JP3761022B2

JP3761022B2 - Roll for non-ferrous metal rolling process

Info

Publication number: JP3761022B2
Application number: JP2001190689A
Authority: JP
Inventors: 翼松本; 貢吉田
Original assignee: Tocalo Co Ltd
Current assignee: Tocalo Co Ltd
Priority date: 2001-06-25
Filing date: 2001-06-25
Publication date: 2006-03-29
Anticipated expiration: 2021-06-25
Also published as: JP2003001306A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧延プロセス用ロールに係り、とくに、アルミニウム、銅、チタンまたはそれらの合金といった非鉄金属材料の板を製造する圧延工程で主として用いられる圧延プロセス用ロールに関する。
【０００２】
【従来の技術】
非鉄金属板は、通常、所望の組成の鋳塊を所定の温度に加熱し熱間圧延により熱延板としたのち、該熱延板を冷間圧延により所定板厚の冷延板とし、必要に応じ、熱処理を施したのち、所定の寸法に切断されて製品板とされる。
このような非鉄金属板の製造ラインの各工程においては、その作業目的に合致した、例えば、圧延用ロール、搬送用ロール等の圧延プロセス用ロールが使用されている。このような非鉄金属圧延プロセス用ロールとして、要求される特性は、まず通板材に対し適正な摩擦係数を有すること、また通板材に対しすり疵、圧痕等の表面疵を発生させないこと、さらに表面に金属系、非金属系粉塵が付着がしにくいこと、などである。
【０００３】
このような特性を有するロールとしては、表面に硬質クロムめっきを施したロールがあり、従来から圧延プロセス用ロールとして使用されてきた。しかしながら、硬質クロムめっきロールは、通板材に対し表面疵を発生させない点においては優れているが、高温に長時間曝されると、硬さが低下し耐摩耗性が極端に低下するという問題があった。さらに、硬質クロムめっきロールは、冷間圧延工程ではスリップ現象を生じ、その時の摩擦熱で通板材の擦過微粉がロールの表面に付着しやすいという問題もあった。
【０００４】
このような問題に対し、例えば、特開昭64-87006号公報には、表面に気孔率1.8 ％以下、表面粗さR _max3.0 μm 以下のサーメット溶射皮膜を有する非鉄金属圧延プロセス用ロールが提案されている。特開昭64-87006号公報に記載された技術では、ロール表面に形成されるサーメット溶射皮膜を、タングステンカーバイト（ＷＣ）とコバルトまたはニッケル−クロム合金との混合物からなる炭化物サーメットを溶射して形成するのがよいとしている。
【０００５】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭64-87006号公報に記載された技術を利用して製造されたＷＣサーメット溶射皮膜を有するロールを用いて、長期にわたってアルミニウム板を支持、搬送すると通板材であるアルミニウムの一部が溶射皮膜の極微小くぼみに固着して推定厚さ１μｍ以下の付着層が形成されることがしばしば発生した。この付着層は、今までに焼付きと呼ばれている現象の一例と考えることができるが、ロール表面皮膜の曇りを発生させ、製品板の表面品質の低下につながるという問題があった。
【０００６】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、アルミニウム板等の非鉄金属圧延プロセス用として好適な、耐焼付き性に優れた非鉄金属圧延プロセス用ロールを提案することを目的とする。なお、本発明でいう「耐焼付き性に優れた」とは、非鉄金属材料との親和性が低く、かつ、それ自身がごくわずか摩耗し、表面に付着した付着物を系外に脱離・移動することを促進し、ロール表面の巨視的な平滑性を維持する特性というものとする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するため、サーメット溶射皮膜を有する非鉄金属圧延プロセス用ロールの耐焼付き性におよぼす各種要因について鋭意研究した。
本発明者らは、まずＷＣサーメット溶射皮膜を有するロールを用いて長期にわたってアルミニウム板を支持、搬送すると発生する付着層の形成現象について考察した。その結果、ＷＣサーメット溶射皮膜がアルミニウム板に対し高い耐摩耗性を示すために、皮膜表面にごく軽度に形成したAl付着物が表面から系外に離脱・移動することなく時間とともに成長・拡大することにより上記した付着層が形成されることを想到した。
【０００８】
このような考えのもとに、本発明者らはさらに研究した結果、ロール表面に形成される皮膜の具備すべき条件として、▲１▼ＷＣサーメット溶射皮膜に匹敵する平滑仕上げ性（到達可能な表面あらさ）を有し、▲２▼表面に付着したAl付着物が表面から系外に離脱・移動することを促進しかつ自身の平滑性を維持できる耐摩耗性（硬さ特性）を有することが挙げられ、このような皮膜としてはクロム炭化物サーメット溶射皮膜が有効であることを見い出した。
【０００９】
まず、本発明者らの行った基礎的実験結果について説明する。
耐摩耗性についてはJIS H 8503に規定されるスガ式摩耗試験機を用い引っ掻き摩耗特性を調べた。その結果を図１に示す。図１から、クロム炭化物サーメット溶射皮膜はＷＣサーメット溶射皮膜に比べ常温での耐摩耗性が、低いことがわかる。
【００１０】
つぎにJIS K 7218に規定される大越式摩耗試験機を用いて、すべり率２％で、Al材をＷＣサーメット溶射皮膜あるいはクロム炭化物サーメット皮膜を表面に形成した試験片に押し付け摺動させ、皮膜表面へAl材の焼付き付着性を調べた。得られた結果を表１に示す。
【００１１】
【表１】

