JP3756969B2 - 測定ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度等を測定するための測定ユニットに関し、特に、小型化で耐候性が高く消費電力の低い測定ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生産、販売、物流などの各方面で小型の測定ユニットを用いて種々の環境をモニターすることが検討されている。例えば、流通分野では冷凍食品を輸送する際に、コンテナ内の温度管理が必要不可欠であり、小型の測定ユニットを用いて個々のコンテナの温度を定期的にモニターできれば便利である。小型の測定ユニットを各コンテナ内に設置しておけば、仮にコンテナ内の温度が上昇したなどの異常が発生したと思われる場合に、測定ユニットが測定したデータをメモリーから読み出し解析することによって異常の発生の有無を簡単に判断できる。このような用途に用いられる測定ユニットはコンテナに入れて場所をとらないように小型であるとともに防水性、防塵性などの耐候性に優れた様々な環境に耐えられるものが望ましい。さらには長時間の輸送を考慮すると測定ユニットは長時間継続して温度をモニターできることが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
サーミスタ等のセンサ素子を独立した小型のハウジングに格納し、このセンサ素子が検出したデータをメモリーに格納し、後でメモリー内のデータを読みだしてパソコン等で解析することにより、測定ユニットを小型化でき、密閉して耐候性を上げることができる。しかし、メモリー内からデータを回収するためには、伝送用のケーブルを接続する必要があり、そのためのインタフェースにハウジングにピンタイプなどのコネクタを用意すると、完全に密閉した構造にするのが難しいので防水や防塵の面で問題が生じやすい。ハウジングの密閉度を上げるためにコネクタの部分に蓋を設けたり、パッキンを設置すると構造が複雑になるので測定ユニットが大きくなり、製造コストが上昇してしまう。
【0004】
コネクタを設ける代わりに、非接触型の、例えば、光通信を用いたインタフェースを設けることも可能である。測定ユニットの近傍にデータを回収するための通信ユニットを接近させて光通信を行うようにすれば、送信用発光素子として発光ダイオードが使用でき、受信用受光素子としてフォトダイオードやフォトトランジスタが使用できるので安価にシステムを構成できる。しかしながら、光通信を用いたシステムでは、受信用受光素子に信号を伝達する光以外の光、例えば照明や太陽の光が当たると、受信用受光素子がこれらを検出し動作するので、電流が流れ消費電力が大きくなってしまう。そのため、通信を行わない待機状態における消費電力が大きくなり、測定ユニットのバッテリーの容量は限られているので測定ユニットの実働可能な時間が少なくなってしまう。このため、受光素子の動作を停止させる押しボタンスイッチなどを設けることも可能であるが、スイッチなどの稼働部を防水あるいは防塵構造にするためには、上述したコネクタと同様の問題が生ずる。
【0005】
そこで、本発明は、温度などを継続して測定できるユニットにおいて、防塵や防水といった耐候性が高く、さらに、小型で長時間の動作が可能な測定ユニットを提供することを目的としている。また、簡易な構造で耐候性の高い測定ユニットを実現することにより、流通する個々のコンテナ毎に搭載可能な程度に安価な測定ユニットを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の測定ユニットは、温度などの物理量を検出するセンサ素子およびそのセンサ素子が検出したデータを記憶するメモリーを収納した密閉型のハウジングと、このハウジングの表面に配置されたインタフェース部とを有し、インタフェース部は、メモリーに記憶されたデータを出力する光通信を行うための送信用の発光素子と、受信用の受光素子と、受信用の受光素子の検出用の抵抗に対して十分に大きな抵抗値の検出用の抵抗に接続され、明るいときに微小な電流が流れる、明暗感知用の受光素子とを備えており、さらに、この明暗感知用の受光素子が暗状態を検出している間、受信用の受光素子を稼働状態にする制御手段を有する。
【0007】
本発明の測定ユニットは、センサ素子およびメモリーがハウジング内に収納され、通信ユニットに対しコネクタなどを用いずにデータを送信できる非接触式の光通信手段もハウジング内に収納される。さらに、この光通信手段は、明暗感知用の受光素子が暗状態を検出している間、受信用の受光素子を稼働状態にする制御手段によって稼働状態が制御される。このように本発明の測定ユニットは、温度などの物理量を測定し、記憶し、また、必要に応じて出力する手段の全てを小型のハウジング内に密封でき、さらに、光通信手段の制御も非接触式の手段を用いて制御ができるので、ハウジングにコネクタやボタンスイッチなどの露出する部分を設ける必要がなく、開閉する機構や、稼働部分をシールする機構などが不要となる。このため、複雑なシール構造は用いなくても、ハウジングをほぼ完全に密閉構造にできるので、防塵性や防水性といった耐候性に優れた小型の測定ユニットを提供できる。
