JP3772238B2 - Method for producing α-hydroxycarboxylic acid - Google Patents
Method for producing α-hydroxycarboxylic acid Download PDFInfo
- Publication number
- JP3772238B2 JP3772238B2 JP2002204754A JP2002204754A JP3772238B2 JP 3772238 B2 JP3772238 B2 JP 3772238B2 JP 2002204754 A JP2002204754 A JP 2002204754A JP 2002204754 A JP2002204754 A JP 2002204754A JP 3772238 B2 JP3772238 B2 JP 3772238B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- metal
- reaction
- gold
- hydroxycarboxylic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリコール酸などのα−ヒドロキシカルボン酸の製造方法およびグリコール酸に関する。
【0002】
【従来技術】
α−ヒドロキシカルボン酸は、ポリグリコール酸などの各種の合成樹脂の原料となる重合用モノマーなどとして工業的に重要な化合物である。なかでも、グリコール酸は、プリント配線基盤などを洗浄する金属洗浄剤、ボイラーなどのスケール防止剤などとして利用されている。また、近年、抗シワ効果のある化粧液、基礎化粧品などとしても使用されている。特に、化粧品などとして使用する際には、直接人体に触れるので、安全性、毒性に関する配慮が必要である。グリコール酸自身には、そうした問題点はないが、製品中に含まれる不純物が問題となる場合がある。
【0003】
従来、グリコール酸は、主に、(1)一酸化炭素とホルムアルデヒドと水とを酸触媒下、高圧において反応させる方法、または(2)クロロ酢酸と水酸化ナトリウムとを反応させる方法によって製造されている。これらの方法によって製造されたグリコール酸には、不純物として、例えばホルムアルデヒド、含塩素化合物、メトキシ酢酸などのグリコール酸以外の有機酸などが含まれている。
【0004】
従って、化粧品などに使用するグリコール酸としては、これらの不純物を含まない高純度のものが求められている。
【0005】
しかしながら、グリコール酸は、蒸留などの汎用の精製方法では単離精製が困難であり、特に上記のような不純物を完全に除去することは困難である。実際には、不純物を多量に含有する工業品グレードのグリコール酸から不純物をできるだけ除去した高純度品が使用されている。
【0006】
市販されている工業グレードのグリコール酸は、主に以下の2種の方法で製造されている。一つは、酸触媒存在下、高温、高圧下にホルムアルデヒドと一酸化炭素とをカルボニル化反応させる製造する方法である。この製法による工業グレード品は、70%水溶液という形態であり、グリコール酸以外の有機酸として、グリール酸2量体、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、ギ酸などが、グリコール酸に対して合計で10重量%以上含まれている。これらの不純物は、蒸留などの方法では分離できない。そのため、煩雑な精製工程を経る必要があり、また、収率が低いという問題点がある。
【0007】
また、この製法による高純度品も市販されているが、純度は99%以上と高いものの価格が工業品の10倍以上と高価なため汎用用途が限られている。
【0008】
もう一つのグリコール酸の製造方法は、モノクロル酢酸を水酸化ナトリウムで加水分解後中和して製造する方法である。この方法では、化学量論量の2倍の水酸化ナトリウムを副原料として消費するので、有機物で汚染された塩化ナトリウムが廃棄物として大量に発生するという問題がある。
【0009】
このように、ホルムアルデヒド、含塩素化合物などの不純物を含まない高純度グリコール酸を経済性良く製造できる方法の開発が、強く求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主な目的は、不純物としてホルムアルデヒド、含塩素化合物などを含まない高純度のα-ヒドロキシカルボン酸を製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、金属を担持してなる触媒および酸素の存在下、(i)1,2-ジオールのみ、または(ii)1,2-ジオールと1級アルコールとを反応させることによって得られるα−ヒドロキシカルボン酸エステルを加水分解することによって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記のグリコール酸などのα−ヒドロキシカルボン酸の製造方法およびグリコール酸に係る。
1.(i)1,2-ジオールまたは(ii)1,2-ジオールと1級アルコールとを、金属を担持してなる触媒の存在下、酸素と反応させることにより得られたα−ヒドロキシカルボン酸エステルを、加水分解することによってα−ヒドロキシカルボン酸を製造する方法。
2.エチレングリコールと1級アルコール(好ましくは炭素数1〜4の1級アルコール)とを原料とし、金属を担持してなる触媒の存在下、酸素酸化により得られたグリコール酸エステルを、加水分解することによってグリコール酸を製造する方法。
3.担体に担持された金属の平均粒子径が、10nm以下である上記1または2に記載の製造方法。
4.担体が、無機酸化物である上記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.無機酸化物担体が、Si、Al、TiおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物である上記4に記載の製造方法。
6.1,2-ジオールに対する1級アルコールのモル比が、1:3〜20程度である上記1に記載の製造方法。
7.加水分解の前または後に、以下に示す(A)〜(C)のシュウ酸またはシュウ酸エステルを除去する工程のいずれか一つを含む上記1〜6のいずれかに記載の方法
(A)金属塩および/またはアンモニウム塩を添加し、生成するシュウ酸金属塩および/またはシュウ酸アンモニウム塩を分離する工程
(B) アンモニアを添加し生成するオキサミド酸エステルおよびオキサミドを分離する工程、および
(C) 陰イオン交換樹脂を用いてシュウ酸エステルを樹脂に吸着させる工程。
8.不純物としてホルムアルデヒドおよび塩素を実質的に含まないグリコール酸。
9.エチレングリコールを10重量ppb以上含み、上記1に記載の方法により得られるグリコール酸。
10.エチレングリコールを10重量ppb以上含むグリコール酸。
11.エチレングリコールと1級アルコールとを原料とし、金属を担持してなる触媒の存在下、酸素酸化により得られたグリコール酸エステルを加水分解することによって製造することができ、不純物としてホルムアルデヒドおよび塩素を実質的に含まないグリコール酸。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のα−ヒドロキシカルボン酸の製造方法は、(i)1,2-ジオールまたは(ii)1,2-ジオールと1級アルコールとを、金属を担持してなる触媒(以下「担持型金属触媒」ということがある)の存在下、酸素と反応させることにより得られたα−ヒドロキシカルボン酸エステルを、加水分解することによってα−ヒドロキシカルボン酸を製造する方法である。
【0014】
I.グリコール酸の製造
1.担持型金属触媒
(1)触媒活性成分
本発明において用いる触媒は、活性成分である金属が担体に担持された触媒、即ち担持型金属触媒である。
【0015】
活性成分である金属は、特に制限されないが、好ましくは貴金属であり、例えば、金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金などの貴金属を例示することができ、金、パラジウム、ルテニウムなどがより好ましい。
【0016】
本発明において用いる触媒は、上記の貴金属を必須成分として含み、更に、活性成分として、第4周期から第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族および6B族並びに第4周期の8族からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有することができる。以下、これらの元素を第二元素ということがある。第二元素の具体例として、例えばZn, Cd, Hgなどの2B族;Ga, In, Tlなどの3B族;Ge, Sn, Pbなどの4B族;As, Sb, Biなどの5B族;Se, Te, Poなどの6B族;Fe, Co, Niなどの8族などを例示することができる。本発明において用いる触媒としては、第二元素として少なくともPbを含む触媒が好ましい。例えば、Au, PdおよびRuからなる群から選択される少なくとも1種の活性成分およびPbを含む金属微粒子が担体上に担持された触媒を好適に用いることができる。
【0017】
活性成分である金属は、上記貴金属を単独で含んでいても良く、2種以上を含んでいてもよい。2種以上の貴金属を含む場合には、本発明の効果が得られる限り、一部又は全部が合金、金属間化合物等を形成していても良い。
【0018】
また、活性成分である金属が、貴金属と第二元素とを含む場合には、本発明の効果が得られる限り、一部又は全部が合金、金属間化合物等を形成していても良い。貴金属および第二元素は、通常微粒子として担体に担持されている本発明において用いる触媒は、本発明の効果を妨げない範囲内で貴金属および第二元素以外の他の元素または不純物が含まれていても良い。
【0019】
活性成分である金属粒子の粒子径は、所定の触媒活性が得られる限り限定的ではないが、平均粒子径は、通常10nm以下程度、好ましくは6nm以下程度、より好ましくは5nm以下程度、特に好ましくは1〜5nm程度である。この範囲内に設定すれば、より確実に優れた触媒活性を得ることができる。平均粒子径の下限値は特に制限されないが、物理的安定性の見地より約1nm程度とすれば良い。
【0020】
なお、本発明における金属粒子の平均粒子径は、担体上の金属粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により任意に選んだ120個のうち、(1)大きい順に上から10個及び(2)小さい順に下から10個の合計20個を除いた100個の粒子径の算術平均値を示す。また、本発明においては、金属粒子の粒子径分布の極大値が、1〜6nm程度、特に1〜5nm程度の範囲にあることが好ましい。粒子径の分布は狭い方が好ましく、上記120個の粒子径の標準偏差(Standard Deviation)が2以下程度、特に1.5以下程度であることが好ましい。
【0021】
触媒における金属活性成分の担持量は、最終製品の用途、担体の種類等に応じて適宜決定すれば良いが、通常は担体100重量部に対して0.01〜20重量部程度、特に0.1〜10重量部とすることが好ましい。
【0022】
(2)担体
担体としては、従来から触媒担体として用いられているものを使用することができ、特に限定されない。例えば、市販品を使用することができる。また、公知の製法によって得られるものも使用できる。例えば、金属酸化物(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア等)、複合金属酸化物(シリカ・アルミナ、チタニア・シリカ、シリカ・マグネシア等)、ゼオライト(ZSM−5等)、メソポーラスシリケート(MCM−41等)などの無機酸化物;天然鉱物(粘土、珪藻土、軽石等);炭素材料(活性炭、黒鉛等)の各種担体を挙げることができ、これらの中では無機酸化物が好ましい。
【0023】
本発明では、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種の元素を含む酸化物からなる無機酸化物担体を好ましく用いることができる。上記酸化物は、単体元素の酸化物が2以上混合された混合酸化物であっても良いし、あるいは複酸化物(又は複合酸化物)であっても良い。無機酸化物担体としては、Si、Al、TiおよびZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物が好ましい。
【0024】
担体の製法も限定されず、公知の製法を用いることができる。例えば、含浸法、共沈法、イオン交換法、気相蒸着法、混練法、水熱合成法等が挙げられる。
【0025】
例えば、上記の無機酸化物担体は、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1種を含む水溶性化合物の水溶液をシリカに含浸させた後、得られた含浸体を焼成する方法などによって得られる。かかる無機酸化物担体は、触媒活性成分である微粒子をより確実に担持できるとともに、微粒子との相乗的な作用によっていっそう高い触媒活性を得ることができる。
【0026】
上記の担体の製法で用いられる化合物は限定されない。例えば、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物等の無機化合物、カルボン酸塩、アルコキサイド、アセチルアセトナート等の有機化合物が挙げられる。
【0027】
上記の水溶性化合物も、水溶性であれば限定的でない。例えば、硫酸チタニル、硝酸ジルコニル、硝酸亜鉛、硝酸ランタン、硝酸鉄、硝酸ニッケル、硝酸アルミニウム等の無機酸塩;チタンn−ブトキシド、チタンアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、酢酸鉛、酢酸マグネシウム等の有機酸塩を挙げることができる。これらの塩は無水物又は水和物のいずれであっても良い。また、上記水溶液の濃度は、用いる水溶性化合物の種類等に応じて適宜設定できる。
【0028】
上記水溶液をシリカに含浸させる量は限定的ではないが、通常はシリカ100重量部に対して1〜20重量部程度となるようにすれば良い。
【0029】
本発明では、無機酸化物担体は多孔質であることが好ましく、特にその比表面積(BET法)が50m2/g以上程度のものが好ましく、100m2/g以上程度であることがより好ましく、100〜800m2/g程度のものが特に好ましい。担体の形状・大きさは限定的でなく、最終製品の用途等に応じて適宜決定すれば良い。
【0030】
2.本発明において用いる触媒の製造方法
本発明において用いる触媒の製造方法は、上記のような担持体が得られる限りその制限はない。例えば、所望の金属及びその化合物の少なくとも1種を含む担体を熱処理することによって得ることができる。金属の化合物は、水酸化物、塩化物、カルボン酸塩、硝酸塩、アルコキサイド、アセチルアトナート塩等のいずれであっても良い。
【0031】
また、担体に2種以上の金属を担持させる場合、担持させる順序も限定的でなく、いずれが先であっても良いし、また同時であっても良い。担体に、貴金属と第二元素とを担持させる場合も、担持させる順序は、限定的ではなく、いずれが先であっても良いし、また同時であっても良い。以下に、活性成分として金と第二元素とを併用する場合を例に挙げて説明する。すなわち、(A)金を担体に担持した後、第二元素を担持する方法、(B)第二元素を担体に担持した後、金を担持する方法、(C)金と第二元素とを同時に担体に担持する方法のいずれであってもよい。以下、各方法について説明する。なお、方法(A)に記載されている金担持体の製造方法は、金属を担持してなる触媒であって第二元素を含まない触媒の製造方法の一例である。
【0032】
方法(A)
上記(A)の方法は、金を担体に担持した後、第二元素を担持する方法である。まず、金が担持されてなる金担持体を製造する。金担持体の製法は限定的でなく、例えば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の従来の方法を適用できる。本発明では、共沈法、析出沈殿法等が好ましく、この中でも析出沈殿法がより好ましい。
【0033】
析出沈殿法を用いる場合には、例えば金化合物を含む水溶液に担体を共存させ、金含有沈殿物を担体表面上に析出沈殿させた後、金含有沈殿物が析出した担体を焼成することによって金担持体を得ることができる。金含有沈殿物を担体表面上に析出沈殿させる場合には、上記水溶液の金濃度、温度、pH等の諸条件を適宜制御すれば良い。また、金含有沈殿物が析出した担体は、必要に応じて、焼成に先立って水洗、乾燥等を施しても良い。
【0034】
上記金化合物は水溶性であれば特に限定されない。例えば、テトラクロロ金(III)酸「H〔AuCl4〕」、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム「Na〔AuCl4〕」、ジシアノ金(I)酸カリウム「K〔Au(CN)2〕」、ジエチルアミン金(III)三塩化物「(C2H5)2NH〔AuCl3〕」等の錯体;シアン化金(I)等の金化合物が挙げられる。これらの化合物は少なくとも1種を用いることができる。
【0035】
上記水溶液の金濃度は、用いる化合物の種類等によって異なるが、通常は0.1〜100mmol/L程度とすれば良い。また、上記水溶液のpHは、通常5〜10程度、好ましくは6〜9程度に設定すれば良い。上記pHは、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等のアルカリにより調節することができる。また、必要により、塩酸等の酸を使用することもできる。これらのアルカリ又は酸は、必要により水溶液の形態で使用しても良い。
【0036】
必要により、上記水溶液に界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤は、上記水溶液に応じて公知のもの又は市販品の中から適宜選択すれば良い。例えば、長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等のアニオン性界面活性剤;長鎖アルキル4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられる。これら界面活性剤は少なくとも1種を用いることができる。本発明では、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好ましく、特にアニオン性界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤の中でも、とりわけ、炭素数8以上の長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等がより好ましい。
【0037】
界面活性剤の使用量は、所望の分散性、用いる界面活性剤の種類等により適宜決定することができるが、通常は界面活性剤の濃度が0.1〜10mmol/L程度とすれば良い。
