JP3765800B2 - 翻訳用辞書制御装置、翻訳用辞書制御方法、および翻訳用辞書制御プログラム - Google Patents

翻訳用辞書制御装置、翻訳用辞書制御方法、および翻訳用辞書制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は翻訳用辞書制御装置、翻訳用辞書制御方法、および翻訳用辞書制御プログラムに関し、例えば、複数の辞書を用いて機械翻訳を実行する場合などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に機械翻訳システムでは、システムが標準装備する基本的な辞書(基本辞書)のほかに、分野固有の専門用語が登録された分野辞書や、ユーザが個別に作成したユーザ辞書を備えている。高品質な翻訳結果を得るためには、適切な辞書を適切な優先順位で参照するよう設定しなければならないが、多くの場合、辞書の選択およびその優先順位づけはユーザの判断に委ねられている。
【0003】
こうした問題を解決するため、参照する辞書の優先順位を決定する技術として、下記の特許文献1に開示された技術がある。この技術では、翻訳対象の文書(以下、原文という)を構文解析し、その結果に対応する訳語がそれぞれの辞書に存在するかどうかをチェックして、存在する訳語数の多い辞書から順に高い優先順位をつけ、その優先順位に応じた順番で翻訳時に参照するというものである。この技術を用いることにより、個々の原文にあわせて、訳語の存在量が多い順に分野辞書が選択されるので、ユーザが辞書の選択を行なわなくても、より専門分野に近い翻訳処理が行なえる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−60117号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、各辞書に訳語が存在するかどうかだけを調べていて、その妥当性を検討していないので、たとえ訳語が多く含まれる辞書を優先的に参照したとしても、適切な翻訳結果を得られるとは限らず、翻訳結果の品質が低い。
【0006】
例えば、特許文献1の技術では、単純に収録された訳語の数が多い辞書ほど優先順位が高くなる可能性が高いが、収録された訳語の数が多いからといって、その訳語の内容が、当該専門分野に適合したものである保証はないからである。例えば、前記基本辞書のほうが分野辞書よりも見出し語の数(訳語の数に対応)がはるかに多いことも少なくないが、基本辞書では、専門分野の翻訳は適切に行うことができないのが普通である。
【0007】
また特許文献1の技術では、翻訳対象の文書を使って訳語の存在数をカウントするため、翻訳要求があるたびに辞書の優先順位を決定しなおさなければならいが、優先順位の決定には長い時間を要する。このため、翻訳要求を出すユーザの立場からみると、翻訳要求を出してから翻訳結果を得られるまでの時間(応答時間)が長いという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の本発明では、第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書を備える翻訳用辞書制御装置において、(1)1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れる基準情報受入部と、(2)前記複数の翻訳用辞書と基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求める類似度演算部と、(3)当該類似度をもとに、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成して格納する検索優先順位格納部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、第2の本発明では、第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書を用いる翻訳用辞書制御方法において、(1)基準情報受入部が、1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れ、(2)類似度演算部が、前記複数の翻訳用辞書と基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求め、(3)当該類似度をもとに、検索優先順位格納部が、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成し格納しておくことを特徴とする。
【0010】
さらに、第3の本発明では、第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書を利用する翻訳用辞書制御プログラムにおいて、コンピュータに、(1)1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れる基準情報受入機能と、(2)前記複数の翻訳用辞書と基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求める類似度演算機能と、(3)当該類似度をもとに、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成して格納する検索優先順位格納機能とを実現させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
(A)実施形態
以下、本発明にかかる翻訳用辞書制御装置、翻訳用辞書制御方法、および翻訳用辞書制御プログラムを、機械翻訳システムに適用した場合を例に実施形態について説明する。
【0012】
第1および第2の実施形態に共通する特徴は、簡単な情報を入力することで翻訳辞書の優先順位を自動的に決定し、適切な辞書選択が行なえる仕組みを提供することにある。
【0013】
(A−1)第1の実施形態の構成
