JP3759547B2 - 携帯型通信端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題(図8〜図9)
課題を解決するための手段
発明の実施の形態(図1〜図7)
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯型通信端末装置に関し、例えば携帯電話装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
昨今、携帯電話装置においては、携帯性を向上させようとして小型化・軽量化が図られている。これによりユーザは携帯電話装置を手軽に持ち運ぶことができるようになり、例えばポケツトに入れて常時携帯し、時間や場所を問わずにだれとでも通話できるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのようにして小型化が図られると、スピーカとマイクロホンが接近して設けられることになり、その結果スピーカとマイクロホンの位置がユーザの耳と口の位置に適合せず、通話するときの取り扱いが不便になるといつた問題が発生する。このような問題を回避するものとして、スピーカを有する可動部材がマイクロホンから直線的に伸長するストレートタイプの携帯電話装置とマイクロホンを有するフリツパが回動するフラツプタイプの携帯電話装置とが考えられる。
【0005】
ここでストレートタイプの携帯電話装置1について、可動部材を伸張させるときの動きを図8(A)及び(B)を用いて説明する。図8(A)に示すように、本体2はマイクロホンを有する主ケース2Aとスピーカを有するスライドケース2Bとから構成されている。ユーザはこのストレートタイプの携帯電話装置1を用いて通話するときに、図8(B)に示すように、スライドケース2Bを摺動させて全体の長さを伸長させる。これによりスピーカとマイクロホンの距離をユーザの耳と口の距離に合わせることができる。
【0006】
またフラツプタイプの携帯電話装置4について、フリツパを回動させるときの動きを図9(A)及び(B)を用いて説明する。図9(A)に示すように、本体5はスピーカを有する主ケース5Aとマイクロホンを有するフリツパ5Bとから構成され、当該フリツパ5Bは固定軸6を軸として回動自在に取り付けられている。ユーザはこのフラツプタイプの携帯電話装置4を用いて通話するときに、図9(B)に示すように、フリツパ5Bを固定軸6を軸として回動させる。これによりスピーカとマイクロホンの位置をユーザの耳と口の位置に合わせることができる。
【0007】
ところでストレートタイプの携帯電話装置1においては、装置全体が直線的に伸長するだけでユーザの顔の輪郭に沿つた伸張でないため、スピーカを耳に当てるとマイクロホンが口に当たらず、一方マイクロホンを口に当てるとスピーカが耳に当たらないという状態になり、スピーカとマイクロホンの位置をユーザの耳と口の位置に完全に適合させることができないといつた不都合がある。
【0008】
またフラツプタイプの携帯電話装置4においては、フリツパ5Bを回動させているのでフリツパ5Bが回動するための可動範囲が必要であり、例えば本体5をユーザの顔に近づけてスピーカを耳に当てた状態でフリツパ5Bを回動させようとするとユーザの顔が障害となつて、フリツパ5Bを回動させることが困難となる問題があつた。さらにフラツプタイプの携帯電話装置4においては、フリツパ5Bを頻繁に開閉したり、或いはフリツパ5Bを開けた状態で落としたりすると壊れやすいという問題もあつた。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、使用中でも容易に通話し易い形状に伸張し得る携帯型通信端末装置を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、下部にマイクロホンが設けられると共に、前面に操作キーが設けられた第1のケースと、前面上部にスピーカが設けられると共に、上記操作キーによる入力操作の有効又は無効の切換制御と通話状態又は終話状態の切換制御とを行う電気回路を収納する第2のケースと、第1のケースの上端側に設けられ、かつ第2のケースの長さ方向に設けられた第1の溝に係合することにより、第1のケースの上端側が第2のケースの長さ方向に摺動するように当該第1及び第2のケースを連結する軸と、一端が第1のケースの上端側から離れた位置に回動自在に取り付けられ、かつ他端が上記第2のケースの奥行き方向に設けられた第2の溝に係合するように取り付けられることにより、収納時には第1のケースの前面と第2のケースの背面とが向かい合い、伸張時には上記第1のケースの下部が第2のケースから離隔して起き上がるように連結するリンクと、第2のケースに配設され、リンクの他端を前面側に付勢するバネ材とを設けるようにした。