【００１２】
表１から、クロム炭化物サーメット溶射皮膜のAl材に対する耐焼付き付着性はＷＣサーメット溶射皮膜のそれにくらべてすぐれることが示唆される。本発明は、上記した知見に基づきさらに検討して完成されたものである。
すなわち、本発明は、ロール表面にサーメット溶射皮膜を有する非鉄金属圧延プロセス用ロールであって、前記サーメット溶射皮膜が、クロム炭化物サーメットを溶射し得られた、質量％で 70 〜 80 ％のクロム炭化物を含有する皮膜であり、気孔率1.0 ％以下を有し、かつ該サーメット溶射皮膜の表面粗さを、Ｒ_aで0. 2μm 以下とすることを特徴とする耐焼付き性に優れた非鉄金属圧延プロセス用ロールであり、また、本発明では、前記クロム炭化物サーメットがクロム炭化物とクロム−ニッケル合金との混合物または複合物からなることが好ましく、また、本発明では、前記クロム炭化物が、Cr₃C₂、Cr₇C₃、Cr₂₃C₆のうち１種または２種以上であることが好ましい。また、本発明では、前記クロム炭化物サーメット溶射皮膜が微小硬さ 650〜950Hv を有することが好ましい。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本発明の非鉄金属圧延プロセス用ロールは、表面にサーメット溶射被膜を有するロールである。このサーメット溶射被膜に要求される基本的機能は、ひとつにアルミニウム等の非鉄金属材料との低親和性であり、これが耐焼付き性の発現に寄与する。他は被圧延材である非鉄金属板のスリップを伴う擦過通過における耐摩耗性である。ここで要求される耐摩耗性は、非鉄金属板の擦過通過により皮膜自体がごくわずか摩耗する耐摩耗性である。この耐摩耗性の発揮によってロール表面の巨視的な平滑性が維持され、製品板への疵の発生が抑制され、耐焼付き性が向上すると考えられる。
【００１４】
本発明では、ロール表面に、クロム炭化物サーメットを溶射して、サーメット溶射皮膜を形成する。溶射材料として使用するクロム炭化物サーメットは、クロム炭化物と金属との混合物または複合物であり、本発明ではクロム炭化物を、Cr₃C₂、Cr₇C₃、Cr₂₃C₆のうち１種または２種以上、すなわちCr₃C₂、あるいはCr₇C₃、あるいはCr₂₃C₆、あるいはそれらの混合物、あるいはそれらの複合物とし、金属を、ニッケルークロム合金、あるいはCo、Crとするのが好ましい。
【００１５】
本発明では、溶射皮膜の膜厚は、40〜 300μｍとするのが好ましい。膜厚が40μｍ未満では、膜厚が薄すぎて所期の目的が達成できない。一方、300 μｍを超えると膜厚が厚すぎて、密着性が低下する。
本発明におけるサーメット溶射皮膜は、ＷＣサーメット溶射皮膜にくらべて低い適度な硬さである微小硬さ 650〜950Hv を有することが好ましい。この硬さに起因する耐摩耗性は、環境からの擦過履歴に対して皮膜自体がごくわずか摩耗し、系外離脱することによって、皮膜表面に生成した軽度のAl等付着物のさらなる成長を未然に防止するという特徴を有する。このような皮膜を形成することにより、ロールの耐焼付き性が向上する。
【００１６】
