JP3768976B2 - Fluorescent lamp - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光ランプやHIDは、高効率で発光するランプとして広く知られている。
蛍光ランプは、水銀及び希ガスが封入され内面に蛍光体が被着された発光管を備えており、発光管内で放電させることによって水銀の励起放射による254nmを主体とする紫外線を発生し、その紫外線で蛍光体を励起して可視光を放射することによって発光光束を得る。この蛍光ランプのタイプとしては、従来から直管形や環形が一般的であるが、この他に電球形やコンパクト形等も近年普及してきている。
【0003】
一方、HIDは、100〜1000kPaの水銀蒸気中で放電することによって発光する高圧水銀ランプ、放電に伴ってハロゲン化金属が金属原子とハロゲン原子に解離し金属原子で可視光を励起放射することによって発光するメタルハライドランプ、ナトリウム蒸気中で放電することによって発光する高圧ナトリウムランプを総称したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような蛍光ランプやHIDにおいて、基本的な性能として、消費電力が低く且つ高光束が得られ、寿命も長いことが求められており、そのための開発がなされている。
例えば、蛍光ランプの長寿命化に関するものとして、特開平11−167899号公報において、従来のソーダガラスを用いた場合、蛍光ランプ製造時或は点灯時にガラスから溶出してくるナトリウムが水銀と反応することによって蛍光ランプの輝度低下が生じやすいという点に着目し、従来のソーダガラスよりもアルカリが溶出しにくいガラスを用いて蛍光ランプの輝度低下を抑える技術が開示されている。
【0005】
また、蛍光ランプにおいて低消費電力で高光束を得るために、例えば、蛍光体の輝度をより高くするための研究がなされているし、発光管を細管化することによって放電長さを確保する開発もなされている。
このような研究開発に伴って、蛍光ランプやHIDの性能も高まっているが、近年、これらの性能に対する要請が一層高まっており、その要求に応えるために、更に消費電力を低下させたり高光束を得ることを可能とする技術が望まれている。
【0006】
本発明は、このような背景のもとでなされたものであって、蛍光体ランプにおいて、その発光効率を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、蛍光ランプにおいて、蛍光体層の厚みを20μm未満とし、保護層に、タリウム、スズ、鉛、ビスマスから選択される元素の酸化物を、当該保護層の母材となる金属酸化物に0.01wt%以上0.5wt%以下溶け込ませることとした。
【0008】
上記本発明の蛍光ランプによれば、蛍光管内における水銀蒸気中での放電に伴って発生するピーク波長254nmの励起紫外線が、励起発光成分に照射されることによってより長波長の紫外線及び可視光が励起放射され、この紫外線により蛍光体層で2次的な可視光の励起放射がなされる。この作用によって、水銀の励起による紫外線が発光光束に利用される利用効率が向上される。そして、励起発光成分が含まれない従来品と比べて、発光光束を2%以上向上させることができる。ここで、励起発光成分は、保護層の母材となる金属酸化物に溶け込んでいることが、ガラス管や保護層の可視光透過率を高く維持する上で好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の一実施形態に係るコンパクト形蛍光ランプの外観を示す図である。
この蛍光ランプは、蛍光管10が口金20に固着されて構成されており、当該蛍光管10は、内面側が蛍光体層12で被覆された6本の直管状のガラス管(ガラスバルブ)10で形成されている。
【0012】
この蛍光管10において、6本のガラス管11は、隣り合うものどうしが端部でブリッジ接合されることによって、内部に1本の放電空間が形成されるように連結され、当該放電空間内にアルゴンなどの希ガスと水銀とが封入されている。また、蛍光管10において、この放電空間の両端部に電極(不図示)が取り付けられている。
【0013】
口金20内には、蛍光管10を点灯させるための点灯回路(不図示)が設けられている。
図2は、蛍光管10を輪切りにした断面図である。
ガラス管11は、ソーダガラスで形成されているが、ソーダガラスの組成中には、波長254nmの紫外線により励起して紫外並びに可視域に発光する成分(励起発光成分)が含まれている。
【0014】
この励起発光成分としては、4A,5A,6A族に属する元素の酸化物、3B,4B,5B族に属する元素の酸化物、及びランタノイドに属する元素の酸化物が挙げられる。
上記「4A,5A,6A族に属する元素」の具体例としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)が挙げられる。
【0015】
上記「3B,4B,5B族に属する元素」の具体例としては、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)が挙げられる。
上記「ランタノイドに属する元素」の具体例としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)が挙げられる。
【0016】
このようなガラス管11は、通常のソーダガラス材料を溶解する前に、上記元素の酸化物の粉末を添加し、この混合物を溶解,成形することによって作製できる。
蛍光体層12は、3波長域発光形蛍光体が、ガラス管11の内面に塗着されて形成された層である。
【0017】
なお、ガラス管11の厚みや蛍光体層12の厚みの好ましい範囲については、後で説明する。
(作用・効果について)
図3は、上記蛍光ランプの発光メカニズムを説明する図である。
本実施形態の蛍光ランプにおいて、発光光束が生じる主なメカニズムは、従来の蛍光ランプと同様である。即ち、点灯回路によって蛍光管10の電極に電圧が印加されると、蛍光管10内部の放電空間で放電が生じ、その放電に伴って、蛍光管10の内部では、水銀および希ガスが励起されて紫外線UV1(主波長254nm)が発生する。そして、発生した紫外線UV1が蛍光体層12に照射されると、蛍光体が励起されて可視光V1(波長400nm程度以上)が発生する。この可視光V1がガラス管11を透過して外部に放射され、蛍光管10の主な発光光束となる。
【0018】
本実施形態の蛍光ランプにおいては、この主な発光光束に加えて、以下のように2次的な発光光束(可視光V2及び可視光V3)も生じる。
蛍光管10内で発生した紫外線UV1の一部は、蛍光体層12を透過してガラス管11に照射されるが、ガラス管11には上記励起発光成分が含まれているため、この励起発光成分が、上記紫外線UV1で励起されることによって、ガラス管11から近紫外線UV2(波長は254nmより大きい)並びに可視光V2が放射される。
【0019】
更に、ガラス管11から放射された近紫外線UV2の一部は、蛍光体層12に照射され、蛍光体層12の蛍光体がこの近紫外線UV2によって励起されて可視光V3が放射される。
なお、上記励起発光成分は、可視光を吸収する作用もほとんどなく、ガラス管11の材料であるガラスに均一に溶け込んでいるので、可視光の透過を妨げることがない。従って、可視光V1,V2,V3は、ガラス管11をほとんど減衰することなく透過して、蛍光ランプの発光光束を形成する。
【0020】
このように、本実施形態の蛍光ランプにおいては、主要な発光光束(可視光V1)だけではなく、ガラス管11に含まれる励起発光成分に起因する2次的な発光光束(可視光V2,V3)も生じるので、その分、発光効率が向上することになる。
また、ガラス管11では、励起発光成分がソーダガラス中に溶け込んでいるため、石英ガラスなどに溶け込んでいる場合と比べて、254nm付近の波長の紫外光を高効率で長波長の紫外線あるいは可視光に変換する作用を奏する。
【0021】
ガラス管11に含まれる励起発光成分の濃度は、低すぎると励起発光量が少なく、高すぎると励起発光成分の自己吸収によって紫外線が吸収されてしまうので、発光効率を高くするのに適した範囲内で設定するのが好ましい。
励起発光成分の好ましい濃度範囲は、励起発光成分の種類によって多少異なり、「4A,5A,6A族に属する元素」の酸化物の場合、並びに「ランタノイドに属する元素」の酸化物の場合は、0.01wt%以上,10wt%以下の範囲が好ましく、「3B,4B,5B族に属する元素」の酸化物の場合は、0.01wt%以上,0.5wt%以下の範囲内に設定することが好ましい。
【0022】
後述する実験結果でも示されるように、ガラス管11に励起発光成分を適量含有させることによって、全発光光束(可視光V1,V2,V3を合せたもの)に対する2次的な発光光束(可視光V2,V3)の割合を2%以上とすることができる。
ところで、上で列挙した各元素の酸化物は、固有の発光スペクトルを持ち、入手しやすさなどの条件も異なる。
