JP3753392B2 - ニワトリチミジンキナーゼ欠損ウアバイン耐性ハイブリドーマ - Google Patents
ニワトリチミジンキナーゼ欠損ウアバイン耐性ハイブリドーマ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はニワトリより得られたIg発現能を有する株化融合細胞、その製造方法、この株化融合細胞に免疫したニワトリ脾細胞を融合したIgG産生能を有する融合細胞及びこの融合細胞を利用した抗体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニワトリ免疫グロブリンIgGは哺乳動物由来のIgGとの交叉反応性が非常に低いことが知られている(Hadge,D.,et al,Mol.Immunol., 21,699〜707,1984)。また、ニワトリIgGはプロテインAと結合しないことも知られている(Guss,B.etal,EMBO J.,5,1567〜1575,1986)。さらに、ニワトリ抗体は哺乳動物血清の補体系を活性化せずリューマチ因子とも反応しないという利点も有している(Larsson,A.,et al,J.Immunol.Methods,108,205〜208,1988)。そこで、ニワトリ抗ヒト補体抗体を用いてCirculating免疫複合体を測定する分析法が最近確立された(Largson,A.,et al,J.Immunol.Methods,113,93〜99,1988)。これらの事実はニワトリ抗体が哺乳動物免疫分野において極めて有用なものであることを示している。従って、ニワトリモノクローナル抗体を供給できれば鳥類の免疫分野のみならず哺乳動物免疫分野においても有効な手段として利用されるものと思われる。
【0003】
本発明者はニワトリモノクローナル抗体作製用の親細胞株を樹立するべく鋭意研究を行ない、マウスミエローマ細胞と同様にニワトリB細胞株から、ハイブリドーマの選択に必要な酵素欠損株の作出を検討し、チオグアニン耐性細胞のなかから安定生育細胞を取得した。しかしながら、このチオグアニン耐性細胞はいずれもHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)耐性を有していた。そこで、さらに研究を重ねた結果、安定して増殖可能なHAT感受性のチミジンキナーゼ欠損細胞株(HU3R株)が樹立できた。この株化細胞に免疫したニワトリ脾臓細胞を融合させて培養することによりニワトリモノクロナール抗体を培地中に蓄積させることができることを見出した(特開平2−186980号公報、Int.Arch.Allergy Appl.Immunol., 89,416〜419,1989)。
【0004】
しかしながら、このHU3R細胞を融合させたハイブリドーマは産生抗体がIgMであってIgGでないばかりでなく、継代培養中に抗生産生能を急速に失ってしまった。
【0005】
本発明者らはさらに検討を進め、上記ハイブリドーマのチミジンキナーゼ欠損細胞(R27H株)を取得してこれにさらに抗原で免疫したニワトリ脾臓細胞を融合させて新たなハイブリドーマを作製した(J.Immunol.Methods,139,217〜222,1991,WO92/01043)。これにより、安定した特異抗体産生能を有するハイブリドーマを得ることが可能となり、これらの細胞株を用いたいくつかのニワトリモノクローナル抗体が作製され、その応用例も報告がなされている(Animal Cell Technology:Basic & Applied Aspects,527〜534,1992、Immunology Letters,32,91〜96,1992)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このR27H細胞株を用いた融合実験において、もとのニワトリB系細胞株内に保持されるニワトリレトロウィルスでトランスホームされたと思われる細胞の増殖が頻繁に認められ、最終的にこの実験で新たに生成したハイブリドーマのみを選択的に増殖させることができなくなる場合が起こるという新たな問題点が明らかとなった。
【0007】
