JP3777728B2 - Flame retardant polyester elastomer composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系の難燃剤を使用し、加熱時の揮散性が少ない、難燃性ポリエステルエラストマー組成物に関するものである。更に、機械的特性が優れ、耐熱性や耐水性に優れた難燃性ポリエステルエラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、結晶性芳香族ポリエステルセグメントとポリラクトンセグメントとからなるポリエステル型ブロック共重合体(a)は、結晶性芳香族ポリエステルとラクトンを反応させる方法(特公昭48−4116号公報)、結晶性芳香族ポリエステルとラクトンを反応させ、得られるブロック初期共重合体に多官能アシル化剤を反応させて鎖延長させる方法(特公昭48−4115号公報)、結晶性芳香族ポリエステルの存在下にラクトン類を固相状態で重合させる方法(特公昭52−49037号公報)等により得られることが知られている。
【0003】
これらの製造方法によって得られる結晶性芳香族ポリエステルセグメントとポリラクトンセグメントとからなるポリエステル型ブロック共重合体(a)は、優れたゴム状弾性を有し、かつ耐候性にも優れる。しかし、耐熱性が不十分であり、高温に長時間曝されると、強度および伸度が著しく低下するという難点がある。さらに、このブロック共重合体(a)は耐水性が不十分であり、水の存在下で加水分解を起こし易い。そのため、これらのブロック共重合体(a)は、そのまま、繊維、フィルム、成形材料などの素材として実用に供することが難しい。
【0004】
そこで、上記のようなポリエステル型ブロック共重合体の耐熱性および耐水性を改善するため、1官能以上のエポキシ化合物を配合する方法(特開昭58−162654号公報)などが提案されている。この方法により、耐熱性および耐水性は改良される。しかし、この方法は、使用するエポキシ化合物の種類により加熱時の揮散性が多いという問題点を有している。
【0005】
また、一般に、熱可塑性樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系難燃剤、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物を樹脂に配合する方法が一般的であるが、難燃剤としてハロゲン系難燃剤、難燃助剤としてアンチモン化合物を熱可塑性樹脂に配合する方法では、混練時および成型時にハロゲン系難燃剤の一部が分解し、遊離したハロゲンガスやハロゲン化合物か生成し、コンパウンド用混練機や射出成形機等のシリンダー、スクリューおよび金型の表面を腐食させることがある。特に成形品の用途が電器・電子機器部品分野では、使用中に金属部分を腐食し、接点不良や導通不良を引き起こすおそれがある。さらに、難燃性の効果を高めるために、通常、難燃助剤としてアンチモン化合物を併用することが多いが、このアンチモン化合物は樹脂にとって異物であるため、機械特性低下の原因になるという欠点がある。
【0006】
また、前述のようなエポキシ化合物の配合により樹脂の耐熱性および加水分解性は改善されるが、成形品の用途によっては厳しい使用環境に曝される場合があるので、ヒンダードフェノール系化合物等の安定剤を配合することが一般的である。しかし、安定剤の配合は安定剤の種類と配合量が不適切である場合は、樹脂の特性を改善出来ないばかりか、樹脂との親和性不良から機械特性を低下させる等の悪影響がある。さらに、安定剤の種類によっては加工工程で安定剤が揮散し、衛生上問題となる上、配合した成形品中に残存する安定剤が減少するため、耐熱性や耐加水分解性改善効果が不十分となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題点を解決し、優れた難燃性、耐熱性及び耐加水分解性を有し、しかも加熱時の揮散性が少ない難燃性ポリエステルエラストマー組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物は、下記のポリエステルエラストマー組成物(A)100重量部及び平均粒子径が2〜100μmのトリアジン基を有する化合物(B)0.5〜50重量部からなることを特徴とする。
【0009】
ここで、ポリエステルエラストマー組成物(A)は、結晶性芳香族ポリエステルセグメントとポリラクトンセグメントとからなるポリエステル型ブロック共重合体(a)100重量部、下記(1)式を満足する2官能以上の化合物で、かつ、その官能基が上記共重合体(a)の末端基と反応し得る化合物(b)0.1〜10重量部及びピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を繰り返し単位とする高分子量安定剤(c)0.1〜5重量部からなる。
【0010】
(W1−W2)/W1≦0.1 −−−(1)
[式(1)において W1は熱処理前のサンプル重量、W2は200℃で30分熱処理した後のサンプル重量を示す。]
【0011】
ここで、トリアジン基を有する化合物(B)の平均粒子径とは、粒子の表面特性を調整するために有機又は無機系の化合物で表面をコーティングし、次いで走査型電子顕微鏡で撮影した粉体の像を、イメージアナライザーで解析した粉体の平均粒子径を意味する。
【0012】
なお、本明細書中で、「結晶性芳香族ポリエステルセグメントとポリラクトンセグメントとからなるポリエステル型ブロック共重合体(a)」を「ブロック共重合体(a)」と、「下記(1)式を満足する2官能以上の化合物で、かつその官能基が上記ブロック共重合体(a)の末端基と反応し得る化合物(b)」を「化合物(b)」と、「ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を主たる繰り返し単位とする高分子量安定剤(c)」を「高分子量安定剤(c)」と、「平均粒子径が2〜100μmのトリアジン基を有する化合物(B)」を「トリアジン基を有する化合物(B)」と、略して記することがある。
【0013】
上記の構成からなる本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物は、本発明で用いるブロック共重合体(a)が本来有している特性に加えて、加熱時の揮散性が少なく、優れた難燃性、耐熱性及び耐加水分解性を有している。
【0014】
また、本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物は、化合物(b)が、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、又はビスフェノールS−ジグリシジルエーテルであることができる。
【0015】
また、本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物は、高分子量安定剤(c)が前記(1)式を満足することができる。
【0016】
さらにまた、本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物は、トリアジン基を有する化合物(B)が、メラミン又はメラミンシアヌレートであることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明の難燃性ポリエステル組成物の製造に用いる結晶性芳香族ポリエステルセグメントとポリラクトンセグメントとからなるポリエステル型ブロック共重合体自体は公知のものであり、典型的には結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類とを反応させることによって得ることが出来る。
