JP3770397B2 - 高分子液晶材料 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子を混合してなる高分子液晶材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶ディスプレイや液晶プロジェクタ等の表示材料として、液晶は広く用いられている。従来より、液晶性を示す化合物が多数見出され、その中には、液晶性を示す高分子化合物も知られている。液晶性を示す高分子化合物を含んでなる液晶は、高分子液晶と称され、液晶の性質と高分子化合物の性質とを利用して種々の用途に用いることができると考えられている。例えば、高分子液晶は、その配向特性を利用すれば、より優れた強度や耐熱性、成型加工性等を有する高性能プラスチック材料として用いることができる。このように、高分子液晶は、液晶表示材料としての用途だけではなく、高性能プラスチック材料等、幅広い分野で応用されることが期待されている。
【0003】
ところで、液晶は、分子の配列状態に応じた液晶相を有しており、そのうちの1つとしてスメクチック液晶相がある。スメクチック液晶相は、一定の方向に並んだ分子が層を形成しており、各分子が各々の層に垂直又は一定の傾きをもって配列している液晶相である。また、スメクチック液晶相は、各分子が配向方向(分子の長軸方向)には運動ができないものの、各層の中では自由に動くことができるようになっており、分子の重心位置が各層を形成する面内において規則性をもたない液晶相である。スメクチック液晶相を構成する分子としては、例えば、合成高分子を用いることができ、合成高分子を用いたスメクチック液晶相を有する高分子液晶が報告されている(例えば、非特許文献1〜3)。
【0004】
また、液晶分子の種類によっては、1種類の液晶相だけでなく、相転移によって複数の液晶相を示す液晶が存在する。例えば、このような複数の液晶相を示す高分子液晶として、ポリシランを用いた高分子液晶(例えば、非特許文献2)等がこれまでに報告されている。また、上記非特許文献2には、相転移によって、カラムナー液晶相、スメクチック液晶相、コレステリック液晶相を示すポリシランからなる高分子液晶が記載されている。
【0005】
【非特許文献1】
Tirrell,D.A等、「Smectic ordering in solutions and films of a rod-like polymer owing to monodispersity of chain length」、Nature、389巻、p.167-170、1997年
【0006】
【非特許文献2】
Okoshi,K.等、「Well-Defined Phase Sequence Including Cholesteric, Smectic A, and Columnar Phases Observed in a Thermotropic LC System of Simple Rigid-Rod Helical Polysilane」、Macromolecules、35巻、p.4556-4559、2002年
【0007】
【非特許文献3】
Okoshi,K.等、「Smectic Liquid Crystal Observed in Thermotropic System of Right-Rod Poly(γ-octadecyl L-glutamate)」、Jpn.J.Appl.Phys.、41巻、p.720-722、2002年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の合成高分子を用いたスメクチック液晶相を有する高分子液晶材料は、1種類の合成高分子を用いて製造されており、各分子層が等間隔に配列された一定の周期構造を有している。このため、この一定の周期構造を有する層間隔を調節するためには、あらかじめ分子量を精密に制御した狭分子量分散の高分子を合成する必要があり、技術的、経済的に困難であるという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、同一種類の高分子であって、重量平均分子量が異なる複数種類の高分子を混合することにより、スメクチック液晶相の層間隔が任意の間隔に制御された高分子液晶材料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、重量平均分子量が異なる複数種類の高分子を混合することにより、スメクチック液晶相の層間隔を自在に制御させた液晶高分子材料を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明の高分子液晶材料は、上記課題を解決するために、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子を混合してなる高分子液晶材料であって、上記混合前の各高分子の中から任意に選択した2種類の高分子の重量平均分子量の比が1.8より小さいことを特徴としている。ここで、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子の混合とは、例えば、同一種類の高分子を重量平均分子量が異なる複数の高分子に分別し、該分別した高分子の中から複数の高分子を任意に選択して混合することを意味する。
