JP3762577B2

JP3762577B2 - fishing rod

Info

Publication number: JP3762577B2
Application number: JP21737999A
Authority: JP
Inventors: 謙一亀田
Original assignee: ダイワ精工株式会社
Priority date: 1999-07-30
Filing date: 1999-07-30
Publication date: 2006-04-05
Anticipated expiration: 2019-07-30
Also published as: JP2001037377A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿に関する。
【０００２】
【従来の技術及びその課題】
従来、釣竿に用いられる竿管は、強化繊維を引き揃え、これに合成樹脂を含浸した、いわゆるプリプレグを巻回することで構成されたものが一般的である。そして、各竿管は、それが用いられる個所に応じて、上記プリプレグに用いられる強化繊維の種類、引揃方向、弾性率、および樹脂含浸量、巻回数等が設定されている。
【０００３】
ところで、釣竿には、実釣時に様々な応力が加わるため、上記した竿管を部分的に補強することが行われている。具体的には、例えば実用新案登録第２５３８３５８号に開示されているように、中通し式釣竿において、竿管側面に形成された釣糸導入孔の周辺部を厚肉化したり、あるいは釣糸導入孔の縁部の強化繊維に織布を用いることが行われており、これにより、釣糸導入孔を強化して大きな応力が作用しても裂けや割れ等が生じないようにしている。
【０００４】
このように、釣竿に用いられる竿管を部分的に補強することは公知であるものの、効率の良い補強効果や強度向上については、まだ改善の余地がある。具体的には、上記したプリプレグによって形成される竿管は、強化繊維が特定方向に多く配分されているため、応力集中部分で強化繊維の一部が破断する（例えば繊維の圧縮座屈やせん断、又は繊維間の層間剥離の発生）と、その部分から急に破壊が進行するという特徴がある。
【０００５】
本発明は、上記した課題に着目して成されたものであり、強度低下を防止して効率良く強度の向上が図れる釣竿を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によると、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回して形成された軸長方向繊維層と周方向繊維層とを有する本体層を備えた竿管に、釣糸導入部を形成する孔形成部を設けた釣竿であって、前記孔形成部に、前記本体層を形成する繊維強化プリプレグよりも樹脂含浸量が多くかつ強化繊維を軸長方向に対して４５°±１５°の範囲に引き揃えられた傾斜方向プリプレグを、これらの強化繊維を互いに交差する方向に重ね合わされて形成された傾斜方向繊維層を有する補強層を配設した釣竿が提供される。
【０００７】
上記した構成の釣竿によれば、応力が集中しやすい孔形成部に配設され、強化繊維方向を互いに交差する傾斜方向とした傾斜方向繊維層を有する補強層によって、そこに集中した応力は、より広い範囲に、又はより多方向（複数方向）に作用するようになる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図１は、中通し式で振り出し構造とした本発明の一実施形態に係る釣竿の全体構成の概略を示した図である。
【０００９】
釣竿１は、順次振り出し式に継合される元竿管２、中竿管３および穂先竿管４を備えている（各継合部を符号Ｐで示す）。元竿管２には、リール１００が装着できるように、リール固定装置２ａが設けられており、それより穂先側にリール１００から繰り出された釣糸を竿管内部に案内する釣糸導入部２ｂが設けられ、基端部に中竿管及び穂先竿管の抜けを防止する竿尻部品２ｃが装着されている。また、穂先竿管４の先端部には、ガイド取付部４ａを介してトップガイド４ｂが装着されており、竿管内部に導入された釣糸を導出する。
【００１０】
上記した各竿管は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを芯金に巻回し、これを、加熱、脱芯、研磨等の常法にしたがった工程を経ることで形成される。なお、上記竿管を形成するに際しては、その竿管全体を形成する本体プリプレグ（本体層）の他に、竿管同士の継合個所あるいは釣糸導入部のような孔が形成される部分（孔形成部）や、釣糸導入部やトップガイド等の各種の部品が装着される部分に、補強プリプレグ（補強層）が配設される。この補強層は、図１に示す釣竿の場合、各竿管の継合部Ｐ、ガイド取付部４ａ、リール固定装置２ａ、釣糸導入部２ｂ、竿尻部品２ｃが装着される領域の内、少なくとも１以上に配設される。
【００１１】
以下、図１に示す構成において、補強層が配設される部分について、詳細に説明する。
【００１２】
（１）釣糸導入部（図２参照）
上記元竿管２は、例えば、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ（周方向プリプレグ）による周方向繊維層を内周側及び外周側に配設し、その中間に軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ（軸長方向プリプレグ）による軸長方向繊維層を介在した本体層２０を備えている。また、上記釣糸導入部２ｂは、フレーム構造で上方が開口した釣糸導入ガイド２１と、元竿管の側面に形成された長孔２３とを備えている。
【００１３】
前記釣糸導入ガイド２１は、リールからの釣糸を挿通して、長孔２３に仕向けるガイドリング２１ａと長孔の前後に位置する脚部２１ｂを備えており、両脚部２１ｂを糸巻きやネジ等の固定手段によって元竿管２の外周面に固定することで装着される。また、前記長孔２３には、これに沿うように長孔ガイド２３ａが設けられる。
【００１４】
上記したような釣糸導入部が設けられる部分には、上記した本体層以外に補強層が配設される。この場合、補強層は、例えば、軸長方向に対して強化繊維を所定角度（例えば＋４５°）に引き揃えたプリプレグ（傾斜方向プリプレグ）に、強化繊維を前記傾斜方向プリプレグと交差する方向（例えば−４５°）に引き揃えたプリプレグ（傾斜方向プリプレグ）を重ね合わせて構成（交差プリプレグ）したり、強化繊維を傾斜方向に引き揃えたプリプレグ（傾斜方向プリプレグ）のみで構成したり、あるいは、これらのプリプレグを主体として、さらに別の補強プリプレグ（軸長方向に強化繊維を引き揃えたもの、周方向に強化繊維を引き揃えたもの、織布等）を重ね合わせて構成される。