すなわち、レトロウイルスでトランスホームされたと思われる細胞は、HAT培地中で増殖可能である、ハイブリドーマに比べて増殖速度が速い、細胞融合後の出現頻度がハイブリドーマの出現頻度に比べて高頻度である、短期間ではあるが抗体の分泌が認められるなどの性質を有していた。したがって、このような細胞の増殖は新たに生成したハイブリドーマの増殖を阻害してしまうという短所を有することが明らかとなったことから、今後、細胞融合法によるニワトリモノクローナル抗体の作製に新たな改善策を考える必要性がでてきた。
【0008】
本発明の目的は、ニワトリモノクローナルIgG抗体作製用親細胞株としてこれを用いて作製したハイブリドーマを優先して選択的に増殖させうる細胞を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、前記R27H株にさらにNa+、K+ −ATPアーゼの特異阻害剤であるウアバイン耐性を付与した細胞がこの目的を達成しうるものであることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、ニワトリBリンパ芽細胞にニワトリの免疫脾臓細胞が融合された、ウアバイン耐性、およびIg発現能を有するチミジンキナーゼ欠損株化融合細胞に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
この細胞は、ニワトリBリンパ芽細胞にニワトリの免疫脾臓細胞が融合された、Ig発現能を有するチミジンキナーゼ欠損株化融合細胞をウアバインを含む培地で培養し、ウアバイン耐性細胞を分離することを特徴とする請求項1記載の株化融合細胞の取得方法によって作製することができる。
【0012】
チミジンキナーゼ欠損株化細胞はニワトリのBリンパ芽細胞より取得する。ニワトリの種類は問うところではないが、例えば、白色レグホン種、白色ロック種等を利用できる。
【0013】
ニワトリBリンパ芽細胞株はニワトリBリンパ芽細胞をニワトリレトロウイルスで癌化させることによって得られる。
【0014】
得られた自己増殖性を有するBリンパ芽細胞株を変異処理し、チミジンキナーゼ欠損細胞を選択する。変異は紫外線照射等の物理的手段によって行なってもよく、エチルメタンスルホン酸(EMS)、ニトロソグアニジン、ICR−191等の薬剤を利用して行なってもよい。変異細胞からチミジンキナーゼ欠損細胞の分離は例えばトリフロロチミジン(TFT)、ブロモデオキシウリジン等のチミジン類似物質を含む培地で培養してクローニングすればよい。培地は通常の細胞培養用培地でよく、例えばRPMI1640培地、ダルベッコ変法イーグル培地等に牛胎児血清(FBS)等を5〜15%添加した培地を利用すればよい。培養条件も通常の細胞培養と同様でよく、例えば5〜10%程度CO2を加えた空気の雰囲気において37〜41℃程度で培養すればよい。
【0015】
こうして得られたチミジンキナーゼ欠損株化細胞は自己増殖性を有しているがHAT培地中で培養すると死滅する。また、抗ニワトリIgの抗体及びフルオレセイン標識第2抗体を用いた間接蛍光抗体法により測定したところいずれもこのニワトリIgを合成しない。この細胞をHU3R細胞と命名した。
【0016】
HU3R細胞に免疫したニワトリ脾細胞を細胞融合させる。脾細胞の調製は抗原、例えば不活性ニューカッスル病ウイルスをアジェバントとともに数回ニワトリに注射して飼育した後、摘出すればよい。融合は脾臓を摘出してポリエチレングリコール、電気融合法、HVJウイルス等の公知の細胞融合手段を用いて行う。
【0017】
得られた融合細胞をさらに変異処理しチミジンキナーゼ欠損株の選択を行なう。これらの処理は融合細胞の増殖が安定するまで継代培養したのちに行なうことが好ましい。変異処理とチミジンキナーゼ欠損株の選択は前述と同様に行なえばよい。また、必要により変異手段、条件等を変更して行なってもよい。Igの発現はIgの一部であるγ鎖、μ鎖及びL鎖を検出することによって行なうことができ、これらの鎖の検出は公知の方法に従って行なえばよい。例えば、抗ニワトリIgの抗γ鎖抗体とフルオレセイン標識第2抗体等を用いた間接蛍光抗体法とか流動細胞計測法等を利用できる。γ鎖、μ鎖又はL鎖のいずれかが確認できればIgの発現を確認できたことになる。
