JP3762189B2 - パターン列抽出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナンバープレートなど、予め文字(パターン)配置情報が既知であるパターン列を抽出および認識する方法に係り、特に、文字などが部分的に遮蔽していたりスミアにより文字が劣化していても高精度に文字列情報を抽出するパターン列抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナンバープレート認識では、予め文字位置を切り出して、切り出された文字を認識する方法が利用されている。
【0003】
その方法の第一は、画像を2値化し、背景から分離できたパターンを一連番号であるか認識し、認識できた文字列の配置情報がナンバープレートとして矛盾がないかを判断する(参考:特許番号第2647911, 2775807号)。ナンバープレートとして判断されれば、その結果が認識結果である。背景から分離できない文字が発生した場合には、補完が行われる。例えば、3文字が並んで認識された場合、その文字配置情報から残る4文字目を推定する。推定した位置に、認識可能な文字があれば、この文字と残る3文字を並べたものが認識結果となる。2文字が分離されて認識できた場合、残る2文字を推定する方法も存在する(参考:電子情報通信学会論文誌 D-II, Vol.J81 No.10, 1998, pp.2280-2287)。
【0004】
しかし、全文字が接触した場合や、1文字しか認識できなかった場合については、現在の技術で認識できない。このような例は、例えばプレートに飾りや保護のために取りつけられた枠がある場合、プレート前に取りつけられたパイプなどが文字を遮蔽する場合、影があったりコントラストが低いなど撮影条件が悪いために2値化処理に失敗した場合などで発生する。
【0005】
その方法の第二は、予め何らかの方法でプレート位置を推定し、その位置で認識を行う方法である。この場合の問題は、プレート位置の抽出に失敗する場合であり、必然的に認識失敗が発生する。黒い色のタクシーなどでは、特にこの問題が発生し、回避不可能である(参考:特開平7-114689号)。
【0006】
その方法の第三は、文字が存在する可能性が高い領域をエッジ検出を使うなどして決定し、この領域を認識対象とするものである。この場合も、コントラストが悪い場合などエッジが十分得られないと問題が発生する(参考:特許番号第2982287 号)。
【0007】
以上のように、ナンバープレート特有の情報、例えば、水平に並んだ文字、与えられた規則に従う文字、プレートの形は長方形、文字は背景から分離可能、といった情報を用いることで、ナンバープレート認識を実現してきた。しかしたとえ規則が定まっていても、文字が水平に並ばない場合では文字列の推定が困難であるし、文字の可能性がある領域が画像全体に広がっている場合にはプレートの特定が困難であるなどの問題がある。
【0008】
ずらしマッチング法は、古くから知られる手法である。これは入力画像のすべての点を基準として、その各点に対応する領域と辞書とのマッチングを行い、その結果を基準の点に入力する方法である。ずらしマッチングの結果は、パターンと辞書とが一致または類似した場合にはその基準の点でピークがたつ。例えば、マッチドフィルタ(光学情報処理:朝倉書店、昭和49年)と呼ばれる処理は、相関法のずらしマッチングの結果に相当し、文章の中から特定の1字をピーク検出により抽出できることが知られている。しかし、この結果は画像の中のピーク検出に留まる。このためずらしマッチングはある特定のパターン(この例では1文字)の場合を決定する場合に利用されている。複数の辞書とずらしマッチングを利用してパターン列を抽出する方法は知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ナンバープレートなど、パターンの配置が既知である場合に、パターン列の撮影条件が悪くコントラストが低い場合、部分的に遮蔽された場合、影などが発生した場合など、これまで認識が困難であった条件が悪い場合においても、認識を実現することが望まれる。
【0010】
認識されるパターン独自の特徴(例えば文字の場合は2値化して背景と分離できること)を利用することなく、文字同士が接触するような場合にも応用が可能な認識を実現することが望まれる。
【0011】
