JP3766043B2 - Anticorrosion reinforced concrete assembly and its anticorrosion method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防食補強コンクリート組立体及びその防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリート構造物やプレストレスドコンクリート構造物などのコンクリート構造物においては、酸素、水および塩化物イオン等の浸透によって、鉄筋あるいは鋼材に腐食が発生することがある。このように鋼材等が腐食すると腐食生成物によりコンクリートにひび割れが発生し、腐食をさらに加速させ、最終的にはコンクリート構造物の強度等が低下する。
【0003】
コンクリート構造物における鋼材等の腐食を防止する極めて有効な方法として、電気防食法がある。即ち、電位を変化させない状態におけるコンクリート構造物中の鋼材等の表面ではアノード反応(酸化反応)及びカソード反応(還元反応)が同時並行的に起こり腐食電池を形成してその結果鉄水和酸化物等が発生し腐食が起こるのに対し、鋼材等の電位を変化させることにより、鋼材等の表面でカソード反応のみが起こる状態とすることができ、その結果鉄水和酸化物等の発生を防止することができる。
【0004】
電気防食法を行うためには、一般的にはコンクリート表面に陽極を設け、一方鋼材等を陰極とする。これによりコンクリートを介して鋼材へ電流を供給して鋼材の電位を卑方向に変化させて防食を実現する。
【0005】
コンクリート表面に設ける陽極の材料には、電気伝導性が高いこと、安定性、耐久性、経済性に優れること、及び施工が簡便であること等の性能が求められる。現在実用化されている陽極としては、白金系金属酸化物を表面に被覆したチタン線、亜鉛、炭素繊維線等が使用されている。
【0006】
特に、炭素繊維のシートを陽極として用いた場合には、コンクリート表面を幅広く覆うことにより、コンクリート表面への電位分布をより均一にし、陽極表面での塩素ガスの発生等を抑制することができ、併せて炭素繊維シートによるコンクリート構造物の耐力の補強を行うことができるものである。
【0007】
これらの炭素繊維シートは、通常、一方向材等の、炭素繊維が当該シート内の一方向以上の方向に平行に配列されたものとなっている。そして、この炭素繊維の方向に沿った炭素繊維の引張強度により、コンクリート構造物の耐力の補強を行うことができるものである。
このように炭素繊維シートを電気防食用陽極兼耐力補強材として適用する場合、炭素繊維シートは導電性接着剤によりコンクリート構造物表面に貼り付けられる。この導電性接着剤は、炭素繊維シートから鋼材に充分に電流を流すため、高い導電率が求められるものであり、同時にコンクリート構造物を補強するためには大きな付着強度が要求されるものであるが、導電性接着剤の導電性と付着強度を自在に調整することは困難であるのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、導電性と付着強度との両方を兼ね備えるように炭素繊維シートがコンクリート構造物に固定され、電気防食効果と補強効果との両効果が得られる防食補強コンクリート組立体及びその防食方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために本発明では、コンクリート及び該コンクリート内に設けられた鋼材を含むコンクリート構造物と、該コンクリート構造物の表面上に設けられた炭素繊維シートと、該鋼材及び該炭素繊維シートに接続された通電手段とを備え、前記コンクリート構造物表面と前記炭素繊維シートとの間に、該両者の間において20kgf/cm 2 以上の接着強度を示す接着剤層と、該接着剤よりも導電性が高く、体積抵抗率10Ω・cm以下の導電性材料層とを、重ならないように区分けして配置して前記両者を付着させたことを特徴とする防食補強コンクリート組立体が提供される。
本発明では、コンクリート構造物表面と炭素繊維シートとの間に、接着剤層と導電性材料層とが重ならないように配置されるので、炭素繊維シートは接着剤層によりコンクリート構造物表面に強固に付着されて一体となり、炭素繊維自体が有する引張強度により、コンクリート構造物の耐力の補強が行なわれると共に、導電性材料層では導電性能と耐久性に優れた導電性材料の使用が可能になり、電気防食を行う際にコンクリート構造物の表面全体にわたって安定した電位分布をもたらすことができ、通電する電圧を高くしなくても防食を達成することができる。つまり、多くの場合、導電性能と耐久性に優れた導電性材料は、付着強度が低くなりやすいため、接着剤層と導電性材料層とを区分けして配置すれば、耐力補強効果と電気防食効果の両方が達成可能になる。