【0018】
こうして得られたチミジンキナーゼ欠損株化細胞はHAT感受性およびIg発現能を有している。この細胞の例としてR27H1(FERM BP−3475)、R27H4(FERM BP−3478)等を挙げることができる。
【0019】
この細胞に次にウアバイン(Ouabain)耐性を付与する。付与方法としては、この細胞をまず紫外線照射等の物理手段あるいはEMS、ニトロソグアニジン、ICR−191等の薬剤処理によって変異させ、変異細胞をウアバインを含む培地で培養してクローニングすればよい。培地は通常の細胞培養用培地でよく、例えばRPMI1640培地、ダルベッコ変法イーグル培地等に牛胎児血清(FBS)等を5〜15%添加した培地を利用すればよい。耐性の付与にあたってはまず1×10-7〜1×10-5M程度のウアバイン濃度で培養を開始し、細胞の増殖に従って濃度を増していくことが好ましい。最終濃度としては5×10-5〜5×10-4M程度が適当である。培養条件も通常の細胞培養と同様でよく、例えば5〜10%程度CO2を加えた空気の雰囲気において37〜41℃程度で培養すればよい。
【0020】
得られたウアバイン耐性株はHAT培地中で培養し、培養開始後5〜6日後に完全に死滅することを確認する。また抗ニワトリIg抗体とフルオレセイン標識2次抗体等を用いた間接蛍光抗体法等によりIgの発現は確認できる。
【0021】
こうして得られたIg発現能を有する株化融合細胞に、さらにニワトリの免疫脾臓細胞を融合させる。免疫方法及び融合方法は前述と同様でよい。免疫の発現に使用する抗原はこの免疫されたニワトリ脾細胞が融合後の細胞にIgG産生能を付与すると思われるところから、この抗原は所望のIgGに応じて選択する。
【0022】
IgGの産生はこの融合細胞を前述の方法と同様に培養すればよく、1〜30日間程度培養することによって培養上清中にIgGを産生、蓄積させることができる。IgGの分離方法も公知の手段を利用すればよく、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、エタノール分画法、リバノール分画法、PEG分画法等を適用できる。
【0023】
【実施例】
ウアバイン耐性・HAT感受性細胞株の作製
1.ニワトリ細胞株
本実施例で用いたR27H1(FERM BP−3475)およびR27H4(FERM BP−3478)は、これまでの研究で樹立された親細胞である。R27H1およびR27H4は10μg/ml濃度のTFTを含む10%FBS加イスコフ変法ダルベッコ(IMDM)培地を用い、38.5℃ 5%CO2インキュベーター内で培養し、2〜4日毎に継代を行った。
【0024】
2.ウアバイン耐性株の作製
ウアバインは5×10-3Mを保存溶液とした。まず、ウアバイン72.88mgを最終容量20mlとなるようにリン酸緩衝液(PBS(−))に溶解させ、0.45μm滅菌フィルターでろ過滅菌後、滅菌チューブへ分注し、使用時まで遮光して4℃で保存した。
【0025】
変異形質の誘導は、R27H1あるいはR27H4を2×105個/mlとなるように5%FBS加RPMI1640培地へ浮遊させ、38.5℃ 5%CO2インキュベーター内で6時間培養を行った後600μg/mlとなるようにEMSを添加してさらに24時間培養を行った。培養後EMSを除くために、細胞をRPMI1640培地で3回洗浄した後、10%FBS加RPMI1640培地へ浮遊させ、変異形質を発現させるためにさらに培養を行った。
【0026】
変異形質を発現(2〜4日)させた後、1×10-5Mウアバインを含む10%FBS加IMDM培地へ1×105個/mlとなるように浮遊させ、組織培養用96ウェルプレートへ100μlずつ分注し、38.5℃ 5%CO2インキュベーター内で培養を行った。数日後、増殖してきた細胞を同培地で増殖させ、同培地で増殖が安定したところで培地中の試薬濃度を徐々に上げていき、最終濃度を1×10-4Mとなるようにした。
【0027】
3.軟寒天法によるウアバイン耐性株のクローニング