パターン列の配置情報と辞書の情報とを処理フローから切り離すことにより、配置変更にも容易に対応できるようにすることが望まれる。
【0012】
本発明は、パターン列の配置自体と辞書のパターン自体とを処理フローから切り離すようにして、配置の変更などにも容易に対応できるようにすることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
ナンバープレートなどパターンの配置が既知である場合に、
請求項9のようにずらしマッチングにマッチングの課題(パターン列の撮影条件が悪くコントラストが低い場合、部分的に遮蔽された場合、影などが発生した場合など)をクリアできうる高性能な手法(特開平11−328311号参照)を利用することにより、これまで認識が困難であった条件が悪い場合においても、認識を実現することができる。すなわち、これまでのナンバープレート認識で残っていた問題のほぼすべての問題を解決できる。
【0014】
パターン列配置が予め既知のパターン列を直接認識できるようになる。これは、例えばナンバープレートではそのプレートを抽出するため、プレートや文字のエッジの抽出や色を用いた制限など様々な前処理が行われているが、前処理での失敗が認識エラーとなるというリスクをなくすことにつながる。
【0015】
パターン列の配置情報と辞書を変更することにより、例えばナンバープレート認識でも他国の異なる配置に容易に対処できる。パターン列の配列に関する制約も利用しないため、例えば上下に1文字づつずれた文字列、カーブを描く文字などでも問題なく抽出できる。
【0016】
パターン独自の特徴(例えば文字の場合は2値化して背景と分離できること)を利用することなく、より広い応用が可能な認識が実現できる。例えば、文字同士が接触するような場合、対象が文字でない場合などにも利用できる。
【0017】
請求項9以外ではマッチング法は規定していないので、高速な処理が必要な場合にはマッチング手法を簡易化する、高度な認識が必要であればそれに見合った手法を、容易に実装できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、日本における自動車のナンバープレートについての認識を例に挙げて説明する。
【0019】
図1ないし図7を用いて、本発明の前提とされたパターン列抽出方法の処理の流れを説明する。図1は処理フローを示し、図2ないし図7は夫々説明図である。
【0020】
なお、この時のパターンはナンバープレートの一連番号(大きな4桁の数字)とし、パターン列配置情報はこの文字列の位置関係であるとする。これは、請求項7,8の説明でもある。
【0021】
また、ずらしマッチングに利用するマッチング法は、2枚の画像を比較してその類似度を出力できる手法とする。この時の類似度が高いほど大きな値が出るとする。正規化相関、対数微分相関法などはそのまま利用できる。単純な差分法などでは、一般にゼロに近い小さい値ほど類似すると結論できるが、これは例えば1を加えて逆数をとるなどして、大きな値が出るほど類似度が高くなるように変換した上で利用するとする。
【0022】
図1において、原画像1-1 は処理対象の画像である。図4に示す画像4-1 は、その実際の例に対応する原画像である。
【0023】
パターン列配置情報1-2 は、認識しようとするパターン列の配置情報が記述されている。図3は、ナンバープレート認識の場合の一連番号の配置情報の基準値であるパターン列配置基準情報3-1 を可視化した図である。
【0024】
なお本明細書において「辞書」とあるのはパターン認識のために用いられる基準パターン(一般には複数個)を意味している。これらの基準パターンは辞書としてまとめられて記憶手段に格納されている。
【0025】
ここで、辞書の形は抽出するパターンの形状に応じて変更できるが、本例では辞書の形は長方形とした。図3に示す長方形3-2 は、ナンバープレートの一連番号の各文字の配置規格に比例した大きさと配置に置かれている。この長方形の大きさが、辞書の大きさとなる。辞書の大きさは固定されているので、この長方形の位置を画像内で示すには、例えば左上の1点を指定すれば良い。この位置が代表点3-3 、長方形3-2 はこの場合のパターンが配置されるべき位置を示す。
【0026】
パターン列配置情報には、以下の情報が含まれている必要がある。この例では、パターン配置は左から右へと記述されている。
【0027】
辞書の大きさ
パターン列のパターン数
