前記従来技術1のようにゲル化剤を含有する液に対して冷却水等を添加することがないため、充填装置の構造を単純化でき、また冷却水の衛生に注意を向ける必要がなく、工程管理も容易である。
【0049】
更に、本発明の製造方法は、一の液と他の液とを混合した後に容器に充填するため、容器の中では一の液と他の液とが均一な状態になっている。従って、固化した後も成分が均一な製品となるため、品質を高く維持することができる。また、前記のとおり混合後、充填するまでの間に、混合液を撹拌する工程、例えば静止型混合器を挿入すれば、混合液を更に均一にすることができる。
【0050】
また、本発明の製造方法は、前記従来技術2のように、機械的に撹拌する装置が不要であるため、撹拌に要するエネルギ−消費、保守管理、投資コスト、ランニングコストの負担が少ない。またゲル化を開始したゲルを粉砕することがないため、高い品質のゲル化食品を得ることができる。
【0051】
以上のとおり、本発明では、容器に充填した混合液を、容器ごと冷却し、固化させれば、ゲル化食品が下層に配置されることになる。
【0052】
尚、容器の内容積に対する下層のゲル化食品の量は少なめにし、他の食品を充填するための空間をゲル化食品の上に確保することが望ましい。
【0053】
このようにして、ゲル化食品を容器の下層に配置し、次いで、このゲル化食品の上に、他の食品を充填するのである。他の食品を充填した後は、当該他の食品に応じた追加の工程を行なうこともできる。例えば、上層に配置した「他の食品」がゲル化食品である場合には、冷却工程を行い、上層に配置した「他の食品」が冷菓であれば、凍結硬化する工程を行なう等である。
【0054】
上層に配置した「他の食品」を充填した後、更に別な「他の食品」を充填し、層の数を増加することもできる。尚、全ての層の充填が終了した後には、通常、容器に蓋をして密封する。
【0055】
本発明の望ましい第一の態様は、充填の工程において、各原料液を混合した後の混合液の温度を、ゲル化温度よりも0〜15℃低い温度に調整することである。前記したように、混合液は、ゲル化温度以下の温度に調整されるが、この場合には、特にゲル化温度よりも0〜15℃低い温度が望ましいのである。
【0056】
後記試験例4に明示したように、この温度範囲に調整すれば、最良の品質の多層ゲル化食品を得ることができるのである。
【0057】
本発明の望ましい第二の態様は、混合液の調整が、特定の式に基づいて行われることである。
【0058】
前記したように混合液は、容器に充填した際に、ゲル化温度以下の温度に調整するが、混合液の温度は、一の液の温度及び他の液の温度、並びに混合液の温度から次式
T = (t1×x + t2×y)/100
[ただし、上式において、Tは混合液の温度、t1は一の液の温度、t2は他の液の温度、xは一の液の混合割合(%)、yは他の液の混合割合(%)を表す。]により算出される。上式から算出される混合液の温度は、通常、ゲル化温度よりも0〜15℃低い温度範囲である。
【0059】
以上のとおり、混合液を所定の温度範囲にするためには、一の液及び他の液を保持する温度を予め調整する必要がある。
【0060】
本発明の望ましい第三の態様は、一の液及び他の液を充填した後、固化させる際に、実質的に冷却装置を使用しないことである。ここに、「実質的に冷却装置を使用しない」とは、冷蔵庫、冷凍庫、液体窒素放出等の、一般的な強制的冷却手段を使用せずに、専ら室温で放冷することにより固化させることを意味している。
【0061】
前記のとおり、本発明においては、一の液及び他の液の混合液を充填し、容器を冷却した場合には、迅速に固化し、冷却工程の負荷を軽減することができるが、後から充填する他の食品の種類によっては、自然な放冷によって冷却するだけで十分である場合もある。この場合は冷却装置を使用せずに固化させることが可能である。
【0062】
即ち、他の食品が比重の軽いものであれば、最初に充填したゲル化食品が固化する際に、中心部までが完全に固化する必要はなく、少なくとも上表面が固化すれば、他の食品を充填することができる。
【0063】
本発明において、最初に下層に配置するゲル化食品を固化させる理由は、後から充填した他の食品が、下層のゲル化食品に沈むことを防止し、上層と下層との境界を美しく保つためである。従って、少なくとも下層の流動性ゲル化食品の上面のみを固化させ、後から充填する他の食品と混じらない程度固化させれば十分であるため、充填後の冷却において、冷却装置を不要とすることが可能なのである。この場合は、他の食品を充填した後に、冷却装置を使用して本格的な冷却を行なっても良い。
【0064】
尚、室温に放置して冷却する場合に、エアコンディショナー、扇風機等により空気の対流を起こしても良いが、この程度の操作を行っても「実質的に冷却装置を使用しない」の範囲から逸脱するわけではなく、本発明の第三の態様に包含される。
【0065】
本発明の望ましい第四の態様及び第五の態様は、ゲル化剤が、κ−カラギナン、ι−カラギナン、ロ−メトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、及びロ−カストビンガムからなる群より選択される1種又は2種以上の物質である。
【0066】
これらのゲル化剤を、各々ゲル化触発成分との組み合わせて使用するが、このような組み合わせとして、次のa)〜g)の組み合わせを例示することができる。
a)一の液にκ−カラギナンを含有させ、他の液にカリウムを含有させる。
b)一の液にι−カラギナンを含有させ、他の液にカルシウムを含有させる。
c)一の液にロ−メトキシルペクチンを含有させ、他の液にカルシウムを含有させる。
d)一の液にアルギン酸ナトリウムを含有させ、他の液にカルシウムを含有させる。
e)一の液にジェランガムを含有させ、他の液にカルシウムを含有させる。
f)一の液にジェランガムを含有させ、他の液に酸を含有させる。
g)一の液にロ−カストビンガムを含有させ、他の液にキサンタンガムを含有させる。
このような組み合わせは、複数を同時に使用しても良い。
【0067】
また、例えば、前記e)とa)の組み合わせを同時に使用する場合、一の液にジェランガムを含有させ、他の液にカルシウムを含有させ、かつ他の液の方にκ−カラギナンを含有させ、一の液にカリウムを含有させる態様であっても良い。また一の液にジェランガムを含有させ、二の液にκ−カラギナンを含有させ、他の第三の液にカルシウム及びカリウムを含有させ、これらの三つの液を混合する態様であっても良い。
【0068】
本発明の望ましい第六の態様は、ゲル化剤が、ι−カラギナン、ロ−メトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、及びジェランガムからなる群より選択される1種又は2種以上の物質であり、ゲル化触発成分がカルシウムであることである。
【0069】
カルシウムは、安価に入手できるので、食品工業の原料としては、最適である。また、他の液に含有させる際に、含有量をコントロ−ルすることが容易である。組み合わせの例を示せば、次のh)〜k)のとおりである。
h)一の液にιカラギナンを0.2〜1.0%含有させ、他の液にカルシウムを5mg/100g以上含有させる。
i)一の液にロ−メトキシルペクチンを0.4〜1.2%含有させ、他の液にカルシウムを5mg/100g以上含有させる。
j)一の液にアルギン酸ナトリウム0.3〜1.0%を含有させ、他の液にカルシウムを5mg/100g以上含有させる。
k)一の液にジェランガムを0.1〜0.5%含有させ、他の液にカルシウムを5mg/100g以上含有させる。
【0070】
カルシウムは、ある程度以上の濃度が必要であり、その濃度は一般に5mg/100g以上であるが、実際に、他の液のカルシウムの含有量を変更して反復実施してみた結果、カルシウム濃度の増加にともない、ゲル化温度が若干ではあるが上昇する傾向が認められた。従って、カルシウムの濃度は5mg/100g以上の範囲であって、可及的に少ないほうが望ましい。
【0071】
このようなカルシウムを他の液に配合するに際しては、例えば、他の液に乳製品等を配合する場合は、配合する乳製品に含有される天然のカルシウムをもって充当できることは前記のとおりである。
【0072】
尚、補足すれば、同様に、ゲル化触発成分がカルシウム以外のものである場合には、次のl)〜n)、
l)一の液にκカラギナンを0.2〜1.0%含有させ、他の液にカリウムを20mg/100g以上含有させる。
m)一の液にジェランガムを0.1〜0.5%含有させ、他の液に酸を、一の液と他の液とを混合した後のpHが5.0以下になる量を含有させる。
n)一の液にロ−カストビンガムを0.1〜0.9%含有させ、他の液にキサンタンガムを0.1〜0.9%含有させる。
のような配合で実施することもできる。
【0073】
次に本発明の方法を実施するための装置の一例について、図1及び図2に基づいて説明する。
【0074】
図1は、本発明の多層ゲル化食品の製造方法を実施するための装置の一例における充填ノズルの拡大模式図である。
【0075】
図1において、充填装置1は、一の液用タンク100、他の液用タンク200、一の液用ピストンポンプ130、他の液用ピストンポンプ230、混合管301、静止型混合器300、及び充填ノズル304を備えている。
【0076】
(1)一の液用タンク100
一の液用タンク100は、一の液を貯留するタンクである。一の液は、一の液の供給源101から供給される。一の液用タンク100の液位は、液位計102により計測されており、液位計102の計測結果がコントロ−ラ−103に送信される。コントロ−ラ−103は、液位計102の計測結果に応じて自動開閉弁104を開閉し、一の液の供給及び停止を行う。この操作により一の液用タンク100の液位は、一定に維持される。
【0077】
一の液用タンク100は、外壁が二重構造になっており、熱媒ジャケット110を備えている。熱媒ジャケット110には、熱媒供給源111より熱媒供給配管112を介して熱媒が供給される。この熱媒供給配管112には、熱媒の流量を調節する流量調節弁113が備えられている。また熱媒ジャケット110は、熱媒を排出する熱媒排出配管116が備えられており、この熱媒排出配管116には絞り弁117が設置されている。
【0078】
一方、一の液用タンク100には温度計115が突設されており、貯留された一の液の温度を測定する。測定された温度は、コントロ−ラ−114が感知し、この温度に基づいて流量調節弁113の開度を調節し、熱媒ジャケット110に流れる熱媒の量を調節する。これによって、一の液用タンク100に貯留された一の液の温度は、所定の温度に維持される。
【0079】
(2)他の液用タンク200
他の液用タンク200は、他の液を貯留するタンクである。他の液の液位は、前記一の液用タンク100と同様のシステム201〜204により一定に制御される。即ち、液位計202の検出結果をコントロ−ラ−203が感知し、自動開閉弁204を開閉して、供給源201より他の液の供給及び停止を行い、他の液用タンク200の中の他の液の液位を一定に制御する。
【0080】
