JP3759251B2 - Expansion joint - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物の躯体間隙を塞ぐエキスパンションジョイントに関する。なお、本発明に言う躯体は、構造躯体自体に限らず柱や取付用固定部等、エキスパンションジョイントを連結する躯体側の種々の固定部分を含む広義の意味で使用しており、本発明はこのような構成を含むものである。
【0002】
【従来の技術】
間隙両側の躯体各端部に固着した両固定部材に亘って、弾性変形可能なバネを架設し、このバネ中央に両躯体間に亘る幅のカバー板の中央部を連結する構成のエキスパンションジョイントが知られている。これに対してバネを用いない構成のものとして、杆体を井桁状に組み合わせて間隙幅方向(X方向)に伸縮自在とした構造を有する補強体を用い、この両端を隣接躯体に固着した固定部材にそれぞれ軸止し、この軸回転による角度変更によって間隙長手方向(Y方向)の変動に追従可能とし、両躯体端部表面に沿ったカバー板をそれぞれ躯体面と交叉方向(Z方向)に回転可能に取り付け、この両カバー板に両側が所定幅重合するように間隙カバー板を配設し、間隙カバー板の中央と補強体の伸縮構造の中央部とを軸連結した構成のエキスパンションジョイントが公知である(特開昭57−201446号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記バネを用いた構成のものは、躯体変動に追従可能な範囲が比較的狭く、大きな変動に対応できない問題があると共に、連結の物理的強度が比較的小さいため、変動が大きいとカバー板などが離脱するおそれがあった。これに対してバネを介せずに硬質部材をネジ等で結合すれば離脱のおそれを少なくすることができる。この場合、大きな変動に対してより安定した追従が可能な構成とし、かつ変動に伴ってカバー板などにゆがみ(ずれ)が生じない構成とし、しかも構成そのものが簡潔であるのが好ましい。
上記後者の構成について言えば、比較的複雑な伸縮構造を採用し、X方向の変動許容範囲は井桁状の比較的狭い伸縮構造の範囲に限定され、Y方向はこの伸縮構造部分が固定部材に軸止されることによる回転可能な範囲に限定されると共に、間隙カバー板は補強体に一つの軸で連結されているために、変動摩擦を受けて間隙カバー板が回転しゆがんでしまうおそれがある等の問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を含めて改善し、バネを用いなくとも躯体変動が吸収可能であり、かつ簡潔な構成を有し、大きな変動にも対応して追従し変動吸収が確実に行われ、かつカバー板に不測のゆがみが生じさせることのないエキスパンションジョイントを提供せんとするものであり、床と床、屋根と屋根、床と壁、屋根と壁等の間隙部分に適用することができ、免震構造物でなくとも施工して十分にエキスパンションジョイントの機能を発揮し得ると共に、特に、基礎と上部構造物との間に高減衰装置を設置した免震構造物における間隙部分に適用してより一層高い効果を奏するエキスパンションジョイントを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のエキスパンションジョイントは、間隙両側又は片側の躯体部分に連結すると共に躯体表面に沿うカバー面を有する端部カバー板に対し、間隙を覆う間隙カバー板を幅方向端部が適宜幅で重なり合うように配設することにより、躯体間隙を被覆するようにしたエキスパンションジョイントにおいて、間隙両側の躯体側乃至間隙カバー板に間隙長手方向に沿う適宜長さのガイドレールをそれぞれ固着し、両ガイドレールに移動自在に移動部材を装着し、各移動部材に両端部を軸止した連結杆を躯体間に斜行状態となるように配設し、この連結杆に適宜長さの補助杆の中間部を両杆が互いにX状となるように軸止し、上記ガイドレール内には移動自在な補助移動部材を装着し、これに上記補助杆の一端を軸止し、間隙カバー板の裏面の幅中間部に間隙長手方向の補助ガイドレールを固着し、これに補助移動部材を装着し、この補助移動部材に上記補助杆の他端を軸止し、かつ連結杆中間部と間隙カバー板とを軸止状態を介して連結した構成を有することを特徴とする。
上記連結杆には、1本の補助杆を軸止したものとし、或いは2本の補助杆を連結杆の両側部分にそれぞれ軸止したものとすることができる。
なお、上記連結杆と補助杆はいずれも躯体表面に対して少なくとも平行方向に回転自在であり、ガイドレールと補助ガイドレールはいずれも躯体表面に対して少なくとも平行方向に移動自在である。
【0006】
本発明はさらに、上記各構成において、間隙カバー板の中間部から両側又は片側の端部カバー板に跨がる長さの規制杆を間隙カバー板の裏面中間部に軸止し、規制杆の両側部又は片側部を躯体側の定位置に形成した所定長さの受け部を通るように配設した構成を有したものとすることができる。