【0019】
ここで用いることができる結晶性芳香族ポリエステルとしては、主としてエステル結合またはエステル結合とエーテル結合とからなるポリエステルが好ましいものとして挙げられ、少なくとも1種の芳香族核を有する基を主たる繰り返し単位とし、かつ、分子末端に主として水酸基を有するものが用いられる。この結晶性芳香族ポリエステルは、融点が150℃以上のものが、また、分子量は用途によって異なるが、成形材料として使用する場合は5000以上、さらに8000以上のものが好ましい。接着剤やコーティング剤などとして使用される場合の分子量は5000以下である。
【0020】
上記結晶性芳香族ポリエステルの好ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのホモポリエステル;ポリエチレンオキシベンゾエート、ポリ−p−フェニレンビスオキシエトキシテレフタレートなどのポリエステルエーテル;主としてテトラメチレンテレフタレート単位又はエチレンテレフタレート単位からなり、他にテトラメチレンイソフタレート単位又はエチレンイソフタレート単位、テトラメチレンアジペート単位又はエチレンアジペート単位、テトラメチレンセバケート単位又はエチレンセバケート単位、1,4一シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位、テトラメチレン−p−オキシベンゾエート単位又はエチレン−p−オキシベンゾエート単位などの共重合成分を有する共重合ポリエステル又は共重合ポリエステルエーテルなどである。なお、共重合体の場合にはテトラメチレンテレフタレートまたはエチレンテレフタレート単位が60モル%以上含まれることが好ましい。
【0021】
またラクトン類としては、カプロラクトンが最も好ましいが、その他、エナントラクトン、カプリロラクトン等も使用することができ、これらのラクトン類も2種以上を併用することができる。
【0022】
上記結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類との共重合割合は、その用途によって適宜変えることができる。一般に、結晶性芳香族ポリエステルの割合が増大すると、得られるブロック共重合体(a)は硬くなり、強度、伸度などの機械的特性が向上する。ラクトン類の割合が増大すると、得られるブロック共重合体(a)は軟質化し、低温特性が向上する。従って、機械的強度、低温特性などのバランスを考慮しながら、用途に応じて両者の共重合割合が選定され得る。標準的な配合比率としては、重量比で芳香族ポリエステル/ラクトン類が97/3〜5/95、より一般的には95/5〜30/70の範囲である。硬質の成形体を得たい場合には上記割合を95/5〜70/30の範囲から選択するのがよい。
【0023】
次に、本発明で使用される下記(1)式を満足する2官能以上の化合物で、かつその官能基が上記ブロック共重合体(a)の末端基と反応し得る化合物(b)としては下記(1)式を満足し、同一分子内に2個以上有する化合物であれば、その構造に一切制限はない。
【0024】
(W1−W2)/W1≦0.1 (1)
[式(1)において W1は熱処理前のサンプル重量、W2は200℃で30分熱処理した後のサンプル重量を示す。]
【0025】
具体例としては、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールS−ジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型グリシジルエーテル、フェノールノボラック型グリシジルエーテル、ポリカルボジイミド、ビスオキサゾリン化合物等が挙げられる。特に好ましい例としてはビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、ポリカルボジイミド、ビスオキサゾリン化合物等が挙げられる。
【0026】
これら化合物(b)の配合量は、用いられるブロック共重合体(a)の末端に存在する官能基の量、あるいは最終的に得られる組成物の要求特性によって変わり得る。好ましくは上記ポリエステル型ブロック共重合体100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部、より好ましくは0.3重量部〜8重量部である。0.1重量部未満では、このような化合物を反応させることによって得られる作用効果、例えば、増粘による成形性の向上効果、耐熱性および耐水性の向上効果が有意に発揮されない。また10重量部を超えると、未反応化合物が残存することによって、成形体の表面性状が粗雑になる等、成形品の品質に悪影響が現れてくる。
【0027】
本発明において用いるポリエステルエラストマー組成物(A)において、前記ブロック共重合体(a)と化合物(b)との反応は触媒を用いなくとも起こり得るが、反応の促進または親和性の向上の点から、触媒を用いることが望ましい。触媒としては、一般にアミン類、リン化合物、炭素原子数が10以上であるモノカルボン酸および/またばジカルボン酸類の、元素周期律表Ia族またはIIa族の金属塩類などが挙げられる。なかでもトリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの3価のリン化合物;およびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウムなどのステアリン酸の金属塩類が好ましい。これらの触媒は、単独でまたは2種以上混合して用いられ得る。また、上記触媒は一括して添加しても分割して添加しても、同様の効果が得られ、触媒の添加量は、通常、上記ブロック共重合体(a)100重量部に対して3重量以下、好ましくは0.03〜2重量部である。
【0028】
本発明で用いられる、ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を主たる繰り返し単位とする高分子量安定剤(c)は、安定化作用を有するピペリジン基あるいは置換ピペリジン基が、直接もしくはアルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリール基又はそれらの基を組み合わせて形成される基、さらにはそれらの基が窒素、酸素等のいわゆるヘテロ原子を含有するもの等により高分子鎖に結合したものであり、ここでいう高分子鎖とは飽和炭化水素、不飽和炭化水素から構成されるものであっても、それら炭化水素基が酸素、窒素等のいわゆるヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有結合基を介して結合したものであってもよい。
【0029】
上記高分子量安定剤(c)の分子量は特に限定されるものではないが、ピペリジン骨格を少なくとも1単位含有する成分を繰り返し単位とし、該繰り返し単位が2単位以上結合したものである。繰り返し単位の数は2個から100個の範囲であり、より一般的には3個から50個である。繰り返し単位が少ないと安定剤の分子量が低く、揮発性が高くなるため、成形時に揮散して所定の添加量が得られない等の問題が生じ、繰り返し単位数が大きすぎると安定剤自体の粘度か高くなり、本発明ではエラストマーへの分散が困難になる等の不都合が生じる可能性がある。
【0030】