また、他の液用タンク200は、外壁が二重構造になっており、熱媒ジャケット210を備えている。熱媒ジャケット210には、熱媒供給源211より熱媒供給配管212を介して熱媒が供給される。この熱媒供給配管212には、熱媒の流量を調節する流量調節弁213が備えられている。また熱媒ジャケット210は、熱媒を排出する熱媒排出配管216が備えられており、この熱媒排出配管216には絞り弁217が設置されている。
【0081】
一方、他の液用タンク200には温度計215が突設されており、貯留された他の液の温度を測定する。測定された温度は、コントロ−ラ−214が感知し、この温度に基づいて流量調節弁213の開度を調節し、熱媒ジャケット210に流れる熱媒の量を調節する。これによって、他の液用タンク200に貯留された他の液の温度は、所定温度に維持される。
【0082】
尚、以上の説明において、熱媒は、常温より高い温度の熱媒体に限られるものではなく、一の液又は他の液を常温以下の温度に保持したい場合には、常温より低い温度の熱媒体とすることができる。
【0083】
(3)ピストンポンプ130(一の液用)
一の液用タンク100は、排出配管120を備えており、この排出配管120には、ピストンポンプ130が設置されている。ピストンポンプ130の下流には、排出配管121が連設されている。
【0084】
ピストンポンプ130は、切換弁131、シリンダ132、ピストン133、及びピストン駆動装置134を備えている。
【0085】
前記切換弁131に、シリンダ132、並びに排出配管120及び121が接続されている。この切換弁131は、排出配管120とシリンダ132とを、又はシリンダ132と排出配管121とを、各々連通状態に切り換える機能を有している。
【0086】
シリンダ132には、ピストン133が内装されており、このピストン133は、ピストン駆動装置134により紙面の左右方向に進退移動する。
【0087】
以上の構成を備えたピストンポンプ130の作用を説明する。
【0088】
切換弁131が、排出配管120とシリンダ132とを連通した状態で、ピストン133が紙面の左方向に移動すれば、排出配管120よりシリンダ132内に一の液が流入する。次いで、切換弁131を切り換え、シリンダ132と排出配管121とを連通させ、この状態でピストン133が紙面の右方向に移動すれば、シリンダ132内に流入していた一の液が流出し、排出配管121に押し出される。
【0089】
この際、ピストン133が左右に移動した範囲の容積は、一充填量分の一の液の体積と同一であり、この結果、ピストンポンプ130は、一充填量の一の液を計量し、送液するのである。
【0090】
尚、ピストン133の進退移動の距離、又は、ピストン駆動装置の駆動速度は調節可能であり、一充填量を微妙に調節することが可能である。
【0091】
(4)ピストンポンプ230(他の液用)
他の液用タンク200は、排出配管220を備えており、この排出配管220には、ピストンポンプ230が設置されている。ピストンポンプ230の下流には、排出配管221が連設されている。
【0092】
ピストンポンプ230は、切換弁231、シリンダ232、ピストン233、及びピストン駆動装置234を備えているが、これらの構造及び機能は、前記したピストンポンプ130と同一であり、詳細な説明は省略する。
【0093】
(5)静止型混合器300まわり
前記排出配管121及び排出配管221の各末端は、混合管301において合流しており、混合管301の下流には、静止型混合器300が設置されている。静止型混合器300の内部には、複数の撹拌板302が内設されている。
【0094】
また、静止型混合器300の下流には、流動状ゲル化食品が流下する速度を調節する調節弁303が設けられており、その直下には充填ノズル304が設置されている。
【0095】
尚、一の液用タンク100及び他の液用タンク200の下流の全ての配管には、保温材400が被覆されている。
【0096】
(6)カップ500
充填ノズル304の下の位置に、カップ500が配置される。ピストンポンプ130及び230が稼働した際には、充填ノズル304より混合液(即ち流動状ゲル化食品)が流下し、カップ500に充填される。
【0097】
カップ500は、コンベア−600により連続的に搬入され、混合液が充填された後、矢印Xの方向に連続的に搬出される。
【0098】
尚、以上の充填装置1において、ピストンポンプ130及び230は、全て図示しない制御装置により稼働される。
【0099】
(7)多層ゲル化食品の製造装置
図2は、本発明の多層ゲル化食品の製造方法を実施するための装置の一例を示す模式図である。図2において、図1と共通する要素には図1と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0100】
図2において、多層ゲル化食品の製造装置10は、コンベア−600を備えており、このコンベア−600に各種の要素が配置されている。
【0101】
尚、以下の説明においては、コンベア−600の移送方向を一つの流れとみなし、この流れの上流側(即ち紙面の左側になる)を起端側、下流側(紙面の右側になる)を末端側と表記するものとする。
【0102】
コンベア−600の起端側にはカップ供給機601を供えている。カップ供給機601はコンベア−600にカップを供給する手段である。カップ供給機601の末端側には、前記の充填装置1、及び充填装置1と同一の充填装置1aが備えられている。
【0103】
充填装置1及び1aの末端側には、第二の充填装置であるトッピングフィラ−2及び2aが設置されている。
【0104】
さらにその末端側には、リッド供給機602及びヒ−トシ−ラ−603が設置されている。リッド供給機602はカップの蓋を供給する装置であり、ヒ−トシ−ラ−603は供給した蓋をカップにヒ−トシ−ルし、密封する装置である。
【0105】
以上の多層ゲル化食品の製造装置10の作用を説明すれば、カップ供給機601によりカップ(図示せず。図1の500参照)が、供給され、コンベア−600により移送される。カップは充填装置1又は1aの直下で一時停止され、流動性のゲル化食品が充填される。尚、充填装置1及び1aの2台を備えている理由は、品種の切り換えを迅速に行うためであり、また、粘度の異なる二種類の流動性ゲル化食品を一つの容器に充填し、特殊な形態のゲル化食品を製造する場合に使用するためである。
【0106】
充填が終了したカップは、コンベア−600により移送され、Yのゾ−ンを通過している間に放冷されてゲル化食品が固化し、次いで、カップはトッピングフィラ−2に至り、その他の食品が充填される。
【0107】
以上のように多層ゲル化食品の充填が全て終了した後、リッド供給機602によりカップに蓋が被嵌され、次いでヒ−トシ−ラ−603によって蓋がカップにヒ−トシ−ルされ、密封される。
【0108】
以上の装置によれば、本発明の多層ゲル化食品の製造方法を効果的に実施することができる。
【0109】
次に試験例を示し、本発明を詳しく説明する。
試験例1
この試験は、下層に配置するゲル化食品について、ゲル化剤とゲル化触発成分との好ましい組み合わせを調べる目的で実施した。
【0110】
1.試料の調製
(1)一の液(試験原料液A)の調製
原料を溶解水に溶解し、100℃に加熱して溶解した後、30℃に冷却し、合計6種類(試料番号1〜6)の試験原料液Aを調製した。ゲル化剤としては、市販のκ−カラギナン、ジェランガム、ロ−メトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、ロ−カストビンガム、及びι−カラギナン(いずれも三栄源エフ・エフ・アイから購入。)を用いた。尚、各原料の配合は表1に示したとおりである。
【0111】
【表1】
【0112】
(2)他の液(試験原料液B)の調製
原料を溶解水に溶解し、100℃に加熱して溶解した後、30℃に冷却して、合計4種類(試料番号7〜10)の試験原料液Bを調製した。ゲル化触発成分は、カリウム(炭酸カリウム)、カルシウム(乳酸カルシウム)、クエン酸、及びキサンタンガム(いずれも三栄源エフ・エフ・アイから購入。)を使用した。尚、各原料の配合は表2に示したとおりである。
【0113】
【表2】
【0114】
(3)他の食品の調製
原料を溶解水に溶解し、100℃に加熱して溶解し、30℃に冷却し、試料番号11の他の食品を調製した。各原料の配合は表3に示したとおりである。
【0115】
【表3】
【0116】
(4)製造
試験原料液A(試料番号1〜6)と試験原料液B(試料番号7〜10)、並びに他の食品(試料番号11)を用いて、図1及び図2の装置により次の手順で試験を行った。
【0117】
図1の充填装置1の一の液用タンク100に試験原料液A(試料番号1〜6)を保持し、他の液用タンク200に試験原料液B(試料番号7〜10)を保持し、各々温度を30℃に調節した。またトッピングフィラ−2に他の食品(試料番号11)をセットした。
【0118】
ピストンポンプ130及び230を稼働して、試験原料液A及び試験原料液Bを各50gづつ計量して送液し、混合管301にて混合し、カップ500に充填した。混合直後の混合液の温度は30℃であり、混合から充填までの時間は2秒であった。
【0119】
充填後のカップ500を、コンベア−600により移送し、トッピングフィラ−2より他の食品を20g充填し、多層ゼリ−を形成した。得られた多層ゼリ−を、10℃の冷蔵庫で12時間冷却して固化させて、試験試料を得た。
【0120】
以上の操作を、試料番号1〜6及び7〜10の各試料を変更しながら反復し、ゲル化剤とゲル化触発成分との組み合わせを変更した複数の試験試料を得た。
【0121】
2.試験方法
各試験試料を、横方向から肉眼で観察し、下層と上層とが鮮明に分離し、かつ境界面が完全に水平面になっているものを最良とし、上層が下層に潜り込んでいるもの、又は交じり合うものを不良と判断した。
【0122】
3.試験結果
この試験の結果は表4に示すとおりである。表4において、◎は最良を、×は不良を示す。
【0123】
表4から、下層に配置されるゲル化食品は、ゲル化剤とゲル化触発成分とが、次の(a)〜(g)の組合せである場合に、上層と下層との分離が最良であることが明らかである。
(a)ゲル化剤がκカラギナンであり、ゲル化触発成分がカリウムである場合(試料番号1と試料番号7との組み合わせ)、
(b)ゲル化剤がジェランガムであり、ゲル化触発成分がカルシウムである場合(試料番号2と試料番号8との組み合わせ)、
(c)ゲル化剤がジェランガムであり、ゲル化触発成分が酸である場合(試験番号2と試料番号9との組み合わせ)、
(d)ゲル化剤がローメトキシルペクチンであり、ゲル化触発成分がカルシウムである場合(試料番号3と試料番号8との組み合わせ)、
(e)ゲル化剤がアルギン酸ナトリウムであり、ゲル化触発成分がカルシウムである場合(試料番号4と試料番号8との組み合わせ)、
(f)ゲル化剤がローカストビーンガムであり、ゲル化触発成分がキサンタンガムである場合(試料番号5と試料番号10との組み合わせ)、
(g)ゲル化剤がιカラギナンであり、ゲル化触発成分がカルシウムである場合(試料番号6と試料番号8との組み合わせ)、
この試験の結果、本発明によれば、下層を充填した後に格別な冷却手段を用いなくても、品質が良好な多層ゲル化食品が得られることが判明し、またゲル化剤とゲル化触発成分の組み合わせが、前記(a)〜(g)である場合には最良の製品が得られることが判明した。