規制杆は、間隙カバー板と共に間隙幅方向に躯体に対して相対的にスライドできるように設置され、間隙長手方向には、少なくとも片側の躯体側と自由状態となるか、両躯体側に対して角度変位自在乃至スライド自在となるようにしてなっている。
【0007】
上記ガイドレールに装着する移動部材は長く設定すると共に、その側面に補助杆がスライド可能となるようにスライド溝を開口させ、移動部材の内側に補助移動部材を移動自在に装着してなる構成とすることができる。
また、移動部材と補助移動部材とは共にガイドレール内に直接的に移動自在に装着してなる構成とすることもできる。
【0008】
上記構成のエキスパンションジョイントは、躯体A,Bが間隙幅方向(X方向)に変動した場合には、連結杆の傾斜状態が躯体間隙方向に対して変位すると共にこの両端に軸止した移動部材がガイドレールに沿って移動して追従作用し、また、連結杆に補助杆が軸止されている場合には、両杆の交叉角が変位すると同時に両杆を軸止した移動部材と補助移動部材がガイドレールに沿って移動して追従作用する。
間隙カバー板は、この連結杆に軸止状態を介して連結されているので、躯体の変動によるゆがみを受けることがない。補助杆を軸止している場合には、間隙カバー板が補助移動部材を移動自在に装着した補助ガイドレールと一体となっていることにより、変動によるゆがみを受けることなく、常に両躯体間すなわち両側の端部カバー板間に正確に位置し続け、その中央からずれることがなく、離脱のおそれも生じない。
【0009】
躯体A,Bが間隙長手方向(Y方向)に変動した場合には、連結杆を軸止している少なくとも一方の移動部材とガイドレールとが互いに自在に移動(スライド)し合って変動を吸収し、補助杆を軸止している場合は、少なくともいずれか一方の移動部材、補助移動部材とガイドレール、補助ガイドレールとが互いに自在に移動し合って変動を吸収し、間隙カバー板も端部カバー板に対して相対的にスライドするので、上記同様に変動を吸収し得る。
X,Y方向を含む平面上のあらゆる変動にも上記の複合作用によって追従でき、変動を吸収することができる。間隙両側の躯体部分が互いにZ方向の異なる方向に変動し合うことは通常少なく、またあっても相対的変動幅は少ないので、この変動は各カバー板、各杆、各連結部等のたわみやずれによって吸収することができる。ヒンジ部を設けるなど適当なZ方向の変動追従構成を採用するのは任意である。
規制杆は、間隙長手方向の躯体変動において、間隙カバー板が一方の躯体乃至端部カバー板と一体的に作用し、他方の躯体乃至端部カバー板に対してスライド自在となるか、或いは両方の躯体乃至端部カバー板に対して均等的にスライド自在となるように作用し得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面によって説明する。
図1〜6は本発明エキスパンションジョイントの一例を示しており、図1はその裏面図、図2はその断面状態図、図3,4は各連結部の分解斜視図、図5,6は図3,4の部分を図2と同様に示した部分拡大断面図である。
【0011】
1はガイドレールであって、間隙S両側の水平状の躯体A,B(例えば床と床)の間隙側端面部分に間隙長手方向に沿ってそれぞれ固着したCチャンネル状部材(断面アングル形、L形、丸筒C形状その他のガイドレールとして機能し得る適宜形状でよい)とし、このレール1内にスライド或いはころがり自在に装着した移動部材2,補助移動部材3が十分に移動可能な長さを有しており、これら移動部材を保持できるようにC形の背面を躯体側に、開口部1aを間隙S内方に向けて配設し、アングル部1b(ガイドレールの一部分であってもよく、アングル以外の形状であってもよい)によって躯体側に固着してある。
【0012】
移動部材2は、ガイドレール1内に移動自在に装着されており、開口部2aをガイドレール1と同向きとしたCチャンネル状(前記同様に適宜形状でよい)とし、このレール1内に装着した補助移動部材3が十分に移動可能な長さを有し、かつ開口部形成面の一端部を閉塞面2bとし、この閉塞面2bから軸止片2cを水平状に突設(閉塞面を設けずにC形の開口上下面部分或いは背面から突設していてもよい)してある。軸止片2cは装着状態においてガイドレール1の開口部1aから突出しかつ開口部1a内を長手方向に自在に移動できるように形成してある。
補助移動部材3は、移動部材2内に移動自在に装着されており、移動部材2と逆向きのCチャンネル状の短尺体で、Cチャンネル形状の背面3aから軸止片3bを水平状に突設してある。軸止片3bは装着状態において前記開口部1a及び開口部2aから突出しかつこれら開口部内を長手方向に自在に移動できるように形成してある。なお、補助移動部材3は移動部材2内に装着された部分が、コ字形、角柱体、円柱体、或いはベアリングの如き回転体等でもよい。
【0013】
