JP3762348B2 - 階層化ネットワークノード並びにそのノードにより構成されたネットワーク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パスの経路選択やリアレンジなどのトラヒックエンジニアリングを行うパスネットワークの構成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のレイヤのネットワークが混在している場合に、それぞれのレイヤで個別のネットワーク管理が行われている場合が多い。このときネットワーク管理方法は、レイヤによって異なり、一つの装置がネットワーク全ての状態を把握し、制御を行う集中制御方式や、リンクステートを交換することでネットワーク中の全てのノードが情報を共有しあう分散制御方式などがある。
【0003】
また、一つのレイヤの制御に限って、ネットワークを複数のエリアに区切って、それぞれのエリアで管理する方式もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
複数のレイヤのネットワークが混在した状況で分散制御マルチレイヤトラヒックエンジニアリングを行う場合に、従来はネットワーク全体でトラヒックエンジニアリングを行っていたため、OSPF(Open Shortest Path First)などに代表されるルーティングプロトコルで一括して取り扱う情報量が増え、また、トラヒックエンジニアリングの計算量も莫大になるため、大規模ネットワークへの拡張の実現が難しい。
【0005】
本発明は、このような背景に行われたものであって、大規模ネットワークへの拡張を実現することができ、さらに、経路計算を必要とするレイヤの範囲を特定してから計算を行うことができるため、無効となる計算を無くすことができ、経路計算を効率良く行うことができる階層化ネットワークノードおよびネットワークおよび階層化経路選択方法およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発ノードから着ノードまでの経路計算をレイヤ毎に分散して段階的に行うことを特徴とする。これにより、ネットワーク全体でトラヒックエンジニアリングを行う従来の例と比較して個々のレイヤ毎の計算量を少なく抑えることができるため、大規模ネットワークへの拡張を実現することができる。さらに、経路計算を必要とするレイヤの範囲を特定してから計算を行うことができるため、無効となる計算を無くすことができ、経路計算を効率良く行うことができる。
【0007】
すなわち、本発明の第一の観点は、数のレイヤからなるネットワークに設けられ、自ノードおよび自ノードに接続されているリンクの情報(以降、リンクステート情報と呼ぶ)を他ノードとの間で相互に交換する手段と、この交換する手段により得られた前記ネットワーク中の一部もしくは全部のノードのリンクステート情報を保持する手段と、パス設定要求にしたがってこの保持する手段に保持されたリンクステート情報に基づき複数種類のレイヤのパスの経路を選択する手段と、パス変更要求にしたがってこの選択する手段により選択されて設定された経路を前記保持する手段に保持されたリンクステート情報に基づき変更する手段とを備えたノードである。
【0008】
ここで、本発明の特徴とするところは、自己が属するネットワークは、複数のノードで構成されるセルに分割され、このセルは仮想ノードと定義され、仮想ノードの内部と外部とを接続しているリンクが存在する場合に、この仮想ノードの内部と外部との接点は仮想ノードのインタフェースと定義され、仮想ノードで構成された仮想ネットワークはさらにセル分割、仮想ノード化され、当該さらにセル分割、仮想ノード化された仮想ネットワークは当初の仮想ネットワークに対する上位レベルのネットワークと定義され、上記セル分割、仮想ノード化の操作を1回もしくは複数回行うことにより階層化ネットワークが構築され、自己が属する仮想ノード内の他ノードもしくは他仮想ノードから広告されるリンクステート情報を蓄積するリンクステートデータベースを備え、仮想ノード内のノードもしくは仮想ノードのうち仮想ノード外部とのインタフェースの役割を果たしているノードをボーダノードと定義し、自己がこのボーダノードに位置するときには仮想ノード内部のリンクステート情報をもとに仮想ノード外部に対するインタフェース情報を生成する手段を備えたリンクステート要約部と、生成した当該インタフェース情報を仮想ノード外部に対して広告する広告部とを備えたところにある。なお、本発明のノードを階層化ネットワークノードと呼ぶことにする。
【0009】
このような階層化された構造を定義することにより、ネットワーク全体を一括して計算対象とする必要がなく、各階層毎に計算を行うことができるため、大規模ネットワークへの拡張を実現することができる。
【0010】
仮想ノード相互間を接続する複数のリンクの中で同一仮想ノード対地間を接続するリンク群を識別する手段と、この識別する手段により識別されたリンク群に含まれるリンクをひとつの仮想リンクとみなして処理する手段とを備えることが望ましい。
【0011】
これにより、ひとつの仮想リンクを、例えば、波長多重化されたひとつの光パスによって構成することができる。
【0012】
あるいは、仮想ノード相互間を接続する複数のリンクの中で同一仮想ノード対地間を接続する第一のリンク群を識別する手段と、この識別する手段により識別された第一のリンク群をさらに同一のスイッチングケーパビリティを共有する第二のリンク群に分類する手段と、この分類する手段による分類された第二のリンク群に含まれるリンクをひとつの仮想リンクとみなして処理する手段とを備えることが望ましい。
【0013】
これにより、同一のスイッチングケーパビリティを共有するひとつの仮想リンクを定義し、スイッチングケーパビリティ単位に、例えば、波長多重されたひとつの光パスを割当てることにより、ハードウェアの使用効率を高めることができる。
【0014】
前記リンクステート要約部は、自ノードが属する仮想ノード内のスイッチングケーパビリティを自ノードに接続されているリンクでかつ自ノードが属する仮想ノードと外部とを接続しているインタフェースに対応するリンクに割当てを行うスイッチングケーパビリティ割当手段を備え、前記インタフェース情報は、前記スイッチングケーパビリティ割当手段により前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報であることができる。
【0015】
すなわち、どのスイッチングケーパビリティがどのリンクに割当てられているかという情報をインタフェース情報とすることにより、各仮想ノードでは、仮想ノード相互間の接続関係をスイッチングケーパビリティ単位で把握することができる。
【0016】
あるいは、前記リンクステート要約部は、自ノードが属する仮想ノード内のスイッチングケーパビリティを自ノードに接続されているリンクでかつ自ノードが属する仮想ノードと外部とを接続しているインタフェースに対応するリンクに割当てを行うスイッチングケーパビリティ割当手段と、このスイッチングケーパビリティ割当手段により割当てられたスイッチングケーパビリティ毎に伝送コストを割当てるコスト割当手段とを備え、前記インタフェース情報は、前記スイッチングケーパビリティ割当手段により前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報および前記コスト割当手段により前記インタフェースのスイッチングケーパビリティに対して割当られた伝送コストの情報であることができる。
【0017】
これによれば、仮想ノード相互間の接続関係とともに、リンクを利用する場合の伝送コストも把握することができるため、単に、物理的な距離が短い経路を最短経路とするのではなく、伝送コストが最小となる経路を最短経路とすることができる。
【0018】
前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報は、ボーダノードもしくは仮想ボーダノードとしての自ノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードもしくは他仮想ボーダノードとの間に設定することができるパスのレイヤにそれぞれ対応して生成されることが望ましい。
【0019】
これにより、各レイヤ毎に情報を取得することができ、各レイヤ毎の経路計算を行う上で利便性が高い。
【0020】
また、前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報は、例えば、前記インタフェースとなっているリンクが直接接続されているボーダノードもしくは仮想ボーダノードのスイッチングケーパビリティに関する情報である。
【0021】
前記広告部は、前記ボーダノードにおけるスイッチングケーパビリティに変化が生じる毎に仮想ノード外部に広告を行う手段を備えたり、あるいは、前記広告部は、一定周期で仮想ノード外部に広告を行う手段を備えることが望ましい。これにより、各仮想ノードは、最新情報を得ることができる。なお、一定周期で仮想ノード外部に広告を行う方がスイッチングケーパビリティに変化が生じる毎に仮想ノード外部に広告を行う場合と比較して広告負荷は低い場合が多い。