本実施形態にかかる機械翻訳システム10の全体構成例を図1に示す。
【0014】
図1において、当該機械翻訳システム10は、入出力装置1と、処理装置2と、記憶装置3とを備えている。
【0015】
このうち入出力装置1は、入力部11と出力部12とからなる。
【0016】
入力部11は、例えば、キーボードやマウスなどのポインティングデバイス、スキャナと文字認識処理、マイクと音声認識処理などの各種機能によって構成され得る部分で、ユーザU1が各種入力操作を行なう際に機能する。
【0017】
出力部12は、例えば、ディスプレイ装置への表示、音声への変換および音声出力などの各種機能によって構成され得る部分で、ユーザU1や記憶装置3内の各種ファイル(図示せず)に対して各種の情報を提供する。ここで、ユーザU1は、当該機械翻訳システム10を操作するオペレータなどであってよい。
【0018】
なお、当該入力部11や出力部12は、人間であるユーザU1とのインタフェースとして機能するだけでなく、リモートの、あるいはローカルの情報処理装置(図示せず)とのあいだで制御情報やデータのやり取りを行うためにも機能し得る。このようなユーザU1あるいは情報処理装置とのやり取りに応じて、後述する辞書集合ST1に含まれる辞書が取得されるものであってもよい。また、辞書集合ST1を構成する辞書の本体はWebサーバ側などに配置しておき、検索結果のみ(あるいは、翻訳結果のみ)をネットワーク経由で当該機械翻訳システム10に取得する構成としてもよい。検索結果のみを取得するには、Webサーバ側でCGIプログラムなどを利用して検索を行い、その結果を機械翻訳システム10へ返送するようにすればよい。
【0019】
前記記憶装置3は、ハードウエア的には、ハードディスクや光ディスクなどの不揮発性記憶手段や、メモリなどの揮発性記憶手段などから構成され、ソフトウエア的には、辞書やテーブルなど、各種の形式で情報を収容し記憶する部分である。
【0020】
この記憶装置3は、前記辞書集合ST1のほか、辞書順位テーブル34と、原文データベース35と、訳文データベース36と備えている。
【0021】
このうち原文データベース35は、機械翻訳の対象となる文書(原文)を格納しているデータベースで、複数の原文35A、35Bを格納している。また、訳文データベース36は、機械翻訳の結果として得られる文書(訳文)を格納するデータベースで、複数の訳文36A、36Bを格納することができる。機械翻訳の対象となる文書を格納しているため、当該原文データベース35は、翻訳処理部22によってアクセスされるが、翻訳辞書制御部21からアクセスされることはない。
【0022】
必ずしもデータベースの形式で格納しておく必要はないが、記憶装置3にはこのように、機械翻訳の対象となる原文(例えば、35A)と、機械翻訳の結果として得られる訳文(例えば、36A)が格納される。
【0023】
ここで、原文35Aと35Bは、詳細に分類した場合、属する分野が異なるものであってよい。例えば、原文35Aは後述する「無線通信」分野に属する専門性の高い文書であり、原文35Bは「有線通信」分野に属する文書であるが、専門性はそれほど高くなく、他の分野(例えば、「経済」分野など)に属する文章なども含まれているものとする。
【0024】
辞書集合ST1は、集合の要素として複数の辞書を含む。辞書集合ST1に含まれる辞書はいずれも、機械翻訳の際、訳語を得るために検索される辞書であるが、基本辞書32は、機械翻訳のために必要な一般的かつ標準的な情報を登録している辞書である。これに対し分野辞書31A〜31Dは、各専門分野で用いられる専門用語を登録している辞書である。図示の例では当該辞書集合ST1に含まれる分野辞書31A〜31Dの数は4つであるが、この数は4つより少なくてもよく、多くてもよいことは当然である。
【0025】
専門分野の例としては、例えば、「政治」、「経済」、「電気」、「通信」などがあげられる。また、専門分野のあいだには、階層的な包含被包含の関係を設定することができ、内容的に近い分野でまとめてグループ分けすることも可能である。
【0026】
例えば、階層的な包含被包含の関係の例としては、前記「通信」分野に、「無線通信」分野と「有線通信」分野が含まれ、「無線通信」分野には、「衛星通信」、「携帯電話」、「PHS」、「CSMA/CA」などの各分野が含まれ、「有線通信」分野には、「CSMA/CD」、「ADSL」、「L3スイッチ」などの各分野が含まれる関係をあげることができる。また、グループ分けの例としては、前記「政治」と「経済」の分野を1つのグループに分類し、前記「電気」と「通信」をもう1つのグループに分類すること等があげられる。
【0027】
専門分野の例として、「政治」、「経済」、「電気」、「通信」を想定すると、前記分野辞書31A〜31Dのうち、分野辞書31Aは「政治」分野に対応し、分野辞書31Bは「経済」分野に対応し、分野辞書31Cは「電気」分野に対応し、分野辞書31Dは「通信」分野に対応するものであってよい。
【0028】
また、前記辞書集合ST1のなかには、前記基本辞書32や分野辞書31A〜31Dのほかに、ユーザ辞書33を含んでいる。
【0029】
ユーザ辞書は、個々のユーザ(ここでは、U1)の指定にしたがって見出し語や訳語を登録した辞書である。このため、ユーザ辞書の登録内容には、そのユーザの好みや嗜好が反映される。したがって、当該ユーザ辞書33の内容をユーザU1が登録したものとすると、ユーザ辞書33には、ユーザU1の好みや嗜好に応じた見出し語や訳語が登録されていることになる。
【0030】
前記辞書順位テーブル34は、機械翻訳のために辞書集合ST1内の各辞書を検索する際の優先順位を格納したテーブルである。
【0031】
