JP3773801B2 - Novel yeast and method for producing fermented seasoning - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、菌体塊形成能を有し、且つ例えば塩類濃度の高い培地においても高効率で発酵できるチゴサッカロミセス属に属する新規酵母、及び当該酵母菌株を使用する発酵調味料の製造方法、及び流動床型のバイオリアクターに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
酵母は、古来より日本酒などのアルコール類の製造、醤油などの発酵調味料の製造、パンの発酵などの各種の製造に使用されている。
例えば、醤油の醸造は、原料の蒸煮した丸大豆若しくは加工脱脂大豆と焙煎した小麦とを混合し、これに種麹を接種して製麹した後に食塩水を加え諸味を造り、発酵・熟成後にこの諸味を圧搾することにより醤油を製造している(本醸造)。
しかしながら、諸味を発酵・熟成させるには通常約6ヶ月と長期にわたっているために、製造工程の大部分をこの発酵・熟成期間が占めることになる。そのため、この発酵・熟成期間を短縮することが可能になれば、醤油製造においてその製造コストを大幅に削減することが可能になる。
【0003】
そのため、酵母による発酵工程を、バイオリアクターによって効率的に行わせる研究がなされている。
一般に、バイオリアクターを利用する発酵工程では、生体触媒を固定化して使用する方法が採られている。
【0004】
生体触媒の固定化方法としては、不溶性担体に担持させる結合法、生体触媒同士を結合させる架橋法、高分子ゲルなどの内部に包み込む包括法、及びこれらの複合法などが知られている。
しかしながら、これらの方法では、固定化担体の購入、固定化担体の殺菌、生体触媒の固定化工程、固定化担体の維持管理、固定化担体の廃棄・処理などのような生体触媒を固定化する上でのコストが必要となる。
また、生細胞(増殖細胞)の固定化が必要となる発酵食品の製造やアルコールの連続生産においては、菌体増殖又は原料液中の化学成分等による高分子ゲルなどの固定化担体の崩壊による目詰まりなどの問題が生じるため、一般には、多孔質無機材料等への担体結合法(物理的吸着)が用いられているが、多孔質セラミック等の多孔質無機材料を固定化担体とした場合には固定化される菌体量が少なく、発酵速度の向上や微生物汚染への抵抗性などに問題がある。
【0005】
これに対して、菌体の分離・回収が容易にできる凝集性酵母を利用する方法では、酵母菌体の固定化工程や、酵母菌体と発酵液との分離工程を省略できるため、全体のシステムが簡略化され、低コストで且つ効率の良い発酵生産が可能となる。
【0006】
これまで報告のある凝集性酵母菌株は、サッカロミセス・セレヴィシェ(Saccharomyces cerevisiae)に属する酵母であり、これらは主に細胞融合技術や遺伝子組換え技術によって育種されている。
しかしながら、これらサッカロミセス・セレヴィシェを改良した菌株では浸透圧耐性(耐塩性を含む)が低いため、塩類や糖濃度の少ない原料を発酵原料として使用することはできるものの、廃糖蜜(例えば、カリウム、マグネシウム、ナトリウムなどの塩類が0.5〜1.5M程度含まれるもの)や、糖類の加水分解物といった高濃度の塩類、糖類を含む液などを原料として使用する場合は、その原料を希釈する必要があり、このことが発酵・蒸留終了後の廃液処理量の増大につながり、工業的な生産コストを増大させる一因となっている。
【0007】
また、発酵法による工業的なエタノール生産では、廃糖蜜等の安価な発酵原料を使用し、回分発酵法や、酵母循環法及び固定化酵母法などの連続発酵法が開発されて一部では実用化されているが、従来の技術では酵母菌体を高密度に維持するため、その装置や工程が複雑であり、維持管理の費用が高額となる。
【0008】
本発明は、以上のような点に鑑みて、固定化担体を用いず、且つ高い浸透圧耐性を有する新規酵母、及びこれを用いた発酵調味料の製造方法を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、比較的簡易な構造で、連続発酵などの処理ができるバイオリアクター装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
醤油醸造に用いられているチゴサッカロミセス属の酵母が、高い浸透圧耐性を有し、例えば、2.5M以上の塩化ナトリウム存在下及び/又は50%(W/W)のグルコース培地でも生育、発酵を行うことができる。
そして、本発明者らは、チゴサッカロミセス属の酵母を含む醤油諸味から酵母をスクリーニングしたところ、所定の菌体塊形成能を有する新規な醤油主発酵酵母菌株(チゴサッカロミセス・ルキシーR−2株(Zygosaccharomyces rouxii R-2株)と命名:生命工研菌寄第18251 号〔FERM P-18251〕)を単離した。
この菌株の形成する菌体塊は硬く、通気撹拌による剪断力でも崩壊せず、菌体塊形成能(凝集能及び接着能を含む)は市販の酵母菌より優れていた。ただし、その菌体塊は比較的小さく、バイオリアクターに使用することを想定した場合の沈降性は必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明者らは、更に鋭意研究した結果、この菌株と醤油主発酵酵母とを細胞融合することにより、耐圧性が高く、且つより大きな菌体塊を形成できる優れた酵母を得、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、菌体塊形成能(凝集能及び接着能を含む)を有するチゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)に属する新規酵母(生命工研菌寄第18252
号〔FERM P-18252〕)を提供する。
さらに、本発明は、前記新規酵母を用いる醤油などの発酵調味料の製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、管体2の下方から上方に向かって水流を生じさせる水流発生手段が具備され、且つ前記管体2の上方に、生体触媒によって処理された処理液が取り出される取出口6が設けられており、該水流発生手段によって生体触媒が流動し被処理液を処理するバイオリアクターであって、前記管体2の上方内部には、筒状の隔壁7が管体2の内周面に対して間隔を空けて設けられており、前記隔壁7の下端部が取出口6の下方に延出されているバイオリアクターを提供する。
さらに、本発明は、前記隔壁7の周壁であって、取出口6と非対向位置に、処理液が通過可能な通過口8が形成されている前記バイオリアクターを提供する。
さらに、本発明は、管体2の下方から上方に向かって水流を生じさせる水流発生手段が具備され、且つ前記管体2の上方に、生体触媒によって処理された処理液が取り出される取出口6が設けられており、該水流発生手段によって生体触媒が流動し被処理液を処理するバイオリアクターであって、前記管体2の内部には、該内部を区画する小孔板5が上下方向に多段状に設けられているバイオリアクターを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の新規酵母は、上記のように、チゴサッカロミセス属の酵母を含む醤油諸味から、菌体塊形成能を有する酵母菌株(チゴサッカロミセス・ルキシーR−2株(Zygosaccharomyces rouxii R-2株):生命工研菌寄第18251 号〔FERM P-18251〕。以下、「R−2株」と略称する場合がある)を取得し、この菌株と市販されているチゴサッカロミセス・ルキシー株(Zygosaccharomyces rouxii)(以下、「市販酵母株」と略称する場合がある)とを細胞融合することにより創製することができる。
【0013】
細胞融合では、通常、両親株に対して変異処理を行い遺伝的性質で標識することが行われるが、酵母の優良な性質を損ねないという点から、標識処理は行わない方が好ましい。また、細胞融合法は、公知の方法を採用できるが、融合効率が高い点で高電圧パルス細胞融合法が好ましい。得られた融合株を複数回培養した後、より大きな菌体塊の形成できる菌株を選択することにより、本発明の新規酵母、特に醤油主発酵酵母として好適な菌株を得ることができる。