【００１５】
図に示す構成では、釣糸導入部における補強層は、釣糸導入部が設けられる領域において、本体層２０の外周側に軸長方向繊維層２５を配設し、その外側に傾斜方向プリプレグの強化繊維が交差するように積層した傾斜方向繊維層２６を配設することで構成されている。この場合、傾斜方向繊維層２６は、図に示すように軸長方向繊維層２５の外層に配設したり、あるいは軸長方向繊維層２５の外層と内層に配分するのが良く、外層と内層に配分するのであれば、それぞれ異なる方向に強化繊維を引き揃えた傾斜プリプレグとすることもできる。また、傾斜方向繊維層２６の厚さは、破断の進行防止及びねじれ強度向上等のために、本体層２０又は本体層２０の軸長方向繊維層より厚くする（１．５〜３．５倍）のが良く、樹脂含浸量については、繊維間張りの防止、層間剥離防止のために、本体層２０の軸長方向繊維層より多く設定するのが良い。また、傾斜方向繊維層の強化繊維の弾性率は任意であるが、貫通孔形成による剛性低下を補うために、本体層２０の軸長方向繊維層より高いものを用いるのが良い。しかし、厚さや樹脂含浸量や弾性率は上記の例に限らず任意に設定できる。
【００１６】
また、開孔部分ではねじれ剛性が極度に低下することから、それを補強するために傾斜繊維層を入れる。この場合、傾斜繊維層は１ｐｌｙ以上あれば良く、厚さも０．０１ｍｍ以上あれば良い。また、これと共に、周方向補強層又は軸長方向補強層を巻いても良い。この傾斜方向繊維層は、巻き付け時の作業性を考慮すると、本体層より樹脂含浸量を多くするのが良いが、巻き付けに支障が無ければ本体層より少なくても良い。強化繊維の弾性率については、せん断弾性向上を図るということから、１ｔｏｎ／ｍｍ²以上あれば良く、好ましくは本体層の強化繊維と同等以上であることが望ましい。
【００１７】
（２）継合部Ｐ（図２参照）
図に示す構成では、釣糸導入部２ｂと継合部Ｐとの距離が比較的短いため、継合部Ｐにおける補強層は、上記した傾斜方向繊維層２６を連続的に配設して構成されている。この場合、釣糸導入部と継合部の補強層を構成するプリプレグは、複数枚で構成しても１枚で構成しても良いが、貫通孔形成による強度低下が大きいため、これを補う必要があることから、釣糸導入部２ｂ側の巻回数（厚さ）を多くするのが良い。
【００１８】
また、継合部Ｐに関しては、中竿管の基端部外周が当接するため、その当たりが生じる部分を効果的に補強するように、本体層２０の内周側に、強化繊維を周方向に引き揃えたプリプレグによる周方向繊維層２８を配設するのが良い。
【００１９】
上述した補強層を構成する傾斜方向繊維層２６は、製造時及び使用中の応力に対し、繊維の動きを各方向（３方向）から押さえ、強度の安定向上を図ることから、本体層を構成する周方向繊維層もしくは補強層を構成する周方向繊維層と接するように巻回するのが良い。あるいは、補強層を構成する傾斜方向繊維層２６は、これに軸長方向繊維層、周方向繊維層の３層を組み合わせた（張り合わせた）プリプレグシートとしても良い。この場合、周方向繊維層は、補強層全体の３〜３０％とするのが良い。
【００２０】
（３）リール固定装置（図３、図４参照）
竿に取付けられる部品であるリール固定装置２ａは、元竿管２の本体層２０の外周部に別体として接着されており（元竿管と一体成形であっても良い）、図に示すように、リール脚載置部３０と、前側リール脚が配される開口３１ａを有する固定フード３１と、後側リール脚が配される開口３２ａを有する移動フード３２と、移動フード３２に設けられ、移動フード３２の位置を固定する位置固定機構３２ｂとを備えている。また、リール脚載置部３０上には、位置固定機構３２ｂの固定爪が係合する爪受け３２ｃが軸方向に沿って形成されている。
【００２１】
補強層は、リール固定装置２ａの前端部３５ａから後端部３５ｂに亘って本体層２０の外側に配設されており、強化繊維を傾斜方向に引き揃えた傾斜方向繊維層３７を主体として構成されている。傾斜方向繊維層３７は、リール固定装置の端部３５ａ，３５ｂよりも軸長方向に長く、かつリール固定装置側に向けて次第に肉厚が厚くなるように形成している。また、竿管本体からリール固定装置２ａにかけて、塗料３８を肉盛り形成し、段差を埋めてなだらかな平滑面状にしている。
【００２２】
前記傾斜方向繊維層３７の強化繊維は、加工し易さを考慮して本体層２０の軸長方向繊維層の強化繊維より低弾性のものを用い、樹脂含浸量は多くするのが良い。また、傾斜方向繊維層の厚さは、せん断方向の補強効果を考慮して本体層２０の厚さに対して３〜３０％（好ましくは１０〜９０％とし、本体層の肉厚以下）にするのが良い。
【００２３】
また、補強層を構成する傾斜方向繊維層３７に、強化繊維を周方向に引き揃えた周方向プリプレグや織布（ガラススクリム等）を付加して巻回しても良い。また、リール固定装置２ａの本体の剛性は、強度の向上を考慮して補強層の剛性以下にするのが良く、材料についても低弾性材料を用いるのが良い。
【００２４】
図４は、リール固定装置の別の実施形態を示す図であり、いわゆる筒状のリールシートを示す図である。なお、この構成では、図３に示すリール固定装置と同様な機能を有する部分については、同一の参照符号を付してある。
【００２５】
本体層２０の表面には、膨出部４０が一体的（別体でも良い）に形成されており、その一端側には、後述する移動フードの一部が移動できるように軸方向に延在する空隙４０ａが形成されている。また、本体層２０の外周側には、強化繊維を傾斜方向に引き揃えたプリプレグを主体とした補強層４２が配設されている。この補強層の一端側には、雄ネジ部４２ａが一体的に形成されており、ここにナット４３が螺合されている。ナット４３には、リールの脚部を受けるように合成樹脂等によって形成された緩衝部材４５ａを有する移動フード４５が係合しており、ナット４３を回動操作することで移動フード４５は軸方向に移動可能となっている。
【００２６】
この構成では、リール固定装置の雄ネジ部４２ａを、繊維方向が傾斜方向となった補強層に形成するため、雄ネジ部を破損し難くすることができる。また、より補強効果を高めるために、補強層の一部に周方向繊維層を組み合わせるのが良く、本体層２０よりも高強度（低弾性）の強化繊維を用いるのが良い。
【００２７】
（４）継合部Ｐ（図５参照）
上記（２）では、一方の竿管の継合部に補強層を配設する構成について説明したが、このような補強層は、大径竿管（元竿管２）と小径竿管（中竿管３）との両継合部分に配設しても良い。具体的には、元竿管２の本体層２０の継合部における内周側と外周側に、それぞれ傾斜方向繊維層を主体とした補強層２０ａ，２０ｂを配設すると共に、中竿管３の本体層５０の継合部における外周側に、傾斜方向繊維層を主体とした補強層５０ａを配設する。なお、補強層を配設する位置については、図に示すように、実際の継合領域より長めにしておくのが良い。