得られたウアバイン耐性株のクローニングを行うために、ウアバイン(1×10-4M)を含む軟寒天中で培養を行った。培養開始約2週間後、軟寒天中で非常に良く増殖してきたと思われるコロニーをウアバイン(1×10-4M)を含む増殖培地で培養を行い、得られたクローン中特に増殖の良いと思われるクローンを選出した。これらのクローンをHAT培地で培養を行ったところ、いずれの細胞も培養開始後5〜6日目までに完全に死滅した。従って、これらのクローンは細胞融合のための親細胞として使用可能と思われたので、これらのクローンをそれぞれMuH1(FERMBP−5442)およびMuH4(FERMBP−5443)と命名した。
【0028】
ウアバイン耐性・HAT感受性細胞株の性状
1.クローニングで得られた細胞株のHAT培地における感受性
クローニングで得られた細胞株のHAT培地に対する感受性を調べた。供試細胞を1×105個/mlとなるように10%FBS加RPMI1640培地へ浮遊させ、組織培養用96ウェルプレートへ100μlずつ分注した後、最終濃度がヒポキサンチンおよびチミジンをそれぞれ1×10-4Mおよび1.6×10-5Mとなるように、アミノプテリンは0.05〜2×10-7Mとなるように加えた培地を100μlずつ分注した後、38.5℃ 5%CO2インキュベーター内で培養を行う。培養開始後0、2、4、6、8、10および14日目にそれぞれ3ウェルずつの細胞を回収し、死細胞率を算定する。
【0029】
2.ウアバイン耐性株に発現する細胞質内免疫グロブリン(cIg)の検出法
ウアバイン耐性株のcIg発現を間接蛍光抗体法によって調べた。まず、供試細胞をチューブに移し、冷PBS(−)で3回洗浄した後、エタノールで洗浄しておいたカバーグラスに高濃度の細胞浮遊液を少量滴下して、パスツールピペットで均一に塗抹し風乾させる。風乾後、カバーグラスを試験管に入れ、−20℃に冷やしておいた酸アルコール(酢酸:エタノール=5:95)を充分に入れ、−20℃15分で固定終了とする。風乾後、1次抗体としてウサギ抗トリL鎖、ウサギ抗トリμ鎖およびウサギ抗トリγ鎖を、それぞれ50倍、80倍および60倍に希釈したものをカバーグラスの上に適当量のせ、湿潤箱内に入れ37℃で2時間あるいは4℃で一昼夜反応させる。反応終了後、冷PBS(−)で5回洗浄を行った後、2次抗体として40倍希釈したフルオレセイン標識ヤギ抗ウサギIgGをのせ、湿潤箱内に入れ37℃で反応させる。1時間後、充分に洗浄した後、スライドガラスに無蛍光グリセリンとPBS(−)を9:1の割合で混合した溶液で封入した後、蛍光顕微鏡で観察した。
【0030】
3.細胞増殖速度の測定法
ウアバイン耐性細胞株の倍加時間を測定した。まず、供試細胞を最終濃度が2×105個/mlとなるように10%FBS加RPMI1640培地へ浮遊させ、組織培養用24ウェルプレートに1mlずつ分注した後、38.5℃ 5%CO2インキュベーターで培養を行う。毎日、3ウェルずつ細胞を回収し、生細胞数および死細胞数を数え、培養開始1週間後、それぞれの数値を片対数グラフにとり、増殖曲線を作成した後、下記の計算式で倍加時間を算出した。
【0031】
倍加時間(generation time;g)は
g=(t2−t1)13.32×log(x2/x1)
(t1,t2;時間、x1,x2;総生細胞数)
の計算式で求めることができる。計算式には、グラフの最初の直線となる部分の数値を回帰して直線式を求め、この直線上の適当な2点をとり、その数値を代入する。
【0032】
4.ニワトリ免疫グロブリンの検出
ウアバイン耐性株の培養上清中のニワトリ免疫グロブリンの検出をウエスタン・ブロット法を用いて行った。SDSポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)には10%アクリルアミドゲルを用い、泳動用サンプルにはウアバイン耐性株を血清不含IMDM培地で24時間培養した後、50%硫安塩析で得られた試料と2−メルカプトエタノール(2ME)を含むサンプル緩衝液を混合し、100℃で3分間煮沸したものを用いて、ミニスラブゲルの1レーン当たりサンプルを3〜5μg入れ20〜40mAで泳動を行った。その後、セミドライ法でニトロセルロース膜に転写し、酵素抗体法による発色バンドを観察した。