【0124】
【表4】
【0125】
試験例2
この試験は、前記試験例1で確認された、ゲル化剤とゲル化触発成分の有効な組み合わせ(a)〜(g)についてゲル化温度を確認するために行った。
1.試料の調製
前記試験例1と同様の手順で、合計6種類(試料番号1〜6)の試験原料液Aを調製した。
【0126】
(2)他の液(試験原料液B)の調製
前記試験例1と同様の手順で、合計4種類(試料番号7〜10)の試験原料液Bを調製した。
【0127】
(3)混合
試料原料液A及び試料原料液Bを、前記(a)〜(g)の組み合わせで混合し、前記(a)〜(g)の組み合わせに対応した各試験試料を得た。
【0128】
2.試験方法
混合液を70℃に加温し、徐々に冷却しながら、温度が5℃低下する毎にB型粘度計(東京計器製)によって粘度を測定した。
【0129】
温度を70℃から冷却していく過程において、粘度の値は、第1段階では温度の低下に従って緩やかに直線的に上昇する。次いで変曲点を経て、第2段階では急激に直線的に上昇する。
【0130】
以上の粘度上昇の過程をグラフにプロットし、第1段階における直線と、第2段階における直線との交点をとり、この交点における温度を「ゲル化温度」と定義した。
【0131】
以上の試験を、各試験試料について反復して行った。
【0132】
3.試験結果
この試験の結果は、次のとおりであった。即ち、前記(a)の組み合わせの混合液のゲル化温度は40℃であった。同様に、前記(b)は40℃、前記(c)は30℃、前記(d)は45℃、前記(e)は45℃、前記(f)は35℃、そして前記(g)は30℃であった。
【0133】
この試験の結果、前記(a)〜(g)の組み合わせに対応した混合液のゲル化温度が判明した。
【0134】
試験例3
この試験は、一の液と他の液とを混合した後、充填するまでの時間が、製品の品質にどのように影響するかを調べる目的で実施した。
【0135】
1.試料の調製
(1)一の液(試験原料液A)の調製
前記試験例1と同様の手順で、合計6種類(試料番号1〜6)の試験原料液Aを調製した。
【0136】
(2)他の液(試験原料液B)の調製
前記試験例1と同様の手順で、合計4種類(試料番号7〜10)の試験原料液Bを調製した。
【0137】
(3)充填
試験原料液A(試料番号1〜6)と試験原料液B(試料番号7〜10)を用いて、図1及び図2の装置によって次の手順で試験を行った。
【0138】
図1の充填装置1の一の液用タンク100に試験原料液A(試料番号1〜6)を保持し、他の液用タンク200に試験原料液B(試料番号7〜10)を保持し、各々、温度を混合液のゲル化温度よりも10℃低い温度に調節した。
【0139】
ピストンポンプ130及び230を稼働して、試験原料液A及び試験原料液Bを各50gを計量して送液し、混合管301にて混合し、カップ500に充填し、試験試料とした。
【0140】
この際、調節弁303を調節して、試験原料液A及び試験原料液Bが混合された後、カップ500に充填されるまでの時間を調節した。この時間を、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、及び8秒の6段階に変更して反復した。
【0141】
尚、各試験試料の組み合わせについては、前記試験例1のa)〜g)の組み合わせを採用し、以上の手順を各組み合わせについて反復して実施した。
【0142】
2.試験方法
(1)測定1(充填直後の硬度)
試料を、充填した後10秒経過後にペネトロメーター(中村医科理科社製)で10gの円錐形のプランジャーを表面に落下させ、進入した距離を測定し、充填直後の硬度を測定した。進入距離30mm未満のものを良好、30mm以上のものを不良と判定した。
【0143】
(2)測定2(固化後の破断強度)
充填後の試料を、10℃の冷蔵庫で12時間冷却した後、カードテンションメーター(中村医科理科社製)で10mmの円盤のプランジャーで破断強度を測定し、15g未満を「不良」とし、15g以上を「良好」と判定した。
【0144】
3.試験結果
この試験の結果は、表5に示すとおりである。表5において、◎は、測定1の結果及び測定2の結果がいずれも良好であったものを示し、○は一方が良好であったものを示し、×はいずれも不良であったものを示す。
【0145】
表5から明らかなとおり、ゲル化剤の種類及びゲル化触発成分の種類には関係なく、混合後充填までの時間が5秒以内であれば、ゲル化の度合いが良好であり、4秒以内であれば更に良好であることが認められる。
【0146】
この試験の結果、本発明においては、ゲル化剤を含有する一の液と、ゲル化触発成分を含有する他の液とを混合した後、5秒以内、望ましくは4秒以内、の充填により目的を達成し得ることが判明した。
【0147】
【表5】
【0148】
試験例4
この試験は、一の液と他の液とを混合した後の混合液の温度が、製品の品質にどのように影響するかを調べる目的で実施した。
【0149】
1.試料の調製
(1)一の液(試験原料液A)及び他の液(試験原料液B)の調製
試験原料液A及び試験原料液Bを、前記試験例1と同様に調製した。ゲル化剤とゲル化触発成分の組み合わせは、前記(a)、(c)、及び(d)の三種類とした。
【0150】
即ち、試験原料液Aは、ゲル化剤としてκ−カラギナン、ジェランガム、及びロ−メトキシルペクチンを含有する試料番号1、試料番号2、及び試料番号3の試験原料液Aを調製し、これに前記(a)、(c)、及び(d)の組み合わせで対応するゲル化触発成分を含有する試料番号7、試料番号9、及び試料番号8の試験原料液Bを調製した。
【0151】
前記試験例2で確認したように、試験原料液Aと試料原料液Bとを混合した後の混合液のゲル化温度は、前記(a)の組み合わせが40℃であり、前記(c)の組み合わせが30℃であり、前記(d)の組み合わせが45℃である。
【0152】
(2)他の食品の調製
前記試験例1と同様に、原料を溶解水に溶解し、100℃に加熱して溶解した後、30℃に冷却して他の食品を調製した。原料の配合割合は表3(試料番号11)に示したとおりである。
【0153】
(3)充填
試験原料液Aと試験原料液Bを用いて、図1及び図2の装置によって次の手順により充填を行った。
【0154】
図1の充填装置1の一の液用タンク100に試験原料液Aを保持し、他の液用タンク200に試験原料液Bを保持し、各々、保持温度を変更しながら、前記試験例1と同一の手順、条件により容器500に混合充填した。この際、調節弁303を調節して、混合管301にて混合した後、カップ500に充填するまでの時間を5秒に調節した。また、充填直後の容器内の混合液に、ハンディ温度計を測定端子を差し込み、充填直後の混合液の温度を測定した。
【0155】
次いで、前記試験例1と同様に混合液を充填後、2秒後に他の食品を充填し、多層ゲル化食品を形成し、試験試料を得た
以上の操作を、試験原料液A及び試験原料液Bの各組合わせ(a)、(c)、及び(d)について、保持温度を調節することにより混合液の充填直後の温度を様々に変更し、反復して実施した。混合液の充填直後の温度は、前記ゲル化温度を基準として、+5.0、+2.5、±0、−2.5、−5.0、−7.5、−10.0、−12.5、−15.0、−17.5、及び−20.0の11とおりの条件とした。
【0156】
2.試験方法
得られた試験試料を、10℃の冷蔵庫で12時間冷却し、十分に固化させた後、下層のゲル化食品と上層の他の食品の境界面を目視で観察し、前記試験例1と同様の手法で分離状態を判定した。
【0157】
即ち、各試験試料を、横方向から肉眼で観察し、下層と上層とが鮮明に分離し、かつ境界面が完全に水平面になっているものを最良とし、下層と上層とが分離しているが、境界面が若干ぼんやりしているものを良好とし、上層が下層に潜り込んでいるもの、又は交じり合うものを不良と判断した。
【0158】
3.試験結果
この結果は表6に示すとおりである。表6において、◎は最良を、○は良好を、×は不良を示す。
【0159】
表6から明らかなとおり、各組み合わせとも、混合液の温度がゲル化温度よりも0〜15℃低い場合、望ましくは0〜12.5℃低い場合に、上層と下層の分離状態が最良になることが明らかである。
【0160】
以上の結果から、本発明においては、ゲル化剤の種類に関係なく、混合液の充填温度を、ゲル化温度よりも0〜15℃低い温度にすれば、得られた多層ゲル化食品の品質が最良であることが判明した。
【0161】
【表6】
【0162】
次に、実施例を示して本発明を詳しく説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0163】
【実施例】
実施例1[ピ−チ果肉ソ−ス入りピ−チゼリ−の製造]
1)一の液の調製
容器の下層に充填するピ−チゼリ−について、一の液を表7に示す配合で調製し、溶解水に添加し、90℃に加熱して溶解し、同温度に10分間保持して殺菌し、30℃に冷却し、図1に示す充填装置1の一の液用タンク100に30℃で保持した。この一の液に含有させたゲル化剤はジェランガムである。
【0164】
【表7】
【0165】
2)他の液の調製
ピ−チゼリ−の原料液のうち他の液は、表8に示す配合で調製し、溶解水に添加し、90℃に加熱溶解し、10分間保持して殺菌し、30℃に冷却し、図1の充填装置1の他の液用タンク200に30℃で保持した。
この他の液に含有させたゲル化触発成分はクエン酸である。
【0166】
【表8】
【0167】
3)他の食品の調製
他の食品として、表9に示す配合割合により、ピ−チ果肉ソ−スを調製し、図2の製造装置10においてトッピングフィラ−2にセットした。尚、以上で使用した各原料はいずれも市販品である。
【0168】
【表9】
【0169】
4)製造
図2に示すコンベア−600を稼働させてカップ供給機601より150ml容カップ500を供給し、充填装置1を稼働させた。
【0170】
即ち、一の液用ピストンポンプ130、及び他の液用ピストンポンプ230を各々稼動し、一の液50g、他の液50gを各計量し、混合管301にて混合し、静止型混合器300を介して充填ノズル304よりカップ500に充填し、カップ500の下層にピ−チゼリ−を配置した。尚、混合から充填までの時間は2秒であり、充填直後の温度は28℃であった。
【0171】
充填したカップ500は、コンベア−600により移送し、Yのゾ−ンを移送中に自然に放冷して固化させ、続いてトッピングフィラ−2によりピ−チゼリ−の上にピ−チ果肉ソ−スを1カップあたり30gづつ充填した。次いで、リッド供給機602によりカップにアルミリッドを乗せ、ヒートシーラー603でシールし、冷蔵庫で1晩冷蔵して、果肉ソーストッピングのピーチゼリー1000個を製造した。
【0172】
得られた多層ピーチゼリーは、2層の分離状態が良く、ゼリーの食感、風味共に良好であった。
【0173】
実施例2[ホイップクリ−ム入りコ−ヒ−ゼリ−の製造]
1)一の液の調製
容器の下層に充填するコ−ヒ−ゼリ−について、一の液を表10に示す配合で調製し、溶解水に添加し、90℃に加熱溶解し、10分間保持して殺菌し、40℃に冷却し、図1に示す充填装置1の一の液用タンク100に40℃で保持した。この一の液に含有させたゲル化剤はκ−カラギナンである。