【0012】
上記構成によれば、高分子液晶材料は、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子が混合されたものであり、混合前の複数種類の高分子の中から任意に選択した2種類の高分子の重量平均分子量の比は1.8より小さいものとなっている。これにより、高分子液晶材料は、単一のスメクチック液晶相を形成し、その層間隔は混合する高分子の重量平均分子量及び混合比に基づいた層間隔となっている。すなわち、上記混合する高分子の重量平均分子量及び混合比を適宜調節することによって、スメクチック液晶相の層間隔を所望の層間隔となるように制御された高分子液晶材料とすることができる。
【0013】
さらに、上記各高分子は、β位置に分岐構造を有する側鎖を少なくとも1つ有しているとともに、二次構造が剛直棒状構造となっているポリシランであることが好ましく、上記ポリシランは、一般式(1)
【0014】
【化3】
Figure 0003770397
【0015】
(式中、側鎖R1及び側鎖R2はそれぞれ独立して、炭素数が2以上22以下のアルキル基又は炭素数が8以上28以下のフェニルアルキル基であり、側鎖R3はβ位置に分岐構造を有するβ位分岐アルキル基であり、m,nはそれぞれ正数であり、pは自然数である)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性であることが好ましい。
【0016】
また、上記ポリシランは、一般式(2)
【0017】
【化4】
Figure 0003770397
【0018】
(式中、側鎖R1及び側鎖R2はそれぞれ独立して、炭素数が2以上22以下のアルキル基又は炭素数が8以上28以下のフェニルアルキル基であり、側鎖R3はβ位置に分岐構造を有するβ位分岐アルキル基であり、1≧x≧0であり、pは自然数である)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性であることがより好ましい。
【0019】
上記構成によれば、上記高分子液晶材料に含まれるポリシランは、剛直棒状構造を有していることにより、温度変化によって液晶構造を形成するサーモトロピック液晶、又は、濃度変化によって液晶構造を形成するリオトロピック液晶として利用することができる。また、上記ポリシランは、温度変化や、高分子液晶材料に含まれるポリシランの濃度変化によって、相構造が、カラムナー液晶相、スメクチック液晶相、ネマチック液晶相に変化する。すなわち、上記高分子液晶材料は、上記温度変化や濃度変化に応じて、ポリシランが自己組織化することによって、自発的に上記した各液晶相に相構造が変化する。このような相構造の変化は、計算機シミュレーションによって理論的には予測されていたが、これまで実際には確認されておらず、本発明者等によって初めて見出されたものである。
【0020】
また、上記高分子液晶材料は、重量平均分子量が互いに異なる複数種類のポリシランであって、複数種類のポリシランの中から任意に選択した2種類のポリシランの重量平均分子量の比が1.8より小さいポリシランが混合されたものであるため、高分子液晶材料は層間隔が精密に制御された単一のスメクチック液晶相を形成することが可能となる。これにより、得られたポリシランからなる高分子液晶材料を、回折格子や量子細線等のナノレベルの光/エレクトロニクスデバイスの構築に応用することが可能となる。
【0021】
さらに、本発明のポリシランが上記一般式(2)の構造を有する場合には、ポリシランはランダム共重合体となっている。このため、ブロック共重合体によるミクロ相分離構造の形成を回避することができる。
【0022】
また、上記高分子液晶材料が示す相構造には、コレステリック液晶相は含まれていないので、コレステリック液晶相が形成する螺旋軸の軸方向を考慮して、上記光学素子や分子素子等を設計するといった煩雑な操作が不要になり、より簡便にこれらの光学素子や分子素子を製造することができる。さらに、上記高分子液晶材料は、光学活性な物質を用いる必要がないので、製造コストを低減することが可能になる。
【0023】
また、本発明の高分子液晶材料は、上記構成に加え、上記混合前の各ポリシランの重量平均分子量は、10,000以上1,000,000以下であることを特徴としている。上記構成によれば、混合前の各ポリシランの重量平均分子量を制御することによって、スメクチック液晶相を形成することができる。それゆえ、カラムナー液晶相、スメクチック液晶相、ネマチック液晶相の3つ液晶相を含む相系列を有する高分子液晶材料を提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。
【0025】