【0023】
例えば、ランタノイドに属する元素の酸化物の発光スペクトルは、比較的シャープな発光ピークを数多く有しており、その発光ピーク位置も紫外域から可視域まで幅広く分布している。一方、3B,4B,5B族に属する元素の酸化物の発光スペクトルは、300〜400nmの範囲にわたってブロードな発光ピークを有している。その中でも酸化タリウムは発光強度が強い。
【0024】
従って、蛍光管のガラス組成を設定する際には、それらの条件を考慮して、上記元素の酸化物の中から適当な元素酸化物1種または2種以上選択して、励起発光成分として用いればよい。このように、励起発光成分として上記の多種材料から選択できることは、蛍光管におけるガラス組成を設計する上で自由度が大きく有利である。
【0025】
また、上で励起発光成分として列挙した元素の酸化物の中で、発光効率の向上という点から見ると、ランタノイドに属する元素の酸化物、特に、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)は有望である。
その理由として、これら元素の酸化物は、その発光スペクトルが、蛍光ランプに一般に使用される蛍光体を効率よく励起するのに適していることが挙げられる。
【0026】
即ち、蛍光体ランプの蛍光体層に紫外線を照射するとき、照射する紫外線の波長によって可視光への変換効率は異なる。ここで、これらの元素の酸化物における発光スペクトルは、一般的な蛍光体ランプ用の蛍光体に対して、紫外線変換効率の良好な波長範囲260〜400nmにおける発光量が多い。
また、これらの元素の酸化物の発光スペクトルは、人の目の比視感度(Sensibility of the human eye)が高い波長領域(550nm付近)における発光量が比較的多いことも、高発光効率が得られる理由として挙げられる。
【0027】
〔実験1〕
【0028】
【表1】

Figure 0003768976
表1に示す試料No.1は比較例にかかるコンパクト形蛍光ランプであり、試料No.2〜6は実施例にかかるコンパクト形蛍光ランプである。
これらの蛍光ランプは、いずれも全長145mm、ガラス管径12.5mm、定格電圧32Wである。
【0029】
実施例にかかる蛍光ランプにおいて、ガラス管11の基本材料はソーダガラスであって、その組成は、SiO2が68wt%、Al23が1.5wt%、Na2Oが5wt%、K2Oが7wt%、MgOが5wt%、CaOが4.5wt%、SrOが5wt%、BaOが6wt%、Li2Oが1wt%である。そして、このソーダガラスに、励起発光成分としてTlO(酸化タリウム)が添加されている。ここで、ガラス管11におけるTlO濃度は、表1に示す各値(0.001wt%、0.01wt%、0.1wt%、0.3wt%、0.5wt%)になるように設定されている。
【0030】
また、蛍光体層12は、色温度5000Kの3波長発光形蛍光体で形成されている。
一方、比較例にかかる蛍光ランプは、ガラス管にTlOを添加していない点を除いて上記実施例の蛍光ランプと同様の構成である。
このような実施例及び比較例にかかる各蛍光ランプについて、初期光束値、並びに光束維持率を測定した。
【0031】
測定方法:
初期光束値(100h,lm)は、蛍光ランプを、寿命試験を100時間行った時点で光束を測定した値である。
光束維持率は、寿命試験(45分点灯した後15分消灯するというサイクルを繰り返す。)を4000時間行った時点で光束を測定し、上記初期光束値に対する比率で当該測定値を表したものである。
【0032】
測定結果及び考察:
各測定結果は、表1に示されている。
表1に示されている各初期光束値を比較して見ると、TlOが0.001wt%しか含まれていない試料No.2では、TlOが含まれていない試料No.1と差が見られないが、TlOが0.01wt%〜0.5wt%含まれている試料No.3〜No.6では、試料No.1と比べて初期光束値が2%以上高い。一方、光束維持率については、試料No.1〜No.6の間においてほとんど差が見られない。
【0033】
これより、ガラス管に適量の励起発光成分を含ませることによって、発光光束維持を低下させることなく初期発光光束を2%以上向上させることができること、並びに、ガラス管におけるTlOの含有量は、0.01wt%以上とするのが好ましいことがわかる。
〔実験2〕
上記実施例にかかる試料No.5に用いたTlO含有量0.3wt%のソーダガラスと、比較例にかかる試料No.1に用いたソーダガラスついて、以下のようにして、254nmの紫外光を照射したときの発光スペクトルを測定した。
【0034】
測定方法:
各ソーダガラスについて、厚さ2mm、一辺の長さ20mmの試験片を作製し、図4に示すように、この試験片31に対して、254nmの励起光32を入射放射強度0.4mW/cm2となるように照射しながら、試験片31からの発光スペクトルを瞬時分光器33によって測定した。
【0035】
測定結果及び考察
図5は、この測定結果であって、図中、記号◇は試料No.1について、記号□は試料No.5についての測定結果を示している。
図5の測定結果において、TlOを含有していない試料No.1では、254nmより長波長の領域ではほとんど発光を示さないのに対して、TlOを0.3wt%含有した試料No.5は、波長315nm付近をピークとして波長450nm付近の可視光域に到るまで幅広い波長で発光することが認められる。
【0036】
この結果から、上記図3で説明したように、TlOを含むガラスに、波長254nmをピークとする紫外線UV1を照射することによって、紫外線励起光UV2及び可視域励起光V2が発生することが裏付けられる。
なお、上記実験1,2においては、励起発光成分としてTlOを添加した場合について調べたが、上で列挙した各元素の酸化物を添加した場合についても調べたところ、上記実験1,2と同様の結果が得られた。
【0037】
また、これら各元素の最適濃度範囲について調べたところ、「4A,5A,6A族に属する元素」の酸化物の場合、並びに「ランタノイドに属する元素」の酸化物の場合は、0.01〜10wt%、「3B,4B,5B族に属する元素」の酸化物の場合は、0.01〜0.5wt%の範囲が適当であった。
〔実験3〕 ガラス厚みについての実験と考察
励起発光成分(TlO)を0.3wt%含有するソーダガラス板について、ガラス板の肉厚によって、可視光の透過率がどのように変わるかを調べた。
【0038】
図6はその結果を示す特性図である。当図より、ガラス板の肉厚が小さいほど透過率が高いことがわかる。
また、TlOを0.3wt%含有するガラス材料からなるガラス管において、ガラス管の径は一定値(12.5mm)に固定したまま肉厚を変化させて相対発光強度がどのように変わるかも調べた。
【0039】
図7は、その結果に基づいて作成した特性図であって、図中、○はガラス管の肉厚を1mm,2mm及び3mmに設定したときの相対発光強度実測値であり、曲線は、この実測値に基づいて推測されるガラス管の肉厚と相対発光強度との関係を示すものである。当図より、ガラス管の厚みが比較的小さい範囲(1.5mm以下の範囲)では、厚みが小さいほど相対発光強度が高いことがわかる。
【0040】
このように、励起発光成分が含有されたガラス管では、厚みを小さく設定すると透過率及び相対発光強度が高くなることを考慮すると、本実施形態における蛍光ランプでは、ガラス管11の肉厚を小さく設定する方が相対発光強度を高めるのに有利であると考えられる。
従って、従来から一般的な蛍光ランプにおいては、肉厚が0.62mmより大きいガラス管が発光管に用いられているが、本実施形態の蛍光ランプでは、発光強度を高める上で、ガラス管11の肉厚を0.62mm以下に設定するのが有利であるということが言える。
【0041】
〔実験4〕蛍光体層の厚みについての実験と考察
励起発光成分(TlO)を0.3wt%含有するガラスを用いた蛍光ランプ並びに発光成分を含有しない従来の一般的なソーダガラスを用いた蛍光ランプについて、蛍光体層の厚みを0〜40μmの範囲内で様々な値に設定して相対発光強度を測定した。
【0042】
図8は、その結果を示すものであって、蛍光体層の厚みと相対発光強度との関係を示す特性図である。
この図8において、相対発光強度が最高となる蛍光体層の厚みを比べると、一般的なソーダガラスを用いた場合においては蛍光体層が20μm以上のところで相対発光強度が最高となるのに対して、TlOを含有するソーダガラスを用いた場合においては、蛍光体層が20μm未満のところで相対発光強度が最高になることがわかる。
【0043】
この結果から、一般的な蛍光ランプでは、発光強度を高める上で蛍光体層の厚みを20μm以上とするのが有利であるのに対して、本実施形態の蛍光ランプでは、発光強度を高める上で蛍光体層の厚みを20μm未満とするのが有利であるということが言える。
〔実施の形態2〕
図9は、本実施形態にかかる蛍光ランプの発光管の断面図である。