【0008】
受信用受光素子の稼働状態は、明暗感知用の受光素子が暗状態を検出している間、受信用の受光素子を稼働状態にする制御手段により制御される。受光素子が動作しなければ光通信手段はノイズに対して応答しないので、消費電力を非常に小さくできる。さらに、測定ユニットの全体の形状とほぼ同じ形に凹んだ凹部と、その凹部に測定ユニットの全体をはめ込んだときに光通信手段と対応する位置に配置された光通信用のインタフェースとを有する通信ユニットによりデータを回収し、外部の解析装置に転送することが可能であり、周囲からのノイズを防止して高速で信頼性の高いデータ転送を行うことができる。さらに、凹部に、測定ユニットと噛み合う形状を設けることが望ましい。
【0010】
明暗感知用の受光素子を光通信手段の近傍に設けておくことが有効である。通信ユニットがデータを回収するために光通信手段に近づくと、光通信手段の回りが通信ユニットによって覆われるので必ず暗くなる。
【0011】
従って、明暗感知用の受光素子が暗状態を検出したときに光通信手段を稼働状態とすることにより、太陽や照明などによる光通信手段の誤動作を防止でき、無駄な電力消費を省くことができる。コンテナ内などの暗状態に測定ユニットが設置された場合は、光通信手段が稼働状態となるが、通信を開始させる光信号は発生しないので、光通信手段は動作せず、このような状態でも電力の浪費を防止できる。また、明暗感知用の受光素子を用いると通信ユニットの側に磁気や電波を発生する部分を設ける必要はなく、センサやメモリーなどの測定ユニット内の装置に磁気や電波に対する対策を施す必要もない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照にして本発明の実施例を説明する。図1に本発明の実施例に係わる温度測定ユニット10および通信ユニット50の概要を示している。本例の温度測定ユニット10は、周囲の環境の温度を測定するためのサーミスタと、サーミスタの測定データを一時的に格納するメモリーを内蔵している。そして、メモリー内に格納された測定データを通信ユニット50を介して回収し、通信ユニット50に接続されたパソコンなどの装置で解析することが可能である。本例の温度測定ユニット10は、例えば、縦が約60mm程度で横が約50mm程度の小型のハウジング19の内部に全ての装置が内蔵されている。ハウジング19の表面11の上部には、測定中の温度やユニットの動作モードなどを表示するための液晶表示部12が設けられている。ハウジング19の下部にはサーミスタ等の温度測定用のセンサが収納されている。また、その前面にあたるハウジングの表面11の下部に通信ユニットとの方向性を示すと共に温度の検出感度を上げるためのフィン状の突起13が設けられている。さらに、本例の温度測定ユニット10の液晶表示部12の下側に光通信によってデータの送受信を行うためのインターフェース部14が設けられている。このインタフェース部14には、測定ユニット10と通信ユニット50との間で光通信を行うための受信用の窓15および発信用の窓16、さらに、周囲の明暗を検出する明暗感知用の窓17が設けられている。これらの窓15、16および17の内部には、可視光や赤外線光などを用いた光通信によりデータの送受信を行う受信用のフォトトランジスタ、送信用のLED、さらに、明暗感知用のフォトトランジスタが設置されている。
【0013】
測定ユニット10からデータを取得するための通信ユニット50は、箱型のハウジング59を備えており、そのほぼ中央に温度測定ユニット10の形状とほぼ同じ形に凹んだ部分51が設けられている。また、この凹部51は、測定ユニットのフィン状の突起13と対応する位置がこれらと噛み合う形状に加工されている。さらに、凹部51には温度測定ユニット10のインタフェース部14と対応する位置に、光通信を行うための発信用の窓53と受信用の窓54を備えたインターフェース部52が設けられている。発信用の窓53には発信用のLEDが設けられており、また、受信用の窓54には、受信用のフォトトランジスタが設けられている。従って、凹部51に測定ユニット10をはめ込むと、測定ユニット10のインタフェース部14と、通信ユニット50のインタフェース部52が対峙し、光通信を行える状態になる。また、測定ユニット10のインタフェース部14に設けられた明暗感知用窓17も通信ユニット50によって覆われて暗くなる。このような光通信を用いた非接触式の通信方法を用いることにより、周囲からのノイズを防止し高速で信頼性の高いデータ転送を行うことができる。特に、本例のように通信ユニット50の凹部51に測定ユニット10を嵌め込んで光通信を行うことにより、受光部と発光部が1対1に間違いなく対峙し、周囲からのノイズをほぼ完全に防げるので、操作ミスもなく、確実に測定データを回収できる。さらに、通信ユニット50のハウジング59には、温度測定ユニット10のインターフェース部14から光通信により得たデータを外部のパソコン等の解析装置に転送するための出力線60が設けられている。なお、出力線60に代わり、無線など他の通信手段によってデータを転送することももちろん可能である。