【0022】
前記伝送コストの情報は、例えば、仮想ノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている未使用インタフェース総数の逆数により生成される。
【0023】
すなわち、未使用インタフェース総数が多ければ多いほど、インタフェースの受け入れ許容量が大きくなるので伝送コストは小さくなる。
【0024】
あるいは、前記伝送コストの情報は、例えば、仮想ノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている使用インタフェース数および総インタフェース数に関して
使用インタフェース数/総インタフェース数
により生成される。
【0025】
すなわち、総インタフェース数に対する使用インタフェース数が少なければ少ないほど、インタフェースの受け入れ許容量が大きくなるので伝送コストは小さくなる。
【0026】
また、前記伝送コストの情報は、仮想ノード内のボーダノードと当該ボーダノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードとの間に、任意のレイヤのパスを設定する際のコストとして、設定されるパスのレイヤ毎に決定される情報であることが望ましい。
【0027】
これにより、各レイヤ毎に情報を取得することができ、各レイヤ毎の経路計算を行う上で利便性が高い。
【0028】
前記コストは、例えば、仮想ノード内のボーダノードと当該ボーダノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードとの間にパスを設定する際の経路に沿って、リンクのリンクコストと、ノードもしくは仮想ノードのノードコストとを足し合わせることで得られる値が最も小さくなる経路のコスト値を算出する手段を備えることが望ましい。
【0029】
これにより、リンクコストとノードコストとの双方を勘案して最もコストの小さくなる経路を選択することができる。
【0030】
あるいは、前記コストは、例えば、仮想ノード内のボーダノードと当該ボーダノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードとの間に設定する最小ホップ数の経路に沿って、リンクのリンクコストと、ノードもしくは仮想ノードのノードコストとを足し合わせることで得られる値であり、前記最小ホップ数の経路が複数ある場合には、複数の当該足し合わせることで得られる値の集合であるコスト値候補の中からその値が最も小さくなるものをコスト値として選択する手段を備えることが望ましい。
【0031】
これにより、リンクコストとノードコストとの双方を勘案し、さらに、最小ホップ数により最もコストの小さくなる経路を選択することができる。
【0032】
前記足し合わせることで得られる値は、例えば、前記経路に沿ってノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている未使用インタフェース数の逆数である。
【0033】
すなわち、未使用インタフェース数が多ければ多いほど、インタフェースの受け入れ許容量が大きくなるので前記足し合わせることで得られる値は小さくなる。既に説明した伝送コストと当該足し合わせることで得られる値との差異は、前記伝送コストは、リンク毎にあらかじめ定められた値であるのに対し、当該足し合わせることで得られる値は、経路に応じて算出される値である。
【0034】
あるいは、前記足し合わせることで得られる値は、例えば、前記経路に沿ってノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている使用インタフェース数および総インタフェース数に関して
使用インタフェース数/総インタフェース数
で与えられる。
【0035】
すなわち、総インタフェース数に対する使用インタフェース数が少なければ少ないほど、インタフェースの受け入れ許容量が大きくなるので前記足し合わせることで得られる値は小さくなる。
【0036】
仮想ノードのインタフェースに相当するノードは、あらかじめ決められた時間間隔で前記伝送コストの情報または前記コストを前記リンクステート情報に基づき計算する手段を備えたり、あるいは、仮想ノードのインタフェースに相当するノードは、仮想ノード内部のインタフェースの使用状況の変化をリンクステート情報の広告によって通知され、インタフェースの使用状況が変化するたびに前記伝送コストの情報または前記コストを前記リンクステート情報に基づき計算する手段を備えることが望ましい。これにより、各仮想ノードは、最新情報を得ることができる。なお、一定周期で計算を行う方がインタフェースの使用状況に変化が生じる毎に計算を行う場合と比較して計算負荷は低い場合が多い。
【0037】
本発明の第二の観点は、本発明の階層化ネットワークノードを備えたことを特徴とするネットワークである。
【0038】
本発明の第三の観点は階層化経路選択方法であって、本発明の特徴とするところは、本発明の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するときに、発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最下位のレベル1の前記リンクステートデータベースを参照することによって、当該レベル1の仮想ノードの中で、発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、発ノードと着ノードが同一仮想ノード内に存在しない場合は、ひとつ上位のレベル2の前記リンクステートデータベースを参照することによって当該レベル2の発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、この判断を発ノードと着ノードとが同一仮想ノード中に含まれるまで繰り返すことで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベルN(Nは自然数)の仮想ノードを選択し、この選択されたレベルNの仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベルNの経路を選択する際に、当該選択されたレベルNの仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベルNの前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベルNの前記選択する手段により選択し、この選択されたレベルNの経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行するところにある。
【0039】
これによれば、まず、発ノードおよび着ノードを両方とも含むレベルを探索し、レベルの上限を特定する。これにより、これ以上の上位レベルを経路計算対象とすることなく、無効となる計算を省くことができる。このようにして探索した最上位レベルから下位レベルに向かって順次、各レベル毎に経路計算を行う。これにより、ネットワークが大規模化しても個々のレベルにおける計算量は限られているので、大規模ネットワークへの拡張を実現することができる。
【0040】
あるいは、本発明の第三の観点は階層化経路選択方法であって、本発明の特徴とするところは、本発明の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するとき、発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最上位レベルNの仮想ノードからなるネットワークで、当該レベルNの前記リンクステートデータベースを参照することで、発ノード、着ノードが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在する場合は、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを参照することによって、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)のネットワークで発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、この判断を発ノードと着ノードとが異なる仮想ノード中に含まれるまで繰り返し、そのひとつ上位レベル(N−k)(kは自然数)の仮想ノードを選択することで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベル(N−k)の仮想ノードを選択し、この仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベル(N−k)の経路を選択する際に、当該選択されたレベル(N−k)の仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベル(N−k)の前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベル(N−k)の前記選択する手段により選択し、この選択されたレベル(N−k)の経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−k−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−k−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−k−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行するところにある。