上記高分子量安定剤(c)の添加量は、該エラストマーの用途によって適宜変えられ得る。一般にはより高度な熱安定性を要求される用途では添加量を高める必要があるが、添加量を高めすぎると安定剤が成形時に析出し、成形金型を汚染したり、ポリマー流路に堆積して成形に不都合を生じる原因となる。また、成形品として加工した後でも成形品を使用中にその表面に析出して、見栄えが悪くなったり、衛生上問題を生じる可能性がある。従って、添加量は0.1〜5重量部の範囲が適切であり、より好ましくは0.3〜3重量部である。
【0031】
上記高分子量安定剤(c)は単独でまたは他の一般的な安定剤と混合して用いることができるが、共に用いるのに適した安定剤としてはヒンダードフェノール系、アミン系、リン系、チオエーテル系、金属塩系、などが挙げられる。本発明においては揮散性と機械的特性、耐熱性、耐加水分解性のバランスを取る観点より、安定剤としても揮発性の低い化合物を選定することが望ましい。
【0032】
また、本発明で使用されるトリアジン基を有する化合物(B)としては、メラミン、メラミンシアヌレートが好ましく、メラミンシアヌレートが特に好ましい。このメラミンシアヌレートは、シアヌール酸とメラミンの混合物を水スラリーとし、充分混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。メラミンシアヌレートの形態としては特に制限はないが、本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物から得られる成型品の機械的強度や表面性の点からできる限り微細な粉末として得られたものを用いる。具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した粉末の像を、イメージアナライザーで分析した粉末の平均粒子径が2〜100μmであるものであり、2〜70μmであるものが特に好ましい。さらに粒子の表面特性を調整し、マトリックスとの親和性を変化させて粒子の凝集を押さえる、あるいはマトリックス中への分散性を高める目的で有機あるいは無機系の化合物で表面をコーティングすることが好ましく、該化合物としてはポリビニールアルコール系化合物やシリカ系化合物が好ましい。
【0033】
上記トリアジン基を有する化合物(B)の使用量は、前記ポリエステル型ブロック共重合体(a)100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは2〜35重量部である。0.5重量部より少ないと難燃性の向上効果が認められず、また50重量部を越えると成型品の機械的物性や表面外観が損なわれるため好ましくない。
【0034】
本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物は、必要に応じてさらに、繊維状強化材又は無機フィラーを含有することができる。前記ポリエステル型ブロック共重合体(a)100重量部に対して、繊維状強化材又は無機フィラーを合計量が100重量部を超えない範囲で配合することにより、強度・剛性・耐熱性・寸法安定性等の向上を図ることが可能である。繊維状強化材としては、ガラス繊維、シリカガラス繊維、アルミナ繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、チタン酸カルウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカーなどのウィスカーおよび炭素繊維等が挙げられる。無機フィラーとしてはタルク、ワラストナイト、カオリン、マイカ、セリサイト、クレー、アルミナシリケート、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、炭酸カルシウム、シリカなどか挙げられる。
【0035】
本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物には、用途、目的などに応じて、従来公知の結晶化促進剤、結晶核材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、導電性改良剤、耐加水分解改良剤、多官能架橋剤、耐衝撃改良剤、着色剤などを配合することができる。また、本発明の目的を損なわない限り、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンのような他の種類の樹脂もブレンドすることができる。
【0036】
本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物の製造方法としては、特に限定されるものではなく、任意の方法で行うことができる。たとえば押出機、ロールミル、バンバリーミキサーなどで加熱・混練することにより、目的の組成物を得ることができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の構成及び作用効果をより詳細に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合しうる範囲で変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0038】
本明細書で採用した各種物性値の測定方法は下記の通りである。
【0039】
[引張破断強伸度]
射出成形機(山城精機社mode1‐SAV)を用いて、チップを100mm×100mm×2mmの平板に成形した後、ダンベル状3号形の試験片を平板から打ち抜いた。東洋精機社製テンシロンUTM−IIIを用いて、得られた試験片を毎分500mmの速さで伸長し、試験片が破断したときの荷重(kg)を初期断面積(cm2)を除した値を引張破断強度(kg/cm2)とし、試験片が破断するまでの試料の伸びの原試料長に対する割合を引張破断伸度(%)とした。
【0040】
[粉体粒子径の測定]
粉体粒子を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S−510型)で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、粉体の外形をトレースし任意に1000個の粒子を選んで黒く塗りつぶした。この像を画像解析装置(ニレコ株式会社製ルーゼックス2−D型)を用いてそれぞれの粒子の円相当径を測定した。
【0041】
[揮散性]
乾燥により水分率を0.03%以下にしたペレットを、直径6cm×高さ3cmのガラス製秤量瓶に約20g採取し、精秤(SO)した後150℃で2時間、熱風乾燥機にて処理した。冷却後の試料重量を精秤(S1)し、下式により加熱減量率を算出した。加熱減量率が低いものほど揮散性良好な試料である。
【0042】
加熱減量率(%)=(SO−S1)×100/S0
【0043】
[難燃性]
UL−94に定められている評価基準に従い、1/16インチ(0.794mm)の厚みで試験を実施した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
【0044】
[耐熱性]
ダンベル試験片を、180℃の熱風乾燥機にて処理し、引張伸度保持率が初期引張伸度の50%になる時間を測定し、耐熱性の指標とした。
【0045】
[耐加水分解性]
ダンベル試験片を、沸騰水中に浸漬し、引張伸度保持率が初期引張伸度の50%になる時間を測定し、耐加水分解性の指標とした。
【0046】
(製造例1)
ポリテトラメチレンテレフタレート70kg、ε−カプロラクトン30kgを反応容器にとり、窒素ガスでパージした後、230℃で攪拌しながら2時間溶融反応させることで、ポリエステル型ブロック共重合体のチップを得た。得られたポリエステル型ブロック共重合体は、還元比粘度が1.163であり、酸価が65当量/106gであり、引っ張り破断強度が370kg/cm2であり、引っ張り破断伸度が710%であった。