【００２８】
（５）ガイド取付部（図６参照）
穂先竿管４の先端部のガイド取付部４ａは、穂先竿管の本体層６０の外周に配設され傾斜方向繊維層を主体とした補強層６１によって構成されている。この補強層６１には、その端部にガイドリング４ｃが装着されると共に、トップガイド４ｂが取り付けられる。この場合、トップガイド４ｂは、補強層に対して接着固定されても良いし、ネジ等の螺合によって着脱自在にしても良い。また、補強層６１は、トップガイド４ｂの装着領域よりも５〜２０ｍｍ長く形成しておくことが好ましい。
【００２９】
なお、トップガイド４ｂには、その先端部にガイドリング４ｄが装着されていると共に、中間部に水抜き用の孔４ｅが形成されている。
【００３０】
（６）竿尻部品（図７参照）
元竿管２の基端部に装着される竿尻部品２ｃは、ゴム等の柔軟部材２ｄを収容し、中心に水抜き孔が形成された竿尻キャップ２ｅと、この竿尻キャップ２ｅに螺合され、元竿管２の外周面に嵌合される竿尻リング２ｆとを備えている。
【００３１】
このように、竿尻部品が装着される元竿管２の基端部には、その本体層２０の外周に、傾斜方向繊維層を主体とした補強層６５が配設されている。補強層６５を配設する位置は任意であるが、本体層の外周側で竿尻部品と接する位置に配設することが好ましい。
【００３２】
（７）外ガイド取付部（図８参照）
竿管に遊動ガイド７０を装着するタイプの釣竿では、そのガイドが装着される部分に、補強層が配設される。この場合、竿管７５のガイド装着部分において、その本体層７６の外側に傾斜方向繊維層を主体とした肉盛部７７が形成される。なお、肉盛部７７の外表面には、遊動ガイド７０がスライドできるように、長手方向に沿って凹凸条７７ａが多数本形成されている。また、肉盛部７７の両端部７７ｂは傾斜状に形成されており、その端部からの破損を効果的に防止できるようになっている。
【００３３】
（８）節付け部（図９参照）
釣竿によっては、竿管８１の外表面に外観上の模様として節８２を付ける場合がある。このように節付けを行う場合、その節を、傾斜方向繊維層を主体とした補強層によって構成する。このように、節８２を上記したような補強層で形成することにより、釣竿がたわんだ際に、節を付けた部分からの破損を防止することができる。なお、補強層の一部に周方向繊維層を配設しても良い。
【００３４】
（９）竿受け部（図１０参照）
釣竿を竿受けに載置したり、あるいは竿受けを取り付ける場合、そのような竿受けが位置する部分に補強層を配設する。図に示す構成では、竿受け１０５が位置する竿管９０の本体層９１の外周側に、傾斜方向繊維層を主体とした補強層９２を配設している。この場合、補強層９２は、本体層９１の軸長方向繊維層よりも低弾性の強化繊維を用いるのが良く、本体層よりも厚く形成するのが良い。また、つぶれを効果的に防止できるように、周方向繊維層をさらに重ねても良い。なお、補強層９２は、ハンドル部の全体に長く形成したり、手で握持する竿管の握り部に形成しても良い。
【００３５】
また、リールシートと竿受け部が近いと大きなせん断力が作用するため、傾斜方向繊維層を入れることで変形を少なくすることができる。この場合、リールシート前部より先の２０ｍｍからリールシート後部の後２０ｍｍ程度まで配設すればよい。この傾斜方向繊維層は、せん断方向の剛性を向上するといことから、１ｔｏｎ／ｍｍ²以上あれば良く、厚さも０．０１ｍｍ以上あれば良い。また、傾斜方向繊維層は全周に亘って巻装しても良いが、竿管の両側面に集中的に配設することが好ましい。
【００３６】
以上説明した釣竿の各種位置に配設される補強層は、以下のように構成することができる。なお、以下の（Ａ）〜（Ｈ）の構成は、補強層が配設される位置、釣竿の特性等に応じて適宜組み合わせて実施される。
【００３７】
（Ａ）補強プリプレグは、強化繊維を傾斜方向に引き揃えたもの、強化繊維を傾斜方向に引き揃えたものを強化繊維が交差状になるように重ね併せたもの、あるいは織布によって構成することができる。また、補強プリプレグは、シート状であっても良いし、テープ状であっても良い。
【００３８】
また、補強プリプレグを有する補強層は、上記した強化繊維を傾斜方向に引き揃えた傾斜方向繊維層が部分的に配設されていれば良いが、より効率良く強度向上でき、竿管の軽量化、比強度の向上を図るということから、傾斜方向繊維層が主体（もちろん、傾斜方向繊維層のみでも良い）に形成されていることが好ましい。また、このような補強層が配設される部分の竿管の本体層についても、上記同様、軸長方繊維層を主体として形成することが好ましい。
【００３９】
（Ｂ）補強プリプレグの巻装位置は、本体層に対して内層側と外層側に分けて配設したり、あるいは中層部分のみに配設する等、限定されることはないが、部品取付部に近い部分（例えば外層）に配設するのが好ましい。すなわち、相対的に外層側を多く（厚く）配分したり、外層のみに配設しても良い。このような位置に配設することで、竿管のたわみや変形による取付部品端部への応力集中を、部品に近い位置で（中層への影響を小さくして）傾斜方向への応力分散が図れ、強度の安定向上が図れる。
【００４０】
（Ｃ）補強プリプレグの強化繊維は、せん断弾性率やねじり強度が極大となる方向が４５°であることから、±４５°にするのが最も好ましいが、ねじり強度を効率良く向上でき、竿管の軽量化や比強度の向上が図れる、という点を考慮すると、±４５°±１５°の範囲であっても良い。もちろん、０°や９０°方向に引き揃えられた強化繊維を付加しても良い。
【００４１】
また、傾斜方向繊維層は、強度の安定向上を図ると共に製造し易さを考慮して強化繊維を±４５°±１５°に引き揃えたものに裏打ちのプリプレグを重ねて形成するのが良い。この場合、裏打ちのプリプレグは、周方向又は軸長方向又は織布とする。また、裏打ちは、傾斜方向繊維のプリプレグより肉厚の薄いプリプレグを重ねるのが良い。この３層からなる傾斜方向繊維層は、何層（プリプレグを何回）巻回しても良いが、１層厚さは０．１５ｍｍ以下（好ましくは０．１ｍｍ以下）にすると良い。
【００４２】
（Ｄ）補強プリプレグの肉厚は、補強層の１０〜１００％、好ましくは２５〜１００％とし、その位置での本体層の肉厚を考慮した場合、全体肉厚の３〜９０％、好ましくは１０〜７５％にするのが良い。但し、釣糸導入部のような孔が形成される部分については、補強プリプレグの肉厚は、上記範囲よりも若干多めにするのが良い。具体的には、周方向繊維層および軸長方向繊維層がある部分に補強層を配設する場合、軸長方向繊維層を全体の５０〜８５％、周方向繊維層を全体の３〜１５％、傾斜方向繊維層を全体の１０〜７５％にするのが良い。
【００４３】