【0010】
また本発明では、上記防食補強コンクリート組立体の該鋼材を陰極とし、該炭素繊維シートを陽極とするように通電することを特徴とする防食補強コンクリート組立体の防食方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
前記炭素繊維シートとは、炭素繊維を含む導電性のシートであり、具体的には、シートの長さ方向に延長する直径7〜10μmの炭素繊維を、密に、例えば幅方向1mあたり1千万本以上並べて織込んだシートであって、厚さが0.05〜0.2mmのものを挙げることができる。このような炭素繊維シートとしては、例えば「TUクロス」(商品名、日石三菱(株)製)を用いることができる。
【0012】
前記炭素繊維シートの体積抵抗率は、5×10-4〜1×10-3Ω・cmであることが、陽極の荷電電圧をより低くすることができるので好ましい。
前記炭素繊維シートの引張強度は、約30,000kgf/cm2以上、特に約35,000〜72,000kgf/cm2以上、また引張弾性係数は約2.35×106〜8.00×106kgf/cm2であることが、強度の高いコンクリート防食補強装置を得ることができるために好ましい。
【0013】
前記炭素繊維シートは、1方向性シート(シートの面上の1方向のみに炭素繊維が密に配置されているもの)、2方向性シート(シートの面上の1方向及びそれに直交する方向に炭素繊維が密に配置されているもの)及びそれ以上の方向に炭素繊維が配置されているもののいずれでもよい。特に、直線性に優れ、炭素繊維の引張強度をより効率的に利用できる1方向性シートが好ましい。
また、前記炭素繊維シートは、炭素繊維以外の他の繊維を含むことができる。具体的には、例えば、1方向性の炭素繊維を保持するためのガラス繊維等の繊維を含むことができる。
【0014】
前記炭素繊維シートは、矩形又はそれ以外の形状のコンクリート構造物の表面に適合する形状としても良く、通常、少なくともその長さ方向に炭素繊維が密に配置された矩形の形状とすることができる。
【0015】
本発明の組立体において、前記炭素繊維シートは、コンクリート構造物表面上に、炭素繊維の引張強度がコンクリート構造物を補強する方向になるように設けることが好ましい。具体的には例えば、細長い直方体の梁の底面に、その長さ方向に炭素繊維が延長するように炭素繊維シートを設けることができる。また、コンクリート構造物全表面の電気防食を達成するために、補強が必要な面以外の面に前記防食補強装置及び/又は他の電気防食用の電極を設けることができる。さらに、必要に応じ、十分な補強を達成するために、炭素繊維シートを、コンクリート構造物表面上に2層以上設けることができる。
【0016】
前記炭素繊維シートをコンクリート構造物表面上に設ける際には、前記接着剤層及び前記導電性材料層により炭素繊維シートをコンクリート構造物表面上に貼付した後、さらにエポキシ樹脂等の接着剤を炭素繊維シートの中に含浸させることが好ましく、これにより炭素繊維シートの接着強度及び耐久性を向上させることができる。
【0017】
前記炭素繊維シートは、例えば、ニッケルなどの高い耐酸化力を有する金属により薄く均一に被覆したシートを使用することが可能である。この高耐酸化金属による被覆の態様としては、例えば、炭素繊維の一本一本を薄く均一に被覆してこの炭素繊維により炭素繊維シートを構成するか、あるいは、シートの表面、裏面、端辺の全てを薄く均一に被覆するか、いずれかの態様が選択可能である。このように高耐酸化金属で炭素繊維シートを被覆すれば、陽極材としての炭素繊維シートの分極抵抗を小さくでき、炭素の消費を低減することができる。
【0018】
前記接着剤層と前記導電性材料層とは、前記1方向性シートである炭素繊維シートの繊維方向に延びる縞模様状に、重ならないように区分けして配置することが好ましい。このように配置すれば、炭素繊維シートの電極部分と補強部分のそれぞれを均一に区分けすることができる。この場合、繊維方向の導電率と引張強度は繊維直角方向に比較して極めて高いなどの理由により、電極機能と補強機能を有効且つ均一に利用することができる効果が得られる。
【0019】
前記導電性材料層は、水分保持性能と、接着剤よりも良好な導電性とを有し、かつ、炭素繊維シートがコンクリート構造物表面から剥がれない程度の付着力を有する材料から構成する。この導電性材料層は、炭素繊維シートとコンクリート構造物表面との接触抵抗を低く抑制し、また流電陽極としての炭素繊維シートの性能を保持可能な程度とした、硬化した際の体積抵抗率が10Ω・cm以下を示す層である。また水分保持性能は、流電陽極としての炭素繊維シートの電位上昇を抑制することができる程度であることが好ましい。
