JP3770055B2 - 工場診断方法とその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体装置の製造ラインにおけるような、工程数が多く、用いられる製造装置が複雑で多機能化して一つの設備で複数の品種・工程を処理したり、用いる設備が制限されるような製造形態をもつ工場において、現状の的確な診断と最適な生産計画を実現する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体製造ラインのような工程数が多く、同一の設備を複数の工程で共有して使用し、さらに、工程によって使用する設備の制限があるような設備形態の工場においては、工場がおかれている現在の状況を判断することが難しくなっている。そのため、工場の生産能力を上げるためには、担当者の経験によって設備の稼働状況などから設備の増設を行っているのが実状である。
【0003】
また、将来の生産計画に対する施策も生産工場における現状と同様である。つまり、担当者が経験を基にして目標となる生産能力や手番を考慮し、設備の不足分については設備能力をみて余裕をもって追加したり、手番については設備を多めに導入したりしており、テータ作成のためにかなりの工数を要していた。ここで、手番とは、生産工場において、一連の製造工程を経由して製品が完成するに要する工数、つまり時間である。
さらに、不明確な要素が多いため、目標値や前提となる方針に安易に合わせてしまい、結果として目標を達成できない状況にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術においては、生産能力と手番の関係を把握することが難しいため、現在の状況を知るためには、設備の稼働率、納期遅れ、生産量などから判断するしかなかった。そのため、工場としては、設備の状況について、今後どうなりそうか、どうなる可能性が高いかといった予測を含めての状況判断をすることができていなかった。つまり、現在の状況とその状況が変化したときの状態変化を予測することができなかった。
【0005】
このような現状の把握を可能にするためには、現状である実績と工場の状況を比較してどのような状況に推移できそうかを容易に推測できる仕組みや評価が容易にできる目標指標が必要となる。
【0006】
また、生産計画については、予測が困難なために工場の努力目標になり勝ちな目標生産能力とか手番とかについて、目標を達成するための施策過程が効果予測とともに事前に示され、必要な費用についても容易に算出できることが必要となる。
【0007】
そこで本発明は、工場に配設された複数の製造設備の処理能力と手番との関係から得られる処理能力/手番曲線から3本の直線で近似した処理能力/手番診断グラフを形成し、工場の現状や将来の目標となる現状指示点や目標指示点が処理能力/手番診断グラフ上のどの診断領域に存在するかによって、工場診断を行う工場診断方法とその装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上で述べた課題を解決する第一の発明は、請求項1において、複数の製造設備の処理能力と実際の処理作業に要する時間を示す手番との関係を、該製造設備を組み合わせた種々の処理能力を変数として該処理作業を複数回繰り返して多点情報を求めて、横軸が処理能力と縦軸が手番の処理能力/手番曲線を作成し、該処理能力/手番曲線の処理能力を該処理能力過剰と適正と不足の3個の領域に三分割して3本の直線分で近似し、処理能力/手番診断グラフを形成する工程と、工場の現状の処理能力と手番との関係を示す現状指示点を該処理能力/手番診断グラフ上に打点(プロット)してどの該領域に位置するかを比較し、安定判別を行う比較工程とを含む工場診断方法である。
【0009】
次いで、第二の発明は、請求項2において、縦軸の該手番を該処理能力/手番診断グラフで上下に2分割し、かつ、横軸の該処理能力を該処理能力/手番診断グラフの該3本の直線分の2個の屈折点で3分割して、処理能力と手番との関係を6個の診断領域に分割する工程と、該処理能力と該手番とを達成するに要するそれぞれの診断領域に最適な製造設備の過不足台数を算出する工程と、該処理能力/手番診断グラフ上に目標を示す目標指示点を打点し、どの該診断領域に打点されたかによって設備計画を算出する工程とを含む請求項1記載の工場診断方法である。
【0010】