（Ｅ）補強プリプレグに用いられる強化繊維の弾性率は、強度の向上を図るのであれば、２０〜９０ｔｏｎ／ｍｍ²の高弾性率の材料を用いることができ、たわみバランスの向上を図るのであれば、低弾性の材料を用いることができる。なおせん断弾性向上を図るのであれば、１ｔｏｎ／ｍｍ²以上あれば良く、本体層の軸長方向繊維層の強化繊維よりも高弾性材料を用いることが好ましい。
【００４４】
（Ｆ）補強プリプレグに用いられる強化繊維の樹脂含浸量は、剥離破損を防止できるように、本体層の軸長方向繊維層の樹脂含浸量よりも多くする（２５〜６０ｗｔ％）ことが好ましい。
【００４５】
（Ｇ）補強プリプレグ（補強層）は、部品取付部（又は孔部）から、肉厚の３倍以上の長さ（直径程度か直径の２倍程度以内の長さ）までの範囲を補強できるような長さであれば良い。
【００４６】
（Ｈ）補強プリプレグに用いられる強化繊維は、カーボン、ガラス、アラミド、ボロンなどで構成したり、その他のセラミックスや金属によって構成することができる。あるいは、ポリエーテルイミドやナイロンなどの有機材料で構成することも可能である。
【００４７】
以上（１）〜（９）で例示したように、釣竿の孔形成部（継合部、釣糸導入部等）や、各種部品が取り付けられる部品取付部に、上記した（Ａ）〜（Ｈ）のような補強プリプレグを有する補強層を配設することで以下のような効果が得られる。
【００４８】
釣竿用ＦＲＰ製の竿管は、軸長方向繊維層の割合が多く、通常７０％以上（８０％以上）である。そのため、強化繊維間の層間剥離が発生したり、竿管の裂けが発生したり、強化繊維と直交する方向の負荷に対して弱い。
【００４９】
しかし、傾斜方向（交差方向）繊維層を有する補強層を配設したことで、竿管本体の破壊の進行方向を異相させることができ、破壊の進行を防止（応力を複数方向に分散又は広い範囲に分散）し、強度の向上が図れる。特に、軸長方向、周方向に加え、傾斜方向の強化繊維を配設することで、３方向へ応力を分散でき、効率良く強度の向上が図れる。
【００５０】
また、傾斜方向繊維層の強化繊維を±４５°±１５°にすることで、ねじり強度の向上が図れ、かつそのようなプリプレグによる傾斜方向繊維層により、曲げ応力によるたわみ、変形に対するせん断強度の向上が図れる。
【００５１】
また、補強繊維層部分と竿管の本体層との間の剛性差を少なくでき、補強の割りには曲げ応力に対する応力集中を緩和して強度の安定向上が図れる。また、各種の取付部品の端部よりも少し長くなるように、補強層を本体層に形成し、かつ肉厚が取付部品から離れる程薄くなるように形成することで、一層の応力緩和が図れる。
【００５２】
そして、上記したような補強層を配設することで、効率良く強度向上が図れ、比強度の向上や釣竿全体として軽量化が図れる。
【００５３】
なお、本発明は、中通し式に限らず、外ガイド式の釣竿等、各種の釣竿に適用することができ、上記したような補強層が、釣竿の孔形成部や部品取付部のいずれかの部分に配設されていれば良い。
【００５４】
【発明の効果】
本発明によれば、各種釣竿の竿管に形成される孔部に応力が集中しても、傾斜方向繊維層を有する補強層により、応力集中部分の応力を本体層の強化繊維に沿う軸長方向および周方向に加え、互いに交差する傾斜方向等に分散でき、効率良く強度向上、強度の安定化が図れる。また、補強層形成による曲げ剛性の部分的増大が緩和でき、補強バランスが良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る釣竿の一構成例を示す図。
【図２】図１に示す釣竿の釣糸導入部の断面図。
【図３】図１に示す釣竿のリール取付装置部分の断面図。
【図４】リール取付装置の別の構成を示す断面図。
【図５】図１に示す釣竿の継合部の断面図。
【図６】図１に示す釣竿のトップガイド部分の断面図。
【図７】図１に示す釣竿の竿尻部分の断面図。
【図８】釣竿に装着される外ガイド部分の断面図。
【図９】釣竿に設けられる節部分を示す図。
【図１０】釣竿に係合する竿受け部分の断面図。
【符号の説明】
１釣竿
２ａリール固定装置
２ｂ釣糸導入部
２ｃ竿尻部品
４ａガイド取付部
２０本体層
２６傾斜方向繊維層（補強層）[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fishing rod.
[0002]
[Prior art and problems]
Conventionally, a rod tube used for a fishing rod is generally constituted by winding a so-called prepreg in which reinforcing fibers are aligned and impregnated with a synthetic resin. In addition, the type of reinforcing fiber used in the prepreg, the assembling direction, the elastic modulus, the resin impregnation amount, the number of windings, and the like are set for each soot tube in accordance with the location where it is used.
[0003]
By the way, since various stresses are applied to the fishing rod during actual fishing, the above-described rod tube is partially reinforced. Specifically, as disclosed in, for example, Utility Model Registration No. 2538358, in a through-type fishing rod, the peripheral portion of the fishing line introduction hole formed on the side surface of the rod pipe is thickened, or the fishing line introduction hole is A woven fabric is used for the reinforcing fiber at the edge, and thereby, the fishing line introduction hole is reinforced so that no tearing or cracking occurs even if a large stress is applied.