【0020】
前記導電性材料層は、例えば、ベントナイト、生石灰、MgSO4、MgCl2を含む材料から構成することが可能である。この材料には、付着強度を期待することはできないものの、水分保持性能という点では良好な結果が得られる。
また前記導電性材料層は、例えば、石膏(MgSO4・H2O)、NaCl、黒鉛を含む材料から構成することが可能である。この材料には、上記と同様に付着強度は多く期待できないが、炭素繊維シートとコンクリート構造物表面との接触抵抗の低減という点では優れた効果が得られる。なお、上記黒鉛は粒子にニッケルなどの金属膜を設けたものを使用しても良い。
【0021】
前記接着剤層は、炭素繊維シートがコンクリート構造物表面に強固に付着するものであれば良く、例えば、エポキシ樹脂等を挙げることができて、硬化した際にコンクリート表面と炭素繊維シートとの間において20kgf/cm2以上の接着強度が得られる層である。
【0022】
本発明の組立体は、防食電流を供給するために通電装置を備える。この通電装置は、防食電流を供給することができるものであれば特に限定されず、市販のもの等の各種の直流安定化電源装置等を用いることができる。前記通電装置の陰極には鋼材が接続され、前記通電装置の陽極には炭素繊維シートが接続されることが、電気防食を効果的に行うことができるため好ましい。前記通電装置と前記炭素繊維シートとの接続は、電気的な接続が達成されるものであれば特に限定されず、脱着可能なものでも固着されたものでも一体として成形されたものでもよい。
【0023】
本発明の防食補強コンクリート組立体は、必要に応じて、電気防食における防食電流量の調整、鉄筋電位による防食効果の確認などのために、照合電極を含むことができる。前記照合電極としては、塩化銀電極又は鉛電極等を用いることができる。前記照合電極は、前記コンクリート構造物中の、前記鋼材の近傍に設けることが好ましい。
【0024】
前記コンクリート構造物を構成するコンクリートは、セメント、水、細骨材及び粗骨材等を含む通常のコンクリートに加え、モルタル、セメントペースト等を硬化させたものを含む。前記コンクリート構造物は、前記コンクリートと、鋼材とを含む構造物である。前記鋼材とは、広くコンクリート内に設けられる金属をいい、鉄筋コンクリート中に設けられる鉄筋及びプレストレストコンクリート中に設けられる鋼材等の、コンクリートの耐久性等を高める等の目的でコンクリート内に設けられる金属を含む。
【0025】
本発明の防食補強コンクリート組立体は、新たにコンクリート構造物を建造するにあたり組み立てることができるが、既存のコンクリート構造物の補修として、既存のコンクリート構造物の表面上に前記炭素繊維シートを設け、既存のコンクリート中の鋼材を陰極とし前記炭素繊維シートを陽極とするよう通電装置を接続することにより組み立てることもできる。
【0026】
既存のコンクリート構造物の補修として本発明の防食補強コンクリート組立体を組み立てる場合は、前記防食補強装置を設けるのに先立ち、コンクリート構造物中の鋼材に排流端子等を設け、又コンクリート構造物中に前記照合電極を設けることが好ましい。また、コンクリート構造物中の全ての鋼材が電気的に導通しているかを確認し、必要に応じて溶接等により鋼材を導通させることが好ましい。そして、コンクリート構造物表面に付着している汚れやレイタンス等を、サンドブラストや超高圧ウォータージェット等で取り除き、さらにコンクリートの粉末を圧縮空気で取り除く等の処理を行うことが好ましい。
【0027】
前記炭素繊維シートの貼付は、乾燥したコンクリート構造物表面に縦縞模様にマスキングテープを貼り、このマスキングテープが貼られていないコンクリート表面にローラー刷毛やゴムべら等で均一に接着剤を塗布し、その後マスキングテープを剥がして、接着剤が塗布されていないコンクリート表面に導電性材料を塗布した後、直ちに前記炭素繊維シートを付着させ、さらにシート表面を繊維方向へゴムべら等でしごき、さらに前記含浸用の接着剤を含浸させることにより行うことができる。
【0028】
本発明の防食方法は、前記防食補強コンクリート組立体内の鋼材を陰極とし該炭素繊維シートを陽極とするよう通電して防食することができる。
【0029】
前記通電する際の好ましい通電量は、防食補強コンクリート組立体の構造等に応じて異なるため、通電試験によって決定することが好ましい。具体的には、以下の手順により決定することができる。
1)前記鋼材の自然電位を測定する。
2)分極試験により、通電電流量と前記鋼材の電位との関係を求める。
3)自然電位からの所要分極量を得るための通電電流量を求める。