【0174】
【表10】
【0175】
2)他の液の調製
コ−ヒ−ゼリ−の原料液のうち他の液は、表11に示す配合により調製し、溶解水に添加し、90℃に加熱して溶解し、同温度に10分間保持して殺菌し、40℃に冷却し、図1の充填装置1の他の液用タンク200に40℃で保持した。この他の液に含有させたゲル化触発成分はカリウムであるが、これは表11中の「コ−ヒ−エキス」に含有されているカリウム成分により充当される。
【0176】
【表11】
【0177】
3)他の食品の調製
他の食品として、クリ−ム(森永乳業社製)をホイップマシン(トーワテクノ社製)によりホイップし、オーバーラン100%のホイップクリ−ムを調製した。ホイップクリ−ムを図2のトッピングフィラ−2にセットした。尚、以上で使用した各原料はいずれも市販品である。
【0178】
4)製造
次に、コンベア−600を稼働させてカップ供給機601より130ml容カップ500を供給し、充填装置1を稼働させた。
【0179】
即ち、一の液用ピストンポンプ130、及び他の液用ピストンポンプ230を各々稼動し、一の液50g、他の液20gを各計量し、混合管301にて混合し、静止型混合器300を介して充填ノズル304より混合液をカップ500に充填し、カップ500の下層にコ−ヒ−ゼリ−を配置した。尚、混合から充填までの時間は2秒であり、充填直後の温度は38℃であった。
【0180】
充填したカップ500は、コンベア−600により移送し、Yのゾ−ンを移送中に自然に放冷して固化させ、続いてトッピングフィラ−2によりコ−ヒ−ゼリ−の上にホイップクリ−ムを1カップあたり30mlづつ充填した。次いで、リッド供給機602によりカップにアルミリッドを乗せ、ヒートシーラー603でシールし、冷蔵庫で1晩冷蔵して、ホイップクリ−ムトッピングのコ−ヒ−ゼリー1000個を製造した。
【0181】
得られた多層コ−ヒ−ゼリーは、2層の分離状態が良く、ゼリーの食感、風味共に良好であった。
【0182】
実施例3[ホイップクリ−ム及びフルーツソース入りストロベリ−ゼリ−の製造]
1)一の液の調製
下層に充填するストロベリ−ゼリ−について、一の液を表12に示す配合で調製し、溶解水に添加し、90℃に加熱して溶解し、同温度に10分間保持して殺菌し、40℃に冷却し、図1に示す充填装置1の一の液用タンク100に40℃で保持した。この一の液に含有させたゲル化剤はロ−メトキシルペクチンである。
【0183】
【表12】
【0184】
2)他の液の調製
ストロベリ−ゼリ−の原料液である他の液は、表13に示す配合で調製し、溶解水に添加し、90℃に加熱溶解し、10分間保持して殺菌し、40℃に冷却し、図1の充填装置1の他の液用タンク200に40℃で保持した。この他の液に含有させたゲル化触発成分はカルシウムであるが、これは表13中の「果汁」に含有されているカルシウム成分により充当される。
【0185】
【表13】
【0186】
3)他の食品1の調製
他の食品として、クリ−ム(森永乳業社製)をホイップマシン(トーワテクノ社製)によりホイップし、オーバーラン100%のホイップクリ−ムを調製した。ホイップクリ−ムを図2のトッピングフィラ−2にセットした。
【0187】
4)他の食品2の調製
他の食品として、表14に示す配合割合により、フルーツソースを調製し、図2の製造装置10においてトッピングフィラ−2aにセットした。尚、以上で使用した各原料はいずれも市販品である。
【0188】
【表14】
【0189】
5)製造
次に、コンベア−600を稼働させてカップ供給機601より130ml容カップ500を供給し、充填装置1を稼働させた。
【0190】
即ち、一の液用ピストンポンプ130、及び他の液用ピストンポンプ230を各々稼動し、一の液30g、他の液60gを各計量し、混合管301にて混合し、静止型混合器300を介して充填ノズル304より混合液をカップ500に充填し、カップ500の下層にストロベリ−ゼリ−を配置した。尚、混合から充填までの時間は2秒であり、充填直後の温度は38℃であった。
【0191】
充填したカップ500は、コンベア−600により移送し、Yのゾ−ンを移送中に自然に放冷して固化させ、続いてトッピングフィラ−2により、ホイップクリ−ムを1カップあたり20mlづつカップの周囲内側に造花して充填した。次いでトッピングフィラ−2aより、フル−ツソ−スを、造花したホイップクリ−ムイの内側に10gづつ充填した。最後に、リッド供給機602によりカップにアルミリッドを乗せ、ヒートシーラー603でシールし、冷蔵庫で1晩冷蔵して、ホイップクリ−ム及びフル−ツソ−スをトッピングしたストロベリ−ゼリー2000個を製造した。
【0192】
得られた多層ストロベリ−ゼリーは、3層の分離状態が良く、ゼリーの食感、風味共に良好であった。
【0193】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明は、一の液にゲル化剤を含有させ、他の液に前記ゲル化剤のゲル化を触発させる成分を含有させて別個に調製し、ゲル化温度以下の温度で各一充填量づつ計量して混合し、混合後5秒以内に容器に充填し、固化し、固化した混合液の上に前記他の食品を充填する多層ゲル化食品の製造方法であり、本発明は、次のような効果を奏する。
(1)本発明の多層ゲル化食品の製造方法にあっては、下層を固化させる際の冷却工程の負荷が軽減でき、さらには冷却工程自体を省略することをも可能である。
(2)本発明の多層ゲル化食品の製造方法にあっては、製品の品質が高く、装置の投資コスト、ランニングコストが安価である。
(3)本発明の多層ゲル化食品の製造方法にあっては、仮に製造ラインが一時停止したとしても、充填装置の内部でゲル化食品が固化してしまう可能性がなく、充填装置の作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の多層ゲル化食品の製造方法を実施するための装置の一例における充填ノズルの拡大模式図である。
【図2】図2は、本発明の多層ゲル化食品の製造方法を実施するための装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 充填装置
1a充填装置
2 トッピングフィラ−
2aトッピングフィラ−
10 製造装置
100 一の液用タンク
110 熱媒ジャケット
120 排出配管
130 ピストンポンプ
200 他の液用タンク
210 熱媒ジャケット
220 排出配管
230 ピストンポンプ
300 静止型混合器
301 混合管
302 撹拌板
303 調節弁
304 充填ノズル
400 保温材
500 カップ
600 コンベア−
601 カップ供給機
602 リッド供給機
603 ヒ−トシ−ラ−[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a multilayer gelled food. More specifically, in the present invention, at least two raw material liquids are prepared separately, and a gelled food product obtained by mixing them is disposed in the lower layer of the container, and the upper layer is a multilayer containing containers in which other foods are disposed. The present invention relates to a method for producing a gelled food, which relates to a production method that can reduce the energy load when solidifying the gelled food disposed in the lower layer and can reduce the investment cost and running cost of the production apparatus.
[0002]
In the present invention, “one filling amount” means an amount to be filled in one container.
[0003]
[Prior art]
Conventionally, various gelled foods such as jelly and pudding are commercially available. These gelled foods are prepared by, for example, dissolving a plurality of raw materials including a gelling agent in dissolved water and homogenizing if necessary. Sterilized after processing, etc., cooled, held at a
[0004]
In addition, among gelled foods, multilayer gelled foods are also known in which a plurality of foods having different tastes, colors, and the like are filled in a single container. As a method for producing such a multilayer gelled food, in addition to the technology of forming a multilayer using the specific gravity difference of the food arranged in each layer, the lower layer is first filled and cooled and solidified to obtain a gelled food. None, and a technique (for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 48-72362) that fills with other foods is known.
[0005]
Each of the above manufacturing techniques is common in that the fluid gelled food is maintained at a very high temperature that is equal to or higher than the gelation temperature, filled in the container at the extremely high temperature, and then cooled.