本発明の高分子液晶材料は、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子を混合してなる高分子液晶材料である。また、上記複数種類の高分子のうち、混合前の各高分子の中から任意に選択した2種類の高分子の重量平均分子量の比は1.8より小さいものとなっている。すなわち、本発明の高分子液晶材料は、高分子が自己組織化によって形成するナノメートル領域の周期構造であるスメクチック液晶相として、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子であって、各高分子の中から任意に選択した2種類の高分子の重量平均分子量の比が1.8より小さい高分子を混合したものである。
【0026】
混合する各高分子の中から任意に選択した2種類の高分子における、両重量平均分子量の比が1.8以上である複数種類の高分子を共通溶媒に溶解・混合した場合には、混合された複数種類の各高分子は、各々単独で各高分子の長さに一致した一定周期の層間隔を有するスメクチック液晶相を形成するため、スメクチック液晶相が相分離した状態となる。これに対して、上記重量平均分子量の比が1.8より小さい複数種類の高分子を共通溶媒に溶解・混合した場合には、混合された複数種類の各高分子が混ざり合った状態で単一のスメクチック液晶相を形成し、その層間隔は混合した各高分子の重量平均分子量及び混合比に依存する。したがって、混合する各分子量の重量平均分子量及び混合比を任意に変えることによって、スメクチック液晶相の層間隔が任意な層間隔となるように自在に制御された高分子液晶材料とすることができる。
【0027】
なお、本発明における重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子の混合とは、同一種類の高分子を重量平均分子量が異なる複数の高分子に分別し、該分別した高分子の中から複数の高分子を任意に選択して混合することを意味する。
【0028】
また、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子を混合してなる高分子液晶材料とは、上記のように、同一種類の高分子を異なる重量平均分子量毎に、例えば重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとした場合の分子量分散Mw/Mnが小さい狭分散高分子となるように分別した後に、その中から重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子を任意に選択(全選択を除く)して混合したものであってもよく、また、同一種類の高分子であって、異なる重量平均分子量を有する高分子を別々に製造し、それらを混合したものであってもよい。この場合、高分子液晶材料は、選択された重量平均分子量を有する高分子の混合物となっているのに対して、分別前の高分子は、全ての重量平均分子量を有する高分子の混合物となっており、別々に製造された高分子は、各重量平均分子量を有する高分子のみとなっている。すなわち、本発明の高分子液晶材料は、分別前の高分子及び別々に製造された高分子とは異なるものである。
【0029】
また、上記各高分子は、β位置に分岐構造を有する側鎖を少なくとも1つ有しているとともに、二次構造が剛直棒状構造となっているポリシランであることが好ましく、さらに、上記のポリシランは、一般式(1)
【0030】
【化5】
Figure 0003770397
【0031】
(式中、側鎖R1及び側鎖R2はそれぞれ独立して、炭素数が2以上22以下のアルキル基又は炭素数が8以上28以下のフェニルアルキル基であり、側鎖R3はβ位置に分岐構造を有するβ位分岐アルキル基であり、m,nはそれぞれ正数であり、pは自然数である)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性であることが好ましい。
【0032】
また、上記ポリシランは、一般式(2)
【0033】
【化6】
Figure 0003770397
【0034】
(式中、側鎖R1及び側鎖R2はそれぞれ独立して、炭素数が2以上22以下のアルキル基又は炭素数が8以上28以下のフェニルアルキル基であり、側鎖R3はβ位置に分岐構造を有するβ位分岐アルキル基であり、1≧x≧0であり、pは自然数である)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性であることがより好ましい。
【0035】
ここで、側鎖R1及び側鎖R2はそれぞれ独立して、炭素数が2以上22以下のアルキル基、または、該鎖状のアルキル基にフェニル基が導入されてなる炭素数が8以上28以下のフェニルアルキル基であることが好ましい。側鎖R1及び側鎖R2は、互いに同一であってもよく、また互いに異なっていてもよい。具体的には、アルキル基として、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等の分岐鎖を有する分岐鎖アルキル基等を挙げることができる。また、フェニルアルキル基としては、これらアルキル基に1つ以上のフェニル基が導入されていればよく、アルキル基の末端にフェニル基が導入されていることが特に好ましい。
【0036】
また、側鎖R3は、β位置に分岐構造を有するアルキル基であるβ位分岐アルキル基であれば特に限定されず、さらに、側鎖R3の炭素数も限定されない。このβ位分岐アルキル基としては、例えば、2−メチルブチル基を挙げることができる。