【0047】
(製造例2)
ポリテトラメチレンテレフタレートの代わりにポリテトラメチレン−2,6−ナフタレートを用い、溶融反応温度を245℃とする以外は製造例1と同様の方法で、ナフタレン基含有ポリエステル型ブロック共重合体を得た。得られたナフタレン基含有ブロック共重合体は、還元比粘度が、1.052であり、酸価が48当量/106gであり、引っ張り破断強度が400kg/cm2であり、引っ張り破断伸度が650%であった。
【0048】
製造例1あるいは製造例2で得られたポリエステル型ブロック共重合体チップ、表2に示した変成剤の所定量、表2に示したメラミンシアヌレートの所定量及び表2に示したピペリジン骨格を有する高分子量安定剤をドラムタンブラーに入れ、室温にて30分間攪拌した。混合物を40mmφ同方向2軸押出機を用いて230℃にて押出し、水冷後切断チップ化した。得られたチップを100℃にて減圧乾燥してから各種試験に供した。その結果を表2に示した。
【0049】
なお、表1及び表2中の変成剤−AはビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、変成剤−Bはポリカルボジイミド、変成剤−Cはポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを夫々意味する。また、安定剤−Aはヘキスト社製のピペリジン骨格を有する高分子量安定剤ホスタビンN−30、安定剤−Bは安定剤−Aと同様の構造を有し、低分子量の安定剤ホスタビンN−20を夫々意味する。200℃×30分熱処理時の加熱減量率を表1に示した。変成剤−A、変成剤−B及び安定剤−Aが前記(1)式を満足する。
【0050】
更に、表2中のMC−1はシリカ系化合物で表面コーティングした平均粒子径20μmのメラミンシアヌレート、MC−2はシリカ系化合物で表面コーティングした平均粒子径70μmのメラミンシアヌレートを夫々意味する。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明の難燃性ポリエステルエラストマー組成物によれば、結晶性芳香族ポリエステルセグメントとポリラクトンセグメントとからなるポリエステル型ブロック共重合体(a)が本来有している特性を保持しながら、さらに、加熱時に揮散性が少なく、有害ガスの発生及び腐食性が無く、難燃性、耐熱性及び耐加水分解性に優れている。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a flame retardant polyester elastomer composition that uses a non-halogen flame retardant and has low volatility during heating. Furthermore, the present invention relates to a flame retardant polyester elastomer composition having excellent mechanical properties and excellent heat resistance and water resistance.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a polyester block copolymer (a) comprising a crystalline aromatic polyester segment and a polylactone segment is obtained by reacting a crystalline aromatic polyester with a lactone (Japanese Patent Publication No. 48-4116), crystalline aroma. A method of reacting an aromatic polyester with a lactone, reacting a polyfunctional acylating agent with the resulting block initial copolymer to extend the chain (Japanese Patent Publication No. 48-4115), and a lactone in the presence of a crystalline aromatic polyester It is known that it can be obtained by a method of polymerizing in a solid state (Japanese Patent Publication No. 52-49037).
[0003]
The polyester type block copolymer (a) comprising a crystalline aromatic polyester segment and a polylactone segment obtained by these production methods has excellent rubber-like elasticity and excellent weather resistance. However, the heat resistance is insufficient, and there is a problem that the strength and the elongation are remarkably lowered when exposed to a high temperature for a long time. Furthermore, this block copolymer (a) has insufficient water resistance and is liable to undergo hydrolysis in the presence of water. Therefore, it is difficult to use these block copolymers (a) as they are as raw materials for fibers, films, molding materials and the like.
[0004]
Therefore, in order to improve the heat resistance and water resistance of the polyester type block copolymer as described above, a method of blending one or more functional epoxy compounds (Japanese Patent Laid-Open No. 58-162654) has been proposed. By this method, heat resistance and water resistance are improved. However, this method has a problem that volatility at the time of heating is large depending on the type of epoxy compound used.