辞書集合ST1内の各辞書に対し、決定された優先順位にしたがって検索が行われるように制御できれば、必ずしも明示的に優先順位という形式で情報を用意する必要はないし、必ずしもテーブル形式で優先順位と各辞書を対応付ける必要もない。例えば、各辞書へのアクセス権を単リスト(単方向リスト)中の各要素のなかに格納し、要素中のポインタ(次の要素のアドレスを指定する)の値を、優先順位が変わるたびに変更するようにすれば、単リスト中における要素の順番がそのまま、優先順位を示すものになる。しかしながら本実施形態では、明示的に優先順位という形式で情報を用意し、なおかつ、テーブル形式で優先順位と各辞書を対応付けている。
【0032】
当該辞書順位テーブル34の構成は、例えば、図7に示すものであってよい。
【0033】
図7において、当該辞書順位テーブル34は、データ項目(列名)として、辞書名と優先順位を備えている。
【0034】
辞書名として格納される値は、前記辞書集合ST1のなかで各辞書を一意に識別することができる識別情報であればどのような情報であってもかまわないが、図示の例では、「DT」のあとに、各辞書31A〜33の符号の末尾の文字または数字(例えば、符号31Bを付与した分野辞書31Bの場合には「B」、符号33を付与したユーザ辞書33の場合には「3」)を付与したものをその辞書の辞書名としている。
【0035】
また、辞書集合ST1の辞書のなかに例外を設け、例えば、ユーザ辞書33が存在する場合には、無条件に最上位の優先順位(1位)を付与したり、基本辞書32には無条件に最下位の優先順位を付与したりして、特定の辞書は常に特定の優先順位になるように制御することも可能であるが、ここでは、そのような例外は設けていない。
【0036】
さらに、辞書集合ST1中の一部の辞書についてのみ優先順位を付与し、残りの辞書には付与しない構成(この場合、優先順位を付与していない辞書は検索しない)とすることは、検索効率の向上や訳質の低下防止のために有効な方法であると考えられる。例えば、前記グループ分けを利用して、ユーザU1が指定した辞書と同じグループに属する辞書にのみ優先順位を付与したり、類似度が所定のしきい値よりも小さい辞書(例えば、指定された辞書と比較して共通の見出し語や訳語が存在しない辞書)には優先順位を付与しない構成とすることも可能であるが、図7の例では、辞書集合ST1中の全辞書について優先順位を付与している。
【0037】
なお、図7において、優先順位として格納される値は、そのまま該当する辞書の優先順位を示す数字となっている。
【0038】
したがって、辞書順位テーブル34が図7に示した状態である場合、もっとも優先順位が高いのは、辞書名DTDに対応する「通信」分野の分野辞書31Dであり、2番目に優先順位が高いのは、辞書名DTCに対応する「電気」分野の分野辞書31Cであり、3番目に優先順位が高いのは、辞書名DT3に対応するユーザ辞書33であり、4番目に優先順位が高いのは、辞書名DT2に対応する基本辞書32であり、5番目に優先順位が高いのは、辞書名DTBに対応する「経済」分野の分野辞書31Bであり、もっとも優先順位が低いのは、辞書名DTAに対応する「政治」分野の分野辞書31Aである。
【0039】
各辞書に関し当該優先順位の値を決定するのは、前記処理装置2に含まれる類似度判定部211である。
【0040】
処理装置2は、CPU(中央処理装置)などの演算装置や作業用の記憶手段としてのメモリ、制御部(必要に応じて、OS(オペレーティングシステム)なども含む)などを備えており、これらの資源を利用して翻訳辞書制御部21と、翻訳処理部22の機能が実現される。
【0041】
当該翻訳辞書制御部21の内部には、前記類似度判定部211のほか、辞書順位設定部212が設けられている。
【0042】
類似度判定部211は、ユーザU1が指定した辞書と辞書集合ST1に含まれる他の辞書とを比較し、指定した辞書に対する各辞書の類似度を求める部分である。ユーザU1が指定する辞書は、辞書集合ST1の外部からも自由に選べるようにしてもよいが、ここでは、辞書集合ST1のなかから選ぶものとする。
【0043】
指定した辞書と比較する辞書の範囲については、上述した階層的な包含被包含の関係や、グループ分けを利用して限定するようにしてもよい。例えば、階層的な包含被包含を用いて範囲を限定する場合、指定した辞書を根とする部分木(指定した辞書に包含される1または複数の辞書)に範囲を限定することができ、グループ分けを利用して範囲を限定する場合には、指定した辞書と同一のグループに属する1または複数の辞書に範囲を限定することができる。
【0044】
ただし本実施形態では、優先順位の付与に関してすでに説明したように、このような限定を行わず、指定された辞書と、辞書集合ST1に含まれる他のすべての辞書とを比較して類似度を求めるものとする。
【0045】
このような辞書の指定では、ユーザU1は、これから機械翻訳で翻訳しようとする1または複数の原文(例えば、35A)の内容に適合すると判断した辞書を指定することになるが、ユーザU1が興味を持つ分野が決まっていて、例えば、「通信」分野に属する文書を頻繁に読む場合などには、いったん決定した優先順位は、ほとんど変更する必要がない。ユーザU1が辞書の指定を変更しなければ、すでに決定されている優先順位がそのまま維持され、複数の原文(例えば、35Aと35B)の翻訳に、同じ優先順位が適用される。
【0046】
このため、当該類似度判定部211は、前回にユーザU1が指定した辞書がいずれの辞書であるかを(例えば、前記辞書名などにより)記憶しておき、今回、ユーザU1が指定した辞書が前回と同じであれば、前回の優先順位を維持する機能を持つことも望ましい。あるいは、ユーザインタフェース(例えば、前記ディスプレイ装置に表示する画面)の構成が、必ずしもユーザが辞書を指定しなくても、機械翻訳の開始を要求できるものである場合などには、ユーザが辞書を指定しなかった場合には、自動的に、前回の優先順位を再利用するようにしてもよい。辞書間の類似度を求めるには通常、かなりの処理量を要するため、類似度判定部211の処理能力にかかる負荷を軽減し、処理時間を短縮する上で、前回の優先順位を再利用して類似度を求めるための処理を節約できる効果は大きい。
【0047】