この新規酵母菌株を、チゴサッカロミセス・ルキシーZR−2f株(Zygosaccharomyces rouxii ZR-2f株。以下、「ZR−2f株」と略称する場合がある)と命名し、これを工業技術院生命工学工業研究所に生命工研菌寄第18252 号〔FERM
P-18252〕として寄託した。
【0014】
このチゴサッカロミセス・ルキシーZR−2f株(FERM P-18252)と、両親株(市販酵母株及びR−2株)の菌学的性質を、実験農芸化学下第3版(東京大学農学部農芸化学教室著、(株)朝倉書店発行)に基づいて検討したところ、次の通りである。
〔ZR−2f株〕
(a)15%のNaClを含むYPD培地を用い、30℃で2日間培養したときの菌体の形態:
▲1▼栄養細胞の大きさ:4〜8μm。
▲2▼栄養細胞の形態:卵型。
▲3▼増殖の形態:出芽。
(b)15%のNaClを含むYPD寒天培地を用い、30℃で4日間培養したときのコロニーの形態:
▲1▼形態:円。
▲2▼隆起:頭状。
▲3▼周縁:円滑。
▲4▼大きさ:1〜3mm。
▲5▼色調:白色で不透明。
▲6▼表面:円滑で半光沢。
(c)炭素源資化性:ブドウ糖、ガラクトース、ショ糖、マルトース、セロビオース、可溶性デンプン、ソルビトール、メタノール、フラクトース、マンノース、マンニトール、デキストリンは資化し、ブドウ糖、マルトースを発酵する。α−メチルグリコシド、トレハロース、乳糖、メリビオース、ラフィノース、イヌリン、クエン酸ナトリウム、エタノール、キシロースは資化しない。
(d)耐塩性:25%のNaClを含むYPD培地において生育可能である。
〔市販酵母株〕
(a)15%のNaClを含むYPD培地を用い、30℃で2日間培養したときの菌体の形態:
▲1▼栄養細胞の大きさ:4〜8μm。
▲2▼栄養細胞の形態:卵型。
▲3▼増殖の形態:出芽。
(b)15%のNaClを含むYPD寒天培地を用い、30℃で4日間培養したときのコロニーの形態:
▲1▼形態:円。
▲2▼隆起:頭状。
▲3▼周縁:円滑。
▲4▼大きさ:1〜3mm。
▲5▼色調:白色で不透明。
▲6▼表面:円滑で光沢。
(c)炭素源資化性:ブドウ糖、ガラクトース、ショ糖、マルトース、セロビオース、可溶性デンプン、ソルビトール、メタノール、フラクトース、マンノース、マンニトール、デキストリンは資化し、ブドウ糖、マルトースを発酵する。α−メチルグルコシド、トレハロース、乳糖、メリビオース、ラフィノース、イヌリン、クエン酸ナトリウム、エタノール、キシロースは資化しない。
(d)耐塩性:25%のNaClを含むYPD培地において生育可能であるが時間を要する。
〔R−2株〕
(a)15%のNaClを含むYPD培地を用い、30℃で2日間培養したときの菌体の形態:
▲1▼栄養細胞の大きさ:4〜8μm。
▲2▼栄養細胞の形態:卵型。
▲3▼増殖の形態:出芽。
(b)15%のNaClを含むYPD寒天培地を用い、30℃で4日間培養したときのコロニーの形態:
▲1▼形態:円。
▲2▼隆起:頭状。
▲3▼周縁:円滑。
▲4▼大きさ:1〜3mm。
▲5▼色調:白色で不透明。
▲6▼表面:円滑で半光沢。
(c)炭素源資化性:ブドウ糖、ガラクトース、ショ糖、マルトース、セロビオース、可溶性デンプン、ソルビトール、メタノール、フラクトース、マンノース、マンニトール、デキストリンは資化し、ブドウ糖、マルトースを発酵する。α−メチルグルコシド、トレハロース、乳糖、メリビオース、ラフィノース、イヌリン、クエン酸ナトリウム、エタノール、キシロースは資化しない。
(d)耐塩性:25%のNaClを含むYPD培地において生育可能である。
【0015】
本発明の新規酵母は、それ自身が大きな塊状になるため、酵母菌体の固定化工程や、酵母菌体と処理液(発酵液)との分離が簡易に行えるため、特に、醤油、みりんなどの発酵調味料の製造、日本酒、焼酎、ワインなどのアルコール類の製造、糖ヌクレオチド生産時の菌体の製造などにおける流動床式バイオリアクターで好適に使用できる。更に、比較的高い塩濃度環境下でも発酵を行うことができるので、種々の被処理液を発酵処理することができる。
尚、本発明の新規酵母は、パン、味噌などの発酵に使用することも可能である。
【0016】
本発明の新規酵母は、これを培養して用いられ、発酵処理後に全液を交換する回分発酵システム、被処理液を連続的に供給して発酵処理を行う連続発酵システムの何れの方式にも使用することができ、特に、連続発酵システムに好適に使用できる。
【0017】
連続発酵システムに使用されるバイオリアクターとしては、従来公知のものを使用してもよいが、本発明に於いては、下記の流動床式のバイオリアクターを用いることが好ましい。
具体的には、図1及び図2に示すように、バイオリアクター1は、例えば、下方部2a(導入部2a)、中間部2b(生体処理部2b)及び上方部2c(固液分離部2c)の複数の筒部材が連結された管体2と、管体2の下方部2aに設けられた供給口3と、管体2の中間部2b内に設けられた区画用の小孔板5と、管体2の上方部2cに設けられた取出口6と、管体2の上方部2c内であって、上方部2cの中央部に設けられた筒状の隔壁7とを備えている。
【0018】
管体2は、例えば、耐衝撃性ガラス、ステンレスなどの金属などの耐衝撃性を有する公知の素材からなり、被処理液の処理量に応じて適宜の大きさに形成されている。
なお、管体2は、図1のように、下方部2a、中間部2b及び上方部2cの複数の筒部材が連結された構成でも良いし、一体的な筒部材から構成されていても良い。
供給口3は、例えば、管体2の下方部2aの底面に穿設されている。該供給口3には、空気と被処理液を供給する供給路(図示せず)が取り付けられており、該供給口3から空気と被処理液が管体2の内部に供給されるようになっている(図1の矢印)。
尚、供給口3は、下方部2aの周壁に形成されていてもよいし、又、2以上の供給口3を設けて、空気と被処理液を別々に供給してもよい。
【0019】
小孔板5は、管体2内部に充填される被処理液と、生体触媒(例えば、本発明の酵母に係る菌体塊)の全部又は一部と、が通過可能な大きさの孔を有する部材であれば特に限定されず、例えば、1.5〜3mm、より好ましくは2〜2.5mmの大きさのメッシュ板(例えば、金属製網状板)などが例示される。
この小孔板5を設けることにより、管体2内部に於ける生体触媒の濃度勾配及び/又は生成物の濃度勾配を形成することができる。また、小孔板5を設けることにより、該小孔板5によって区画された各領域で流体の対流が生じる(図1に矢印で示す)。小孔板5は1つでも構わないが、濃度勾配を良好に形成させるためには、小孔板5が上下方向に多段に亘って設けられていることが好ましい。
具体的には、図1に示したように、2mmの網目の大きさのメッシュ板5が2枚所定間隔を置いて設けられている。
【0020】
取出口6は、管体2の上方部2cの周壁の中途部に設けられており、該取出口6から、処理がなされ後の処理液が取り出される。
この取出口6には、キャップ15が嵌着されており、その中央部には、排出用のパイプ16が設けられている。本実施態様に於いては、このパイプ16が実質的に取出口6の役割を担い、このパイプ16から処理液と空気が排出される(図1の矢印)。
このように下方から供給された空気が上方で排出されることにより(空気の流れにより)、管体2内には、下方から上方に向かって水流が生じるようになっている(水流発生手段に相当する)。
尚、水流発生手段は、空気の給排による構成に限られず、例えば、管体2内に回転翼を設け、これを回転させて水流を生じさせる構成などでもよい。
【0021】
次に、隔壁7は、例えば、管体2と一体的に形成された円筒状体からなり、その上端部が管体2に連結されている。一方、隔壁7の下端部は、自由端となっており、図1に示すように、取出口6の下端部6aよりも下方に延出されている。