【0038】
上記水溶液と混合する担体としては、前記のような各種担体を用いることができる。担体は、顆粒状、造粒体等のいずれの形態で使用しても良い。担体の使用量は、上記水溶液の濃度、用いる担体の種類等に応じて適宜設定すれば良い。上記水溶液と担体とを混合する際には、必要に応じて上記水溶液を加温しても良い。この場合の温度は、通常10〜100℃程度とすれば良い。また、上記水溶液と単体との混合時間は、担体の種類、構成元素等によって変更できるが、通常は1分〜24時間程度、好ましくは10分〜3時間の範囲内で、金を含む沈殿物ができるだけ多く担体上に担持されるように設定すれば良い。担体の使用量は、所定の担持量となるように適宜設定すれば良い。
【0039】
上記水溶液と担体とを混合・攪拌した後、固形分を回収する。固形分の回収は、上澄液の回収により行ったり、あるいは公知の固液分離法に従って実施することができる。回収された固形分は、残留イオンが実質的になくなるまでイオン交換水等で洗浄することが好ましい。
【0040】
次いで、上記固形分の焼成を行う。必要に応じて、焼成に先立って予め所定温度に加熱して乾燥しても良い。乾燥温度は、通常150℃未満程度とすれば良い。焼成温度は、通常150〜800℃程度、好ましくは200〜700℃程度、より好ましくは250〜600℃程度とすれば良い。焼成雰囲気は空気(大気)中又は酸化性雰囲気中でも良いし、あるいは窒素、アルゴンガス、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中、水素ガス、一酸化炭素等の還元性雰囲気中のいずれであっても良い。また、焼成時間は、焼成温度、固形分の大きさ等に応じて適宜決定すれば良い。かかる焼成によって、金が担体表面に強固に固定された所定の金担持体を得ることができる。このような方法などにより得られた金担持体は、本発明の方法において、触媒として用いることができる。
【0041】
次に、第二元素及びその化合物の少なくとも1種を金担持体に担持した後、熱処理することにより金と第二元素とを複合化させる。
【0042】
上記の担持方法は限定的でなく、従来方法に従って行うことができる。例えば、含浸法、イオン交換法、気相蒸着法等が挙げられる。このうち、含浸法が好適に使用できる。例えば、第二元素を含む化合物が溶解した溶液と上記金担持体との混合物を調製した後、当該混合物から回収された固形分を熱処理することにより好適に第二元素を担持することができる。
【0043】
第二元素を含む化合物としては、特に限定されないが、例えば、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、塩化物等の無機化合物、ギ酸塩、酢酸塩、β−ジケトン化合物、アルコキサイド等の有機化合物を例示することができる。より具体的には、酢酸鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硝酸ビスマス、ゲルマニウム(III)ブトキシド、ニッケルビスマスアセチルアセトナート、酢酸鉄等を挙げることができる。
【0044】
第二元素を含む化合物が溶解した溶液は、第二元素を含む化合物及びそれが溶解する溶媒の組合せを用いることにより調製できる。溶媒としては特に限定はないが、水、有機溶媒等を用いることができる。有機溶媒としては、例えばアルコール、ケトン、芳香族炭化水素、カルボン酸エステル、ニトリル等を挙げることができる。特に、水及びアルコール(特にメタノール及びエタノール)の少なくとも1種を用いることが好ましい。従って、上記組合せは、水又はアルコールに溶解する上記化合物を用いることが好ましい。例えば、第二元素としてPbを用いる場合は、酢酸鉛(水和物でも良い。)をメタノールに溶解させた溶液を好適に用いることができる。
【0045】
第二元素を含む化合物が溶解した溶液の第二元素濃度は、上記化合物の種類、溶媒の種類等に応じて適宜決定できるが、通常は0.01〜10mmol/L程度にすれば良い。
【0046】
また、上記金担持体と、第二元素を含む化合物が溶解した溶液との混合割合は、上記溶液の濃度、金又は第二元素の所望の担持量等に応じて適宜決定することができる。
【0047】
上記金担持体と、第二元素を含む化合物が溶解した溶液との混合物を調製した後、当該混合物から固形分を回収する。固形分の回収方法は限定的ではないが、例えば第二元素を含む化合物を金担持体に担持されるようにすれば良い。例えば、エバポレーター等により溶媒を留去することが好ましい。
【0048】
次いで、固形分の熱処理を実施する。熱処理温度は、得られる各金属粒子が金及び第二元素から構成されるような温度とすれば良い。すなわち、最終的に得られる金属粒子担持体を触媒として用いた場合に金と第二元素との複合化による触媒活性が発現されるように熱処理すれば良い。
【0049】
かかる熱処理温度は、第二元素の種類等によって異なるが一般的には50〜800℃程度、好ましくは100〜600℃程度とすれば良い。
【0050】
熱処理雰囲気は特に限定されず、還元性雰囲気、酸化性雰囲気、不活性雰囲気等のいずれでも良い。還元性雰囲気とするためには、例えば水素、一酸化炭素、アルコール等の還元性ガスのほか、これらの還元性ガスを窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで希釈した混合ガスを使用すれば良い。また、酸化性雰囲気とするためには、酸素、空気等を含むガスを使用すれば良い。不活性雰囲気とするためには、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを使用すれば良い。本発明では、特に還元性雰囲気とすることが望ましい。また、酸化性雰囲気で熱処理した後、還元性雰囲気で熱処理することもできる。
【0051】
また、熱処理時間は、熱処理の温度等によって適宜変更することができるが、通常10分〜24時間程度とすれば良い。
【0052】
第二元素の種類によっては、金との複合化をさらに促進するために、上記熱処理に先立ってホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸等の還元剤を用いて固形分を還元処理しても良い。
【0053】
方法(B)
上記(B)の方法は、第二元素を担体に担持した後、金を担持する方法である。第二元素に担持する方法は限定的でなく、例えば上記(A)と同様の方法を使用できる。すなわち、担体にまず上記(A)と同様の方法にて第二元素を担持すれば良い。第二元素の原料、担持条件等も、上記(A)で掲げたものと同様にすれば良い。
【0054】
ただし、場合によっては、その後の金担持操作上好ましい付加的処理として、酸化性雰囲気下(空気又は酸素を含むガスの存在下)300〜900℃程度で焼成することにより第二元素を担体に強固に固定化することができる。
【0055】
こうして製造された第二元素担持体への金の担持は、上記(A)と同様の方法にて実施できる。すなわち、析出沈殿法等により金を担持した後、乾燥及び焼成を上記(A)と同様にして実施すれば良い。また、上記(A)と同様、金と第二元素との複合化をより十分なものとするために、上記(A)と同様の還元性雰囲気下での熱処理を行うことが望ましい。また、必要に応じて、さらに還元剤を用いた還元処理を組み合わせることもできる。
【0056】
方法(C)
上記(C)の方法は、金と第二元素とを同時に担体に担持する方法である。その方法は、両者を同時に担持できれば限定されない。例えば、共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の従来の方法が使用できる。いずれの場合も、担体に金を担持する際に、系内に第二元素を含む化合物を共存させることによって両者を同時に担持することができる。さらに、両者を担持したものを上記の方法(A)又は(B)と同様に熱処理及び/又は還元処理を施すことにより、金及び第二元素を含む金属超微粒子が担体上に担持された触媒を得ることができる。
【0057】
本発明では、析出沈殿法又は含浸法を好適に使用することができる。析出沈殿法では、金を含む化合物(例えば水酸化物)として析出し、沈殿を形成しやすい条件(例えば、上記化合物が水酸化物である場合、温度30〜100℃程度、pH5〜10程度、金濃度0.1〜100mmol/L程度)において、第二元素を含む化合物が析出し、沈殿を形成するように制御することが望ましい。この場合、第二元素を含む水溶性化合物を出発原料として用い、その水溶液から第二元素を含む水酸化物として沈殿を形成させることが望ましい。また、沈殿形成の際に、金と第二元素の各水酸化物が同時に沈殿を形成し、金及び第二元素とをともに含有する水酸化物を生成することが望ましい。これらの沈殿物は、さらに熱処理及び/又は還元処理を施すことによって触媒を得ることができる。
【0058】
含浸法では、金化合物及び第二元素を含む化合物が有機溶媒中に溶解した溶液に担体を加え、必要により有機溶媒の留去等を行うことにより、金化合物及び第二元素を含む化合物を同時に担体上に付着させ、次いで熱処理及び/又は還元処理を施すことによって触媒を得ることができる。典型例としては、金のアセチルアセトナート化合物(例えば、ジメチル金アセチルアセトナート)と第二元素のアセチルアセトナート化合物(例えば、ニッケルアセチルアセトナート)とを含有するメタノール溶液を担体に含浸させ、メタノールを留去した後、乾燥及び還元処理することによって、金及び第二元素を含有する金合金超微粒子(例えば、Au−Ni合金超微粒子)が担体に担持された触媒を得ることができる。
【0059】
上記の析出沈殿法又は含浸法で使用される原料化合物、操作条件等は、前記の方法(A)で示したものを適用できる。
【0060】
3.α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法
本発明のα−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法は、担持型金属触媒と酸素の存在下に、(i) 1,2-ジオールまたは(ii)1,2-ジオールと1級アルコールとを反応させることを特徴とする。すなわち、(i)酸素と1,2-ジオールとを反応させるか、または(ii)酸素と1,2-ジオール及び1級アルコールを反応させる。
【0061】
上記1,2-ジオールは、1位と2位に水酸基を有する限り特に限定されず、例えば、3価以上の多価アルコールであってもよい。上記1,2-ジオールの具体例として、例えば、エチレングリコール、1,2-プロプレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,2-ヘキサンジオールなどの炭素数2〜10の脂肪族1,2-ジオール;グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールなどの1位と2位に水酸基を有する炭素数3〜10の脂肪族多価アルコールなどのほか、これら1,2-ジオールの誘導体などが挙げられる。1,2-ジオールの誘導体としては、例えば、3-クロロ-1,2-プロパンジオールなどのハロゲンを含有する炭素数2〜10の脂肪族1,2-ジオール;2-フェニル-1,2-エタンジオールなどの芳香環を有する炭素数2〜10の脂肪族1,2-ジオールなどが挙げられる。1,2-ジオールとしては、エチレングリコールなどの炭素数2〜6程度の脂肪族ジオールを好適に使用できる。これら1,2-ジオールは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0062】
上記1級アルコールは、1級水酸基を有する限り特に制限されず、例えば、2価以上の多価アルコールであってもよい。1級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ヘキサノール、1-オクタノールなどの炭素数1〜10の脂肪族1級アルコール;1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールなどの1級水酸基を有する炭素数2〜10の脂肪族多価アルコール;アリルアルコール、メタリルアルコール等の1級水酸基を有する炭素数3〜10の脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコール等の芳香環を有するアルコール等が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノールなどの炭素数1〜4の脂肪族1級アルコールを好適に使用でき、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノールなどの1価アルコールが特に好ましい。これら1級アルコールは、1種又は2種以上で用いることができる。
【0063】
本発明の製造方法では、目的とするα-ヒドロキシカルボン酸エステルの種類等によって上記1,2-ジオール及び1級アルコールを適宜選択すれば良い。例えば、グリコール酸エステルを合成する場合には、1,2-ジオールとしてエチレングリコール、1級アルコールとしてメタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノールなどの1級アルコールを用いれば良い。或いは、1,2-ジオールとしてエチレングリコールだけを用いた場合には、グリコール酸2−ヒドロキシエチルエステルを製造することができる。
【0064】
1,2-ジオールと1級アルコールとの反応割合は特に限定されないが、1,2-ジオールに対する1級アルコールのモル比は、通常1:2〜50程度であり、1:3〜20程度がより好ましい。上記範囲内とすることにより、より効率的にα−ヒドロキシカルボン酸エステルを合成することが可能になる。
【0065】
本発明では、(i) 1,2-ジオールのみ、または(ii)1,2-ジオールと1級アルコールとの反応を担持型金属触媒と酸素(分子状酸素)の存在下に行う。
【0066】
上記反応は、液相反応、気相反応等のいずれであっても良い。酸素(酸素ガス)は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスで希釈されていても良い。また、空気等の酸素含有ガスを用いることもできる。酸素含有ガスの反応系への供給方法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。特に、液中へのバブリング等を好適に用いることができる。
【0067】
上記反応の形態としては、連続式、回分式、半回分式等のいずれであっても良く、特に限定されるものではない。触媒は、反応形態として回分式を採用する場合には、反応装置に原料とともに一括して仕込めば良い。また、反応形態として連続式を採用する場合には、反応装置に予め上記触媒を充填しておくか、あるいは反応装置に原料とともに触媒を連続的に仕込めば良い。触媒は、固定床、流動床、懸濁床等のいずれの形態であっても良い。
【0068】
上記触媒の使用量は、原料である1,2-ジオールまたは1級アルコールの種類、触媒の種類、反応条件等に応じて適宜決定すれば良い。反応時間は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるが、通常は反応時間又は滞留時間(反応器内滞留液量/液供給量)として0.5〜20時間程度、好ましくは1〜10時間程度とすれば良い。
【0069】
反応温度、反応圧力等の諸条件は、原料である1,2-ジオールまたは1級アルコールの種類、触媒の種類等に応じて適宜決定すれば良い。反応温度は、通常0〜180℃程度、好ましくは20〜150℃程度、より好ましくは50〜120℃程度とすれば良い。この範囲内の温度に設定することにより、いっそう効率的に反応を進行させることができる。反応圧力は、減圧、常圧又は加圧のいずれであっても良いが、通常は0.05〜5MPa(ゲージ圧)程度、特に0.1〜2MPa程度の範囲内が好適である。反応器流出ガスの酸素濃度が爆発範囲(8%)を超えないように全圧を設定すれば良い。また、反応系のpHは、副生成物抑制等の見地よりpH2〜9程度とすることが望ましい。pH調節のために、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物(カルボン酸塩)を反応系への添加剤として使用することもできる。
【0070】
上記反応は、溶媒の存在下で実施することができる。溶媒を用いることにより、目的とするカルボン酸エステルを効率良く製造できる場合がある。使用できる溶媒としては、原料である1,2-ジオールまたは1級アルコールを溶解し、反応条件下で自ら反応しにくいものであれば限定的でなく、原料アルコールの種類、反応条件等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、水のほか、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン含有化合物等を挙げることができる。溶媒の使用量は、溶媒の種類、アルコールの種類、触媒の種類等に応じて適宜設定すれば良い。
【0071】
4.α−ヒドロキシカルボン酸エステルまたはα−ヒドロキシカルボン酸の精製
酸素酸化反応後、反応系から触媒を分離した後、生成したα−ヒドロキシ酸エステルを公知の分離精製手段等を用いて回収すれば良い。触媒の分離方法は公知の方法に従えば良い。例えば、反応系が触媒(固形分)と反応生成物(液状成分)からなる場合は、ろ過、遠心分離等の公知の固液分離方法を用いて触媒と反応生成物を分離することができる。
【0072】
本発明の製造方法において、例えば1,2-ジオールとしてエチレングリコールを使用し、1級アルコールとして1級アルコール(好ましくは炭素数1〜4の1級アルコール)を用いるとグリコール酸エステルを製造することができる。反応後得られた溶液には、主生成物としてグリコール酸エステルが含まれ、場合によっては、未反応の原料である1級アルコールおよびエチレングリコールが含まれる。更に、反応溶液には、副生成物として、水が含まれ、場合によっては、1級アルコール由来のカルボン酸エステル(例えば1級アルコールとしてメタノールを使用した場合には、ギ酸メチルなど)、シュウ酸エステル、加水分解生成物であるグリコール酸、シュウ酸、シュウ酸モノエステルなどが含まれる。
【0073】
このような反応溶液から目的物であるグリコール酸エステルを単離する方法として、先ず1級アルコールおよび水を留去した後、グリコール酸エステルを蒸留により分離する方法を容易に実施可能な方法として例示できる。グリコール酸エステルを蒸留すると、未反応のエチレングリコールは、蒸留ボトムに含まれる。この時回収された1級アルコールおよびグリコール酸エステルを含む蒸留ボトムは、グリコール酸エステルを製造する時の原料として再利用することができる。
【0074】