【0033】
酵素抗体法の1次抗体としてニワトリ免疫グロブリンに対する抗体は、ニワトリIgGもしくはニワトリIgM(400μg/ml)を含むPBS(−)溶液を250μlとり、等量のFCAと混合した。この混合物をBalb/c雌マウス腹腔に免疫し、その後2次免疫としてニワトリIgMもしくはIgG溶液を125μl静脈に免疫した。その後、マウスミエローマSP2/o−Ag14と公知の方法で細胞融合を行い作製した。こうして、本発明者らが作製したマウスモノクローナル抗体(腹水)抗ニワトリL鎖(1:3000)、抗ニワトリγ鎖(1:3000)および抗ニワトリμ鎖(1:3000)、2次抗体としてペルオキシダーゼ(HRPO)標識ヤギ抗マウスIgG(1:300)、基質にはジエチルアミノベンチジン(DAB)を用いた。
【0034】
5.結果
得られたMuH1、MuH4の2クローンについてcIgの有無を調べた。その結果、表1に示したようにMuH1ではμ鎖、MuH4ではμ鎖およびL鎖の発現が認められた。得られた2クローンはニワトリ免疫グロブリンを発現していたことから、それらの産生性についてELISA法およびウエスタン・ブロッティング法により各細胞の培養上清中のニワトリ免疫グロブリンの検出を行った。その結果、図1に示したようにMuH4の培養上清中にはμおよびL鎖の分泌が認められたが、MuH1ではニワトリ免疫グロブリンの分泌は認められなかった。また、各細胞の倍加時間を調べたところ、いずれのウアバイン耐性株はR27H1およびR27H4と比較して2〜3時間遅かった(表1)。
【0035】
MuH1およびMuH4についてHAT培地中のアミノブテリン濃度に対する感受性を調べた。その結果、図2に示すように0.5×10-7Mアミノプテリン濃度ではMuH4は培養開始後5日目までに、またMuH1は培養開始後2日目には完全に死滅した。さらに、MuH1についてアミノプテリン低濃度下での感受性を調べたところ0.25あるいは0.1×10-7Mアミノプテリン濃度では培養開始後4日目に約95%の細胞の死滅が認められたが、一部増殖してくる細胞が認められた。
【0036】
【表1】
【0037】
MuH1とMuH4を親細胞株としたヒトIgG免疫ニワトリ脾臓細胞との細胞融合
1.免疫ニワトリ
本実施例では、ホワイトレグホン・CB系を免疫ニワトリとして用いた。
【0038】
2.抗原と免疫スケジュール
本実施例ではヒトIgGを抗原として用いた。ヒトIgGを200μg/mlとなるようにPBS(−)で調製を行い、試料500μl(100μg)をそれぞれ等量のFCAと混合して4〜6週齢のニワトリの胸筋に接種した後、初回免疫後3〜4週間後に2次免疫として200μgのヒトIgGをニワトリの翼下静脈に接種した。各免疫後のニワトリ血清の力価はELISA法によって測定した(図3)。
【0039】
3.細胞融合
A.培地の調製
培地には10%FBS加IMDMをハイブリドーマ用培地として用いた。
また、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンをそれぞれ最終濃度1×10-4M、2×10-7Mおよび1.6×10-5Mとなるように15%FBSを含むハイブリドーマ用培地へ加えたものをHAT培地として用いた。
【0040】
B.ニワトリ脾細胞の調製
ニワトリを心臓採血によりしゃ血を充分に行った後、脾臓を摘出した。摘出した脾臓の被膜を剥離し、ハサミで粗砕した後、血清不含RPMI1640培地約10mlを入れたガラス製ホモジナイザーに入れ2〜3回動かし、細胞浮遊液を作製し、これをステンレス製メッシュ(#200)に通した後、273Gで5分間遠心を行った。遠心後、上清を完全に除去し、血清不含RPMI1640培地約40mlを加え、細胞浮遊液から赤血球を除去するために、Ficoll−Paque約2mlを加えた15ml遠心管に、細胞浮遊液約4mlを静かに重層し、715Gで10分間遠心を行った。遠心後、上清とFicoll−Paqueの間に位置する細胞を取り、適量の血清不含RPMI1640培地に浮遊させ、遠心により3回洗浄を行い、ニワトリ脾細胞浮遊液を得た。