[0004]
Thus, although it is known to partially reinforce a rod used for a fishing rod, there is still room for improvement in terms of efficient reinforcement effect and strength improvement. Specifically, in the soot tube formed by the prepreg described above, a large amount of reinforcing fibers are distributed in a specific direction, so that a part of the reinforcing fibers breaks at the stress concentration portion (for example, compression buckling or shearing of the fibers). Or the occurrence of delamination between fibers), and the breakage suddenly proceeds from that portion.
[0005]
The present invention has been made paying attention to the above-described problems, and an object of the present invention is to provide a fishing rod in which strength can be efficiently improved by preventing strength reduction.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, according to the present invention, a bag provided with a main body layer having an axial length direction fiber layer and a circumferential direction fiber layer formed by winding a fiber reinforced prepreg in which a reinforced fiber is impregnated with a synthetic resin. A fishing rod provided with a hole forming portion for forming a fishing line introducing portion in the pipe, wherein the hole forming portion has a larger amount of resin impregnation than the fiber reinforced prepreg forming the main body layer, and the reinforcing fibers are arranged in the axial direction. Provided is a fishing rod provided with a reinforcing layer having an inclined direction fiber layer formed by superposing these reinforcing fibers in a direction crossing each other, with the inclined direction prepreg aligned in a range of 45 ° ± 15 °. Is done.
[0007]
According to the fishing rod having the above-described configuration, the stress concentrated there is provided by the reinforcing layer having the inclined direction fiber layer disposed in the hole forming portion where the stress tends to concentrate and the reinforcing fiber direction intersecting each other , It acts in a wider range or more directions (multiple directions).
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a diagram showing an outline of the overall configuration of a fishing rod according to an embodiment of the present invention having a centering and swinging structure.
[0009]
The fishing rod 1 includes a main rod tube 2, a middle rod tube 3 and a tip rod tube 4 that are sequentially joined in a swing-out manner (each joining portion is indicated by a symbol P). The main rod 2 is provided with a reel fixing device 2a so that the reel 100 can be mounted, and a fishing line introducing portion 2b for guiding the fishing line fed from the reel 100 to the tip side thereof is provided inside the rod. In addition, a buttock piece 2c is attached to the base end portion to prevent the middle tubule and the tip tub tube from coming off. Further, a top guide 4b is attached to the tip of the tip rod 4 through a guide mounting portion 4a, and the fishing line introduced into the rod tube is led out.
[0010]
Each above-mentioned soot pipe is formed by winding a fiber reinforced prepreg in which a reinforcing fiber is impregnated with a synthetic resin around a cored bar and performing a process according to a conventional method such as heating, decentering, and polishing. In addition, when forming the above-described rod pipe, in addition to the main body prepreg (main body layer) that forms the entire rod pipe, a portion (hole) where a hole such as a joining point between the rod pipes or a fishing line introducing portion is formed. A reinforcing prepreg (reinforcing layer) is disposed on a portion where various parts such as a forming portion), a fishing line introducing portion, and a top guide are mounted. In the case of the fishing rod shown in FIG. 1, this reinforcing layer is at least in the region where the joint portion P of each rod pipe, the guide mounting portion 4a, the reel fixing device 2a, the fishing line introducing portion 2b, and the rod tail part 2c are mounted. 1 or more.
[0011]
Hereinafter, in the configuration shown in FIG. 1, a portion where the reinforcing layer is disposed will be described in detail.
[0012]
(1) Fishing line introduction part (see Fig. 2)
For example, the main pipe 2 is provided with a circumferential fiber layer of prepregs (circumferential prepregs) in which reinforcing fibers are aligned in the circumferential direction on the inner circumferential side and the outer circumferential side, and a reinforcing fiber in the axial direction in the middle. Is provided with a main body layer 20 with an axial length direction fiber layer formed by prepregs (axial length direction prepreg). The fishing line introduction part 2b includes a fishing line introduction guide 21 having an open top in a frame structure and a long hole 23 formed in the side surface of the main rod.
[0013]
The fishing line introduction guide 21 includes a guide ring 21a for inserting a fishing line from a reel and directing the fishing line to a long hole 23 and leg portions 21b positioned before and after the long hole. The both leg portions 21b are fixed with a spool or a screw. It is mounted by being fixed to the outer peripheral surface of the main pipe 2 by means. The long hole 23 is provided with a long hole guide 23a along the long hole 23.
[0014]
In addition to the main body layer described above, a reinforcing layer is disposed in the portion where the fishing line introducing portion as described above is provided. In this case, the reinforcing layer is, for example, a prepreg (inclined direction prepreg) in which the reinforcing fibers are aligned at a predetermined angle (for example, + 45 °) with respect to the axial length direction, and a direction in which the reinforcing fibers intersect the inclined direction prepreg (for example, -45 °) is configured by overlapping prepregs (inclined direction prepregs) (crossed prepregs), or is composed only of prepregs in which reinforcing fibers are aligned in the inclined direction (inclined direction prepregs), or these This prepreg is used as a main component, and another reinforcing prepreg (one with reinforcing fibers aligned in the axial direction, one with reinforcing fibers aligned in the circumferential direction, woven fabric, or the like) is overlaid.
[0015]
In the configuration shown in the figure, the reinforcing layer in the fishing line introducing portion is provided with the axial length direction fiber layer 25 on the outer peripheral side of the main body layer 20 in the region where the fishing line introducing portion is provided, and the reinforcing fiber of the inclined direction prepreg on the outside thereof. Are arranged by arranging the inclined direction fiber layers 26 so as to cross each other. In this case, the inclined direction fiber layer 26 may be disposed in the outer layer of the axial length direction fiber layer 25 as shown in the drawing, or may be distributed between the outer layer and the inner layer of the axial length direction fiber layer 25. If it distributes to, it can also be set as the inclination prepreg which arranged the reinforcing fiber in the different direction, respectively. In addition, the thickness of the inclined direction fiber layer 26 is made thicker than the main body layer 20 or the axial length direction fiber layer of the main body layer 20 in order to prevent the progress of breakage and improve the torsional strength (1.5 to 3.5 times). The amount of resin impregnation is preferably set to be larger than that of the fiber layer in the axial length direction of the main body layer 20 in order to prevent fiber lining and delamination. Further, the elastic modulus of the reinforcing fiber of the inclined direction fiber layer is arbitrary, but it is preferable to use a higher fiber than the axial length direction fiber layer of the main body layer 20 in order to compensate for the decrease in rigidity due to the formation of the through hole. However, the thickness, the resin impregnation amount, and the elastic modulus can be arbitrarily set without being limited to the above examples.