このように軸、リンク及びバネ材を介して第1のケースを第2のケースに連結させたことにより、第1のケースが第2のケースに対して収納状態から伸張状態に起き上がる際に第1のケースの他端をユーザの顔の輪郭に沿つて伸張させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0012】
図1において、10は全体として携帯電話装置を示し、合成樹脂材料によつて形成された本体11に各種部材が取り付けられている。まず本体11の上部には送受信用のアンテナ12が引き出し及び収納可能な状態で取り付けられており、この携帯電話装置10ではアンテナ12を介して基地局装置との間で電波の送受信を行うようになされている。
【0013】
本体11の正面上部にはスピーカ13が設けられ、通話時、このスピーカ13から通話相手の音声が出力されるようになされている。また本体11の正面下部にはマイクロホン14が設けられ、通話時、このマイクロホン14がユーザの音声を集音するようになされている。
また本体11の正面中程には表示手段として液晶デイスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)15が設けられ、電波の受信状況、電池容量、電話を掛けたときの電話番号、電話帳として登録されている電話番号やその相手先の名称等、各種情報を表示し得るようになされている。
【0014】
また本体11の正面下部には操作手段として各種操作キー16が設けられ、この操作キー16を用いて各種指示を入力し得るようになされている。この場合、具体的には操作キー16として次の6種類のキーが設けられている。すなわち「発呼」キー16A、「終話」キー16B、「リダイヤル」キー16C、「0」〜「9」の数字キー16D、「*」キー16E、「♯」キー16Fの6種類のキーが設けられている。
【0015】
これらの各操作キー16には次のような機能が割り当てられている。すなわち「発呼」キー16Aには入力された電話番号や電話帳リストから呼び出された電話番号に対して発呼処理を行うときの発呼指示を入力する機能が割り当てられている。「終話」キー16Bには通話終了の指示を入力したり、その他各種動作モードの終了指示を入力する機能が割り当てられている。「リダイヤル」キー16Cには過去に電話を掛けた相手先の電話番号を日時と共に表示する発信履歴を読出す指示を入力する機能が割り当てられている。
【0016】
10個の数字キー16Dにはそれぞれに対応する数字情報を入力する機能が割り当てられている。また数字キー16Dにはこの他にもカタカナ文字や英文字を入力する機能が割り当てられており、これにより電話帳登録時等に相手先氏名等を入力し得るようになされている。「*」キー16Eには「*」文字を入力する機能の他、カーソル表示を左方向に移動する指示を入力する機能が割り当てられている。「♯」キー16Fには「♯」文字を入力する機能の他、カーソル表示を右方向に移動する指示を入力する機能が割り当てられている。
【0017】
ここで図2(A)及び(B)において、携帯電話装置10の本体構造について説明する。図2(A)に示すように、本体11はマイクロホン14や操作キー16等を有するスライドケース11Aと、アンテナ12やスピーカ13、或いは通信機としての電気回路等を有する主ケース11Bとから構成されている。スライドケース11Aは例えば鞄に入れているとき等使用していないときに主ケース11Bに収納状態で保持されるようになされており、これにより大きさを小さくして持ち運びを便利にし得る。
【0018】
図2(B)に示すように、主ケース11Bには当該主ケース11Bの長さ方向に延びる板状の突起部17、18が設けられており、さらにこれら突起部17、18にはガイド溝19、20が形成されている。スライドケース11Aは正面下方、すなわち本体11の長さ方向に伸張し得る可動部材であり、ガイド溝19、20に沿つて摺動し得るようになされている。これによりスライドケース11Aが収納状態にあるとき、ユーザがスライドケース11Aを長さ方向に引き出そうとすると、スライドケース11Aはガイド溝19、20に沿つて摺動して伸張状態に移行する。なお、このとき後述するようにスライドケース11Aは主ケース11Bに対して起き上がるようになつている。