次いで、第三の発明は、請求項3において、工場における処理能力と手番との関係の現状を示す現状指示点を該処理能力/手番診断グラフ上に打点してどの該診断領域かを比較し、改善計画を策定する比較工程と、該改善計画を複数の該製造設備を組み合わせた種々の該処理能力を変数として処理作業を複数回繰り返して該現状指示点を最適な該診断領域に移行可能な条件を予測する工程とを含む請求項1記載の工場診断方法である。
【0011】
次いで、第四の発明は、請求項4において、複数の製造設備の処理能力と実際の処理作業に要する時間を示す手番との関係を、該製造設備を組み合わせた種々の処理能力を変数として該処理作業を複数回繰り返して多点情報を求めて、横軸が処理能力と縦軸が手番の処理能力/手番曲線を描画する動的シミュレーション手段と、該処理能力/手番曲線の、横軸の該処理能力を該処理能力過剰と適正と不足の3個の領域に三分割して3本の直線分で近似した処理能力/手番診断グラフと、縦軸の該手番を該処理能力/手番診断グラフで上下に2分割し、かつ、横軸の該処理能力を該処理能力/手番診断グラフの該3本の直線分の2個の屈折点で3分割して、該処理能力と該手番との関係を6個の診断領域に分割して描画する処理能力/手番診断グラフ作成手段と、該処理能力と該手番とから工場の現状または目標のそれぞれを示す現状指示点または目標指示点を算出する指示点算出手段と、該処理能力と該手番とを達成するに要する該診断領域のそれぞれに最適な設備の過不足台数を算出したり、処理能力と手番との目標を示す目標指示点を該診断領域に打点して設備計画を算出する静的シミュレーション手段と、該現状指示点または該目標指示点を該処理能力/手番診断グラフ上で比較する指示点比較手段とを少なくとも有する工場診断装置である。
【0012】
すなわち、第一の発明は、図1に示すように、製造工場に設置された複数の製造設備の処理能力と手番との関係を、該処理能力を変数として複数回繰り返して多点情報を求める。
【0013】
処理能力と手番との関係は、製造工場が半導体装置の製造工場を例に採れば、図2に示したように、横軸の処理能力は、こゝでは任意単位で表しているが、例えば、月当たりの半導体ウェーハの処理枚数などである。縦軸の手番は、いわゆるリードタイムで、こゝでは任意単位で表しているが時間軸であり、例えば、半導体装置を製造するためのいわゆるウェーハプロセスに要する日数などを表している。こうして、破線で示す処理能力/手番曲線を作成する。
【0014】
この処理能力/手番曲線は、製造設備の台数が増えて処理能力が増加するとともに次第に立ち上がるスーパリニア形の曲線となる。そこで、この処理能力/手番曲線を三分割して3本の直線分で近似すれば、処理能力/手番曲線を3種類の診断領域、すなわち、診断領域:A、B、Cに分割した実線で示す処理能力/手番診断グラフに置き換えることができる。
【0015】
ところで、診断領域:Aは、処理能力が小さいのは製造設備が過剰で設備の稼働効率が悪く、手番も処理能力に比して長い状態を示し、適正ではなく見直しが必要と診断される領域である。診断領域:Bは、設備の稼働率も手番も適正と診断できる領域である。診断領域:Cは、処理能力が不足し手番も長くて、安定した生産ができない危険領域と診断される領域である。
【0016】
一方、工場の設備設備の処理能力と手番との関係の現状を示す現状指示点を該処理能力/手番診断グラフ上に打点(プロット)すれば、現状指示点がどの診断領域にあるかによって、工場の現状を工場診断し、製造設備などの安定判別を容易に行うことができる。
【0017】
第二の発明は、図2に示すように、縦軸に示す手番を処理能力/手番診断グラフで上下に2分割し、横軸に示す処理能力を処理能力/手番診断グラフの2個の屈折点で3分割して、処理能力と手番との関係を6個の診断領域に分割する。
【0018】
つまり、第一の発明で図2に示した処理能力/手番診断グラフの3種類の診断領域:A、B、Cを、さらに、処理能力/手番診断グラフによって上下に2分割して6種類の診断領域:A1、A2、B1、B2、C1、C2に領域分けする。そして、手番を達成するに要するそれぞれの診断領域に最適な設備の過不足台数を算出する。診断領域:A1、A2、B1、B2、C1、C2のそれぞれの状態と対応する施策は定性的に示すことができる。
【0019】
次いで、図3に示すように、目標となる処理能力と手番との関係を示す目標指示点を該診断領域に打点すれば、目標を達成するためにどのような設備計画をすればよいかを容易に診断することができる。