もちろん本実施形態の場合、ユーザU1が指定した辞書は優先順位1位になるため、例えば、図7の例では、ユーザU1は、「通信」分野の分野辞書31Dを指定したことになる。
【0048】
辞書相互間の類似度を求める方法には様々なものが考えられるが、例えば、次の式(1)を用いて求めることも望ましい。
【0049】
【式1】
Figure 0003765800
この式(1)は、辞書D1の見出し語w1_{i}およびその訳語t1_{i}が辞書D2にも存在する場合、その重要度を総計するもので、総計した結果であるS(D1,D2)が、辞書D1とD2の類似度(例えば、分野辞書31Dと、分野辞書31Cの類似度)になる。
【0050】
辞書D1とD2に、見出し語と訳語が1対1の関係で登録されているものとすると、辞書D1は、
D1=(w1_{0}:t1_{0},w1_{1}:t1_{1},....w1_{n}:t1_{n})
と表現することができる。同様に、辞書D2は、
D2=(w2_{0}:t2_{0},w2_{1}:t2_{1},....w2_{n}:t2_{n})
と表現することができる。
【0051】
また、式(1)内の関数f(w_{i})は、単語(ここでは、見出し語)がその辞書内に含まれていれば真(値として「1」に対応)を返し、含まれていなければ偽(値として「0」に対応)を返す関数である。同様に、関数f(t_{i})は、単語(ここでは、訳語)がその辞書内に含まれていれば真(値として「1」に対応)を返し、含まれていなければ偽(値として「0」に対応)を返す関数である。
【0052】
さらに、W(w_{i})は、見出し語w_{i}の重要度を示す値である。この重要度には、あらかじめ計算された、コーパスでの出現頻度を正規化した値や、単語の分野における重要度を示すtf*idf値を用いることができる。ただし簡単のためには、W(w_{i})の値をすべての見出し語に共通の定数とすることもできる。その場合、式(1)の結果は、両方の辞書D1,D2に共通する見出し語と訳語の数を単純にカウントしたものに、ほぼ等しい。
【0053】
ここで、tf*dif値は、ある文書群における単語jの重要度を示し、以下の式(2)で表される。
【0054】
【式2】
Figure 0003765800
この式(2)において、idf(j)は、次の式(3)で表される。
【0055】
【式3】
Figure 0003765800
また、式(2)、(3)において、tf(ij)は、i番目の文書に単語jが含まれている個数を示し、idf(j)は、単語jが含まれている文書数の逆数を示す。
【0056】
なお、辞書間の構造(例えば、階層的な包含被包含の関係やグループなど)が予め明確である場合には、その構造を利用することによって、式(1)〜(3)などに応じた演算処理を実行するよりも、はるかに簡単に優先順位を決定できる可能性がある。例えば、階層的な包含被包含の関係を利用する場合、指定した辞書を根とする部分木のなかで根に近い節ほど優先順位を高くすることができるからである。この場合、式(1)〜(3)の演算は、根に対して同じ近さの節に位置する辞書のあいだの順位(そのような辞書が複数存在する場合に限る)を求める際にのみ利用するとよい。
【0057】
前記辞書順位設定部212は、ユーザU1による辞書の指定や、当該類似度判定部211が求めた類似度に応じて各辞書の優先順位を決め、前記辞書順位テーブル34に優先順位を設定する部分である。すべての類似度が求められたあと、類似度の値の大小から各辞書の優先順位を決める処理は、整列の問題とみなすことができるので、計算量の少ない整列アルゴリズム(例えば、クイックソートなど)に応じた処理内容とすることにより、効率的に実行することが可能である。辞書の数が図1に示したように少ない場合には、どのような処理で整列を行っても処理量などの差はほとんどないが、辞書の数が多くなった場合には、差は大きくなる。
【0058】
ユーザU1が例えば前記辞書名などをもとに、前記入力部11を介して辞書を指定すると、辞書順位設定部212は、その辞書の優先順位を1位に設定し、2位以下の辞書の優先順位は、類似度判定部211が求めた類似度に応じて設定する構成であってよい。
【0059】
なお、前記類似度は予め内容が決まっている辞書集合ST1内の辞書相互間の関係のみによって決まるため、具体的な機械翻訳の要求(例えば、原文35Aの翻訳要求)が発生する前に求めておくことができ、求めた類似度を保存しておくことができる。
【0060】
これにより、具体的な機械翻訳の要求が発生したときに類似度を求めるための処理を開始するケース(このケースは、前記特許文献1の技術に近い)に比べ、ユーザU1が機械翻訳の要求を出してから機械翻訳の結果を得るまでの時間(応答時間)を著しく短縮することが可能である。
【0061】
さらに、類似度を機械翻訳の要求が発生する前に求めておく場合には、前記優先順位も、機械翻訳の要求が発生する前に生成して保存しておくこともできる。予め、すべての辞書の組み合わせ(辞書の対)に対して類似度を求め、ユーザU1があらゆる辞書を指定した場合の優先順位を生成した上で、例えば、図8に示す準備テーブルのように、指定する辞書ごとに整理し保存しておけば、実際にいずれかの辞書をユーザU1が指定したときには、直ちに、優先順位を決めることができる。
【0062】
図8において、ユーザU1が、辞書名DTDの分野辞書31Dを指定した場合の優先順位の系列は、最も上に配置された行L1に対応し、優先順位が高い順番に、「DTD、DTC、DT3,DT2,DTB、DTA」である。この行L1の内容は、図7に示した状態の辞書順位テーブル34に等しい。これと同様に、ユーザU1が例えば辞書名DTCの分野辞書31Cを指定した場合の優先順位の系列は、図8中の上から2番目の行である行L2に対応する。
【0063】
ユーザU1が指定した辞書の辞書名を検索キーとして、該当する行(例えば、L1)が示す優先順位の系列を検索できるようにデータベース(準備テーブル)を構成しておくことは容易である。
【0064】