【0037】
上記側鎖R1〜R3には、上記フェニル基以外の種々の官能基が導入されていてもよい。官能基としては、特に限定されないが、極性を示さない無極性官能基であることが好ましい。このような無極性官能基を有することにより、本発明のポリシランは、主鎖がケイ素からなり、側鎖に水素や炭素等を含む無極性官能基を有する無極性高分子となる。
【0038】
なお、側鎖R1〜R3は、上記ポリシランが光学不活性となるようにキラリティーを有していないことが好ましい。光学不活性なポリシランを得るためには、側鎖R1〜R3がいずれもアキラルな側鎖(光学不活性基)であることが好ましい。
【0039】
あるいは、ポリシランの繰り返し構造を単位とし、この単位毎にキラリティーを異ならせることによってポリシラン全体として光学不活性となるように、各側鎖R1〜R3が光学活性を有していてもよい。具体的には、例えば、側鎖R3に不斉原子が含まれる場合、上記一般式(1)又は(2)にて表される2つの側鎖R3のキラリティーを互いに異ならせることにより、ポリシラン全体として光学不活性を実現することができる。また、一般式(1)又は(2)にて表される繰り返し構造を一つの単位とすれば、一つの繰り返し構造毎に、各側鎖R1〜R3のキラリティーを異ならせることによっても、全体としてポリシランを光学不活性とすることができる。
【0040】
また、上記一般式(1)におけるm,nは、それぞれ正数であれば特に限定されないが、n/(m+n)≧0.01であることが好ましく、上記一般式(2)におけるxは、1≧x≧0であることが好ましい。さらに、上記pは繰り返し単位を示しており、このpは、自然数であれば特に限定されるものではないが、好ましくはpは30以上、4,500以下であり、より好ましくは、pは4以上、4,000以下である。自然数pが30を下回ると、等方性液体となり延伸が不可能となる虞があるため好ましくない。また、自然数pが4,500を上回ると、粘度が高すぎ、延伸が不可能となる虞があるため好ましくない。
【0041】
また、上記ポリシランは、二次構造が剛直棒状構造であることが好ましい。ポリシランの二次構造が剛直棒状構造となるのは、7/3へリックスと称されるコンホメーションを有する場合である。すなわち、上記ポリシランが剛直棒状構造を有する場合、該ポリシランのへリックス構造の中心軸が直線的であって、この直線状の中心軸の周囲を、上記一般式(1)又は(2)にて表されるケイ素連鎖からなる主鎖が螺旋状に取り囲むコンホメーションとなっている。
【0042】
一般に、へリックス構造を有する分子は、螺旋(へリックス)構造の周期(ヘリカルピッチ)に応じた光学的性質を有していることが知られている。具体的には、上記7/3へリックスの構造を有する場合、文献(ACS Polym.Prepr.,vol.37,No.2,p.454-455,1996年;Macromol.Rapid.Commun.,vol.22,p.539-563,2001年)に記載されているように、320nm近傍の波長の紫外線を吸収する現象が見られる。従って、本発明のポリシランを適当な溶媒に溶解させ、紫外可視吸収スペクトル測定を行った場合に、320nm付近の波長で光吸収が生じていれば、本発明のポリシランが剛直棒状構造であることを確認することができる。
【0043】
このように、上記ポリシランは、剛直棒状構造を有することによって、温度変化に依存して液晶性を示すサーモトロピック液晶としての性質や、ポリシランの濃度に依存して液晶性を示すリオトロピック液晶としての性質を示すので、高分子液晶材料として利用することができる。上記ポリシランを含む高分子液晶材料では、温度変化や濃度変化に伴って、カラムナー液晶相、スメクチック液晶相、ネマチック液晶相の3つの相構造に転移する液晶性が見られる。すなわち、ポリシランの分子量分布(分子量分散)が狭い場合には、低温から高温になるにつれて、又は高濃度から低濃度になるにつれて、二次元結晶であるカラムナー液晶相、層構造を有するスメクチック液晶相、異方性液体であるネマチック液晶相(又はコレステリック液晶相)からなる液晶相系列を示す。一方、ポリシランの分子量分布(分子量分散)が広い場合には、低温から高温になるにつれて、又は高濃度から低濃度になるにつれて、二次元結晶であるカラムナー液晶相、異方性液体であるネマチック液晶相(又はコレステリック液晶相)からなる液晶相系列を示す。
【0044】
それゆえ、上記温度変化や濃度変化に伴って生じる自発的な液晶の相転移を利用すれば、高速光スイッチ、メモリデバイス、リタデーション可変位相差板、化学物質認識センサ等の光学素子や分子素子として利用することができる可能性がある。なお、温度変化や濃度変化に伴う液晶の相構造の変化の順序は、用いるポリシランの構造に応じて異なると考えられる。そのため、上記光学素子や分子素子として、上記高分子液晶材料を用いる場合には、目的とする順序で相構造が変化するポリシランを選択すればよい。
【0045】
また、上記ポリシランは、一般式(2)の構造を有することがより好ましい。この場合、ポリシランはランダム共重合体となっているため、ブロック共重合体によるミクロ相分離構造の形成を回避することが可能となる。