二番目のパターンが存在可能な位置情報
三番目のパターンが存在可能な位置情報
…
(パターン列数まで存在する)
例えば、ナンバープレートでは、以下のように設定することができる。
【0028】
辞書の大きさ 40×80
パターン列のパターン数 4
二番目のパターンが存在可能な位置情報 15×0, 11×11
三番目のパターンが存在可能な位置情報 45×0, 11×11
四番目のパターンが存在可能な位置情報 15×0, 11×11
これは例であり、存在可能な位置情報は、必要な値をどう記述するか、どれだけマージンをとるか、分解能をどのように設定するかなどの様々な条件により設定しなおすことができる。この例では、辞書の大きさは40×80単位の長方形、文字列数は4、二番目の文字が存在可能な位置は一番目の文字の右から計算して15×0 単位移動した位置であり、その位置のずれの許容量は11×11(横方向に「11」で縦方向に「11」)単位、三番目の文字が存在可能な位置は二番目の文字の右から計算して45×0 単位、ずれの許容量は11×11単位、四番目の文字が存在可能な位置は三番目の文字の右から計算して15×0 単位、ずれの許容量は11×11単位として記述されている。
【0029】
勿論、右から記述する場合、文字の中央を次の文字の基準とするなど、予め定めた自由な表現で位置を決定できていれば良い。図3は、ずれの許容量を考慮せず、標準の位置を示したといえる。なお、ここでの単位はナンバープレートの実寸をミリ単位に示している。1画素が1ミリの幅に対応する場合は、このままこれらの単位を画素に置きかえる。しかし、1画素が2ミリ幅に対応する場合には、すべてを 1/2倍して画素の単位とする。従って実際の情報は比例関係が成り立つように、かつ実際の処理の時に何画素となるかが規定できれば良い。
【0030】
辞書1-3 は、認識しようとするパターン列のパターンそのものを集めたものである。図2に示す2-1 は、一連番号に対応する辞書の例を示したものであり、この例の場合も長方形として示した。図2に示す場合には11種類のパターンが辞書として示されている。
【0031】
パターン列検索領域1-4 は、パターン列検索領域抽出処理1-8 により指定されるパターン列が存在している可能性のある領域(パターン列検索領域)を規定する処理である。基本的には、画像全部を対象とする。但し処理量の減少のために、これを限定することは可能である。例えばナンバープレートのように抽出しようするパターンに特徴がある場合には、ある程度のコントラストがある領域に限定しても良い。抽出しようとするパターンに別の特徴があればこれを利用できる。なおこれは、請求項4にあたる。パターン列検索領域にパターン列が含まれていることだけが、必要条件である。
【0032】
ずらしマッチング画像1-5 は、辞書1-3 の各々を用いて原画像1-1 に対するずらしマッチングを行った結果のものであり、辞書数分(基準パターン数分)の画像となる。このための処理が、ずらしマッチング処理1-9 である。一般に、ずらしマッチングは1画素毎にずらした領域を用いてマッチングを行うものであり、このずらし量毎に辞書とのマッチング結果との類似度が得られる。辞書と類似するパターンが存在している場合、その辞書に対応するずらしマッチング結果は、明らかなピークがたつ。ただしこのピーク値は実際にはパターンの類似度に依存する。なお、ここでのずらしマッチング量は1画素ごとである必要はなく、細かく見ていくという意味を持つのみである。すなわち、ずらしマッチングの1回あたりのずらし量は、1画素でも良いし、0.5 画素といったサブピクセルでも、逆に1画素おきでも構わない。
【0033】
極大値画像1-6 は、すべてのずらしマッチング画像1-5 の各点で最大値を計算して1枚の画像を作成後、極大値のみを残した画像である。このための処理が、極大値抽出処理1-10である。図5に示す極大値画像5-1 は、その例である。この中の孤立した点が極大点5-2 である。この例では、一連番号の文字以外に、ノイズやその他の影響により抽出される極大値も存在する。この画像からは、ずらしマッチング処理1-9 を参照することにより、直接パターン認識結果が得られる。例えばこの例では、マッチング法が正しい結果を出している場合、4つ並んだ極大値は、それぞれ「1」「2」「3」「4」が対応している。
【0034】
以上の処理を式で示すと以下のとおりとなる。原画像を示す関数をg、各点(x,y)の画素値をg(x,y)で示す。辞書はdi (u,v),i=1,2,…nで示す、原画像より小さな画像で現わす。