[0006]
That is, in order to fill the container with the gelled food, the gelled food must be in a fluid state, and in order to maintain the gelled food in a fluid state, the temperature is equal to or higher than the gelling temperature, preferably gelled. It is necessary to maintain the
[0007]
Conventionally, it has been common to fill a high-temperature fluidized gelled food, then transfer it to a refrigerator at a temperature of −10 to 5 ° C., and take 0.5 to 1 hour to solidify. Therefore, for example, when a container filled with fluidized gelled food is transferred and continuously cooled through a cooling tunnel, a long cooling tunnel is required, the equipment becomes large, and a large installation space is required. -There was a problem that the investment cost and running cost increased.
[0008]
Therefore, in the conventional method for producing a multilayered gelled food, the container is first filled with a fluidized gelled food at a high temperature and then cooled by a large-scale cooling means. After solidifying, it was carried out by the procedure of filling with other foods. That is, when producing a multilayer gelled food, the energy load in the cooling process is extremely large, which is a very big problem.
[0009]
On the other hand, conventionally, various techniques for shortening the time until the fluidized gelled food is solidified and reducing the load of the cooling process have been proposed. These techniques basically set the temperature of the fluidized gelled food as low as possible when the container is filled with the fluidized gelled food.
[0010]
For example, Japanese Patent No. 2713732 discloses a technique in which A liquid containing a gelling agent and B liquid not containing a gelling agent are separately prepared, mixed and then filled into a container. In the technique, cooling water having a temperature of 10 ° C. or less is mixed with the liquid A, thereby cooling the liquid A to the gelation temperature and filling the container while gelling. Liquid B containing no gelling agent is separately cooled to 10 ° C. or lower and then filled into a container (hereinafter, this technique is referred to as “prior art 1”).
[0011]
Japanese Patent Laid-Open No. 6-327421 discloses that a fluidized gelled food maintained at a temperature equal to or higher than the gelling temperature is cooled below the gelling temperature, and the cooled fluidized gelled food is mechanically agitated. A technique for filling a container while suppressing gelation by mechanical stirring has been disclosed (hereinafter, this technique is referred to as Prior Art 2).
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the fluidized gelled food is cooled to a low temperature before filling into the container, the gelation proceeds before filling, solidifies in the filling nozzle, and cannot be filled. Is always accompanied.
[0013]
In the prior art 1, nothing has been done to cope with this inconvenience, and if the prior art 1 is applied to a continuous production line, if the production line is temporarily stopped, filling is performed. The fluidized gelled food may solidify inside the device. Therefore, it is difficult to apply the prior art 1 to manufacturing on a factory scale.
[0014]
Moreover, in the said prior art 1, since cooling water is mixed with the A liquid containing a gelatinizer, it is necessary to prepare a sanitary cooling water separately, hygiene management, detergency, running There was a tendency to be disadvantageous in terms of cost.
[0015]
Furthermore, in the prior art 1, since the A liquid cooled to the gelation temperature is filled in the container, and the B liquid is filled in this container and mixed in the container, the gelation has already started. It became difficult to uniformly mix the liquid B with the liquid, and the quality of the product in the container tended to lack uniformity.
[0016]
The
[0017]
Moreover, although the said
[0018]
After all, although it is an urgent task to reduce the cooling load in the production process of the multilayer gelled food, the conventional technology 1 and the
[0019]
The object of the present invention is to reduce the load of the cooling process when solidifying the lower layer in the production of the multilayer gelled food, and further it is possible to omit the cooling process itself, and the quality of the product is high, The object is to provide a method for producing a multi-layer gelled food with low investment cost and running cost of the apparatus.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
The present invention for solving the above problems is to produce a multi-layer gelled food in a container in which a lower layer is filled with a gelled food prepared by mixing a plurality of separately prepared raw material liquids and another food is filled in the upper layer. Each of the raw material liquids containing a gelling agent and the other liquids containing components that trigger the gelation of the gelling agent. One filling amount of the raw material liquid is weighed and mixed, the mixed liquid is adjusted to a temperature equal to or lower than the gelling temperature, and the adjusted mixed liquid is filled into a container within 5 seconds after the mixing, solidified, and solidified mixed liquid A method for producing a multi-layer gelled food, wherein the multi-layer gelled food is formed by filling the other food on top.
[0021]
In the present invention, the temperature of the mixed solution is adjusted to a temperature 0 to 15 ° C. lower than the gelation temperature of the mixed solution (hereinafter referred to as the first embodiment), and the mixed solution is heated. The temperature is
T = (t1 * x + t2 * y) / 100
[Where, T is the temperature of the liquid mixture, t1 is the temperature of one liquid, t2 is the temperature of the other liquid, x is the mixing ratio (%) of one liquid, and y is the mixing ratio of the other liquid. (%). ] (Referred to as the second aspect), solidification is carried out substantially without using a cooling device (referred to as the third aspect hereinafter). ), The gelling agent is one or more substances selected from the group consisting of κ-carrageenan, ι-carrageenan, lo-methoxyl pectin, sodium alginate, gellan gum, and locust bin gum ( Hereinafter, it is described as the fourth embodiment.), The component for inducing the gelation of the gelling agent is potassium for κ-carrageenan, and for ι-carrageenan, lo-methoxyl pectin, and sodium alginate. Is calcium or acid for gellan gum and xanthan gum for locust bin gum (hereinafter referred to as the fifth aspect). ) And the gelling agent is one or more substances selected from the group consisting of ι-carrageenan, lo-methoxyl pectin, sodium alginate, and gellan gum, and the gelling of the gelling agent is triggered. A desirable aspect is that the component is calcium (hereinafter referred to as the sixth aspect).
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is a method for producing a multilayer gelled food. In this multilayer gelled food, a gelled food is placed in the lower layer and another food is placed in the upper layer. In this case, the food disposed in the upper layer may be a gelled food that is different in color, flavor, texture, and the like from the lower layer, but is not necessarily limited to a gelled food. It may be a food containing vegetables, other solids, etc., or it may be a fluid such as jam, marmalade, syrup, or topped with dried solids such as nuts or chocolate chips, Further, it may be whipped food such as cream.
[0023]
The multilayer gelled food is not limited to two layers, and may be formed of three or more layers, or may be one in which many types of foods are arranged in one layer.
[0024]
In the present invention, at least two raw material liquids are separately prepared for the gelled food disposed in the lower layer. That is, at least one liquid containing a gelling agent and another liquid containing a component that triggers gelation of the gelling agent are prepared separately. In the present invention, a component that triggers gelation of this gelling agent may be referred to as a “gelling trigger component”.
[0025]
In the present invention, it goes without saying that three or more raw material liquids may be prepared. However, in the following description, for the sake of convenience, two liquids of one liquid and another liquid are used for the sake of convenience. The case where various types of raw material liquids are prepared will be described.
[0026]
In this case, the one liquid can contain a commercially available gelling agent. However, the gelling agent is limited to a gelling agent that starts gelation only when a gelation-inducing component is separately mixed.
[0027]
For example, κ-carrageenan among gelling agents starts to gel when potassium is mixed. In this case, one solution contains κ-carrageenan and the other solution contains potassium. It is contained. When both are mixed, the gelation of κ-carrageenan is started. In this case, it is necessary that the liquid containing κ-carrageenan does not contain potassium which is a gelation-inducing component.
[0028]
One such liquid is one or more gelling agents and, if necessary, one or more thickening polysaccharides dispersed in water and heated to dissolve, if necessary sterilizing and cooling. If possible, adjust to a temperature lower than the gelation temperature and hold. In this liquid, sweeteners, vegetable juices, fruit juices, acidulants, pigments, fragrances and the like can be blended as necessary.
[0029]
On the other hand, another liquid is prepared by adding a gelation-inducing component to the gelling agent. For example, the gelation-inducing component is added to the other liquid corresponding to each gelling agent. Examples of such gel-inducing components include potassium, calcium, acid, xanthan gum and the like.
[0030]
Other liquids include fruit juice, milk, coffee, other gels such as vegetables, fruits, algae and processed products thereof, sweeteners, vegetable juices, acidulants, pigments, fragrances, etc. The additive which determines the kind of chemical-ized food can be contained. In order to adjust the viscosity, a solution in which the polysaccharide thickener is dissolved can be prepared, and a predetermined amount of the solution can be mixed.
[0031]
When other liquids contain calcium, acid, potassium, etc. as gelling-inspiring components, these components are used as various raw materials, for example, various dairy products, egg products, cereal products, fruit pulp products. Alternatively, natural ingredients derived from vegetables and the like may be used. In addition, various organic or inorganic salts and acids that are recognized as food additives can be added and applied.
[0032]
Examples of the organic or inorganic salt and acid include calcium citrate, calcium carbonate, calcium chloride, calcium gluconate, calcium lactate, and calcium phosphate as long as it is calcium. Examples of the acid include citric acid, gluconic acid, acetic acid, malic acid, carbonic acid, tartaric acid, lactic acid, succinic acid, phosphoric acid, and fumaric acid. Furthermore, examples of potassium include potassium carbonate, potassium phosphate, and potassium tartrate. These additives can utilize a commercially available thing.
[0033]
In such other liquids, various raw materials are added to water and dissolved by heating. If necessary, sterilization and cooling are performed, and apart from this dispersion, one or more kinds of thickening polysaccharides are added. A solution may be prepared by adding to water and heating to dissolve, and mixing the solution. Moreover, you may add another raw material, after mixing the solution of thickening polysaccharide.
[0034]
The blending amount of the gelling agent can be about 0.1 to 1.2% (weight, hereinafter the same unless otherwise specified) with respect to the mixed liquid of one liquid and the other liquid. .
[0035]
In the method for producing a multilayered gelled food according to the present invention, first, one liquid prepared as described above and the other liquid are separately held. One solution contains a gelling agent, but does not contain a gelation-inducing component, so that gelation does not start even if kept at a low temperature.
[0036]
In holding this one liquid and the other liquid, it is desirable to strictly adjust the temperature in preparation for the next step. That is, in the next step, one liquid and another liquid are mixed, but the mixed liquid after mixing is adjusted to a temperature lower than the gelation temperature. And since it is preferable that the temperature of a liquid mixture is always constant, the temperature at the time of hold | maintaining the said 1 liquid and another liquid is set so that the temperature of a liquid mixture may become a constant temperature lower than gelling temperature. In addition, it is desirable to hold the temperature while adjusting it in advance.