【0014】
図2に、本例の温度測定ユニット10および通信ユニット50の概略の回路構成を示してある。本例の温度測定ユニット10は、周囲の温度を検出するためのサーミスタ21と、サーミスタ21で測定したデータを格納しておくメモリー22と、サーミスタ21で測定した温度や動作モードなどを表示する液晶表示板(LCD)23と、通信ユニット50との間で光通信を行うためのインタフェースである入出力部30と、この入出力部30のオンオフ制御や温度測定のタイミングなどを制御する制御部24、およびこれらに対し電力を供給するバッテリー25を備えており、これらが密閉形のハウジング19の内部に収納されている。
【0015】
本例の温度測定ユニット10の制御部24はマイクロプロッセサーやワンチップマイコンなどチップ化されたロジック回路によって構成されており、入出力部30の制御を行うとともに液晶表示板23の表示制御や、メモリー22の管理、サーミスタ21から得られたデータの処理など温度測定ユニット10に係わるすべての制御を行う。この制御部24は電源入力用の端子T1に接続されたバッテリー25からの電力によって動作する。制御部24の端子T2〜T5は入出力部30の制御用の端子であり、後述するようにこれらの端子T2〜T5に光通信用の各素子が接続されている。
【0016】
制御部24の温度測定用の端子T6には、サーミスタ21が接続されており、制御部24は入力されたサーミスタ21の検出値から周囲温度を算出する機能を備えている。また、制御部24に、サーミスタ21の検出値から温度を算出する際に検出された温度範囲などに基づき検出値を補正し、より正確な温度を得る機能など、温度測定に必要な諸機能を持たせることができる。制御部24のデータ出力用の端子T7には、RAMなどの一時記憶が可能なメモリー22が接続されており、制御部24で算出された温度を定期的に格納できるようになっている。
【0017】
例えば、メモリー22に256K程度のRAMを用ることにより、1分おきの温度データを格納すると、トータル16000のデータを記憶できるので約11日間分の測定データを自動的に記憶することができる。また、10分おきの温度データを格納すると約4ヵ月分の測定データを記憶することができる。このように、本例の温度測定ユニットを用いることにより長期間の温度変化を自動的に測定し、それらを記憶させることができる。もちろん、メモリーの記憶容量は上記に限定されるものではない。
【0018】
制御部24の表示用の端子T8には液晶表示板23が接続されており、温度測定ユニット10の測定した温度が表示できるようになっている。この液晶表示板23は、この他のデータを表示することももちろん可能であり、例えば、温度測定モード、摂氏あるいは華氏、さらにバッテリーの残量などを表示させることができる。この液晶表示板23は、ハウジング19に設けられた透明な液晶表示部12と対峙しており、ハウジング19の外部から見られるようになっている。
【0019】
本例の入出力部30は、通信ユニット50から発信された光信号を受信するためのフォトトランジスタ33、通信ユニット50に光信号を発信するためのLED34および周囲の明暗を検出するためのフォトトランジスタ32を備えている。発信用のLED34は、バッテリー25と制御部24のデータ発信用の端子T2の間に直列に接続されており、制御部24の制御の下でメモリー22に格納されたデータなどを光信号を介して通信ユニット50に送信できるようになっている。
【0020】
受信用のフォトトランジスタ33のコレクタ側は、信号検出用の抵抗37を介してバッテリー25と接続されており、また、エミッタ側は作動用のスイッチ35を介して接地されている。そして、検出用の抵抗37のフォトトランジスタ33の側の電圧が制御部24のデータ受信用の端子T3に印加されている。このため、受信用のフォトトランジスタ33が光信号を感知して電流が流れると、それに伴って端子T3の電圧信号が変動するので制御部24は光信号を検出できる。
【0021】