このような準備テーブルを用いることにより、前記整列に要する時間も節約できるため、前記応答時間はいっそう短縮することが可能である。当該準備テーブルを前記記憶装置3に格納することができることは当然である。
【0065】
前記翻訳処理部22は、辞書集合ST1に含まれる各辞書を利用して機械翻訳を実行する部分である。入力部11より翻訳対象の文書(例えば、原文35A)が入力されて前記原文データベース35に格納されると、当該翻訳処理部22が、その文書の機械翻訳を実行する。この機械翻訳のなかには、前記辞書順位テーブル34で定義された優先順位に応じた順番で辞書集合ST1中の各辞書を検索し、検索結果に応じた語句の置き換え(見出し語と訳語の置き換え)を行う処理が含まれる。
【0066】
当該翻訳処理部22は、形態素解析部221と、構文解析部222と、変換部223と、形態素生成部224とを備えている。
【0067】
このうち形態素解析部221は原文(例えば、35A)を形態素解析する部分で、構文解析部222は原文を構文解析する部分である。そして変換部223が、前記辞書順位テーブル34に格納された優先順位にしたがって前記辞書集合ST1中の各辞書の検索を行い、検索結果に応じた語句の置き換えを実行する部分である。
【0068】
形態素生成部224は、翻訳結果(訳文)を構成する形態素を生成する部分である。形態素の内容は言語に依存して決まるが、例えば、第2言語(訳文の言語)が日本語であるとすると、語句の置き換えによって得られた動詞(訳語が動詞の場合)の活用語尾を決定する処理などは、当該形態素生成部224によって実行され得る。
【0069】
以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について、図2〜図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0070】
図2のフローチャートは優先順位を設定するまでの処理の流れを示すもので、S21〜S26の各ステップを備えている。
【0071】
また、図3のフローチャートは機械翻訳処理の流れを示すもので、S31〜S36の各ステップを備えている。さらに、図4のフローチャートは変換処理の流れを示すもので、S41〜S47の各ステップを備えている。この図4のフローチャートは、図3のフローチャートのなかのステップS34の詳細を示すものである。
【0072】
(A−2)第1の実施形態の動作
図2において、ユーザU1が、優先したい辞書を、前記辞書集合ST1の中から選んで入力部11より指定すると(S21)、システムは指定された辞書を辞書順位テーブル34の優先順位1位にセットし(S22)、これにつづくステップS23〜S26の処理で、優先順位2位以下の辞書を決める。
【0073】
優先順位2位以下を決めるには、辞書集合ST1のなかに未処理の辞書、すなわち、優先順位が決まっていない辞書が存在するか否かを調べ(S23)、存在する場合には、ユーザU1が指定した辞書に対するその辞書の前記類似度を、前記類似度判定部211が求める処理(S24)を繰り返すことになる。このステップS23およびS24の処理は、指定した辞書に対する類似度を求めていない辞書がなくなるまで繰り返される。
【0074】
例えば、ユーザU1が指定した辞書が辞書名DTDの分野辞書31Dであるとすると、この繰り返しにより、辞書集合ST1中の他のすべての辞書の当該分野辞書31Dに対する類似度が算出されることになる。
【0075】
そして、すべての類似度が算出されると、その類似度をもとに各辞書を整列(ソート)し、整列の結果を辞書順位テーブル34に格納することになる(S25,S26)。
【0076】
類似度を算出する際の処理の詳細については、すでに説明した通りである。
【0077】
なお、図2のフローチャートでは、ユーザU1が辞書を指定したとき、その指定に応じて類似度の算出などの各処理を行っているが、上述したように、ユーザU1による辞書の指定を待つことなく、予め、例えば、図8に示すような準備テーブルを生成しておくことができる。
【0078】
利用形態などにも依存するが、多くの場合、ユーザU1が辞書を指定するのは機械翻訳システム10に対し具体的な機械翻訳を要求する直前であると考えられるので、類似度の算出などの処理に長時間を要したのでは、ユーザU1からみると、実質的に前記応答時間が長い場合と等しい結果となる可能性が高い。これに対し、予め、類似度を算出して準備テーブルを生成し保存してある場合には、当該準備テーブルに対する簡単な検索を一度実行するだけで、必要な優先順位の系列を得て、その系列を前記辞書順位テーブル34にセットすることができるので、応答時間は短い。
【0079】
いずれにしても、辞書順位テーブル34に必要な優先順位の系列がセットされたあと、機械翻訳を開始することが可能な状態となる。ここでは、当該セットによって辞書順位テーブル34が図7に示す状態となったものとする。
【0080】
この状態で、ユーザU1が入力部11から例えば前記原文35Aを入力してその翻訳を要求したものとすると、図3のフローチャートの処理が開始される。
【0081】
図3において、当該原文35Aが入力されると(S31)、前記形態素解析部221が当該原文35Aに対する形態素解析を実行し(S32)、前記構文解析部222が構文解析を実行し(S33)、前記変換部223が変換処理、すなわち各辞書(例えば、31D)の検索結果に応じた語句の置き換えを実行し(S34)、形態素生成部224が、置き換えられた訳語に関する前記活用語尾の決定などを実行し、最後に、翻訳結果として例えば前記訳文36Aが出力される(S36)。
【0082】
前記応答時間は、このステップS31から、ステップS36までの処理に要する時間であるが、図3からも明らかなように、前記類似度の算出などの処理量の大きな処理はステップS31〜S36のあいだに介在しないため、本実施形態の応答時間は、前記特許文献1などに比べてはるかに短い。
【0083】