【0035】
u,vは辞書を表すパターンの座標であり、di (u,v)は当該パターンの画素値を表している。
ずらしマッチング画像は
【0036】
【数1】
【0037】
で示す。ずらしマッチングの計算は、各辞書に対し、gi (x,y)=R(g(x+・,y+・),di )、i=1,2,…nで与えられる。ここでRはずらしマッチングに利用するマッチング法である。また、g(x+・,y+・)は、原画像の原点を(x,y)までずらし、この位置からマッチングを行うということを示したものである。例えば、マッチング法が相関法であるなら、ずらしマッチングの結果は
【0038】
【数2】
【0039】
で表現できる。
極大値抽出処理では、
【0040】
【数3】
【0041】
を計算し、その極大値を残す。例えば、0≦m(x,y)≦1であれば、
【0042】
【数4】
【0043】
を使うことができる。ここで類似度が小さい極大値を除く処理を行っても良い。ある点(x,y)で極大値が得られた場合、その値を得た辞書を特定する。iの値が答えを示し、gi (x,y)はその類似度を示すことになる。
【0044】
なおこの方法は、計算が非常に簡単で足りる。しかし一方でパターンの少しの違いにより異なった認識結果が得られることになり、辞書に類似するパターンが入っている場合には正確な候補を得られない場合が発生する。この解決方法は請求項3に関連して後述する。
【0045】
パターン列1-7 は、パターン列生成処理1-11により得られる結果である。極大値画像5-1 と、パターン列配置情報3-1 とを照合し、パターン配列として合致する場所を探す。この方法をさらに詳しく説明する。
【0046】
図5に示す5-1 は極大値抽出結果に対応する極大値画像である。この結果は極大値を求めたため、必ず孤立した点となる。各極大点5-2 について、パターン列配置情報を利用して二番目のパターンが存在可能な位置に、抽出された孤立点が正しく存在するか否かを調べる。存在しない場合には、この極大点は一番目のパターンではないと判断する。存在する場合には、第三、第四番目へと処理を繰り返す。存在可能な位置に孤立点が複数存在する場合には、そこで複数の認識結果を得たとして、それぞれ独立に処理を進めれば良い。最後のパターンまで順に存在した場合をパターン配置として合致したと結論する。この時の各極大点での認識結果(各辞書のずらしマッチング結果)を並べることにより、認識が完了する。
【0047】
予め閾値処理を行って、極大値であっても類似度が低い場合は処理しないようにすれば、極大値の数が減り、処理のスピードは向上する。
【0048】
図6に示すパターン列6-1 はその結果を示したものであり、パターン認識結果と連動させて表示したものが、図7に示すパターン列認識結果7-1 である。
【0049】
次に、図8ないし図12を用いて、請求項1および2のパターン列抽出方法を説明する。
図8は、請求項1のフローを説明する図であり、図9ないし図12は説明図である。
【0050】
図8において、原画像8-1 、主パターン列配置情報8-2 、主辞書8-4 、主パターン列検索領域8-6 、主ずらしマッチング画像8-7 、主極大値画像8-8 、主パターン列8-9 、主パターン列検索領域抽出処理8-14、主ずらしマッチング処理8-15、主極大値抽出処理8-16、主パターン列生成処理8-17は、図1にそのまま対応する。本例は、先に主となるパターン列が得られた後、いかにして従となるパターン列を得るかということを示すものである。
【0051】
図1の場合と同じように、従パターン列配置情報8-3 、従辞書8-5 を予め与える。ここでは、図1に準じて主パターン列8-9 がすでに得られているとする。
【0052】
従パターン列配置情報には、主パターン列配置情報からの相対的な位置と、利用する従辞書の大きさが記述される。例えば、平仮名の場合、
辞書の大きさ 40×40
従パターン列のパターン数 1
従パターンの一番目を定める基準 1
従パターンの一番目が存在可能な位置情報 -55×40, 11×11