【0046】
さらに、上記混合前の各ポリシランの重量平均分子量の下限値は、10,000以上であることが好ましく、混合前の各ポリシランの重量平均分子量の上限値は、1,000,000以下であることが好ましい。上記重量平均分子量が10,000未満である場合、等方性液体となって好ましくない。また、重量平均分子量が1,000,000を超えると、蝋状となって緩和時間が長くなるためにガラス化し、スメクチック液晶相の相構造が出現しなくなる。その結果、カラムナー液晶相及びネマチック液晶相の相構造のみが得られることになる。
【0047】
次に、本発明の高分子液晶材料を製造する方法について説明する。
【0048】
本発明の高分子液晶材料に用いる高分子を合成するためには、従来公知の方法を用いればよく、その合成方法は特に限定されない。例えば、高分子が上記一般式(1)又は(2)にて表される構造を有するポリシランである場合には、後述する実施例のように、上記ポリシランの側鎖R1を有するケイ素化合物及び/又は側鎖R2を有するケイ素化合物と、側鎖R3を有する金属化合物であるグリニヤル試薬とを反応させてモノマーを得、該モノマーを重合させれば、本発明の高分子としてのポリシランを得ることができる。
【0049】
また、上記モノマーを重合させて得られる高分子の分子量分布(分子量分散Mw/Mn)を狭分子量分布(例えば1.20以下)とするためには、得られた高分子を沈殿分画法によって回収することが好ましい。例えば、本発明の高分子がポリシランである場合には、ポリシランは上述のように、極性基を分子内に有していない無極性高分子であるため、良溶媒にポリシランを溶解したポリシラン溶液に、少量ずつ貧溶媒を添加して、生じた沈殿を逐次回収する沈殿分画法によって、分子量分散が小さい高分子液晶材料を得ることができる。
【0050】
上記良溶媒及び貧溶媒は、高分子の構造に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。高分子がポリシランである場合には、例えば、良溶媒としては、トルエン、イソオクタン、n−デカン等の無極性溶媒を挙げることができる。また、貧溶媒としては、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、水等の極性溶媒を挙げることができる。なお、ポリシランの良溶媒溶液に添加する貧溶媒を2種以上用いてもよい。すなわち、極性の異なる貧溶媒を用いれば、沈殿するポリシランの重量平均分子量も異なる。そのため、目的とする重量平均分子量のポリシランを得るためには、所望する重量平均分子量を有するポリシランの沈殿が得られるように、貧溶媒を選択することが好ましい。このような沈殿分画法を用いれば、大規模な製造設備を必要とすることなく、また、簡便かつ安価に、大量の高分子を製造することができる。
【0051】
次に、本発明の高分子液晶材料の液晶相の層間隔制御方法について説明する。
【0052】
本発明の高分子液晶材料の液晶相の層間隔制御方法は、温度変化及び濃度変化のうちの少なくとも一方に応じて相構造が変化する高分子液晶材料からなる液晶相を有し、上記液晶相の相構造として、カラムナー液晶相と、スメクチック液晶相と、ネマチック液晶相とがあり、上記スメクチック液晶相の層間隔を任意の間隔に制御する液晶相の層間隔制御方法であって、上記高分子液晶材料は、重量平均分子量が互いに異なる2種類以上の高分子が混合されてなっており、上記混合する各高分子の混合比を変えることによって層間隔を制御するものである。また、上記混合前の各高分子の中から任意に選択した2種類の高分子の重量平均分子量の比が1.8より小さいことが好ましい。
【0053】
すなわち、上記製造方法にて製造した高分子を数回に分けて分別し、重量平均分子量が異なる複数の高分子を得る。これら複数種類の高分子から2種類以上の高分子を任意に選択し、選択した高分子の混合比を適宜変えながら共通溶媒に溶解させる。上記溶媒は、良溶媒であれば高分子の構造に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。その後、常温・常圧にて溶媒を蒸発させることにより、スメクチック液晶相の層間隔が制御された高分子液晶材料を得ることができる。
【0054】
また、上述したように、混合前の各高分子の中から任意に選択した2種類の高分子の重量平均分子量の比が1.8より小さい場合には、単一のスメクチック液晶相を形成し、その層間隔は混合する高分子の重量平均分子量及び混合比に依存する。したがって、作製する高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔が所望の層間隔となるように、混合する高分子の重量平均分子量及び混合比を適宜調節することによって、スメクチック液晶相の層間隔を自在に制御することが可能となる。すなわち、スメクチック液晶相の層間隔を自在に制御するためには、分別された重量平均分子量が異なる複数の高分子からなる群の中から、スメクチック液晶相の層間隔が所望の層間隔となるように、2種類以上の任意の重量平均分子量の高分子を選択して混合すればよく、また、選択した高分子の混合比を適宜変えることにより混合すればよい。