4)3)で求められた通電電流量で24時間以上通電する。
5)復極試験により、所定の復極量(100mV以上)が得られるか確認する。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
図3は本発明の防食補強コンクリート組立体1を示す模式図である。
防食補強コンクリート組立体1は、既存の鉄筋コンクリート構造物3に炭素繊維シート5を設け、鉄筋2及び炭素繊維シート5に電源装置8などを接続して組み立てたものであって、鉄筋コンクリート構造物3の表面と炭素繊維シート5との間には、接着剤層4aと導電性材料層4bとが重ならないように区分けして配置される。
【0032】
さらに詳細に説明すれば、既存の鉄筋コンクリート構造物3の劣化部ははつられ、コンクリートの表面金属が除去され、セメントペーストでコンクリートの表面が下地処理される。コンクリート中の鉄筋2にはリード線がスポット溶接により接続され、排流端子9及び測定端子12が設けられる。そして、鉄筋2にはプラスチックバンドで塩化銀照合電極10が固定された。また、鉄筋コンクリート構造物中に存在する鉄筋2の全てが電気的に導通しているかどうかが測定され、導通していない鉄筋があれば溶接して接続し全ての鉄筋が導通される。
【0033】
次に、コンクリート構造物3の表面に付着している汚れやレイタンス等はサンドブラストや超高圧ウォータージェット等で取り除かれ、コンクリートの粉末が圧縮空気で取り除かれる。コンクリートの表面が乾燥した後、コンクリート表面には、図1の模式図に示したように接着剤層4aと導電性材料層4bとが縦縞模様状に塗布される。すなわち、コンクリート表面の複数の箇所に縦縞模様状にマスキングテープが貼られ、これらマスキングテープが貼られていないコンクリート表面にローラー刷毛やゴムべら等で均一にエポキシ系樹脂接着剤が塗布されて接着剤層4aが形成され、その後マスキングテープが剥がされて、エポキシ樹脂系接着剤4aが塗布されていない縦縞部分に導電性材料が塗布されて導電性材料層4bが形成された後、直ちに炭素繊維シート5が貼り付けられ、シート表面が繊維方向へゴムべらでしごかれ、さらにその上からエポキシ系樹脂接着剤6が繊維の中に含浸させられる。なお、エポキシ系樹脂接着剤6の上には、図2及び図3に示したように、さらに炭素繊維シート7を貼り付けることも可能である。
【0034】
そして、炭素繊維シートの端部をねじ止めでリード線9bと接続した後、直流電圧計を用いて、設置した炭素繊維シート陽極が電気的に導通していることが確認される。
【0035】
さらに、直流電源装置8を収納する電源ボックスがコンクリート製の台座にアンカーボルトで固定される。排流端子9aが陰極側となり、リード線9bが陽極側となるよう、これらと直流電源装置8とが接続れる。接続のための線及び接続箇所等は全て絶縁材と防水材で処理される。
以上のようにして本発明の防食補強コンクリート組立体1は形成される。
【0036】
【発明の効果】
本発明の防食補強コンクリート組立体では、接着剤層と導電性材料層とが重ならないように、コンクリート表面上に別々に区分けして配置されるので、炭素繊維シートは接着剤層によりコンクリート構造物表面に強固に付着されて一体となり、コンクリート構造物の耐力補強がなされる一方で、導電性材料層では導電性能と耐久性に優れた導電性材料の使用が可能になり、コンクリート構造物に安定した電位分布をもたらすことができ、従来と比較すると低い電圧で防食達成が可能になる。また接着剤層と導電性材料層の面積比は容易に調整可能であるため、電気防食効果と耐力補強効果とをそれぞれ自在に調整することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防食補強コンクリート組立体の構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明の防食補強コンクリート組立体の構成を説明するための模式図である。
【図3】本発明の防食補強コンクリート組立体の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 防食補強コンクリート
2 鉄筋
3 鉄筋コンクリート構造物
4a 接着剤層
4b 導電性材料層
5 炭素繊維シート
6 エポキシ系樹脂接着剤
7 炭素繊維シート
8 電源装置
9 排流端子
9b リード線
10 照合電極
11 電圧計
12 測定端子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an anticorrosion reinforced concrete assembly and an anticorrosion method thereof.