で現すことができる。なお、従パターンの一番目を定める基準位置は、この場合主パターン列配置情報の一番目のパターンの位置を示し、この点から左へ55、下へ40単位下がった所が従パターンの1番目が存在可能な位置の基準、その時のずれ量の許容範囲が11×11単位となっていることを示す。従パターン列検索領域8-10は、主パターン列8-9 と従パターン列配置情報8-3 とから、従パターン列が存在する可能性がある領域が限定されたものである。この領域は、以上のように従パターン配列情報から得られる。このための処理が、従パターン列検索領域抽出処理8-18である。勿論、他の従パターン列の一番目を定める基準は主パターン列の1番目以外の場所に設定しても構わない。パターン列全体の重心を基準にすることも可能である。なお、従パターン列のパターン数が1よりも大きい場合、2番目のパターンが存在可能な位置情報は1番目のパターンからの相対関係で示される。
【0053】
その後の処理は、再び図1に類似する方法となる。すなわち、従ずらしマッチング画像8-11は、従パターン列検索領域8-10の領域を、従辞書8-5 を用いてずらしマッチングを行った結果である。この処理が従ずらしマッチング処理8-19である。従極大値抽出処理8-20では、従極大値画像8-12が得られる。最後に、従パターン列生成処理8-21によって従パターン列8-13が得られる。
【0054】
なお、分類番号の認識の場合には、桁数が2または3が存在するので、
従パターン列のパターン数
は「2」または「3」となり、辞書のサイズも変化する。そして、この2種類の従パターン配置情報は、どちらか一方を選ぶことになる。すなわち、日本のナンバープレート認識では、主パターン配置情報に対し必ず答えを返す平仮名および陸運支局名の従パターン配置情報と、分類番号2または3のどちらかを選んで出力する従パターン列配置情報とが存在することになる。
【0055】
図9ないし図12は、主パターン列8-9 (図7に示す7-1 )が得られた後の処理を画像例を用いて示したものである。
【0056】
主パターン列配置基準情報9-1 には、ナンバープレートの場合の一連番号が入る。
従パターン列配置基準情報1(9-2) には平仮名が入る。
従パターン列配置基準情報2(9-3) には地名が入る。
従パターン列配置基準情報3(9-4) は分類番号の位置関係を示している(この場合は、従パターン列が3種類あるため、実際は請求項2にあたる)。
【0057】
主パターン配置10-1は、主パターン列8-9 で抽出された場所を示す。
従パターン列検索領域10-2は、従パターン列を探すずらしマッチングを行う領域であり、従パターン配置情報から得る。
【0058】
図11は、従パターンのための辞書の例を示す。11-1はパターンを示す。
図1ないし図7で説明したと同じようにずらしマッチング、極大値抽出、パターン列を生成すると、従パターン列が得られる。
【0059】
図12は、従パターン列を3種類としてパターン列を抽出したパターン列抽出結果例である。
主パターン列抽出結果例12-1を抽出後、従パターン列抽出結果例(平仮名)12-2、従パターン列抽出結果例(陸運事務所名)12-3、従パターン列抽出結果例(分類番号)12-4は、請求項1および2に従って抽出される。
【0060】
請求項3は、極大値抽出処理1-10,8-16,8-20の方法を一部変更したもので、ずらしマッチングの結果の極大値を各辞書毎に蓄積する方法をとる場合の実施例である。すでに示したように、原画像を示す関数をg、各点(x,y)の画素値をg(x,y)、辞書はdi,i=1,2,…n、ずらしマッチング画像をgi (x,y),i=1,2,…nで示す。本請求項での極大値抽出処理結果は、
【0061】
【数5】
【0062】
で示す。ここで類似度が小さい極大値を除く処理を行っても良い。この場合、ある1つの点(x,y)につき複数の極大値(対応する辞書が異なっている)が対応する可能性が発生する。例えば、パターン列を抽出するうち1点に2つの極大点が存在するとみなされると、2種類の異なる認識結果を持つパターン列が抽出されることになる。最大、辞書数のパターン数乗のパターン列が抽出されることとなる。
【0063】
処理的には複雑であるが、マッチングの第2候補や、1ドットずれてピークが現われた結果などを除去することがないため、より正確でより複雑な処理に対処できる。直接的には、ほぼ重なり合った複数のパターン列とその認識結果を候補として出力できる。
【0064】
次に、請求項5で記載された各パターン列の条件にあわせて解像度を変更する処理を説明する。
【0065】