【0055】
また、上記各高分子は、β位置に分岐構造を有する側鎖を少なくとも1つ有しているとともに、二次構造が剛直棒状構造となっているポリシランであることが好ましく、上記ポリシランは、上記一般式(1)又は(2)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性であることが好ましい。さらに、上記混合前の各高分子の重量平均分子量は、10,000以上1,000,000以下であることが好ましい。
【0056】
すなわち、上記の方法にて用いる各高分子が上記の高分子である場合には、高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔を自在に制御することに加えて、得られた高分子液晶材料が剛直棒状構造を有するポリシランとなるため、温度変化によって液晶構造を形成するサーモトロピック液晶、又は、濃度変化によって液晶構造を形成するリオトロピック液晶として利用することができるとともに、カラムナー液晶相、スメクチック液晶相、ネマチック液晶相の3つ液晶相を含む相系列を有する高分子液晶材料とすることが可能となる。
【0057】
なお、本発明の高分子液晶材料は、スメクチック液晶相の層間隔が上記方法によって精密に制御されており、層間隔の一定の周期構造を10〜50nmとすることができる。この10〜50nmの一定の周期構造を有するようにスメクチック液晶相の層間隔を制御することは、これまでフォトリソグラフィー等のいわゆるトップダウンナノテクノロジーにより行うことは困難であり、一方、分子スケールで設計された自己組織化等のボトムアップナノテクノロジーによって行うことにおいても限られた例のみの報告しかない。本発明の液晶相の層間隔制御方法は、上記2つのナノテクノロジーの境界領域に位置しているものと考えられ、精密に制御されたナノテクノロジーでありながら、その方法は複数の高分子を単純に混合するだけという簡易な方法を用いることができる。さらに、本発明に用いる高分子として例えばポリシランを用いた場合では、ポリシラン自身が主鎖のσ共役による半導体となっていることに加えて、300℃程度で熱分解することによってワイドギャップ半導体であるシリコンカーバイドに変換させることが可能となる。したがって、本発明の方法によってスメクチック液晶相の層間隔を精密に制御することにより、得られたポリシランからなる高分子液晶材料を、回折格子や量子細線等のナノレベルの光/エレクトロニクスデバイスの構築に応用することが可能となる。
【0058】
【実施例】
〔原料モノマーの合成〕
本発明のポリシランを得るためのモノマーとして、n−デシル−(RS)−2−メチルブチルジクロロシランを、以下の手順で合成した。
【0059】
乾燥した300mLの三口フラスコにマグネシウム3.9g(0.16mol)を入れ、該三口フラスコ内をアルゴンで置換した。次いで、この三口フラスコに、THF(テトラヒドロフラン)50mLを注入し、70℃に加熱した後、ジブロモブタンを少量加えて撹拌し、マグネシウム表面を活性化した。続いて、滴下ロートから、1−クロロ−(RS)−2−メチルブタン14.3g(0.13mol)を滴下して2時間撹拌した後、室温まで冷却し、グリニヤル試薬を得た。
【0060】
次に、上記とは別の乾燥した300mLの三口フラスコに、THF50mLと、n−デシルトリクロロシラン44.25g(0.16mol)とを入れ、60℃まで加熱し、上記にて得たグリニヤル試薬のTHF溶液をゆっくり滴下した。得られた反応生成物を加圧濾過して、33.26gの粗生成物を得た。この粗生成物を減圧蒸留器(0.8mHg)を用い、沸点の違いを利用して、n−デシル−(RS)−2−メチルブチルジクロロシラン(沸点100℃(0.8mHg))と、上記n−デシルトリクロロシラン(沸点130℃(0.8mHg))とを蒸留分別し、原料モノマーを得た。
【0061】
〔ポリシランの合成〕
500mLの三口フラスコの容器内を十分に脱気し、アルゴンガスで置換した。このアルゴン置換された三口フラスコに、18−クラウンエーテル−6(34.0mg)を入れ、油浴上で120℃に加熱した。続いて、金属ナトリウム0.3g(12.84mmol)と、脱水トルエン50mLとを加え撹拌しながら、上記にて得られた原料モノマー2.0g(6.42mmol)をゆっくり滴下した。粘度が高くなり過ぎないように、適宜、脱水トルエンを加えて2時間撹拌した後、反応混合溶液を加圧濾過した。得られた精製前のポリマーの重量平均分子量を調べた結果、約800,000と約50,000にピークを有する二峰性であることが分かった。
【0062】
〔ポリマーの分別〕
次に、上記ポリマーをトルエンに加え、このトルエン溶液に少量のイソプロピルアルコールを添加して、高分子量を有するポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を遠心分離した後、加圧濾過して濾別し、真空乾燥を行い、分別サンプルとした。上記沈殿物を除去した残りの溶液についても、同様の操作を繰り返して分別サンプルを得、分子量の大きいポリマーから順次分別した。なお、上記トルエン溶液に添加する溶媒は、分別するポリマーの分子量が小さくなるにしたがってイソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、水の順に切り換えた。