【0041】
C.細胞融合
親細胞をポリプロピレン製50ml遠心管に回収し、血清不含RPMI1640培地で3回洗浄を行った。調製・洗浄された親細胞と抗原免疫脾細胞をそれぞれ1:5の割合で混合し、267Gで5分間遠心を行い、上清を完全に吸引除去し、遠心管の底を軽くたたいて細胞の凝集をほぐし、38℃に温めておいたPEG1500溶液1mlを1分間かけて添加した。このとき、遠心管を左右前後に振渣させながら、時々ピペットの先端で液を攪拌した。PEG溶液添加後、38℃に温めておいた血清不含RPMI1640培地10mlを約5分間かけて徐々に添加した後、さらに同培地を約30ml加えて300Gで5分間遠心した。遠心後、上清を静かに吸引除去し、10%FBSを含むハイブリドーマ用培地を加え、軽く細胞沈渣をほぐした後、組織培養用96ウェルプレートに100μlずつ分注し(脾細胞数5又は8×105/ウェル)、38.5℃ 5%CO2インキュベーター内で培養を行った。
【0042】
融合後24時間後、2倍濃度のHAT培地を100μlずつ加え、融合後2日目以降は2〜4日毎に通常濃度のHAT培地で培地交換を行い、10〜14日後からHT培地に換えて1週間培養を行った。その際、一部のプレートは融合後7日目から2×10-5Mのウアバインを含む培地で培養した。また、HATはヒポキサンチンおよびチミジンをそれぞれ最終濃度1×10-4Mおよび1.6×-5M、アミノプテリンは0.5〜0.8×10-7Mとした。
【0043】
その結果表2に示したように、R27H4を用いた場合ではすべてのウェルで細胞の増殖が認められ、そのうちのほとんどウェルでハイブリドーマでないと思われる小さい細胞の増殖が認められた。
【0044】
MuHlはHAT選択開始後2日目頃から細胞の死滅が認められはじめ、4〜5日目頃にはほとんどの細胞は死滅した。一方、MuH4はHAT選択開始後細胞の増殖が認められた後、選択開始後4日目頃から細胞の死滅が認められはじめ、6〜8日目頃にはほとんどの細胞は死滅した。いずれの細胞についても融合後7〜8日目頃からハイブリドーマの出現が認められはじめ、出現したハイブリドーマは安定して増殖した。これらの親細胞の融合効率は、1ウェル当たりのまき込み数を脾細胞で5あるいは8×105個のとき、それぞれMuHlは60.76%および73.96%で、MuH4は20.49%および17.36%であり、MuHlはMuH4より高率であった。また、ハイブリドーマでないと思われる小さい細胞の増殖については全く認められなかった。
【0045】
4.ハイブリドーマのスクリーニングのためのELISA法
特異抗体検出のために各々1μg/mlになるようにPBS(−)で希釈したヒトIgG、ヒトIgG−FcあるいはヒトIgG−Fabを50μl/ウェルで分注し、4℃で一昼夜反応させて固相化させたELISA用プレートを用いた。反応後、Tween−20を0.05%含むPBS(−)(Tween−PBS)でプレートを5回洗浄した後、1%gelatin加PBS(−)を各ウェルに200μlずつ加え、37℃で1時間反応させる。Tween−PBSで洗浄後、ハイブリドーマの出現が認められたウェルの上清50μlを加え、37℃で2時間反応させた後、Tween−PBSで洗浄後、トリス緩衝溶液(TBS)で3000倍に希釈したHRPO−ヤギ抗トリIgG50μl(1:3000)をプレートの各ウェルに加え、37℃で1時間反応させる。Tween−PBSで洗浄後、フェニレンジアミンを含む基質溶液100μlをプレートの各ウェルに加え、遮光状態で30分間室温で反応させた後、2MH2SO4を各ウェルに50μl加え、反応を停止させる。反応停止後、490nmの吸光度を測定した。
【0046】
5.特異性検出のためのウエスタン・ブロッティング法
ELISA法で陽性を示したハイブリドーマ培養上清の特異性をウエスタン・ブロッティング法を用いて調べた。
【0047】
SDS−PAGEには10%アクリルアミドゲルを用い、サンプルにはヒトIgG−FcおよびヒトIgG−Fabとサンプル緩衝液(−2ME)を混合し、100℃で5分間煮沸したものを用いて、ミニスラブゲルの1lane当たりヒトIgG−Fc0.1μgおよびヒトIgG−Fab0.3μgを入れ泳動を行った。なお、ヒトIgG−FcはProtein G Sepharose 4(Pharmacia社製)で精製したものを用いた。