【0044】
本実施形態の蛍光ランプは、上記実施形態1の蛍光ランプと同様であるが、蛍光管10の代りに蛍光管40が用いられている。この蛍光管40は、蛍光体層42とガラス管41との間に保護層43が介在されている。
この保護層43は、酸化亜鉛ZnO、酸化チタンTiO2、酸化珪素SiO2、酸化アルミニウムAl23から選択された金属酸化物を母材とし、励起発光成分が、母材中に溶解した状態で含有された材料からなる透明な層である。励起発光成分の具体例としては、上記実施の形態1で挙げた元素(Ti、Zr…)の酸化物から選択されたものであって、特に、ランタノイドに属する元素の酸化物、中でもガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)の酸化物は有望である。
【0045】
蛍光体層42については、実施の形態1の蛍光体層12と同様のものである。また、ガラス管41には励起発光成分が含有されていないものとする。
保護層43は、以下の方法によって形成することができる。
保護層43の母材となる金属酸化物の粉末原料に、励起発光成分の粉末原料を添加して溶融し粉砕することによって複合酸化物の粉末を作製し、この粉末を、分散剤と共に、水或は有機溶媒(イソプロピルアルコール)といった溶媒に加え、これに分散させることによって塗布液を作製する。そして、この塗布液を、ガラス管41の内面に噴霧法などの方法を用いて塗布し、乾燥・焼成することによって保護層43を形成することができる。
【0046】
このようにして励起発光成分が母材中に溶解されることによって、母材の金属酸化物(ZnO、TiO2、SiO2、Al23)と励起発光成分の金属酸化物とは複合酸化物を形成することになる。
なお、混合粉末をガラス管41の内面に塗装する方法としては、上記のような湿式法の他に、静電塗装法、或は金属アルコキシドを有機溶媒に溶解した液を用いるゾルゲル法を用いることも考えられる。
【0047】
上記のように励起発光成分が含有された保護層43を備えることによって、以下のように、保護層43中の母材による光束維持率を高める効果と、励起発光成分による発光効率向上効果と両方得ることができる。
保護層43中の母材は、ガラス中から拡散してくるナトリウムを蛍光体層12へ透過させにくいので、蛍光体層12で水銀がガラス中のナトリウムと反応して黒化するのを抑制すると共に蛍光体の劣化を抑制することにより光束維持率を高める効果を奏する。一方、励起発光成分は発光効率向上効果を奏する。この発光効率向上効果は、上記実施の形態1と同様、254nm紫外線による蛍光体層42での可視光励起放射に基づく発光光束だけではなく、保護層43に含まれている励起発光成分に起因する発光光束が生じ、その分、発光効率が向上するという効果である。
【0048】
即ち、蛍光管40内で放電に伴って発生した紫外線の一部は、蛍光体層42を透過して保護層43に照射され、この保護層43に含まれる励起発光成分が励起される。これによって、保護層43から近紫外線並びに可視光が励起放射され、更に、保護層43から放射された近紫外線の一部は、蛍光体層42に照射され、蛍光体層42は、この近紫外線によって可視光を励起放射する。
【0049】
また、保護層43において、励起発光成分は母材中に溶解しているので、保護層43の可視光透過性が励起発光成分によって損なわることもない。
なお、上記の励起発光成分による近紫外線並びに可視光が励起放射される作用は、上記のように励起発光成分が母材中に溶解して複合酸化物を形成しているため得られるのであって、母材の金属酸化物及び励起発光成分の金属酸化物が単に粒子のまま混合されているだけでは、このような作用は得られないものと考えられる。
【0050】
保護層43における励起発光成分の含有量として適当な範囲は、上記実施の形態1で示したのと同様であって、「4A,5A,6A族に属する元素」の酸化物の場合、並びに「ランタノイドに属する元素」の酸化物の場合は、0.01〜10wt%、「3B,4B,5B族に属する元素」の酸化物の場合は、0.01〜0.5wt%の範囲が適当である。
【0051】
保護層43の厚みとしては1〜30μmが適当である。
なお、ここではガラス管41に励起発光成分は含有されていないこととしたが、変形例として、保護層43とガラス管41の両方に励起発光成分を含有させてもよい。
また、TiO2のような材料は、水銀の透過防止作用と励起発光作用の両方を奏するので、これを単独で用いれば本実施形態と同様の効果を奏するとも考えられるが、単独成分では励起発光が自己吸収により極端に小さくなることに加えて、保護層の材料として極く限られた種類の材料しか使えず、保護層の製法も限られてしまう。これに対して、本実施の形態のように、母材と励起発光成分とを組み合わせて用いれば、励起発光の自己吸収を小さく抑えることができると共に、母材として選択できる材料の種類と励起発光成分として選択できる材料の種類との組み合わせが数多く存在するので、保護層の組成を設計する際に、材料の選択幅が広くなると共に保護層の製法もいろいろと選択できる点で有利である。
【0052】
母材の種類と励起発光成分の種類との組み合わせについては、母材として、酸化珪素或は酸化アルミニウムを用い、これに、励起発光成分として、酸化ガドリニウム及び酸化テルビウムの一方または両方を組み合わせて用いることが好ましいと思われる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態では、High intensity discharge lamp(HID)に適用する場合について、蛍光水銀ランプ、メタルハライドランプ及び高圧ナトリウムランプを例にとって説明する。
【0053】
図10は、蛍光水銀ランプの一例を示す図である。
この蛍光水銀ランプは、高圧水銀ランプの1種であって、当図に示すように、発光管51、口金52、外管53などから構成されている。
発光管51は、透明石英ガラスで形成され、両端に電極54を備え、内部に水銀とアルゴンガスが封入されている。
【0054】
外管53は、発光管51を取り囲むように設けられたガラス管55の内面に、蛍光体層56が被着されて構成されている。
そして、発光管51では、高圧(100〜1000kPa)の水銀蒸気中で放電することによって可視光を放射するが、これに加えて発光管51では紫外光も放射され、外管53の蛍光体層56がこの紫外光を受けて可視光を励起放射するようになっている。
ここで、外管53のガラス管55は、上記実施の形態1で挙げたのと同様の励起発光成分(Ti、Zr…元素の酸化物)を溶け込ませたほうけい酸ガラスで形成されている。
【0055】
これによって、当該外管53は、実施の形態1の図3で説明した蛍光管10と同様の作用効果を奏する。即ち、発光管51からの紫外光の一部が、蛍光体層56を透過してガラス管55に照射されるが、ガラス管55に含まれている励起発光成分が、この紫外線によって励起されて、長波長の紫外線及び可視光を放射する。そして、ガラス管55から放射された紫外線が蛍光体層56に照射されると可視光が励起放射される。
【0056】
本実施形態の蛍光水銀ランプは、このような作用によって、ガラス管に励起発光成分が添加されていない場合に比べると優れた発光効率を得ることができる。
また、本実施形態では、励起発光成分を石英からなる発光管51ではなくガラスからなる外管53にガラスに含有させているが、この点も発光効率向上に寄与する。即ち、ガラスに励起発光成分を含有させると、石英ガラスに含有させる場合と比べて、水銀の励起紫外光(ピーク波長254nm)を、比較的高効率で長波長の紫外線あるいは可視光に変換することができる。更に、ほうけい酸ガラスには、酸化アルミニウムや酸化ホウ素などの成分が含まれているが、これらの成分はガラス中で励起発光成分の周囲を取り囲んで孤立化させることにより、励起発光の自己吸収を抑制する働きもある。
【0057】
なお、ここでは、外管53に蛍光体層56が設けられた蛍光水銀ランプについて説明したが、外管に蛍光体層が設けられていない高圧水銀ランプにおいても、外管のガラスに上記と同様の励起発光成分(Ti、Zr…元素の酸化物)を溶け込ませることによって、発光効率をある程度向上させることができる。即ち、外管に蛍光体層が設けられていない場合でも、外管励起発光成分が、発光管からの紫外線によって励起されて可視光を放射するという作用効果があり、ガラス管に励起発光成分が添加されていない場合に比べると優れた発光効率を得ることができる。
【0058】
次に、メタルハライドランプ及び高圧ナトリウムランプについて、図11を参照しながら説明する。
図11(a)は、メタルハライドランプの一例を示す図である。
このメタルハライドランプは、透明石英ガラスからなる発光管61、口金62、外管63などから構成されている点は上記蛍光水銀ランプと同様であるが、発光管61内には、発光物質としてのハロゲン化金属(例えば、スカンジウム(Sc)及びナトリウム(Na)のハロゲン化物)の他に、始動用として希ガス及び電気特性と最適温度のアーク放電を維持するための緩衝ガスとして水銀が封入されており、外管63には蛍光体層は設けられていない。