【0063】
トルエン溶液に添加する溶媒の量を適宜増減することによって生成する沈澱量を調整し、分離量分布を制御した分別サンプルを得た。得られた分別サンプルの重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分散Mw/Mnを表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0003770397
【0065】
表1に示されるように、トルエン溶液に添加する溶媒を切り換えて沈殿を得ることにより、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分散Mw/Mnが徐々に小さくなることが分かる。これにより、各分別サンプル毎に重量平均分子量Mwを揃え、分子量分散Mw/Mnが1.20より小さい狭分散サンプルが得られたことが分かる。
【0066】
〔2種類の狭分散サンプルの混合〕
本実施例においては、高分子液晶材料を得るために、重量平均分子量が互いに異なる2種類のポリシランを混合する例について説明する。まず、上記にて得られたポリシランの狭分散サンプルのうち、重量平均分子量が互いに異なる2種類のポリシランを選択し、両ポリシランを良溶媒であるクロロホルムに溶解した後に、クロロホルムを常温・常圧にてゆっくり蒸発させた。これにより、重量平均分子量が互いに異なる2種類のポリシランを含む高分子液晶材料からなるキャストフィルムを得た。
【0067】
〔小角X線散乱測定〕
上記キャストフィルムを用いて、高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔(レイヤースペーシング)を求めるために、小角X線散乱測定を行った。その結果を図1に示す。図1は、混合した2種類のポリシランのうち、重量平均分子量が小さい方のポリシランのみからなる高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔に対する、2種類のポリシランを混合した高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔の比と、2種類のポリシランの重量平均分子量の比との相関を示すグラフである。
【0068】
図1に示すように、混合する2種類のポリシランの重量平均分子量の比が増大していくと、それに応じてスメクチック液晶相の層間隔の比が線形状に増加していくことが分かる。すなわち、混合する2種類のポリシランの重量平均分子量の差を大きくしていくにつれて、高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔が大きくなっていくことが分かる。
【0069】
また、図1に示すように、混合する2種類のポリシランの重量平均分子量の比が1.8より小さい場合には、スメクチック液晶相の層間隔の比を示す小角X線反射が1つだけ観測される。したがって、2種類のポリシランによって1つのスメクチック液晶相が構成されており、そのスメクチック液晶相の層間隔は一定であることが分かる。一方、混合する2種類のポリシランの重量平均分子量の比が1.8以上の場合には、スメクチック液晶相の層間隔の比を示す小角X線反射が同時に2つ観測されるようになる。これは、2種類のポリシランが、各々単独で一定の層間隔を有するスメクチック液晶相を形成しているものと考えられる。
【0070】
ここで、一例として、重量平均分子量の比が1.8より小さい2種類のポリシラン(Sample10及びSample16)を選択して、各々の混合比率を変えて混合した複数の混合サンプルを作成し、これら混合サンプルの層間隔について調べた。その結果を図2に示す。図2は、上記混合サンプルのスメクチック液晶相の層間隔と、混合した2種類のポリシランの混合比との相関を示すグラフである。
【0071】
図2に示すように、混合する2種類のポリシランのうち、重量平均分子量の大きいポリシラン(Sample16)の比率を高くしていくにつれて、混合サンプルのスメクチック液晶相の層間隔が増大していく関係性が観察された。すなわち、混合するポリシランの混合比を任意に変化させることによって、スメクチック液晶相の層間隔を任意に制御することが可能となることを示している。なお、図2における混合比0.4付近に観察される段差は、混合サンプル中の分子量比が小さい領域にて、スメクチック液晶相とコレステリック液晶相との相分離が起こっていることが考えられるものの、この場合においても同様に、混合するポリシランの混合比を任意に変化させることによって、スメクチック液晶相の層間隔を任意に制御することが可能である。
【0072】
上記の実施例より、重量平均分子量の異なる2種類のポリシランを、比率を任意に変化させて混合することによって、スメクチック液晶相の層間隔を制御した高分子液晶材料を得ることができることが示された。
【0073】
【発明の効果】