[0037]
In addition, when the temperature which should hold | maintain one liquid or another liquid is below normal temperature, it can also cool, respectively.
[0038]
One liquid and the other liquid held in this way are weighed and mixed for each filling amount. As described above, “one filling amount” is an amount to be filled in one container. That is, the one liquid and the other liquid are weighed and mixed so that the amount after mixing the one liquid and the other liquid matches the amount filled in one container.
[0039]
As a means for measuring and mixing “single filling amount” in this way, it is desirable to employ a metering pump, particularly a piston-type cylinder pump (for example, see 130 and 230 in FIG. 1). If it is a piston-type cylinder pump, one liquid or another liquid can be measured and sent by one operation of the piston. In this case, it is desirable to use a device having a function capable of adjusting a single weighing in a range of 5 to 200 ml.
[0040]
Specifically, for example, on the discharge side of a piston-type cylinder-pump, a merging pipe (one that is fed with one liquid and another liquid to form a fluidized gelled food of one filling amount ( For example, if it is provided with 301 in FIG. 1, one liquid measured by a piston-type cylinder pump and another liquid are mixed to form a mixed liquid (fluid gelled food).
[0041]
The temperature after mixing one liquid with another liquid is adjusted to a temperature equal to or lower than the gelation temperature, but this adjustment is to adjust the temperature when holding one liquid and the other liquid in advance. It is desirable to do by.
[0042]
After mixing, the gelling agent contained in one liquid is mixed with the gelation-inducing component of the other liquid, and gelation is started. However, immediately after mixing, the mixed solution still has sufficient fluidity.
[0043]
The mixed solution is filled in one container within 5 seconds after mixing. Since the mixed solution starts to gel immediately after being mixed, it is filled without delay after mixing. Since the amount of the mixed liquid is one filling amount, the whole amount can be filled in one container.
[0044]
In addition, after mixing, it can also provide the process of stirring a liquid mixture and making it uniform before filling. In this case, it is desirable to use a static mixer (for example, see 300 in FIG. 1).
[0045]
In the conventional manufacturing method, the gelled food is held at a temperature higher by 10 ° C. or more than the gelling temperature and filled at this temperature. However, according to the manufacturing method of the present invention, the gelled food filled in the container is used. The temperature of the food is in a temperature range lower than the gelation temperature. Accordingly, the fluidized gelled food quickly solidifies in the filled container, and the load of the cooling process can be reduced. For this reason, when a cooling means for cooling a container after filling is used in manufacturing on a factory scale, the capacity is small, and the investment cost and running cost can be reduced.
[0046]
The cooling means may be either a continuous type or a batch type, and as a method, for example, rapid cooling can be performed with liquid nitrogen, dry ice, etc., but various refrigerators, cooling tunnels, etc. can be used. desirable.
[0047]
In the said prior art 1 and the
[0048]
Moreover, since the manufacturing method of this invention does not add cooling water etc. with respect to the liquid containing a gelatinizer like the said prior art 1, the structure of a filling apparatus can be simplified, and cooling water It is not necessary to pay attention to hygiene and process management is easy.
[0049]
Furthermore, in the manufacturing method of the present invention, since one liquid and another liquid are mixed and then filled into the container, the one liquid and the other liquid are in a uniform state in the container. Accordingly, since the product becomes a uniform product even after solidification, the quality can be maintained high. Further, as described above, if the step of stirring the mixed solution before filling is performed, for example, a static mixer is inserted, the mixed solution can be made more uniform.
[0050]
Moreover, since the manufacturing method of the present invention does not require a mechanical stirring device as in the
[0051]
As described above, in the present invention, when the mixed liquid filled in the container is cooled and solidified together with the container, the gelled food is disposed in the lower layer.
[0052]
It should be noted that the amount of the gelled food in the lower layer relative to the inner volume of the container is preferably small, and it is desirable to secure a space for filling other food on the gelled food.
[0053]
In this way, the gelled food is placed in the lower layer of the container, and then another food is filled on the gelled food. After filling with another food, an additional process according to the other food can be performed. For example, if the “other food” placed in the upper layer is a gelled food, a cooling step is performed, and if the “other food” placed in the upper layer is a frozen dessert, a freeze-curing step is performed. .
[0054]
After filling the “other food” arranged in the upper layer, another “other food” can be filled to increase the number of layers. In addition, after filling of all layers is completed, the container is usually covered and sealed.
[0055]
A desirable first aspect of the present invention is to adjust the temperature of the mixed liquid after mixing the raw material liquids to a temperature lower by 0 to 15 ° C. than the gelling temperature in the filling step. As described above, the mixed solution is adjusted to a temperature equal to or lower than the gelation temperature. In this case, a temperature lower by 0 to 15 ° C. than the gelation temperature is particularly desirable.
[0056]
As clearly shown in Test Example 4 below, the best quality multilayer gelled food can be obtained by adjusting to this temperature range.
[0057]
A desirable second aspect of the present invention is that adjustment of the liquid mixture is performed based on a specific formula.
[0058]
As described above, the liquid mixture is adjusted to a temperature equal to or lower than the gelation temperature when the container is filled, but the temperature of the liquid mixture is determined from the temperature of one liquid, the temperature of the other liquid, and the temperature of the liquid mixture. Next formula
T = (t1 * x + t2 * y) / 100
[Where, T is the temperature of the liquid mixture, t1 is the temperature of one liquid, t2 is the temperature of the other liquid, x is the mixing ratio (%) of one liquid, and y is the mixing ratio of the other liquid. (%). ] Is calculated. The temperature of the liquid mixture calculated from the above equation is usually in a temperature range that is 0 to 15 ° C. lower than the gelation temperature.
[0059]
As described above, in order to bring the mixed liquid into a predetermined temperature range, it is necessary to adjust in advance the temperature at which one liquid and the other liquid are held.
[0060]
A desirable third aspect of the present invention is that substantially no cooling device is used when solidifying after filling one liquid and the other liquid. Here, “substantially not using a cooling device” means solidifying by allowing to cool at room temperature without using general forced cooling means such as refrigerator, freezer, and liquid nitrogen release. Means.
[0061]
As described above, in the present invention, when a liquid mixture of one liquid and another liquid is filled and the container is cooled, it can quickly solidify and reduce the cooling process load. Depending on the type of other food to be filled, it may be sufficient to cool by natural cooling. In this case, it is possible to solidify without using a cooling device.
[0062]
That is, if the other food is light in specific gravity, when the gelled food filled first is solidified, it is not necessary to completely solidify to the center, and at least if the upper surface solidifies, the other food Can be filled.
[0063]
In the present invention, the reason for first solidifying the gelled food placed in the lower layer is to prevent other foods filled later from sinking into the lower gelled food and to keep the boundary between the upper and lower layers beautiful. It is. Therefore, it is sufficient to solidify at least the upper surface of the lower fluidized gelled food and not to mix with other foods to be filled later, so that a cooling device is not required for cooling after filling. Is possible. In this case, after filling with other foods, full-scale cooling may be performed using a cooling device.
[0064]
When cooling at room temperature, air convection may be caused by an air conditioner, fan, etc., but even if this level of operation is performed, it deviates from the range of “substantially not using a cooling device”. Rather, it is included in the third aspect of the present invention.
[0065]
In desirable fourth and fifth aspects of the present invention, the gelling agent is selected from the group consisting of κ-carrageenan, ι-carrageenan, lo-methoxyl pectin, sodium alginate, gellan gum, and lo-castin gum. One or more substances.
[0066]
These gelling agents are used in combination with the gelation-inducing component, and examples of such combinations include the following combinations a) to g).
a) One liquid contains κ-carrageenan, and the other liquid contains potassium.
b) ι-carrageenan is contained in one solution, and calcium is contained in the other solution.
c) One liquid contains ro-methoxyl pectin, and the other liquid contains calcium.
d) One liquid contains sodium alginate and the other liquid contains calcium.
e) Gellan gum is contained in one solution, and calcium is contained in the other solution.
f) Gellan gum is contained in one liquid, and acid is contained in the other liquid.
g) Locust bin gum is contained in one solution, and xanthan gum is contained in the other solution.
A plurality of such combinations may be used simultaneously.
[0067]
Further, for example, when the combination of e) and a) is used at the same time, gellan gum is contained in one liquid, calcium is contained in the other liquid, and κ-carrageenan is contained in the other liquid, The aspect which contains potassium in one liquid may be sufficient. Alternatively, an embodiment may be used in which gellan gum is contained in one solution, κ-carrageenan is contained in the second solution, calcium and potassium are contained in the other third solution, and these three solutions are mixed.
[0068]
A desirable sixth aspect of the present invention is that the gelling agent is one or more substances selected from the group consisting of ι-carrageenan, lo-methoxyl pectin, sodium alginate, and gellan gum, The ingredient is calcium.
[0069]
Since calcium can be obtained at a low cost, it is optimal as a raw material for the food industry. Moreover, when making it contain in another liquid, it is easy to control content. Examples of combinations are as follows h) to k).
h) In one liquid, 0.2 to 1.0% of ι carrageenan is contained, and in another liquid, calcium is contained in an amount of 5 mg / 100 g or more.
i) One liquid contains 0.4 to 1.2% of ro-methoxyl pectin, and the other liquid contains calcium of 5 mg / 100 g or more.
j) One liquid contains sodium alginate 0.3 to 1.0%, and the other liquid contains calcium 5 mg / 100 g or more.
k) 0.1 to 0.5% of gellan gum is contained in one solution, and 5 mg / 100 g or more of calcium is contained in the other solution.
[0070]
Calcium needs to have a certain concentration or more, and the concentration is generally 5 mg / 100 g or more. However, as a result of actually repeating it by changing the calcium content of other liquids, as a result of increasing the calcium concentration Along with this, there was a tendency that the gelation temperature slightly increased. Therefore, it is desirable that the calcium concentration be in the range of 5 mg / 100 g or more and as low as possible.
[0071]
When blending such calcium with other liquids, for example, when blending dairy products or the like with other liquids, as described above, natural calcium contained in the blended dairy products can be used.