[0005]
In general, as a method of imparting flame retardancy to a thermoplastic resin, a method of blending a halogen-based flame retardant as a flame retardant and an antimony compound as a flame retardant auxiliary is generally used as a flame retardant. In the method of blending an antimony compound with a thermoplastic resin as a halogen-based flame retardant or a flame retardant aid, a part of the halogen-based flame retardant decomposes during kneading and molding to produce free halogen gas or halogen compound, and the compound This may corrode the surfaces of cylinders, screws and molds of kneading machines and injection molding machines. In particular, when the use of molded products is in the field of electrical appliances and electronic equipment parts, metal parts may be corroded during use, which may cause contact failure or conduction failure. Furthermore, in order to enhance the flame retardancy effect, an antimony compound is usually used in combination as a flame retardant aid. However, since this antimony compound is a foreign substance for the resin, there is a disadvantage that it causes a decrease in mechanical properties. is there.
[0006]
In addition, the heat resistance and hydrolyzability of the resin are improved by the compounding of the epoxy compound as described above, but depending on the use of the molded product, it may be exposed to a severe use environment. It is common to incorporate stabilizers. However, in the case where the stabilizer is blended, if the kind and blending amount of the stabilizer are inappropriate, not only the properties of the resin cannot be improved, but also there are adverse effects such as a decrease in mechanical properties due to poor affinity with the resin. Furthermore, depending on the type of stabilizer, the stabilizer volatilizes in the processing process, which is a sanitary problem, and the stabilizer remaining in the blended molded article is reduced, so the effect of improving heat resistance and hydrolysis resistance is not good. It will be enough.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned conventional problems and to provide a flame retardant polyester elastomer composition having excellent flame retardancy, heat resistance and hydrolysis resistance, and having low volatility during heating. And
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the flame-retardant polyester elastomer composition of the present invention comprises 100 parts by weight of the following polyester elastomer composition (A) and a compound (B) having a triazine group having an average particle diameter of 2 to 100 μm. It consists of 5 to 50 parts by weight.
[0009]
Here, the polyester elastomer composition (A) is composed of 100 parts by weight of a polyester block copolymer (a) composed of a crystalline aromatic polyester segment and a polylactone segment, and has a bifunctional or higher functionality satisfying the following formula (1). Diazaspirodecane, which is a compound and has 0.1 to 10 parts by weight of the compound (b) whose functional group can react with the terminal group of the copolymer (a) and a piperidine skeleton as a component. It consists of 0.1 to 5 parts by weight of a high molecular weight stabilizer (c) having a derivative as a repeating unit.
[0010]
(W1-W2) /W1≦0.1 (1)
[In Formula (1), W1 shows the sample weight before heat processing, W2 shows the sample weight after heat-processing for 30 minutes at 200 degreeC. ]
[0011]
Here, the average particle diameter of the compound (B) having a triazine group refers to the powder coated with the organic or inorganic compound and then photographed with a scanning electron microscope in order to adjust the surface characteristics of the particles. It means the average particle diameter of powder obtained by analyzing an image with an image analyzer.
[0012]
In the present specification, “a polyester type block copolymer (a) comprising a crystalline aromatic polyester segment and a polylactone segment” is referred to as “block copolymer (a)” and “the following formula (1): A compound (b) "that is a bifunctional or higher functional compound that satisfies the above-mentioned conditions and whose functional group can react with the terminal group of the block copolymer (a)" is referred to as "compound (b)"; “High molecular weight stabilizer (c)” comprising a diazaspirodecane derivative as a main repeating unit as a main component and “high molecular weight stabilizer (c)” and “triazine group having an average particle diameter of 2 to 100 μm” “Compound (B)” may be abbreviated as “compound (B) having a triazine group”.
[0013]
The flame-retardant polyester elastomer composition of the present invention having the above-described configuration has excellent volatility when heated in addition to the properties inherent to the block copolymer (a) used in the present invention. Has fire resistance, heat resistance and hydrolysis resistance.
[0014]
In the flame-retardant polyester elastomer composition of the present invention, the compound (b) may be bisphenol F-diglycidyl ether, bisphenol A-diglycidyl ether, or bisphenol S-diglycidyl ether.
[0015]
In the flame-retardant polyester elastomer composition of the present invention, the high molecular weight stabilizer (c) can satisfy the formula (1).
[0016]
Furthermore, in the flame retardant polyester elastomer composition of the present invention, the compound (B) having a triazine group may be melamine or melamine cyanurate.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
[0018]
The polyester-type block copolymer itself comprising a crystalline aromatic polyester segment and a polylactone segment used in the production of the flame-retardant polyester composition of the present invention is a known one, typically a crystalline aromatic polyester and It can be obtained by reacting with lactones.
[0019]
As the crystalline aromatic polyester that can be used here, a polyester mainly composed of an ester bond or an ester bond and an ether bond is preferable, and a group having at least one kind of aromatic nucleus is a main repeating unit. And what has a hydroxyl group mainly at the molecular terminal is used. This crystalline aromatic polyester has a melting point of 150 ° C. or higher, and the molecular weight varies depending on the application, but when used as a molding material, it is preferably 5000 or higher, more preferably 8000 or higher. When used as an adhesive or a coating agent, the molecular weight is 5000 or less.