【0019】
このような携帯電話装置10においては、待受時でスライドケース11Aが収納状態にあるときは、操作キー16を無効にし(以下、これをキーロツクと呼ぶ)、ユーザがスライドケース11Aを収納状態から伸張状態にすると、操作キー16のキーロツクが解除され、当該操作キー16を有効にするようになされている。さらにこの携帯電話装置10は、着信時にユーザがスライドケース11Aを収納状態から伸張状態にスライドさせると通話状態に遷移し、通話時にユーザがスライドケース11Aを伸張状態から収納状態にスライドさせると終話状態に遷移するようになされている。
【0020】
ここで図3を用いて回路構成について説明する。まず各種操作キー16から入力された指示情報は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit )21に入力される。CPU21は入力される指示情報に基づいてLCDドライバ回路15Aを制御することにより、指示情報に応じた各種情報(例えば入力される電話番号やメニユー項目等)を液晶デイスプレイ15に表示する。またCPU21は入力される指示情報に基づいて、送受信回路部22を制御することにより、発呼処理や終話処理等、指示情報に応じた各種処理を実行する。またCPU21はRAM(Random Access Memory)23にアクセスして所定の情報を記憶する。
【0021】
因みに、このような制御動作を行うCPU21はROM(Read Only Memory)24に格納されているプログラムコードに基づいて制御動作を行うようになされている。
送受信回路部22はCPU21の制御によりアンテナ12を介して制御信号を送出して発呼処理を行つたり、或いは基地局装置からの着信信号をアンテナ12を介して受け、CPU21に対して着信通知を行うようになされている。また送受信回路部22は通話時にマイクロホン14から入力される音声信号に所定の信号処理を施して送信したり、或いは受信信号に所定の信号処理を施して音声信号を復調し、これをスピーカ13に出力するようになされている。
【0022】
ところでこの携帯電話装置10にはスライド検出器25が設けられている。このスライド検出器25はスライドケース11Aの収納及び伸張状態を検出し、その検出結果をCPU21に送出するようになされている。すなわち待受時でスライドケース11Aが収納状態にあるとき、スライド検出器25はスライドケース11Aが収納状態であることを検出し、この検出結果をCPU21に送出する。これを受けてCPU21は操作キー16から入力された指示情報を無効にする。このときユーザがスライドケース11Aを収納状態から伸張状態にすると、スライド検出器25は伸張状態になつたことを検出し、この検出結果をCPU21に送出する。これを受けてCPU21は操作キー16のキーロツクを解除し、当該操作キー16から入力された指示情報を有効にする。
【0023】
また着信時、ユーザがスライドケース11Aを収納状態から伸張状態にスライドさせると、スライド検出器25はこのスライド動作を検出し、その検出結果をCPU21に送出する。これを受けてCPU21は送受信回路22を制御することにより通話状態に遷移させる。さらに通話時、スライドケース11Aが伸張状態にありユーザがスライドケース11Aを伸張状態から収納状態にスライドさせると、スライド検出器25はこのスライド動作を検出し、その検出結果をCPU21に送出する。これを受けてCPU21は送受信回路22を制御することにより終話状態に遷移させる。
【0024】
因みに、CPU21、送受信回路部22、RAM23、ROM24、スライド検出器25、アンテナ12、スピーカ13、LCD15、LCDドライバ15Aは主ケース11Bに収納されている。また、マイクロホン14、操作キー16はスライドケース11Aに収納されている。
【0025】
ここで図4を用いて携帯電話装置10のスライド機構について説明する。スライドケース11A及び主ケース11Bは2つの連結部材によつて連結されている。一つは棒状部材からなるリンク30(31)であり、もう一つは円柱状の部材からなる連結軸32(33)である。スライドケース11Aの背面側には、主ケース11Bの突起部17(18)に対応して2つの凹部(図示せず)が形成されている。このスライドケース11Aの2つの凹部には当該スライドケース11Aの側面方向に突出するように円柱状の連結軸32(33)が設けられている。なお、この連結軸32(33)は凹部のうちスライドケース11Aの端部側に設けられている。このとき連結軸32(33)は突起部17(18)の長さ方向に設けられたガイド溝19(20)に係合するようになされており、これによりスライドケース11Aは当該ガイド溝19(20)に沿つて本体11の長さ方向にのみ摺動するようになされている。