図3に示したステップS34の変換処理の詳細を示す図4のフローチャートにおいて、最初は、変数iに初期値として1を代入する(S41)。この変数iの値は、検索する辞書の優先順位を示しているので、前記変換部223は優先順位がi番目の辞書を検索することになる(S42)。iに1が代入された状態で行われる最初の検索で検索の対象となるのは、前記優先順位1位で辞書名がDTDの分野辞書31Dである。
【0084】
当該分野辞書31Dのなかに、求める辞書データが存在する場合には、ステップS43はyes側に分岐し、当該分野辞書31Dの辞書データに応じて原文35A内の該当する語句が、その辞書データに対応する訳語に置き換えられる(S44)。しかし、当該分野辞書31Dのなかに求める辞書データが存在しない場合にはステップS43はno側に分岐して、前記辞書順位テーブル34に格納されている優先順位の系列中に、優先順位が当該分野辞書31Dより下位の辞書が存在するか否かを検査する(S45)。
【0085】
存在する場合には、前記変数iにi+1を代入(iをインクリメント)した上で、前記変換部223に辞書の検索を実行させる。iがインクリメントされたことによって、このときの検索では、変換部223は、優先順位2位の辞書(ここでは、分野辞書31C)を検索する(S42)。以降も同様な処理が繰り返され得るから、置き換えようとしている原文35A中の語句に対応する語句が検索できるまで、優先順位が上位の辞書から下位の辞書へ、順次、検索の対象が切り替えられる。その語句が上位の辞書で検索できた場合には、当該語句に関する限り、下位の辞書の検索は行わないことは当然である。優先順位の系列中に6つの辞書が存在するなら、ステップS42,S43,S45,S46によって構成されるループは、最大で、5回繰り返される可能性がある。
【0086】
なお、図4の例では、前記基本辞書32は、前記優先順位系列に含めていないため、基本辞書32以外の辞書による検索で、求める語句が検索できず、なおかつ、優先順位系列中のすべての辞書の検索が終了したときには、ステップS45がno側に分岐して、当該基本辞書32による語句の置き換えを実行する手順となっている。
【0087】
この図4のフローチャートは、原文35A内のすべての語句の置き換えが完了するまで繰り返し実行されることになる。
【0088】
図4のフローチャートにより語句の置き換えを行う際には、辞書順位テーブル34に設定されている優先順位にしたがって辞書が検索されるから、優先順位の高い辞書に登録されている訳語が優先的に訳出される。
【0089】
なお、原文35A以外の原文(例えば、35B)を機械翻訳する際にも、ユーザU1が辞書の指定を変更しなければ、当該原文35Aを機械翻訳する場合と同様、図7に示したものと同じ優先順位のもとで、図3や図4のフローチャートに応じた処理を実行することができることは当然である。
【0090】
(A−3)第1の実施形態の効果
本実施形態によれば、前記類似度を介して、各辞書の訳語の妥当性まで加味した検査を行うことができるため、翻訳結果の品質を高めることが可能である。
【0091】
また、本実施形態においては、具体的な機械翻訳の要求(例えば、原文35Aの翻訳要求)が発生する前に、類似度を求めておいたり、前記準備テーブルを生成しておくことができるため、従来に比べて、応答時間を飛躍的に短縮することが可能である。
【0092】
(B)第2の実施形態
以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0093】
第1の実施形態では、ユーザU1が指定した辞書を基準とし、その辞書に対する他の辞書の類似度を求めたが、本実施形態では、ユーザU1は翻訳したい文書(例えば、原文35A)と同じ分野に属する第1言語のコーパスと第2言語のコーパスを指定し、これらのコーパスを基準として辞書集合内の各辞書の類似度を求めることを特徴とする。
【0094】
(B−1)第2の実施形態の構成および動作
本実施形態にかかる機械翻訳システム40の全体構成例を図5に示す。
【0095】
図5において、図1と同じ符号を付与した構成要素の機能は第1の実施形態と同じなので、その詳しい説明は省略する。
【0096】
本実施形態の処理装置2に関しては、単語抽出部213が付加された点が、記憶装置3に関しては、コーパス37を記憶する点が、第1の実施形態と相違する。
【0097】
コーパス37の中には、第1言語(原文の言語)のコーパス37Aと第2言語(訳文の言語)のコーパス37Bが含まれている。
【0098】
本実施形態の場合、辞書ではなくコーパスを指定できるため、ユーザU1は、語句の選択などが自身の好みに適合するコーパスを選んで指定することが可能である。このコーパス37A、37Bは、あとで翻訳を要求する原文(例えば、35A)が属する分野と同じ分野に属するものであることが必要である。ただし、必ずしも詳細なレベルまで同じである必要はなく、例えば、前記「無線通信」分野と「有線通信」分野程度の相違ならば、ともに包含される上位の「通信」分野が同じであることに基づいて、同一とみなすことができる。
【0099】
また、前記単語抽出部213は、ユーザU1が入力したコーパス37A、37Bから複数の単語を抽出する部分である。単語の抽出にあたっては、すべての単語を抽出するようにしてもよく、予め定めた抽出基準に適合する単語だけを抽出するようにしてもよい。
【0100】
同時に処理される1対のコーパス37Aと37Bは、同一の分野に属するものでありさえすれば、必ずしも原文と訳文の関係にある必要はなく、文の対応や、分量の対応が取れている必要もない。
【0101】
本実施形態の類似判定部211は、当該単語抽出部213が抽出した単語群に対する辞書集合ST1中の各辞書の類似度を算出することになる。
【0102】