[0016]
In addition, since the torsional rigidity is extremely lowered at the opening portion, an inclined fiber layer is inserted to reinforce it. In this case, the inclined fiber layer may be 1 ply or more, and the thickness may be 0.01 mm or more. Moreover, you may wind a circumferential direction reinforcement layer or an axial length direction reinforcement layer with this. In consideration of the workability at the time of winding, the inclined direction fiber layer may have a larger resin impregnation amount than the main body layer, but may be smaller than the main body layer if there is no hindrance to the winding. The elastic modulus of the reinforcing fiber may be 1 ton / mm ² or more because it is intended to improve shear elasticity, and is preferably equal to or more than that of the reinforcing fiber of the main body layer.
[0017]
(2) Joint part P (see Fig. 2)
In the configuration shown in the figure, since the distance between the fishing line introducing portion 2b and the joining portion P is relatively short, the reinforcing layer in the joining portion P is configured by continuously arranging the above-described inclined direction fiber layers 26. ing. In this case, the prepreg constituting the reinforcing layer of the fishing line introducing portion and the joining portion may be constituted by a plurality of pieces or a single piece, but it is necessary to compensate for this because the strength decrease due to the formation of the through hole is large. Therefore, it is preferable to increase the number of turns (thickness) on the fishing line introduction portion 2b side.
[0018]
Further, with respect to the joining portion P, the outer periphery of the proximal end portion of the intermediate tube comes into contact, so that reinforcing fibers are circumferentially disposed on the inner peripheral side of the main body layer 20 so as to effectively reinforce the portion where the contact occurs. It is preferable to dispose a circumferential fiber layer 28 of prepregs that are aligned to each other.
[0019]
The above-mentioned inclined direction fiber layer 26 constituting the reinforcing layer constitutes a main body layer by suppressing the movement of the fiber from each direction (three directions) against the stress during manufacture and in use and improving the stability. It is good to wind so that the circumferential direction fiber layer which comprises or the circumferential direction fiber layer which comprises a reinforcement layer may be contact | connected. Or the inclination direction fiber layer 26 which comprises a reinforcement layer is good also as a prepreg sheet | seat which combined (bonded together) three layers, the axial length direction fiber layer and the circumferential direction fiber layer, to this. In this case, the circumferential fiber layer is preferably 3 to 30% of the entire reinforcing layer.
[0020]
(3) Reel fixing device (see FIGS. 3 and 4)
The reel fixing device 2a, which is a component attached to the bag, is bonded separately to the outer peripheral portion of the main body layer 20 of the main tube 2 (may be integrally formed with the main tube), as shown in the figure. In addition, a reel leg mounting portion 30, a fixed hood 31 having an opening 31a in which a front reel leg is arranged, a moving hood 32 having an opening 32a in which a rear reel leg is arranged, and a moving hood 32 are provided. And a position fixing mechanism 32b for fixing the position of the movable hood 32. Further, on the reel leg mounting portion 30, a claw receiver 32c with which a fixing claw of the position fixing mechanism 32b is engaged is formed along the axial direction.
[0021]
The reinforcing layer is disposed outside the main body layer 20 from the front end portion 35a to the rear end portion 35b of the reel fixing device 2a, and is mainly composed of the inclined direction fiber layer 37 in which the reinforcing fibers are aligned in the inclined direction. Has been. The inclined direction fiber layer 37 is formed so as to be longer in the axial length direction than the end portions 35a and 35b of the reel fixing device and gradually increase in thickness toward the reel fixing device side. Further, the paint 38 is built up from the vertical tube body to the reel fixing device 2a, and the smooth surface is smoothed by filling the steps.
[0022]
The reinforcing fibers of the inclined direction fiber layer 37 are preferably less elastic than the reinforcing fibers of the axial length direction fiber layer of the main body layer 20 in consideration of ease of processing, and the amount of resin impregnation is preferably increased. In addition, the thickness of the inclined direction fiber layer is 3 to 30% (preferably 10 to 90%, less than the thickness of the main body layer) with respect to the thickness of the main body layer 20 in consideration of the reinforcing effect in the shear direction. Good to do.
[0023]
Further, a circumferential prepreg or a woven fabric (glass scrim or the like) in which reinforcing fibers are aligned in the circumferential direction may be added to the inclined fiber layer 37 constituting the reinforcing layer and wound. Further, the rigidity of the main body of the reel fixing device 2a is preferably set to be equal to or less than the rigidity of the reinforcing layer in consideration of the improvement in strength, and a low elastic material is preferably used as the material.
[0024]
FIG. 4 is a view showing another embodiment of the reel fixing device, and is a view showing a so-called cylindrical reel sheet. In this configuration, parts having the same functions as those of the reel fixing device shown in FIG. 3 are denoted by the same reference numerals.
[0025]
A bulging portion 40 is formed integrally (may be a separate body) on the surface of the main body layer 20 and extends in the axial direction at one end side so that a part of a moving hood described later can move. A gap 40a is formed. Further, on the outer peripheral side of the main body layer 20, a reinforcing layer 42 mainly composed of a prepreg in which reinforcing fibers are aligned in an inclined direction is disposed. A male screw portion 42a is integrally formed on one end side of the reinforcing layer, and a nut 43 is screwed therein. The nut 43 is engaged with a moving hood 45 having a buffer member 45a formed of a synthetic resin or the like so as to receive the leg portion of the reel. By rotating the nut 43, the moving hood 45 is axially moved. It is possible to move to.
[0026]
In this configuration, since the male screw portion 42a of the reel fixing device is formed in the reinforcing layer whose fiber direction is the inclined direction, the male screw portion can be hardly damaged. In order to further enhance the reinforcing effect, it is preferable to combine a circumferential fiber layer with a part of the reinforcing layer, and it is preferable to use reinforcing fibers having higher strength (low elasticity) than the main body layer 20.
[0027]
(4) Joint part P (see Fig. 5)
In the above (2), the configuration in which the reinforcing layer is disposed at the joint portion of one side pipe has been described. Such a reinforcing layer includes a large-diameter side pipe (former side pipe 2) and a small-diameter side pipe (medium). You may arrange | position in both joint parts with the soot pipe 3). Specifically, reinforcing layers 20a and 20b mainly composed of an inclined fiber layer are disposed on the inner peripheral side and the outer peripheral side of the joint portion of the main body layer 20 of the main steel tube 2, and the intermediate steel tube 3 A reinforcing layer 50a mainly composed of an inclined direction fiber layer is disposed on the outer peripheral side of the joint portion of the main body layer 50. As shown in the figure, the position where the reinforcing layer is disposed should be longer than the actual joining region.