本発明でこれまでに言及したすべての処理が、辞書とパターン配列とにより定まり、各パターン列毎に逐次処理が行われる。そこで、各パターン列毎に予め定めた異なる解像度を利用する。勿論部分的には同じ解像度でも構わない。例えばナンバープレート認識では、大きな一連番号と小さな分類番号の文字とを同じ解像度で行う必然性はなく、当然一連番号は縮小して処理することが可能である。一例として、一連番号では解像度を 1/3に、平仮名と陸運支局名では 1/2に、分類番号は縮小なし、と予め定めることもできる。このように、予めパターン列毎に適切にこの値を設定しておく。
変形の問題の解決方法は、請求項6に記載されている。
【0066】
上述で説明した処理では、入力画像の中のパターンの大きさなど規定されたものとして説明した。次に請求項6に対応する、大きさや形が変化した場合のパターン列抽出方法を説明する。この課題は、パターン列抽出の対象となる可能性があるすべての変形を考慮したマッチングを実現することで解決できる。すなわち、ある変形(大きさ変化を含む)を羅列し、すべての処理をこの変形毎に行う。または、主パターン列の抽出を各変形で行い、良い結果が得られた場合のみ従パターン列の抽出に進む方法が考えられる。一般に、変形の可能性はある一定の条件に限られていることから、このような変形の羅列は可能である。さらに、請求項5のように解像度を変更し、特に解像度を下げて行うことが可能である。異なる変形を指定した時、異なる答えが得られる可能性があるが、これらは全部を提示する、類似度の平均が最大となるものを選ぶ、などの絞込みができる。
【0067】
最後に、請求項9で記載した対数微分相関法の説明を行う。
対数微分相関法(LDM)は、良く知られる正規化相関と同じようにマッチングの対象を選ばない類似度の決定方法である。正規化相関と同じく、「−1」から「1」の値が得られる。LDMの大きな特徴は、マッチング対象を選ばないこと、影やシェーディングの影響が古くから知られるマッチング法と比較して極端に小さいこと、コントラスト変化の影響が少ないことがある。また、部分的な遮蔽が発生してもある程度の類似度を確保できる。この結果、本発明の極大値の抽出性能には信頼性が生まれ、正確なパターン列抽出およびナンバープレート認識が実現できる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、
ナンバープレート認識では、パターン列の撮影条件が悪くコントラストが低い場合、部分的に遮蔽された場合、影などが発生した場合など、ナンバープレート認識で残っていた従来の問題をほぼクリアできる。
【0069】
パターンを直接的にサーチする手法であるため、プレートを抽出したり、文字を背景と分類したりする場合に比べて、前処理での失敗が認識エラーとなるというリスクがなくなる。
【0070】
パターン列の配置情報と辞書とを変更することにより、例えばナンバープレート認識でも他国の異なる配置に容易に対処できるようになる。
【0071】
パターン独自の特徴(例えば文字の場合は2値化して背景と分類できること)を利用することなく、より広い応用が可能な認識が実現できる。例えば、文字同士が接触するような場合、対象が文字でない場合などにも利用できる。
【0072】
高速な処理が必要な場合にはマッチング手法を簡易化する、低解像度で処理を行う、一方高度な認識が必要であればそれに見合った手法を、容易に実装できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提とされたパターン列抽出方法に対応する処理の流れを示す。
【図2】 説明図である。
【図3】 説明図である。
【図4】 説明図である。
【図5】 説明図である。
【図6】 説明図である。
【図7】 説明図である。
【図8】 請求項1および請求項2に対応する処理の流れを示す。
【図9】 説明図である。
【図10】 説明図である。
【図11】 説明図である。
【図12】 説明図である。
【符号の説明】
1-1 原画像
1-2 パターン列配置情報
1-3 辞書
1-4 パターン列検索領域
1-5 ずらしマッチング画像
1-6 極大値画像
1-7 パターン列
1-8 パターン列検索領域抽出処理
1-9 ずらしマッチング処理
1-10 極大値抽出処理
1-11 パターン列生成処理
8-1 原画像
8-2 主パターン列配置情報
8-3 従パターン列配置情報
8-4 主辞書
8-5 従辞書
8-6 主パターン列検索領域
8-7 主ずらしマッチング画像
8-8 主極大値画像
8-9 主パターン列