4は連結杆であって、躯体A,Bに固着されたガイドレール1,1間に亘ると共に、間隙カバー板8と同様に躯体変動で想定される間隙Sの最大拡幅状態に対応可能な長さに設定してあり、その両端部を移動部材2の軸止片2cに垂直軸によってそれぞれ軸止4aしてある。なお、軸止片2cがその付け根部(図では閉塞面2b)で回転自在となっているか、連結杆4の軸止部を含む先端部が連結杆本体に対して回動自在となっているなどして、連結杆が水平方向に変位可能であれば、上記軸止4aは垂直軸に限定されるものではない。
また、連結杆4の中央部(2分割点)には後述するように間隙カバー板8を軸止4bし、連結杆4の半分づつの各中央部(4分割点)には補助杆5,5の中央部をそれぞれ軸止4c,4cしてある。
補助杆5は、連結杆4の略々1/2の長さを有しており、連結杆4に対してX状に軸止し、その一端を上記補助移動部材3の軸止片3bに上記同様に水平方向に回転自在に軸止5aし、他端を後述する補助移動部材10に同様に水平方向に回転自在に軸止5bしてある。
【0014】
一方、躯体A,Bの端部表面には固定板6を固着するのが好ましく、固定板6はその一端部を間隙S内に若干張出状態(または図示しないが張出さない状態)で設置し、この端部を間隙外側方向に若干立ち上げ、または立ち上げた上でさらに折り返すなどして、折返し縁6aを形成し、この折返し縁6aの中間部(すなわち軸止部4bと間隙幅方向に合致する位置)を後述する規制杆11が角度変更自在に挿入配置されるように、適度な長さで切欠するかまたは図3に想像線で示すように長孔状にするなどして、受け部6bを形成し、上記端部の下面は好ましくはガイドレール1の上面と接合し両面を溶接一体化できるようにし、ガイドレールが安定した固着状態を維持できるようにしてある。
なお、上記ガイドレール1と固定板6とは、アルミ押出材等によって一体の形材として形成することも可能である。
上記折返し縁6a上には間隙カバー板8がスライド自在に重なり、さらにその上に端部カバー板7が重なるようになっている。
【0015】
端部カバー板7は、固定板6と略々同幅、間隙カバー板8と同長の板体で、固定板6と対面し、その間に間隙カバー板8が装着されスライド可能となるように配設し、間隙とは反対側の端部を固定板6に固着してある。
8は間隙カバー板であって、両躯体A,B上に配設した端部カバー板7,7の間隙幅方向略々半分位置に亘る幅を有した適宜長さの板体としてなり、この裏面の幅中央部に間隙長手方向の補助ガイドレール9,9を固着し、このレール9,9は規制杆11の軸止部4b付近に規制杆11が自在に角度変化できるような間隔をおいて形成し、裏面の間隙幅方向外端縁には係止突起8aを形成してある。補助ガイドレール9は、間隙Sの奥方に向かって開口部を有したCチャンネル状部材であって、連結杆4に対してX状に軸止された補助杆5の端部を軸止5bした補助移動部材10が十分に移動可能な長さを有して形成してあり、補助移動部材10は断面C形状乃至コ字形状(角柱体、円柱体或いはベアリングの如き回転体等でもよい)を有した短尺部材で、その背面に補助杆5の他端を軸止5bしてある。
【0016】
而して、上記エキスパンションジョイントは、間隙S両側の躯体A,B部分の表面を端部カバー板7,7で表装すると共に、両端部カバー板7,7間に間隙カバー板8を配設し、間隙カバー板8の両側部分が躯体A,Bと端部カバー板7,7との間にスライド自在に差し込まれた外装状態となっている。また、躯体変動に対する追従構成は、連結杆4に補助杆5,5を軸止し、連結杆4の両端をガイドレール1,1に移動自在に装着した移動部材2,2に軸止すると共に、補助杆5,5の外側端をガイドレール1,1に移動自在に装着した補助移動部材3,3に軸止し、補助杆5の内側端を間隙カバー板8裏面の補助ガイドレール9に移動自在に装着した補助移動部材10に軸止し、連結杆4の中央部を間隙カバー板8に軸止すると共に、同軸で規制杆11の中央部を軸止し、規制杆11は固定板6の受け部6b内に通してある。
【0017】
従って、例えば、間隙カバー板8の左右両側の半分づつが端部カバー板7,7にそれぞれ重なり合った図1の設置状態から、躯体A,BがX方向に離反変動して間隙Sが拡大した場合には、図7に示すように、斜め状態の連結杆4がガイドレール1に対して直交状態に近づくように変位し、同時に補助杆5,5も同様に変位し、かつ同時に移動部材2,2、補助移動部材3,3と10,10が移動し、規制杆11は自由に受け部6b内でずれる。連結杆4と補助杆5とは互いの軸止部分の側部同士が当接するまで変位可能である。
また、躯体A,BがX方向に接近して間隙Sが縮小した場合には、図8に示すように、図7とは逆方向に作用し、連結杆4と補助杆5とが補助ガイドレール9で略々同一線上に重合状態となるまで変位可能である。