【0026】
スライドケース11Aの両側部のほぼ中央には、棒状部材のリンク30(31)の一端がねじ34(35)によつて回動自在に取り付けられている。またリンク30(31)の他端には当該リンク30(31)に対して垂直方向に突出するように円柱状の連結軸36(37)が形成されている。この連結軸36(37)は主ケース11Bの側部に奥行き方向に延びるように形成されたガイド溝38(39)に係合されており、これによりリンク30(31)の他端はガイド溝38(39)に沿つて摺動するようになされている。
【0027】
ところで主ケース11Bの両側部の所定位置にはコイルバネ40(41)が配設されている。このコイルバネ40(41)の一端は主ケース11Bの背面側に当接しており、その他端は上述した連結軸36(37)に当接している。これにより連結軸36(37)はコイルバネ40(41)によつてスライドケース11A側に付勢されている。すなわち連結軸36(37)はコイルバネ40(41)によつて常にスライドケース11A側に付勢されながら、ガイド溝38(39)を摺動するようになされている。
【0028】
ここで図5においてスライドケース11Aを収納状態から伸張状態にスライドさせるときの各部の動きを説明する。スライドケース11Aが収納状態にあるとき、図5(A)に示すように、リンク30(31)の連結軸36(37)がコイルバネ40(41)の付勢力によつてガイド溝38(39)のスライドケースイ11A側に片寄せられている。これによりスライドケース11Aは収納状態で保持されるようになされている。
【0029】
この状態において、ユーザがスライドケース11Aを本体11の長さ方向へ引き出そうとすると、連結軸32(33)が突起部17(18)に形成されたガイド溝19(20)に沿つて摺動することにより、スライドケース11Aは主ケース11Bの長さ方向に摺動する。このときリンク30(31)に設けられた連結軸36(37)はコイルバネ40(41)に接しながらガイド溝38(39)を背面側に向かつて摺動する。これによつてコイルバネ40(41)を押し縮める。
【0030】
こうして連結軸36(37)はコイルバネ40(41)を押し縮めながらガイド溝38(39)を摺動し、当該ガイド溝38(39)の背面側の端部まで達しこれ以上摺動できなくなると、図5(B)に示すように、リンク30(31)の反対側が起き上がることによつてスライドケース11Aを主ケース11Bに対して起き上がらせていく。
【0031】
この後、引き続きスライドケース11Aを引き伸ばしていくとスライドケース11Aが長さ方向に伸張するのに連動してリンク30(31)がガイド溝38(39)に対して平行になり、さらにスライドケース11Aを引き伸ばしていくと連結軸36(37)はコイルバネ40(41)によつて付勢され、ガイド溝38(39)をスライドケース11A側に向かつて摺動するようになる。
【0032】
この後、図5(C)に示すように、リンク30(31)の連結軸36(37)は、コイルバネ40(41)に付勢されてガイド溝38(39)のスライドケース11A側の端部まで摺動し片寄せられる。こうしてスライドケース11Aに一体成形された連結軸32(33)がY軸方向に「−A」だけ摺動すると、マイクロホン14が設けられている側の端部はX軸方向に「C」だけ主ケース11Bに対して押し上げられ、Y軸方向に「−B」だけ移動する。このとき連結軸36(37)はコイルバネ40(41)に付勢され、この伸張状態を保持するようになされている。
【0033】
以上の構成において、スライドケース11Aが収納状態にあるとき、ユーザがスライドケース11Aを本体11の長さ方向へ引き出そうとすると、スライドケース11Aは連結部材によつて主ケース11Bの長さ方向に摺動しながら主ケース11Bに対して押し上げられることにより、伸張状態に移行することができる。こうしてスライドケース11Aを引き伸ばし主ケース11Bに対して起き上がらせることにより、本体11を「く」の字形に伸張し得る。
【0034】