【0020】
第三の発明は、工場における処理能力と手番との関係の現状を示す現状指示点を該診断領域に打点して比較し、改善計画を策定する。
【0021】
次いで、現状指示点を図4に示した矢印の方向の最適な診断領域に移行するように処理能力を変数として複数回繰り返えす。こうして、その改善計画の条件が、設備計画やそれに伴う図3で制約条件で表した資金計画、手番などが妥当で実行可能であるかを容易に予測することができる。
【0022】
第四の発明は、第一〜第三の発明のそれぞれで説明した工場診断方法を実施するための工場診断装置に関わるものである。
【0023】
つまり、本発明になる工場診断装置は、少なくとも五つの手段からなり、動的シミュレーション装置は、複数の製造設備の処理能力と手番との関係を、処理能力を変数として複数回繰り返して多点情報を求めて処理能力/手番曲線を描画するものである。
【0024】
処理能力/手番診断グラフ作成装置は、処理能力/手番曲線を三分割して3本の直線分で近似して処理能力/手番診断グラフを作成し、かつ、該処理能力を該処理能力/手番診断グラフで上下に2分割し、該手番を該処理能力/手番診断グラフの2個の屈折点で3分割して、処理能力と手番との関係を6個の診断領域に分割して描画するものである。
【0025】
指示点算出手段は、工場に設置されている製造設備の処理能力と手番とを条件入力して、工場の現状を示す現状指示点を算出したり、または、工場の将来の生産計画に呼応した目標となる処理能力と手番とを条件入力して、目標指示点を算出するものである。
【0026】
静的シミュレーション手段は、処理能力該手番とを達成するに要するそれぞれの診断領域に最適な設備の過不足台数を算出したり、処理能力と手番との目標を示す目標指示点を診断領域に打点して設備計画を算出するものである。
【0027】
指示点比較手段は、現状指示点または目標指示点を処理能力/手番診断グラフ上で比較して、現状指示点が診断領域のどこに位置しているか、改善策は何か、目標指示点が実施可能であるかなどの比較診断を行うものである。
【0028】
動的シミュレーション手段や処理能力/手番診断グラフ作成手段、指示点算出手段、静的シミュレーション手段、指示点比較手段は、それぞれの手段を実行するソフトウエアと、そのソフトウエアによって作動するパーソナルコンピュータと入出力装置から構成される。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例の診断工程図、図2は処理能力/手番診断グラフと診断領域との関係図、図3は処理能力/手番診断グラフ上における現状指示点、図4は本発明の第2の実施例の診断工程図、図5は本発明の第2の実施例の上期における処理能力/手番診断グラフの説明図、図6は本発明の第2の実施例の処理能力/手番診断グラフ(設備投資の制約あり)の説明図、図7は本発明の第2の実施例の最終結果の処理能力/手番診断グラフ(設備投資の制約なし)の説明図である。
【0030】
図中、1は動的シミュレーション手段、2は処理能力/手番診断グラフ作成手段、3は指示点算出手段、4は静的シミュレーション手段、5は指示点比較手段である。
〔実施例1〕
こゝで例示する工場は、半導体装置を製造するもので、より詳しくは、半導体ウェーハを処理するいわゆるウェーハプロセスを行う工場である。従って、処理能力は月当たりのウェーハの処理枚数つまり「ウェーハ/月」、手番は「日」を単位としている。
【0031】
現在の工場における処理能力と手番との関係がどのような状態になっているかを診断する。そのためには、まず、図1の診断工程図において、処理能力、つまり複数の製造装置の台数や稼働状況などの条件を種々変動させて処理能力と手番との関係を繰り返し動的シミュレーションを行い多点情報を収集する。その多点情報から処理能力/手番曲線を作成し、さらに、その処理能力/手番曲線を3本の直線分によって近似し、図2に示したように処理能力/手番診断グラフを作成する。
【0032】
処理能力/手番診断グラフは、手番を処理能力/手番診断グラフで上下に2分割し、処理能力を処理能力/手番診断グラフの2個の屈折点で3分割して、処理能力と手番との関係を6個の診断領域、つまり、診断領域:A1、A2、B1、B2、C1、C2に分割する。そうすると、それぞれの診断領域が、工場のどのような状態に対応し、どのような施策をしなければならないかを課題提起してくれる。その具体的な診断領域の内容を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