隔壁7は、中間部2bから上昇する水流を受け入れるため、中間部2bと同じ開口又は中間部2bよりも大きな開口を有し、図1に示すように、隔壁7は、その開口部分12が中間部2bの開口部分14を囲繞するように対向して配置されている(平面から見た場合に、中間部2bが隔壁7に囲われるように配置されている)。かかる構成により、中間部2bから上昇する流体(処理液及び生体触媒)は、まず隔壁7の内側にほとんどが集約される。
さらに、この隔壁7は、その外周面が、管体2の内周面に対して液が流れる程度の間隔(隙間11)を有して配置されている。
【0022】
また、隔壁7のうち、取出口6と非対向位置(真向に向かい合った位置でないという意味である)には、少なくとも処理液が通過可能な通過口8が形成されている。通過口8としては、例えば、図示したように、取出口6の下端より下方又はそれとほぼ同高の位置に通過口8の一部が位置する切欠部8が例示されるが、その他、孔や複数の小孔の集合などを通過口8として構成してもよい。
通過口8が形成される非対向位置は、図示したように、取出口6と正反対(180度水平回転させた)位置が好ましいが、取出口に対して直角位置(図2のBで示す)などであってもよい。また、通過口8は、正反対位置に1箇所形成されていれば十分であるが、複数箇所に形成されていてもよい。
【0023】
尚、10は、管体2内部に連通する操作口を示し、隔壁7の内側に設けられている。11は、操作口を閉塞するキャップを示す。12は、管体2内の温度を維持するために温水などを通す通路を示す。
また、管体2の下方部2a、中間部2b及び上方部2cの間などの各部の間には、水密用のパッキンが設けられている。
【0024】
上記バイオリアクター1は、内部に、(廃)糖蜜などの被処理液と、ZR−2f株などの生体触媒を充填し、空気を供給することにより、生体触媒が流動し、被処理液を発酵、分解、生成などの生物的処理を行い、得られた処理液は、取出口6から排出される。
この際、本発明のバイオリアクター1は、図1〜3(流体の流れを矢印で示す)に示すように、生体触媒と処理された処理液とが、水流発生手段により、管体2の上方部2cに上昇する。
上昇した処理液及び生体触媒は、隔壁7の内部で流動し、処理液と一部の生体触媒が通過口8を通じて隔壁7の外部に流出し、隔壁7と管体2との間(隙間11)を通じて取出口6側へと押し出される。この隙間11は、隔壁7の存在によって、水流発生手段による上方向きの水流の影響を受けにくいので、隙間11を通過する途中で、生体触媒は、自重により下降することとなり、ほとんど処理液のみが取出口6へ移動する。従って、処理液と生体触媒の分離を容易に行うことができる。
【0025】
被処理液としては、(廃)糖蜜、糖質加水分解物など公知のものを用いることができる。
また、生体触媒としては、本発明の新規酵母(ZR−2f株)に限られず、既知の凝集性酵母、担体に固定化された菌体や酵素、ゲルなどに包括された菌体や酵素などを従来公知のものを用いることもできる。
【0026】
【実施例】
以下に、細胞融合、菌体塊形成能に優れた融合株の選択、選択した融合株の回分発酵および連続発酵試験を具体的に説明する。
ただし、本発明はこれらの実施例によりその技術的範囲が限定されるものでない。また、バイオリアクターなどの説明に於いては、上記実施形態と同じ名称のものは、特段に説明がない限り、上記実施態様と同様のものである。
プロトプラストの調製
プロトプラストの調製は、基本的には野田らの方法(Agr.Biol.Chem.,54巻,2023頁(1990))に準じて行った。
すなわち、従来型バイオリアクター(市販酵母株が担持された多孔質セラミック担体を使用)より排出された発酵液の中から速やかに沈降する菌体塊形成酵母チゴサッカロミセス・ルキシーR−2株と、市販酵母株であるチゴサッカロミセス・ルキシー(ビオック製、品名:醤油主発酵酵母)をそれぞれ10%のNaClを含む公知のYPD培地10mlで30℃で定常期初期(1×108 細胞/ml)まで振盪培養し、得られた菌体を滅菌した10%食塩水で洗浄した。ついで、1.2Mのソルビトール、5mMのEDTA、0.5%のメルカプトエタノールを含む50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁した。この菌体懸濁液にザイモリエース溶液(生化学工業(株)製)を終濃度1mg/mlになるよう添加し、30℃で90分間処理してプロトプラスト化させた。そして、プロトプラストを遠心分離(1,200×g)して集め、1.2Mのソルビトール溶液で3回洗浄して、それぞれ5×107 プロトプラスト/mlの濃度で懸濁した。
【0027】
細胞融合
細胞融合は、高電圧パルス細胞融合法(電気細胞融合法)で行った。
すなわち、細胞融合装置((株)島津製作所製、品名:SSH−10)を用いて行い、融合条件は、電極間隔1mm、交流周波数1MHz、交流初期印加電圧40V、パルス幅500μS、パルス電圧450V(電界強度4.5kV/cm)、交流2次印加電圧40Vとした。印加処理後のプロトプラスト懸濁液を30℃で30分間保温し、これをSDプレート(最少培地:0.67%のイーストニトロゲンベース、アミノ酸不含、2%のグルコース、1.2Mのソルビトール、2%の寒天)に0.1ml塗布し、25℃、3〜7日間培養して、プロトプラストを再生させた。ついで、この再生した菌体を15%のNaClを含む10mlのYPD液体培地(pH5.0)に入れ、同培地5mlをSDプレート表面に添加後,生育してきたコロニー(菌体)を分散させ,その0.5mlを植菌し、30℃で定常期に達するまで(2〜3日)振盪培養を行った。この培養液を5分間静置後、浮遊している菌体を除去し、これに新たな15%のNaClを含むYPD培地10mlを加えて、さらに30℃で定常期に達するまで振盪培養を行った。この操作を5〜9回繰り返して行い、菌体塊形成能の向上した菌株の濃縮を行った。その後、沈降した菌体を、滅菌処理した15%の食塩水で3回洗浄後、15%のNaClを含むYPDプレートに塗布し、(1000倍希釈した懸濁液を0.1ml塗布する)、生育したコロニーを取得した。さらに、これらのコロニーを15%のNaClを含む10mlのYPD液体培地(pH5.0)に植菌して(1コロニー植菌する)、30℃、3日間振盪培養し、菌体塊形成能を有するコロニー(ZR−2f株)を選抜した。
【0028】
菌体塊沈降速度の評価
菌体塊の沈降速度の評価は、分光光度計(MILTONROY製、品名:SPECTORONIC 20)による濁度(OD660nm)の減少速度により行った。
供試菌株を15%のNaClを含むYPD培地10mlに植菌し、(凝集菌体のかさとして0.5mlを植菌する)、30℃、48時間振盪培養し、これをボルテックスミキサー(iuchi 製、品名:AUTOMATIC LABO.MIXER)で10秒間撹拌後、経時的に660nmの吸光度変化を計測した。その結果を図4に示す。
尚、供試菌株は、市販酵母株、R−2株、上記細胞融合で得られたコロニー(ZR−2f株)の3種を用いた。
【0029】
市販酵母株では、660nmの吸光度に変化が認められず、又、R−2株では僅かながら変化が見られたのに対して、ZR−2f株では660nmの吸光度が急速に減少していた。このことからZR−2f株は、菌体塊が速やかに沈降することがわかった。
又、視覚によってもZR−2f株は、おおよそ直径0.5〜3mm程度の菌体塊を形成していた。
このZR−2f株の菌体塊形成効果を明確にするため、R−2株、ZR−2f株、市販酵母株を直径18mmの試験管に採り、それらの菌体塊の様子を参考写真1に示す。
参考写真1からも明らかなように、ZR−2f株は、R−2株に比べてはるかに大きい菌体塊を形成していた。
また、R−2株では、比較的小さいものの、試験管底面部の写真において菌体塊の形成が明らかに認められた。
これに対して、市販酵母株では、試験管側面部の写真はもちろん、試験管底面部の写真においても菌体塊の形成は全く認められなかった。
この結果、ZR−2f株は、きわめて特徴的な菌体塊形成能を有し、R−2株は、少なくとも市販酵母株とは明確に識別できる菌体塊形成能を有することが判明した。
【0030】
パルスフィールド電気泳動