本発明の高分子液晶材料は、以上のように、重量平均分子量が互いに異なる複数種類の高分子を混合してなる高分子液晶材料であって、上記混合前の各高分子の中から任意に選択した2種類の高分子の重量平均分子量の比が1.8より小さい構成である。上記構成によれば、高分子液晶材料は、単一のスメクチック液晶相を形成し、その層間隔は混合する高分子の重量平均分子量及び混合比に基づいた層間隔となっている。すなわち、上記混合する高分子の重量平均分子量及び混合比を適宜調節することによって、スメクチック液晶相の層間隔を所望の層間隔となるように制御された高分子液晶材料とすることができるという効果を奏する。
【0074】
また、本発明の高分子液晶材料は、上記構成に加え、上記各高分子は、β位置に分岐構造を有する側鎖を少なくとも1つ有しているとともに、二次構造が剛直棒状構造となっているポリシランである構成としてもよく、上記ポリシランは、上記一般式(1)又は(2)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性である構成としてもよい。上記の構成によれば、温度変化によって液晶構造を形成するサーモトロピック液晶、又は、濃度変化によって液晶構造を形成するリオトロピック液晶として利用することができるという効果を奏する。また、上記高分子液晶材料は、層間隔が精密に制御された単一のスメクチック液晶相を形成することが可能となるという効果を併せて奏する。さらに、上記高分子液晶材料は、光学活性な物質を用いる必要がないので、製造コストを低減することが可能になるという効果を併せて奏する。
【0075】
また、本発明の高分子液晶材料は、上記構成に加え、上記混合前の各ポリシランの重量平均分子量は、10,000以上1,000,000以下である構成としてもよい。上記構成によれば、カラムナー液晶相、スメクチック液晶相、ネマチック液晶相の3つ液晶相を含む相系列を有する高分子液晶材料を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子液晶材料における、混合した2種類のポリシランのうち、重量平均分子量が小さい方のポリシランのみからなる高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔に対する、2種類のポリシランを混合した高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔の比と、2種類のポリシランの重量平均分子量の比との相関を示すグラフである。
【図2】本発明の2種類のポリシランを混合した高分子液晶材料のスメクチック液晶相の層間隔と、混合した2種類のポリシランの混合比との相関を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 重量平均分子量が互いに異なる2種類の高分子を混合してなる高分子液晶材料であって、
    上記各高分子は、β位置に分岐構造を有する側鎖を少なくとも1つ有しているとともに、二次構造が剛直棒状構造となっているポリシランであり、
    上記ポリシランは、一般式(1)
    Figure 0003770397
    (式中、側鎖R1及び側鎖R2はそれぞれ独立して、炭素数が2以上22以下のアルキル基又は炭素数が8以上28以下のフェニルアルキル基であり、側鎖R3はβ位置に分岐構造を有するβ位分岐アルキル基であり、m,nはそれぞれ正数であり、pは自然数である)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性であるとともに、
    重量平均分子量をMwとし、数平均分子量をMnとした場合の分子量分散Mw/Mnが1.20以下であり、
    上記混合前の各ポリシランの重量平均分子量の比が1.8より小さいことを特徴とする高分子液晶材料。
  2. 重量平均分子量が互いに異なる2種類の高分子を混合してなる高分子液晶材料であって、
    上記各高分子は、β位置に分岐構造を有する側鎖を少なくとも1つ有しているとともに、二次構造が剛直棒状構造となっているポリシランであり、
    上記ポリシランは、一般式(2)
    Figure 0003770397
    (式中、側鎖R1及び側鎖R2はそれぞれ独立して、炭素数が2以上22以下のアルキル基又は炭素数が8以上28以下のフェニルアルキル基であり、側鎖R3はβ位置に分岐構造を有するβ位分岐アルキル基であり、1≧x≧0であり、pは自然数である)にて表される一次構造を有し、かつ光学不活性であるとともに、
    重量平均分子量をMwとし、数平均分子量をMnとした場合の分子量分散Mw/Mnが1.20以下であり、
    上記混合前の各ポリシランの重量平均分子量の比が1.8より小さいことを特徴とする高分子液晶材料。
  3. 上記混合前の各ポリシランの重量平均分子量は、10,000以上1,000,000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子液晶材料。
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