【0059】
ここで、この外管63は、上記と同様の励起発光成分(Ti、Zr…元素の酸化物)が溶け込んだほうけい酸ガラスで形成されている。
このようなメタルハライドランプにおいて、基本的には、発光管61内で放電するのに伴って、ハロゲン化金属が金属原子とハロゲン原子に解離し、金属原子が可視光を励起放射することによって発光光束が得られる。
【0060】
但し、発光管61においては放電に伴って紫外光も放射されるので、外管63に含まれている励起発光成分が、この紫外線によって可視光を励起放射する。従って、この作用によって、励起発光成分が添加されていない場合と比べると全発光光束が増す。即ち、優れた発光効率が得られる。
図11(b)は、高圧ナトリウムランプの一例を示す図である。
【0061】
この高圧ナトリウムランプは、発光管71、口金72、外管73などから構成されている。そして、外観は上記蛍光水銀ランプに似ているが、発光管71には多結晶アルミナセラミックス管が用いられ、発光管71内には、発光物質としてのナトリウムとともに、始動ガスとしてのキセノンガスと緩衝ガスとしての水銀が封入されており、外管73には蛍光体層は設けられていない。
【0062】
ここで、上記外管73は、上記と同様の励起発光成分(Ti、Zr…元素の酸化物)が溶け込んだソーダガラスで形成されている。
このような高圧ナトリウムランプにおいて、基本的に、発光管71内でナトリウム蒸気中で放電するのに伴って可視光が励起放射されて発光光束が得られる。
但し、発光管71からは紫外光も若干放射されるので、外管73に含まれている励起発光成分が、この紫外線によって励起されて可視光を励起放射する。この作用によって、励起発光成分が添加されていない場合と比べると全発光光束が増し、優れた発光効率を得ることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の蛍光ランプにおいては、蛍光体層の厚みを20μm未満とし、保護層に、
タリウム、スズ、鉛、ビスマスから選択される元素の酸化物を、当該保護層の母材となる金属酸化物に0.01wt%以上0.5wt%以下溶け込ませることによって、水銀の励起による紫外線が発光光束に利用される利用効率を向上させ、励起発光成分が含まれない従来品と比べて、発光光束を2%以上向上させた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るコンパクト形蛍光ランプの外観を示す図である。
【図2】上記蛍光ランプの蛍光管を輪切りにした断面図である。
【図3】上記蛍光ランプの発光メカニズムを説明する図である。
【図4】実験2における発光スペクトルの測定方法を示す図である。
【図5】実験2の測定結果である発光スペクトルを示す図である。
【図6】実験3の結果であってガラス板肉厚と可視光透過率との関係を示す特性図である。
【図7】実験3の結果であってガラス管の肉厚と相対発光強度との関係を示す特性図である。
【図8】実験4の結果であって、蛍光ランプにおける蛍光体層の厚みと相対発光強度との関係を示す特性図である。
【図9】実施の形態2にかかる蛍光ランプの発光管の断面図である。
【図10】実施の形態3にかかる蛍光水銀ランプを示す図である。
【図11】実施の形態3にかかるメタルハライドランプ及び高圧ナトリウムランプを示す図である。
【符号の説明】
10 蛍光管
11 ガラス管
12 蛍光体層
40 蛍光管
41 ガラス管
42 蛍光体層
43 保護層
51 発光管
53 外管
54 電極
55 ガラス管
56 蛍光体層
61 発光管
63 外管
71 発光管
73 外管[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fluorescent lamp.
[0002]
[Prior art]
Fluorescent lamps and HIDs are widely known as lamps that emit light with high efficiency.
The fluorescent lamp includes an arc tube in which mercury and a rare gas are sealed and a phosphor is deposited on the inner surface thereof, and discharges in the arc tube to generate ultraviolet light mainly having a wavelength of 254 nm due to mercury excitation radiation. A luminous flux is obtained by exciting the phosphor with ultraviolet rays and emitting visible light. As a type of the fluorescent lamp, a straight tube shape or a ring shape has been generally used, but besides this, a light bulb shape, a compact shape, and the like have become widespread in recent years.
[0003]
On the other hand, HID is a high-pressure mercury lamp that emits light when discharged in a mercury vapor of 100 to 1000 kPa, and the metal halide is dissociated into metal atoms and halogen atoms along with the discharge, and the visible light is excited and emitted by the metal atoms. A generic term for a metal halide lamp that emits light and a high-pressure sodium lamp that emits light when discharged in sodium vapor.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Such fluorescent lamps and HIDs are required to have low power consumption, high luminous flux, and long life as basic performance, and are being developed for that purpose.
For example, regarding the extension of the life of a fluorescent lamp, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-167899, when a conventional soda glass is used, sodium eluted from the glass reacts with mercury when the fluorescent lamp is manufactured or turned on. Focusing on the fact that the brightness of the fluorescent lamp is likely to be reduced due to this, a technique for suppressing the reduction in the brightness of the fluorescent lamp using a glass in which alkali is less likely to elute than conventional soda glass is disclosed.
[0005]
In addition, in order to obtain a high luminous flux with low power consumption in a fluorescent lamp, for example, research has been made to increase the luminance of the phosphor, and development to secure the discharge length by making the arc tube narrower It has also been made.