さらに、躯体A,BがY方向に相対的に平行移動して変動した場合には、図9に示すように、連結杆4を軸止した移動部材2,2、補助杆5を軸止した補助移動部材3,3、及び補助移動部材10,10の3部分の内の2乃至3部分と、ガイドレール1乃至補助ガイドレール9とが相対的にスライドして変動を吸収する。この際、規制杆11も躯体と一体となった固定板6の受け部6bに規制されて斜め方向に変位することになる。
【0018】
躯体A,Bの変動は実際にはX,Y方向が複合された円状の運動を含むことになり、この場合には上記図7〜9の複合変動となるが、いずれの変動にも簡潔な構成による軸止部分の回転運動と移動部材、補助移動部材の移動運動で滑らかに追従でき、しかも間隙カバー板8が連結杆4と補助杆5の3点で保持されているので、躯体間に安定して位置し続けることができ、間隙Sに対してねじれることもない。Z方向(間隙奥行方向で通常は建造物の上下方向)の変動は、間隙両側の躯体部分が互いに異なる変動をする場合に生じるが、通常は躯体両側部分も同時に同様の変動をするものであって、互いに大きく異なる変動をすることはない。このZ方向の変動は各カバー板、各杆等の長さによるたわみ(変形)や接続部の相対的ずれ等の許容範囲内で吸収されるので問題はない。
【0019】
また、規制杆11を設けないでも上記作用は可能であるが、設けることにより、躯体が変動して間隙カバー板8に軸止した規制杆11が変位(回転)しても、躯体に固定された固定板6の受け部6bによって規制杆が位置規制されてずれないので、連続した変動に伴い各部の異なる摩擦抵抗を受けることによって間隙カバー板8が長手一方向へずれて元位置に復帰できなくなることを防止し、適切な被覆状態を維持することができる。
【0020】
上記エキスパンションジョイントにおける連結杆4と補助杆5をX状に軸止した連結構造は、間隙カバー板8が比較的短いものの場合には1本の間隙カバー板の裏面1箇所にのみ形成すればよく、長さのある長尺状のものの場合には両端部付近等適宜2箇所以上に形成することができる。いずれの場合であっても、ガイドレール1と補助ガイドレール9によるスライド構成によって、温度変化等に伴う間隙カバー板8自体の伸縮も吸収することができ、被覆状態を損なわせることがない。
【0021】
図10は、上記とは異なる実施形態を示しており、間隙カバー板8と躯体Bの端部カバー板7とは、互いにY方向にスライド自在であるが、躯体Aの端部カバー板7は柱Pが隣接しているなどの躯体A側の設置環境のために、間隙カバー板8と互いにY方向にスライドできない場合のエキスパンションジョイントの一例である。間隙カバー板8と同長の端部カバー板7を躯体A側に配設し、躯体B側には想定したY方向の変動に追従できるに十分な長さの端部カバー板7を配設する。両躯体側にガイドレール1,1を設置し、これに移動部材2,2に軸止した連結杆4を吊設する構成は前記実施例と同様である。規制杆11は、この間隙カバー板8の中央に軸止4bし、この軸止部から躯体Aの端部カバー板7側の間隙カバー板端に至る長さで配設し、これを挿通する受け部(図示せず)を2箇所に形成して、規制杆11が間隙カバー板8と躯体Aの端部カバー板7とに直交状態を維持してX方向にスライド自在となるように設置してある。補助ガイドレール9、補助移動部材3,10、補助杆5は設けていない。従って、間隙カバー板8は、その中央部において連結杆4の中央部と規制杆11の一端部に軸止され、両側部分を端部カバー板7,7に重なり合わせてある。
【0022】
上記構成によれば、躯体A,BのX方向への変動に対しては、前記実施例同様に追従でき、変動を吸収することができる。また、Y方向の変動に対しては、躯体A側の端部カバー板7と間隙カバー板8は、躯体A側に直交状態に規制されているので、躯体Aと一体的に変動し、躯体B側の端部カバー板7は、連結杆4によって規制されているので、移動部材2とガイドレール1の移動によって間隙カバー板8と相対的にスライド自在に変動することになり、これらの複合方向への変動にも追従することができる。
【0023】
図11は、さらに異なる実施形態の一例を示してある。
このエキスパンションジョイントは、躯体A,Bのパラペット天端部分にそれぞれ固定した端部カバー板7,7上に間隙カバー板8を設置して間隙Sを被覆するようにした屋根形のエキスパンションジョイントの例である。
両躯体端にはガイドレール1,1を設置し、移動部材2,2をそれぞれ移動自在に装着し、これに連結杆4の両端を軸止4aし、連結杆4の中央部には軸止4b部を介して規制杆11を水平に連結し、この規制杆11の両端に、規制杆の上側に跨がる支持部材12の両端を連結し、この支持部材13に間隙カバー板8を被嵌してある。端部カバー板7,7の内端部からは支持脚7a,7aをそれぞれ立設し、この支持脚7a,7aと規制杆11の左右中間部とを互いにスライド自在に連結6c,6dしてある。連結6cは、規制杆11の長手方向に設けた長孔にボルトナットでスライド自在に連結部材13を止め、この連結部材13に支持脚7aの上端を回動自在に連結してなし、連結6dは、規制杆11をスライド自在に受けるガイド部材14を組合せ、このガイド部材14に支持脚7aの上端を回動自在に連結してなしてある。