[0020]
Preferable specific examples of the crystalline aromatic polyester include polyethylene terephthalate, polytetramethylene terephthalate, poly-1,4-cyclohexylene dimethylene terephthalate, homopolyester such as polyethylene-2,6-naphthalate; polyethylene oxybenzoate, poly -Polyester ethers such as p-phenylenebisoxyethoxy terephthalate; mainly composed of tetramethylene terephthalate units or ethylene terephthalate units, in addition to tetramethylene isophthalate units or ethylene isophthalate units, tetramethylene adipate units or ethylene adipate units, tetramethylene seba Kate unit or ethylene sebacate unit, 1,4-monocyclohexylene dimethylene terephthalate unit, tetramethyl Copolyester or copolyester ether having a copolymerization component such as emissions -p- oxybenzoate unit or ethylene -p- oxybenzoate units is like. In the case of a copolymer, it is preferable that tetramethylene terephthalate or ethylene terephthalate units are contained in an amount of 60 mol% or more.
[0021]
As lactones, caprolactone is most preferable, but enanthlactone, caprylolactone, and the like can also be used. Two or more of these lactones can be used in combination.
[0022]
The copolymerization ratio of the crystalline aromatic polyester and the lactone can be appropriately changed depending on the application. In general, when the proportion of the crystalline aromatic polyester is increased, the resulting block copolymer (a) becomes hard and mechanical properties such as strength and elongation are improved. When the ratio of lactones increases, the resulting block copolymer (a) becomes soft and the low temperature characteristics are improved. Therefore, the copolymerization ratio of the two can be selected according to the application while considering the balance of mechanical strength, low temperature characteristics, and the like. As a standard blending ratio, aromatic polyester / lactones are in a range of 97/3 to 5/95, more generally 95/5 to 30/70 by weight. When it is desired to obtain a hard molded body, the ratio is preferably selected from the range of 95/5 to 70/30.
[0023]
Next, as a compound (b) which is a bifunctional or higher functional compound satisfying the following formula (1) used in the present invention and whose functional group can react with the terminal group of the block copolymer (a): As long as the compound satisfies the following formula (1) and has two or more in the same molecule, the structure is not limited at all.
[0024]
(W1-W2) /W1≦0.1 (1)
[In Formula (1), W1 shows the sample weight before heat processing, W2 shows the sample weight after heat-processing for 30 minutes at 200 degreeC. ]
[0025]
Specific examples include bisphenol A-diglycidyl ether, bisphenol F-diglycidyl ether, bisphenol S-diglycidyl ether, cresol novolac glycidyl ether, phenol novolac glycidyl ether, polycarbodiimide, and bisoxazoline compound. Particularly preferred examples include bisphenol F-diglycidyl ether, polycarbodiimide, and bisoxazoline compound.
[0026]
The compounding amount of these compounds (b) may vary depending on the amount of functional groups present at the ends of the block copolymer (a) used or the required properties of the finally obtained composition. Preferably they are 0.1 weight part-10 weight part with respect to 100 weight part of said polyester type block copolymers, More preferably, they are 0.3 weight part-8 weight part. If the amount is less than 0.1 parts by weight, the effects obtained by reacting such a compound, for example, the effect of improving moldability by increasing the viscosity, the effect of improving heat resistance and water resistance are not significantly exhibited. On the other hand, if the amount exceeds 10 parts by weight, the unreacted compound remains, and thus the surface properties of the molded product become rough, which adversely affects the quality of the molded product.
[0027]
In the polyester elastomer composition (A) used in the present invention, the reaction between the block copolymer (a) and the compound (b) can occur without using a catalyst, but from the viewpoint of promoting the reaction or improving the affinity. It is desirable to use a catalyst. Examples of the catalyst generally include amines, phosphorus compounds, metal salts of Group Ia or Group IIa of monocarboxylic acids and / or dicarboxylic acids having 10 or more carbon atoms. Of these, trivalent phosphorus compounds such as tributylphosphine and triphenylphosphine; and metal salts of stearic acid such as calcium stearate and sodium stearate are preferable. These catalysts can be used alone or in admixture of two or more. The same effect can be obtained by adding the catalyst all at once or dividedly, and the amount of the catalyst added is usually 3 parts by weight per 100 parts by weight of the block copolymer (a). It is below the weight, preferably 0.03 to 2 parts by weight.
[0028]
The high molecular weight stabilizer (c) mainly comprising a diazaspirodecane derivative having a piperidine skeleton as a constituent component, used in the present invention, has a piperidine group or a substituted piperidine group having a stabilizing action, Directly or by an alkyl group, a cycloalkyl group, an alkylene group, a cycloalkylene group, an aryl group or a group formed by combining these groups, and those groups containing so-called heteroatoms such as nitrogen and oxygen Even if the polymer chain is composed of a saturated hydrocarbon or an unsaturated hydrocarbon, the hydrocarbon group is a so-called heteroatom such as oxygen or nitrogen or It may be bonded via a heteroatom-containing linking group.
[0029]
Although the molecular weight of the high molecular weight stabilizer (c) is not particularly limited, a component containing at least one unit of piperidine skeleton is used as a repeating unit, and the repeating unit is bonded to two or more units. The number of repeating units ranges from 2 to 100, more typically from 3 to 50. When the number of repeating units is small, the molecular weight of the stabilizer is low and the volatility is high, which causes problems such as volatilization during molding and failure to obtain a predetermined addition amount, and when the number of repeating units is too large, the viscosity of the stabilizer itself. In the present invention, there is a possibility that inconveniences such as difficulty in dispersion in the elastomer occur.