従って、制御部24は、通信ユニット50から送信された光信号をデコードし、それに応じたデータを送信するなどの処理が行えるようになっている。受信用のフォトトランジスタ33をオン・オフする作動用のスイッチ35は、制御部24の制御用の端子T4に接続されており、後述する明暗感知用のフォトトランジスタ32が暗状態を検出するとスイッチ35がオンされ、その他のときはスイッチ35はオフとなる。従って、受信用のフォトトランジスタ33は、暗状態でのみ稼働可能な状態となり、それ以外の場合は、受信用のフォトトランジスタ33に光が当たっても電流が流れない。
【0022】
本例の入出力部30に設けられている明暗感知用のフォトトランジスタ32はエミッタ側が接地されており、このコレクタ側には検出用の抵抗36が接続されている。また、検出用の抵抗36のフォトトランジスタ32の側の電圧が制御部24の明暗感知用の端子T5に印加されている。明暗感知用のフォトトランジスタ32に接続された抵抗36は抵抗値が十分に高いものが選択されている。このため、ハウジングの明暗感知用の窓17の周囲が明るいと微小な電流が抵抗36を流れ、明暗感知用の端子T5の電圧V0が基準値Vthより低くなる。一方、明暗感知用の窓17の周囲が暗くなるとフォトトランジスタ32はオフとなり、明暗感知用の端子T5の電位V0が基準値Vthより高くなる。従って、制御部24は明暗感知用の端子T5の電位V0によって受信用のフォトトランジスタ33の周囲が暗状態になったか否かを判断し、これに基づき受信用のフォトトランジスタ33を稼働状態にすることができる。
【0023】
通信ユニット50は、温度測定ユニット10に対し光信号を送信するためのLED42と、温度測定ユニット10からの光信号を受信するためのフォトトランジスタ43を備えており、これらは通信ユニット50内の全ての制御を行う制御部41に接続されている。さらに、制御部41からはパソコン等の外部の解析装置に受信したデータを転送するための出力線60がハウジング59の外部に延びている。本例の通信ユニット50の制御部41は温度測定ユニット10からメモリーに格納された温度データを受信する機能に加え、温度測定ユニット10の制御部24に温度を記録する時間間隔の設定や、表示単位の設定など温度測定ユニット10の制御に係わる設定の一切を行える機能を備えている。これらの設定や制御は通信ユニット50の側の送受信用のLED43およびフォトトランジスタ42、および温度測定ユニット10の側の送受信用のLED34およびフォトトランジスタ33の間で光通信を介して行われる。
【0024】
図3に本例の温度測定ユニット10の動作をフローチャートを用いて示してある。ステップ70において制御部24は明暗感知用の端子T5に印加されている電圧V0を基準電圧Vthと比較する。電圧V0が基準電圧Vthより低い場合は、明暗感知用の窓17の周囲が明るい。従って、ステップ71において受信用のフォトトランジスタ33の作動用のスイッチ35をオフ状態にしたままステップ72において予め設定された時間間隔で温度を測定しメモリー22にその温度データを記憶する。すなわち、明暗感知用の窓17の周囲が明るい状態は、温度測定ユニット10が通信ユニット50に嵌め込まれていない場合に該当するので、受信用のフォトトランジスタ33あるいは発信用のLED34を用いて光通信を行う必要はない。従って、作動用のスイッチ35を切って受信用のフォトトランジスタ33をオフ状態にしたまま温度測定を行う。この間、太陽光や照明が受信用のフォトトランジスタ33に当たってもフォトトランジスタ33は作動しないので、電流は流れず、制御部24の受信用の端子T4の電圧も変動しない。照明がオン・オフを繰り返すような環境や、スポット的な照明が温度測定ユニット10に照射された場合であっても、それによって明暗感知用のフォトトランジスタ32がオンして受信用のフォトトランジスタ33を含んだ受信用の回路が遮断されるので、誤信号が受信用の端子T4に伝達されることはなく、また、受信用のフォトトランジスタ33を介して電流が流れることはない。従って、温度測定ユニットの入出力部30における電力消費を低減でき、誤信号の検出も未然に防止できる。
【0025】
一方、ステップ70において、明暗感知用の端子T5に印加されている電圧V0が基準電圧Vthより高いと、明暗感知用の窓17の周囲が暗くなっていることを示している。この状態は、温度測定ユニット10に通信ユニット50が接近し、光通信が可能になっている状態に相当するので、ステップ73において、受信用のフォトトランジスタ33の作動用のスイッチ35をオンし、受信用の回路をオンすることによってフォトトランジスタ33を受信可能な状態にする。
【0026】
コンテナの内部などの暗室に本例の温度測定ユニット10が設置されると、暗状態になるので、受信用のフォトトランジスタ33は受信可能な状態となる。しかし、ステップ74において、受信用のフォトトランジスタ33が光信号を検出したか否かを判断することにより、光信号を検出してければ通信ユニットとの光通信が可能な状態ではないので、ステップ72において上記と同様に温度測定を継続して行う。従って、コンテナ内などの暗状態では、光信号を受信しないので、フォトトランジスタ33を経由して電流はほとんど流れず、電力の浪費は防止でき、また、誤動作も防止できる。