【0041】
前者の方法と後者の方法とを比較すると、発ノードおよび着ノードの両方を含むレベルを探索する手順が異なる。前者の方法では下位のレベルから順に上位に向かって探索して行くが、後者の方法では上位のレベルから順に下位に向かって探索する。
【0042】
前記発ノードと着ノードとの両者を含むレベルよりも下位のレベルの仮想ノードでは、自ノード内の経路を選択する計算を、その仮想ノード中に含まれるボーダノードのうち、当該経路の入出力インタフェースとして割当てられているボーダノードが行うものとすることができる。
【0043】
あるいは、前記発ノードと着ノードとの両者を含むレベルよりも下位のレベルの仮想ノードでは、自ノード内の経路を選択する計算を、その仮想ノード中に含まれるボーダノードのうち、あらかじめ代表ノードとして定められているボーダノードが行うものとすることができる。
【0044】
このようにして、あらかじめ経路計算を行うノードを決めておくことにより、計算処理を効率よく実行することできる。また、後者の場合には、代表ノードを一回の計算処理が終了する毎に順次別のノードに移行させることにより、計算負荷の偏りを低減させることができる。
【0045】
本発明の第四の観点はプログラムであって、本発明の特徴とするところは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1記載の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するときに、発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最下位のレベル1の前記リンクステートデータベースを参照することによって、当該レベル1の仮想ノードの中で、発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、発ノードと着ノードが同一仮想ノード内に存在しない場合は、ひとつ上位のレベル2の前記リンクステートデータベースを参照することによって当該レベル2の発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、この判断を発ノードと着ノードとが同一仮想ノード中に含まれるまで繰り返すことで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベルN(Nは自然数)の仮想ノードを選択し、この選択されたレベルNの仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベルNの経路を選択する際に、当該選択されたレベルNの仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベルNの前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベルNの前記選択する手段により選択し、この選択されたレベルNの経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行させるところにある。
【0046】
あるいは、本発明の第四の観点はプログラムであって、本発明の特徴とするところは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1記載の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するとき、発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最上位レベルNの仮想ノードからなるネットワークで、当該レベルNの前記リンクステートデータベースを参照することで、発ノード、着ノードが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在する場合は、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを参照することによって、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)のネットワークで発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、この判断を発ノードと着ノードとが異なる仮想ノード中に含まれるまで繰り返し、そのひとつ上位レベル(N−k)(kは自然数)の仮想ノードを選択することで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベル(N−k)の仮想ノードを選択し、この仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベル(N−k)の経路を選択する際に、当該選択されたレベル(N−k)の仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベル(N−k)の前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベル(N−k)の前記選択する手段により選択し、この選択されたレベル(N−k)の経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−k−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−k−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−k−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行させるところにある。
【0047】
本発明の第五の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体である。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【0048】
これにより、コンピュータ装置等の情報処理装置を用いて、大規模ネットワークへの拡張を実現することができ、さらに、経路計算を必要とするレイヤの範囲を特定してから計算を行うことができるため、無効となる計算を無くすことができ、経路計算を効率良く行うことができる階層化ネットワークノードおよびネットワークおよび階層化経路選択方法を実現することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
(第一実施例)
はじめに、この階層化ネットワークノードが前提とするネットワークについての説明をする。このネットワークの概略図を図1に示す。このネットワークは複数のレイヤのネットワークで構成され、ここでは、IPレイヤとSDHレイヤと波長レイヤから構成されているものとする。このネットワークで各ノードが、IPアドレスやリンクの最大帯域、使用帯域などの情報からなるリンクステートを広告する。
【0050】
パスを設定するノードはこのリンクステートを元にして、IPパスを設定するために新しくSDHパスや波長パスを設定するかどうか、SDHパス、波長パスを新設する場合には、どの経路にパスを設定する方が最もコストが小さくなるかといった計算を行い、パスの設定を行う。また、あるIPパスの経路をリアレンジする際に、同時に下位レイヤの波長パスの経路の変更の必要性なども計算する。上記のようなネットワークでは、ネットワーク規模が大きくなるにつれてリンクステートの広告量や、経路計算の計算量などが増加していくため、ある一定規模でスケーラビリティを維持できなくなる。これは、一括で扱うレイヤ数が増えることについても同様のことがいえる。
【0051】
上記のようなマルチレイヤネットワークをセル分割・仮想ノード化・階層化する様子を図2に示す。ここでは3階層(Level3)まで階層化を行っている。また、図3にはネットワークを仮想ノード化した様子を示している。
【0052】