8-10 従パターン列検索領域
8-11 従ずらしマッチング画像
8-12 従極大値画像
8-13 従パターン列
8-14 主パターン列検索領域抽出処理
8-15 主ずらしマンチング処理
8-16 主極大値抽出処理
8-17 主パターン列生成処理
8-18 従パターン列検索領域抽出処理
8-19 従ずらしマッチング処理
8-20 従極大値抽出処理
8-21 従パターン列生成処理
Claims (9)
- 与えられた画像を蓄積する原画像蓄積手段と、
パターン列の主配置情報を蓄積する主パターン列配置情報蓄積手段と、
上記主パターン列配置から相対的に定まる従パターン列配置情報蓄積手段と、
主パターン列認識に利用する複数のパターンを有する主辞書を保持する主辞書蓄積手段と、
従パターン列認識に利用する複数のパターンを有する従辞書を保持する従辞書蓄積手段、
とを用いて、与えられた画像の中からパターン列を抽出する方法であって、
上記主蓄積辞書を用いて規定された領域内をずらしながらマッチングする主ずらしマッチング処理と、
上記主ずらしマッチングの全主辞書を用いた結果の局所最大値を抽出する主極大値抽出処理と、
上記主極大値の座標位置と上記主パターン列配置情報とを照合して主パターン列を抽出する主パターン列生成処理と、
上記主パターン列抽出結果と従パターン列配置情報とから従パターン列が存在する可能性がある領域を限定する従パターン列存在候補領域決定処理と、
上記で決定された従パターン列存在候補領域を従辞書を用いてずらしマッチングを行う従ずらしマッチング処理と、
上記従ずらしマッチングの全従辞書を用いた結果の局所最大値を抽出する従極大値抽出処理と、
上記従極大値の座標位置と上記従パターン列配置情報とを照合して従パターン列を抽出する従パターン列生成処理と
を有する
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1記載のパターン列抽出方法において、
前記パターン列は従パターン列を複数持ち、
その数に応じた従辞書とマッチングを繰り返すことまたは複数の従パターン列の中から適当である従パターン列を選ぶことまたはその両方を併せ持つ
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1または2記載のパターン列抽出方法において、
前記主または従極大値抽出処理は、各辞書毎の極大値を抽出する
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1、2または3記載のパターン列抽出方法において、
前記主ずらしマッチング処理におけるずらしマッチングを行う領域を予め前処理によりパターン列が存在する可能性がある領域に限定する主パターン列検索領域決定処理を有する
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1,2,3または4記載のパターン列抽出方法において、
主および従パターン列の条件にあわせて予め処理する解像度を定める解像度蓄積手段を用いて、
原画像および各辞書の解像度を予め定めた解像度に変更する解像度変更処理を有し、
上記解像度変更処理を経た画像を用いた主または従ずらしマッチングを行う
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1,2,3,4または5記載のパターン列抽出方法において、 前記主または従ずらしマッチング処理は、
原画像に想定される複数の変形に応じて原画像または辞書を変形する画像変形処理を含み、
上記画像変形処理による各変形毎に極大値を計算する
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1,2,3,4,5または6記載のパターン列抽出方法において、
前記パターン列は、文字列である
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1,2,3,4,5または6記載のパターン列抽出方法において、
前記パターン列は、文字列でありナンバープレートである
ことを特徴とするパターン列抽出方法。 - 請求項1から8のいずれかに記載のパターン列抽出方法において、
パターンマッチングにおいて対数微分相関法を利用する
ことを特徴とするパターン列抽出方法。
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