[0028]
(5) Guide mounting part (see Fig. 6)
The guide mounting portion 4a at the tip of the tip tube 4 is configured by a reinforcing layer 61 that is disposed on the outer periphery of the main body layer 60 of the tip tube and that mainly includes an inclined fiber layer. A guide ring 4c is attached to the end portion of the reinforcing layer 61, and a top guide 4b is attached. In this case, the top guide 4b may be adhered and fixed to the reinforcing layer, or may be detachable by screwing or the like. The reinforcing layer 61 is preferably formed to be 5 to 20 mm longer than the mounting area of the top guide 4b.
[0029]
The top guide 4b is provided with a guide ring 4d at its tip, and a drain hole 4e is formed in the middle.
[0030]
(6) Top butt parts (see Fig. 7)
The buttock piece 2c attached to the base end portion of the main tub tube 2 accommodates a flexible member 2d such as rubber, and has a buttock cap 2e formed with a drain hole in the center, and a screw on the buttock cap 2e. And a buttock ring 2f fitted to the outer peripheral surface of the main rod tube 2.
[0031]
As described above, the reinforcing layer 65 mainly composed of the fiber layer in the inclined direction is disposed on the outer periphery of the main body layer 20 at the base end portion of the main tube 2 to which the buttock part is mounted. Although the position where the reinforcing layer 65 is disposed is arbitrary, it is preferable that the reinforcing layer 65 be disposed at a position in contact with the buttock part on the outer peripheral side of the main body layer.
[0032]
(7) Outer guide mounting part (see Fig. 8)
In a fishing rod of the type in which the floating guide 70 is mounted on the rod tube, a reinforcing layer is disposed in a portion where the guide is mounted. In this case, a built-up portion 77 mainly composed of an inclined fiber layer is formed on the outer side of the main body layer 76 in the guide mounting portion of the soot tube 75. Note that a large number of concave and convex strips 77 a are formed on the outer surface of the built-up portion 77 along the longitudinal direction so that the floating guide 70 can slide. Further, both end portions 77b of the built-up portion 77 are formed in an inclined shape, so that damage from the end portions can be effectively prevented.
[0033]
(8) Knotting section (see Fig. 9)
Depending on the fishing rod, the outer surface of the rod 81 may be provided with a node 82 as an appearance pattern. When knotting is performed in this way, the knot is constituted by a reinforcing layer mainly composed of an inclined fiber layer. In this way, by forming the joint 82 with the reinforcing layer as described above, it is possible to prevent breakage from the portion to which the joint is attached when the fishing rod is bent. In addition, you may arrange | position a circumferential direction fiber layer in a part of reinforcement layer.
[0034]
(9) Reed receiving part (see Fig. 10)
When the fishing rod is placed on the rod receiver or attached to the rod receiver, a reinforcing layer is disposed in a portion where such rod receiver is located. In the configuration shown in the figure, a reinforcing layer 92 mainly composed of an inclined fiber layer is disposed on the outer peripheral side of the main body layer 91 of the soot tube 90 where the soot receiver 105 is located. In this case, the reinforcing layer 92 is preferably made of reinforcing fibers having a lower elasticity than the axial length direction fiber layer of the main body layer 91 and is preferably formed thicker than the main body layer. Moreover, a circumferential fiber layer may be further stacked so as to effectively prevent crushing. The reinforcing layer 92 may be formed long on the entire handle portion, or may be formed on the grip portion of the soot tube that is gripped by hand.
[0035]
In addition, since a large shearing force acts when the reel sheet and the hook receiving portion are close to each other, deformation can be reduced by inserting an inclined fiber layer. In this case, it may be arranged from 20 mm ahead of the front part of the reel sheet to about 20 mm behind the rear part of the reel sheet. Since this inclined direction fiber layer improves the rigidity in the shear direction, it may be 1 ton / mm ² or more, and the thickness may be 0.01 mm or more. Moreover, although the inclination direction fiber layer may be wound over the entire circumference, it is preferable to concentrate it on both side surfaces of the soot tube.
[0036]
The reinforcing layers disposed at various positions of the fishing rod described above can be configured as follows. Note that the following configurations (A) to (H) are implemented in appropriate combinations according to the position where the reinforcing layer is disposed, the characteristics of the fishing rod, and the like.
[0037]
(A) The reinforcing prepreg is made of a reinforced fiber that is aligned in the inclined direction, a reinforced fiber that is aligned in the inclined direction, and the reinforced fibers are overlapped so that they intersect each other, or a woven fabric. Can do. The reinforcing prepreg may be in the form of a sheet or tape.
[0038]
In addition, the reinforcing layer having the reinforcing prepreg may be provided with a portion of the inclined direction fiber layer in which the above-described reinforcing fibers are aligned in the inclined direction. In order to improve the specific strength, it is preferable that the inclined direction fiber layer is mainly formed (of course, only the inclined direction fiber layer may be used). In addition, the main body layer of the soot tube in the portion where such a reinforcing layer is disposed is preferably formed mainly of the axial rectangular fiber layer as described above.
[0039]
(B) The wrapping position of the reinforcing prepreg is not limited, such as being disposed separately on the inner layer side and the outer layer side with respect to the main body layer, or disposed only on the middle layer portion. It is preferable to arrange in a portion close to (for example, the outer layer). That is, a relatively large (thick) outer layer side may be distributed or disposed only on the outer layer. By disposing at such a position, the stress concentration on the end of the mounting part due to deflection or deformation of the soot tube is reduced, and the stress distribution in the inclined direction is reduced at a position close to the part (with less influence on the middle layer). It is possible to improve the stability of strength.
[0040]
(C) The reinforcing fiber of the reinforced prepreg is most preferably set to ± 45 ° since the direction in which the shear modulus and torsional strength are maximized is 45 °. In view of the fact that the weight can be reduced and the specific strength can be improved, the range may be ± 45 ° ± 15 °. Of course, reinforcing fibers aligned in the 0 ° or 90 ° direction may be added.
[0041]
In addition, the inclined fiber layer is preferably formed by superimposing a lining prepreg on reinforcing fibers aligned to ± 45 ° ± 15 ° in consideration of stability improvement and ease of manufacture. In this case, the lining prepreg is in the circumferential direction or axial direction or woven fabric. In addition, the lining is preferably formed by stacking a prepreg having a smaller thickness than the prepreg of the inclined direction fiber. The three-direction inclined fiber layers may be wound in any number of layers (how many times the prepreg is wound), but the thickness of one layer is preferably 0.15 mm or less (preferably 0.1 mm or less).