[0030]
The addition amount of the high molecular weight stabilizer (c) can be appropriately changed depending on the use of the elastomer. Generally, it is necessary to increase the additive amount in applications that require higher thermal stability. However, if the additive amount is excessively increased, the stabilizer will precipitate during molding, contaminating the mold or depositing in the polymer flow path. This causes inconvenience in molding. Further, even after being processed as a molded product, the molded product may be deposited on the surface of the molded product during use, which may deteriorate the appearance or cause sanitary problems. Therefore, the addition amount is suitably in the range of 0.1 to 5 parts by weight, more preferably 0.3 to 3 parts by weight.
[0031]
The high molecular weight stabilizer (c) can be used alone or mixed with other general stabilizers. Suitable stabilizers for use together include hindered phenols, amines, phosphoruss, A thioether type, a metal salt type, etc. are mentioned. In the present invention, it is desirable to select a compound having low volatility as a stabilizer from the viewpoint of balancing volatility, mechanical properties, heat resistance, and hydrolysis resistance.
[0032]
Moreover, as a compound (B) which has a triazine group used by this invention, a melamine and a melamine cyanurate are preferable and a melamine cyanurate is especially preferable. This melamine cyanurate is a powder obtained by making a mixture of cyanuric acid and melamine into an aqueous slurry, mixing them well to form both salts into fine particles, and then filtering and drying the slurry. Is different. Although there is no restriction | limiting in particular as a form of a melamine cyanurate, The thing obtained as fine powder as much as possible from the point of the mechanical strength of the molded article obtained from the flame-retardant polyester elastomer composition of this invention and surface property is used. . Specifically, the average particle diameter of the powder obtained by analyzing an image of the powder taken with a scanning electron microscope (SEM) with an image analyzer is 2 to 100 μm, and particularly preferably 2 to 70 μm. Furthermore, it is preferable to coat the surface with an organic or inorganic compound for the purpose of adjusting the surface properties of the particles, changing the affinity with the matrix to suppress the aggregation of the particles, or increasing the dispersibility in the matrix, The compound is preferably a polyvinyl alcohol compound or a silica compound.
[0033]
The usage-amount of the compound (B) which has the said triazine group is 0.5-50 weight part with respect to 100 weight part of said polyester type block copolymers (a), Preferably it is 2-35 weight part. If the amount is less than 0.5 parts by weight, the effect of improving flame retardancy is not recognized, and if it exceeds 50 parts by weight, the mechanical properties and surface appearance of the molded product are impaired, which is not preferable.
[0034]
The flame-retardant polyester elastomer composition of the present invention can further contain a fibrous reinforcing material or an inorganic filler as necessary. By blending the fibrous reinforcing material or inorganic filler in a range where the total amount does not exceed 100 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polyester block copolymer (a), strength, rigidity, heat resistance, and dimensional stability It is possible to improve the property. Examples of the fibrous reinforcing material include inorganic fibers such as glass fiber, silica glass fiber, alumina fiber, gypsum fiber, ceramic fiber, and asbestos fiber, whiskers such as carium titanate whisker and zinc oxide whisker, and carbon fiber. Examples of the inorganic filler include talc, wollastonite, kaolin, mica, sericite, clay, alumina silicate, glass beads, milled glass fiber, calcium carbonate, silica and the like.
[0035]
The flame-retardant polyester elastomer composition of the present invention includes conventionally known crystallization accelerators, crystal nucleating materials, antioxidants, ultraviolet absorbers, plasticizers, lubricants, flame retardants, flame retardants, and the like, depending on applications and purposes. A flame retardant, an antistatic agent, a conductivity improver, a hydrolysis resistance improver, a polyfunctional crosslinking agent, an impact resistance improver, a colorant and the like can be blended. Also, other types of resins such as polyesters, polyamides, polyolefins and polyurethanes can be blended as long as the object of the present invention is not impaired.
[0036]
It does not specifically limit as a manufacturing method of the flame-retardant polyester elastomer composition of this invention, It can carry out by arbitrary methods. For example, the target composition can be obtained by heating and kneading with an extruder, roll mill, Banbury mixer or the like.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited by the following examples, but may be modified within a range that can meet the gist of the present invention. It is also possible to implement, and they are all included in the technical scope of the present invention.
[0038]
The measuring method of various physical property values adopted in this specification is as follows.
[0039]
[Tensile breaking strength and elongation]
A chip was molded into a 100 mm × 100 mm × 2 mm flat plate using an injection molding machine (Yamagi Seiki Co., Ltd. model 1-SAV), and then a dumbbell-shaped No. 3 test piece was punched from the flat plate. Using Tensilon UTM-III manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd., the obtained test piece was stretched at a speed of 500 mm per minute, and the initial cross-sectional area (cm 2 ) was removed from the load (kg) when the test piece broke. The value was taken as the tensile breaking strength (kg / cm 2 ), and the ratio of the elongation of the sample until the test piece broke to the original sample length was taken as the tensile breaking elongation (%).
[0040]
[Measurement of powder particle size]
The powder particles are observed with a scanning electron microscope (S-510, manufactured by Hitachi, Ltd.), and the photographed image is enlarged and copied, and the outer shape of the powder is traced to arbitrarily select 1000 particles. Blacked out. This image was measured for the equivalent-circle diameter of each particle using an image analyzer (Lusex 2-D type manufactured by Nireco Corporation).
[0041]
[Volatilization]
About 20 g of pellets whose moisture content was reduced to 0.03% or less by drying were collected in a glass weighing bottle having a diameter of 6 cm and a height of 3 cm, precisely weighed (SO), and then heated at 150 ° C. for 2 hours with a hot air dryer. Processed. The sample weight after cooling was precisely weighed (S1), and the heat loss rate was calculated by the following equation. The lower the loss on heating, the better the volatility of the sample.