[0072]
In addition, if supplemented, similarly, when the gelation-inducing component is other than calcium, the following l) to n),
l) 0.2 to 1.0% of κ carrageenan is contained in one solution, and 20 mg / 100 g or more of potassium is contained in the other solution.
m) One solution contains gellan gum in an amount of 0.1 to 0.5%, another solution contains an acid, and an amount that results in a pH of 5.0 or less after mixing one solution with another solution. Let
n) Locust bin gum is contained in one liquid in an amount of 0.1 to 0.9%, and xanthane gum is contained in another liquid in an amount of 0.1 to 0.9%.
It can also be carried out with the following formulation.
[0073]
Next, an example of an apparatus for carrying out the method of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0074]
FIG. 1 is an enlarged schematic view of a filling nozzle in an example of an apparatus for carrying out the method for producing a multilayer gelled food according to the present invention.
[0075]
In FIG. 1, the filling device 1 includes one
[0076]
(1) One
One
[0077]
One
[0078]
On the other hand, a
[0079]
(2)
The
[0080]
The
[0081]
On the other hand, a
[0082]
In the above description, the heat medium is not limited to a heat medium having a temperature higher than room temperature. When one liquid or another liquid is to be kept at a temperature lower than room temperature, the heat medium having a temperature lower than normal temperature is used. It can be a medium.
[0083]
(3) Piston pump 130 (for one liquid)
One
[0084]
The
[0085]
A
[0086]
The
[0087]
The operation of the
[0088]
If the switching
[0089]
At this time, the volume of the range in which the
[0090]
It should be noted that the distance of forward / backward movement of the
[0091]
(4) Piston pump 230 (for other liquids)
The
[0092]
The
[0093]
(5) Around
The respective ends of the
[0094]
Further, a
[0095]
Note that all the pipes downstream of the one
[0096]
(6)
A
[0097]
The
[0098]
In the filling device 1 described above, the piston pumps 130 and 230 are all operated by a control device (not shown).
[0099]
(7) Multi-layer gelled food manufacturing equipment
FIG. 2 is a schematic view showing an example of an apparatus for carrying out the method for producing a multilayer gelled food according to the present invention. 2, elements common to those in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals as those in FIG. 1, and detailed description thereof is omitted.
[0100]
In FIG. 2, the multilayer gelled
[0101]
In the following description, the transfer direction of the
[0102]
A
[0103]
On the end side of the filling devices 1 and 1a, topping
[0104]
Furthermore, a
[0105]
Describing the operation of the multilayer gelled
[0106]
The cup after filling is transported by the
[0107]
After all the multi-layer gelled foods are filled as described above, the lid is fitted onto the cup by the
[0108]
According to the above apparatus, the manufacturing method of the multilayer gelled foodstuff of this invention can be implemented effectively.
[0109]
Next, a test example is shown and this invention is demonstrated in detail.
Test example 1
This test was conducted for the purpose of investigating a preferable combination of a gelling agent and a gelling-inspiring component with respect to the gelled food disposed in the lower layer.
[0110]
1. Sample preparation
(1) Preparation of one liquid (test raw material liquid A)
The raw materials were dissolved in dissolved water, heated to 100 ° C. and dissolved, and then cooled to 30 ° C. to prepare a total of six types (sample numbers 1 to 6) of test raw material solutions A. As the gelling agent, commercially available κ-carrageenan, gellan gum, lo-methoxyl pectin, sodium alginate, locust bin gum, and ι-carrageenan (all purchased from San-Eigen FFI) were used. The composition of each raw material is as shown in Table 1.
[0111]
[Table 1]
[0112]
(2) Preparation of other liquid (test raw material liquid B)
The raw materials were dissolved in dissolved water, heated to 100 ° C. and dissolved, and then cooled to 30 ° C. to prepare a total of four types of test raw material liquids B (sample numbers 7 to 10). As the gel-inspiring component, potassium (potassium carbonate), calcium (calcium lactate), citric acid, and xanthan gum (all purchased from San-Ei Gen FFI) were used. The composition of each raw material is as shown in Table 2.
[0113]
[Table 2]
[0114]
(3) Preparation of other food
The raw material was dissolved in dissolved water, heated to 100 ° C. to dissolve, cooled to 30 ° C., and another food sample 11 was prepared. The composition of each raw material is as shown in Table 3.
[0115]
[Table 3]
[0116]
(4) Manufacturing
Using the test raw material liquid A (sample numbers 1 to 6), the test raw material liquid B (sample numbers 7 to 10), and other foods (sample number 11), the test is performed in the following procedure using the apparatus shown in FIGS. Went.
[0117]
The test raw material liquid A (sample numbers 1 to 6) is held in one
[0118]
The piston pumps 130 and 230 were operated, the test raw material liquid A and the test raw material liquid B were weighed and fed by 50 g each, mixed in the mixing
[0119]
The
[0120]
The above operation was repeated while changing the samples Nos. 1 to 6 and 7 to 10 to obtain a plurality of test samples in which the combination of the gelling agent and the gelation-inducing component was changed.
[0121]
2. Test method
Each test sample is observed with the naked eye from the lateral direction, and the best one is that the lower layer and the upper layer are clearly separated and the boundary surface is completely horizontal, and the upper layer is embedded in the lower layer or mixed The one that fits was judged as bad.
[0122]
3. Test results
The results of this test are shown in Table 4. In Table 4, “◎” indicates the best, and “×” indicates a defect.
[0123]
From Table 4, the gelled food arranged in the lower layer is best separated from the upper layer and the lower layer when the gelling agent and the gelation-inducing component are the following combinations (a) to (g). It is clear that there is.
(A) When the gelling agent is κ carrageenan and the gelation-inducing component is potassium (combination of sample number 1 and sample number 7),
(B) When the gelling agent is gellan gum and the gelation-inducing component is calcium (combination of
(C) When the gelling agent is gellan gum and the gelation-inducing component is an acid (combination of
(D) When the gelling agent is low methoxyl pectin and the gelation-inducing component is calcium (combination of sample number 3 and sample number 8),
(E) When the gelling agent is sodium alginate and the gelation-inducing component is calcium (combination of sample number 4 and sample number 8),
(F) When the gelling agent is locust bean gum and the gelation-inducing component is xanthan gum (combination of sample number 5 and sample number 10),
(G) When the gelling agent is ι carrageenan and the gelation-inducing component is calcium (combination of sample number 6 and sample number 8),
As a result of this test, according to the present invention, it was found that a multilayered gelled food product with good quality can be obtained without using any special cooling means after filling the lower layer. It has been found that the best product can be obtained when the combination of the components is the above (a) to (g).
[0124]
[Table 4]
[0125]
Test example 2
This test was carried out in order to confirm the gelation temperature for the effective combinations (a) to (g) of the gelling agent and the gelation-inducing component confirmed in Test Example 1.
1. Sample preparation
A total of six types (sample numbers 1 to 6) of test raw material solutions A were prepared in the same procedure as in Test Example 1.
[0126]
(2) Preparation of other liquid (test raw material liquid B)
A total of four types (sample numbers 7 to 10) of test raw material liquids B were prepared in the same procedure as in Test Example 1.
[0127]
(3) Mixing
The sample raw material liquid A and the sample raw material liquid B were mixed in the combinations (a) to (g) to obtain test samples corresponding to the combinations (a) to (g).
[0128]
2. Test method
The mixture was heated to 70 ° C. and gradually cooled, and the viscosity was measured with a B-type viscometer (manufactured by Tokyo Keiki Co., Ltd.) every time the temperature decreased by 5 ° C.
[0129]
In the process of cooling the temperature from 70 ° C., the viscosity value gradually increases linearly as the temperature decreases in the first stage. Then, after the inflection point, it rises rapidly and linearly in the second stage.
[0130]
The above viscosity increase process was plotted on a graph, the intersection of the straight line in the first stage and the straight line in the second stage was taken, and the temperature at this intersection was defined as the “gelation temperature”.
[0131]
The above test was repeated for each test sample.
[0132]
3. Test results
The results of this test were as follows: That is, the gelation temperature of the mixed solution of the combination (a) was 40 ° C. Similarly, (b) is 40 ° C, (c) is 30 ° C, (d) is 45 ° C, (e) is 45 ° C, (f) is 35 ° C, and (g) is 30 ° C. ° C.
[0133]
As a result of this test, the gelation temperature of the mixed solution corresponding to the combinations (a) to (g) was found.
[0134]
Test example 3
This test was conducted for the purpose of examining how the time until filling after mixing one liquid and another liquid affects the quality of the product.
[0135]
1. Sample preparation
(1) Preparation of one liquid (test raw material liquid A)
A total of six types (sample numbers 1 to 6) of test raw material solutions A were prepared in the same procedure as in Test Example 1.
[0136]
(2) Preparation of other liquid (test raw material liquid B)
A total of four types (sample numbers 7 to 10) of test raw material liquids B were prepared in the same procedure as in Test Example 1.
[0137]
(3) Filling
Using the test raw material liquid A (Sample Nos. 1 to 6) and the test raw material liquid B (Sample Nos. 7 to 10), the test was performed in the following procedure using the apparatus shown in FIGS.
[0138]
The test raw material liquid A (sample numbers 1 to 6) is held in one
[0139]
The piston pumps 130 and 230 were operated, and 50 g of each of the test raw material liquid A and the test raw material liquid B were weighed and fed, mixed in the mixing
[0140]
At this time, the
[0141]
In addition, about the combination of each test sample, the combination of a) -g) of the said test example 1 was employ | adopted, and the above procedure was repeatedly implemented about each combination.
[0142]
2. Test method
(1) Measurement 1 (hardness immediately after filling)
10 seconds after filling the sample, a penetrometer (manufactured by Nakamura Medical Science Co., Ltd.) was used to drop a 10 g conical plunger onto the surface, the distance entered was measured, and the hardness immediately after filling was measured. An entry distance of less than 30 mm was judged good, and an entry distance of 30 mm or more was judged bad.
[0143]
(2) Measurement 2 (breaking strength after solidification)
After cooling the filled sample for 12 hours in a refrigerator at 10 ° C., the breaking strength is measured with a 10 mm disc plunger with a card tension meter (manufactured by Nakamura Medical Science Co., Ltd.). The above was judged as “good”.