【0048】
酵素抗体法は、各ハイブリドーマ培養上清を反応させた後、2次抗体としてHRPO−ヤギ抗トリIgG(1:300)を用いた。なお、対照としてHRPO−ヤギ抗ヒトIgG(1:300)を反応させた。
【0049】
6.融合細胞のスクリーニング結果
融合後、増殖してきたハイブリドーマについて特異抗体産生のスクリーニングをELISA法により行った。その結果、表2に示したようにMuHlおよびMuH4で特異抗体産生ハイブリドーマの出現が認められた。これらのハイブリドーマの抗体産生能は非常に安定であり、軟寒天培養法によるクローニングを行った全てのハイブリドーマで、特異抗体産生性クローンを得ることに成功した。これらのクローンより産生された抗体の特異性についてELISA法およびウエスタン・ブロッティング法によって調べた。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
その結果、表3に示したようにELISA法では調べた8つのうち7つがヒトIgG−Fcと、1つ(CHM1−HuIg1)がヒトIgG−Fabと反応を示した。一方、ウエスタン・ブロッティング法ではELISA法でヒトIgG−Fcと反応を示した7つのうち、全てがヒトIgG−Fcである分子量約50Kダルトンのタンパクと反応し、ヒトIgG−Fabとの反応は認められなかった。また、残り1つ(CHM1−HuIg1)はヒトIgG−Fab(約50Kダルトン)と反応が認められたのに対し、ヒトIgG−Fc中の分子量約50Kダルトンのタンパクとの反応は認められず分子量約100Kダルトン以上のタンパクと反応が認められた。これらの抗体のうちヒトIgG−Fcに反応を示した2つ(CHM1−HuIg3およびCHM4−HuIg1)およびヒトIgG−Fabに反応を示した1つ(CHM1−HuIg1)についてウエスタン・ブロッティング法による結果を図4に示した。
【0053】
MuH1又はMuH4細胞とヒトIgG免疫鶏脾臓細胞との融合細胞の性状
1.特異抗体のニワトリ免疫グロブリンタイプ検出のためのELISA法
特異抗体のニワトリ免疫グロブリンタイプ検出はELISA法で行った。なお、特異抗体の鶏免疫グロブリンタイプ検出のために1μg/mlになるようにPBS(−)で希釈したヒトIgGを50μl/ウェルで分注し、4℃で一昼夜反応させて固相化させたELISA用プレートを用い、各ハイブリドーマの培養上清を反応させた後、2次抗体として前出のマウスモノクローナル抗体(腹水)抗ニワトリL鎖(1:50000)、抗ニワトリγ鎖(1:50000)および抗ニワトリμ鎖(1:50000)、3次抗体としてHRPO−ヤギ抗マウスIgG(1:3000)を用いた。
【0054】
2.ヒトIgGに対する反応
MuH1およびMuH4由来特異抗体産生ハイブリドーマ8クローンが産生するニワトリ免疫グロブリンについてヒトIgGに対して特異性を有するニワトリ免疫グロブリンのタイプをELISA法によって調べたところ、表4に示したように調べた8クローン全てにおいてγ鎖およびL鎖を有する抗体はヒトIgGに対して反応を示したが、μ鎖を有する抗体はヒトIgGに対して全く反応性を示さなかった。
【0055】
【表4】
【0056】
3.特異抗体産生量測定のためのELISA法
抗体産生性ハイブリドーマから産生される抗体量をELISA法で検出した。なお、培養上清は5×10-5ウアバイン添加および無添加10%FBS加IMDM培地で各々培養していた特異抗体産生性ハイブリドーマを5×105個/mlとなるように各々の培地へ浮遊させ、38.5℃ 5%CO2インキュベーター内で24時間培養を行って得られた上清を用いた。
【0057】