次に、各供試菌株0.5mlを、15%のNaClを含むYPD培地10mlで30℃、48時間振盪培養して得られる各菌体を、遠心分離器で集菌・洗浄して使用した。試料の調製は、染色体DNAの断片化を防止するため、可能なすべての過程をアガロースゲル中で行い、ゲルブロックを調整した。ゲルは、1%のアガロース(Bio-Rad 社製 Pulsed Field Centrified Agarose)ゲルを用い、泳動には0.5×TBE緩衝液(pH8.0)を使用した。泳動は、Bio- Rad社製CHEF−DR III System を用い、泳動電圧6V/cm、パルス間隔(開始:INT)60〜(終了:FIN)120秒、パルス角120度、泳動時間22時間、槽内温度14℃で行った。
電気泳動後のバンドを参考写真2に示す。参考写真2からも明らかなように、R−2株、ZR−2f株、市販酵母株ともに、ほとんど同一の染色体分離パターンであった。ただし、R−2株及びZR−2f株では、市販酵母株には認められない約800kbの位置に染色体DNAが認められた。
このことから、ZR−2f株及びR−2株は、同属菌株ではあるものの、市販酵母株とは明らかに異なる菌株であることが確認された。
【0031】
実施例1
(ジャーファメンターによる回分発酵試験)
上記細胞融合によって得られたZR−2f株20mlを、前培養として、15%のNaClを含むYPD培地500mlで30℃、48時間振盪培養した。
その後10分間静置して培養液と共に沈降しない菌体を除去することによって得られたZR−2f株の約50mlを、固定化担体に担持せずに、そのままの状態で発酵試験用培地(酵母エキス0.5%、ポリペプトン1%、グルコース10%、NaClが15%、pH5.0)1リットルが入れられたジャーファーメンター(東京理化器械(株)製、品名:MINI FERMENTOR M-100)に充填し、30℃で発酵させ、経時的にそのアルコール濃度をガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、品名:GC−9A)によって測定した。その結果を図5に示す。
1回目の発酵は若干遅延時間が長いものの、順調に発酵は進み、発酵5日目には3.7%(W/V)のアルコールが生成された。このとき非凝集性となった株が出現するものの、発酵終了後には凝集塊が沈降し、繰り返し回分発酵が可能であった。また、繰り返し回分発酵の2、3回目には遅延時間が短縮され、発酵3日目で3.8%(W/V)のアルコールが生産された。
【0032】
実施例2
(バイオリアクターによるエタノールの連続発酵試験)
実施例2−▲1▼.
図6に示す形状のように、管体20全体が円筒状のバイオリアクター100(仕様:下方部20aが容量約74ml、中間部20bが内径(直径)45mmで容量約286ml、上方部20cが容量約60mlで総容積420ml)(東京理化器械(株)製、特注品)を用いて、次の試験を行った。尚、このバイオリアクター100には隔壁及び小孔板は設けられていない。
このバイオリアクター100内に、発酵試験用培地(酵母エキス0.5%、ポリペプトン1%、グルコース10%、NaClが15%、pH5.0)1リットルを充填し、上記実施例1と同様にして前培養したZR−2f株の約50mlを、固定化担体に担持せずにそのまま充填し、通気量0.1vvm、30℃で2日間循環発酵させた。その後、同培地を流速10ml/hr〜25ml/hrの速さ同バイオリアクター装置に供給して連続発酵させた。
経時的に生産された発酵液をサンプリングし、このアルコール濃度をガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、品名:GA−9A)により分析し、アルコール生産性を測定した。その結果、菌体の生育と共に凝集塊が増加したが、この増加した菌体塊が18日目にはバイオリアクターの取出口6に付着し、その取出口6の閉塞が起こり、安定した連続発酵は不可能であった。
【0033】
実施例2−▲2▼.
次に、上記実施形態で説明したバイオリアクター1を用いて同様に連続発酵試験を行った。すなわち、図1に示す形状のバイオリアクター1(仕様:下方部2aが容量約74ml、中間部2bが内径(直径)約45mmで容量約286ml、上方部2cが容量約270mlで総容積630ml。隔壁7の内径(直径)70mm、各壁7の下端部と取出口6の下端部6aの高低差Hが約20mm、隙間の幅約10mmを作製した。尚、このものには、小孔板5は設けなかった。
そして、これを用いて上記実施例2−▲1▼と同様にして循環発酵及び連続発酵を行ったところ、発酵液と、非凝集菌体及び菌体塊との分離が速やかに行われ、取出口6の閉塞が起きることはなかった。
また、非凝集性となった株は発酵液と共に排出されるものの、菌体塊はリアクター内に保持され、凝集塊の増殖が観察されることから、融合株の安定性の欠如は問題とはならなかった。
【0034】
実施例2−▲2▼の結果を図7に示す。アルコール生産性は発酵開始後、菌体塊の増殖と共に徐々に向上し、20日後以降において、約1.4g/リットル・hr以上(1リットルのリアクター反応槽によって1時間あたり1.4g以上のアルコールが生産されることを意味する)を維持した。このことから、固定化担体を用いなくても安定した連続発酵が可能であることがわかる。このときのエタノール濃度は3.8%(W/V)であり、エタノール転換率は74%であった。
【0035】
実施例2−▲3▼.
さらに、菌体密度を増加させて連続発酵試験を行った。
すなわち、菌体として、実施例2−▲1▼で得られた菌体塊のみを嵩容量約30ml取り出し、これを用いた以外は、実施例2−▲2▼と同様にして循環発酵及び連続発酵を行った。その結果を図8に示す。これにより、エタノール濃度4.1%、転換率80%に向上させることが可能であった。
【0036】
実施例2−▲4▼.
さらに、実施例2−▲1▼で得られた菌体塊のみを嵩容量約60ml取り出し、実施例2−▲3▼と同じ条件で下方部2aと中間部2bの間及び中間部2bと上方部2cの間のそれぞれのフランジに目開き2mmのステンレス製メッシュ(小孔板5)をそれぞれ介在させたバイオリアクター1(図1のもの)を用いステンレス製メッシュの影響について検討を行った。その結果を図9に示す。ステンレス製メッシュを介在させることにより、生成エタノール濃度及びアルコール生産性がステンレス製メッシュを介在させないものは19日間の発酵期間でほとんど上昇していないのに対して,ステンレス製メッシュを介在させたものは速やかに向上することがわかる。これは、ステンレス製メッシュを介在させることで菌体増殖の増加と排出菌体量の減少による、槽内菌体密度の上昇のためだと考えられた(発酵終了後の凝集菌体量はステンレス製メッシュを介在させないもので嵩容量約70ml、介在させたもので嵩容量約120mlであった)。また、生成エタノール濃度及びアルコール生成速度ともステンレス製メッシュを介在させた方がばらつきが少なく、安定した発酵が可能であった。
【0037】
実施例3
(バイオリアクターによる超うす口生揚げ醤油の連続発酵試験)
実施例3−▲1▼.
本実施例では、下方部2aと中間部2bの間及び中間部2bと上方部2cの間のそれぞれのフランジに目開き2mmのステンレス製メッシュ(小孔板5)をそれぞれ介在させた点を除いては、実施例2−▲2▼で用いたバイオリアクター1(図1のもの)と全く同じものを用いた。
このバイオリアクターに、生揚醤油脱色液(全窒素1.41%、食塩分17%、直糖分4.5%、アルコール1.65%、pH5.1)1リットルを充填し、上記実施例1と同様にして前培養したZR−2f株の約50mlを、固定化担体に担持させずにそのまま充填し、通気量0.1vvm、30℃で2日間循環発酵させた。その後、同生揚醤油脱色液を流速30〜60ml/hrで同バイオリアクターに供給してエタノール濃度が1%増加するように連続発酵させた。
経時的に生産された発酵液をサンプリングし、このアルコール濃度をガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、品名:GC−9A)により分析し、アルコール生産性を測定した。その結果を図10に示す。
アルコール生産性は発酵開始後急速に向上し、14日後以降約1.1g/l・hrを維持し、固定化担体を用いなくても安定した連続発酵が可能であった。
【0038】
実施例3−▲2▼.