Along with such research and development, the performance of fluorescent lamps and HIDs has also increased. In recent years, there has been a further increase in demand for these performances. There is a demand for a technology that can achieve this.
[0006]
The present invention has been made under such a background, and an object thereof is to improve the luminous efficiency of a phosphor lamp .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the present invention, in the fluorescent lamp, the thickness of the phosphor layer is less than 20 μm, and an oxide of an element selected from thallium, tin, lead, and bismuth is formed in the protective layer. The metal oxide used as the base material was dissolved in an amount of 0.01 wt% to 0.5 wt% .
[0008]
According to the fluorescent lamp of the present invention described above, excitation ultraviolet light having a peak wavelength of 254 nm generated by discharge in mercury vapor in the fluorescent tube is irradiated to the excitation light emitting component, so that longer wavelength ultraviolet light and visible light are emitted. Excitation radiation is emitted, and secondary visible light excitation radiation is generated in the phosphor layer by the ultraviolet rays. Due to this action, the utilization efficiency in which ultraviolet rays by mercury excitation are used for the luminous flux is improved. In addition, the luminous flux can be improved by 2% or more compared to a conventional product that does not include an excitation light emission component. Here, it is preferable that the excitation light-emitting component is dissolved in a metal oxide serving as a base material of the protective layer in order to maintain high visible light transmittance of the glass tube or the protective layer.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Embodiment 1]
FIG. 1 is a view showing the appearance of a compact fluorescent lamp according to an embodiment of the present invention.
This fluorescent lamp is configured by fixing a fluorescent tube 10 to a base 20, and the fluorescent tube 10 is composed of six straight tubular glass tubes (glass bulbs) 10 whose inner surfaces are covered with a phosphor layer 12. Is formed.
[0012]
In this fluorescent tube 10, the six glass tubes 11 are connected so that adjacent ones are bridge-joined at the ends, so that one discharge space is formed inside, and the discharge spaces are formed within the discharge space. A rare gas such as argon and mercury are enclosed. Further, in the fluorescent tube 10, electrodes (not shown) are attached to both ends of the discharge space.
[0013]
A lighting circuit (not shown) for lighting the fluorescent tube 10 is provided in the base 20.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the fluorescent tube 10 cut in a circle.
The glass tube 11 is formed of soda glass, but the composition of the soda glass includes a component that is excited by ultraviolet light having a wavelength of 254 nm and emits light in the ultraviolet and visible regions (excitation light-emitting component).
[0014]
Examples of the excited light-emitting component include oxides of elements belonging to groups 4A, 5A, and 6A, oxides of elements that belong to groups 3B, 4B, and 5B, and oxides of elements that belong to lanthanoids.
Specific examples of the “elements belonging to Group 4A, 5A, 6A” include titanium (Ti), zirconium (Zr), vanadium (V), niobium (Nb), tantalum (Ta), molybdenum (Mo), tungsten ( W).
[0015]
Specific examples of the “elements belonging to Group 3B, 4B, and 5B” include thallium (Tl), tin (Sn), lead (Pb), and bismuth (Bi).
Specific examples of the “elements belonging to the lanthanoid” include lanthanum (La), cerium (Ce), praseodymium (Pr), neodymium (Nd), samarium (Sm), europium (Eu), gadolinium (Gd), terbium ( Tb), dysprosium (Dy), holmium (Ho), erbium (Er), thulium (Tm), ytterbium (Yb), and lutetium (Lu).
[0016]
Such a glass tube 11 can be produced by adding an oxide powder of the above-mentioned element and dissolving and molding the mixture before melting a normal soda glass material.
The phosphor layer 12 is a layer formed by applying a three-wavelength light emitting phosphor on the inner surface of the glass tube 11.
[0017]
In addition, the preferable range of the thickness of the glass tube 11 and the thickness of the fluorescent substance layer 12 is demonstrated later.
(About action and effect)
FIG. 3 is a diagram for explaining the light emission mechanism of the fluorescent lamp.
In the fluorescent lamp of this embodiment, the main mechanism for generating the luminous flux is the same as that of the conventional fluorescent lamp. That is, when a voltage is applied to the electrodes of the fluorescent tube 10 by the lighting circuit, a discharge occurs in the discharge space inside the fluorescent tube 10, and along with the discharge, mercury and a rare gas are excited inside the fluorescent tube 10. As a result, ultraviolet rays UV1 (main wavelength 254 nm) are generated. When the generated ultraviolet ray UV1 is irradiated onto the phosphor layer 12, the phosphor is excited to generate visible light V1 (wavelength of about 400 nm or more). This visible light V1 passes through the glass tube 11 and is radiated to the outside, and becomes the main luminous flux of the fluorescent tube 10.
[0018]
In the fluorescent lamp of the present embodiment, in addition to the main luminous flux, secondary luminous flux (visible light V2 and visible light V3) is also generated as follows.
A part of the ultraviolet ray UV1 generated in the fluorescent tube 10 passes through the phosphor layer 12 and is irradiated to the glass tube 11. The glass tube 11 contains the above-described excitation light emitting component. When the component is excited by the ultraviolet ray UV1, near ultraviolet ray UV2 (wavelength is larger than 254 nm) and visible light V2 are emitted from the glass tube 11.
[0019]
Further, a part of the near-ultraviolet UV2 emitted from the glass tube 11 is irradiated onto the phosphor layer 12, and the phosphor in the phosphor layer 12 is excited by the near-ultraviolet UV2 to emit visible light V3.
In addition, since the said excitation light emission component has almost no effect | action which absorbs visible light, and melt | dissolves uniformly in the glass which is the material of the glass tube 11, transmission of visible light is not prevented. Therefore, the visible lights V1, V2, and V3 are transmitted through the glass tube 11 with almost no attenuation, and form the luminous flux of the fluorescent lamp.
[0020]
As described above, in the fluorescent lamp according to the present embodiment, not only the main luminous flux (visible light V1) but also the secondary luminous flux (visible light V2, V3) caused by the excitation luminous component contained in the glass tube 11 is used. ) Also occurs, and the luminous efficiency is improved accordingly.
Further, in the glass tube 11, since the excitation light emitting component is dissolved in soda glass, ultraviolet light having a wavelength near 254 nm is highly efficient and long wavelength ultraviolet light or visible light as compared with the case where it is dissolved in quartz glass or the like. It has the effect of converting into
[0021]
If the concentration of the excitation light-emitting component contained in the glass tube 11 is too low, the amount of excitation light emission is small, and if it is too high, ultraviolet rays are absorbed by the self-absorption of the excitation light-emission component, and thus a range suitable for increasing the light emission efficiency. It is preferable to set within.
The preferable concentration range of the excited luminescent component is slightly different depending on the type of the excited luminescent component, and is 0 in the case of an oxide of “element belonging to 4A, 5A, 6A group” and an oxide of “element belonging to lanthanoid”. A range of 0.01 wt% or more and 10 wt% or less is preferable. In the case of an oxide of “elements belonging to 3B, 4B, and 5B groups”, the range of 0.01 wt% or more and 0.5 wt% or less may be set. preferable.
[0022]
As shown in the experimental results to be described later, by adding an appropriate amount of excitation light emission component to the glass tube 11, a secondary light emission light beam (visible light) that is a total light emission light beam (a combination of visible light V1, V2, and V3). The ratio of V2, V3) can be 2% or more.
By the way, the oxides of the elements listed above have unique emission spectra, and the conditions such as availability are different.
[0023]
For example, the emission spectrum of an oxide of an element belonging to a lanthanoid has many relatively sharp emission peaks, and the emission peak positions are also widely distributed from the ultraviolet region to the visible region. On the other hand, the emission spectrum of an oxide of an element belonging to Group 3B, 4B, or 5B has a broad emission peak over a range of 300 to 400 nm. Among them, thallium oxide has a strong emission intensity.