ただし、グリコール酸エステルとシュウ酸エステルは沸点が近いので、蒸留により分離することは、容易ではない。例えば、グリコール酸メチルの沸点は、151℃であり、シュウ酸ジメチルの沸点は、164℃である。エチレングリコールと1級アルコールとを反応させた場合に生じるシュウ酸エステルは、グリコール酸エステルに対して10モル%以下程度と少ないので、用途によっては問題とならない場合もある。しかしながら、ポリグリコール酸などへのポリマー原料として用いる場合などには、少量のシュウ酸類が含まれると、高分子量のポリグリコール酸が得られないことがある。この様な場合には、シュウ酸エステルを何らかの方法で除去することが必要となる。
【0075】
従って、シュウ酸エステルは、必要に応じて除去すればよい。シュウ酸エステルおよびまたはシュウ酸を含むグリコール酸エステルの精製方法として、例えば、(A)金属塩および/またはアンモニウム塩を添加し、生成するシュウ酸金属塩および/またはシュウ酸アンモニウム塩を分離する方法、(B)アンモニアを添加し、生成するオキサミド酸エステルおよび/またはオキサミドを分離する方法、(C)陰イオン交換樹脂を用いてシュウ酸を樹脂に吸着させる方法などを例示することができる。以下に、精製方法(A)および(B)について説明する。上記の精製方法(A)〜(C)の方法は、併用してもよい。以下の精製方法(A)〜(C)は、加水分解工程の前後いずれに行ってもよい。
【0076】
精製方法 ( A )
上記精製方法(A)は、金属塩および/またはアンモニウム塩を添加し、生成するシュウ酸金属塩および/またはシュウ酸アンモニウム塩を分離する方法である。以下、酸素酸化後または加水分解後の反応混合物を「粗生成物」ということがある。
【0077】
精製方法(A)において用いる金属塩およびアンモニウム塩は、水、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、これらの混合溶媒に対して可溶性の塩である限り特に制限されない。アンモニウム塩よりも金属塩を好適に用いることができる。金属塩は、錯塩であってもよい。
【0078】
金属塩としては、例えば、水酸化物、カルボン酸塩、炭酸塩、アルコキシド、ハロゲン化物、1,3-ジケトン塩などを例示することができる。カルボン酸塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ラウリン酸、2−ヘキシルドデカン酸などの炭素数1〜16程度脂肪酸の塩;グリコール酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸の塩などを例示することができる。アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシドなどの炭素数1〜4程度の脂肪族アルコキシド;フェノキシドなどの芳香族アルコキシドなどを例示することができる。ハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物などを例示することができる。1,3-ジケトン塩としては、アセチルアセトナト塩などを例示することができる。金属塩としては、グリコール酸塩、酢酸塩、2-エチルヘキサン酸塩などのカルボン酸塩;水酸化物;アセチルアセトナト塩などが好ましく、グリコール酸塩などが特に好ましい。
【0079】
金属塩に含まれる金属イオンとしては、シュウ酸と塩を形成した時に、水、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール)、これらの混合溶媒に対する溶解度が低く、析出しやすいイオンが好ましい。金属塩に含まれる金属イオンとしては、例えば、Li+, Na+, K+, Rb+, Cs+などのアルカリ金属イオン;Be2+, Mg2+, Ca2+, Sr2+, Br2+, Ra2+などのアルカリ土類金属イオン;Ti4+, V5+, Cr3+, Mn2+, Fe2+, Fe3+, Co2+, Ni2+, Cu+, Cu2+, Zn2+などの遷移金属イオン;La3+, Ce3+, Ce4+, Pr3+, Pr4+, Nd2+, Nd3+, Nd4+, Pm3+, Sm2+, Sm3+, Eu2+, Eu3+, Gd2+, Gd3+, Tb3+, Tb4+, Dy2+, Dy3+, Dy4+, Ho3+, Er3+, Tm2+, Tm3+, Yb2+, Yb3+, Lu3+などのランタノイドイオンなどを例示することができる。金属イオンとしては、アルカリ土類金属イオンおよびランタノイドイオンが好ましい。
【0080】
金属塩としては、グリコール酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、ニッケル2-エチルヘキサン酸、トリス(アセチルアセトナト)ランタンなどを好適に使用できる。
【0081】
アンモニウム塩としては、例えば、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどを例示でき、炭酸アンモニウムなどが好ましい。
【0082】
金属塩とアンモニウム塩の添加量は、特に制限されないが、添加量の下限は、シュウ酸エステルとシュウ酸の総量に対して、通常0.1当量以上程度であり、好ましくは0.5当量以上程度であり、より好ましくは1当量以上程度である。金属塩とアンモニウム塩の添加量の上限は、シュウ酸エステルとシュウ酸の総量に対して、通常50当量以下程度、好ましくは10当量以下程度、より好ましくは5当量以下程度である。
【0083】
金属塩とアンモニウム塩は、水、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;アセトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族系有機溶媒;これらの混合溶媒などに溶解させた溶液として粗生成物に添加してもよい。粗生成物が、既に、水、低級アルコールなどを含んでいる場合には、金属塩とアンモニウム塩は、固体のまま添加することも可能であるが、溶液として添加する方が好ましい。
【0084】
溶媒として用いる低級アルコールとしては、炭素数1〜8程度、好ましくは炭素数1〜4程度の1級アルコールを例示することができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどを例示することができる。
【0085】
金属塩および/またはシュウ酸塩を添加および混合する時には、シュウ酸の金属塩/アンモニウム塩が生成しやすいように通常加熱する。混合温度は、シュウ酸塩が生成する限り特に制限されないが、通常20〜120℃程度であり、40〜90℃程度が好ましい。
【0086】
混合時間は、シュウ酸塩が十分に生成し、本発明の効果が奏される限り特に制限されず、粗生成物の量、粗生成物の組成などに応じて適宜設定することができる。混合時間は、通常0.1〜5時間程度、好ましくは0.5〜3時間程度である。
【0087】
混合は、空気中などの酸化雰囲気下において行ってもよいが、窒素、希ガス(ヘリウム、アルゴンなど)などの不活性雰囲気下で行うのが好ましい。
【0088】
粗生成物に金属塩またはアンモニウム塩を添加すると、シュウ酸の方がグリコール酸より強酸であるので、シュウ酸エステルがシュウ酸を経て選択的に金属塩また酸アンモニウム塩を形成する。しかも、金属塩およびアンモニウム塩の添加量を粗生成物に含まれるシュウ酸エステルおよびシュウ酸に対して1当量以上程度とすると、ほぼ定量的にシュウ酸エステルおよびシュウ酸をその金属塩またはアンモニウム塩に変換することができる。特に、アルカリ土類、ランタノイドなどの金属塩を添加した場合には、生成するシュウ酸塩の溶解度が低く、沈殿として析出するので、濾別、遠心分離などの公知の固液分離手段により容易に分離することができる。
【0089】
また、生成したシュウ酸金属塩およびシュウ酸アンモニウム塩が、水、アルコールなどの有機溶媒およびそれらの混合溶媒に対してある程度の溶解性を示す場合であっても、シュウ酸金属塩およびシュウ酸アンモニウム塩は不揮発性であるので、蒸留によって容易に分離することができる。
【0090】
精製方法 ( B )
上記精製方法(B)は、粗生成物にアンモニアを添加し生成するオキサミド酸エステルおよびオキサミドを分離する方法である。上記精製方法(B)では、粗生成物にアンモニアを添加するとシュウ酸エステルが加安分解によって、オキサミド酸エステルまたはオキサミドが生成する。
【0091】
アンモニアの添加量は、特に制限されないが、粗生成物中に含まれるシュウ酸ジエステルに対してモル比(アンモニア/シュウ酸ジエステル)が、1〜10程度、好ましくは1〜5程度、更に好ましくは1.2〜3程度である。前記範囲とすることにより、より確実にシュウ酸ジエステルを除去できる。または、グリコ−ル酸エステルを高収率で精製することができる。
【0092】
加安分解の反応温度は、オキサミド酸エステルまたはオキサミドが生成する限り特に制限されないが、通常0〜100℃程度、好ましくは30〜60℃程度である。
【0093】
粗生成物へアンモニアを添加する際の圧力や添加速度は、特に制限されるものではない。圧力は常圧でも加圧でも差し支えなく、また添加速度は反応温度が上記範囲に維持される速度であればよい。前記混合物へのアンモニアの添加は、例えば攪拌機を備えた通常の反応器で、液体アンモニア又はアンモニア溶液(アルコール等の反応に不活性な溶媒にアンモニアを溶解させた溶液)を前記混合物へ滴下するか、アンモニアガス又は希釈アンモニアガス(窒素ガス等の反応に不活性な気体で希釈されたアンモニアガス)を前記混合物へ直接吹き込むことによって行われる。
【0094】
前記の加安分解によって生成したオキサミドは非揮発性でしかも難溶性であるので、蒸留、濾過、遠心分離などの公知の固液分離方法により容易にグリコール酸エステルと分離できる。また、オキサミド酸エステルも蒸留により容易にグリコール酸エステルと分離できる。
【0095】
上記の方法などによりシュウ酸エステルを除去した後、グリコール酸エステルを蒸留することにより、より高純度のグリコール酸エステルを高収率で分離精製することができる。前述の通り、グリコール酸エステルの蒸留に先立って、1級アルコールおよび水を留去しておくことが、通常好ましい。グリコール酸エステルの蒸留は、公知の方法を用いることができ、例えば、バッチ式蒸留装置として、仕込み釜、精留部、コンデンサー部などを備えた還流を行える通常の装置を用いることができる。蒸留により得られるグリコール酸エステル中のシュウ酸類(シュウ酸、シュウ酸エステル、シュウ酸金属塩、シュウ酸アンモニウム、オキサミドなど)の含有量は、全体で10ppm以下程度にまで低減することができる。
【0096】
上記の方法などによりシュウ酸エステルおよびシュウ酸を除去し、水およびアルコールを留去し、更に蒸留することにより得られたグリコール酸エステルであっても、未反応原料の1級アルコールとエチレングリコール、更に生成水を含有する場合がある。前記グリコール酸に含まれる1級アルコールは、通常1重量%以下程度であり、精製条件によっては0.2重量%以下程度とすることができる。また、エチレングリコールの含有量は、通常1重量%以下程度であり、精製条件によっては1000重量ppm以下程度とすることができる。水の含有量は、通常1重量%以下程度であり、精製条件によっては0.2重量%以下程度とすることができる。なお、シュウ酸エステルの除去を行わずに蒸留精製したグリコール酸エステルにおけるシュウ酸エステルの含有量は、通常0.1重量%以上、より正確には0.1〜2重量%程度である。
【0097】
5.α−ヒドロキシカルボン酸エステルの加水分解
次に、酸素酸化により得られたα−ヒドロキシカルボン酸エステルを加水分解し、α−ヒドロキシカルボン酸を得る。加水分解工程は、上記の精製を行った後でもよい。加水分解により、α−ヒドロキシカルボン酸エステルに不純物として含まれるシュウ酸ジメチルおよびエチレングリコールは、シュウ酸、メタノールおよびエチレングリコールとなる。シュウ酸とメタノールは、蒸留などの公知の精製方法により、容易に除去することができる。
【0098】
α−ヒドロキシカルボン酸エステルの加水分解は、原料として(i)1,2-ジオールまたは(ii)1,2-ジオールと1級アルコールとを、担持型金属触媒の存在下、酸素と反応させることにより得られたα−ヒドロキシカルボン酸エステルを用いる限り特に制限されず、公知の条件を適用することができる。
【0099】
本発明における加水分解とは、α−ヒドロキシカルボン酸エステルと水との反応により、α−ヒドロキシカルボン酸とアルコールとが生成する反応を意味する。加水分解反応を行う方法は、特に制限されず、従来公知の方法を適用することができる。
【0100】
反応温度は、通常30〜150℃程度であり、好ましくは50〜120℃程度である。水とα−ヒドロキシカルボン酸エステルとのモル比(水/α−ヒドロキシカルボン酸エステル)は、通常1/1〜1/5程度であり、より好ましくは3/1〜20/1程度である。また、必要に応じて触媒を使用することができ、通常、酸触媒を好適に使用できる。
【0101】
α−ヒドロキシカルボン酸エステルの加水分解反応は平衡反応であるので、副生アルコールを系外に除去することにより、平衡が生成系側に偏って加水分解が進行しやすくなる。従って、反応蒸留などの反応方法が適しており、例えば水の共存下で反応蒸留する方法を例示できる。反応蒸留方法を用いると、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを気液接触により加水分解することによってα−ヒドロキシカルボン酸を得ると共に、副生成物であるアルコール(以下、副生アルコールということがある)を系外に留去することができる。従って、効率よく加水分解反応を実施できる。
【0102】
反応蒸留の際における水とα−ヒドロキシカルボン酸エステルとのモル比(水/α−ヒドロキシカルボン酸エステル)は、反応蒸留の反応条件等に応じて決定すればよく、特に限定されるものではないが、通常1/1〜50/1程度であり、より好ましくは3/1〜20/1程度である。
【0103】
上記加水分解は、より一層反応を促進させるために、必要に応じて酸の存在下で反応蒸留することができる。このような酸は、特に限定されず、従来公知の均一系酸触媒や不均一系酸触媒などを用いることができる。具体的には、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸等の有機酸;活性アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられる。これら酸は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。α−ヒドロキシカルボン酸エステルに酸を添加する方法は、特に限定されるものではない。また、上記酸として、α−ヒドロキシカルボン酸、特に目的物としているα−ヒドロキシカルボン酸(例えば、グリコール酸メチルの場合にはグリコール酸)を用いることもできる。目的物としているα−ヒドロキシカルボン酸を酸として用いた場合には、高純度のα−ヒドロキシカルボン酸をより一層簡単にかつ安価に製造することができる。
【0104】
前記の反応蒸留を行った後、水を留去するために、必要に応じて、水と共沸組成物を形成する有機溶媒(共沸剤)の存在下で反応蒸留することができる。有機溶媒は、特に限定されず、例えば、シクロヘキサン、酢酸n−プロピル等が挙げられる。有機溶媒の存在下で反応蒸留を行った後、共沸組成物を形成して水を留去することにより、即ち、共沸脱水操作を行うことにより、より一層高純度かつ高濃度のα−ヒドロキシカルボン酸を製造することができる。
【0105】
反応蒸留装置は、特に限定されず、例えば、装置内に気相部が存在し、生成した副生アルコール(低沸点成分)が該気相部へ連続的に分離・除去され得る構造を備えていればよい。反応蒸留装置としては、例えば、一般的に用いられている各種蒸留装置、より具体的には、多段式蒸留塔等の回分式(バッチ式)蒸留装置または連続式蒸留装置が好適である。つまり、α−ヒドロキシカルボン酸エステルの反応蒸留は、必要に応じて、連続的に実施することができる。
【0106】
反応蒸留装置が多段式蒸留塔である場合における該蒸留塔の段数、並びに、反応温度や反応圧、液の滞留時間、還流比、および液のホールドアップ量等の反応条件(操作条件)は、実験的または理論的に、例えば、副生アルコールと共に留去される水の量が過度にならない程度(過度に水が留去されない程度)の段数並びに反応条件とすればよく、特に限定されるものではない。但し、段数や還流比を極端に小さくすると、反応効率が低下し、α−ヒドロキシカルボン酸を効率的に製造することが困難となるおそれがある。また、段数や還流比を極端に大きくすると、本発明にかかる製造方法を例えば工業的に実施する上で、装置(設備)が過大となるので、経済的に不利である。
【0107】
上記多段式蒸留塔としては、塔頂(最上段)と塔底(最下段)とを除いた段数が3段以上の蒸留塔が好ましい。このような蒸留塔としては、例えば、ラシヒリング、ポールリング、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、スルーザーパッキング等の充填物が充填された充填塔;泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ等のトレイ(棚段)を使用した棚段塔等、一般に用いられている蒸留塔が好適である。また、棚段と充填物層とを併せ持つ複合式の蒸留塔も採用することができる。上記の段数とは、棚段塔においては棚段の数を示し、充填塔においては理論段数を示す。
【0108】
反応蒸留装置として回分式蒸留装置を用いて、上記の反応蒸留を実施する際には、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、水、および、必要に応じて酸および/または有機溶媒を該装置の蒸発缶に仕込んだ後、該混合液を反応温度(蒸留温度)に加温し、副生アルコールを該装置の塔頂から留去しながら加水分解を進行させる。これにより、α−ヒドロキシカルボン酸を含む水溶液が蒸発缶に残る。
【0109】
また、反応蒸留装置として連続式蒸留装置を用いて、上記の反応蒸留を実施する際には、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、水、および必要に応じて酸および/または有機溶媒を含む混合液を該装置の中段部(塔底と塔頂とを除いた中間部分の段)に連続的に供給しながら該混合液を反応蒸留し、副生アルコールを該装置の塔頂から連続的に留去する一方、α−ヒドロキシカルボン酸を含む水溶液を該装置の塔底から連続的に抜き出す。連続式蒸留装置に対するα−ヒドロキシカルボン酸エステル、水、酸および有機溶媒の供給方法は、特に限定されるものではなく、これら成分をそれぞれ別個に該装置に供給してもよい。つまり、これら成分の該装置における供給段は、互いに異なる段であってもよい。
【0110】