次に、バイオリアクター1から小孔板5を取り外したバイオリアクター(即ち、実施例2−▲2▼と同じバイオリアクター)を用いた以外は、上記実施例3−▲1▼と同様の試験を行った。その結果を図10に示す。
【0039】
実施例3−▲3▼.
実施例3−▲3▼は、従来法で行った。すなわち、実施例3−▲1▼と同じバイオリアクター1に、生体触媒として、市販酵母株を多孔質セラミック担体(岩尾磁器社製、品名:セラミック担体)に担持させた固定化担体を約400ml(嵩容量)充填し、以後、実施例3−▲1▼と同様の試験を行った。その結果を図10に併せて示す。
この固定化担体を用いた従来法では、ZR−2f株に比して、アルコール生産性は約1/2倍であった。また、得られた発酵液は公知の発酵液(品名:超うすくち生揚げ)との官能上の差は全く認められなかった。
【0040】
実施例4
(バイオリアクターによる超淡口生揚醤油の連続発酵試験)
バイオリアクター(仕様:下方部が容量3000ml、中間部が容量3000ml、上方部が容量3000mlで総容積9リットル)(東京理化器械(株)製、品名:MBRB−303)を用いて、次の試験を行った。尚、このリアクターには、下方部と中間部の間及び中間部と上方部の間のそれぞれのフランジに目開き2mmのステンレス製メッシュ(小孔板)をそれぞれ介在させた。
このバイオリアクターに、上記実施例1と同様にして前培養し,生揚醤油脱色液によって2日間30℃で静置培養(時々撹拌)することによって馴化したZR−2f株の約2000mlを、固定化担体に担持させずにそのまま充填し、生揚醤油脱色液9リットルを通気しながら30℃で2日間培養した。その後、同生揚醤油脱色液を流速9リットル〜27リットル/日で同バイオリアクターに供給して30日間連続発酵を行った。
経時的にアルコール濃度を酸化法により測定し、アルコール生産性を測定した。その結果を図11に示す。
【0041】
アルコール生産性は発酵開始後から順調に向上し、最高で1.4g/l・hrを示した。安定した連続発酵が可能であり、1日でバイオリアクター容量の3倍量の発酵液を得ることができた。また官能上、得られた発酵液は従来法で得られるものとの差は見られなかった。
【0042】
実施例5
(バイオリアクターによる超淡口生揚の連続発酵試験)
図12に示す形状のような、管体120全体が円筒状に形成されたバイオリアクター110(仕様:内径(直径)約300mm、高さ約1500mm、総容積100リットル)(東京理化器械(株)製,特注品)を用いて、次の試験を行った。
尚、このリアクター120の内部には、小孔板5よりも大きな目開きの上面開口型の網籠30が多段(6個)設けられている(直径280mmで高さ210mmの底面付き円筒。6個のうち、下方から3番目のものは高さ280mm)。さらに、この網籠30のうち、図示した網籠30の底面外側に、目開き1.5〜2mmのステンレス製メッシュ(小孔板5)が設けられている。また、このリアクター110の供給口3は、被処理液用供給口3aと空気用供給口3bに別けられている。さらに、取出口6は、管体120の上方に設けられており、同様に、管体120の上方には、空気排気口31が別途設けられている。尚、隔壁は設けられていない。
このバイオリアクター110に、生揚醤油脱色液100リットルを充填し、上記実施例4と同様にして前培養したZR−2f株の約70リットルを、固定化担体に担持させずにそのまま充填し、通気量8.0リットル/min、30℃で2日間培養した。その後、同生揚醤油脱色液を流速50リットル〜200リットル/日で同バイオリアクター110に供給して約225日間連続発酵を行った。
比較例として、従来法(同バイオリアクター110に、生体触媒として市販酵母株を多孔質セラミック担体(岩尾磁器社製、品名:セラミック担体)に担持させた固定化担体を、約70リットル(嵩容量)充填したもの)により、同様にして約56日間連続発酵を行った。尚、従来法では、56日以後は、発酵ができなくなってしまった。
経時的にアルコール濃度を酸化法により測定し、アルコール生産性を測定した。その結果を図13に示す。
【0043】
アルコール生産性は発酵開始後から順調に向上し、1日でバイオリアクター容量の2倍量の発酵液を得ることができた。得られた発酵液は従来法で得られるものとの官能上の差は見られなかった。また、開始から3週間後、運転を約2週間中断し、その後再運転したが、従来法と比較して復帰が早く、復帰後も順調にアルコール生産性が向上し、安定した運転が可能であった。その後も断続的に運転を中断させたが、同様に復帰した。また、凝集性を有することで、漏洩菌の量が減少したために濾過性がよくなり、作業性が向上した。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る新規酵母は、自己凝集性が高く、大きな塊状となるため、担体に固定化などしなくても、バイオリアクターなどを用いて効率的な発酵が可能となる。
特に、醤油などの発酵調味料の連続生産に好適である。
また、本発明の新規酵母は、塩類濃度の高い培地においても高効率で発酵処理ができるので、種々の被処理液を用いて発酵処理を行うことができる。
さらに、本発明のバイオリアクターは、比較的簡易な構造で、処理液と生体触媒とを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバイオリアクターの一実施形態を示す縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】バイオリアクターの固液分離部(上方部)を示す参考斜視図。
【図4】供試菌株の沈降速度を示すグラフ。
【図5】実施例1の回分発酵試験に於ける発酵度合いを示すグラフ。
【図6】従来のバイオリアクターを示す縦断面図。
【図7】実施例2−▲2▼の連続発酵試験に於ける発酵度合いを示すグラフ。
【図8】実施例2−▲3▼の連続発酵試験に於ける発酵度合いを示すグラフ。
【図9】実施例2−▲4▼の連続発酵試験に於ける発酵度合いを示すグラフ。
【図10】実施例3の連続発酵試験に於ける発酵度合いを示すグラフ。
【図11】実施例4の連続発酵試験に於ける発酵度合いを示すグラフ。
【図12】実施例5で用いた本発明のバイオリアクターを示す縦断面参考図。
【図13】実施例5の連続発酵試験に於ける発酵度合いを示すグラフ。
【符号の説明】
1…バイオリアクター、2…管体、2a…下方部、2b…中間部、2c…上方部、5…小孔板、6…取出口、7…隔壁、8…通過口、11…隙間[0001]
[Industrial application fields]
The present invention is a novel yeast belonging to the genus Tigosaccharomyces that has a cell mass formation ability and can be fermented with high efficiency even in a medium with a high salt concentration, for example, and a method for producing a fermented seasoning using the yeast strain The present invention relates to a fluidized bed type bioreactor.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
Yeast has been used for various productions such as the production of alcohol such as Japanese sake, the production of fermented seasonings such as soy sauce, and the fermentation of bread.
For example, soy sauce brewing is made by mixing cooked whole soybeans or processed defatted soybeans with roasted wheat, inoculating seed koji and making koji, and then adding salt to create flavors, fermenting and aging Later, soy sauce is produced by pressing this moromi (honjozo).
However, since it takes about 6 months to ferment and ripen moromi, the fermentation and ripening period occupies most of the production process. Therefore, if the fermentation / ripening period can be shortened, the production cost can be greatly reduced in soy sauce production.
[0003]
Therefore, studies have been made to efficiently perform the fermentation process using yeast by a bioreactor.
In general, in a fermentation process using a bioreactor, a method in which a biocatalyst is immobilized is used.
[0004]
As a method for immobilizing a biocatalyst, a binding method for supporting on an insoluble carrier, a cross-linking method for binding biocatalysts to each other, a comprehensive method for wrapping inside a polymer gel, a composite method of these, and the like are known.