[0002]
[Prior art]
In a concrete structure such as a reinforced concrete structure or a prestressed concrete structure, corrosion of the reinforcing bar or steel material may occur due to permeation of oxygen, water, chloride ions, or the like. When the steel material or the like is corroded in this way, cracks are generated in the concrete due to the corrosion products, further accelerating the corrosion, and finally the strength of the concrete structure is lowered.
[0003]
As an extremely effective method for preventing corrosion of steel materials and the like in a concrete structure, there is an anticorrosion method. In other words, the anode reaction (oxidation reaction) and the cathode reaction (reduction reaction) occur simultaneously on the surface of the steel material or the like in the concrete structure in a state where the potential is not changed, and a corrosion cell is formed as a result. Corrosion occurs due to the occurrence of corrosion, etc., but by changing the potential of the steel material, only the cathode reaction can occur on the surface of the steel material, thereby preventing the generation of iron hydrated oxides, etc. can do.
[0004]
In order to carry out the cathodic protection method, an anode is generally provided on the concrete surface, while steel or the like is used as the cathode. As a result, the current is supplied to the steel material through the concrete to change the potential of the steel material in the base direction, thereby realizing corrosion prevention.
[0005]
The material of the anode provided on the concrete surface is required to have performance such as high electrical conductivity, excellent stability, durability and economy, and simple construction. As the anode that is currently in practical use, titanium wire, zinc, carbon fiber wire, etc. with a platinum metal oxide coated on the surface are used.
[0006]
In particular, when a carbon fiber sheet is used as the anode, by covering the concrete surface broadly, the potential distribution on the concrete surface can be made more uniform, and the generation of chlorine gas on the anode surface can be suppressed, In addition, the strength of the concrete structure can be reinforced by the carbon fiber sheet.
[0007]
In these carbon fiber sheets, carbon fibers such as unidirectional materials are usually arranged in parallel to one or more directions in the sheet. And the proof stress of a concrete structure can be reinforced with the tensile strength of the carbon fiber along the direction of this carbon fiber.
Thus, when applying a carbon fiber sheet as an anode and a proof stress reinforcement for cathodic protection, a carbon fiber sheet is affixed on the concrete structure surface with a conductive adhesive. This conductive adhesive is required to have a high electrical conductivity in order to allow a sufficient current to flow from the carbon fiber sheet to the steel material, and at the same time, a large adhesion strength is required to reinforce the concrete structure. However, it is difficult to freely adjust the conductivity and adhesion strength of the conductive adhesive.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an anticorrosion-reinforced concrete assembly in which a carbon fiber sheet is fixed to a concrete structure so as to have both conductivity and adhesion strength, and to obtain both an anticorrosion effect and a reinforcement effect, and the anticorrosion It is to provide a method.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the conventional problems, in the present invention, a concrete structure including concrete and a steel material provided in the concrete, a carbon fiber sheet provided on the surface of the concrete structure, the steel material, and the steel and a current supply means connected to the carbon fiber sheet, between the concrete structure surface and the carbon fiber sheet, the adhesive layer exhibiting 20 kgf / cm 2 or more bonding strength between the both said person, said than the adhesive conductivity rather high, corrosion reinforced concrete, characterized in that a volume resistivity of 10 [Omega · cm or less conductive materials layer was placed in divided so as not to overlap to attach the two An assembly is provided.