[0042]
(D) The thickness of the reinforcing prepreg is 10 to 100% of the reinforcing layer, preferably 25 to 100%, and considering the thickness of the main body layer at that position, preferably 3 to 90% of the total thickness, Is preferably 10 to 75%. However, it is preferable that the thickness of the reinforcing prepreg is slightly larger than the above range for a portion where a hole such as a fishing line introducing portion is formed. Specifically, when the reinforcing layer is disposed in a portion where the circumferential fiber layer and the axial length fiber layer are present, the axial length direction fiber layer is 50 to 85% of the whole, and the circumferential direction fiber layer is 3 to 15 of the whole. %, The fiber layer in the inclined direction is preferably 10 to 75% of the whole.
[0043]
(E) If the elastic modulus of the reinforcing fiber used for the reinforcing prepreg is intended to improve the strength, a material with a high elastic modulus of ²⁰ to 90 ton / mm ² can be used to improve the deflection balance. For example, a low elastic material can be used. In order to improve the shear elasticity, it may be 1 ton / mm ² or more, and it is preferable to use a highly elastic material than the reinforcing fibers of the axial fiber layer of the main body layer.
[0044]
(F) It is preferable that the resin impregnation amount of the reinforcing fiber used in the reinforcing prepreg is larger (25 to 60 wt%) than the resin impregnation amount of the axial length direction fiber layer of the main body layer so that peeling damage can be prevented.
[0045]
(G) The reinforcing prepreg (reinforcing layer) can reinforce the range from the component mounting portion (or hole) to a length that is at least three times the thickness (approximately the diameter or a length within about twice the diameter). Any length is acceptable.
[0046]
(H) The reinforcing fiber used for the reinforced prepreg can be composed of carbon, glass, aramid, boron, or other ceramics or metal. Or it is also possible to comprise with organic materials, such as polyetherimide and nylon.
[0047]
As illustrated in the above (1) to (9), the above-described (A) to (H) are attached to the hole forming part (joint part, fishing line introducing part, etc.) of the fishing rod and the part attaching part to which various parts are attached. By arranging the reinforcing layer having the reinforcing prepreg as described above, the following effects can be obtained.
[0048]
A fishing rod made of FRP for fishing rods has a large proportion of the fiber layer in the axial length direction and is usually 70% or more (80% or more). Therefore, delamination between the reinforcing fibers occurs, the tear pipe tears, or it is weak against a load in a direction perpendicular to the reinforcing fibers.
[0049]
However, by arranging the reinforcing layer having the fiber layer in the inclined direction (cross direction), it is possible to make the progress direction of the fracture of the soot tube main body different and prevent the progress of the fracture (dispersing the stress in a plurality of directions or widening the stress). The strength can be improved. In particular, by arranging reinforcing fibers in the inclination direction in addition to the axial direction and the circumferential direction, stress can be dispersed in three directions, and the strength can be improved efficiently.
[0050]
Further, by setting the reinforcing fiber of the inclined direction fiber layer to ± 45 ° ± 15 °, the torsional strength can be improved, and the inclination direction fiber layer by such a prepreg can be used for bending strength due to bending stress and shear strength against deformation. Improvement can be achieved.
[0051]
In addition, the difference in rigidity between the reinforcing fiber layer portion and the main body layer of the soot tube can be reduced, and the strength of the strength can be improved by relaxing the stress concentration with respect to the bending stress for the reinforcement. Further, by forming the reinforcing layer on the main body layer so as to be slightly longer than the end portions of the various attachment parts, and forming the reinforcement layer so as to be thinner away from the attachment parts, further stress relaxation can be achieved. .
[0052]
By arranging the reinforcing layer as described above, the strength can be improved efficiently, and the specific strength can be improved and the weight of the fishing rod as a whole can be reduced.
[0053]
The present invention is not limited to the centering type, and can be applied to various types of fishing rods such as an outer guide type fishing rod, and the reinforcing layer as described above is either a hole forming portion or a component mounting portion of the fishing rod. What is necessary is just to be arrange | positioned in this part.
[0054]
【The invention's effect】
According to the present invention, even if stress is concentrated in the holes formed in the rods of various fishing rods, the reinforcing layer having the inclined direction fiber layer allows the stress in the stress concentrated portion to be axial length along the reinforcing fiber of the main body layer. In addition to the direction and the circumferential direction, it is possible to disperse in the inclined directions intersecting each other , and the strength can be improved efficiently and the strength can be stabilized. Further, the partial increase in bending rigidity due to the formation of the reinforcing layer can be alleviated, and the reinforcing balance is improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration example of a fishing rod according to the present invention.
2 is a cross-sectional view of a fishing line introducing portion of the fishing rod shown in FIG.
3 is a cross-sectional view of the reel mounting device portion of the fishing rod shown in FIG. 1;
FIG. 4 is a cross-sectional view showing another configuration of the reel mounting device.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a joint portion of the fishing rod shown in FIG.
6 is a cross-sectional view of the top guide portion of the fishing rod shown in FIG.
7 is a cross-sectional view of a heel portion of the fishing rod shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 8 is a cross-sectional view of an outer guide portion mounted on a fishing rod.
FIG. 9 is a view showing a node portion provided on a fishing rod.
FIG. 10 is a cross-sectional view of a rod receiving portion that engages with a fishing rod.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Fishing rod 2a Reel fixing device 2b Fishing line introducing | transducing part 2c Ridge part 4a Guide attaching part 20 Main body layer 26 Inclined direction fiber layer (reinforcing layer)

Claims

A hole forming portion for forming a fishing line introducing portion is provided in a rod having a main body layer having an axial length direction fiber layer and a circumferential direction fiber layer formed by winding a fiber reinforced prepreg in which a reinforcing fiber is impregnated with a synthetic resin. A fishing rod,
These directional prepregs that have a larger resin impregnation amount than the fiber reinforced prepreg forming the main body layer in the hole forming portion and in which the reinforcing fibers are aligned in a range of 45 ° ± 15 ° with respect to the axial length direction , A fishing rod comprising a reinforcing layer having an inclined fiber layer formed by overlapping the reinforcing fibers in a direction crossing each other .

2. The fishing rod according to claim 1 , wherein the reinforcing fibers of the inclined direction fiber layer have a higher elastic modulus than the axial length direction fiber layer of the main body layer.