[0024]
Therefore, when setting the glass composition of the fluorescent tube, considering these conditions, one or more suitable element oxides are selected from the oxides of the above elements and used as the excitation luminescence component. That's fine. Thus, being able to select from the above-mentioned various materials as the excitation light-emitting component is advantageous in that the degree of freedom is great in designing the glass composition in the fluorescent tube.
[0025]
Among the oxides of the elements listed above as the excitation light-emitting component, from the viewpoint of improving luminous efficiency, oxides of elements belonging to lanthanoids, particularly gadolinium (Gd) and terbium (Tb) are promising. is there.
The reason for this is that the emission spectra of these element oxides are suitable for efficiently exciting phosphors generally used in fluorescent lamps.
[0026]
That is, when the phosphor layer of the phosphor lamp is irradiated with ultraviolet rays, the conversion efficiency into visible light varies depending on the wavelength of the ultraviolet rays to be irradiated. Here, the emission spectrum of the oxides of these elements has a larger amount of light emission in a wavelength range of 260 to 400 nm with good ultraviolet conversion efficiency than a phosphor for a general phosphor lamp.
In addition, the emission spectra of oxides of these elements have a high emission efficiency due to the relatively large amount of light emission in the wavelength region (near 550 nm) where the human eye has high sensitivity. It is mentioned as a reason.
[0027]
[Experiment 1]
[0028]
[Table 1]
Figure 0003768976
Sample No. shown in Table 1 1 is a compact fluorescent lamp according to a comparative example. 2 to 6 are compact fluorescent lamps according to the examples.
Each of these fluorescent lamps has a total length of 145 mm, a glass tube diameter of 12.5 mm, and a rated voltage of 32 W.
[0029]
In the fluorescent lamp according to the example, the basic material of the glass tube 11 is soda glass, and the composition thereof is 68 wt% for SiO 2 , 1.5 wt% for Al 2 O 3 , 5 wt% for Na 2 O, K 2. O is 7 wt%, MgO is 5 wt%, CaO is 4.5 wt%, SrO is 5 wt%, BaO is 6 wt%, and Li 2 O is 1 wt%. And this soda glass is added with TlO (thallium oxide) as an excitation light-emitting component. Here, the TlO concentration in the glass tube 11 is set to have the values shown in Table 1 (0.001 wt%, 0.01 wt%, 0.1 wt%, 0.3 wt%, 0.5 wt%). Yes.
[0030]
The phosphor layer 12 is formed of a three-wavelength light emitting phosphor having a color temperature of 5000K.
On the other hand, the fluorescent lamp according to the comparative example has the same configuration as the fluorescent lamp of the above example except that TlO is not added to the glass tube.
For each of the fluorescent lamps according to Examples and Comparative Examples, the initial luminous flux value and luminous flux maintenance factor were measured.
[0031]
Measuring method:
The initial luminous flux value (100 h, lm) is a value obtained by measuring the luminous flux when a fluorescent lamp is subjected to a life test for 100 hours.
The luminous flux maintenance factor is a value obtained by measuring a luminous flux at the time when a life test (a cycle of turning on for 45 minutes and then turning off for 15 minutes) is performed for 4000 hours, and expressing the measured value as a ratio to the initial luminous flux value. is there.
[0032]
Measurement results and discussion:
Each measurement result is shown in Table 1.
When comparing each initial luminous flux value shown in Table 1, sample No. 1 containing only 0.001 wt% of TlO is shown. 2, sample No. 1 containing no TlO was used. No difference is seen with Sample No. 1 containing TlO in an amount of 0.01 wt% to 0.5 wt%. 3-No. 6, sample no. Compared to 1, the initial luminous flux value is 2% or more higher. On the other hand, with respect to the luminous flux maintenance factor, the sample No. 1-No. There is almost no difference between the six.
[0033]
Accordingly, by including an appropriate amount of excitation light emission component in the glass tube, the initial light emission light flux can be improved by 2% or more without reducing the light emission light flux maintenance, and the TlO content in the glass tube is 0%. It can be seen that it is preferable to set the content to 0.01 wt% or more.
[Experiment 2]
Sample No. according to the above example. 5 and soda glass having a TlO content of 0.3 wt%, and sample No. The soda glass used in 1 was measured for the emission spectrum when irradiated with 254 nm ultraviolet light as follows.
[0034]
Measuring method:
For each soda glass, a test piece having a thickness of 2 mm and a side length of 20 mm was prepared. As shown in FIG. 4, excitation light 32 of 254 nm was applied to the test piece 31 with an incident radiation intensity of 0.4 mW / cm. While irradiating to 2 , the emission spectrum from the test piece 31 was measured by the instantaneous spectrometer 33.
[0035]
Measurement Results and Discussion FIG. 5 shows the measurement results. In FIG. For symbol 1, the symbol □ indicates the sample number. The measurement result about 5 is shown.
In the measurement result of FIG. 1 shows almost no light emission in a wavelength region longer than 254 nm, whereas sample No. 1 containing 0.3 wt% of TlO. 5 is observed to emit light in a wide range of wavelengths with a peak near the wavelength of 315 nm until reaching the visible light region near the wavelength of 450 nm.
[0036]
From this result, as explained in FIG. 3 above, it is supported that ultraviolet excitation light UV2 and visible excitation light V2 are generated by irradiating glass containing TlO with ultraviolet UV1 having a peak at a wavelength of 254 nm. .
In Experiments 1 and 2, the case where TlO was added as an excitation light-emitting component was examined. However, the case where the oxides of the elements listed above were also added was examined. Results were obtained.
[0037]
Further, when the optimum concentration range of each of these elements was examined, 0.01 to 10 wt.% In the case of an oxide of “element belonging to Group 4A, 5A, 6A” and in the case of an oxide of “element belonging to lanthanoid” %, In the case of oxides of “elements belonging to Group 3B, 4B, 5B”, a range of 0.01 to 0.5 wt% was appropriate.
[Experiment 3] Experiment and Consideration on Glass Thickness With respect to a soda glass plate containing 0.3 wt% of the excitation light emitting component (TlO), it was examined how the transmittance of visible light changes depending on the thickness of the glass plate. .
[0038]
FIG. 6 is a characteristic diagram showing the results. From this figure, it can be seen that the smaller the wall thickness of the glass plate, the higher the transmittance.
In addition, in a glass tube made of a glass material containing 0.3 wt% of TlO, it was also examined how the relative light emission intensity changes by changing the wall thickness with the glass tube diameter fixed at a constant value (12.5 mm). It was.
[0039]
FIG. 7 is a characteristic diagram created based on the results. In the figure, ○ is the measured relative luminescence intensity when the thickness of the glass tube is set to 1 mm, 2 mm and 3 mm, and the curve is The relationship between the thickness of the glass tube estimated based on a measured value and relative light emission intensity is shown. From this figure, it can be seen that, in the range where the thickness of the glass tube is relatively small (range of 1.5 mm or less), the smaller the thickness, the higher the relative light emission intensity.
[0040]
As described above, in the glass tube containing the excitation light-emitting component, considering that the transmittance and the relative light emission intensity increase when the thickness is set small, the thickness of the glass tube 11 is reduced in the fluorescent lamp in the present embodiment. Setting is considered to be advantageous for increasing the relative light emission intensity.
Therefore, in the conventional fluorescent lamp, a glass tube having a wall thickness of greater than 0.62 mm is used for the arc tube. However, in the fluorescent lamp of this embodiment, the glass tube 11 is used to increase the emission intensity. It can be said that it is advantageous to set the wall thickness to 0.62 mm or less.