In the present invention, since the adhesive layer and the conductive material layer are arranged so as not to overlap between the concrete structure surface and the carbon fiber sheet, the carbon fiber sheet is firmly attached to the concrete structure surface by the adhesive layer. The tensile strength of the carbon fiber itself reinforces the strength of the concrete structure, and the conductive material layer enables the use of a conductive material with excellent conductive performance and durability. In addition, when performing anticorrosion, it is possible to provide a stable potential distribution over the entire surface of the concrete structure, and it is possible to achieve anticorrosion without increasing the energizing voltage. In other words, in many cases, conductive materials with excellent conductive performance and durability tend to have low adhesion strength. Therefore, if the adhesive layer and conductive material layer are placed separately, the strength reinforcement effect and anticorrosion can be achieved. Both effects can be achieved.
[0010]
According to the present invention, there is also provided a corrosion prevention method for an anticorrosion reinforced concrete assembly, wherein current is applied so that the steel material of the anticorrosion reinforced concrete assembly is a cathode and the carbon fiber sheet is an anode.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The carbon fiber sheet is a conductive sheet containing carbon fibers. Specifically, carbon fibers having a diameter of 7 to 10 μm extending in the length direction of the sheet are densely, for example, 1,000 per 1 m in the width direction. A sheet having a thickness of 0.05 to 0.2 mm can be mentioned which is woven in a line of ten thousand or more. As such a carbon fiber sheet, for example, “TU cloth” (trade name, manufactured by Mitsubishi Corporation) can be used.
[0012]
The volume resistivity of the carbon fiber sheet is preferably 5 × 10 −4 to 1 × 10 −3 Ω · cm because the charging voltage of the anode can be further reduced.
Tensile strength of the carbon fiber sheet is about 30,000kgf / cm 2 or more, particularly about 35,000~72,000kgf / cm 2 or more and a tensile modulus of elasticity of about 2.35 × 10 6 ~8.00 × 10 6 kgf / cm 2 is preferable because a high-strength concrete anticorrosion reinforcing device can be obtained.
[0013]
The carbon fiber sheet is a unidirectional sheet (one in which carbon fibers are densely arranged in only one direction on the surface of the sheet), and a bi-directional sheet (one direction on the surface of the sheet and a direction perpendicular thereto). Any of those in which carbon fibers are densely arranged) and those in which carbon fibers are arranged in more directions may be used. In particular, a unidirectional sheet that is excellent in linearity and can more efficiently utilize the tensile strength of carbon fiber is preferable.
Moreover, the said carbon fiber sheet can contain other fibers other than a carbon fiber. Specifically, for example, fibers such as glass fibers for holding unidirectional carbon fibers can be included.
[0014]
The carbon fiber sheet may have a shape that conforms to the surface of a concrete structure having a rectangular shape or other shape, and can usually have a rectangular shape in which carbon fibers are densely arranged in at least the length direction thereof. .
[0015]
In the assembly of the present invention, it is preferable that the carbon fiber sheet is provided on the surface of the concrete structure so that the tensile strength of the carbon fibers is in a direction to reinforce the concrete structure. Specifically, for example, a carbon fiber sheet can be provided on the bottom surface of an elongated rectangular parallelepiped beam so that the carbon fibers extend in the length direction. Moreover, in order to achieve the anticorrosion of the entire surface of the concrete structure, the anticorrosion reinforcing device and / or another electrode for anticorrosion can be provided on a surface other than the surface requiring reinforcement. Furthermore, in order to achieve sufficient reinforcement, two or more layers of carbon fiber sheets can be provided on the concrete structure surface as necessary.
[0016]
When the carbon fiber sheet is provided on the surface of the concrete structure, the carbon fiber sheet is attached to the surface of the concrete structure with the adhesive layer and the conductive material layer, and then an adhesive such as an epoxy resin is further added to the carbon. It is preferable to impregnate the fiber sheet, thereby improving the adhesive strength and durability of the carbon fiber sheet.
[0017]
The carbon fiber sheet, for example, it is possible to use a sheet thinly and uniformly coated with a metal having a high oxidation power, such as nickel. The embodiment of the coating according to the high oxidation metal, for example, or by thinly and uniformly coat the one single carbon fiber constituting the carbon fiber sheet by carbon fiber, or surface of the sheet, the back side, the end side thinly and uniformly or to coat all, it is any aspect can be selected. Thus, if a carbon fiber sheet is coat | covered with a high oxidation-resistant metal, the polarization resistance of the carbon fiber sheet as an anode material can be made small, and consumption of carbon can be reduced.