但し、反応蒸留が効率的に行われるように、これら成分における沸点のより低い成分の供給段の方が、沸点のより高い成分の供給段よりも下段側となるように設定することが望ましい。また、酸を用いる場合においては、酸の存在する領域(段)が多い程、α−ヒドロキシカルボン酸エステルと酸との接触頻度が増し、反応効率が良好となる。このため、酸は、連続式蒸留装置におけるできるだけ上部の段に供給することが好ましい。さらに、上記各成分は、液状で供給してもよく、ガス状で供給してもよく、或いは、気液混合状態で供給してもよい。尚、酸が固体酸(不均一系酸触媒)である場合には、該酸を例えば充填物の一部または全部に代えて連続式蒸留装置に予め保持(充填)しておけばよい。また、副生アルコールを系外に容易に除去するために、連続式蒸留装置の下部からα−ヒドロキシカルボン酸エステルやα−ヒドロキシカルボン酸等に対して不活性な気体(窒素ガス等)を導入することもできる。
【0111】
反応蒸留における反応条件は、α−ヒドロキシカルボン酸エステルの種類等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、反応温度は、副生アルコールの沸点以上、かつ、水の沸点以下であることが望ましい。反応温度が副生アルコールの沸点未満である場合には、該副生アルコールを効率的に留去することができない。一方、反応温度が水の沸点を越える場合には、過度に水が留去されてしまうので、反応蒸留を効率的に実施することができない。また、α−ヒドロキシカルボン酸エステルやα−ヒドロキシカルボン酸の分解反応等の副反応を引き起こすおそれがある。尚、酸が無機酸や有機酸(均一系酸触媒)である場合には、該酸は、蒸留等の公知の方法を用いることにより、α−ヒドロキシカルボン酸から分離・回収すればよい。
【0112】
上記反応蒸留によって、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを加水分解してα−ヒドロキシカルボン酸を得る場合には、副生成物が実質的に副生アルコールだけである。副生アルコールは留去するので、α−ヒドロキシカルボン酸の分離・精製を容易に行うことができる。上記の方法によると、高純度のα−ヒドロキシカルボン酸が水溶液の状態で得られる。
【0113】
得られたα−ヒドロキシカルボン酸水溶液は、所望の形態に応じて、更に加工してもよい。例えば、(1)高濃度(例えばグリコール酸70重量%程度以上)の水溶液となるように濃縮する方法、(2)晶析、ろ過および乾燥などの工程を経てα−ヒドロキシカルボン酸結晶固体とする方法などを例示することができる。
【0114】
α−ヒドロキシカルボン酸水溶液の濃縮方法としては、例えば、加水分解工程後のα−ヒドロキシカルボン酸水溶液をそのまま加熱して水を留去する方法などを例示することができる。濃縮時には、必要に応じて減圧としてもよい。
【0115】
α−ヒドロキシカルボン酸の晶析方法としては、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸固体が析出し始めるまで加熱しながら水を留去した後、室温付近まで冷却することにより晶析させる方法を例示することができる。得られた結晶は、ろ過などの公知の固液分離法により容易に分離することができる。
【0116】
また、有機溶媒を用いて共沸脱水操作を行うことによって水を留去した場合には、より一層高純度かつ高濃度のα−ヒドロキシカルボン酸が得られる。
【0117】
この様にして得られたα−ヒドロキシカルボン酸には、ホルムアルデヒドおよび塩素は、いずれも実質的に含まれない。本発明では、ホルムアルデヒドおよび塩素は、いずれも原料として使用せず、また反応でもほとんど生成しないからである。本発明によると、ホルムアルデヒドおよび塩素の含有量が、いずれも1重量ppm以下程度、好ましくは100重量ppb以下程度、更に好ましくは10重量ppb以下程度のα−ヒドロキシカルボン酸、例えばグリコール酸を提供できる。
【0118】
本発明の製造方法により得られたα−ヒドロキシカルボン酸は、ポリα−ヒドロキシカルボン酸などの各種の合成樹脂の原料となる重合用モノマーなどの公知の用途に好適に用いることができる。なかでもグリコール酸は、例えば、清缶剤、皮なめし剤、キレート剤、プリント配線基盤などを洗浄する金属洗浄剤、ボイラーなどのスケール防止剤として、或いは、医薬品、農薬、化粧品、有機薬品等の各種製品の中間原料として、さらには、ポリエステル、高分子界面活性剤等の合成原料などとして好適に用いることができる。本発明の製造方法により得られたグリコール酸は、ホルムアルデヒド、含塩素化合物、メトキシ酢酸などの不純物を含まないので、化粧品などの人体に直接触れる用途に特に好適に用いることができる。
【0119】
【発明の効果】
本発明の製造方法によると、ホルムアルデヒドおよび塩素を実質的に含まないグリコール酸を得ることができる。
【0120】
また、メトキシ酢酸を実質的に含まないグリコール酸も得ることができる。
【0121】
従来の高純度グリコール酸は、晶析などの煩雑な方法によって精製されたものであるので、高価である。本発明の製造方法によると、安価に高純度グリコール酸などのα−ヒドロキシカルボン酸を得ることができる。
【0122】
従って、本発明の方法によると、グリコール酸オリゴマー、低コストで高分子量のポリグリコール酸、グリコリドを得ることができる。
【0123】
本発明の方法において、1、2-ジオールとしてエチレングリコールを用いると、少量のエチレングリコールを含むグリコール酸を得ることができる。
【0124】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。但し、本発明の範囲は、実施例の範囲に限定されるものではない。
【0125】
なお、実施例における物性の測定等は、次のような方法で実施した。
(1)金属微粒子の担持量
蛍光X線分析により測定した。
(2)金属微粒子の平均粒子径
透過型電子顕微鏡(TEM)(装置名「HF−2000」日立製作所、加速電圧200kV)で粒子径を観察し、付属のX線分析装置により粒子の成分分析を行った。
(3)反応生成物の定量
ガスクロマトグラフィー及び/又は液体クロマトグラフィーにより、反応液中の反応生成物の成分を定量分析した。
【0126】
[実施例1](Pb−Au合金触媒の反応例、EG+MeOH)
(1)触媒調製
共沈法により調製されたTiO2−SiO2(モル比Ti/Si=8:2,焼成温度600℃,50〜250メッシュ)を担体として用いた。
【0127】
濃度20mmol/lのテトラクロロ金酸水溶液0.5Lを65〜70℃の範囲で0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7に調節した。この水溶液に上記TiO2−SiO2担体20gを攪拌下に投入し、温度65〜70℃に保ちながら1時間攪拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去し、残った金固定化物にイオン交換水0.5Lを加えて室温で5分間攪拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過により得られた金固定化物を100℃で10時間乾燥し、さらに空気中400℃で3時間焼成することにより、TiO2−SiO2担体上に金が担持された触媒(Au/TiO2−SiO2)を得た。
【0128】
次に、酢酸鉛3水塩1.835gを含有するメタノール溶液50mlに上記金担持体Au/TiO2−SiO2を20g加え、エバポレータを用いて、80℃、常圧にてメタノールを除去して酢酸鉛を含浸担持した。その後、鉛が担持された金担持体20gをガラス製チューブに充填し水素と窒素の混合ガス(容積比10/90)を流通させながら400℃で3時間加熱した。このようにして金及び鉛を含有する金属粒子がTiO2−SiO2担体に担持された金合金担持体を得た。この担持体における金及び鉛の担持量は、担体に対してそれぞれ5.4wt%及び4.9wt%であった。また、金属粒子の粒子径を観察したところ、ほとんど全て6nm以下の粒径で高分散しており、2〜3nm付近に極大を持つ狭い粒子径分布を示し、平均粒子径は6nm以下であった。
【0129】
(2)酸化的エステル化反応(α−ヒドロキシカルボン酸エステル製造)
前記(1)で得られたPb−Au合金/TiO2−SiO2触媒を用いてα−ヒドロキシカルボン酸エステルの合成を行った。
【0130】
冷却管付回転攪拌型1Lオートクレープに、エチレングリコール62g(1.0mol)、メタノール320g(10mol)及び上記触媒20gを仕込んで密封した。次いで、系内を0.5MPaに維持するよう背圧弁で調整しながら酸素及び窒素の混合ガス(体積比10/90)を毎分1Lの流量で液中に吹き込みバブリングしながら90℃で5時間反応を行った。
【0131】
その後、冷却して開封し、内容物の分析をガスクロマトグラフィーで行ったところ、原料エチレングリコールが0.180mol含まれており、生成物であるグリコール酸メチル、グリコール酸2−ヒドロキシエチル、グリコリド、シュウ酸ジメチル及びその他のシュウ酸類の含有量は、各々0.656mol、0.068mol、0.012mol、0.008mol及び0.001molであった。また、ギ酸メチル及びギ酸2−ヒドロキシエチルのグリコール酸メチルに対する生成モル比は、各々0.12および0.03であった。
【0132】
(3)シュウ酸エステルを除去後、グリコール酸エステルを精製
上記(2)の酸化的エステル化反応において得られた反応液から触媒を分離した反応ろ液(404.9g)には、残存原料であるエチレングリコールおよびメタノール、上記反応の生成物並びに反応で生成した水が含まれていた。このうちシュウ酸エステルは、シュウ酸ジメチル0.008mol(0.92g)及びその他のシュウ酸類(シュウ酸など)0.001molの合計0.011molであった。
【0133】
この反応溶液に、グリコール酸のマグネシウム塩0.013molを含有するメタノール溶液3mlを添加した後、1Lオートクレープに全量を仕込み、窒素置換後80℃に加温して2時間攪拌を行った。その後、冷却して開封したところ、シュウ酸マグネシウムの白色沈殿が生成していることを確認した。さらに、ろ過後反応液の分析をガスクロマトグラフィーで行ったところ、シュウ酸ジメチル及びその他のシュウ酸類に対応するシグナルは、ほとんど消失した。
【0134】
シュウ酸マグネシウムを濾別した後、薄層蒸留装置を用いて、得られた濾液からメタノール及び水を減圧下において留去した。その後、段数3段のガラス製蒸留塔を用いて、ボトム温度70〜80℃、圧力5〜10torrでグリコール酸メチルを留出させた。留出液中のグリコール酸メチルの純度は、98重量%以上であり、メタノールと水が合計で1.5重量程度%含まれていたが、それ以外の不純物は0.1重量%以下であった。シュウ酸ジメチル及びその他のシュウ酸(シュウ酸など)の含有量は、合計で100重量ppm以下であった。
【0135】
(4)加水分解反応(反応蒸留による加水分解)
反応蒸留装置として、フラスコに段数3段の充填塔を接続し、さらに充填塔の塔頂に還流装置を設けた装置を用いた。上記フラスコに(3)で得られた98重量%以上のグリコール酸メチル留出液50gに水150gを混合してなる混合液を仕込んだ。次いで、反応蒸留装置の塔底温度(液温)を95〜97℃に保持し、常圧で2時間かけて反応蒸留を行った。この際、メタノールを含む留出液を留出した。塔頂温度は、反応蒸留の開始時には65℃であったが、終了時には100℃に達していた。
【0136】
反応蒸留を終了した後、上記フラスコから、グリコール酸を36.1重量%含む水溶液114gを取り出した。グリコール酸メチルを基準としたグリコール酸収率は100%であった。不純物として、ホルムアルデヒド及び塩素化合物は検出されず、また、シュウ酸及びエチレングリコールを各々20ppm、76ppm検出した。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing α-hydroxycarboxylic acid such as glycolic acid and glycolic acid.
[0002]
[Prior art]
α-Hydroxycarboxylic acid is an industrially important compound as a monomer for polymerization which is a raw material for various synthetic resins such as polyglycolic acid. Among these, glycolic acid is used as a metal cleaning agent for cleaning printed wiring boards and the like, and as a scale inhibitor for boilers and the like. In recent years, it is also used as an anti-wrinkle cosmetic liquid, basic cosmetics and the like. In particular, when it is used as a cosmetic product, it is necessary to consider safety and toxicity because it directly touches the human body. Glycolic acid itself does not have such problems, but impurities contained in the product may be problematic.
[0003]
Conventionally, glycolic acid is mainly produced by (1) a method of reacting carbon monoxide, formaldehyde and water under high pressure under an acid catalyst, or (2) a method of reacting chloroacetic acid and sodium hydroxide. Yes. The glycolic acid produced by these methods contains impurities such as organic acids other than glycolic acid such as formaldehyde, chlorine-containing compounds, and methoxyacetic acid.
[0004]
Accordingly, glycolic acid used in cosmetics and the like is required to have a high purity that does not contain these impurities.
[0005]
However, glycolic acid is difficult to isolate and purify by general-purpose purification methods such as distillation, and in particular, it is difficult to completely remove impurities as described above. In practice, high-purity products in which impurities are removed as much as possible from industrial grade glycolic acid containing a large amount of impurities are used.
[0006]
Commercially available industrial grade glycolic acid is mainly produced by the following two methods. One is a production method in which formaldehyde and carbon monoxide are subjected to a carbonylation reaction in the presence of an acid catalyst under high temperature and high pressure. The industrial grade product by this manufacturing method is in the form of a 70% aqueous solution. As organic acids other than glycolic acid, glyric acid dimer, diglycolic acid, methoxyacetic acid, formic acid, etc. total 10 weights with respect to glycolic acid. More than% is included. These impurities cannot be separated by a method such as distillation. Therefore, it is necessary to go through a complicated purification process, and there is a problem that the yield is low.
[0007]
High-purity products manufactured by this method are also available on the market, but their purity is as high as 99% or more, but their price is more than 10 times that of industrial products, and their general-purpose applications are limited.
[0008]
Another method for producing glycolic acid is a method in which monochloroacetic acid is hydrolyzed with sodium hydroxide and then neutralized. In this method, sodium hydroxide twice as much as the stoichiometric amount is consumed as an auxiliary material, so that sodium chloride contaminated with organic substances is generated in large quantities as waste.