第一実施例では、このようなネットワークを実現する。このためのノードの概略図を図4に示す。ノードは自ノードの状態や自ノードに接続されているリンクの状態であるリンクステート情報を収集してリンクステートデータベースLSDB−L1に格納する。このリンクステート情報は広告部Pを通って他ノードへと広告される。また、自ノードと同一の仮想ノードに含まれている他ノードからもリンクステート情報が広告部Pを通して広告されてくる。広告部Pに広告されてきた情報の中からLevel1のリンクステート情報を選んでリンクステートデータベースLSDB−L1に格納する。もし、このノードが仮想ノードのインタフェースにあたるところに配置されている場合(図3におけるノードA,B,C)、このノードはボーダノードの役割を果たすことになる。ボーダノードに選ばれたノードは、リンクステートデータベースLSDB−L1のリンクステート情報をLS要約部LS1において、Level2用のリンクステート情報に要約し、これをリンクステートデータベースLSDB−L2に格納するとともに、広告部Pを経由して、仮想ノードの外部に、仮想ノードのインタフェース情報として広告する。
【0053】
同様にLS要約部LS2は、リンクステートデータベースLSDB−L2のリンクステート情報からリンクステートデータベースLSDB−L3に格納するリンクステート情報を求めるという作業を、ネットワークの階層分だけ繰り返す。
【0054】
(第二実施例)
第二実施例では図5に示すように、リンクステートデータベースLSDB−L1に格納されているリンクステート情報をもとに、LS要約部LS1のスイッチングケーパビリティ割当部(SC割当部と図示する)SCにおいて、Level2の仮想ノードのインタフェースのスイッチングケーパビリティを求める。この結果をリンクステートデータベースLSDB−L2に格納するとともに広告部Pを経由して仮想ノードの外部に広告する機能を有している。
【0055】
同様にLS要約部LS2は、リンクステートデータベースLSDB−L2のリンクステート情報からリンクステートデータベースLSDB−L3に格納するリンクステート情報を求めるという作業を、ネットワークの階層分だけ繰り返す。このときのノードの機能ブロック図を図5に示す。
【0056】
(第三実施例)
第三実施例では図6に示すように、リンクステートデータベースLSDB−L1に格納されているリンクステート情報をもとに、LS要約部LS1のスイッチングケーパビリティ割当部SCにおいて、Level2の仮想ノードのインタフェースのスイッチングケーパビリティを求めるとともに、コスト計算部Cにおいて、この仮想ノードを経由するのにかかるコストを計算する。この結果をリンクステートデータベースLSDB−L2に格納するとともに広告部Pを経由して仮想ノードの外部に広告する機能を有している。
【0057】
同様にLS要約部LS2は、リンクステートデータベースLSDB−L2のリンクステート情報からリンクステートデータベースLSDB−L3に格納するリンクステート情報を求めるという作業を、ネットワークの階層分だけ繰り返す。このときのノードの機能ブロック図を図6に示す。
【0058】
(第四実施例)
第四実施例では、第二および第三実施例で割当てているスイッチングケーパビリティを規定している。図7に仮想ノードのインタフェースにスイッチングケーパビリティを割当てる方法を示す。ここでは、仮想ノード内を経由してインタフェース間に設定することが可能なパスのレイヤをスイッチングケーパビリティとしてインタフェースに割当てる。よって入力ポートだけでなく、出力ポートにも依存したスイッチングケーパビリティの割当て方になる。
【0059】
よって、図7の仮想ノードのインタフェースa1のスイッチングケーパビリティは、インタフェースa1、a2、c2に対してはPSC(Packet Switching Capability)+LSC(Lambda Switching Capability)であるのに対し、インタフェースb、c1に対してはPSCとなる。このようにパスの出力ポートまで考慮したスイッチングケーパビリティの割当てを行うことによって、どのインタフェースを用いればどのレイヤのパスを設定することができるかを正確にセル外部に広告することが可能となる。
【0060】
(第五実施例)
第五実施例では、第二および第三実施例で割当てているスイッチングケーパビリティを規定している。図8に仮想ノードのインタフェースにスイッチングケーパビリティを割当てる方法を示す。ここでは、仮想ノードのインタフェースに対するセル内のボーダルータのスイッチングケーパビリティを、仮想ノードのインタフェースのスイッチングケーパビリティとして割当てる方式である。
【0061】
図8ではインタフェースa1、a2はLSC、インタフェースb、c1はPSC、インタフェースc2はLSC+PSCのスイッチングケーパビリティを有することになる。このことによって、仮想ルータのスイッチングケーパビリティの広告量を削減することができる。
【0062】
(第六実施例)
ネットワークにパスが設定されていくうちに、ネットワークリソースが消費されていき、仮想ノードのインタフェースが有するスイッチングケーパビリティが変化することが考えられる。このため第一〜第五実施例で示した仮想ノードのインタフェースが有するスイッチングケーパビリティが変化したことをトリガとして、他仮想ノードに広告することによって、パス設定時の経路選択が実際のネットワーク状態を正確に反映することが可能となる。
【0063】
(第七実施例)
ネットワークにパスが設定されていくうちに、ネットワークリソースが消費されていき、仮想ノードのインタフェースが有するスイッチングケーパビリティが変化することが考えられる。このため第一〜第五実施例で示した仮想ノードのインタフェースが有するスイッチングケーパビリティの変化を定期的に他仮想ノードに広告することによって、広告負荷を下げつつ、パス設定時の経路選択が実際のネットワーク状態を正確に反映することが可能となる。
【0064】
(第八実施例)
図9に仮想ノードネットワークにおけるパス設定コストの概要を示した。仮想ノードネットワークにおけるパス設定コストは、リンクのコストと仮想ノードを経由するコストである。すなわち、
仮想ノードネットワークにおけるパス設定コスト=
リンクコストの総和+仮想ノード経由コストの総和
である。このとき、仮想ノードは取り扱うことのできるパスのレイヤをスイッチングケーパビリティで表す。すなわち、仮想ノードのインタフェースにはスイッチングケーパビリティ属性が付与されている。このとき、仮想ノードを経由するコストは、仮想ノードのインタフェースが有しているスイッチングケーパビリティ毎に付与される。これは、仮想ノードを経由する際に、IPレイヤのパスを通す場合と波長レイヤのパスを通す場合とで、コストが異なる場合があるためである。このレイヤ毎のコスト値の比較を行うことによってどのレイヤのパスを設定するのがよいかを決定することができる。
【0065】
(第九実施例)
図10に仮想ノードを経由するコストの付与方法について示した。仮想ノードの内部はネットワークで構成されており、セルの外部と接続しているリンクをインタフェースとする。このとき、仮想ノードに入力インタフェースと出力インタフェースとの間に設定することができるパスのレイヤはインタフェースによって異なる。入出力インタフェース対地間のマトリクスを構成すると図10の例のようになる。ここで、入出力インタフェースが異なれば、セル内部の経路も異なるため、かかるコストも異なってくる。よって、仮想ノードの入出力インタフェース対地間のマトリクスのスイッチングケーパビリティそれぞれにコストを割当てることとする。
【0066】
このとき、仮想ノードの入出力インタフェース対地間のマトリクスのスイッチングケーパビリティそれぞれに割当てるコストは、この入出力インタフェース間に設定可能な当該スイッチングケーパビリティレイヤパスの経路候補の中から、最小コストでパスを設定可能な経路をコスト選択部において選択する。このときの階層化ネットワークノードの機能ブロックを図11に示す。図11の機能ブロックは、図6の機能ブロックにさらにコスト選択部Cが追加された構成であり、スイッチングケーパビリティ割当部SCによるスイッチングケーパビリティの割当て、コスト計算部Cによるコストの計算および割当てに加え、コスト選択部Sによる最小コストでパスを設定可能な経路の選択が行われる。こうして採用されたパスの設定コストを、仮想ノードのインタフェースのコストとして割当てる。
【0067】
これによって、仮想ノードの経由コスト候補全てではなく、最小のものだけを外部に対して広告することになるため、広告量の削減につながる。
【0068】
(第十実施例)
図12に仮想ノードを経由するコストの付与方法について示した。仮想ノードの内部はネットワークで構成されており、セルの外部と接続しているリンクをインタフェースとする。このとき、仮想ノードの入力インタフェースと出力インタフェースとの間に設定することができるパスのレイヤはインタフェースによって異なる。入出力インタフェース対地間のマトリクスを構成すると図12の例のようになる。ここで、入出力インタフェースが異なれば、セル内部の経路も異なるため、かかるコストも異なってくる。よって、仮想ノードの入出力インタフェース対地間のマトリクスのスイッチングケーパビリティそれぞれにコストを割当てることとする。
【0069】