ELISA法には、ニワトリIgM産生量測定のためにヤギ抗トリIgM−Fc(1:500,50μl/ウェル)あるいはニワトリIgG測定のためにヤギ抗トリIgG−Fc(1:500,50μl/ウェル)を固相化させたELISA用プレートを用いて、ブロックエースでブロッキングした後、各ハイブリドーマ培養上清(1:10〜1:1280希釈)50μlおよびコントロールとして1〜300ng/mlにPBS(−)で希釈したニワトリIgM(50μl/ウェル)あるいはニワトリIgG(50μl/ウェル)を反応させ、2次抗体として前出のマウスモノクローナル抗体(腹水)抗ニワトリμ鎖(1:100000)および抗ニワトリγ鎖(1:100000)を用い、3次抗体としてHRPO−ヤギ抗マウスIgG(1:3000)を用いた。
【0058】
4.特異抗体産生性ハイブリドーマの抗体産生能
特異抗体産生性ハイブリドーマにおける抗体産生能をELISA法によって検討を行った。なお、ウアバイン添加培地中で抗体産生量を調べたハイブリドーマはウアバイン添加培地中で増殖が安定した細胞を用いた。その結果、表5に示したようにウアバイン添加および非添加でわずかな抗体産生量の低下は認められたものの、調べたほとんどのハイブリドーマにおいて顕著な差は認められなかった。また、各ハイブリドーマにおける抗体産生量はMuH1由来ハイブリドーマのほうがMuH4由来と比較して全体的に多い傾向が認められ、そのIgG産生量はMuH4由来ハイブリドーマでいずれも1μg/ml以下であったのに対して、MuH1由来ハイブリドーマでは調べた4つのうち3つがウアバイン非添加条件で2μg/ml以上であった。特にμ鎖の産生が認められなかったCHM1−HuIg3ではIgGの産生量が非常に多く5μg/ml以上であった。一方、IgM産生量は、MuH1由来ハイブリドーマではIgGの産生量とほぼ同量であったのに対し、MuH4由来ハイブリドーマではIgG産生量の1〜4倍量であり、MuH4の3〜8倍量であった。
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】
以上のように、チミジンキナーゼ欠損、ウアバイン耐性株化細胞MuHl、およびMuH4細胞を親細胞とした細胞融合により、高効率で特異抗体産生細胞が得られた。得られた抗体産生細胞の増殖性は安定していた。またレトロウイルストランスホーム細胞と思われる細胞の増殖は全く認められなかった。抗体産生能も安定しており、ニワトリIgGを大量に産生することを可能にしたと考えられる。本発明によりニワトリモノクローナル抗体の作製が可能となり、ニワトリ免疫系の基礎研究はもちろん医薬、診断薬分野における抗体の利用を広くする効果をもつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の細胞の培養上清を電気泳動後ウエスタンブロッティング法で調べた発色パターンを示す図である。
【図2】 HAT培地におけるアミノプテリン濃度を変えて本発明の細胞を培養し、死細胞率の経時変化を調べた結果を示すグラフである。
【図3】 本発明の細胞に融合させたヒトIgG免疫ニワトリ血清の力価を示すグラフである。
【図4】 本発明の細胞にヒトIgG免疫ニワトリ脾臓細胞を融合させた細胞の培養上清を電気泳動後ウエスタンブロッティング法で調べた発色パターンを示す図である。
Claims (5)
- ニワトリBリンパ芽細胞にニワトリの免疫脾臓細胞が融合された、ウアバイン耐性、HAT感受性およびIg発現能を有するチミジンキナーゼ欠損株化融合細胞
- 株化融合細胞がMuHI(FERM BP−5442)又はMuH4(FERM BP−5443)である請求項1記載の株化融合細胞
- ニワトリBリンパ芽細胞にニワトリの免疫脾臓細胞が融合された、HAT感受性およびIg発現能を有するチミジンキナーゼ欠損株化融合細胞をウアバインを含む培地で培養し、ウアバイン耐性細胞を分離することを特徴とする請求項1記載の株化融合細胞の取得方法
- 請求項1記載の株化融合細胞に抗原で免疫されたニワトリ脾臓細胞がさらに融合されているIgG産生能を有する融合細胞を培地に培養することを特徴とするニワトリIgGの製造方法
- 株化融合細胞がMuHI(FERMBP−5442)又はMuH4(FERM BP−5443)である請求項3又は4記載の方法
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