【0027】
ステップ74において、光信号を検出すると、ステップ75で受信用のフォトトランジスタ33から入力された光信号をデコードする。デコードした光信号がメモリー22に格納された温度データの出力を指示する信号であるとステップ76で認識すると、ステップ77に移行しメモリー22の内部に記憶された温度データを発信用のLED34によって通信ユニット50に送信する。ステップ78においてメモリー22に記憶された温度データが終了するまで発信用のLED34による光通信を行う。一方、ステップ76においてデコードした光信号が温度データの出力を指示するものでないときは、ステップ79において、その光信号の指示する処理を行う。これらの処理が終了すると、ステップ70に戻り、再び温度データの測定および記憶を継続して行う。
【0028】
ステップ77で通信ユニット50を介してパソコンなどに伝送された温度データは解析され、その温度の変化からコンテナ内部における食品などの保存状態や、冷蔵設備の良否などの判断や様々な処理が行われる。
【0029】
このように、本例の温度測定ユニット10は、小型のハウジング19の内部に測定用の素子や制御回路、さらに入出力用のインタフェースが全て収納されている。そして、入出力用のインタフェースには非接触式の光通信が採用されており、インタフェースを構成するLED34やフォトトランジスタ33を窓15および16によって完全に密閉することができる。また、液晶表示板を用いた表示部12も完全に密閉できる。さらに、フォトトランジスタ32を用いた明暗感知センサによって通信ユニットの接近を感知し、光通信を用いた入出力用のインタフェースにおける電力の浪費を防止しているので、この明暗感知センサの部分も完全に密閉することができる。このように、本例の温度測定ユニット10は、完全に密閉されたハウジング19を採用することが可能であり、防水性や防湿性あるいは防塵性などの耐候性に優れたユニットとすることができる。また、ハウジング19に開閉部分やプッシュボタンスイッチのような動く部分を設ける必要がないので、完全に密閉されたハウジングを備えたユニットを安価に製造できる。
【0030】
さらに、本例の温度測定ユニット10は、上述したように、光通信を用いた入出力用のインタフェースにおける電力消費も軽減されている。光通信を用いた場合、受信用のフォトトランジスタを受信待機状態にして、識別できる信号がデコードされた時にデータの送信を開始するなどの方法を採用することが可能である。しかしながら、通信を行うために信号を受信するフォトトランジスタは高感度を維持する必要があり、光が入射すると大きな電流が流れてしまう。これに対し、本例の温度測定ユニット10においては、明暗を感知するだけのフォトトランジスタが常時待機状態にあれば良いので、消費される電流を大幅に低減することができる。例えば、受信用のフォトトランジスタ33の明るい時の光電流を500μAとすると、明暗感知用のフォトトランジスタ32の明るい時の光電流は15μA程度に低減することが可能である。従って、温度測定ユニット10の温度測定に係る消費電流を50μA程度し、温度測定ユニット10の設置場所の明暗の比率を50%程度と仮定すると、500mA/hの容量を備えた電池の寿命は以下のように計算できる。まず、明暗感知用のフォトトランジスタを設けなかった温度測定ユニットにおいては、
本例のように明暗感知用のフォトトランジスタを設けた温度測定ユニットにおいては、
となる。従って、これらの設定下では、本例の温度測定ユニットのように明暗感知用のフォトトランジスタを設けることにより、電池の寿命を約5倍に延ばすことが可能となる。
【0031】
なお、上記の実施例では、サーミスタをセンサ素子として採用した温度測定ユニットを例として説明したが、IC温度センサなど他の温度センサを用いることももちろん可能である。また、本発明は温度を測定するユニットに限定されず、加速度センサや磁気センサなどを用いて他の物理量を測定する測定ユニットにも適用できる。
【0032】
さらに、本例では、光通信用のインタフェースとしてLEDとフォトトランジスタを用いた例を説明しているが、フォトダイオードや他の発光素子や受光素子を用いた光通信用のインタフェースであってももちろん良い。また、明暗感知用のセンサーとしてフォトダイオードなどの他の素子を用いることも可能である。
【0033】