[0042]
Heating loss rate (%) = (SO−S1) × 100 / S0
[0043]
[Flame retardance]
The test was conducted at a thickness of 1/16 inch (0.794 mm) in accordance with the evaluation standard defined in UL-94. The flame retardancy level decreases in the order of V-0>V-1>V-2> HB.
[0044]
[Heat-resistant]
The dumbbell test piece was treated with a hot air dryer at 180 ° C., and the time during which the tensile elongation retention rate was 50% of the initial tensile elongation was measured, and used as an index of heat resistance.
[0045]
[Hydrolysis resistance]
The dumbbell test piece was immersed in boiling water, and the time during which the tensile elongation retention rate was 50% of the initial tensile elongation was measured and used as an index for hydrolysis resistance.
[0046]
(Production Example 1)
A polyester block copolymer chip was obtained by taking 70 kg of polytetramethylene terephthalate and 30 kg of ε-caprolactone in a reaction vessel, purging with nitrogen gas, and performing a melt reaction for 2 hours while stirring at 230 ° C. The obtained polyester block copolymer has a reduced specific viscosity of 1.163, an acid value of 65 equivalents / 10 6 g, a tensile breaking strength of 370 kg / cm 2 , and a tensile breaking elongation of 710 %Met.
[0047]
(Production Example 2)
A naphthalene group-containing polyester block copolymer was obtained in the same manner as in Production Example 1 except that polytetramethylene-2,6-naphthalate was used instead of polytetramethylene terephthalate and the melt reaction temperature was 245 ° C. . The resulting naphthalene group-containing block copolymer has a reduced specific viscosity of 1.052, an acid value of 48 equivalents / 10 6 g, a tensile breaking strength of 400 kg / cm 2 , and a tensile breaking elongation. Was 650%.
[0048]
Polyester type block copolymer chip obtained in Production Example 1 or Production Example 2, predetermined amount of modifying agent shown in Table 2, predetermined amount of melamine cyanurate shown in Table 2, and piperidine skeleton shown in Table 2 The high molecular weight stabilizer was placed in a drum tumbler and stirred at room temperature for 30 minutes. The mixture was extruded at 230 ° C. using a 40 mmφ co-directional twin-screw extruder, cooled to water, and cut into chips. The obtained chip was dried under reduced pressure at 100 ° C. and then subjected to various tests. The results are shown in Table 2.
[0049]
In Tables 1 and 2, the modifying agent-A means bisphenol F-diglycidyl ether, the modifying agent-B means polycarbodiimide, and the modifying agent-C means polyethylene glycol diglycidyl ether. Stabilizer-A is a high molecular weight stabilizer hostabin N-30 having a piperidine skeleton manufactured by Hoechst, and stabilizer-B has a structure similar to that of stabilizer-A, and a low molecular weight stabilizer hostabin N-20. Means each. Table 1 shows the weight loss ratio during heat treatment at 200 ° C. for 30 minutes. The modifying agent-A, the modifying agent-B, and the stabilizer-A satisfy the formula (1).
[0050]
Further, MC-1 in Table 2 means melamine cyanurate with an average particle diameter of 20 μm surface-coated with a silica compound, and MC-2 means melamine cyanurate with an average particle diameter of 70 μm surface-coated with a silica compound.
[0051]
[Table 1]
[0052]
[Table 2]
[0053]
【The invention's effect】
According to the flame retardant polyester elastomer composition of the present invention, while maintaining the properties inherent in the polyester block copolymer (a) composed of a crystalline aromatic polyester segment and a polylactone segment, It has low volatility when heated, does not generate harmful gases and does not corrode, and has excellent flame retardancy, heat resistance, and hydrolysis resistance.
Claims (4)
ここで、ポリエステルエラストマー組成物(A)は、結晶性芳香族ポリエステルセグメントとポリラクトンセグメントとからなるポリエステル型ブロック共重合体(a)100重量部、下記(1)式を満足する2官能以上の化合物で、かつ、その官能基が上記共重合体(a)の末端基と反応し得る化合物(b)0.1〜10重量部及びピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を繰り返し単位とする高分子量安定剤(c)0.1〜5重量部からなる。
(W1−W2)/W1≦0.1 −−−(1)
[式(1)において W1は熱処理前のサンプル重量、W2は200℃で30分熱処理した後のサンプル重量を示す。]A flame retardant polyester elastomer composition comprising 100 parts by weight of the following polyester elastomer composition (A) and 0.5 to 50 parts by weight of a compound (B) having a triazine group having an average particle diameter of 2 to 100 μm. .
Here, the polyester elastomer composition (A) is composed of 100 parts by weight of a polyester block copolymer (a) composed of a crystalline aromatic polyester segment and a polylactone segment, and has a bifunctional or higher functionality satisfying the following formula (1). Diazaspirodecane, which is a compound and has 0.1 to 10 parts by weight of the compound (b) whose functional group can react with the terminal group of the copolymer (a) and a piperidine skeleton as a component. It consists of 0.1 to 5 parts by weight of a high molecular weight stabilizer (c) having a derivative as a repeating unit.
(W1-W2) /W1≦0.1 (1)
[In Formula (1), W1 shows the sample weight before heat processing, W2 shows the sample weight after heat-processing for 30 minutes at 200 degreeC. ]
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