本実施形態おいても、類似度を求める方法には様々なものが考えられるが、例えば、抽出された単語群のなかの単語と一致する単語を多く含む辞書ほど類似度が高くなるようにすることも望ましい。また、第1言語コーパス37Aから抽出された単語群に含まれる単語と一致する単語の数と、第2言語コーパス37Bから抽出された単語群に含まれる単語と一致する単語の数を合計したものを、その辞書の類似度としてもよい。さらに、第1言語と第2言語の重みを変えたり、コーパス中の単語の出現頻度を加味して類似度の値に反映させるようにしてもよい。
【0103】
本実施形態で優先順位を設定するまでの処理の流れは、図6のフローチャートに示す通りである。図6のフローチャートは、第1の実施形態における図2のフローチャートに対応するもので、S61〜S66の各ステップを備えている。
【0104】
図6において、ユーザU1が入力部11を介してコーパス(テキスト)37A、37Bを入力すると(S61)、前記単語抽出部213が当該コーパス37A、37Bから単語を抽出し(S62)、未処理の辞書がなくなるまで、抽出した単語群のなかの単語が各辞書に出現する数をカウントする動作を繰り返す(S63,S64)。ここで、出現単語数(単語数)は、類似度に対応する。
【0105】
したがって、ステップS64につづくステップS65は前記ステップS25と同等な処理であり、ステップS66は前記ステップS26と同等な処理である。
【0106】
なお、複数の分野に属する第1言語コーパスの集合と第2言語コーパスの集合をユーザU1に入力させておけば、第1の実施形態で行ったように、本実施形態でも、予め図8に示すものと同等な準備テーブルを生成し保存しておくことが可能である。
【0107】
ただし本実施形態の場合、ユーザU1が具体的な翻訳を要求するとき、準備テーブルの検索キーとなるのは、辞書名などではなく、コーパス(例えば、37A)である。
【0108】
(B−2)第2の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果とほぼ同等な効果を得ることが可能である。
【0109】
加えて、本実施形態では、翻訳したい原文(例えば、35A)と同じ分野に属するコーパス(37)を指定することで辞書集合(ST1)内の辞書の優先順位を決めることができる。
【0110】
これにより、ユーザ(U1)は、語句の選択などが自身の好みに適合するコーパスを選んで指定することが可能である。第1の実施形態のように辞書を指定する場合、適切な辞書を指定するには辞書に対する知識や経験がある程度、必要になる可能性が高いが、自然言語で記述されたコーパスの場合には、知識や経験の乏しいユーザであっても、容易に指定することが可能である。
【0111】
(C)他の実施形態
上記第1および第2の実施形態では、1つの機械翻訳システム10の内部に翻訳辞書制御部21や記憶装置3が設けられていたが、翻訳辞書制御部21および記憶装置3は、翻訳処理部22などとは別個に、独立して設けることも可能である。
【0112】
なお、上記第1の実施形態では、ユーザU1が辞書を1つ指定した場合について具体的に説明したが、2つ以上の辞書を指定した場合でも同様の処理を行うことができる。
【0113】
また、上記優先順位系列のなかに、基本辞書32を含めないようにしてもよい点はすでに説明した通りである。
【0114】
さらに、上記第2の実施形態では、コーパス(テキスト)から単語を抽出する場合について述べたが、単語に限らず、複合語やイディオム単位で抽出するようにしてもよい。また、見出し語や訳語だけでなく、解析によって得られた各種情報(語形変化情報、文脈情報など)を利用した訳し分けを行なうようにしてもよい。
【0115】
また、辞書の類似度を求める際には、ユーザが指定した辞書(例えば、31D)とその辞書(例えば、31A)の内容だけでなく、他の辞書(例えば、31C)の内容も加味して決めるようにしてもよい。
【0116】
以上の説明では主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明はソフトウエア的に実現することも可能である。
【0117】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、類似度をもとに優先順位を決めているため翻訳結果の品質が高い。
【0118】
また本発明では、翻訳の応答時間を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態で使用する機械翻訳システムの全体構成例を示す概略図である。
【図2】第1の実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態で使用する機械翻訳システムの全体構成例を示す概略図である。
【図6】第2の実施形態の動作例を示すフローチャートである。
【図7】第1および第2の実施形態で使用する辞書順位テーブルの構成例を示す概略図である。
【図8】第1および第2の実施形態で使用することが可能な準備テーブルの構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…入出力装置、2…処理装置、3…記憶装置、10,40…機械翻訳システム、11…入力部、12…出力部、31A〜31D…分野辞書、32…基本辞書、21…翻訳辞書制御部、22…翻訳処理部、33…ユーザ辞書、34…辞書順位テーブル、35…原文データベース、36…訳文データベース、211…類似度判定部、212…辞書順位設定部、221…形態素解析部、222…構文解析部、223…変換部、224…形態素生成部、ST1…辞書集合。

Claims (10)

  1. 第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書を備える翻訳用辞書制御装置において、
    1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れる基準情報受入部と、
    前記複数の翻訳用辞書と基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求める類似度演算部と、