[0041]
[Experiment 4] Experiment and Consideration on the Thickness of the Phosphor Layer Fluorescent Lamp Using Glass Containing Excited Luminescence Component (TlO) 0.3wt% and Fluorescence Using Conventional General Soda Glass Containing No Luminescent Component For the lamp, the relative emission intensity was measured by setting the thickness of the phosphor layer to various values within the range of 0 to 40 μm.
[0042]
FIG. 8 shows the result and is a characteristic diagram showing the relationship between the thickness of the phosphor layer and the relative light emission intensity.
In FIG. 8, when the thickness of the phosphor layer having the highest relative emission intensity is compared, the relative emission intensity becomes the highest when the phosphor layer is 20 μm or more when a general soda glass is used. In the case of using soda glass containing TlO, it can be seen that the relative light emission intensity becomes maximum when the phosphor layer is less than 20 μm.
[0043]
From this result, in general fluorescent lamps, it is advantageous that the thickness of the phosphor layer is 20 μm or more in order to increase the emission intensity, whereas in the fluorescent lamp of this embodiment, the emission intensity is increased. It can be said that it is advantageous to make the thickness of the phosphor layer less than 20 μm.
[Embodiment 2]
FIG. 9 is a cross-sectional view of the arc tube of the fluorescent lamp according to the present embodiment.
[0044]
The fluorescent lamp of the present embodiment is the same as the fluorescent lamp of the first embodiment, but a fluorescent tube 40 is used instead of the fluorescent tube 10. In the fluorescent tube 40, a protective layer 43 is interposed between the phosphor layer 42 and the glass tube 41.
The protective layer 43 has a metal oxide selected from zinc oxide ZnO, titanium oxide TiO 2 , silicon oxide SiO 2 , and aluminum oxide Al 2 O 3 as a base material, and a state in which an excitation light emitting component is dissolved in the base material. It is a transparent layer made of a material contained in Specific examples of the excited light-emitting component are those selected from oxides of the elements (Ti, Zr,...) Listed in the first embodiment, and in particular, oxides of elements belonging to lanthanoids, particularly gadolinium (Gd ), Oxides of terbium (Tb) are promising.
[0045]
The phosphor layer 42 is the same as the phosphor layer 12 of the first embodiment. In addition, it is assumed that the glass tube 41 does not contain an excitation light emission component.
The protective layer 43 can be formed by the following method.
A powder material of an excitation light-emitting component is added to a metal oxide powder material that is a base material of the protective layer 43, and is melted and pulverized to produce a composite oxide powder. Alternatively, a coating solution is prepared by adding to a solvent such as an organic solvent (isopropyl alcohol) and dispersing it in the solvent. And the protective layer 43 can be formed by apply | coating this coating liquid to the inner surface of the glass tube 41 using methods, such as a spraying method, and drying and baking.
[0046]
Thus, the excitation light-emitting component is dissolved in the base material, so that the metal oxide (ZnO, TiO 2 , SiO 2 , Al 2 O 3 ) of the base material and the metal oxide of the excitation light-emitting component are combined and oxidized. Will form things.
As a method of coating the mixed powder on the inner surface of the glass tube 41, in addition to the wet method as described above, an electrostatic coating method or a sol-gel method using a solution obtained by dissolving a metal alkoxide in an organic solvent is used. Is also possible.
[0047]
By providing the protective layer 43 containing the excited luminescent component as described above, both the effect of increasing the luminous flux maintenance factor by the base material in the protective layer 43 and the luminous efficiency improving effect by the excited luminescent component are as follows. Obtainable.
Since the base material in the protective layer 43 hardly transmits sodium diffused from the glass to the phosphor layer 12, the phosphor layer 12 suppresses mercury from reacting with the sodium in the glass and blackening. In addition, the effect of increasing the luminous flux maintenance factor is achieved by suppressing the deterioration of the phosphor. On the other hand, the excitation light emission component has an effect of improving the light emission efficiency. The effect of improving the luminous efficiency is not only the luminous flux based on the visible light excitation radiation in the phosphor layer 42 by the 254 nm ultraviolet light as in the first embodiment, but also the light emission caused by the excitation light emission component contained in the protective layer 43. A luminous flux is generated, and the luminous efficiency is improved accordingly.
[0048]
That is, a part of the ultraviolet rays generated by the discharge in the fluorescent tube 40 passes through the phosphor layer 42 and is irradiated to the protective layer 43, and the excitation light emission component contained in the protective layer 43 is excited. As a result, near ultraviolet rays and visible light are excited and emitted from the protective layer 43, and a part of the near ultraviolet rays emitted from the protective layer 43 is irradiated to the phosphor layer 42, and the phosphor layer 42 is irradiated with the near ultraviolet rays. Excites and emits visible light.
[0049]
In the protective layer 43, since the excitation light emitting component is dissolved in the base material, the visible light transmittance of the protective layer 43 is not impaired by the excitation light emission component.
The action of exciting and radiating near-ultraviolet light and visible light by the above-described excited luminescent component is obtained because the excited luminescent component is dissolved in the base material to form a complex oxide as described above. It is considered that such an effect cannot be obtained simply by mixing the metal oxide of the base material and the metal oxide of the excitation light-emitting component as particles.
[0050]
An appropriate range for the content of the excited luminescent component in the protective layer 43 is the same as that shown in the first embodiment, and in the case of an oxide of “elements belonging to Group 4A, 5A, 6A” and “ In the case of an oxide of “element belonging to lanthanoid”, a range of 0.01 to 0.5 wt% is appropriate in the case of an oxide of “element belonging to Group 3B, 4B, 5B”. is there.
[0051]
The thickness of the protective layer 43 is suitably 1 to 30 μm.
Here, it is assumed that the excitation light emission component is not contained in the glass tube 41, but as a modified example, both the protective layer 43 and the glass tube 41 may contain the excitation light emission component.
In addition, since a material such as TiO 2 exhibits both the mercury permeation prevention function and the excitation light emission function, it can be considered that if this is used alone, the same effect as in the present embodiment can be obtained. In addition to the extremely small emission due to self-absorption, only a very limited type of material can be used as the material for the protective layer, and the method for producing the protective layer is also limited. On the other hand, if the base material and the excitation luminescence component are used in combination as in the present embodiment, the self-absorption of the excitation luminescence can be kept small, and the type of material that can be selected as the base material and the excitation luminescence Since there are many combinations with the kinds of materials that can be selected as components, it is advantageous in that when the composition of the protective layer is designed, the selection range of the material is widened and various methods for manufacturing the protective layer can be selected.
[0052]
As for the combination of the type of base material and the type of excited luminescent component, silicon oxide or aluminum oxide is used as the base material, and one or both of gadolinium oxide and terbium oxide are used as the excited luminescent component. Seems to be preferable.
[Embodiment 3]
In this embodiment, a case of applying to a high intensity discharge lamp (HID) will be described by taking a fluorescent mercury lamp, a metal halide lamp, and a high-pressure sodium lamp as examples.
[0053]
FIG. 10 is a diagram illustrating an example of a fluorescent mercury lamp.
This fluorescent mercury lamp is a kind of high-pressure mercury lamp, and is composed of a light emitting tube 51, a base 52, an outer tube 53, and the like as shown in FIG.
The arc tube 51 is made of transparent quartz glass, has electrodes 54 at both ends, and is filled with mercury and argon gas.
[0054]
The outer tube 53 is configured by attaching a phosphor layer 56 to the inner surface of a glass tube 55 provided so as to surround the arc tube 51.
The arc tube 51 emits visible light by discharging in a high-pressure (100 to 1000 kPa) mercury vapor. In addition to this, the arc tube 51 also emits ultraviolet light, and the phosphor layer of the outer tube 53. 56 receives the ultraviolet light and excites and emits visible light.