[0144]
3. Test results
The results of this test are as shown in Table 5. In Table 5, ◎ indicates that both the results of measurement 1 and
[0145]
As is apparent from Table 5, regardless of the type of gelling agent and the type of gelation-inducing component, if the time until filling after mixing is within 5 seconds, the degree of gelation is good and within 4 seconds. If it is, it will be recognized that it is still better.
[0146]
As a result of this test, in the present invention, after mixing one liquid containing the gelling agent and another liquid containing the gelation-inducing component, the filling is performed within 5 seconds, preferably within 4 seconds. It has been found that the objective can be achieved.
[0147]
[Table 5]
[0148]
Test example 4
This test was conducted for the purpose of examining how the temperature of the mixed liquid after mixing one liquid and another liquid affects the quality of the product.
[0149]
1. Sample preparation
(1) Preparation of one liquid (test raw material liquid A) and another liquid (test raw material liquid B)
Test raw material liquid A and test raw material liquid B were prepared in the same manner as in Test Example 1. The combination of the gelling agent and the gelation-inducing component was the above three types (a), (c), and (d).
[0150]
That is, the test raw material liquid A was prepared as the test raw material liquid A of Sample No. 1, Sample No. 2, and Sample No. 3 containing κ-carrageenan, gellan gum, and lo-methoxyl pectin as gelling agents. Sample No. 7, Sample No. 9, and Sample No. 8 test raw material liquid B containing the corresponding gelation-inducing components in the combinations of (a), (c), and (d) were prepared.
[0151]
As confirmed in Test Example 2, the gelation temperature of the mixed liquid after mixing the test raw material liquid A and the sample raw material liquid B is 40 ° C. in the combination (a), The combination is 30 ° C., and the combination (d) is 45 ° C.
[0152]
(2) Preparation of other foods
In the same manner as in Test Example 1, the raw material was dissolved in dissolved water, dissolved by heating to 100 ° C., and then cooled to 30 ° C. to prepare other foods. The blending ratio of the raw materials is as shown in Table 3 (Sample No. 11).
[0153]
(3) Filling
Using test raw material liquid A and test raw material liquid B, filling was performed by the following procedure using the apparatus shown in FIGS.
[0154]
The test raw material liquid A is held in one
[0155]
Next, after filling the mixed solution in the same manner as in Test Example 1, another food was filled after 2 seconds to form a multilayer gelled food, and a test sample was obtained.
For the above combinations (a), (c), and (d) of the test raw material liquid A and the test raw material liquid B, the temperature immediately after filling the mixed liquid is changed by adjusting the holding temperature. And repeated. The temperature immediately after the filling of the mixed solution is +5.0, +2.5, ± 0, −2.5, −5.0, −7.5, −10.0, −12 based on the gelation temperature. .5, -15.0, -17.5, and -20.0.
[0156]
2. Test method
The obtained test sample was cooled in a refrigerator at 10 ° C. for 12 hours and sufficiently solidified, and then the interface between the lower gelled food and the upper food was visually observed. The separation state was determined by the method of.
[0157]
That is, each test sample is observed with the naked eye from the lateral direction, and it is best that the lower layer and the upper layer are clearly separated and the boundary surface is completely horizontal, and the lower layer and the upper layer are separated. However, the case where the boundary surface was slightly blurred was considered good, and the case where the upper layer was embedded in the lower layer or the case where the upper layer was mixed was judged as bad.
[0158]
3. Test results
The results are as shown in Table 6. In Table 6, ◎ indicates the best, ○ indicates good, and × indicates poor.
[0159]
As is clear from Table 6, in each combination, when the temperature of the mixed solution is 0 to 15 ° C. lower than the gelation temperature, desirably 0 to 12.5 ° C., the upper layer and the lower layer are separated best. It is clear.
[0160]
From the above results, in the present invention, regardless of the type of gelling agent, if the filling temperature of the mixed solution is 0 to 15 ° C. lower than the gelling temperature, the quality of the obtained multilayer gelled food product Turned out to be the best.
[0161]
[Table 6]
[0162]
EXAMPLES Next, although an Example is shown and this invention is demonstrated in detail, the scope of the present invention is not limited to a following example.
[0163]
【Example】
Example 1 [Production of Peach Chili with Peach Pulp Sauce]
1) Preparation of one solution
For the peach jelly to be filled in the lower layer of the container, one liquid is prepared with the composition shown in Table 7, added to dissolved water, dissolved by heating to 90 ° C., held at the same temperature for 10 minutes and sterilized. Then, it was cooled to 30 ° C. and held at 30 ° C. in one
[0164]
[Table 7]
[0165]
2) Preparation of other solutions
The other liquids of the raw material of peach jelly are prepared with the formulation shown in Table 8, added to dissolved water, heated and dissolved at 90 ° C, held for 10 minutes to sterilize, cooled to 30 ° C, It hold | maintained at 30 degreeC in the
The gel-inducing component contained in the other liquid is citric acid.
[0166]
[Table 8]
[0167]
3) Preparation of other foods
As other foods, peach pulp sauce was prepared according to the blending ratio shown in Table 9, and set in topping filler-2 in the
[0168]
[Table 9]
[0169]
4) Manufacturing
The
[0170]
That is, one
[0171]
The filled
[0172]
The obtained multilayer peach jelly was well separated in two layers, and both the texture and flavor of the jelly were good.
[0173]
Example 2 [Production of whipped cream-containing coffee jelly]
1) Preparation of one solution
About the coffee jelly to be filled in the lower layer of the container, one liquid is prepared with the formulation shown in Table 10, added to dissolved water, heated and dissolved at 90 ° C., held for 10 minutes and sterilized, 40 ° C. Then, it was kept at 40 ° C. in one
[0174]
[Table 10]
[0175]
2) Preparation of other solutions
Other liquids among the raw materials for the coffee jelly are prepared according to the formulation shown in Table 11, added to dissolved water, heated to 90 ° C. to dissolve, held at the same temperature for 10 minutes and sterilized. , Was cooled to 40 ° C., and held at 40 ° C. in another
[0176]
[Table 11]
[0177]
3) Preparation of other foods
As another food, a cream (manufactured by Morinaga Milk Company) was whipped with a whipping machine (manufactured by Towa Techno Co., Ltd.) to prepare a whipped cream with 100% overrun. The whipped cream was set on the topping
[0178]
4) Manufacturing
Next, the
[0179]
That is, one
[0180]
The filled
[0181]
The obtained multi-layered coffee jelly had good separation between the two layers, and both the texture and flavor of the jelly were good.
[0182]
Example 3 [Production of Strawberry Jelly with Whipped Cream and Fruit Sauce]
1) Preparation of one solution
For the strawberry jelly to be filled in the lower layer, one liquid was prepared with the formulation shown in Table 12, added to dissolved water, heated to 90 ° C. to dissolve, held at the same temperature for 10 minutes to sterilize, 40 It was cooled to 0 ° C. and kept at 40 ° C. in one
[0183]
[Table 12]
[0184]
2) Preparation of other solutions
Other liquids that are raw material liquids of strawberry jelly are prepared with the formulation shown in Table 13, added to dissolved water, heated and dissolved at 90 ° C, sterilized by holding for 10 minutes, cooled to 40 ° C, It hold | maintained at 40 degreeC in the
[0185]
[Table 13]
[0186]
3) Preparation of other food 1
As another food, a cream (manufactured by Morinaga Milk Company) was whipped with a whipping machine (manufactured by Towa Techno Co., Ltd.) to prepare a whipped cream with 100% overrun. The whipped cream was set on the topping
[0187]
4) Preparation of
As another food, a fruit sauce was prepared according to the blending ratio shown in Table 14, and set in the topping filler-2a in the
[0188]
[Table 14]
[0189]
5) Manufacturing
Next, the
[0190]
That is, one
[0191]
The filled
[0192]
The obtained multilayer Strawberry jelly was well separated in three layers, and both the texture and flavor of the jelly were good.
[0193]
【The invention's effect】
As described above, the present invention includes a gelling agent contained in one liquid and a component that triggers gelation of the gelling agent in another liquid, and is prepared separately, and has a gelation temperature or lower. It is a method for producing a multi-layer gelled food in which each filling amount is weighed and mixed at a temperature, filled in a container within 5 seconds after mixing, solidified, and filled with the other food on the solidified mixed solution. The present invention has the following effects.
(1) In the method for producing a multilayer gelled food according to the present invention, the load of the cooling process when the lower layer is solidified can be reduced, and further, the cooling process itself can be omitted.
(2) In the method for producing a multilayer gelled food according to the present invention, the quality of the product is high, and the investment cost and running cost of the apparatus are low.
(3) In the method for producing a multilayer gelled food according to the present invention, even if the production line is temporarily stopped, there is no possibility that the gelled food is solidified inside the filling device, and the operation of the filling device Good properties.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an enlarged schematic view of a filling nozzle in an example of an apparatus for carrying out the method for producing a multilayer gelled food according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing an example of an apparatus for carrying out the method for producing a multilayer gelled food according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Filling device
1a filling device
2 Topping filler
2a topping filler
10 Manufacturing equipment
100 One liquid tank
110 Heat transfer jacket
120 discharge piping
130 Piston pump
200 Tank for other liquids
210 Heat medium jacket
220 Discharge piping
230 Piston pump
300 Static mixer
301 Mixing tube
302 Stirring plate
303 Control valve
304 Filling nozzle
400 thermal insulation
500 cups
600 conveyor
601 cup feeder
602 lid feeder
603 Heat-shearer
Claims (7)
T = (t1×x + t2×y)/100
[ただし、上式において、Tは混合液の温度、t1は一の液の温度、t2は他の液の温度、xは一の液の混合割合(%)、yは他の液の混合割合(%)を表す。]により算出される温度に調整される請求項1又は請求項2に記載の多層ゲル化食品の製造方法。The temperature of the mixed solution is expressed by the following formula T = (t1 × x + t2 × y) / 100
[Where, T is the temperature of the liquid mixture, t1 is the temperature of one liquid, t2 is the temperature of the other liquid, x is the mixing ratio (%) of one liquid, and y is the mixing ratio of the other liquid. (%). ] The manufacturing method of the multilayer gelled foodstuff of Claim 1 or Claim 2 adjusted to the temperature calculated by this.
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