[0009]
Thus, development of a method capable of producing high-purity glycolic acid free of impurities such as formaldehyde and chlorine-containing compounds with high economic efficiency is strongly demanded.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, a main object of the present invention is to provide a method for producing a high-purity α-hydroxycarboxylic acid that does not contain formaldehyde, chlorine-containing compounds and the like as impurities.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the problems of the prior art, the present inventor has found that (i) only 1,2-diol, or (ii) in the presence of a catalyst supporting metal and oxygen. The inventors have found that the above object can be achieved by hydrolyzing an α-hydroxycarboxylic acid ester obtained by reacting 1,2-diol with a primary alcohol, and have completed the present invention.
[0012]
That is, the present invention relates to a method for producing α-hydroxycarboxylic acid such as glycolic acid described below and glycolic acid.
1. α-hydroxycarboxylic acid ester obtained by reacting (i) 1,2-diol or (ii) 1,2-diol and a primary alcohol with oxygen in the presence of a metal-supported catalyst Is a method for producing an α-hydroxycarboxylic acid by hydrolysis.
2. Hydrolyzing a glycolic acid ester obtained by oxygen oxidation using ethylene glycol and a primary alcohol (preferably a primary alcohol having 1 to 4 carbon atoms) as raw materials in the presence of a metal-supported catalyst. A process for producing glycolic acid by
3. 3. The production method according to 1 or 2 above, wherein the average particle size of the metal supported on the carrier is 10 nm or less.
4). 4. The production method according to any one of 1 to 3, wherein the carrier is an inorganic oxide.
5). 5. The production method according to 4 above, wherein the inorganic oxide support is an oxide containing at least one selected from the group consisting of Si, Al, Ti and Zr.
6. The production method according to 1 above, wherein the molar ratio of primary alcohol to 1,2-diol is about 1: 3 to 20.
7. The method according to any one of 1 to 6 above, which comprises any one of the steps of removing oxalic acid or oxalic acid ester of (A) to (C) shown below before or after hydrolysis:
(A) A step of adding a metal salt and / or an ammonium salt and separating a metal oxalate salt and / or an ammonium oxalate salt to be produced
(B) adding ammonia and separating the oxamic acid ester and oxamide produced; and
(C) A step of adsorbing the oxalate ester to the resin using an anion exchange resin.
8). Glycolic acid substantially free of formaldehyde and chlorine as impurities.
9. 2. Glycolic acid comprising 10 wt. Ppb or more of ethylene glycol and obtained by the method described in 1 above.
10. Glycolic acid containing 10 wt ppb or more of ethylene glycol.
11. It can be produced by hydrolyzing a glycolic acid ester obtained by oxygen oxidation in the presence of a metal-supported catalyst using ethylene glycol and a primary alcohol as raw materials. Glycolic acid not included.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The production method of α-hydroxycarboxylic acid of the present invention comprises (i) 1,2-diol or (ii) 1,2-diol and a primary alcohol supported on a catalyst (hereinafter referred to as “supported metal”). The α-hydroxycarboxylic acid ester is produced by hydrolyzing an α-hydroxycarboxylic acid ester obtained by reacting with oxygen in the presence of a catalyst.
[0014]
I. Production of glycolic acid
1. Supported metal catalyst
(1) Catalytic active ingredients
The catalyst used in the present invention is a catalyst in which a metal as an active component is supported on a carrier, that is, a supported metal catalyst.
[0015]
The metal as the active component is not particularly limited, but is preferably a noble metal, and examples thereof include noble metals such as gold, palladium, ruthenium, rhodium, iridium, and platinum, and gold, palladium, ruthenium, and the like are more preferable. .
[0016]
The catalyst used in the present invention contains the above-mentioned noble metal as an essential component, and further, as an active component, the 2B group, the 3B group, the 4B group, the 5B group, the 6B group, the 6B group, and the 8th cycle of the 4th period to the 6th period. It can contain at least one element selected from the group consisting of groups. Hereinafter, these elements may be referred to as second elements. Specific examples of the second element include 2B group such as Zn, Cd and Hg; 3B group such as Ga, In and Tl; 4B group such as Ge, Sn and Pb; 5B group such as As, Sb and Bi; Se , Te, Po etc. 6B group; Fe, Co, Ni etc. 8 group etc. can be illustrated. The catalyst used in the present invention is preferably a catalyst containing at least Pb as the second element. For example, a catalyst in which metal fine particles containing at least one active component selected from the group consisting of Au, Pd and Ru and Pb are supported on a support can be suitably used.
[0017]
The metal which is an active ingredient may contain the said noble metal independently, and may contain 2 or more types. When two or more kinds of noble metals are included, part or all of them may form an alloy, an intermetallic compound, or the like as long as the effects of the present invention are obtained.
[0018]
Moreover, when the metal which is an active component contains a noble metal and a second element, as long as the effect of the present invention is obtained, a part or all of them may form an alloy, an intermetallic compound, or the like. The catalyst used in the present invention, in which the noble metal and the second element are usually supported on the carrier as fine particles, contains other elements or impurities other than the noble metal and the second element within a range not impeding the effects of the present invention. Also good.
[0019]
The particle size of the metal particles as the active component is not limited as long as a predetermined catalytic activity is obtained, but the average particle size is usually about 10 nm or less, preferably about 6 nm or less, more preferably about 5 nm or less, particularly preferably. Is about 1 to 5 nm. If it is set within this range, excellent catalytic activity can be obtained more reliably. The lower limit of the average particle diameter is not particularly limited, but may be about 1 nm from the viewpoint of physical stability.
[0020]
The average particle diameter of the metal particles in the present invention is as follows: (1) 10 particles from the top in the descending order and (2) among 120 particles arbitrarily selected by observation with a transmission electron microscope (TEM). ) Shows the arithmetic average value of 100 particle diameters, excluding a total of 10 particles from the bottom 10 in order from the smallest. Moreover, in this invention, it is preferable that the maximum value of the particle diameter distribution of a metal particle exists in the range of about 1-6 nm, especially about 1-5 nm. The particle size distribution is preferably narrow, and the standard deviation of the 120 particle diameters is preferably about 2 or less, particularly about 1.5 or less.
[0021]
The supported amount of the metal active component in the catalyst may be appropriately determined according to the use of the final product, the type of the carrier, etc. It is preferable to set it as 1-10 weight part.
[0022]
(2) Carrier
As the carrier, those conventionally used as catalyst carriers can be used, and are not particularly limited. For example, a commercial item can be used. Moreover, what is obtained by a well-known manufacturing method can also be used. For example, metal oxides (silica, alumina, titania, zirconia, magnesia, etc.), composite metal oxides (silica / alumina, titania / silica, silica / magnesia, etc.), zeolite (ZSM-5, etc.), mesoporous silicate (MCM- Inorganic oxides such as 41; natural minerals (clay, diatomaceous earth, pumice, etc.); various supports of carbon materials (activated carbon, graphite, etc.), among which inorganic oxides are preferred.
[0023]
In the present invention, at least one of Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Si, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Zr, Nb, Sn, Pb, La, and Ce is used. An inorganic oxide carrier made of an oxide containing an element can be preferably used. The oxide may be a mixed oxide in which two or more elemental element oxides are mixed, or may be a double oxide (or composite oxide). As the inorganic oxide carrier, an oxide containing at least one element selected from the group consisting of Si, Al, Ti and Zr is preferable.
[0024]
The production method of the carrier is not limited, and a known production method can be used. For example, an impregnation method, a coprecipitation method, an ion exchange method, a vapor deposition method, a kneading method, a hydrothermal synthesis method, and the like can be given.
[0025]
For example, the above inorganic oxide support includes Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Zr, Nb, Sn, Pb, La, and Ce. It is obtained by impregnating silica with an aqueous solution of a water-soluble compound containing at least one kind and then firing the resulting impregnated body. Such an inorganic oxide carrier can more reliably support fine particles as a catalytically active component, and can obtain higher catalytic activity due to a synergistic action with the fine particles.
[0026]
The compound used in the above carrier production method is not limited. Examples thereof include inorganic compounds such as nitrates, sulfates and hydroxides, and organic compounds such as carboxylates, alkoxides and acetylacetonates.
[0027]
The water-soluble compound is not limited as long as it is water-soluble. For example, inorganic acid salts such as titanyl sulfate, zirconyl nitrate, zinc nitrate, lanthanum nitrate, iron nitrate, nickel nitrate, aluminum nitrate; titanium n-butoxide, titanium acetylacetonate, zirconium acetylacetonate, lead acetate, magnesium acetate, etc. Mention may be made of organic acid salts. These salts may be either anhydrides or hydrates. The concentration of the aqueous solution can be appropriately set according to the type of water-soluble compound used.
[0028]
The amount of the aqueous solution impregnated into the silica is not limited, but usually it may be about 1 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of silica.
[0029]
In the present invention, the inorganic oxide support is preferably porous, and particularly has a specific surface area (BET method) of 50 m.2/ G or more is preferable, 100m2/ G or more is preferable, 100 to 800 m2Particularly preferred is about / g. The shape and size of the carrier are not limited and may be appropriately determined according to the use of the final product.
[0030]
2. Method for producing catalyst used in the present invention
The method for producing the catalyst used in the present invention is not limited as long as the above support is obtained. For example, it can be obtained by heat-treating a support containing at least one of a desired metal and its compound. The metal compound may be any of hydroxide, chloride, carboxylate, nitrate, alkoxide, acetylate toner salt and the like.
[0031]
Moreover, when carrying | supporting 2 or more types of metals on a support | carrier, the order to carry | support is not limited, either may be first and may be simultaneous. In the case where the noble metal and the second element are supported on the support, the order in which the precious metal and the second element are supported is not limited, and any of them may be first or simultaneously. Hereinafter, a case where gold and a second element are used in combination as active ingredients will be described as an example. That is, (A) a method in which gold is supported on a carrier and then a second element, (B) a method in which gold is supported after the second element is supported on a carrier, and (C) gold and the second element. Any method of simultaneously supporting the carrier may be used. Hereinafter, each method will be described. The method for producing a gold carrier described in the method (A) is an example of a method for producing a catalyst that supports a metal and does not contain a second element.
[0032]
Method (A)
The method (A) is a method of supporting a second element after supporting gold on a carrier. First, a gold carrier on which gold is carried is manufactured. The method for producing the gold carrier is not limited, and conventional methods such as a coprecipitation method, a precipitation method, an impregnation method, and a vapor deposition method can be applied. In the present invention, the coprecipitation method, the precipitation method, and the like are preferable, and the precipitation method is more preferable.
[0033]
In the case of using the precipitation method, for example, the carrier is allowed to coexist in an aqueous solution containing a gold compound, the gold-containing precipitate is precipitated on the surface of the carrier, and then the carrier on which the gold-containing precipitate is deposited is fired. A carrier can be obtained. When the gold-containing precipitate is precipitated on the support surface, various conditions such as the gold concentration, temperature, pH, etc. of the aqueous solution may be appropriately controlled. Further, the carrier on which the gold-containing precipitate is deposited may be washed with water, dried, or the like prior to firing.
[0034]
The gold compound is not particularly limited as long as it is water-soluble. For example, tetrachloroauric (III) acid “H [AuClFour], Sodium tetrachloroaurate (III) "Na [AuClFour], Potassium dicyanoaurate (I) "K [Au (CN)2], Diethylamine gold (III) trichloride "(C2HFive)2NH [AuClThree]; And gold compounds such as gold (C) cyanide. At least one of these compounds can be used.
[0035]
The gold concentration of the aqueous solution varies depending on the type of compound used, but is usually about 0.1 to 100 mmol / L. Moreover, what is necessary is just to set pH of the said aqueous solution to about 5-10 normally, Preferably it is about 6-9. The pH can be adjusted with an alkali such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, sodium carbonate, potassium carbonate, or ammonia. If necessary, an acid such as hydrochloric acid can be used. These alkalis or acids may be used in the form of an aqueous solution if necessary.
[0036]
If necessary, a surfactant can be added to the aqueous solution. The surfactant may be appropriately selected from known or commercially available products according to the aqueous solution. For example, anionic surfactants such as long-chain alkyl sulfonic acids and salts thereof, long-chain alkyl benzene sulfonic acids and salts thereof, long-chain alkyl carboxylic acids and salts thereof, aryl carboxylic acids and salts thereof; long-chain alkyl quaternary ammonium salts And the like; and nonionic surfactants such as polyalkylene glycol and polyoxyethylene nonylphenol. At least one of these surfactants can be used. In the present invention, anionic surfactants and nonionic surfactants are preferred, and anionic surfactants are particularly preferred. Among anionic surfactants, in particular, long-chain alkyl sulfonic acids having 8 or more carbon atoms and salts thereof, long-chain alkyl benzene sulfonic acids and salts thereof having 8 or more carbon atoms, long-chain alkyl carboxylic acids having 8 or more carbon atoms and their salts More preferred are salts, arylcarboxylic acids and salts thereof.
[0037]
The amount of the surfactant used can be appropriately determined depending on the desired dispersibility, the type of the surfactant to be used, and the like. Usually, the surfactant concentration may be about 0.1 to 10 mmol / L.
[0038]
As the carrier to be mixed with the aqueous solution, various carriers as described above can be used. The carrier may be used in any form such as a granular form or a granulated body. What is necessary is just to set the usage-amount of a support | carrier suitably according to the density | concentration of the said aqueous solution, the kind of support | carrier used, etc. When mixing the aqueous solution and the carrier, the aqueous solution may be heated as necessary. The temperature in this case is usually about 10 to 100 ° C. The mixing time of the aqueous solution and the simple substance can be changed depending on the type of carrier, constituent elements, etc., but is usually within a range of about 1 minute to 24 hours, preferably 10 minutes to 3 hours. May be set so as to be supported on the carrier as much as possible. What is necessary is just to set suitably the usage-amount of a support | carrier so that it may become a predetermined carrying amount.
[0039]
After mixing and stirring the aqueous solution and the carrier, the solid content is recovered. The solid content can be recovered by recovering the supernatant or according to a known solid-liquid separation method. The recovered solid content is preferably washed with ion-exchanged water or the like until residual ions are substantially eliminated.
[0040]
Next, the solid content is fired. If necessary, it may be dried by heating in advance to a predetermined temperature prior to firing. The drying temperature is usually about less than 150 ° C. The firing temperature is usually about 150 to 800 ° C, preferably about 200 to 700 ° C, more preferably about 250 to 600 ° C. The firing atmosphere may be in air (air) or an oxidizing atmosphere, or in an inert gas atmosphere such as nitrogen, argon gas, or helium, or in a reducing atmosphere such as hydrogen gas or carbon monoxide. . Moreover, what is necessary is just to determine a baking time suitably according to a baking temperature, the magnitude | size of solid content, etc. By such firing, a predetermined gold carrier in which gold is firmly fixed to the surface of the carrier can be obtained. The gold carrier obtained by such a method can be used as a catalyst in the method of the present invention.
[0041]
Next, after supporting at least one of the second element and its compound on a gold support, gold and the second element are combined by heat treatment.
[0042]
The above loading method is not limited and can be carried out according to a conventional method. For example, an impregnation method, an ion exchange method, a vapor deposition method, and the like can be given. Of these, the impregnation method can be suitably used. For example, after preparing a mixture of a solution in which a compound containing the second element is dissolved and the gold carrier, the second element can be suitably supported by heat-treating the solid content recovered from the mixture.
[0043]
Although it does not specifically limit as a compound containing a 2nd element, For example, organic compounds, such as inorganic compounds, such as nitrate, a sulfate, a hydroxide, a chloride, formate, acetate, a beta-diketone compound, and an alkoxide, are illustrated. can do. More specifically, lead acetate, zinc acetate, zinc nitrate, bismuth nitrate, germanium (III) butoxide, nickel bismuth acetylacetonate, iron acetate and the like can be mentioned.