このとき、仮想ノードの入出力インタフェース対地間のマトリクスのスイッチングケーパビリティそれぞれに割当てるコストは、当該入出力インタフェースの組み合わせの間に設定することが可能な当該レイヤの最小ホップ数経路パスの設定コストであり、最小ホップ数経路が複数存在する場合は、候補中の最小コストである。
【0070】
このように第一段階で最小ホップ数でパス設定が可能な経路に限定した後、第二段階で限定した候補の中から一つを選択する方式を用いているが、第一段階の検討である最小ホップ経路の検索はネットワークトポロジの変化が起こらない限り変化がないため、一度検索するだけで後は省略可能である。
【0071】
この方法によって、より簡易に仮想ノードのインタフェースに割当てるコストを決定することが可能となる。
【0072】
(第十一実施例)
図13にノードのコスト付与方法について示した。経路のコストはリンクコストにノードコストを加算したものである。ノードを経由するコストは、このノードが有しているインタフェース数によって決定する。ノードを経由する任意のレイヤのコストは、このレイヤのスイッチングケーパビリティを有しているインタフェースのうち、未使用であるものの数の逆数とする。
【0073】
(第十二実施例)
図14にノードのコスト付与方法について示した。経路のコストはリンクコストにノードコストを加算したものである。ノードを経由するコストは、このノードが有しているインタフェース数によって決定する。ノードを経由する任意のレイヤのコストは、このレイヤのスイッチングケーパビリティを有しているインタフェースのうち、使用中であるものの数/総数とする。
【0074】
(第十三実施例)
図15に仮想ノードを経由するコストの付与方法について示した。仮想ノードを経由するコストを、仮想ノードが有するインタフェース毎に割当てるのではなく、まとめて一つの値として割当てる。この割当て方は、この仮想ノードに含まれているノードが有しているこのレイヤのスイッチングケーパビリティを有しているインタフェースのうち、未使用であるものの総数の逆数とする。
【0075】
(第十四実施例)
図16に仮想ノードを経由するコストの付与方法について示した。仮想ノードを経由するコストを、仮想ノードが有するインタフェース毎に割当てるのではなく、まとめて一つの値として割当てる。この割当て方は、この仮想ノードに含まれているノードが有しているこのレイヤのスイッチングケーパビリティを有しているインタフェースのうち、使用中であるものの総数/総数とする。
【0076】
(第十五実施例)
仮想ノードを経由するコストは、その内部に存在するスイッチングケーパビリティ毎のインタフェースの空塞状況によって変化するため、仮想ノードのインタフェースに相当するノードは定期的にコストの再計算を行う。
【0077】
(第十六実施例)
仮想ノードを経由するコストは、その内部に存在するスイッチングケーパビリティ毎のインタフェースの空塞状況によって変化するため、変化の通知を受けた仮想ノードのインタフェースに相当するノードは、即時コストとの再計算を行う。
【0078】
(第十七実施例)
図17に第十七実施例の経路選択のシーケンスを示す。まず、経路選択を行うネットワーク範囲を決定する。最下位レベルのセルのうち、発ノードが属しているセル中に着ノードが存在している場合は、このセルの中で経路選択を行う。もし、同一セル中に着ノードが存在しない場合は、一つ上のレベルのセルで発ノードを含むセルを選んで、このセルの中に着ノードが存在するかどうかを調査する。同一セル内に着ノードが存在する場合は、このセル内で経路選択を行うが、存在しない場合は、さらにもう一つ上位レベルのセルで同様の検討を行う。この一連の検討を、着ノードを発見するまで繰り返す。
【0079】
このようにして決定した経路選択を行うネットワーク範囲において、仮想ノードネットワークの経路選択を当該レベルの経路選択部にて行う。ここで、中継ノードに選ばれた仮想ノードでは、このセル内で同様に仮想ノードネットワークの経路選択を当該レベルの経路選択部にて行う。この経路選択を最下位レベルまで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を決定することが可能となる。このときの階層化ネットワークノードの機能ブロックを図18に示す。図18の機能ブロックは、図11に示した機能ブロックにL1経路選択部RS1、L2経路選択部RS2、L3経路選択部RS3を追加した構成である。
【0080】
このように、下位レベルから順に着ノードを発見するまで検討する範囲を広げていく方法を取ることで、近いノード間でパスを設定することが多いネットワークでは、早く着ノードを発見することが可能となる。
【0081】
(第十八実施例)
図19に第十八実施例のシーケンスを示す。
【0082】
まず、経路選択を行うネットワーク範囲を決定する。
【0083】
最上位レベルのセルのうち、発ノードと着ノードの両者を含むセルが存在するかどうかをチェックする。存在した場合には、このセル中のネットワークにおいて、同様に、発ノードと着ノードの両者を含むセルが存在するかどうかをチェックし、この一連のチェックを発ノードと着ノードが異なるセル中に含まれるようになるまで繰り返す。発ノードと着ノードが異なるセルに含まれていることを確認したら、これらのセルを含むネットワークを経路選択を行う範囲と決定する。
【0084】
このようにして決定した経路選択を行うネットワーク範囲において、仮想ノードネットワークの経路選択を当該レベルの経路選択部にて行う。ここで、中継ノードに選ばれた仮想ノードでは、このセル内で同様に仮想ノードネットワークの経路選択を当該レベルの経路選択部にて行う。この経路選択を最下位レベルまで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を決定することが可能となる。このときの階層化ネットワークノードの機能ブロックを図18に示す。
【0085】
このように、上位レベルから順に経路選択を行うネットワーク範囲を探していく方法をとることで、遠いノード間でパス設定することが多いネットワークでは、早く着ノードを発見することが可能となる。
【0086】
(第十九実施例)
図20に第十九実施例のネットワーク管理方式を示す。
【0087】
第十七実施例、第十八実施例のようにして経路選択を行う場合には、仮想ノードの入出力インタフェースのみが決定された状態で、その仮想ノード内のネットワークにおける経路選択を行う必要が出てくる。
【0088】
このときこの内部ネットワークの経路選択計算を、あらかじめ決定されている仮想ノードの入出力インタフェースに相当するノードもしくは仮想ノードで担当する方法が考えられる。
【0089】
(第二十実施例)
図21に第二十実施例のネットワーク管理方式を示す。第十七および第十八実施例のようにして経路選択を行う場合に、仮想ノードの入出力インタフェースのみが決定された状態で、その仮想ノード内のネットワークにおける経路選択を行う必要が出てくる。
【0090】
このときこの内部ネットワークの経路計算を、仮想ノード内部から選ばれたノードもしくは仮想ノードが担当することが考えられ得る。さらに、選択するノードもしくは仮想ノードを計算する毎に変更することが可能である。この手法をとることによって、経路選択計算処理がボーダノードのみに集中することを防止することが可能となる。
【0091】
(第二十一実施例)
図22に第二十一実施例のリンクバンドリングの方式を示す。ネットワークを複数のセルに分割し、これを仮想ノードと定義すると、仮想ノード間はセル内部のノード同士を接続しているリンク数と同数のリンクで接続されることになる。このネットワークの仮想化を階層構造で行っていくと、この仮想ノード間は多数のリンクで接続されることになる。このとき、仮想ノード間でリンクステートを広告することを考えると、リンク本数の増加は広告リンクステートの増加を引き起こすと考えられる。
【0092】
このため、仮想ノード対地間に複数本のリンクが存在する場合に、これら複数のリンクをバンドリングして、一本の仮想的なリンクとみなすことにより、リンクステートの増加を防止することが可能となる。このとき、この仮想リンクが結ぶインタフェースの広告方法としては、インタフェースに割当てられているコストが考えられる。
【0093】
(第二十二実施例)
図23に第二十二実施例のリンクバンドリングの方式を示す。ネットワークを複数のセルに分割し、これを仮想ノードと定義すると、仮想ノード間はセル内部のノード同士を接続しているリンク数と同数のリンクで接続されることになる。このネットワークの仮想化を階層構造で行っていくと、この仮想ノード間は多数のリンクで接続されることになる。このとき、仮想ノード間でリンクステートを広告することを考えると、リンク本数の増加は広告リンクステートの増加を引き起こすと考えられる。
【0094】
このため、仮想ノード対地間に複数本のリンクが存在する場合に、これら複数のリンクをバンドリングして、一本の仮想的なリンクとみなすことにより、リンクステートの増加を防止することが可能となる。このとき、同一スイッチングケーパビリティを有するリンク同士をバンドルする方法が考えられる。このとき広告するコストは、バンドルしたリンクのインタフェースが有するコストの中で最小のものを広告することが考えられる。この方法によって、リンク本数を減らすとともに、スイッチングケーパビリティ毎に、その経路を通るときの最小コストを広告することが可能となる。このためより精度の高いトラヒックエンジニアリングが可能となる。
【0095】
(第二十三実施例)
本実施例の階層化ネットワークノードおよびネットワークおよび階層化経路選択方法は、情報処理装置であるコンピュータ装置を用いて実現することができる。すなわち、第二十三実施例はプログラムであって、本実施例の特徴とするところは、コンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、本実施例の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するときに、発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最下位のレベル1の前記リンクステートデータベースを参照することによって、当該レベル1の仮想ノードの中で、発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、発ノードと着ノードが同一仮想ノード内に存在しない場合は、ひとつ上位のレベル2の前記リンクステートデータベースを参照することによって当該レベル2の発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、この判断を発ノードと着ノードとが同一仮想ノード中に含まれるまで繰り返すことで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベルN(Nは自然数)の仮想ノードを選択し、この選択されたレベルNの仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベルNの経路を選択する際に、当該選択されたレベルNの仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベルNの前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベルNの前記選択する手段により選択し、この選択されたレベルNの経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行させるところにある。
【0096】
あるいは、第二十三実施例はプログラムであって、本実施例の特徴とするところは、コンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、本実施例の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するとき、発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最上位レベルNの仮想ノードからなるネットワークで、当該レベルNの前記リンクステートデータベースを参照することで、発ノード、着ノードが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在する場合は、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを参照することによって、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)のネットワークで発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、この判断を発ノードと着ノードとが異なる仮想ノード中に含まれるまで繰り返し、そのひとつ上位レベル(N−k)(kは自然数)の仮想ノードを選択することで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベル(N−k)の仮想ノードを選択し、この仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベル(N−k)の経路を選択する際に、当該選択されたレベル(N−k)の仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベル(N−k)の前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベル(N−k)の前記選択する手段により選択し、この選択されたレベル(N−k)の経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−k−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−k−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−k−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行させるところにある。
【0097】
本実施例のプログラムは本実施例の記録媒体に記録されることにより、コンピュータ装置は、この記録媒体を用いて本実施例のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本実施例のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接コンピュータ装置に本実施例のプログラムをインストールすることもできる。
【0098】
これにより、コンピュータ装置を用いて、大規模ネットワークへの拡張を実現することができ、さらに、経路計算を必要とするレイヤの範囲を特定してから計算を行うことができるため、無効となる計算を無くすことができ、経路計算を効率良く行うことができる階層化ネットワークノードおよびネットワークおよび階層化経路選択方法を実現することができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大規模ネットワークへの拡張を実現することができ、さらに、経路計算を必要とするレイヤの範囲を特定してから計算を行うことができるため、無効となる計算を無くすことができ、経路計算を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチレイヤネットワークの概略図。
【図2】第一実施例のマルチレイヤネットワークをセル分割・仮想ノード化・階層化する様子を示す図。
【図3】第一実施例のネットワークを仮想ノード化した様子を示す図。
【図4】第一実施例のノードの概略図。
【図5】第二実施例のノードの機能ブロック図。
【図6】第三実施例のノードの機能ブロック図。
【図7】第四実施例の仮想ノードのインタフェースにスイッチングケーパビリティを割当てる方法を示す図。
【図8】第五実施例の仮想ノードのインタフェースにスイッチングケーパビリティを割当てる方法を示す図。
【図9】第八実施例の仮想ノードネットワークにおけるパス設定コストの概要を示す図。
【図10】第九実施例の仮想ノードを経由するコストの付与方法について示す図。
【図11】第九実施例の階層化ネットワークノードの機能ブロック図。
【図12】仮想ノードを経由するコストの付与方法について示す図。
【図13】第十一実施例のノードのコスト付与方法について示す図。
【図14】第十二実施例のノードのコスト付与方法について示す図。
【図15】第十三実施例の仮想ノードを経由するコストの付与方法について示す図。
【図16】第十四実施例の仮想ノードを経由するコストの付与方法について示す図。
【図17】第十七実施例の経路選択のシーケンスを示す図。
【図18】第十七実施例の階層化ネットワークノードの機能ブロック図。
【図19】第十八実施例の経路選択のシーケンスを示す図。
【図20】第十九実施例のネットワーク管理方式を示す図。
【図21】第二十実施例のネットワーク管理方式を示す図。
【図22】第二十一実施例のリンクバンドリングの方式を示す図。
【図23】第二十二実施例のリンクバンドリングの方式を示す図。
【符号の説明】
a1、a2、b、c1、c2 インタフェース
A〜E ノード
C コスト計算部
LSDB−L1、LSDB−L2、LSDB−L3 リンクステートデータベース
LS1、LS2 LS要約部
P 広告部
RS1 L1経路選択部
RS2 L2経路選択部
RS3 L3経路選択部
SC SC(スイッチングケーパビリティ)割当部
S コスト選択部

Claims (26)

  1. 数のレイヤからなるネットワークに設けられ、自ノードおよび自ノードに接続されているリンクの情報(以降、リンクステート情報と呼ぶ)を他ノードとの間で相互に交換する手段と、
    この交換する手段により得られた前記ネットワーク中の一部もしくは全部のノードのリンクステート情報を保持する手段と、
    パス設定要求にしたがってこの保持する手段に保持されたリンクステート情報に基づき複数種類のレイヤのパスの経路を選択する手段と、
    パス変更要求にしたがってこの選択する手段により選択されて設定された経路を前記保持する手段に保持されたリンクステート情報に基づき変更する手段と
    を備えたノードにおいて、
    自己が属するネットワークは、複数のノードで構成されるセルに分割され、このセルは仮想ノードと定義され、仮想ノードの内部と外部とを接続しているリンクが存在する場合に、この仮想ノードの内部と外部との接点は仮想ノードのインタフェースと定義され、仮想ノードで構成された仮想ネットワークはさらにセル分割、仮想ノード化され、当該さらにセル分割、仮想ノード化された仮想ネットワークは当初の仮想ネットワークに対する上位レベルのネットワークと定義され、上記セル分割、仮想ノード化の操作を1回もしくは複数回行うことにより階層化ネットワークが構築され、
    自己が属する仮想ノード内の他ノードもしくは他仮想ノードから広告されるリンクステート情報を蓄積するリンクステートデータベースを備え、
    仮想ノード内のノードもしくは仮想ノードのうち仮想ノード外部とのインタフェースの役割を果たしているノードをボーダノードと定義し、
    自己がこのボーダノードに位置するときには仮想ノード内部のリンクステート情報をもとに仮想ノード外部に対するインタフェース情報を生成する手段を備えたリンクステート要約部と、
    生成した当該インタフェース情報を仮想ノード外部に対して広告する広告部と
    を備えたことを特徴とする階層化ネットワークノード。
  2. 仮想ノード相互間を接続する複数のリンクの中で同一仮想ノード対地間を接続するリンク群を識別する手段と、
    この識別する手段により識別されたリンク群に含まれるリンクをひとつの仮想リンクとみなして処理する手段と
    を備えた請求項1記載の階層化ネットワークノード。
  3. 仮想ノード相互間を接続する複数のリンクの中で同一仮想ノード対地間を接続する第一のリンク群を識別する手段と、
    この識別する手段により識別された第一のリンク群をさらに同一のスイッチングケーパビリティを共有する第二のリンク群に分類する手段と、
    この分類する手段による分類された第二のリンク群に含まれるリンクをひとつの仮想リンクとみなして処理する手段と
    を備えた請求項1記載の階層化ネットワークノード。
  4. 前記リンクステート要約部は、自ノードが属する仮想ノード内のスイッチングケーパビリティを自ノードに接続されているリンクでかつ自ノードが属する仮想ノードと外部とを接続しているインタフェースに対応するリンクに割当てを行うスイッチングケーパビリティ割当手段を備え、
    前記インタフェース情報は、前記スイッチングケーパビリティ割当手段により前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報である
    請求項1記載の階層化ネットワークノード。
  5. 前記リンクステート要約部は、
    自ノードが属する仮想ノード内のスイッチングケーパビリティを自ノードに接続されているリンクでかつ自ノードが属する仮想ノードと外部とを接続しているインタフェースに対応するリンクに割当てを行うスイッチングケーパビリティ割当手段と、
    このスイッチングケーパビリティ割当手段により割当てられたスイッチングケーパビリティ毎に伝送コストを割当てるコスト割当手段と
    を備え、
    前記インタフェース情報は、前記スイッチングケーパビリティ割当手段により前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報および前記コスト割当手段により前記インタフェースのスイッチングケーパビリティに対して割当てられた伝送コストの情報である
    請求項1記載の階層化ネットワークノード。
  6. 前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報は、ボーダノードもしくは仮想ボーダノードとしての自ノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードもしくは他仮想ボーダノードとの間に設定することができるパスのレイヤにそれぞれ対応して生成される請求項4または5記載の階層化ネットワークノード。
  7. 前記インタフェースに割当てられたスイッチングケーパビリティの情報は、前記インタフェースとなっているリンクが直接接続されているボーダノードもしくは仮想ボーダノードのスイッチングケーパビリティに関する情報である請求項4または5記載の階層化ネットワークノード。
  8. 前記広告部は、前記ボーダノードにおけるスイッチングケーパビリティに変化が生じる毎に仮想ノード外部に広告を行う手段を備えた請求項1記載の階層化ネットワークノード。
  9. 前記広告部は、一定周期で仮想ノード外部に広告を行う手段を備えた請求項1記載の階層化ネットワークノード。
  10. 前記伝送コストの情報は、仮想ノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている未使用インタフェース総数の逆数により生成される請求項5記載の階層化ネットワークノード。
  11. 前記伝送コストの情報は、仮想ノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている使用インタフェース数および総インタフェース数に関して
    使用インタフェース数/総インタフェース数
    により生成される請求項5記載の階層化ネットワークノード。
  12. 前記伝送コストの情報は、仮想ノード内のボーダノードと当該ボーダノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードとの間に、任意のレイヤのパスを設定する際のコストとして、設定されるパスのレイヤ毎に決定される情報である請求項5記載の階層化ネットワークノード。
  13. 前記コストは、仮想ノード内のボーダノードと当該ボーダノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードとの間にパスを設定する際の経路に沿って、リンクのリンクコストと、ノードもしくは仮想ノードのノードコストとを足し合わせることで得られる値が最も小さくなる経路のコスト値を算出する手段を備えた
    請求項12記載の階層化ネットワークノード。
  14. 前記コストは、仮想ノード内のボーダノードと当該ボーダノードと同一仮想ノード内に属する他ボーダノードとの間に設定する最小ホップ数の経路に沿って、リンクのリンクコストと、ノードもしくは仮想ノードのノードコストとを足し合わせることで得られる値であり、
    前記最小ホップ数の経路が複数ある場合には、複数の当該足し合わせることで得られる値の集合であるコスト値候補の中からその値が最も小さくなるものをコスト値として選択する手段を備えた
    請求項12記載の階層化ネットワークノード。
  15. 前記足し合わせることで得られる値は、前記経路に沿ってノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている未使用インタフェース数の逆数である請求項13または14記載の階層化ネットワークノード。
  16. 前記足し合わせることで得られる値は、前記経路に沿ってノード内に含まれる当該レイヤのスイッチングケーパビリティが割当てられている使用インタフェース数および総インタフェース数に関して
    使用インタフェース数/総インタフェース数
    で与えられる請求項13または14記載の階層化ネットワークノード。
  17. 仮想ノードのインタフェースに相当するノードは、あらかじめ決められた時間間隔で前記伝送コストの情報または前記コストを前記リンクステート情報に基づき計算する手段を備えた請求項5、12ないし16のいずれかに記載の階層化ネットワークノード。
  18. 仮想ノードのインタフェースに相当するノードは、仮想ノード内部のインタフェースの使用状況の変化をリンクステート情報の広告によって通知され、インタフェースの使用状況が変化するたびに前記伝送コストの情報または前記コストを前記リンクステート情報に基づき計算する手段を備えた請求項5、12ないし16のいずれかに記載の階層化ネットワークノード。
  19. 請求項1ないし18のいずれかに記載の階層化ネットワークノードを備えたことを特徴とするネットワーク。
  20. 請求項1記載の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するときに、
    発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最下位のレベル1の前記リンクステートデータベースを参照することによって、当該レベル1の仮想ノードの中で、発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、