本発明のロールに形成されるクロム炭化物サーメット溶射皮膜は、質量％で70〜80％のクロム炭化物を含有する。クロム炭化物の含有量が70％未満では、耐摩耗性、平滑研削性が劣化する。一方、80％を超えて含有すると、皮膜密着性が低下し皮膜が剥離しやすくなる。また、皮膜そのものの脆性が高くなるという問題もある。なお、クロム炭化物としては、上記したようにCr₃C₂、Cr₇C₃、Cr₂₃C₆のうち１種または２種以上とするのが好ましく、中でもCr₃C₂とすることがより好ましい。
【００１７】
サーメット溶射皮膜の形成方法は、特に限定する必要はなく、通常公知の溶射方法がいずれも適用可能であるが、中でも、高速ガス炎溶射法が好ましい。
本発明では、形成される溶射皮膜の気孔率を1.0 ％以下に調整する必要がある。気孔率が1.0 ％を超えると、研磨後のロール表面にピットが生成し、通板材に転写されるなど不適当なロール表面となる。高速ガス尖溶射法を用いれば、溶射被皮膜の気孔率を1.0 ％以下にすることは容易となる。
【００１８】
また本発明のロールは、サーメット溶射皮膜を形成したのち、該皮膜の表面粗さをＲ_a（算術平均粗さ）で、0.2 μm 以下、好ましくは 0.1μm 以下、より好ましくは0. 1〜0.03μm の鏡面に仕上げるものとする。表面粗さの調整は、ダイヤモンド砥石を利用した研磨により行うことが好ましい。表面粗さがＲ_aで、0. 2μm を超えると、製品板に疵が発生する。なお、さらに好ましくは表面粗さがＲ_aで、0.06〜0.03μm である。なお、Ｒ_aは JIS B 0601 に規定される算術平均粗さをいう。
【００１９】
【実施例】
(実施例１）
板状試片（材質：Ｓ45Ｃ、サイズ：100 φ×50mm）の片側表面に、つぎに示す炭化物サーメット、
（ａ）ＷＣ（73質量％）−CrNi合金（Ni：７質量％、Cr：20質量％）
（ｂ）Cr₃C₂（75質量％）−NiCr合金（Ni：20質量％、Cr：５質量％）
を溶射材料として用いて、表２に示す膜厚と気孔率を有する溶射皮膜を形成した。溶射方法は、高速ガス炎溶射法を用いた。なお、溶射なしの場合も比較例として実施した。板状試験片は、表面に溶射皮膜を形成したのち、人造ダイヤモンド砥石で皮膜表面を研磨し、表２に示す表面粗さとした。
【００２０】
なお、溶射皮膜の気孔率は、溶射皮膜の断面組織を光学顕微鏡を用いて撮像し、画像解析装置により空孔部の面積率を求め、その数値を気孔率とした。また、表面粗さは、触針式表面粗さ計により、JIS B 0601の規定に準拠して、算術平均粗さ、Ｒ_aを測定した。また、溶射皮膜の硬さは、断面をVickers 微小硬度計（荷重 300gf）により測定し、求めた。
【００２１】
片側表面にサーメット溶射皮膜を形成した板状試験片を用いて、焼付き試験を実施し、耐焼付き性を調査した。焼付き試験は、図２に示す焼付き試験機を用いて、板状試験片の皮膜面に、リング状に形成した通板材としてのアルミニウム板（回転円板）を、試験片と接触可能に取り付けて、周速８ m／min ですべらせながら、試験片を所定の圧力P(0.1MPa）で、所定時間（0.1 ｈ）接触させたのち、試験片表面のアルミニウムの有無を目視で観察し、試験片の耐焼付き性を評価した。試験片表面に、薄くアルミニウムが付着する場合を○、所々に強固にアルミニウムが付着する場合を△、全面にアルミニウムが付着する場合を×として、評価した。
【００２２】
これらの結果を表２に示す。
【００２３】
【表２】