    当該類似度をもとに、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成して格納する検索優先順位格納部とを備え
    前記基準情報として、所定の複数の分野のうち該当する分野に属するコーパスを用いることを特徴とする翻訳用辞書制御装置。
  2. 請求項の翻訳用辞書制御装置において、
    前記類似度演算部は、
    前記コーパスのうち第1言語のコーパスに含まれる1つ以上の語句と各翻訳用辞書の第1言語の語句とを比較すると共に、前記コーパスのうち第2言語のコーパスに含まれる1つ以上の語句と各翻訳用辞書の第2言語の語句とを比較することによって、前記類似度を求めることを特徴とする翻訳用辞書制御装置。
  3. 第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書を備える翻訳用辞書制御装置において、
    1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れる基準情報受入部と、
    前記複数の翻訳用辞書と基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求める類似度演算部と、
    当該類似度をもとに、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成して格納する検索優先順位格納部とを備え、
    前記基準情報として、前記複数の翻訳用辞書のうちのいずれか1つを用いることを特徴とする翻訳用辞書制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の翻訳用辞書制御装置において、
    翻訳の要求が発生する前に、前記類似度演算部が類似度を求め、求めた類似度、または類似度に応じて生成され格納された前記検索優先順位情報を保存しておくことを特徴とする翻訳用辞書制御装置。
  5. CPUを搭載した処理装置が、基準情報受入部、類似度演算部及び検索優先順位格納部を備え、
    基準情報受入部が、1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れ、
    類似度演算部が、第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書と基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求め、
    当該類似度をもとに、検索優先順位格納部が、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成し格納しておくと共に、
    前記基準情報として、所定の複数の分野のうち該当する分野に属するコーパスを用いることを特徴とする翻訳用辞書制御方法。
  6. 請求項の翻訳用辞書制御方法において、
    前記類似度演算部は、
    前記コーパスのうち第1言語のコーパスに含まれる1つ以上の語句と各翻訳用辞書の第1言語の語句とを比較すると共に、前記コーパスのうち第2言語のコーパスに含まれる1つ以上の語句と各翻訳用辞書の第2言語の語句とを比較することによって、前記類似度を求めることを特徴とする翻訳用辞書制御方法。
  7. CPUを搭載した処理装置が、基準情報受入部、類似度演算部及び検索優先順位格納部を備え、
    基準情報受入部が、1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れ、
    類似度演算部が、第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書と基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度 を求め、
    当該類似度をもとに、検索優先順位格納部が、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成し格納しておくと共に、
    前記基準情報として、前記複数の翻訳用辞書のうちのいずれか1つを用いることを特徴とする翻訳用辞書制御方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の翻訳用辞書制御方法において、
    翻訳の要求が発生する前に、前記類似度演算部が類似度を求め、求めた類似度、または類似度に応じて生成され格納された前記検索優先順位情報を保存しておくことを特徴とする翻訳用辞書制御方法。
  9. CPUを搭載した処理装置を、
    つ以上の語句を含む基準情報を受け入れる基準情報受入と、
    第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書と、所定の複数の分野のうち該当する分野に属するコーパスでなる基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求める類似度演算と、
    当該類似度をもとに、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成して格納する検索優先順位格納
    として機能させることを特徴とする翻訳用辞書制御プログラム。
  10. CPUを搭載した処理装置を、
    1つ以上の語句を含む基準情報を受け入れる基準情報受入部と、
    第1言語に属する語句と第2言語に属する語句を対応付けて格納した複数の翻訳用辞書と、これら複数の翻訳用辞書のうちのいずれか1つである基準情報とを比較して、当該基準情報に対する各翻訳用辞書の類似度を求める類似度演算部と、
    当該類似度をもとに、各翻訳用辞書を検索する際の優先度を規定する検索優先順位情報を生成して格納する検索優先順位格納部
    として機能させることを特徴とする翻訳用辞書制御プログラム。
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