このようにして、携帯電話装置10においては、スライドケース11Aをユーザの顔の輪郭に沿つて伸張させることから、スピーカ13とマイクロホン14との位置をユーザの耳と口の位置に適合させることができる。またこの場合、スライドケース11Aを本体11の長さ方向に摺動させながら主ケース11Bに対して起き上がらせるようにしたことにより、従来のフラツプタイプの携帯電話装置4に比してスライドケース11Aの可動範囲を小さくし得、従つて本体11をユーザの顔に当てた状態でも容易に伸張させることができる。
【0035】
さらに携帯電話装置10においては、連結部材として連結軸32(33)及びリンク30(31)の2部材を用いるようにしたことにより、従来のフラツプタイプの携帯電話装置4において連結部材として用いられる固定軸6に比して、一段と可動部材の連結の強度を向上させることができる。
【0036】
以上の構成によれば、スライドケース11Aが主ケース11Bの長さ方向に摺動するようにスライドケース11A及び主ケース11Bを連結すると共に、伸張時にはスライドケース11Aが主ケース11Bに対して起き上がるように連結したことにより、スライドケース11Aをユーザの顔の輪郭に沿つて伸張させることができ、従つてスライドケース11Aの可動範囲を小さくしながら、スピーカ13とマイクロホン14との位置をユーザの耳と口の位置に適合し得る。かくするにつき使用中でも容易に通話し易い形状に伸張し得る携帯電話装置10を実現できる。
【0037】
なお上述の実施例においては、図2(B)に示すように、スライドケース11Aに操作キー16を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図2(B)との対応部分に同一符号を付して示す図6に示すように、例えば携帯電話装置50のスライドケース11Aの下側位置にある主ケース11Bに操作キー51を設け、スライドケース11Aを伸張状態にしたときにこれら操作キー51を操作できるようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0038】
また上述の実施例においては、図2に示すように、主ケース11Bに設けられた突起部17(18)にガイド溝19(20)を形成し、当該ガイド溝19(20)に沿つて連結軸32(33)が摺動する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図2との対応部分に同一符号を付して示す図7に示すように、携帯電話装置60の主ケース61Bの側面を引き延ばして側部62(63)を設けるようにし、その側部の内側にガイド溝64(65)を形成することにより、このガイド溝64(65)に沿つて連結軸32(33)が摺動するようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また上述の実施例においては、スライドケース11Aのスライド動作に連動して操作キー16を有効にしたり無効にしたりするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばメニユーのユーザ設定で収納状態でも操作キー16が有効になるような設定をできるようにすれば、ユーザは収納状態で使用しても伸張状態で使用してもどちらでも良いことから、通話時の状況に応じて使い勝手の良い状態を選択することができる。
【0040】
また上述の実施例においては、図4に示すように、スライドケース11Aの両側部のほぼ中央にリンク30(31)の一端を取り付けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、連結軸32(33)が設けられているスライドケース11Aの端部から離れた位置の両側部にリンク30(31)を取り付けるようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また上述の実施例においては、図4に示すように、突起部17(18)のガイド溝19(20)にそれぞれ係合するように別々の連結軸32(33)をスライドケース11Aに設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、突起部17(18)のガイド溝19(20)に係合する一つの連結軸を設けるようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また上述の実施例においては、図4に示すように、リンク30(31)及びガイド溝38(39)を本体11の両側に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、本体11の中央部にリンク及びガイド溝をそれぞれ一つだけ設けるようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0043】