一方、現在の工場における処理能力と手番との関係は、実際の複数の製造装置がどのような状態であるかを指示点算出する。つまり、現状が処理能力/手番診断グラフ上のどの診断領域に位置するかを現状指示点:○として算出する。
【0035】
表2は、工場の現状を示す静的シミュレーションによって得られた設備別限界能力表の一例である。
【0036】
【表2】
【0037】
表2から、現在の工場における限界生産能力は、6万ウェーハ/月であることが分かる。また、現状の手番は40日である。さらに、ステッパとコータが隘路となる設備(ボトルネック)であることが分かる。
【0038】
また、図3は、現状指示点:○を処理能力/手番診断グラフ上に打点(プロット)したものである。診断領域は斜線で陰影をつけた診断領域:B1であり、現状指示点がこの診断領域にあるということは、工場における現在の処理能力と手番との関係は適正な状態であると診断できる。現状指示点が、診断領域:B1と異なる診断領域に位置すれば、表1から現在の状態が即座に診断できる。
〔実施例2〕
次に、目標を設定し、その目標に対して、現状の処理能力と手番とをどのように改善すれば良いかを静的シミュレーションしてみる。その診断工程は、図4の診断工程図に示すとおりである。
【0039】
診断工程の前段は、図1に示した工場の現状を示す処理能力/手番診断グラフを作成する工程と同一であるが、設定した目標から算出した目標指示点を処理能力/手番診断グラフの上でどのように移動させて目標達成に向かうかという診断工程の後段が加わる。表3には第2の実施例で設定した目標値を示す。
【0040】
【表3】
【0041】
表3から、設定した目標は、処理能力が6万ウェーハ/月→13万ウェーハ/月に増大させ、手番が40日→約30日に短縮することである。そして、達成する期間は、暫定案として上期と下期に分けることにする。
【0042】
つまり、上期には、処理能力を10万ウェーハ/月に増大させ、手番を35日に短縮することにし、下期には、処理能力を15万ウェーハ/月に増大させ、手番を30日に短縮することにする。さらに、設備投資の限度額を上期は50億円、下期は30億円とする。設備投資に対する制約は、図4の診断工程図においては比較手段としてサブルーチン化して図示してある。
【0043】
この上期の目標を指示点算出して目標指示点を求め、処理能力/手番診断グラフ上に打点(プロット)した結果を図5に示す。処理能力/手番診断グラフ上の目標指示点:◎は、図2に示した処理能力/手番診断グラフと診断領域との関係によれば、現状指示点:○からみて診断領域:C2に相当する領域にある。しかも、診断領域:C2は、表1に示した診断領域の状態と施策方針によれば、状態は処理能力不足であり、隘路となる設備のみの投資、あるいは大幅な設備投資が施策として必要であると判断できる。
【0044】
そこで、積極的な設備投資を行うこととして、処理能力増大のための静的シミュレーションを行った結果を表4に示す。こゝでは、それぞれの設備の限界能力から不足能力を算出し、増設の必要な設備を摘出する。この段階では、必要とする投資金額が50億円となり、目標設定の当初に上期で暫定した投資限度が表3から50億円なので追加投資は行わない。
【0045】
【表4】
【0046】
次いで、表4の処理能力増大の条件で、動的シミュレーションを行って手番を算出すると36日となり、表3から目標設定の当初に上期で暫定した目標手番の35日を達成していない。下期についても、同様のシミュレーションを行う。上期/下期それぞれのシミュレーション結果を図6に示す。
【0047】
このシミュレーション結果から、上期は手番が達成できず、下期は処理能力が13万ウェーハ/月、手番が34日となり、表3に示した当初の目標を達成することができないことが分かる。
【0048】
表5には、表3に示した暫定条件から投資限度の金額を除いて処理能力増大のための静的シミュレーションを行った結果である。この表5から、上期は投資金額が60億円、下期が38億円で目標達成することが分かる。
【0049】
【表5】
【0050】
このシミュレーション結果から、表3に示した当初の暫定目標のうち、上期は処理能力を10万ウェーハ/月、手番を36日、設備投資額を50億円とし、下期は処理能力を14万ウェーハ/月、手番を31日と修正して、下期の設備投資額は制限なしの条件で、再度シミュレーションを行う。