【００２４】
本発明例はいずれも、通板材であるアルミニウムの付着は見られず、安定して耐焼付き性に優れていることがわかる。一方、炭化物をＷＣとし本発明の範囲を外れる比較例 (No.1-1〜No.1-4）では、一部の試験片にアルミニウムの付着が見られ、耐焼付き性が低下し、安定して優れた耐焼付き性を確保できていない。溶射被膜を形成しない場合（試験片No.1-9）には、試験片表面全面にアルミニウムが付着している。
【００２５】
(実施例２）
アルミニウム板圧延設備（冷間圧延機）の各種プロセスロール（ブライドルロールおよびパスラインロール）に、表３に示す溶射皮膜（サーメット溶射被膜）を有するロールを組み込み、90日間実機テストを実施し、ロールの耐焼付き性を評価した。耐焼付き性の評価は、試験後にロール表面を目視観察し、通板材（アルミニウム板）の付着の有無を調査した。得られた結果を表３に示す。
【００２６】
【表３】

【００２７】
本発明例はいずれも、通板材であるアルミニウムの付着は見られず、安定して耐焼付き性に優れていることがわかる。一方、炭化物をＷＣとし本発明の範囲を外れる比較例ロール (No.2-1、No.2-2）では、一部にわずかにアルミニウムの付着が見られ、耐焼付き性が低下している。
【００２８】
【発明の効果】
本発明によれば、非鉄金属圧延プロセス用として好適な、耐焼付き性に優れた非鉄金属圧延プロセス用ロールを安価にが製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明は、アルミニウム等非鉄金属の圧延が、焼付きの発生もなく、安定して高能率に行うことができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図１】引っ掻き摩耗量に及ぼすサーメット溶射皮膜の種類の影響を示すグラフである。
【図２】焼付き試験機の概要を模式的に示す説明図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a roll for a rolling process, and more particularly to a roll for a rolling process mainly used in a rolling process for producing a plate of a non-ferrous metal material such as aluminum, copper, titanium, or an alloy thereof.
[0002]
[Prior art]
A non-ferrous metal plate is usually required by heating an ingot of a desired composition to a predetermined temperature and hot rolling it into a hot rolled plate, and then cold rolling the cold rolled plate to a predetermined plate thickness. Accordingly, after heat treatment, it is cut into a predetermined size to obtain a product plate.
In each process of the production line for such a non-ferrous metal plate, a roll for a rolling process such as a roll for rolling or a roll for conveyance that matches the work purpose is used. As a roll for such a non-ferrous metal rolling process, the required characteristics are that it first has an appropriate coefficient of friction with respect to the passing plate material, and does not generate surface flaws such as sledges and indentations on the passing plate material. It is difficult for metallic and non-metallic dust to adhere to the surface.
[0003]
As a roll having such characteristics, there is a roll having a hard chrome plating on the surface, which has been conventionally used as a roll for a rolling process. However, although the hard chrome plating roll is excellent in that it does not generate surface flaws on the plate material, there is a problem that when it is exposed to a high temperature for a long time, the hardness decreases and the wear resistance extremely decreases. there were. Further, the hard chrome plating roll has a problem that a slip phenomenon occurs in the cold rolling process, and the frictional heat of the sheet material easily adheres to the surface of the roll.
[0004]
For example, JP-A 64-87006 proposes a roll for a non-ferrous metal rolling process having a cermet sprayed coating with a porosity of 1.8% or less and a surface roughness R _{max of} 3.0 μm or less. Has been. In the technique described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-87006, a cermet sprayed coating formed on a roll surface is sprayed with a carbide cermet made of a mixture of tungsten carbide (WC) and cobalt or nickel-chromium alloy. It is good to form.
[0005]
[Problem to be Solved by the Invention]
However, when a roll having a WC cermet sprayed coating manufactured using the technique described in JP-A-64-87006 is used to support and transport an aluminum plate over a long period of time, a part of aluminum that is a sheet passing material Often adheres to the microscopic pits of the thermal spray coating and an adhesion layer with an estimated thickness of 1 μm or less is formed. Although this adhesion layer can be considered as an example of a phenomenon called seizure so far, there is a problem that the roll surface film is fogged and the surface quality of the product plate is deteriorated.
[0006]
An object of the present invention is to advantageously solve the above-described problems of the prior art and to propose a roll for a nonferrous metal rolling process excellent in seizure resistance, which is suitable for a nonferrous metal rolling process such as an aluminum plate. The term “excellent in seizure resistance” as used in the present invention means low affinity with non-ferrous metal materials, and wears a very small amount of adhering material on the surface. The characteristic is to promote movement and maintain the macroscopic smoothness of the roll surface.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned problems, the present inventors diligently studied various factors affecting seizure resistance of a roll for a nonferrous metal rolling process having a cermet sprayed coating.
The present inventors first considered the formation phenomenon of an adhesion layer that occurs when an aluminum plate is supported and transported over a long period of time using a roll having a WC cermet sprayed coating. As a result, since the WC cermet sprayed coating shows high wear resistance to the aluminum plate, the Al deposit formed on the coating surface grows and expands over time without detaching / moving from the system. This has led to the formation of the above-mentioned adhesion layer.
[0008]
Based on this idea, the present inventors have further studied, and as a result that the film to be formed on the roll surface should have (1) smooth finish (equivalent to WC cermet sprayed film) (2) Surface wear) (2) Abrasion resistance (hardness characteristics) that promotes the separation and movement of Al deposits from the surface to the outside of the system and maintains its own smoothness. It was found that a chromium carbide cermet sprayed coating is effective as such a coating.
[0009]
First, basic experimental results conducted by the present inventors will be described.
Regarding the wear resistance, the scratch wear characteristics were examined using a suga type wear tester stipulated in JIS H 8503. The result is shown in FIG. FIG. 1 shows that the chromium carbide cermet sprayed coating has lower wear resistance at room temperature than the WC cermet sprayed coating.
[0010]
Next, using an Ogoshi type abrasion tester stipulated in JIS K 7218, the Al material was pressed against a test piece with a WC cermet sprayed coating or chromium carbide cermet coating on the surface at a sliding rate of 2%, and the coating was slid. The adhesion of the Al material to the surface was investigated. The obtained results are shown in Table 1.
[0011]
[Table 1]