However, in these methods, the biocatalyst is immobilized such as purchase of an immobilization carrier, sterilization of the immobilization carrier, immobilization process of the biocatalyst, maintenance of the immobilization carrier, and disposal / treatment of the immobilization carrier. The above cost is required.
Also, in the production of fermented foods and the continuous production of alcohol that require immobilization of living cells (proliferating cells), it is due to cell growth or the disintegration of an immobilization carrier such as a polymer gel due to chemical components in the raw material liquid. In general, the carrier binding method (physical adsorption) to porous inorganic materials is used because of problems such as clogging. However, when porous inorganic materials such as porous ceramics are used as immobilized carriers Has a small amount of cells to be immobilized and has problems such as an increase in fermentation rate and resistance to microbial contamination.
[0005]
On the other hand, in the method using aggregating yeast that allows easy separation and recovery of bacterial cells, the yeast cell immobilization step and the separation step between the yeast cells and the fermentation broth can be omitted. The system is simplified, and low-cost and efficient fermentation production is possible.
[0006]
The aggregating yeast strains reported so far are yeasts belonging to Saccharomyces cerevisiae, and these are bred mainly by cell fusion technology and gene recombination technology.
However, these strains improved from Saccharomyces cerevisiae have low osmotic pressure resistance (including salt tolerance), so although raw materials with low salt and sugar concentration can be used as fermentation raw materials, molasses (eg, potassium, magnesium) When using as a raw material high-concentration salts such as sodium and other salts such as sodium), saccharide hydrolysates, and liquids containing saccharides, it is necessary to dilute the raw materials. This leads to an increase in the amount of waste liquid treated after completion of fermentation / distillation, which contributes to an increase in industrial production costs.
[0007]
In addition, in industrial ethanol production by fermentation methods, inexpensive fermentation raw materials such as molasses are used, and batch fermentation methods and continuous fermentation methods such as the yeast circulation method and the immobilized yeast method have been developed. However, since the conventional technique maintains yeast cells at a high density, the apparatus and process are complicated, and the cost of maintenance is high.
[0008]
This invention makes it a subject to provide the manufacturing method of the fermented seasoning using the novel yeast which does not use an immobilization support | carrier, and has high osmotic pressure tolerance in view of the above points.
Furthermore, this invention makes it a subject to provide the bioreactor apparatus which can process a continuous fermentation etc. with a comparatively simple structure.
[0009]
[Means to solve the problem]
Yeast belonging to the genus Tigosaccharomyces used for soy sauce brewing has high osmotic pressure resistance, for example, it grows and ferments in the presence of 2.5M sodium chloride and / or 50% (W / W) glucose medium. It can be performed.
And when the present inventors screened yeast from soy sauce moromi containing yeast of the genus Tigosaccharomyces, a novel soy sauce main fermenting yeast strain (Tigo Saccharomyces ruxii R-2 strain having a predetermined cell mass formation ability ( Zygosaccharomyces rouxii R-2 strain) was named: Seikoku Kenkyu No. 18251 [FERM P-18251]).
The cell mass formed by this strain was hard and did not collapse even by shearing force by aeration stirring, and the cell mass formation ability (including aggregation ability and adhesion ability) was superior to commercially available yeast. However, the cell mass was relatively small, and sedimentation was not always sufficient when assumed to be used in a bioreactor.
Therefore, as a result of further earnest research, the present inventors obtained an excellent yeast that has high pressure resistance and can form a larger cell mass by cell fusion of this strain and soy sauce main fermentation yeast. Completed the invention.
[0010]
That is, the present invention is a novel yeast belonging to Zygosaccharomyces having a cell mass formation ability (including agglutination ability and adhesion ability).
Issue [FERM P-18252]).
Furthermore, the present invention provides a method for producing a fermented seasoning such as soy sauce using the novel yeast.
[0011]
Further, the present invention is provided with water flow generating means for generating a water flow from the lower side to the upper side of the
Further, the present invention provides the bioreactor in which a
Furthermore, the present invention is provided with water flow generating means for generating a water flow from the lower side to the upper side of the
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
As described above, the novel yeast of the present invention is a yeast strain having a cell mass formation ability (Zygosaccharomyces rouxii R-2 strain) from soy sauce moromi containing yeast of the genus Tigosaccharomyces: Biotechnological No. 18251 [FERM P-18251] (hereinafter sometimes referred to as “R-2 strain”), and this strain and a commercially available strain of Zygosaccharomyces rouxii (Zygosaccharomyces rouxii) (Hereinafter may be abbreviated as “commercial yeast strain”) by cell fusion.
[0013]
In cell fusion, the parent strain is usually subjected to a mutation treatment and labeled with genetic properties, but it is preferable not to perform the labeling treatment from the viewpoint that the excellent properties of yeast are not impaired. As the cell fusion method, a known method can be adopted, but the high voltage pulse cell fusion method is preferable from the viewpoint of high fusion efficiency. After culturing the obtained fused strain a plurality of times, a strain suitable for the novel yeast of the present invention, particularly the soy sauce main fermentation yeast, can be obtained by selecting a strain capable of forming a larger cell mass.
This new yeast strain was named Zigogosaccharomyces rouxii ZR-2f (hereinafter sometimes abbreviated as “ZR-2f”), and this was researched by the Institute of Biotechnology, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology. Biotechnological Bacteria No. 18252 [FERM
P-18252].
[0014]
The bacteriological properties of this Tigosaccharomyces luxi ZR-2f strain (FERM P-18252) and its parent strains (commercial yeast strain and R-2 strain) were examined under experimental agricultural chemistry, 3rd edition (Faculty of Agriculture, Faculty of Agriculture, University of Tokyo) By the author, published by Asakura Shoten Co., Ltd.), it is as follows.
[ZR-2f strain]
(A) Cell morphology when cultured for 2 days at 30 ° C. using a YPD medium containing 15% NaCl:
(1) Size of vegetative cells: 4 to 8 μm.
(2) Morphological cell morphology: egg shape.
(3) Form of growth: budding.
(B) Colony morphology when cultured on a YPD agar medium containing 15% NaCl at 30 ° C. for 4 days:
(1) Form: Circle.
(2) Uplift: Head shape.
(3) Perimeter: Smooth.
(4) Size: 1-3 mm.
(5) Color tone: White and opaque.
(6) Surface: Smooth and semi-glossy.
(C) Carbon source assimilation: glucose, galactose, sucrose, maltose, cellobiose, soluble starch, sorbitol, methanol, fructose, mannose, mannitol and dextrin are assimilated to ferment glucose and maltose. α-methyl glycoside, trehalose, lactose, melibiose, raffinose, inulin, sodium citrate, ethanol, xylose are not assimilated.
(D) Salt tolerance: Can grow on YPD medium containing 25% NaCl.
[Commercial yeast strain]
(A) Cell morphology when cultured for 2 days at 30 ° C. using a YPD medium containing 15% NaCl:
(1) Size of vegetative cells: 4 to 8 μm.
(2) Morphological cell morphology: egg shape.
(3) Form of growth: budding.
(B) Colony morphology when cultured on a YPD agar medium containing 15% NaCl at 30 ° C. for 4 days:
(1) Form: Circle.
(2) Uplift: Head shape.
(3) Perimeter: Smooth.
(4) Size: 1-3 mm.
(5) Color tone: White and opaque.
(6) Surface: Smooth and glossy.
(C) Carbon source assimilation: glucose, galactose, sucrose, maltose, cellobiose, soluble starch, sorbitol, methanol, fructose, mannose, mannitol and dextrin are assimilated to ferment glucose and maltose. α-methylglucoside, trehalose, lactose, melibiose, raffinose, inulin, sodium citrate, ethanol and xylose are not assimilated.
(D) Salt tolerance: Although it can grow on a YPD medium containing 25% NaCl, it takes time.
[R-2 stock]
(A) Cell morphology when cultured for 2 days at 30 ° C. using a YPD medium containing 15% NaCl:
(1) Size of vegetative cells: 4 to 8 μm.
(2) Morphological cell morphology: egg shape.
(3) Form of growth: budding.