    発ノードと着ノードが同一仮想ノード内に存在しない場合は、ひとつ上位のレベル2の前記リンクステートデータベースを参照することによって当該レベル2の発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、
    この判断を発ノードと着ノードとが同一仮想ノード中に含まれるまで繰り返すことで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベルN(Nは自然数)の仮想ノードを選択し、
    この選択されたレベルNの仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベルNの経路を選択する際に、当該選択されたレベルNの仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベルNの前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベルNの前記選択する手段により選択し、
    この選択されたレベルNの経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行することを特徴とする階層化経路選択方法。
  21. 請求項1記載の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するとき、
    発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最上位レベルNの仮想ノードからなるネットワークで、当該レベルNの前記リンクステートデータベースを参照することで、発ノード、着ノードが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、
    発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在する場合は、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを参照することによって、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)のネットワークで発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、
    この判断を発ノードと着ノードとが異なる仮想ノード中に含まれるまで繰り返し、そのひとつ上位レベル(N−k)(kは自然数)の仮想ノードを選択することで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベル(N−k)の仮想ノードを選択し、
    この仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベル(N−k)の経路を選択する際に、当該選択されたレベル(N−k)の仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベル(N−k)の前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベル(N−k)の前記選択する手段により選択し、
    この選択されたレベル(N−k)の経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−k−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−k−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−k−1)の前記選択する手段により選択し、
    これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行することを特徴とする階層化経路選択方法。
  22. 前記発ノードと着ノードとの両者を含むレベルよりも下位のレベルの仮想ノードでは、自ノード内の経路を選択する計算を、その仮想ノード中に含まれるボーダノードのうち、当該経路の入出力インタフェースとして割当てられているボーダノードが行う請求項20または21記載の階層化経路選択方法。
  23. 前記発ノードと着ノードとの両者を含むレベルよりも下位のレベルの仮想ノードでは、自ノード内の経路を選択する計算を、その仮想ノード中に含まれるボーダノードのうち、あらかじめ代表ノードとして定められているボーダノードが行う請求項20または21記載の階層化経路選択方法。
  24. 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1記載の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するときに、
    発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最下位のレベル1の前記リンクステートデータベースを参照することによって、当該レベル1の仮想ノードの中で、発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、
    発ノードと着ノードが同一仮想ノード内に存在しない場合は、ひとつ上位のレベル2の前記リンクステートデータベースを参照することによって当該レベル2の発ノードを含む仮想ノード中に着ノードが存在するかを判断し、
    この判断を発ノードと着ノードとが同一仮想ノード中に含まれるまで繰り返すことで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベルN(Nは自然数)の仮想ノードを選択し、
    この選択されたレベルNの仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベルNの経路を選択する際に、当該選択されたレベルNの仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベルNの前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベルNの前記選択する手段により選択し、
    この選択されたレベルNの経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−1)の前記選択する手段により選択し、これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行させることを特徴とするプログラム。
  25. 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、請求項1記載の階層化ネットワークノードで構成されるネットワークで任意のレイヤのパスを設定するとき、
    発ノードから着ノードまでの経路を選択する際に、最上位レベルNの仮想ノードからなるネットワークで、当該レベルNの前記リンクステートデータベースを参照することで、発ノード、着ノードが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、
    発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在する場合は、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)の前記リンクステートデータベースを参照することによって、この仮想ノード内のひとつ下位のレベル(N−1)のネットワークで発ノードと着ノードとが同一仮想ノード内に存在するか否かを判断し、
    この判断を発ノードと着ノードとが異なる仮想ノード中に含まれるまで繰り返し、そのひとつ上位レベル(N−k)(kは自然数)の仮想ノードを選択することで、発ノードと着ノードとの両者を含むレベル(N−k)の仮想ノードを選択し、
    この仮想ノード中で発ノードから着ノードまでのレベル(N−k)の経路を選択する際に、当該選択されたレベル(N−k)の仮想ノード内に含まれる仮想ノード群の経路選択を当該レベル(N−k)の前記リンクステートデータベースを基にして、当該レベル(N−k)の前記選択する手段により選択し、
    この選択されたレベル(N−k)の経路に含まれる仮想ノード中で、さらに発ノードから着ノードまでのひとつ下位のレベル(N−k−1)の経路を選択する際に、当該選択された仮想ノードにおけるひとつ下位のレベル(N−k−1)の前記リンクステートデータベースを基に当該レベル(N−k−1)の前記選択する手段により選択し、
    これを最下位のレベル1まで繰り返すことによって発ノードから着ノードまでの経路を選択する手順を実行させることを特徴とするプログラム。
  26. 請求項24または25記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体。
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