【0051】
上期については、図5で示したように上期の目標指示点が診断領域C2であったが、下期についても、図示してないが、指示点算出によって処理能力/手番診断グラフ上での下期の目標指示点は診断領域C2となる。そこで、表1から設備投資を積極的に行う方針が適当であると判断し、処理能力の増大、つまり製造設備の増設を行う。
【0052】
表2に示した静的シミュレーションから得られる設備別の処理能力限界から設備の不足能力を算出し、増設の必要な設備を摘出する。
【0053】
次いで、この設備条件で動的シミュレーションを行い、手番を算出する。その結果、算出された手番は33日となり、設備投資制限がないため追加投資を試みる。こゝでは、動的シミュレーションの結果から待ち時間の多い高稼働設備を隘路となる設備として検出し、追加する。
【0054】
次いで、この設備条件で動的シミュレーションを行い、手番を算出する。図7は最終的な結果を示す処理能力/手番診断グラフである。下期は、処理能力が14万ウェーハ/月、手番が31日、設備投資が35億円となり、生産戦略上は、この結果が最良解となる。
【0055】
このような製造工場における戦略的な生産計画を自動で瞬時に求めるには、本発明になる工場診断装置を用いて行うことができる。この工場診断装置は、少なくとも四つの手段からなる。
【0056】
まず、複数の製造設備の処理能力と手番との関係を、該処理能力を変数として複数回繰り返して多点情報を求めて処理能力/手番曲線を描画する動的シミュレーションを動的シミュレーション手段1によって行う。
【0057】
次いで、処理能力/手番曲線を三分割して3本の直線で近似して処理能力/手番診断グラフと、該処理能力/手番診断グラフで該処理能力を上下に2分割し、処理能力該処理能力/手番診断グラフの2個の屈折点で3分割して、処理能力と手番との関係を6個の診断領域に分割して描画することは、処理能力/手番診断グラフ作成手段2によって行う。
【0058】
次いで、処理能力と手番とから工場の現状または目標のそれぞれを示す現状指示点または目標指示点を算出することは、指示点算出手段3によって行う。
【0059】
次いで、処理能力と手番とを達成するに要するそれぞれの診断領域に最適な設備の過不足台数を算出したり、処理能力と手番との目標を示す目標指示点を該診断領域に打点して設備計画を算出したすることは、静的シミュレーション手段4によって行う。
【0060】
次いで、現状指示点または目標指示点を処理能力/手番診断グラフ上でどの診断領域に位置するかを比較、判定する指示点比較は指示点比較手段5によって行う。
【0061】
これら五つの動的シミュレーション手段1、処理能力/手番診断グラフ作成手段2、指示点算出手段3、静的シミュレーション手段4および指示点比較手段5は、それぞれの手段を実行するソフトウエアと、そのソフトウエアによって作動する例えばパーソナルコンピュータと入出力装置とから構成される。
【0062】
こゝでは、半導体装置を製造する工場を例に採り、ウェーハプロセスにおけるウェーハの処理能力とウェーハプロセスに要する手番との関係を例示したが、本発明は、いろいろな製品を製造するための設備と製造手番を要する工場に適用することができ、種々の変形が可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、工程数が多く、設備の割り付けが複雑な、例えば、半導体装置の製造工場においても、容易に、かつ迅速に、工場の現状が具体的に把握できる。また、今後の戦略的な生産計画に係わる方針や実施した際の効果の推定も行うことができる。
【0064】
その結果、精度の高い設備投資、工場設備の処理能力の把握、素早い戦略的な生産の実行などが可能となり、本発明は、半導体装置をはじめとするいろいろな製品の製造工場における生産性の飛躍的な向上に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の診断工程図である。
【図2】 処理能力/手番診断グラフと診断領域との関係図である。
【図3】 処理能力/手番診断グラフ上における現状指示点である。
【図4】 本発明の第2の実施例の診断工程図である。
【図5】 第2の実施例の上期における処理能力/手番診断グラフの説明図である。
【図6】 第2の実施例の処理能力/手番診断グラフ(設備投資の制約あり)の説明図である。
【図7】 第2の実施例の最終結果の処理能力/手番診断グラフ(設備投資の制約なし)の説明図である。
【符号の説明】
1 動的シミュレーション手段
2 処理能力/手番診断グラフ作成手段
3 指示点算出手段
4 静的シミュレーション手段
5 指示点比較手段
Claims (6)
- 複数の製造設備の処理能力と実際の処理作業に要する時間を示す手番との関係を、該製造設備を組み合わせた種々の処理能力を変数として該処理作業を複数回繰り返して多点情報を求めて、横軸が処理能力と縦軸が手番の処理能力/手番曲線を作成し、該処理能力/手番曲線の処理能力を該処理能力過剰と適正と不足の3個の領域に三分割して3本の直線分で近似し、処理能力/手番診断グラフを形成する工程と、
工場の現状の処理能力と手番との関係を示す現状指示点を該処理能力/手番診断グラフ上に打点してどの該領域に位置するかを比較し、安定判別を行う比較工程と
を含むことを特徴とする工場診断方法。 - 縦軸の該手番を該処理能力/手番診断グラフで上下に2分割し、かつ、横軸の該処理能力を該処理能力/手番診断グラフの該3本の直線分の2個の屈折点で3分割して、処理能力と手番との関係を6個の診断領域に分割する工程と、
該処理能力と該手番とを達成するに要するそれぞれの診断領域に最適な製造設備の過不足台数を算出する工程と、
該処理能力/手番診断グラフ上に目標を示す目標指示点を打点し、どの該診断領域に打点されたかによって設備計画を算出する工程と
を含むことを特徴とする請求項1記載の工場診断方法。 - 工場における処理能力と手番との関係の現状を示す現状指示点を該処理能力/手番診断グラフ上に打点してどの該診断領域かを比較し、改善計画を策定する比較工程と、
該改善計画を複数の該製造設備を組み合わせた種々の該処理能力を変数として処理作業を複数回繰り返して該現状指示点を最適な該診断領域に移行可能な条件を予測する工程と
を含むことを特徴とする請求項2記載の工場診断方法。 - 複数の製造設備の処理能力と実際の処理作業に要する時間を示す手番との関係を、該製造設備を組み合わせた種々の処理能力を変数として該処理作業を複数回繰り返して多点情報を求めて、横軸が処理能力と縦軸が手番の処理能力/手番曲線を描画する動的シミュレーション手段と、
該処理能力/手番曲線の、横軸の該処理能力を該処理能力過剰と適正と不足の3個の領域に三分割して3本の直線分で近似した処理能力/手番診断グラフと、縦軸の該手番を該処理能力/手番診断グラフで上下に2分割し、かつ、横軸の該処理能力を該処理能力/手番診断グラフの該3本の直線分の2個の屈折点で3分割して、該処理能力と該手番との関係を6個の診断領域に分割して描画する処理能力/手番診断グラフ作成手段と、
該処理能力と該手番とから工場の現状または目標のそれぞれを示す現状指示点または目標指示点を算出する指示点算出手段と、
該処理能力と該手番とを達成するに要する該診断領域のそれぞれに最適な設備の過不足台数を算出したり、処理能力と手番との目標を示す目標指示点を該診断領域に打点して設備計画を算出する静的シミュレーション手段と、
該現状指示点または該目標指示点を該処理能力/手番診断グラフ上で比較する指示点比較手段と
を少なくとも有することを特徴とする工場診断装置。 - 複数の製造設備の処理能力と実際の処理作業に要する時間を示す手番との関係に基づいて、処理能力/手番曲線を作成する工程と、
該処理能力/手番曲線を、処理能力に応じて、処理能力過剰領域と適正領域と不足領域の三つの領域に三分割して処理能力/手番診断グラフを作成する工程と、
現状の処理能力、手番に従って、該処理能力/手番診断グラフに現状指示点を打点する工程と、
該現状指示点が、該三つの領域の何れに位置するかに応じて、処理能力過剰、適正、不足かを診断する工程と
を含むことを特徴とする工場診断方法。 - 該処理能力/手番診断グラフを作成する工程は、さらに、該処理能力 /手番曲線上の手番に応じて二つの領域に分割することによって、六つの診断領域を作成する工程を含み、
さらに、該処理能力と手番とを達成するに要するそれぞれの診断領域に最適な製造設備の過不足数を算出する工程と、
目標とする処理能力、手番に従って、該処理能力/手番診断グラフに目標指示点を打点する工程と、
該目標指示点が、該六つの領域の何れに位置するかに応じて、設備計画を判断する工程と
を含むことを特徴とする請求項5記載の工場診断方法。
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