この作用は前記各実施例の共通構成部分と同様である。
【0024】
図示しないが、床と壁、屋根と壁の如き水平面と垂直面とを結ぶエキスパンションジョイントとする場合には、間隙カバー板の一端部及び一方の端部カバー板を垂直面に沿う形状とし、その他の部分も垂直面に沿うように構成すればよい。補助杆5は、設置箇所の状況によって設けなくてもエキスパンションジョイントの機能を全うすることができるが、連結杆4に1本の補助杆5を連結すれば、間隙カバー板8のスライドがねじれを起こさずに安定して円滑に行われ、また連結杆4の両側に2本の補助杆5を連結することにより、一層高い安定性を得ることができる。
なお、上記実施例では、移動部材の移動幅をより大きく取るために補助移動部材3をこれよりも長い移動部材2内に移動自在に装着した構成を示したが、いずれも短尺部材として両部材2,3が各別にガイドレール1に直接装着された構成とすることも可能である。
また、規制杆11は間隙カバー板8の両側に亘るものとして、両躯体側の受け部を通すようにすれば、間隙カバー板8とこの両側の端部カバー板7,7との相対的なスライドを均等的に行わせることができるが、片側の躯体側の受け部にのみ通すように、間隙カバー板8の片幅分にのみ配設することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエキスパンションジョイントの設置状態を間隙奥方から見た裏面図である。
【図2】図1のエキスパンションジョイントの設置状態を一部断面で示した側面図である。
【図3】ガイドレールと移動部材、補助移動部材等の構成を示した分解斜視図である。
【図4】間隙カバー板、補助ガイドレール、補助移動部材等の構成を示した分解斜視図である。
【図5】図3の構成部分の設置状態を一部断面で示した部分側面図である。
【図6】図4の構成部分の設置状態を一部断面で示した部分側面図である。
【図7】図1のエキスパンションジョイントがX方向に離反変動した状態を示す正面図である。
【図8】図1のエキスパンションジョイントがX方向に接近変動した状態を示す正面図である。
【図9】図1のエキスパンションジョイントがY方向に平行移動して変動した状態を示す正面図である。
【図10】本発明に係る別のエキスパンションジョイントの一例を示し、設置状態を概略状態で示した裏面図である。
【図11】本発明に係るさらに別のエキスパンションジョイントの一例を示し、設置状態を一部断面で示した側面図である。
【符号の説明】
1 ガイドレール
1a 開口部
1b アングル部
2 移動部材
2a 開口部
2b 閉塞面
2c 軸止片
3 補助移動部材
3a 背面
3b 軸止片
4 連結杆
4a,4b,4c 軸止
5 補助杆
5a,5b 軸止
6 固定板
6a 折返し縁
6b 受け部
7 端部カバー板
8 間隙カバー板
8a 係止突起
9 補助ガイドレール
10 補助移動部材
11 規制杆
P 柱
6c,6d 連結
7a 支持脚
12 支持部材
13 連結部材
14 ガイド部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an expansion joint that closes a gap of a building frame. The casing referred to in the present invention is not limited to the structural casing itself, and is used in a broad sense including various fixing portions on the casing side connecting the expansion joint, such as columns and mounting fixing portions. Such a configuration is included.
[0002]
[Prior art]
An expansion joint having a structure in which an elastically deformable spring is installed over both fixing members fixed to the ends of the housing on both sides of the gap, and the center portion of the cover plate having a width extending between the housings is connected to the center of the spring. Are known. On the other hand, as a structure that does not use a spring, a fixing member having a structure in which the casings are combined in a cross beam shape and can be expanded and contracted in the gap width direction (X direction), and both ends thereof are fixed to the adjacent casings. By changing the angle by rotating the shaft, it is possible to follow the fluctuation in the longitudinal direction of the gap (Y direction), and the cover plates along the surfaces of both ends of the housing are rotated in the crossing direction (Z direction) with the housing surface. An expansion joint having a structure in which a gap cover plate is disposed so that both sides are overlapped with each other by a predetermined width and the center of the gap cover plate and the central portion of the expansion / contraction structure of the reinforcing body are axially connected is known. (Japanese Patent Laid-Open No. 57-201446).
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The structure using the above spring has a problem that the range that can follow the fluctuation of the housing is relatively narrow and cannot cope with the large fluctuation, and the physical strength of the connection is relatively small. There was a risk of leaving. On the other hand, if the hard member is coupled with a screw or the like without using a spring, the risk of detachment can be reduced. In this case, it is preferable that the configuration allows more stable follow-up with respect to a large variation, a configuration in which the cover plate or the like is not distorted (displaced) with the variation, and the configuration itself is simple.
With regard to the latter configuration, a relatively complicated stretch structure is employed, and the allowable range of variation in the X direction is limited to the range of a relatively narrow stretch structure with a girder shape. Since the gap cover plate is connected to the reinforcing body by a single shaft, the gap cover plate may be rotated and distorted due to fluctuating friction. There were some problems.
[0004]
The present invention has been improved, including the above-mentioned problems, can absorb the fluctuation of the housing without using a spring, has a simple structure, and can follow the large fluctuation and reliably absorb the fluctuation. It is intended to provide an expansion joint that does not cause unexpected distortion in the cover plate, and can be applied to gaps between floors and floors, roofs and roofs, floors and walls, roofs and walls, etc. It can be applied even if it is not a seismic isolation structure, and it can fully function as an expansion joint.In particular, it can be applied to gaps in seismic isolation structures where a high damping device is installed between the foundation and the upper structure. To provide expansion joints with even higher effects.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the expansion joint of the present invention has a gap cover plate that covers the gap in the width direction with respect to an end cover plate that has a cover surface that is connected to the case on both sides or one side of the gap and has a cover surface along the case surface. In an expansion joint that covers the housing gap by arranging the ends so as to overlap with each other as appropriate, guide rails having appropriate lengths along the longitudinal direction of the gap are respectively provided on the housing side or the gap cover plate on both sides of the gap. A moving member is attached to both guide rails so as to be movable, and a connecting rod having both ends fixed to each moving member is arranged so as to be in a skewed state between the housings. An intermediate portion of the auxiliary rod is pivoted so that both rods are X-shaped with each other, a movable auxiliary moving member is mounted in the guide rail, and one end of the auxiliary rod is pivoted to this. An auxiliary guide rail in the longitudinal direction of the gap is fixed to the intermediate width portion of the back surface of the gap cover plate, and an auxiliary moving member is attached to the auxiliary guide rail. The other end of the auxiliary rod is fixed to the auxiliary moving member, and the connecting rod intermediate It has the structure which connected the part and the gap | interval cover board through the axial stop state.
The connecting rod may have one auxiliary rod fixed to the shaft, or two auxiliary rods may be fixed to both side portions of the connecting rod.
The connecting rod and the auxiliary rod are both rotatable at least in a direction parallel to the surface of the housing, and both the guide rail and the auxiliary guide rail are movable at least in a direction parallel to the surface of the housing.
[0006]
Further, according to the present invention, in each of the above configurations, a restriction rod having a length extending from the middle portion of the gap cover plate to the end cover plates on both sides or one side is axially fixed to the rear surface middle portion of the gap cover plate. It may have a configuration in which both side portions or one side portion is disposed so as to pass through a receiving portion having a predetermined length formed at a fixed position on the housing side.
The restriction rod is installed together with the gap cover plate so as to be slidable relative to the case in the gap width direction. In the longitudinal direction of the gap, the restriction rod is free from at least one of the case sides or to both the case sides. It is designed to be freely angularly displaceable or slidable.
[0007]
The moving member to be mounted on the guide rail is set to be long, and a slide groove is opened on the side surface so that the auxiliary rod can slide, and the auxiliary moving member is movably mounted inside the moving member. can do.
Further, both the moving member and the auxiliary moving member can be configured to be directly movable in the guide rail.
[0008]
In the expansion joint configured as described above, when the housings A and B change in the gap width direction (X direction), the inclined state of the connecting rod is displaced with respect to the housing gap direction, and the moving members pivoted at both ends are provided. When the guide rod moves along the guide rails and the auxiliary rod is fixed to the connecting rod, the crossing angle of both rods is displaced and at the same time the moving member and the auxiliary moving member are fixed. Moves along the guide rail and follows up.
Since the gap cover plate is connected to the connecting rod through a shaft stop state, the gap cover plate is not distorted by the variation of the casing. When the auxiliary rod is fixed to the shaft, the gap cover plate is integrated with the auxiliary guide rail on which the auxiliary moving member is movably mounted. It continues to be accurately positioned between the end cover plates on both sides, does not deviate from the center, and does not cause a detachment.
[0009]
When the casings A and B change in the longitudinal direction of the gap (Y direction), at least one moving member that fixes the connecting rod and the guide rail move (slide) freely so as to absorb the change. However, when the auxiliary rod is fixed, at least one of the moving members, the auxiliary moving member and the guide rail, and the auxiliary guide rail move freely with each other to absorb fluctuations, and the gap cover plate also ends. Since it slides relatively with respect to the part cover plate, it can absorb the fluctuation as described above.