[0012]
From Table 1, it is suggested that the seizure resistance adhesion of the chromium carbide cermet sprayed coating to the Al material is superior to that of the WC cermet sprayed coating. The present invention has been completed by further studies based on the above-described findings.
That is, the present invention is a roll for a non-ferrous metal rolling process having a cermet sprayed coating on the roll surface, wherein the cermet sprayed coating is obtained by spraying chromium carbide cermet, and 70 to 80 % by mass chromium carbide. containing a film has a porosity of 1.0% or less, and the surface roughness of the cermet sprayed coating, non-ferrous metals rolling excellent in seizure resistance, characterized by the following 0. 2 [mu] m in R _a In the present invention, the chromium carbide cermet is preferably composed of a mixture or a composite of chromium carbide and a chromium-nickel alloy. In the present invention, the chromium carbide is Cr ₃ C. _{_{_{2, Cr 7 C 3, Cr}}} 23 is preferably C ₆ is one kind or two or more of. In the present invention, the chromium carbide cermet sprayed coating preferably has a microhardness of 650 to 950 Hv.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The roll for non-ferrous metal rolling process of the present invention is a roll having a cermet sprayed coating on the surface. One of the basic functions required for this cermet sprayed coating is low affinity with non-ferrous metal materials such as aluminum, which contributes to the development of seizure resistance. The other is the wear resistance in passing through with a slip of a non-ferrous metal plate which is a material to be rolled. The abrasion resistance required here is an abrasion resistance in which the coating itself is worn very slightly by passing through a non-ferrous metal plate. By exhibiting this wear resistance, macroscopic smoothness of the roll surface is maintained, generation of wrinkles on the product plate is suppressed, and seizure resistance is improved.
[0014]
In the present invention, a chromium carbide cermet is sprayed on the roll surface to form a cermet sprayed coating. The chromium carbide cermet used as the thermal spray material is a mixture or composite of chromium carbide and metal. In the present invention, chromium carbide is selected from one or two of Cr ₃ C ₂ , Cr ₇ C ₃ and Cr ₂₃ C _6. More than seeds, that is, Cr ₃ C ₂ , Cr ₇ C ₃ , Cr ₂₃ C ₆ , a mixture thereof, or a composite thereof, and the metal is preferably a nickel-chromium alloy, or Co, Cr .
[0015]
In the present invention, the thickness of the sprayed coating is preferably 40 to 300 μm. If the film thickness is less than 40 μm, the film thickness is too thin to achieve the intended purpose. On the other hand, if it exceeds 300 μm, the film thickness is too thick and the adhesion is reduced.
The cermet sprayed coating in the present invention preferably has a microhardness of 650 to 950 Hv, which is a moderate hardness lower than that of the WC cermet sprayed coating. The abrasion resistance due to this hardness is due to the slight wear of the coating itself against the abrasion history from the environment, and the further growth of deposits such as light Al generated on the coating surface by detachment from the system. It has the feature of preventing. By forming such a film, the seizure resistance of the roll is improved.
[0016]
Chromium carbide cermet thermal spray coating formed on the roll of the present invention, you containing 70-80% of chromium carbides in mass%. When the chromium carbide content is less than 70%, wear resistance and smooth grindability deteriorate. On the other hand, if it exceeds 80%, the adhesion of the film is lowered and the film is easily peeled off. There is also a problem that the brittleness of the coating itself becomes high. As described above, the chromium carbide is preferably one or more of Cr ₃ C ₂ , Cr ₇ C ₃ and Cr ₂₃ C ₆ , and more preferably Cr ₃ C _2. .
[0017]
The method for forming the cermet sprayed coating is not particularly limited, and any of the commonly known spraying methods can be applied. Among them, the high-speed gas flame spraying method is preferable.
In the present invention, it is necessary to adjust the porosity of the sprayed coating formed to 1.0% or less. When the porosity exceeds 1.0%, pits are generated on the roll surface after polishing, and the roll surface becomes inappropriate such as being transferred to a sheet passing material. If the high-speed gas point spraying method is used, it becomes easy to reduce the porosity of the sprayed coating to 1.0% or less.
[0018]
In the roll of the present invention, after forming a cermet sprayed coating, the surface roughness of the coating is _Ra (arithmetic mean roughness), 0.2 μm or less, preferably 0.1 μm or less, more preferably 0.1 to 0.03. It shall be finished to a mirror surface of μm. The surface roughness is preferably adjusted by polishing using a diamond grindstone. Surface roughness in R _a, 0. When it exceeds 2 [mu] m, flaws are generated on the product plate. Incidentally, even more preferably the surface roughness in R _a, is 0.06～0.03Myuemu. Note that _Ra represents the arithmetic average roughness defined in JIS B 0601.
[0019]
【Example】
Example 1
Carbide cermet shown below on one side surface of plate specimen (material: S45C, size: 100 φ × 50mm)
(A) WC (73 mass%)-CrNi alloy (Ni: 7 mass%, Cr: 20 mass%)
(B) Cr ₃ C ₂ (75% by mass) -NiCr alloy (Ni: 20% by mass, Cr: 5% by mass)
Was used as a thermal spray material to form a thermal spray coating having the film thickness and porosity shown in Table 2. As the thermal spraying method, a high-speed gas flame spraying method was used. A case without thermal spraying was also carried out as a comparative example. The plate-shaped test piece was formed with a sprayed coating on the surface, and then the surface of the coating was polished with an artificial diamond grindstone to obtain the surface roughness shown in Table 2.
[0020]
The porosity of the thermal spray coating was obtained by imaging the cross-sectional structure of the thermal spray coating using an optical microscope, obtaining the area ratio of the pores with an image analyzer, and setting the numerical value as the porosity. In addition, the surface roughness was measured by an arithmetic average roughness, Ra, using _a stylus type surface roughness meter in accordance with the provisions of JIS B 0601. The hardness of the thermal spray coating was determined by measuring the cross section with a Vickers micro hardness tester (load 300 gf).
[0021]
Using a plate-like test piece having a cermet sprayed coating on one surface, a seizure test was conducted to investigate seizure resistance. In the seizure test, an aluminum plate (rotating disc) formed as a ring-like material is brought into contact with the test piece on the coating surface of the plate-like test piece using the seizure tester shown in FIG. After mounting and sliding at a peripheral speed of 8 m / min, the specimen is brought into contact at a prescribed pressure P (0.1 MPa) for a prescribed time (0.1 h), and then the presence or absence of aluminum on the specimen surface is visually observed. The seizure resistance of the test piece was evaluated. Evaluation was made by ◯ when the aluminum was thinly adhered to the surface of the test piece, Δ when the aluminum was firmly adhered in some places, and x when the aluminum was adhered to the entire surface.
[0022]
These results are shown in Table 2.
[0023]
[Table 2]

[0024]
In any of the examples of the present invention, no adhesion of aluminum as a sheet passing material is observed, and it can be seen that the invention is stable and excellent in seizure resistance. On the other hand, in the comparative examples (No. 1-1 to No. 1-4) in which the carbide is WC and falls outside the scope of the present invention, aluminum adheres to some of the test pieces, and the seizure resistance is lowered and stable. Therefore, excellent seizure resistance has not been secured. When the sprayed coating is not formed (test piece No. 1-9), aluminum adheres to the entire surface of the test piece.
[0025]
(Example 2)
Rolls with spray coatings (cermet spray coatings) shown in Table 3 were incorporated into various process rolls (bridal rolls and pass line rolls) of aluminum plate rolling equipment (cold rolling mills), and 90-day actual machine tests were conducted. The seizure resistance was evaluated. For evaluation of seizure resistance, the surface of the roll was visually observed after the test, and the presence or absence of adhesion of a sheet passing material (aluminum plate) was examined. The obtained results are shown in Table 3.
[0026]
[Table 3]

[0027]
In any of the examples of the present invention, no adhesion of aluminum as a sheet passing material is observed, and it can be seen that the invention is stable and excellent in seizure resistance. On the other hand, in comparative example rolls (No. 2-1, No. 2-2) which have carbides as WC and fall outside the scope of the present invention, aluminum adhesion is slightly observed in part, and seizure resistance is reduced. .
[0028]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the roll for nonferrous metal rolling processes excellent in the seizure resistance suitable for nonferrous metal rolling processes can be manufactured cheaply, and there is a remarkable industrial effect. The present invention also has an effect that the rolling of non-ferrous metals such as aluminum can be performed stably and highly efficiently without the occurrence of seizure.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the effect of the type of cermet sprayed coating on the amount of scratch wear.
FIG. 2 is an explanatory view schematically showing an outline of a seizure tester.

Claims

A roll for a non-ferrous metal rolling process having a cermet sprayed coating on the roll surface, wherein the cermet sprayed coating is a coating containing 70 to 80 % by mass chromium carbide obtained by spraying chromium carbide cermet. A non-ferrous metal rolling process roll excellent in seizure resistance, characterized by having a porosity of 1.0% or less and having a surface roughness of the cermet sprayed coating of _Ra of 0.2 μm or less.

The roll for a nonferrous metal rolling process according to claim 1, wherein the chromium carbide cermet is made of a mixture of chromium carbide and a chromium-nickel alloy.

The roll for a nonferrous metal rolling process according to claim 1 or 2, wherein the chromium carbide is composed of one or more of Cr ₃ C ₂ , Cr ₇ C ₃ , and Cr ₂₃ C ₆ .

The roll for a nonferrous metal rolling process according to any one of claims 1 to 3, wherein the chromium carbide cermet sprayed coating has a microhardness of 650 to 950 Hv.