[0044]
The solution in which the compound containing the second element is dissolved can be prepared by using a combination of the compound containing the second element and the solvent in which it dissolves. Although there is no limitation in particular as a solvent, Water, an organic solvent, etc. can be used. Examples of the organic solvent include alcohols, ketones, aromatic hydrocarbons, carboxylic acid esters, and nitriles. In particular, it is preferable to use at least one of water and alcohol (particularly methanol and ethanol). Therefore, the above combination preferably uses the above compound that is soluble in water or alcohol. For example, when Pb is used as the second element, a solution in which lead acetate (which may be a hydrate) is dissolved in methanol can be preferably used.
[0045]
The concentration of the second element in the solution in which the compound containing the second element is dissolved can be appropriately determined according to the type of the compound, the type of the solvent, and the like, but it may be usually about 0.01 to 10 mmol / L.
[0046]
Moreover, the mixing ratio of the gold carrier and the solution in which the compound containing the second element is dissolved can be appropriately determined according to the concentration of the solution, the desired loading amount of gold or the second element, and the like.
[0047]
After preparing a mixture of the gold carrier and a solution in which the compound containing the second element is dissolved, the solid content is recovered from the mixture. The solid content recovery method is not limited. For example, a compound containing the second element may be supported on the gold support. For example, it is preferable to distill off the solvent with an evaporator or the like.
[0048]
Next, heat treatment of the solid content is performed. The heat treatment temperature may be a temperature at which each obtained metal particle is composed of gold and the second element. That is, when the finally obtained metal particle carrier is used as a catalyst, heat treatment may be performed so that the catalytic activity due to the combination of gold and the second element is expressed.
[0049]
The heat treatment temperature varies depending on the type of the second element and the like, but is generally about 50 to 800 ° C., preferably about 100 to 600 ° C.
[0050]
The heat treatment atmosphere is not particularly limited, and may be any of a reducing atmosphere, an oxidizing atmosphere, an inert atmosphere, and the like. In order to obtain a reducing atmosphere, for example, in addition to reducing gases such as hydrogen, carbon monoxide and alcohol, a mixed gas obtained by diluting these reducing gases with an inert gas such as nitrogen, helium, and argon may be used. good. In order to obtain an oxidizing atmosphere, a gas containing oxygen, air, or the like may be used. In order to obtain an inert atmosphere, an inert gas such as nitrogen, helium, or argon may be used. In the present invention, a reducing atmosphere is particularly desirable. Further, after heat treatment in an oxidizing atmosphere, heat treatment can also be performed in a reducing atmosphere.
[0051]
The heat treatment time can be appropriately changed depending on the temperature of the heat treatment or the like, but it is usually about 10 minutes to 24 hours.
[0052]
Depending on the type of the second element, the solid content may be reduced using a reducing agent such as formalin, hydrazine, sodium borohydride, formic acid or the like prior to the heat treatment in order to further promote the complexation with gold. good.
[0053]
Method (B)
The method (B) is a method of supporting gold after the second element is supported on the carrier. The method for supporting the second element is not limited. For example, the same method as in the above (A) can be used. That is, the second element may be supported on the carrier by the same method as in the above (A). The raw material of the second element, the loading conditions, etc. may be the same as those listed in (A) above.
[0054]
However, in some cases, as a preferable additional treatment in the subsequent gold loading operation, the second element is firmly attached to the carrier by firing at about 300 to 900 ° C. in an oxidizing atmosphere (in the presence of a gas containing air or oxygen). Can be immobilized.
[0055]
Gold support on the second element carrier thus manufactured can be carried out by the same method as in the above (A). That is, after supporting gold by a precipitation method or the like, drying and firing may be performed in the same manner as in the above (A). Further, similarly to the above (A), it is desirable to perform a heat treatment in a reducing atmosphere similar to the above (A) in order to make the composite of gold and the second element more satisfactory. Moreover, the reduction process using a reducing agent can also be combined as needed.
[0056]
Method (C)
The method (C) is a method in which gold and the second element are simultaneously supported on a carrier. The method is not limited as long as both can be supported simultaneously. For example, conventional methods such as a coprecipitation method, a precipitation method, an impregnation method, and a vapor deposition method can be used. In either case, when gold is supported on the carrier, both can be simultaneously supported by allowing the compound containing the second element to coexist in the system. Further, a catalyst in which ultrafine metal particles containing gold and a second element are supported on a carrier by subjecting both of them to heat treatment and / or reduction treatment in the same manner as in the above method (A) or (B). Can be obtained.
[0057]
In the present invention, a precipitation method or an impregnation method can be preferably used. In the precipitation method, it is deposited as a compound containing gold (for example, a hydroxide), and conditions under which the precipitate is easily formed (for example, when the compound is a hydroxide, the temperature is about 30 to 100 ° C., the pH is about 5 to 10, It is desirable to control so that the compound containing the second element precipitates and forms a precipitate at a gold concentration of about 0.1 to 100 mmol / L. In this case, it is desirable to use a water-soluble compound containing the second element as a starting material and form a precipitate as a hydroxide containing the second element from the aqueous solution. In addition, it is desirable to form a hydroxide containing both gold and the second element by simultaneously forming the precipitates of the gold and the second element during precipitation. These precipitates can be further subjected to heat treatment and / or reduction treatment to obtain a catalyst.
[0058]
In the impregnation method, a gold compound and a compound containing a second element are added simultaneously to a solution in which a compound containing a gold compound and a second element is dissolved in an organic solvent, and if necessary, the organic solvent is distilled off and the like. The catalyst can be obtained by being deposited on a support and then subjected to heat treatment and / or reduction treatment. As a typical example, a carrier is impregnated with a methanol solution containing a gold acetylacetonate compound (eg, dimethylgold acetylacetonate) and a second element acetylacetonate compound (eg, nickel acetylacetonate), and methanol is added. After the solvent is distilled off, a catalyst in which gold alloy ultrafine particles (for example, Au—Ni alloy ultrafine particles) containing gold and a second element are supported on a carrier can be obtained by drying and reducing treatment.
[0059]
The raw material compounds used in the above precipitation method or impregnation method, the operating conditions, etc. can be those shown in the above method (A).
[0060]
3. Method for producing α-hydroxycarboxylic acid ester
In the method for producing an α-hydroxycarboxylic acid ester of the present invention, (i) 1,2-diol or (ii) 1,2-diol and a primary alcohol are reacted in the presence of a supported metal catalyst and oxygen. It is characterized by that. That is, (i) oxygen is reacted with 1,2-diol, or (ii) oxygen is reacted with 1,2-diol and a primary alcohol.
[0061]
The 1,2-diol is not particularly limited as long as it has a hydroxyl group at the 1-position and the 2-position, and may be, for example, a trihydric or higher polyhydric alcohol. Specific examples of the 1,2-diol include aliphatic 1,2 carbon atoms having 2 to 10 carbon atoms such as ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,2-butanediol, and 1,2-hexanediol. -Diols: C3-C10 aliphatic polyhydric alcohols having a hydroxyl group at the 1- and 2-positions such as glycerin, erythritol, xylitol, sorbitol, etc., and derivatives of these 1,2-diols. Examples of 1,2-diol derivatives include aliphatic 1,2-diols having 2 to 10 carbon atoms containing halogen such as 3-chloro-1,2-propanediol; 2-phenyl-1,2- C2-C10 aliphatic 1,2-diol having an aromatic ring such as ethanediol. As the 1,2-diol, an aliphatic diol having about 2 to 6 carbon atoms such as ethylene glycol can be suitably used. These 1,2-diols can be used alone or in combination of two or more.
[0062]
The primary alcohol is not particularly limited as long as it has a primary hydroxyl group, and may be, for example, a dihydric or higher polyhydric alcohol. Specific examples of the primary alcohol include aliphatic primary alcohols having 1 to 10 carbon atoms such as methanol, ethanol, 1-propanol, 1-butanol, 1-hexanol and 1-octanol; 1,3-butanediol, 1 C2-C10 aliphatic polyhydric alcohols having primary hydroxyl groups such as 1,4-butanediol; C3-C10 aliphatic unsaturated alcohols having primary hydroxyl groups such as allyl alcohol and methallyl alcohol; benzyl Examples include alcohols having an aromatic ring such as alcohol. As the alcohol, aliphatic primary alcohols having 1 to 4 carbon atoms such as methanol, ethanol, 1-propanol and 1-butanol can be suitably used, and monohydric alcohols such as methanol, ethanol, 1-propanol and 1-butanol. Is particularly preferred. These primary alcohols can be used alone or in combination of two or more.
[0063]
In the production method of the present invention, the 1,2-diol and primary alcohol may be appropriately selected depending on the type of the desired α-hydroxycarboxylic acid ester. For example, when a glycolic acid ester is synthesized, ethylene glycol as 1,2-diol and primary alcohol such as methanol, ethanol, 1-propanol, 1-butanol and the like may be used as primary alcohol. Alternatively, when only ethylene glycol is used as the 1,2-diol, glycolic acid 2-hydroxyethyl ester can be produced.
[0064]
The reaction ratio of 1,2-diol and primary alcohol is not particularly limited, but the molar ratio of primary alcohol to 1,2-diol is usually about 1: 2 to 50, and about 1: 3 to 20 More preferred. By setting it within the above range, it becomes possible to synthesize α-hydroxycarboxylic acid ester more efficiently.
[0065]
In the present invention, (i) 1,2-diol alone or (ii) 1,2-diol and primary alcohol are reacted in the presence of a supported metal catalyst and oxygen (molecular oxygen).
[0066]
The reaction may be any of a liquid phase reaction and a gas phase reaction. Oxygen (oxygen gas) may be diluted with an inert gas such as nitrogen gas, argon gas, helium gas or carbon dioxide gas. An oxygen-containing gas such as air can also be used. The method for supplying the oxygen-containing gas to the reaction system is not particularly limited, and a known method can be adopted. In particular, bubbling into the liquid can be suitably used.
[0067]
The form of the reaction may be any of continuous type, batch type, semi-batch type, etc., and is not particularly limited. In the case of adopting a batch system as a reaction form, the catalyst may be charged into the reaction apparatus together with the raw materials. Further, when a continuous type is adopted as the reaction form, the catalyst may be charged in advance in the reaction device, or the catalyst may be continuously charged together with the raw material in the reaction device. The catalyst may be in any form such as a fixed bed, a fluidized bed, and a suspended bed.
[0068]
The amount of the catalyst used may be appropriately determined according to the type of raw material 1,2-diol or primary alcohol, the type of catalyst, reaction conditions, and the like. The reaction time is not particularly limited and varies depending on the set conditions. Usually, the reaction time or residence time (retention liquid amount in the reactor / liquid supply amount) is about 0.5 to 20 hours, preferably 1 to 10 hours. It should be a degree.
[0069]
Various conditions such as reaction temperature and reaction pressure may be appropriately determined according to the type of raw material 1,2-diol or primary alcohol, the type of catalyst, and the like. The reaction temperature is usually about 0 to 180 ° C, preferably about 20 to 150 ° C, more preferably about 50 to 120 ° C. By setting the temperature within this range, the reaction can proceed more efficiently. The reaction pressure may be any of reduced pressure, normal pressure or increased pressure, but is usually in the range of about 0.05 to 5 MPa (gauge pressure), particularly about 0.1 to 2 MPa. The total pressure may be set so that the oxygen concentration of the reactor effluent gas does not exceed the explosion range (8%). Further, the pH of the reaction system is preferably about 2 to 9 from the standpoint of by-product suppression. In order to adjust the pH, for example, an alkali metal compound or an alkaline earth metal compound (carboxylate) can be used as an additive to the reaction system.
[0070]
The above reaction can be carried out in the presence of a solvent. By using a solvent, the target carboxylic acid ester may be produced efficiently. The solvent that can be used is not limited as long as it dissolves the raw material 1,2-diol or primary alcohol and is difficult to react by itself under the reaction conditions, depending on the type of raw material alcohol, reaction conditions, etc. What is necessary is just to select suitably. For example, water, ethers such as diethyl ether, diisopropyl ether, and dioxane; aromatic hydrocarbons such as toluene, xylene, and benzene; halogen-containing compounds such as methylene chloride, chloroform, and ethylene dichloride . What is necessary is just to set the usage-amount of a solvent suitably according to the kind of solvent, the kind of alcohol, the kind of catalyst, etc.
[0071]
4). Purification of α-hydroxycarboxylic acid ester or α-hydroxycarboxylic acid
After the oxygen oxidation reaction, the catalyst is separated from the reaction system, and the produced α-hydroxy acid ester may be recovered using a known separation and purification means. The separation method of the catalyst may follow a known method. For example, when the reaction system comprises a catalyst (solid content) and a reaction product (liquid component), the catalyst and the reaction product can be separated using a known solid-liquid separation method such as filtration or centrifugation.
[0072]
In the production method of the present invention, for example, when ethylene glycol is used as a 1,2-diol and a primary alcohol (preferably a primary alcohol having 1 to 4 carbon atoms) is used as a primary alcohol, a glycolic acid ester is produced. Can do. The solution obtained after the reaction contains glycolic acid ester as a main product, and in some cases, primary alcohol and ethylene glycol which are unreacted raw materials. Furthermore, the reaction solution contains water as a by-product, and in some cases, a carboxylic acid ester derived from a primary alcohol (for example, methyl formate when methanol is used as the primary alcohol), oxalic acid Examples include esters, hydrolysis products such as glycolic acid, oxalic acid, and oxalic acid monoester.
[0073]
As a method for isolating the target glycolic acid ester from such a reaction solution, a method of first distilling off the primary alcohol and water and then separating the glycolic acid ester by distillation is illustrated as an easily feasible method. it can. When the glycolic acid ester is distilled, unreacted ethylene glycol is contained in the distillation bottom. The distillation bottom containing the primary alcohol and glycolic acid ester recovered at this time can be reused as a raw material when producing the glycolic acid ester.
[0074]
However, since glycolate ester and oxalate ester have close boiling points, it is not easy to separate them by distillation. For example, methyl glycolate has a boiling point of 151 ° C. and dimethyl oxalate has a boiling point of 164 ° C. Oxalic acid ester produced when ethylene glycol and primary alcohol are reacted is as low as about 10 mol% or less based on glycolic acid ester. However, when used as a polymer raw material for polyglycolic acid or the like, a high molecular weight polyglycolic acid may not be obtained if a small amount of oxalic acid is contained. In such a case, it is necessary to remove the oxalate ester by some method.
[0075]
Therefore, the oxalate ester may be removed as necessary. As a purification method of an oxalic acid ester and / or a glycolic acid ester containing oxalic acid, for example, (A) a method of adding a metal salt and / or an ammonium salt and separating the resulting metal oxalate salt and / or ammonium oxalate salt And (B) a method of adding ammonia and separating the produced oxamic acid ester and / or oxamide, and (C) a method of adsorbing oxalic acid to the resin using an anion exchange resin. Hereinafter, the purification methods (A) and (B) will be described. The above purification methods (A) to (C) may be used in combination. The following purification methods (A) to (C) may be performed either before or after the hydrolysis step.
[0076]
Purification method ( A )
The purification method (A) is a method in which a metal salt and / or an ammonium salt is added and a metal oxalate salt and / or an ammonium oxalate salt to be produced is separated. Hereinafter, the reaction mixture after oxygen oxidation or hydrolysis may be referred to as “crude product”.
[0077]
The metal salt and ammonium salt used in the purification method (A) are not particularly limited as long as they are soluble in water, lower alcohols (eg, methanol, ethanol, etc.), and mixed solvents thereof. A metal salt can be preferably used rather than an ammonium salt. The metal salt may be a complex salt.