Any fluctuation on the plane including the X and Y directions can be tracked by the above-mentioned combined action, and the fluctuation can be absorbed. The body parts on both sides of the gap rarely fluctuate in different directions in the Z direction, and even if there are few relative fluctuations, this fluctuation is caused by the deflection of each cover plate, each ridge, each connecting part, etc. Can be absorbed by displacement. It is optional to employ an appropriate variation follow-up configuration in the Z direction, such as providing a hinge portion.
In the case where the restriction rod is changed in the gap longitudinal direction, the gap cover plate acts integrally with one case or the end cover plate, and is slidable with respect to the other case or the end cover plate, or both. It can act so that it can slide evenly with respect to the housing or the end cover plate.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
1 to 6 show an example of an expansion joint according to the present invention, FIG. 1 is a rear view thereof, FIG. 2 is a sectional view thereof, FIGS. 3 and 4 are exploded perspective views of each connecting portion, and FIGS. It is the elements on larger scale which showed the part of 3 and 4 similarly to FIG.
[0011]
[0012]
The moving
The auxiliary moving
[0013]
Further, as will be described later, a
The
[0014]
On the other hand, it is preferable to fix the fixing
The
A
[0015]
The
[0016]
Thus, the expansion joint has the surfaces of the casings A and B on both sides of the gap S covered by the
[0017]
Therefore, for example, from the installation state of FIG. 1 in which the left and right halves of the
Further, when the housings A and B approach the X direction and the gap S is reduced, as shown in FIG. 8, it acts in the opposite direction to FIG. 7, and the connecting
Further, when the casings A and B are moved by parallel translation in the Y direction, as shown in FIG. 9, the moving
[0018]
The fluctuations of the casings A and B actually include a circular motion in which the X and Y directions are combined. In this case, the fluctuations are the combined fluctuations shown in FIGS. Since it can be smoothly followed by the rotational movement of the shaft stop portion and the moving movement of the moving member and auxiliary moving member, and the
[0019]
Further, the above-described operation can be performed without providing the
[0020]
The connecting structure in which the connecting
[0021]
FIG. 10 shows an embodiment different from the above. The
[0022]
According to the said structure, it can track with respect to the fluctuation | variation to the X direction of the housings A and B like the said Example, and can absorb a fluctuation | variation. Further, the
[0023]
FIG. 11 shows an example of a further different embodiment.
This expansion joint is an example of a roof-shaped expansion joint in which a
This operation is the same as that of the common components of the above embodiments.
[0024]
Although not shown, in the case of an expansion joint that connects a horizontal surface and a vertical surface such as a floor and a wall, a roof and a wall, one end portion of the gap cover plate and one end cover plate are shaped along the vertical surface, and others The portion may be configured along the vertical plane. Although the
In the above embodiment, the
Further, if the restricting
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a rear view of an expansion joint according to the present invention as viewed from the back of a gap.
2 is a side view showing a partial cross-sectional view of an installation state of the expansion joint of FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is an exploded perspective view showing configurations of a guide rail, a moving member, an auxiliary moving member, and the like.
FIG. 4 is an exploded perspective view showing configurations of a gap cover plate, an auxiliary guide rail, an auxiliary moving member, and the like.
FIG. 5 is a partial side view showing the installation state of the components shown in FIG. 3 in a partial cross section.
6 is a partial side view showing the installation state of the components shown in FIG. 4 in a partial cross-section.
7 is a front view showing a state in which the expansion joint of FIG. 1 has moved away in the X direction. FIG.
8 is a front view showing a state in which the expansion joint of FIG. 1 has moved close to the X direction.
9 is a front view showing a state in which the expansion joint of FIG. 1 has moved in parallel in the Y direction and fluctuated.
FIG. 10 is a back view showing an example of another expansion joint according to the present invention and showing an installation state in a schematic state.
FIG. 11 is a side view showing an example of still another expansion joint according to the present invention and showing a partially sectioned installation state.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23876996A JP3759251B2 (en) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | Expansion joint |
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