(B) Colony morphology when cultured on a YPD agar medium containing 15% NaCl at 30 ° C. for 4 days:
(1) Form: Circle.
(2) Uplift: Head shape.
(3) Perimeter: Smooth.
(4) Size: 1-3 mm.
(5) Color tone: White and opaque.
(6) Surface: Smooth and semi-glossy.
(C) Carbon source assimilation: glucose, galactose, sucrose, maltose, cellobiose, soluble starch, sorbitol, methanol, fructose, mannose, mannitol and dextrin are assimilated to ferment glucose and maltose. α-methylglucoside, trehalose, lactose, melibiose, raffinose, inulin, sodium citrate, ethanol and xylose are not assimilated.
(D) Salt tolerance: Can grow on YPD medium containing 25% NaCl.
[0015]
Since the novel yeast of the present invention itself becomes a large lump, since the yeast cell immobilization process and the separation of the yeast cell and the treatment liquid (fermented liquid) can be easily performed, in particular, soy sauce, mirin, etc. It can be suitably used in a fluidized bed bioreactor in the production of fermented seasonings, the production of alcohols such as sake, shochu and wine, and the production of bacterial cells during sugar nucleotide production. Furthermore, since fermentation can be performed even in a relatively high salt concentration environment, various treatment liquids can be subjected to fermentation treatment.
The novel yeast of the present invention can also be used for fermentation of bread, miso and the like.
[0016]
The novel yeast of the present invention is used by culturing the yeast, and it can be used for any system of a batch fermentation system in which the whole liquid is replaced after the fermentation process, or a continuous fermentation system in which the liquid to be treated is continuously supplied to perform the fermentation process. In particular, it can be suitably used for a continuous fermentation system.
[0017]
As the bioreactor used in the continuous fermentation system, a conventionally known bioreactor may be used, but in the present invention, the following fluidized bed bioreactor is preferably used.
Specifically, as shown in FIGS. 1 and 2, the
[0018]
The
As shown in FIG. 1, the
The
The
[0019]
The
By providing the
Specifically, as shown in FIG. 1, two
[0020]
The
A
In this way, the air supplied from below is discharged upward (by the air flow), so that a water flow is generated in the
The water flow generating means is not limited to the configuration by supplying and discharging air, and for example, a configuration in which a rotating blade is provided in the
[0021]
Next, the
The
Further, the
[0022]
Further, in the
As shown in the drawing, the non-opposing position where the
[0023]
Further, a watertight packing is provided between the respective parts such as the
[0024]
The
At this time, as shown in FIGS. 1 to 3 (indicated by arrows of the fluid flow), the
The rising processing liquid and biocatalyst flow inside the
[0025]
As the liquid to be treated, known ones such as (waste) molasses and saccharide hydrolysates can be used.
In addition, the biocatalyst is not limited to the novel yeast (ZR-2f strain) of the present invention, but is known flocculent yeast, cells and enzymes immobilized on a carrier, cells and enzymes included in a gel, and the like. A conventionally well-known thing can also be used.
[0026]
【Example】
Hereinafter, selection of a fusion strain excellent in cell fusion and cell mass formation ability, batch fermentation and continuous fermentation test of the selected fusion strain will be specifically described.
However, the technical scope of the present invention is not limited by these examples. In the description of the bioreactor and the like, those having the same names as those in the above embodiment are the same as those in the above embodiment unless otherwise specified.
Preparation Preparation <br/> protoplasts Protoplasts are basically Noda et al method was carried out in accordance with (Agr.Biol.Chem., 54, pp. 2023 (1990)).
That is, a cell mass-forming yeast Tigosaccharomyces ruxii R-2 that quickly settles from the fermentation liquid discharged from a conventional bioreactor (using a porous ceramic carrier on which a commercially available yeast strain is supported) Shake the yeast strain Tigosaccharomyces luxi (Bioc, product name: soy sauce main fermenting yeast) in 10 ml of known YPD medium each containing 10% NaCl at 30 ° C. to the early stationary phase (1 × 10 8 cells / ml) After culturing, the obtained cells were washed with sterilized 10% saline. Subsequently, it was suspended in 50 mM sodium phosphate buffer (pH 7.5) containing 1.2 M sorbitol, 5 mM EDTA, and 0.5% mercaptoethanol. To this cell suspension, a zymolyce solution (manufactured by Seikagaku Corporation) was added to a final concentration of 1 mg / ml and treated at 30 ° C. for 90 minutes to produce a protoplast. The protoplasts were collected by centrifugation (1,200 × g), washed 3 times with 1.2 M sorbitol solution and suspended at a concentration of 5 × 10 7 protoplasts / ml.
[0027]
Cell fusion Cell fusion was performed by a high voltage pulse cell fusion method (electric cell fusion method).
That is, a cell fusion device (manufactured by Shimadzu Corporation, product name: SSH-10) was used, and fusion conditions were as follows: electrode spacing 1 mm,
[0028]
Evaluation of the cell mass sedimentation rate The cell mass sedimentation rate was evaluated by the rate of decrease in turbidity (OD660 nm) by a spectrophotometer (product name:
The test strain is inoculated into 10 ml of YPD medium containing 15% NaCl (inoculated with 0.5 ml as a bulk of aggregated cells), and cultured with shaking at 30 ° C. for 48 hours. This is vortex mixer (manufactured by iuchi). , Product name: AUTOMATIC LABO.MIXER), and after stirring for 10 seconds, the change in absorbance at 660 nm was measured over time. The result is shown in FIG.
In addition, the test strain used three types, the commercially available yeast strain, R-2 strain, and the colony (ZR-2f strain) obtained by the said cell fusion.
[0029]
In the commercial yeast strain, no change was observed in the absorbance at 660 nm, and a slight change was observed in the R-2 strain, whereas the absorbance at 660 nm rapidly decreased in the ZR-2f strain. From this, it was found that the cell mass of ZR-2f strain settles quickly.
Moreover, visually, the ZR-2f strain formed a bacterial mass having a diameter of about 0.5 to 3 mm.
In order to clarify the cell mass formation effect of this ZR-2f strain, R-2 strain, ZR-2f strain, and commercially available yeast strain were taken in a test tube having a diameter of 18 mm, and the appearance of those cell masses was shown in
As is clear from
In the R-2 strain, although it was relatively small, the formation of cell mass was clearly observed in the photograph of the bottom of the test tube.
On the other hand, in the commercially available yeast strain, the formation of the cell mass was not recognized at all in the photograph of the side surface portion of the test tube and the photograph of the bottom surface portion of the test tube.
As a result, it was found that the ZR-2f strain has a very characteristic cell mass formation ability, and the R-2 strain has at least a cell mass formation ability that can be clearly distinguished from a commercially available yeast strain.
[0030]
Pulse field electrophoresis Next, 0.5 ml of each test strain was shaken and cultured in 10 ml of YPD medium containing 15% NaCl at 30 ° C. for 48 hours. Bacteria were collected and washed before use. Sample preparation was carried out in an agarose gel and the gel block was adjusted to prevent fragmentation of chromosomal DNA. As the gel, 1% agarose (Pulsed Field Centrified Agarose manufactured by Bio-Rad) gel was used, and 0.5 × TBE buffer (pH 8.0) was used for electrophoresis. For electrophoresis, CHEF-DR III System manufactured by Bio-Rad was used, electrophoresis voltage 6 V / cm, pulse interval (start: INT) 60 to (end: FIN) 120 seconds,
The band after electrophoresis is shown in
From this, although it was confirmed that the ZR-2f strain and the R-2 strain are the same strains, they are clearly different from the commercially available yeast strains.
[0031]
Example 1
(Batch fermentation test with jar fermenter)
As a pre-culture, 20 ml of the ZR-2f strain obtained by the cell fusion was cultured with shaking in 500 ml of YPD medium containing 15% NaCl at 30 ° C. for 48 hours.
Thereafter, the medium for fermentation test (yeast) was left as it was without being supported on an immobilization carrier, and about 50 ml of the ZR-2f strain obtained by removing the cells that did not settle together with the culture solution by standing for 10 minutes. To a jar fermenter (product name: MINI FERMENTOR M-100, manufactured by Tokyo Rika Kikai Co., Ltd.) containing 1 liter of extract 0.5%, polypeptone 1%,
Although the first fermentation had a slightly longer delay time, the fermentation proceeded smoothly, and 3.7% (W / V) of alcohol was produced on the fifth day of fermentation. At this time, although a strain that became non-aggregating appeared, aggregates settled after the end of fermentation, and repeated batch fermentation was possible. In addition, the delay time was shortened in the second and third batch fermentations, and 3.8% (W / V) alcohol was produced on the third fermentation day.
[0032]
Example 2
(Ethanol continuous fermentation test using bioreactor)
Example 2- (1).
As shown in FIG. 6, the entire
The
The fermentation broth produced over time was sampled, and the alcohol concentration was analyzed by a gas chromatograph (manufactured by Shimadzu Corporation, product name: GA-9A) to measure alcohol productivity. As a result, the agglomerate increased with the growth of the bacterial cells, but this increased bacterial mass adhered to the
[0033]
Example 2- (2).
Next, a continuous fermentation test was similarly performed using the
Then, using this, circulation fermentation and continuous fermentation were carried out in the same manner as in Example 2- (1) above. As a result, the fermentation broth was rapidly separated from the non-aggregated bacterial cells and the bacterial cell mass. The
In addition, although the non-aggregating strain is discharged together with the fermentation broth, the bacterial mass is retained in the reactor and the growth of the aggregate is observed, so the lack of stability of the fused strain is a problem did not become.
[0034]
The results of Example 2- (2) are shown in FIG. Alcohol productivity gradually improves with the growth of the cell mass after the start of fermentation, and after 20 days, about 1.4 g / liter · hr or more (1.4 g or more alcohol per hour by 1 liter reactor reaction tank) Means that will be produced). This shows that stable continuous fermentation is possible without using an immobilization support. The ethanol concentration at this time was 3.8% (W / V), and the ethanol conversion rate was 74%.
[0035]
Example 2- <3>.
Furthermore, the continuous fermentation test was conducted by increasing the cell density.
That is, as the microbial cells, only about 30 ml of the bulk capacity obtained in Example 2- (1) was taken out, and this was used. Fermentation was performed. The result is shown in FIG. As a result, it was possible to improve the ethanol concentration to 4.1% and the conversion rate to 80%.
[0036]
Example 2- (4).
Further, only about 60 ml of the bulk capacity obtained in Example 2- (1) was taken out, and between the
[0037]
Example 3
(Continuous fermentation test of ultra-low-mouthed deep-fried soy sauce by bioreactor)
Example 3- (1).
In this embodiment, except that stainless steel mesh (small hole plate 5) having a mesh opening of 2 mm is interposed between the flanges between the
This bioreactor was charged with 1 liter of raw soy sauce decolorization solution (total nitrogen 1.41%,
The fermentation broth produced over time was sampled, and the alcohol concentration was analyzed by a gas chromatograph (manufactured by Shimadzu Corporation, product name: GC-9A) to measure alcohol productivity. The result is shown in FIG.
Alcohol productivity improved rapidly after the start of fermentation, maintained about 1.1 g / l · hr after 14 days, and stable continuous fermentation was possible without using an immobilized carrier.
[0038]
Example 3- (2).
Next, the same test as in Example 3- (1) was performed except that a bioreactor in which the
[0039]
Example 3- (3).
Example 3- (3) was performed by a conventional method. That is, about 400 ml of an immobilized carrier in which a commercially available yeast strain was supported on a porous ceramic carrier (product name: ceramic carrier, manufactured by Iwao Porcelain Co., Ltd.) as a biocatalyst in the
In the conventional method using this immobilized carrier, the alcohol productivity was about ½ times that of the ZR-2f strain. In addition, the obtained fermented broth showed no sensory difference from a known fermented broth (product name: ultra-thin fried).
[0040]
Example 4
(Continuous fermentation test of ultra-fresh raw soy sauce by bioreactor)
Using the bioreactor (specification: the lower part has a capacity of 3000 ml, the middle part has a capacity of 3000 ml, the upper part has a capacity of 3000 ml and has a total volume of 9 liters) (product name: MBRB-303, manufactured by Tokyo Rika Kikai Co., Ltd.) Went. In this reactor, stainless steel meshes (small hole plates) having a mesh size of 2 mm were interposed between the flanges between the lower part and the intermediate part and between the intermediate part and the upper part, respectively.
In this bioreactor, about 2000 ml of the ZR-2f strain that had been pre-cultured in the same manner as in Example 1 and conditioned by standing at 30 ° C. for 2 days with fresh soy sauce decolorizing solution (sometimes stirred) was immobilized. The sample was filled as it was without being supported on a carrier, and cultured for 2 days at 30 ° C. with aeration of 9 liters of fresh soy sauce decolorizing solution. Thereafter, the same-colored soy sauce decolorizing solution was supplied to the bioreactor at a flow rate of 9 liters to 27 liters / day, and continuous fermentation was performed for 30 days.
The alcohol concentration was measured over time by an oxidation method, and alcohol productivity was measured. The result is shown in FIG.
[0041]
Alcohol productivity improved steadily after the start of fermentation, showing a maximum of 1.4 g / l · hr. Stable continuous fermentation was possible, and a fermented liquid of 3 times the volume of the bioreactor could be obtained in one day. Moreover, functionally, the obtained fermentation broth did not show a difference from that obtained by the conventional method.
[0042]
Example 5
(Continuous fermentation test of ultra-fresh mouth raising by bioreactor)
A
The
The
As a comparative example, about 70 liters (bulk capacity) of a conventional method (in the
The alcohol concentration was measured over time by an oxidation method, and alcohol productivity was measured. The result is shown in FIG.
[0043]
Alcohol productivity improved steadily after the start of fermentation, and a fermented liquor twice the volume of the bioreactor could be obtained in one day. The obtained fermented liquor did not show a difference in functionality from that obtained by the conventional method. In addition, after 3 weeks from the start, the operation was interrupted for about 2 weeks and then restarted. However, the recovery was quicker than the conventional method, and the alcohol productivity improved steadily after the return and stable operation was possible. there were. After that, the operation was interrupted intermittently, but it returned in the same way. Moreover, since it has aggregability, the amount of leaking bacteria was reduced, so the filterability was improved and the workability was improved.
[0044]
【The invention's effect】
Since the novel yeast according to the present invention has a high self-aggregation property and becomes a large lump, efficient fermentation using a bioreactor or the like is possible without immobilization on a carrier.
In particular, it is suitable for continuous production of fermented seasonings such as soy sauce.
In addition, since the novel yeast of the present invention can be fermented with high efficiency even in a medium with a high salt concentration, it can be fermented using various liquids to be treated.
Furthermore, the bioreactor of the present invention can separate the treatment liquid and the biocatalyst with a relatively simple structure.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing an embodiment of a bioreactor of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 3 is a reference perspective view showing a solid-liquid separation part (upper part) of a bioreactor.
FIG. 4 is a graph showing the sedimentation rate of the test strain.
5 is a graph showing the degree of fermentation in the batch fermentation test of Example 1. FIG.
FIG. 6 is a longitudinal sectional view showing a conventional bioreactor.
FIG. 7 is a graph showing the degree of fermentation in the continuous fermentation test of Example 2- (2).
FIG. 8 is a graph showing the degree of fermentation in the continuous fermentation test of Example 2- (3).
FIG. 9 is a graph showing the degree of fermentation in the continuous fermentation test of Example 2- (4).
10 is a graph showing the degree of fermentation in the continuous fermentation test of Example 3. FIG.
11 is a graph showing the degree of fermentation in the continuous fermentation test of Example 4. FIG.
12 is a longitudinal cross-sectional reference diagram showing the bioreactor of the present invention used in Example 5. FIG.
13 is a graph showing the degree of fermentation in the continuous fermentation test of Example 5. FIG.
[Explanation of symbols]
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