[0018]
It is preferable that the adhesive layer and the conductive material layer are arranged in a striped pattern extending in the fiber direction of the carbon fiber sheet that is the unidirectional sheet so as not to overlap . In this arrangement, Ru can be uniformly partition the respective electrode portions and the reinforcing portion of the carbon fiber sheet. In this case, there is an effect that the electrode function and the reinforcing function can be used effectively and uniformly because the electrical conductivity and tensile strength in the fiber direction are extremely high compared to the direction perpendicular to the fiber.
[0019]
The conductive material layer is made of a material that has moisture retention performance and conductivity that is better than that of an adhesive, and has an adhesive force that prevents the carbon fiber sheet from peeling off from the surface of the concrete structure. The conductive material layer is in contact resistance low suppression of the carbon fiber sheet and the concrete structure surface, also set to the extent capable of holding the ability of the carbon fiber sheet as a galvanic anode, hard phased volume resistance when It is a layer having a rate of 10 Ω · cm or less . Moreover, it is preferable that a water | moisture retention performance is a grade which can suppress the electrical potential increase of the carbon fiber sheet as a galvanic anode.
[0020]
The conductive material layer can be made of a material containing, for example, bentonite, quicklime, MgSO 4 , or MgCl 2 . Although it is not possible to expect adhesion strength with this material, good results are obtained in terms of moisture retention performance.
The conductive material layer can be made of a material containing, for example, gypsum (MgSO 4 · H 2 O), NaCl, and graphite. This material cannot be expected to have much adhesion strength as described above, but has an excellent effect in terms of reducing the contact resistance between the carbon fiber sheet and the concrete structure surface. In addition, you may use the said graphite provided with metal films, such as nickel, in the particle | grains.
[0021]
The adhesive layer may be any layer as long as the carbon fiber sheet adheres firmly to the surface of the concrete structure. 20 kgf / cm 2 or more bonding strength is a layer that is obtained in the.
[0022]
The assembly of the present invention includes a current-carrying device for supplying a corrosion-proof current. The energization device is not particularly limited as long as it can supply the anticorrosion current, and various DC stabilized power supply devices such as commercially available ones can be used. It is preferable that a steel material is connected to the cathode of the current-carrying device and a carbon fiber sheet is connected to the anode of the current-carrying device because the anticorrosion can be effectively performed. The connection between the current-carrying device and the carbon fiber sheet is not particularly limited as long as electrical connection is achieved, and may be detachable, fixed, or integrally formed.
[0023]
The anticorrosion reinforced concrete assembly of the present invention can include a reference electrode for adjusting the amount of anticorrosion current in the electrocorrosion prevention, confirming the anticorrosion effect by the reinforcing bar potential, and the like, if necessary. As the reference electrode, a silver chloride electrode or a lead electrode can be used. The reference electrode is preferably provided in the vicinity of the steel material in the concrete structure.
[0024]
The concrete constituting the concrete structure includes hardened mortar, cement paste, etc. in addition to ordinary concrete including cement, water, fine aggregate, coarse aggregate and the like. The concrete structure is a structure including the concrete and a steel material. The steel material refers to a metal widely provided in concrete, and a metal provided in concrete for the purpose of enhancing the durability of concrete, such as a steel material provided in reinforced concrete and a steel material provided in prestressed concrete. Including.
[0025]
The anticorrosion reinforced concrete assembly of the present invention can be assembled for newly constructing a concrete structure, but as a repair of the existing concrete structure, the carbon fiber sheet is provided on the surface of the existing concrete structure, It can also be assembled by connecting a current-carrying device so that the steel material in the existing concrete is the cathode and the carbon fiber sheet is the anode.
[0026]
When assembling the anticorrosion reinforced concrete assembly of the present invention as a repair of an existing concrete structure, prior to the provision of the anticorrosion reinforcement device, the steel material in the concrete structure is provided with a drain terminal, etc. It is preferable to provide the reference electrode in Moreover, it is preferable to confirm whether all the steel materials in the concrete structure are electrically connected and to conduct the steel materials by welding or the like as necessary. Then, it is preferable to perform a treatment such as removing dirt, latency, etc. adhering to the surface of the concrete structure by sandblasting, ultra-high pressure water jet or the like, and further removing concrete powder with compressed air.