また、作動用のスイッチ35はリレー回路や電界効果トランジスタなどで構成でき、光通信用のインタフェースと共にワンチップ化することも可能であり、回路構成は上記の例に限定されないことはもちろんである。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の温度などの測定ユニットは、測定したデータを内部のメモリーにいったん記憶し、非接触式の光通信を用いて出力するようにしている。さらに、通信用のユニットの接近を明暗感知用の受光素子を用いて検出することによって電力の浪費を防止、長時間の測定を可能としている。従って、本発明の測定ユニットは、小型の密閉されたハウジング内に全ての測定装置を収納可能であり、耐候性に優れ、長期間継続した測定が可能である。また、簡易な構造のハウジングで高い密閉性能が得られるので、測定ユニットを安価に供給できる。
【0035】
このように、本発明により、流通分野の輸送コンテナ内の温度監視などのような様々な環境下において長期間にわたる温度の監視が必要とされる場所に設置可能な小型で耐候性の高い測定ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる温度測定ユニットおよび通信ユニットを外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す温度測定ユニットおよび通信ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す温度測定ユニットの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10・・温度測定ユニット
11・・ハウジングの表面
12・・液晶表示部
13・・フィン
14・・インターフェース部
15・・受信用の窓
16・・送信用の窓
17・・明暗検出用の窓
19・・ハウジング
21・・サーミスタ
22・・メモリー
23・・液晶表示板
24・・制御部
25・・バッテリー
30・・入出力部
32・・明暗感知用のフォトトランジスタ
33、43・・受信用のフォトトランジスタ
34、42・・送信用のLED
35・・作動用のスイッチ
36、37・・信号検出用の抵抗
50・・通信ユニット
60・・出力線
Claims (3)
- 温度などの物理量を検出するセンサ素子およびそのセンサ素子が検出したデータを記憶するメモリーを収納した密閉型のハウジングと、
このハウジングの表面に配置されたインタフェース部とを有し、
このインタフェース部は、前記メモリーに記憶されたデータを出力する光通信手段の、送信用の発光素子および受信用の受光素子と、
前記受信用の受光素子の検出用の抵抗に対して十分に大きな抵抗値の検出用の抵抗に接続され、明るいときに微小な電流が流れる、明暗感知用の受光素子とを備えており、さらに、
この明暗感知用の受光素子が暗状態を検出している間、前記受信用の受光素子を稼働状態にする制御手段を有する測定ユニット。 - メモリーに記憶されたデータを出力可能な光通信手段を備えた測定ユニットを、その測定ユニットの全体の形状とほぼ同じ形に凹んだ凹部にはめ込み、その凹部に前記測定ユニットの全体をはめ込んだときに前記光通信手段と対応する位置に配置された光通信用のインタフェースを介してデータを回収する通信方法であって、
前記測定ユニットは、温度などの物理量を検出するセンサ素子およびそのセンサ素子が検出したデータを記憶するメモリーを収納した密閉型のハウジングと、このハウジングの表面に配置されたインタフェース部とを有し、このインタフェース部は、前記光通信手段の送信用の発光素子および受信用の受光素子と、前記受信用の受光素子の検出用の抵抗に対して十分に大きな抵抗値の検出用の抵抗に接続され、明るいときに微小な電流が流れる、明暗感知用の受光素子とを備えており、
この明暗感知用の受光素子が暗状態を検出している間、前記受信用の受光素子を稼働状態にする、通信方法。 - 請求項2において、前記メモリーには、前記測定ユニットのセンサ素子の検出したデータが記憶されている通信方法。
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EP3139146A1 (en) | 2015-09-02 | 2017-03-08 | Nagano Keiki Co., Ltd. | Physical quantity measuring device |
US10175134B2 (en) | 2015-09-02 | 2019-01-08 | Nagano Keiki Co., Ltd. | Physical quantity measuring device |
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JPH09115084A (ja) | 1997-05-02 |
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