Here, the glass tube 55 of the outer tube 53 is formed of borosilicate glass in which the same excitation light emitting components (Ti, Zr... Element oxide) as those mentioned in the first embodiment are dissolved. .
[0055]
Thereby, the outer tube 53 has the same effect as the fluorescent tube 10 described in FIG. 3 of the first embodiment. That is, a part of the ultraviolet light from the arc tube 51 passes through the phosphor layer 56 and is irradiated to the glass tube 55, but the excited luminescent component contained in the glass tube 55 is excited by this ultraviolet ray. , Emits long wavelength ultraviolet light and visible light. When the phosphor layer 56 is irradiated with ultraviolet rays emitted from the glass tube 55, visible light is excited and emitted.
[0056]
The fluorescent mercury lamp of this embodiment can obtain excellent luminous efficiency by such an action as compared with the case where no excitation light emitting component is added to the glass tube.
In this embodiment, the excitation light emission component is contained in the glass in the outer tube 53 made of glass instead of the light emitting tube 51 made of quartz. This point also contributes to the improvement of the light emission efficiency. In other words, when an excitation light-emitting component is contained in glass, mercury excitation ultraviolet light (peak wavelength: 254 nm) is converted into ultraviolet light or visible light having a relatively high efficiency as compared with the case where silica is contained in quartz glass. Can do. In addition, borosilicate glass contains components such as aluminum oxide and boron oxide. These components surround the periphery of the excited luminescent component in the glass and are isolated so that self-absorption of excited luminescence occurs. There is also a function to suppress.
[0057]
Here, the fluorescent mercury lamp in which the outer tube 53 is provided with the phosphor layer 56 has been described. However, in the high-pressure mercury lamp in which the outer tube is not provided with the phosphor layer, the same as described above for the glass of the outer tube. The light emission efficiency can be improved to some extent by dissolving the excited light emitting components (Ti, Zr... Oxides of the elements). That is, even when the outer tube is not provided with a phosphor layer, the outer tube excitation light-emitting component is excited by ultraviolet rays from the light emission tube and emits visible light, and the glass tube has an excitation light-emitting component. Compared with the case where it is not added, excellent luminous efficiency can be obtained.
[0058]
Next, a metal halide lamp and a high pressure sodium lamp will be described with reference to FIG.
FIG. 11A shows an example of a metal halide lamp.
This metal halide lamp is similar to the fluorescent mercury lamp in that it is composed of a light emitting tube 61 made of transparent quartz glass, a base 62, an outer tube 63, and the like. In addition to metal halides (e.g. scandium (Sc) and sodium (Na) halides), mercury is enclosed as a starting gas and a buffer gas to maintain electrical characteristics and arc discharge at the optimum temperature for starting. The outer tube 63 is not provided with a phosphor layer.
[0059]
Here, the outer tube 63 is formed of a borosilicate glass in which an excitation light emitting component (Ti, Zr... Element oxide) similar to the above is dissolved.
In such a metal halide lamp, basically, as a discharge occurs in the arc tube 61, the metal halide dissociates into a metal atom and a halogen atom, and the metal atom excites and emits visible light. Is obtained.
[0060]
However, since the arc tube 61 also emits ultraviolet light along with the discharge, the excitation light emission component contained in the outer tube 63 excites and emits visible light by this ultraviolet ray. Therefore, this action increases the total luminous flux as compared to the case where no excitation light emitting component is added. That is, excellent luminous efficiency can be obtained.
FIG.11 (b) is a figure which shows an example of a high pressure sodium lamp.
[0061]
This high-pressure sodium lamp is composed of an arc tube 71, a base 72, an outer tube 73, and the like. The appearance is similar to the fluorescent mercury lamp, but a polycrystalline alumina ceramic tube is used for the arc tube 71. In the arc tube 71, xenon gas as a starting gas and a buffer together with sodium as a luminescent material. Mercury as a gas is enclosed, and the outer tube 73 is not provided with a phosphor layer.
[0062]
Here, the outer tube 73 is formed of soda glass in which the same excitation light emitting components (Ti, Zr... Element oxides) as described above are dissolved.
In such a high-pressure sodium lamp, basically, as light is discharged in sodium vapor in the arc tube 71, visible light is excited and emitted to obtain a luminous flux.
However, since ultraviolet light is also slightly emitted from the arc tube 71, the excitation light emission component contained in the outer tube 73 is excited by the ultraviolet light to excite and emit visible light. By this action, the total luminous flux is increased as compared with the case where no excitation luminescence component is added, and excellent luminous efficiency can be obtained.
[0063]
【The invention's effect】
As described above, in the fluorescent lamp of the present invention, the thickness of the phosphor layer is less than 20 μm,
By dissolving an oxide of an element selected from thallium, tin, lead, and bismuth into a metal oxide serving as a base material of the protective layer in an amount of 0.01 wt% to 0.5 wt% , ultraviolet rays due to mercury excitation are generated. The utilization efficiency used for the luminous flux is improved, and the luminous flux is improved by 2% or more compared to the conventional product that does not contain the excitation light emission component.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing the appearance of a compact fluorescent lamp according to an embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view in which a fluorescent tube of the fluorescent lamp is cut.
FIG. 3 is a diagram illustrating a light emission mechanism of the fluorescent lamp.
4 is a diagram showing a method for measuring an emission spectrum in Experiment 2. FIG.
5 is a diagram showing an emission spectrum which is a measurement result of Experiment 2. FIG.
FIG. 6 is a characteristic diagram showing the relationship between the glass plate thickness and the visible light transmittance as a result of Experiment 3;
FIG. 7 is a characteristic diagram showing the relationship between the thickness of the glass tube and the relative light emission intensity as a result of Experiment 3;
FIG. 8 is a characteristic diagram showing the relationship between the thickness of a phosphor layer in a fluorescent lamp and the relative light emission intensity as a result of Experiment 4;
FIG. 9 is a cross-sectional view of an arc tube of a fluorescent lamp according to a second embodiment.
FIG. 10 is a diagram showing a fluorescent mercury lamp according to a third embodiment.
FIG. 11 is a diagram showing a metal halide lamp and a high-pressure sodium lamp according to a third embodiment.
[Explanation of symbols]
10 fluorescent tube 11 glass tube 12 phosphor layer 40 fluorescent tube 41 glass tube 42 phosphor layer 43 protective layer 51 arc tube 53 outer tube 54 electrode 55 glass tube 56 phosphor layer 61 arc tube 63 outer tube 71 arc tube 73 outer tube

Claims (1)

内面が金属酸化物を主体とする保護層で被覆され、当該保護層上に蛍光体層が被覆され、内部に水銀及び希ガスが封入された蛍光管と、当該蛍光管内に放電を生じさせる電極とを備える蛍光ランプにおいて、
前記蛍光体層の厚みが20μm未満であり、
前記保護層には、
タリウム、スズ、鉛、ビスマスから選択される元素の酸化物が、当該保護層の母材となる金属酸化物に0.01wt%以上0.5wt%以下溶け込んでいることを特徴とする蛍光ランプ。
A fluorescent tube whose inner surface is coated with a protective layer mainly composed of a metal oxide, a phosphor layer is coated on the protective layer, and mercury and a rare gas are enclosed therein, and an electrode that generates discharge in the fluorescent tube A fluorescent lamp comprising:
The phosphor layer has a thickness of less than 20 μm;
The protective layer includes
A fluorescent lamp characterized in that an oxide of an element selected from thallium, tin, lead, and bismuth is dissolved in an amount of 0.01 wt% to 0.5 wt% in a metal oxide serving as a base material of the protective layer .
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