[0078]
Examples of metal salts include hydroxides, carboxylates, carbonates, alkoxides, halides, 1,3-diketone salts, and the like. Examples of the carboxylate include 1 to 1 carbon atoms such as formic acid, acetic acid, propanoic acid, butanoic acid, pentanoic acid, hexanoic acid, heptanoic acid, octanoic acid, 2-ethylhexanoic acid, lauric acid, and 2-hexyldodecanoic acid. Examples thereof include salts of about 16 fatty acids; salts of hydroxycarboxylic acids such as glycolic acid and lactic acid. Examples of the alkoxide include aliphatic alkoxides having about 1 to 4 carbon atoms such as methoxide, ethoxide, isopropoxide and n-butoxide; aromatic alkoxides such as phenoxide. Examples of the halide include fluoride, chloride, bromide, iodide and the like. Examples of 1,3-diketone salts include acetylacetonate salts. As the metal salt, carboxylate such as glycolate, acetate, 2-ethylhexanoate; hydroxide; acetylacetonate salt and the like are preferable, and glycolate is particularly preferable.
[0079]
The metal ion contained in the metal salt is preferably an ion that has a low solubility in water, lower alcohols (for example, methanol, ethanol), and a mixed solvent thereof when the salt is formed with oxalic acid and easily precipitates. Examples of metal ions contained in the metal salt include Li+, Na+, K+, Rb+, Cs+Alkali metal ions such as Be2+, Mg2+, Ca2+, Sr2+, Br2+, Ra2+Alkaline earth metal ions such as Ti4+, V5+, Cr3+, Mn2+, Fe2+, Fe3+, Co2+, Ni2+, Cu+, Cu2+, Zn2+Transition metal ions such as La;3+, Ce3+, Ce4+, Pr3+, Pr4+, Nd2+, Nd3+, Nd4+, Pm3+, Sm2+, Sm3+, EU2+, EU3+, Gd2+, Gd3+, Tb3+, Tb4+, Dy2+, Dy3+, Dy4+, Ho3+, Er3+, Tm2+, Tm3+, Yb2+, Yb3+, Lu3+And lanthanoid ions. As the metal ions, alkaline earth metal ions and lanthanoid ions are preferred.
[0080]
As the metal salt, magnesium glycolate, zinc acetate, calcium acetate, calcium hydroxide, sodium hydroxide, nickel 2-ethylhexanoic acid, tris (acetylacetonato) lanthanum and the like can be preferably used.
[0081]
Examples of ammonium salts include ammonium acetate and ammonium carbonate, with ammonium carbonate being preferred.
[0082]
The addition amount of the metal salt and ammonium salt is not particularly limited, but the lower limit of the addition amount is usually about 0.1 equivalent or more, preferably about 0.5 equivalent or more, with respect to the total amount of oxalate ester and oxalic acid, More preferably, it is about 1 equivalent or more. The upper limit of the addition amount of the metal salt and ammonium salt is usually about 50 equivalents or less, preferably about 10 equivalents or less, more preferably about 5 equivalents or less with respect to the total amount of oxalate ester and oxalic acid.
[0083]
Metal salts and ammonium salts are added to crude products as solutions in lower alcohols such as water, methanol and ethanol; ketones such as acetone; aromatic organic solvents such as toluene and xylene; mixed solvents thereof. May be. When the crude product already contains water, lower alcohol, etc., the metal salt and ammonium salt can be added as a solid, but it is preferable to add them as a solution.
[0084]
Examples of the lower alcohol used as the solvent include primary alcohols having about 1 to 8 carbon atoms, preferably about 1 to 4 carbon atoms. Specifically, methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol and the like can be exemplified.
[0085]
When adding and mixing the metal salt and / or oxalate, heating is usually performed so that a metal salt / ammonium salt of oxalic acid is easily formed. The mixing temperature is not particularly limited as long as oxalate is produced, but is usually about 20 to 120 ° C, preferably about 40 to 90 ° C.
[0086]
The mixing time is not particularly limited as long as oxalate is sufficiently generated and the effects of the present invention are exhibited, and can be appropriately set according to the amount of the crude product, the composition of the crude product, and the like. The mixing time is usually about 0.1 to 5 hours, preferably about 0.5 to 3 hours.
[0087]
The mixing may be performed in an oxidizing atmosphere such as air, but is preferably performed in an inert atmosphere such as nitrogen or a rare gas (such as helium or argon).
[0088]
When a metal salt or ammonium salt is added to the crude product, since oxalic acid is stronger than glycolic acid, the oxalate ester selectively forms a metal salt or an acid ammonium salt via oxalic acid. Moreover, when the addition amount of the metal salt and ammonium salt is about 1 equivalent or more with respect to the oxalate ester and oxalic acid contained in the crude product, the oxalate ester and oxalic acid are almost quantitatively converted to the metal salt or ammonium salt thereof. Can be converted to In particular, when metal salts such as alkaline earths and lanthanoids are added, the resulting oxalate has low solubility and precipitates as a precipitate, so it can be easily separated by known solid-liquid separation means such as filtration and centrifugation. Can be separated.
[0089]
Moreover, even when the produced metal oxalate salt and ammonium oxalate salt exhibit a certain degree of solubility in organic solvents such as water and alcohol and mixed solvents thereof, the metal oxalate salt and ammonium oxalate Since the salt is non-volatile, it can be easily separated by distillation.
[0090]
Purification method ( B )
The purification method (B) is a method of separating oxamic acid ester and oxamide produced by adding ammonia to the crude product. In the said refinement | purification method (B), when ammonia is added to a crude product, an oxalate ester or an oxamide will produce | generate by azolysis of an oxalate ester.
[0091]
The amount of ammonia added is not particularly limited, but the molar ratio (ammonia / oxalic acid diester) to the oxalic acid diester contained in the crude product is about 1 to 10, preferably about 1 to 5, and more preferably. It is about 1.2 to 3. By setting it as the said range, an oxalic acid diester can be removed more reliably. Alternatively, the glycolic acid ester can be purified with a high yield.
[0092]
The reaction temperature for the amylolysis is not particularly limited as long as the oxamic acid ester or oxamide is formed, but is usually about 0 to 100 ° C, preferably about 30 to 60 ° C.
[0093]
There are no particular restrictions on the pressure or rate of addition of ammonia to the crude product. The pressure may be normal pressure or pressurization, and the addition rate may be a rate at which the reaction temperature is maintained in the above range. Ammonia is added to the mixture by, for example, dropping a liquid ammonia or an ammonia solution (a solution in which ammonia is dissolved in a solvent inert to a reaction such as alcohol) dropwise into the mixture in a normal reactor equipped with a stirrer. , Ammonia gas or diluted ammonia gas (ammonia gas diluted with a gas inert to the reaction such as nitrogen gas) is directly blown into the mixture.
[0094]
Since the oxamide produced by the above-mentioned amylolysis is non-volatile and hardly soluble, it can be easily separated from the glycolic acid ester by a known solid-liquid separation method such as distillation, filtration or centrifugation. Oxamic acid esters can also be easily separated from glycolic acid esters by distillation.
[0095]
After removing the oxalate ester by the above method or the like, the glycolate ester can be separated and purified at a high yield by distilling the glycolate ester. As described above, it is usually preferable to distill off the primary alcohol and water prior to the distillation of the glycolic acid ester. A known method can be used for distillation of the glycolic acid ester. For example, as a batch-type distillation apparatus, a normal apparatus capable of refluxing equipped with a charging tank, a rectifying section, a condenser section, and the like can be used. The total content of oxalic acids (oxalic acid, oxalic acid ester, oxalic acid metal salt, ammonium oxalate, oxamide, etc.) in glycolic acid ester obtained by distillation can be reduced to about 10 ppm or less.
[0096]
Even if it is a glycolic acid ester obtained by removing oxalic acid ester and oxalic acid by the above method, distilling off water and alcohol, and further distilling, primary alcohol and ethylene glycol as unreacted raw materials, Further, it may contain produced water. The primary alcohol contained in the glycolic acid is usually about 1% by weight or less, and can be about 0.2% by weight or less depending on the purification conditions. Further, the content of ethylene glycol is usually about 1% by weight or less, and can be made about 1000 ppm by weight or less depending on the purification conditions. The water content is usually about 1% by weight or less, and can be about 0.2% by weight or less depending on the purification conditions. In addition, the content of the oxalic acid ester in the glycolic acid ester purified by distillation without removing the oxalic acid ester is usually 0.1% by weight or more, more precisely about 0.1 to 2% by weight.
[0097]
5). Hydrolysis of α-hydroxycarboxylic acid esters
Next, the α-hydroxycarboxylic acid ester obtained by oxygen oxidation is hydrolyzed to obtain α-hydroxycarboxylic acid. The hydrolysis step may be performed after the above purification. By hydrolysis, dimethyl oxalate and ethylene glycol contained as impurities in the α-hydroxycarboxylic acid ester become oxalic acid, methanol, and ethylene glycol. Oxalic acid and methanol can be easily removed by a known purification method such as distillation.
[0098]
Hydrolysis of the α-hydroxycarboxylic acid ester involves reacting (i) 1,2-diol or (ii) 1,2-diol and a primary alcohol as raw materials with oxygen in the presence of a supported metal catalyst. As long as the α-hydroxycarboxylic acid ester obtained by the above is used, it is not particularly limited, and known conditions can be applied.
[0099]
The hydrolysis in the present invention means a reaction in which an α-hydroxycarboxylic acid and an alcohol are generated by a reaction between the α-hydroxycarboxylic acid ester and water. The method for carrying out the hydrolysis reaction is not particularly limited, and conventionally known methods can be applied.
[0100]
The reaction temperature is usually about 30 to 150 ° C, preferably about 50 to 120 ° C. The molar ratio of water to α-hydroxycarboxylic acid ester (water / α-hydroxycarboxylic acid ester) is usually about 1/1 to 1/5, more preferably about 3/1 to 20/1. Moreover, a catalyst can be used if necessary, and usually an acid catalyst can be preferably used.
[0101]
Since the hydrolysis reaction of the α-hydroxycarboxylic acid ester is an equilibrium reaction, by removing the by-product alcohol out of the system, the equilibrium tends to be biased toward the production system side and the hydrolysis tends to proceed. Accordingly, a reaction method such as reactive distillation is suitable. For example, a method of reactive distillation in the presence of water can be exemplified. When the reactive distillation method is used, the α-hydroxycarboxylic acid ester is hydrolyzed by gas-liquid contact to obtain α-hydroxycarboxylic acid, and by-product alcohol (hereinafter sometimes referred to as byproduct alcohol) is obtained. It can be distilled out of the system. Therefore, the hydrolysis reaction can be carried out efficiently.
[0102]
The molar ratio of water and α-hydroxycarboxylic acid ester (water / α-hydroxycarboxylic acid ester) in the reactive distillation may be determined according to the reaction conditions of the reactive distillation and is not particularly limited. However, it is usually about 1/1 to 50/1, more preferably about 3/1 to 20/1.
[0103]
In order to further promote the reaction, the hydrolysis can be reactively distilled in the presence of an acid, if necessary. Such an acid is not particularly limited, and a conventionally known homogeneous acid catalyst or heterogeneous acid catalyst can be used. Specific examples include inorganic acids such as hydrochloric acid, sulfuric acid, and phosphoric acid; organic acids such as acetic acid; and solid acids such as activated alumina, silica-alumina, and zeolite. These acids may be used alone or in combination of two or more. The method for adding an acid to the α-hydroxycarboxylic acid ester is not particularly limited. Further, as the acid, α-hydroxycarboxylic acid, particularly α-hydroxycarboxylic acid as a target product (for example, glycolic acid in the case of methyl glycolate) can also be used. When the target α-hydroxycarboxylic acid is used as the acid, a high-purity α-hydroxycarboxylic acid can be produced more easily and inexpensively.
[0104]
After performing the above-mentioned reactive distillation, in order to distill off water, it can be distilled in the presence of an organic solvent (azeotropic agent) that forms an azeotropic composition with water, if necessary. The organic solvent is not particularly limited, and examples thereof include cyclohexane and n-propyl acetate. After performing reactive distillation in the presence of an organic solvent, by forming an azeotropic composition and distilling off water, that is, by performing an azeotropic dehydration operation, α- of higher purity and higher concentration can be obtained. Hydroxycarboxylic acids can be produced.
[0105]
The reactive distillation apparatus is not particularly limited. For example, the reactive distillation apparatus has a structure in which a gas phase portion exists in the apparatus, and the produced by-product alcohol (low boiling point component) can be continuously separated and removed to the gas phase portion. Just do it. As the reactive distillation apparatus, for example, various commonly used distillation apparatuses, and more specifically, batch (batch type) distillation apparatuses such as a multistage distillation column or continuous distillation apparatuses are suitable. That is, the reactive distillation of α-hydroxycarboxylic acid ester can be carried out continuously as necessary.
[0106]
When the reactive distillation apparatus is a multistage distillation column, the number of stages of the distillation column, and reaction conditions (operating conditions) such as reaction temperature, reaction pressure, liquid residence time, reflux ratio, and liquid hold-up amount are as follows: Experimentally or theoretically, for example, the number of stages and reaction conditions may be such that the amount of water distilled off with the by-product alcohol does not become excessive (so that water is not excessively distilled off) and the reaction conditions. is not. However, if the number of stages and the reflux ratio are extremely small, the reaction efficiency is lowered, and it may be difficult to efficiently produce α-hydroxycarboxylic acid. Further, if the number of stages and the reflux ratio are extremely increased, the apparatus (equipment) becomes excessively large for industrially implementing the production method according to the present invention, which is economically disadvantageous.
[0107]
As the multistage distillation column, a distillation column having three or more stages excluding the top (uppermost stage) and the bottom (lowermost stage) is preferable. Examples of such distillation columns include packed columns filled with packing materials such as Raschig rings, pole rings, interlock saddles, Dixon packing, McMahon packing, and sulzer packing; trays such as bubble bell trays, sieve trays, and valve trays A generally used distillation column such as a plate column using (plate) is suitable. A composite distillation tower having both a shelf and a packed bed can also be employed. The number of plates indicates the number of plates in a plate column, and the number of theoretical plates in a packed column.
[0108]
When performing the above reactive distillation using a batch distillation apparatus as a reactive distillation apparatus, α-hydroxycarboxylic acid ester, water, and, if necessary, an acid and / or an organic solvent are added to the evaporator of the apparatus. Then, the mixture is heated to the reaction temperature (distillation temperature), and hydrolysis proceeds while distilling off the by-product alcohol from the top of the apparatus. Thereby, the aqueous solution containing α-hydroxycarboxylic acid remains in the evaporator.
[0109]
When performing the above reactive distillation using a continuous distillation apparatus as a reactive distillation apparatus, for example, a mixture containing an α-hydroxycarboxylic acid ester, water, and, if necessary, an acid and / or an organic solvent. The mixed solution was subjected to reactive distillation while continuously supplying the liquid to the middle stage of the apparatus (the middle stage excluding the tower bottom and the tower top), and by-product alcohol was continuously fed from the tower top of the apparatus. While distilling off, an aqueous solution containing α-hydroxycarboxylic acid is continuously withdrawn from the bottom of the apparatus. The method for supplying the α-hydroxycarboxylic acid ester, water, acid and organic solvent to the continuous distillation apparatus is not particularly limited, and these components may be separately supplied to the apparatus. In other words, the supply stages of these components in the apparatus may be different stages.