さらに上述の実施例においては、本発明を携帯電話装置10に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば無線機等のマイクロホン及びスピーカを有する携帯型通信端末装置に広く適用し得る。
【0044】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、軸、リンク及びバネ材を介して第1のケースを第2のケースに連結させたことにより、第1のケースが第2のケースに対して収納状態から伸張状態に起き上がる際に第1のケースをユーザの顔の輪郭に沿つて伸張させることができ、従つて第1のケースの可動範囲を小さくしながら、スピーカとマイクロホンとの位置をユーザの耳と口の位置に適合し得、このとき軸及びリンクの両方で当該第1のケースを安定的に支持することができる。かくするにつき使用中でも容易に通話し易い形状に伸張することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による携帯電話装置の外観を示す略線図である。
【図2】携帯電話装置の収納及び伸張状態の説明に供する略線図である。
【図3】携帯電話装置の回路構成を示すブロツク図である。
【図4】携帯電話装置のスライド機構を示す略線的側面図である。
【図5】携帯電話装置のスライド動作の説明に供する略線的側面図である。
【図6】他の実施例による携帯電話装置の伸張状態の説明に供する略線図である。
【図7】他の実施例による携帯電話装置の収納及び伸張状態の説明に供する略線図である。
【図8】従来の携帯電話装置の収納及び伸張状態の説明に供する略線的側面図である。
【図9】従来の携帯電話装置の収納及び伸張状態の説明に供する略線的側面図である。
【符号の説明】
10……携帯電話装置、11……本体、11A……スライドケース、11B……主ケース、13……スピーカ、14……マイクロホン、16……操作キー、17、18……突起部、19、20……ガイド溝、25……スライド検出器、30、31……リンク、32、33……連結軸、34、35……ねじ、36、37……連結軸、38、39……ガイド溝、40、41……コイルバネ。

Claims (3)

  1. 下部にマイクロホンが設けられると共に、前面に操作キーが設けられた第1のケースと、
    前面上部にスピーカが設けられると共に、上記操作キーによる入力操作の有効又は無効の切換制御と通話状態又は終話状態の切換制御とを行う電気回路を収納する第2のケースと、
    上記第1のケースの上端側に設けられ、かつ上記第2のケースの長さ方向に設けられた第1の溝に係合することにより、上記第1のケースの上端側が上記第2のケースの長さ方向に摺動するように当該第1及び第2のケースを連結する軸と、
    一端が上記第1のケースの上端側から離れた位置に回動自在に取り付けられ、かつ他端が上記第2のケースの奥行き方向に設けられた第2の溝に係合するように取り付けられることにより、収納時には上記第1のケースの前面と上記第2のケースの背面とが向かい合い、伸張時には上記第1のケースの下部が上記第2のケースから離隔して起き上がるように連結するリンクと、
    上記第2のケースに配設され、上記リンクの上記他端を前面側に付勢するバネ材と
    を具えることを特徴とする携帯型通信端末装置。
  2. 上記電気回路は、
    上記第1のケースが収納状態又は伸張状態のいずれであるかを検出する検出手段と、
    上記検出手段の検出結果が上記収納状態であれば上記操作キーを無効にし、上記伸張状態であれば上記操作キーを有効にする制御手段と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の携帯型通信端末装置。
  3. 上記電気回路は、
    上記第1のケースにおける収納状態から伸張状態へのスライド動作又は伸張状態から収納状態へのスライド動作を検出する検出手段と、
    上記検出手段の検出結果が上記収納状態から上記伸張状態へのスライド動作であれば通話状態に遷移させ、上記伸張状態から上記収納状態へのスライド動作であれば終話状態に遷移させる制御手段と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の携帯型通信端末装置。
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