[0027]
The carbon fiber sheet is affixed by applying a masking tape in a vertical stripe pattern on the surface of the dried concrete structure, and uniformly applying an adhesive with a roller brush or a rubber spatula on the concrete surface on which the masking tape is not applied. After stripping the tape and applying a conductive material to the concrete surface to which no adhesive has been applied, the carbon fiber sheet is immediately attached, and the sheet surface is further rubbed with a rubber blade or the like in the fiber direction, and the adhesion for impregnation is further performed. It can be performed by impregnating the agent.
[0028]
In the anticorrosion method of the present invention, corrosion can be prevented by energizing the steel material in the anticorrosion reinforced concrete assembly as a cathode and the carbon fiber sheet as an anode.
[0029]
Since the preferable energization amount at the time of energization varies depending on the structure of the anticorrosion reinforced concrete assembly, etc., it is preferably determined by an energization test. Specifically, it can be determined by the following procedure.
1) The natural potential of the steel material is measured.
2) Obtain the relationship between the amount of energized current and the potential of the steel material by a polarization test.
3) An energization current amount for obtaining a required polarization amount from a natural potential is obtained.
4) Energize for 24 hours or longer with the energization current obtained in 3).
5) It is confirmed whether a predetermined depolarization amount (100 mV or more) can be obtained by a depolarization test.
[0030]
【Example】
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of the invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0031]
FIG. 3 is a schematic view showing the anticorrosion reinforced concrete assembly 1 of the present invention.
The anticorrosion reinforced concrete assembly 1 is an assembly in which a
[0032]
If it demonstrates in detail, the deterioration part of the existing reinforced concrete structure 3 will be pinched, the surface metal of concrete will be removed, and the concrete surface will be ground-treated with cement paste. A lead wire is connected to the reinforcing
[0033]
Next, dirt, latency, etc. adhering to the surface of the concrete structure 3 are removed by sandblasting, ultra-high pressure water jet or the like, and concrete powder is removed by compressed air. After the concrete surface is dried, the
[0034]
And after connecting the end part of a carbon fiber sheet with
[0035]
Furthermore, a power supply box that houses the DC power supply device 8 is fixed to a concrete base with anchor bolts. These are connected to the DC power supply device 8 so that the
As described above, the anticorrosion reinforced concrete assembly 1 of the present invention is formed.
[0036]
【The invention's effect】
In the anti-corrosion reinforced concrete assembly of the present invention, the carbon fiber sheet is arranged on the concrete surface by the adhesive layer so that the adhesive layer and the conductive material layer do not overlap each other. While it is firmly attached to the surface and united to reinforce the strength of the concrete structure, the conductive material layer makes it possible to use a conductive material with excellent conductivity and durability, making it stable in the concrete structure. Thus, the anticorrosion can be achieved at a lower voltage compared to the conventional case. Further, since the area ratio between the adhesive layer and the conductive material layer can be easily adjusted, it is possible to freely adjust the anticorrosion effect and the strength reinforcement effect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view for explaining the configuration of a corrosion-proof reinforced concrete assembly of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view for explaining the configuration of the anticorrosion reinforced concrete assembly of the present invention.
FIG. 3 is a schematic view showing an example of the anticorrosion reinforced concrete assembly of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Corrosion-proof reinforced
Claims (4)
前記コンクリート構造物表面と前記炭素繊維シートとの間に、該両者の間において20kgf/cm 2 以上の接着強度を示す接着剤層と、該接着剤よりも導電性が高く、体積抵抗率10Ω・cm以下の導電性材料層とを、重ならないように区分けして配置して前記両者を付着させたことを特徴とする防食補強コンクリート組立体。A concrete structure including concrete and a steel material provided in the concrete; a carbon fiber sheet provided on a surface of the concrete structure; and a current-carrying means connected to the steel material and the carbon fiber sheet.
Between the concrete structure surface and the carbon fiber sheet, the adhesive layer exhibiting 20 kgf / cm 2 or more bonding strength between the both said person, rather conductivity higher than the adhesive, the volume resistivity 10 [Omega · cm or less of the conductive materials layer, do not overlap as divided and arranged in corrosion reinforced concrete assembly is characterized in that by attaching the two.
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