[0110]
However, it is desirable to set the supply stage of the component having a lower boiling point in these components to be lower than the supply stage of the component having a higher boiling point so that the reactive distillation is efficiently performed. In the case of using an acid, the more the region (stage) where the acid is present, the greater the contact frequency between the α-hydroxycarboxylic acid ester and the acid, and the better the reaction efficiency. For this reason, it is preferable to supply an acid to the uppermost stage as possible in a continuous distillation apparatus. Furthermore, each of the above components may be supplied in a liquid state, may be supplied in a gaseous state, or may be supplied in a gas-liquid mixed state. When the acid is a solid acid (heterogeneous acid catalyst), the acid may be held (filled) in advance in a continuous distillation apparatus in place of, for example, part or all of the packing. In addition, in order to easily remove by-product alcohol out of the system, gas (nitrogen gas, etc.) inert to α-hydroxycarboxylic acid ester and α-hydroxycarboxylic acid is introduced from the bottom of the continuous distillation unit. You can also
[0111]
The reaction conditions in the reactive distillation may be set according to the type of α-hydroxycarboxylic acid ester and the like, and are not particularly limited, but the reaction temperature is not less than the boiling point of the by-product alcohol and not more than the boiling point of water. It is desirable that When the reaction temperature is lower than the boiling point of the byproduct alcohol, the byproduct alcohol cannot be distilled off efficiently. On the other hand, when the reaction temperature exceeds the boiling point of water, water is distilled off excessively, so that reactive distillation cannot be carried out efficiently. Moreover, there exists a possibility of causing side reactions, such as a decomposition reaction of (alpha) -hydroxycarboxylic acid ester and (alpha) -hydroxycarboxylic acid. When the acid is an inorganic acid or an organic acid (homogeneous acid catalyst), the acid may be separated and recovered from the α-hydroxycarboxylic acid by using a known method such as distillation.
[0112]
When the α-hydroxycarboxylic acid ester is hydrolyzed by the reactive distillation to obtain α-hydroxycarboxylic acid, the by-product is substantially only a by-product alcohol. Since the by-product alcohol is distilled off, the α-hydroxycarboxylic acid can be easily separated and purified. According to said method, highly purified alpha-hydroxycarboxylic acid is obtained in the state of aqueous solution.
[0113]
The obtained α-hydroxycarboxylic acid aqueous solution may be further processed according to a desired form. For example, (1) a method of concentrating to an aqueous solution having a high concentration (eg, about 70% by weight or more of glycolic acid), (2) an α-hydroxycarboxylic acid crystal solid through steps such as crystallization, filtration and drying A method etc. can be illustrated.
[0114]
Examples of the method for concentrating the α-hydroxycarboxylic acid aqueous solution include a method in which the α-hydroxycarboxylic acid aqueous solution after the hydrolysis step is heated as it is to distill off water. At the time of concentration, the pressure may be reduced as necessary.
[0115]
Examples of the crystallization method of α-hydroxycarboxylic acid include, for example, a method of crystallization by distilling water while heating until α-hydroxycarboxylic acid solid starts to precipitate and then cooling to near room temperature. Can do. The obtained crystals can be easily separated by a known solid-liquid separation method such as filtration.
[0116]
Further, when water is distilled off by performing an azeotropic dehydration operation using an organic solvent, α-hydroxycarboxylic acid with higher purity and higher concentration can be obtained.
[0117]
The α-hydroxycarboxylic acid thus obtained is substantially free of formaldehyde and chlorine. This is because in the present invention, neither formaldehyde nor chlorine is used as a raw material, and is hardly produced by reaction. According to the present invention, it is possible to provide an α-hydroxycarboxylic acid such as glycolic acid having a formaldehyde and chlorine content of about 1 ppm by weight or less, preferably about 100 ppm by weight or less, more preferably about 10 ppm by weight or less. .
[0118]
The α-hydroxycarboxylic acid obtained by the production method of the present invention can be suitably used for known uses such as polymerization monomers that are raw materials for various synthetic resins such as polyα-hydroxycarboxylic acid. Among these, glycolic acid is, for example, a cleaning agent, a tanning agent, a chelating agent, a metal cleaning agent for cleaning printed wiring boards, a scale inhibitor such as a boiler, or a pharmaceutical, an agricultural chemical, a cosmetic, an organic chemical, etc. As an intermediate raw material for various products, it can be suitably used as a synthetic raw material for polyesters, polymer surfactants and the like. Since glycolic acid obtained by the production method of the present invention does not contain impurities such as formaldehyde, chlorine-containing compounds, and methoxyacetic acid, it can be particularly suitably used for applications that directly touch the human body such as cosmetics.
[0119]
【The invention's effect】
According to the production method of the present invention, glycolic acid substantially free of formaldehyde and chlorine can be obtained.
[0120]
Also, glycolic acid substantially free of methoxyacetic acid can be obtained.
[0121]
Conventional high-purity glycolic acid is expensive because it is purified by a complicated method such as crystallization. According to the production method of the present invention, α-hydroxycarboxylic acid such as high purity glycolic acid can be obtained at low cost.
[0122]
Therefore, according to the method of the present invention, a glycolic acid oligomer, a low-cost and high molecular weight polyglycolic acid, and glycolide can be obtained.
[0123]
In the method of the present invention, when ethylene glycol is used as the 1,2-diol, glycolic acid containing a small amount of ethylene glycol can be obtained.
[0124]
【Example】
Examples are given below to further clarify the features of the present invention. However, the scope of the present invention is not limited to the scope of the examples.
[0125]
In addition, the measurement of the physical property in an Example was implemented with the following method.
(1) Amount of metal fine particles supported
Measured by fluorescent X-ray analysis.
(2) Average particle diameter of metal fine particles
The particle size was observed with a transmission electron microscope (TEM) (device name “HF-2000”, Hitachi, Ltd., acceleration voltage 200 kV), and the component analysis of the particles was performed with the attached X-ray analyzer.
(3) Determination of reaction products
The components of the reaction product in the reaction solution were quantitatively analyzed by gas chromatography and / or liquid chromatography.
[0126]
[Example 1] (Example of reaction of Pb-Au alloy catalyst, EG + MeOH)
(1) Catalyst preparation
TiO prepared by coprecipitation method2-SiO2(Molar ratio Ti / Si = 8: 2, firing temperature 600 ° C., 50 to 250 mesh) was used as a carrier.
[0127]
0.5 L of an aqueous tetrachloroauric acid solution having a concentration of 20 mmol / l was adjusted to pH 7 using a 0.5 N aqueous sodium hydroxide solution in a range of 65 to 70 ° C. In this aqueous solution, the TiO2-SiO220 g of the carrier was added under stirring, and stirring was continued for 1 hour while maintaining the temperature at 65 to 70 ° C. Thereafter, the supernatant was removed by allowing to stand, 0.5 L of ion exchanged water was added to the remaining gold immobilization product, the mixture was stirred at room temperature for 5 minutes, and then the supernatant was removed three times. . The gold-immobilized product obtained by filtration was dried at 100 ° C. for 10 hours, and further calcined in air at 400 ° C. for 3 hours.2-SiO2Catalyst with gold supported on support (Au / TiO2-SiO2)
[0128]
Next, 50 ml of a methanol solution containing 1.835 g of lead acetate trihydrate was added to the gold support Au / TiO.2-SiO220 g was added, and methanol was removed at 80 ° C. and normal pressure using an evaporator to impregnate and carry lead acetate. Thereafter, 20 g of a gold carrier carrying lead was filled in a glass tube and heated at 400 ° C. for 3 hours while flowing a mixed gas of hydrogen and nitrogen (volume ratio 10/90). In this way, metal particles containing gold and lead become TiO.2-SiO2A gold alloy carrier supported on a carrier was obtained. The amounts of gold and lead supported on this carrier were 5.4 wt% and 4.9 wt%, respectively, with respect to the carrier. Moreover, when the particle diameter of the metal particles was observed, almost all of them were highly dispersed with a particle diameter of 6 nm or less, showed a narrow particle diameter distribution having a maximum in the vicinity of 2 to 3 nm, and the average particle diameter was 6 nm or less. .
[0129]
(2) Oxidative esterification reaction (α-hydroxycarboxylic acid ester production)
Pb—Au alloy / TiO obtained in (1) above2-SiO2Α-hydroxycarboxylic acid ester was synthesized using a catalyst.
[0130]
Ethylene glycol (62 g, 1.0 mol), methanol (320 g, 10 mol) and the catalyst (20 g) were charged into a rotary stirring type 1 L autoclave with a cooling tube and sealed. Subsequently, a mixed gas of oxygen and nitrogen (volume ratio: 10/90) is blown into the liquid at a flow rate of 1 L / min for 5 hours at 90 ° C. while adjusting with a back pressure valve to maintain the system at 0.5 MPa. Reaction was performed.
[0131]
Thereafter, the product was cooled and opened, and the contents were analyzed by gas chromatography. As a result, 0.180 mol of raw material ethylene glycol was contained, and the product methyl glycolate, 2-hydroxyethyl glycolate, glycolide, The contents of dimethyl oxalate and other oxalic acids were 0.656 mol, 0.068 mol, 0.012 mol, 0.008 mol and 0.001 mol, respectively. The molar ratios of methyl formate and 2-hydroxyethyl formate to methyl glycolate were 0.12 and 0.03, respectively.
[0132]
(3) After removing oxalate, purify glycolate
In the reaction filtrate (404.9 g) obtained by separating the catalyst from the reaction solution obtained in the oxidative esterification reaction of (2) above, ethylene glycol and methanol as the remaining raw materials, the product of the above reaction, and the reaction were produced. Water was included. Of these, the oxalate ester was a total of 0.011 mol of 0.008 mol (0.92 g) of dimethyl oxalate and 0.001 mol of other oxalic acids (such as oxalic acid).
[0133]
After adding 3 ml of a methanol solution containing 0.013 mol of a magnesium salt of glycolic acid to this reaction solution, the whole amount was charged into a 1 L autoclave, and after nitrogen substitution, heated to 80 ° C. and stirred for 2 hours. After cooling and opening, it was confirmed that a white precipitate of magnesium oxalate was generated. Furthermore, when the reaction solution after filtration was analyzed by gas chromatography, signals corresponding to dimethyl oxalate and other oxalic acids almost disappeared.
[0134]
After filtering off magnesium oxalate, methanol and water were distilled off from the obtained filtrate under reduced pressure using a thin layer distillation apparatus. Thereafter, methyl glycolate was distilled off at a bottom temperature of 70 to 80 ° C. and a pressure of 5 to 10 torr using a glass distillation column having three stages. The purity of methyl glycolate in the distillate was 98% by weight or more, and methanol and water were contained in a total of about 1.5% by weight, but other impurities were 0.1% by weight or less. It was. The total content of dimethyl oxalate and other oxalic acids (such as oxalic acid) was 100 ppm by weight or less.
[0135]
(4) Hydrolysis reaction (hydrolysis by reactive distillation)
As the reactive distillation apparatus, an apparatus in which a packed tower having 3 stages was connected to a flask and a reflux apparatus was provided at the top of the packed tower was used. The above-mentioned flask was charged with a mixed solution obtained by mixing 150 g of water with 50 g of 98% by weight or more of methyl glycolate distillate obtained in (3). Subsequently, the column bottom temperature (liquid temperature) of the reactive distillation apparatus was maintained at 95 to 97 ° C., and reactive distillation was performed over 2 hours at normal pressure. At this time, a distillate containing methanol was distilled off. The column top temperature was 65 ° C. at the start of reactive distillation, but reached 100 ° C. at the end.
[0136]
After the reaction distillation was completed, 114 g of an aqueous solution containing 36.1% by weight of glycolic acid was taken out from the flask. The glycolic acid yield based on methyl glycolate was 100%. As impurities, formaldehyde and chlorine compounds were not detected, and oxalic acid and ethylene glycol were detected at 20 ppm and 76 ppm, respectively.
Claims (5)
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002204754A JP3772238B2 (en) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | Method for producing α-hydroxycarboxylic acid |
TW092119039A TW200407300A (en) | 2002-07-12 | 2003-07-11 | Process for producing diol derivative |
US10/618,491 US7005536B2 (en) | 2002-07-12 | 2003-07-11 | Method for producing diol derivatives |
US11/290,174 US20060079711A1 (en) | 2002-07-12 | 2005-11-30 | Method of producing diol derivatives |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002204754A JP3772238B2 (en) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | Method for producing α-hydroxycarboxylic acid |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004043386A JP2004043386A (en) | 2004-02-12 |
JP3772238B2 true JP3772238B2 (en) | 2006-05-10 |
Family
ID=31710267
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002204754A Expired - Fee Related JP3772238B2 (en) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | Method for producing α-hydroxycarboxylic acid |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3772238B2 (en) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4942300B2 (en) * | 2005-02-22 | 2012-05-30 | 三菱レイヨン株式会社 | α-Hydroxycarboxylic acid concentrate and crystal production method |
WO2006126626A1 (en) | 2005-05-27 | 2006-11-30 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Method for producing glycolic acid |
EP1947079B1 (en) | 2005-10-26 | 2019-05-08 | Mitsui Chemicals, Inc. | Process for producing glycolic acid |
GB201615762D0 (en) | 2016-09-16 | 2016-11-02 | Johnson Matthey Davy Technologies Ltd | Process |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204754A patent/JP3772238B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004043386A (en) | 2004-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20060079711A1 (en) | Method of producing diol derivatives | |
US7326806B2 (en) | Catalyst for the preparation of carboxylic esters and method for producing carboxylic esters | |
US7973184B2 (en) | Method for producing propylene oxide | |
JP2003530378A (en) | Carbonylation of lower alkyl alcohols and their derivatives using metals supported on carbonized polysulfonated divinylbenzene-styrene copolymer | |
US20100274041A1 (en) | Method for preparing a carbamate, a catalyst applied in the method, a method for preparing the catalyst and use thereof | |
JP2002537278A (en) | Method for carbonylation of lower aliphatic alcohols | |
JP3772238B2 (en) | Method for producing α-hydroxycarboxylic acid | |
EP1553076A1 (en) | Process for producing diol derivative | |
TWI468390B (en) | Production method of α-hydroxycarboxylate | |
JP2004131411A (en) | Method for purifying glycolic acid ester and method for producing glycolic acid ester | |
JP2003300926A (en) | METHOD FOR PRODUCING alpha-HYDROXYCARBOXYLIC ACID OR alpha- OXOCARBOXYLIC ACID | |
JP3763076B2 (en) | Method for producing α-hydroxycarboxylic acid ester | |
CN1334790A (en) | Iridium catalyst for carbonylation of lower aliphatic alcohols | |
JP3944875B2 (en) | Catalyst for synthesizing carboxylic acid ester and method for producing carboxylic acid ester | |
JP4099649B2 (en) | Method for purifying glycolic acids | |
JP4069242B2 (en) | Metal particle carrier and method for producing carboxylic acid ester | |
JP2004043385A (en) | METHOD FOR PRODUCING alpha-HYDROXYCARBOXYLIC ACID ESTER | |
JP2003192632A (en) | Method for producing mixture of unsaturated carboxylic acid ester with unsaturated carboxylic acid | |
JP2004182650A (en) | METHOD FOR PRODUCING ESTER OF alpha-HYDROXYCARBOXYLIC ACID | |
JP2004137180A (en) | Method for producing carboxylate | |
JPH07232069A (en) | Preparation of hydrogenation catalyst for preparing alcohol | |
US20070038000A1 (en) | Method for oxidation of aromatic compound having alkyl substituent, method for production of aromatic aldehyde compound, and method for production of aromatic carboxylic acid ester | |
JP2004182645A (en) | Method for manufacturing glycolic ester | |
JP2004203743A (en) | Method for stabilizing glycolic acid ester and stabilized composition | |
JP3173273B2 (en) | Method for producing glyoxylate |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050712 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20050817 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20051006 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051012 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051212 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060118 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060130 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140224 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |