JP3752946B2 - Manufacturing method of rotor of rotating machine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機又は電動機である回転機のロータ、更に詳しくは、回転軸が装着された内側磁性板積層体と、少なくとも内側磁性板積層体と外側磁性板積層体との間に挿入された複数の永久磁石と、非磁性材が収容されうる複数の隙間とを備えている形態の回転機のロータの製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にIPM(Interrir Permanent Magnet)と称されている上記形態のロータの第1の典型例は、電磁鋼板を積層して形成された磁性板積層体を有している。磁性板積層体はほぼ円柱形状をなし、その中心部には貫通孔が形成されている。磁性板積層体には、周方向に間隔をおいてほぼ6角形をなすように配列された、断面が細長い矩形状をなす6個の同形の貫通孔が形成されている。磁性板積層体の、6個の貫通孔の各々間に対応する周方向位置には、磁性板積層体の外周面から半径方向内側に向かって、6個の貫通孔の各々間の肉部を周方向に2分するように延在する切欠きが形成されている(切欠きは総計6個である)。中心部の貫通孔には回転軸が一体的に装着され、6個の貫通孔の各々内には、永久磁石が挿入されている。
【0003】
上記形態のロータの第2の典型例は、電磁鋼板を積層して形成された磁性板積層体を有している。磁性板積層体はほぼ円柱形状をなし、その中心部には貫通孔が形成されている。磁性板積層体には、周方向に間隔をおいてほぼ正方形をなすように配列された、断面が細長い矩形状をなす4個の同形の貫通孔が形成されている。磁性板積層体の、4個の貫通孔の各々間に対応する周方向位置には、それぞれ、4個の貫通孔の各々の相互に隣接する端から周方向に間隔をおいて半径方向外側に、磁性板積層体の半径方向外側端の近傍まで延在する一対の貫通孔が形成されている(一対の貫通孔は総計で4対形成されている)。中心部の貫通孔には回転軸が一体的に装着され、4個の貫通孔の各々内には永久磁石が挿入されている。また、4対の貫通孔の各々内には、オーステナイト系のステンレス等からなる非磁性部材が挿入されている。
【0004】
上記形態のロータの第3の典型例は、電磁鋼板を積層して形成された内側磁性板積層体を有している。内側磁性板積層体は、軸方向に見てほぼ正方形をなす4個の辺を有すると共に4つの角部には面取が形成されている。内側磁性板積層体の中心部には貫通孔が形成されている。内側磁性板積層体の半径方向外側には、4個の外側磁性板積層体が配置されている。外側磁性板積層体の各々は、内側磁性板積層体の辺の各々の半径方向外側に半径方向隙間をおいて配置された半径方向内側端を有しかつ相互に周方向隙間をおいて配置されている。該半径方向隙間の各々には周方向隙間をおいて4個の永久磁石が挿入されている。永久磁石の各々間及び外側磁性板積層体の各々間の該周方向隙間の各々は、内側磁性板積層体の対応する角部において相互に整合するよう配置されて角部隙間を形成している。該角部隙間の各々には半径方向内側に隙間を残して永久磁石が挿入されている。そして残された該隙間の各々には、オーステナイト系のステンレス等からなる非磁性部材が挿入されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来のロータのうち、第1及び第2の典型例は、一般には、電磁鋼板を、一枚一枚回転軸に嵌合させながらかつ相互に接着しながら積層し、次いで外周部をかしめるか、又は溶接することによって、回転軸と一体の磁性板積層体を形成した後、永久磁石を対応する貫通孔に接着剤を介して挿入することにより形成していた。このため組付作業が煩雑で、多くの組付作業時間と多大の労力を要し、生産性に乏しい。また生産コストが高くなる。
【0006】
また、磁気ショート(磁気洩れ)を可能な限り少なくするため、上記のとおり、第1の典型例においては、永久磁石の各々間に対応する、電磁鋼板の外周部、したがって磁性板積層体の外周部に6個の切欠きを形成することにより異極間の磁気の遮断を図っていた。しかしながら、これらの切欠きが過剰に小さいと、電磁鋼板の、したがって磁性板積層体の当該部分の余肉(切欠きの各々と、周方向に隣接する永久磁石の周方向端との間に形成される周方向の厚さ)が過剰に大きくなり、磁気ショートが多くなって性能の低下を招く。また切欠きが過剰に大きいと、電磁鋼板の、したがって磁性板積層体の当該部分の余肉が過剰に小さくなり、高速回転時における強度が不足するおそれがある。したがって両者を満足するための設計が困難であった。第2の典型例においてはまた、4対の非磁性部材を挿入することに起因して、第1の典型例に比べて部品点数が増大し、生産性が更に低下し、また生産コストが一層高くなる。
【0007】
他方、第3の典型例においても、第1及び第2の典型例と同様な理由によって、組付作業が煩雑で、多くの組付作業時間と多大の労力を要し、生産性に乏しい。第3の典型例においてはまた、第1の典型例に比べて、永久磁石の数が増加しかつ非磁性部材が付加されることに起因して、部品点数が増大し、生産性が更に低下すると共に、生産コストが高くなる。更に、電磁鋼板が当初から4つに分割されていることに起因して、組付作業が一層煩雑となり、生産性が一層低下させられると共に生産コストが一層高くなる。
【0008】
本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、従来に比べて組付作業が簡単となり、そして組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減され、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする、新規な回転機のロータの製作方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、異極間の磁気ショートを軽減すると共に高速回転時における強度を確保することを容易に可能にする、新規な回転機のロータの製作方法を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、部品点数を著しく低減し、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする、新規な回転機のロータの製作方法を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、回転機の所要の性能及び耐久性を長期にわたって十分に確保することを容易に可能にする、新規な回転機のロータの製作方法を提供することである。
【0012】
本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成された回転機のロータの製作方法の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の局面によれば、円筒部を有する成形型の軸心に合わせて回転軸をセットし、軸心部に取付孔が形成されかつ偶数個の辺を有した実質上多角形状の内側磁性板を取付孔を介して回転軸に挿入しながら積層し、かつ円形外周端と、該辺と同数の半径方向内側端及び該内側端の各々の周方向端の間に形成されて一端が半径方向内側に開放され他端が該外周端との間に橋絡部を残して閉じられた溝を有する貫通孔とからなる外側磁性板本体を、該円筒部に嵌合しながら積層することにより、該内側端の各々と、対応する該辺との間に半径方向隙間を、また該溝の各々と内側磁性板の対応する角部との間に角部隙間を形成して、該円筒部内に内側磁性板積層体及び外側磁性板本体積層体を形成し、該半径方向隙間の各々に永久磁石を挿入した後、溶融された非磁性材を鋳込んで、内側磁性板積層体、永久磁石の各々、外側磁性板本体積層体、及び該角部隙間の各々の軸方向両端面を該非磁性材の層で覆うと共に、該角部隙間の各々を該層の各々と一体となるよう充填し、離型後、外側磁性板本体積層体及び非磁性材の外周端を切削して橋絡部の各々を切除する、ことを特徴とする回転機のロータの制作方法、が提供される。
【0017】
本発明の更に他の局面によれば、円筒部を有する成形型の軸心に合わせて回転軸をセットし、軸心部に取付孔が形成されかつ偶数個の辺を有した実質上多角形状の内側磁性板を取付孔を介して回転軸に挿入しながら積層し、かつ円形外周端と、該辺と同数の半径方向内側端及び該内側端の各々の周方向端の間に形成されて一端が半径方向内側に開放され他端が該外周端との間に橋絡部を残して閉じられた溝を有する貫通孔とからなる外側磁性板本体を、該円筒部に嵌合しながら積層することにより、該内側端の各々と対応する該辺との間に半径方向隙間を、また該溝の各々と内側磁性板の対応する角部との間に角部隙間を形成して、該円筒部内に内側磁性板積層体及び外側磁性板本体積層体を形成し、該半径方向隙間の各々に永久磁石を挿入しかつ該角部隙間の各々にそれぞれ半径方向内側に該隙間の一部を残して永久磁石を挿入した後、溶融された非磁性材を鋳込んで、内側磁性板積層体、永久磁石の各々、外側磁性板本体積層体、及び該隙間の一部の各々の軸方向両端面を該非磁性材の層で覆うと共に、該隙間の一部の各々を該層の各々と一体となるよう充填し、離型後、外側磁性板本体積層体及び非磁性材の外周端を切削して橋絡部の各々を切除する、
ことを特徴とする回転機のロータの制作方法、が提供される。
【0018】
本発明の更に他の局面によれば、円筒部を有する成形型の軸心に合わせて回転軸をセットし、軸心部に形成された取付孔と、円形外周端と、偶数個の実質上正多角形をなすよう形成された半径方向隙間と、半径方向隙間の各々の角部において半径方向に延在するよう形成された半径方向橋絡部を周方向に挟んでそれに沿って半径方向に延在するよう形成されて円形外周端との間に周方向橋絡部を形成する一対の周方向隙間とを備えている磁性板を、取付孔を介して回転軸に挿入しながらかつ円形外周端を該円筒部に嵌合しながら積層することにより磁性板積層体を形成し、該半径方向隙間の各々に永久磁石を挿入した後、溶融された非磁性材を鋳込んで、磁性板積層体、永久磁石の各々、及び周方向隙間の各々の軸方向両端面を該非磁性材の層で覆うと共に、周方向隙間の対の各々を該層の各々と一体となるよう充填し、離型後、磁性板積層体及び非磁性材の外周端を切削して周方向橋絡部の各々を切除する、
ことを特徴とする回転機のロータの制作方法、が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施形態を添付図面を参照して更に詳細に説明する。図1〜図3を参照して、発電機又は電動機である回転機に適用されるロータ100は、回転軸2が装着された内側磁性板積層体10と、複数の(実施形態においては6個の)外側磁性板積層体20と、複数の(実施形態においては6個の)永久磁石30と、溶融可能な非磁性材40とから構成されている。
【0020】
以下、本発明によるロータ100の構成(完成された構成)について具体的に説明する。内側磁性板積層体10は、相互に実質上同一の構成を有する複数の内側磁性板11を積層することにより構成されている。内側磁性板11は、電磁鋼板、実施形態においては珪素鋼板からなり、それぞれ直線状に延在する偶数個の辺12を有しかつ実質上、正多角形状をなすよう形成されている。実施形態においては、内側磁性板11は6個の辺12を有しかつ実質上、正6角形状をなすよう形成されている。内側磁性板11の6個の角部には、それぞれ半径方向外側に延び出す突起13が形成されている。内側磁性板11の軸心部には、回転軸2が装着される取付穴14が形成されている。以上のように構成された内側磁性板11を複数枚積層することにより内側磁性板積層体10が構成され、内側磁性板積層体10の取付穴14には回転軸2が嵌合・装着されている。
【0021】
相互に実質上同一の構成を有する偶数個の(実施形態においては6個の)外側磁性板積層体20の各々は、相互に実質上同一の構成を有する複数の外側磁性板21を積層することにより構成されている。外側磁性板21は、電磁鋼板、実施形態においては珪素鋼板からなり、円弧形状をなす半径方向外側端22と、直線状に延在する半径方向内側端23と、周方向両側端24とを有している。以上のように構成された外側磁性板21を複数枚積層することにより外側磁性板積層体20が構成される。外側磁性板積層体20の各々は、内側磁性板積層体10の、実質上、半径方向外側に半径方向隙間をおいてかつ周方向に周方向隙間をおいて配置されている。すなわち、外側磁性板積層体20の各々の半径方向内側端23は、内側磁性板積層体10の対応する辺12に対し半径方向隙間をおいて平行に対向するよう配置されると共に周方向に周方向隙間をおいて対向するよう配置される。半径方向外側端22の各々は、回転軸2と共通の軸心を有する仮想円周上に位置付けられ、内側磁性板積層体10の各々の周方向隙間は、各々の周方向端24の間に形成されかつ内側磁性板積層体10の角部の各々、したがって突起13の各々に整合した周方向位置に配置される。
【0022】
外側磁性板積層体20の各々の半径方向内側端23と、内側磁性板積層体10の対応する辺12との間の半径方向隙間の各々には、例えばNd−Fe−B系の永久磁石30が挿入されている。永久磁石30の各々は、細長いほぼ直方体形状に形成されている。永久磁石30の各々間に形成される周方向隙間の各々及び外側磁性板積層体20の各々間に形成される周方向隙間の各々は、内側磁性板積層体10の対応する角部において相互に整合するよう配置されて、角部隙間を形成する。この角部隙間の総計は6個である。該角部隙間の各々には内側磁性板積層体10の突起13が位置付けられる。突起13の半径方向外側端は、相互に周方向に対向する永久磁石30の周方向端における半径方向外側端よりも半径方向内側に位置付けられている。なお、永久磁石30の各々は、各々の磁極が半径方向に向けられるよう形成され、かつ周方向に隣接する永久磁石30の各々間において半径方向外側の磁極同士が互いに異極をなし、したがって半径方向内側の磁極同士が互いに異極をなすよう配置される。
【0023】
内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、外側磁性板積層体20の各々、及び該角部隙間の各々の軸方向両端面は、溶融可能な非磁性材40の層により覆われ、そして該角部隙間の各々は、該非磁性材40により該層の各々と一体となるよう充填されている。非磁性材40は、アルミニウム、アルミニウム合金あるいは亜鉛合金等の非磁性材からなる。非磁性材40は、後述するようにしてダイキャストにより、回転軸2、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々及び外側磁性板積層体20の各々を、外側磁性板積層体20の各々の半径方向外側端面を除き、実質上一体に鋳ぐるむことができる。内側磁性板積層体10及び永久磁石30の各々は、外側磁性板積層体20の各々及び非磁性材40の内部に完全に埋設される。内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、外側磁性板積層体20の各々、及び該角部隙間の各々の軸方向両端面を覆う非磁性材40の層の各々と、該角部隙間の各々を充填した非磁性材40の各々とは、ほぼ円柱形状をなす、ロータ100の本体部102を構成する。本体部102の軸方向両端面は非磁性材40により形成され、外周面は、外側磁性板積層体20の各々の半径方向外側端面と、該角部隙間に充填された非磁性材40の各々の半径方向外側端面とにより形成される。
【0024】
本発明による回転機のロータ100は、上記したように、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、外側磁性板積層体20の各々及び該角部隙間の各々の軸方向両端面が溶融可能な非磁性材40の層により覆われかつ該角部隙間の各々が該非磁性材40により該層の各々と一体となるよう充填されているので、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々及び外側磁性板積層体20の各々を非磁性材40によって、外側磁性板積層体20の各々の外周面を除き、一体的に鋳ぐるむことを可能にする。非磁性材40は鋳造により一体に成形することが可能である。このため、従来におけるような、かしめ、溶接、接着等の煩雑な作業が不要となり、従来に比べて組付作業が簡単となり、そして組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減され、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。また従来のロータにおけるような切欠きが不要となり、切欠きの部分には非磁性材40が充填されるので、異極間の磁気ショートを軽減すると共に高速回転時における強度を確保することを容易に可能にするものである。更にはまた、永久磁石30の各々は、外側磁性板積層体20の各々及び非磁性材40によって完全に覆われるので(埋設されるので)、発電機又は電動機である回転機に適用した場合、回転機のケースに通風孔を設け、回転軸に配設したファンによりケース内にエアを供給することにより強制冷却を行っても、鉄粉等のダストあるいは水等から永久磁石30の各々を完全に保護することが可能になる。その結果、回転機の所要の性能及び耐久性を長期にわたって十分に確保することを容易に可能にする。
【0025】
上記ロータ100においてはまた、内側磁性板積層体10の角部の各々には、半径方向外側に対応する該角部隙間に向かって延び出す突起13が形成され、突起13の各々は、対応する角部において相互に周方向に対向する永久磁石30の周方向端の間に位置付けられているので、高速回転時における強度を向上させることができる。なお、実用上、高速回転時における強度が確保できるのであれば、突起13の各々を形成しない他の実施形態もありうる。
【0026】
次に上記ロータ100の制作方法について説明する。図4を参照して、先に述べた内側磁性板11は、図示しないプレス機械によって珪素鋼板(平板)を打ち抜き加工することにより形成することができる。突起13の各々の周方向両端は、内側磁性板11を軸方向に見て、取付孔14の軸心O及び正6角形の図示しない角を通って半径方向に延在する仮想直線Lを等角度で挟んで、軸心Oを通り半径方向に延在する2本の仮想直線L1上に延在するよう形成される。したがって、突起13の各々の周方向両端は、仮想直線Lに対し周方向の対称位置において、半径方向外側に向かってその周方向幅が末広がりとなるよう傾斜している。また突起13の各々の半径方向外側端は、上記仮想直線Lに直交するよう(すなわち接線方向に延在するよう)形成されている。
【0027】
先に述べた外側磁性板積層体20の各々は、成型後のロータ100として完成された状態においては、先に説明したように、相互に周方向に分離された不連続の独立部材として配列されているが、成形前においては、溶融可能な非磁性材40が充填される上記角部隙間の各々の半径方向外側端が円弧状の細い橋絡部212によって連結されることにより、外周端部全体が連続した円形状をなすよう一体に形成された1枚の外側磁性板本体210を積層することにより形成される外側磁性板本体積層体220(図7及び図8参照)から構成される。そして後述する、成形後の切削加工により、上記のように外側磁性板積層体20の各々に分離される。
【0028】
図5を参照して、図示しないプレス機械によって珪素鋼板(平板)を打ち抜き加工することにより形成される外側磁性板本体210は、円形外周端211を有しかつ内側磁性板11の辺12と同数である偶数個の(実施形態においては6個の)半径方向内側端23と、内側端23の各々の周方向端の間に形成されて一端が半径方向内側に開放され他端が上記外周端211との間に橋絡部212を残して閉じられた溝213とからなる貫通孔214を有している。内側端23の各々は、それぞれ直線状に延在し、実質上、正6角形の辺を構成するよう配置され、この正6角形の角部の各々に溝213が配置されている。この正6角形の中心、したがって貫通孔214の中心は、外側磁性板本体210の軸心Oと一致するよう位置付けられている。溝213の各々の周方向両端は、外側磁性板本体210を軸方向に見て、外側磁性板本体210の軸心O及び上記正6角形の図示しない角を通って半径方向に延在する仮想直線Lを等角度で挟んで、軸心Oを通り半径方向に延在する2本の仮想直線L1上に延在するよう形成され、また溝213の各々の半径方向外側端は、円形外周端211に平行な円弧形状に形成されている。これらの直線L及びL1の各々は、外側磁性板本体210の軸心Oが、内側磁性板11の軸心上に位置付けられた状態で、内側磁性板11における上記直線L及びL1の各々と一致するよう規定されている。2点鎖線22で示される円形状部は、後述する切削加工によって切削される切削予定面(切削予定ライン)を表している。この切削代は、少なくとも外側磁性板本体210の橋絡部212の各々が完全に切除される程度に規定される。
【0029】
図6には、ロータ100の組付及び成形用型300の構成が概略的に示されている。組付及び成形用型300は、下端に底壁301を有する円筒部302と、円筒部302の開口端を離脱自在に閉塞しうる蓋型303とを有している。円筒部302内の底壁301の上面には、キャップ形状の隙間設定部材304が挿入されている。底壁301の軸心部には、回転軸2が嵌合される図示しない貫通孔、及び溶融された非磁性材40を注入するための注湯口が形成されている。蓋型303の軸心部には、回転軸2が嵌合される貫通孔305が形成されている。隙間設定部材304は、後述するとおりにして鋳込まれる溶融可能な上記非磁性材40と同じ材料から形成され、その天壁部には、6個の貫通孔306が周方向に間隔をおいて形成されている。
【0030】
図6〜図8を参照して、以上のように構成された組付及び成形用型300において、ロータ100の一部である回転軸2を、底壁301の図示しない貫通孔に嵌合することにより、組付及び成形用型300の軸心に合わせてセットする。回転軸2の上端部は円筒部302の開口端を越えて上方に突出させられ、また下端部は底壁301から下方に突出させられる。次いで、上記内側磁性板11をその取付孔14を介して回転軸2に挿入しながら円筒部302内に挿入して、隙間設定部材304の上面に適宜の枚数、積層する。この積層作業は、内側磁性板11を単に回転軸2に挿入して積み重ねてゆくだけであり、容易かつ確実に行なうことができる。その後、上記外側磁性板本体210を、円筒部302の内周面に嵌合しながら、隙間設定部材304の上面に適宜の枚数、積層する。この積層作業も、外側磁性板本体210を円筒部302の内周面に沿って挿入して積み重ねてゆくだけであり、容易かつ確実に行なうことができる。外側磁性板本体210は、貫通孔214が内側磁性板11の半径方向外側全体を半径方向外側から覆うよう配置され、そして内側端23の各々が内側磁性板11の対応する辺12に対し半径方向外側に半径方向隙間をおいて平行に対向し、かつ溝213の各々の周方向位置と内側磁性板11の対応する角部(突起13)とが整合してそれぞれ角部の半径方向外側に角部隙間230が形成されるように配置される。内側磁性板11及び外側磁性板本体210は、予め上記配置を可能にするような形状及び大きさに、それぞれ形成されることはいうまでもない。外側磁性板本体210の外径を円筒部302の内径とほぼ同じ(若干小さめ)に形成しておくことは、ガタ防止上好ましい。なお、この実施形態においては、内側磁性板11を複数枚積層した後に、内側磁性板11の半径方向外側に外側磁性板本体210を複数枚積層するようその順序が規定されているが、もちろん逆の順序であっても成立する。内側磁性板11の積層及び外側磁性板本体210の積層を複数回繰り返すことにより、円筒部302内に所定の軸方向厚さを有する内側磁性板積層体10及び外側磁性板本体積層体220を形成する。
【0031】
次に、内側磁性板積層体10の辺12の各々と外側磁性板本体積層体220の対応する内側端23との間の半径方向隙間にそれぞれ永久磁石30を挿入する(図8参照)。永久磁石30の各々は対応する隙間に実質上密着して挿入される。先に述べたように、内側磁性板11の各々における突起13の周方向両端は、半径方向外側に向かってその周方向幅が末広がりとなるよう傾斜しており、永久磁石30の各々の周方向両端は、対応する突起13の周方向端の傾斜面に実質上密着させられるよう位置付けられるので、該傾斜に対応した傾斜を有するよう形成されている。したがって永久磁石30の各々の横断面はほぼ台形状をなす。また永久磁石30の各々の軸方向長さは、内側磁性板積層体10及び外側磁性板本体積層体220の軸方向の厚さとほぼ一致するよう形成されている。内側磁性板積層体10の辺12の各々と外側磁性板本体積層体220の対応する内側端23との間の半径方向隙間にはそれぞれ永久磁石30が挿入されるので、内側磁性板積層体10の角部に存在する突起13の各々の半径方向外側端面と、永久磁石30の各々の周方向に対向する端面の各々と、外側磁性板本体積層体220の対応する溝213との間には、それぞれ最終的に角部隙間230(図8参照)が形成される。この角部隙間230の数は総計6個である。角部隙間230の各々は軸方向に見てほぼ台形状をなしている。内側磁性板11の各々における突起13の各々の半径方向外側端は、相互に周方向に対向する永久磁石30の周方向端の半径方向外側端よりも半径方向内側に位置付けられる。なお、角部隙間230の各々は、組付及び成形用型300の底壁301の上面にセットされた、上記隙間設定部材304の天壁部に形成された6個の貫通孔306の各々に対応した位置に位置付けられる。
【0032】
以上のとおりにして、内側磁性板積層体10、外側磁性板本体積層体220及び永久磁石30の各々が、組付及び成形用型300の円筒部302内にセットされた後、円筒部302の開口端を蓋型303により閉塞する。蓋型303と、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々及び外側磁性板本体積層体220の軸方向上端面(実質上同一面上にある)との間には、所定の軸方向隙間が設けられる。この軸方向隙間は、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々及び外側磁性板本体積層体220の軸方向下端面(実質上同一面上にある)と底壁301との間に、隙間設定部材304によって設定される軸方向隙間と実質上同一に規定される。次いで、溶融された非磁性材40を、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、外側磁性板本体積層体220、及び角部隙間230の各々の軸方向両端面を非磁性材40の層で覆うと共に、角部隙間230の各々を該層の各々と一体となるよう充填することにより(鋳込むことにより)、回転軸2、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々及び外側磁性板本体積層体220を、外側磁性板本体積層体220の外周面の一部を除き、一体に鋳ぐるむ。
【0033】
更に具体的には、組付及び成形用型300の底壁301に形成された図示しない注湯口から溶融された非磁性材40を注湯する。溶融された非磁性材40は、底壁301と隙間設定部材304との間の軸方向隙間、隙間設定部材304の貫通孔306の各々、上記角部隙間230の各々及び、蓋型303と、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々及び外側磁性板本体積層体220の軸方向上端面との間の上記軸方向隙間を上記記載順に流動させられ、それらの各々を充填する。なお、蓋型303には適宜のエア抜き手段が設けられているが詳細は省略する。組付及び成形用型300内に充填された溶融非磁性材40を、周知の加圧手段により加圧して、ダイキャスト鋳造を遂行する。上記隙間設定部材304は、溶融された非磁性材40によって一体に実質上鋳ぐるまれる。隙間設定部材304は溶融された非磁性材40と同じ材料からなるので、問題はない。このようにして溶融された非磁性材40により一体に実質上鋳ぐるむことによって成形されたロータ100の中間品を、所定時間経過後、組付及び成形用型300から取り出し(離型し)、冷却した後、外側磁性板本体積層体220及び軸方向両側の非磁性材40の層の外周面を回転軸2の軸心まわりに切削加工を施して、外側磁性板本体積層体220の橋絡部212の各々を切除する。
【0034】
上記切削加工によって、橋絡部212の各々の半径方向内側の上記角部隙間230の各々に充填されかつ成形当初は橋絡部212の各々によって半径方向外側が覆われていた非磁性材40の各々は、外周面に露呈されることになる。また上記切削加工によって、外側磁性板本体210の積層体から構成された外側磁性板本体積層体220を、相互に周方向に分離された6個の外側磁性板積層体20とする。外側磁性板積層体20の各々、角部隙間230の各々に充填された非磁性材40及び軸方向両側の非磁性材40の層の各々、の半径方向外側端面は、実質上共通の円形外周面22上に位置付けられ、該円形外周面22は切削面から形成されることになる。この切削面は、図2に示される、不連続の独立した外側磁性板積層体20の各々の半径方向外側端(外側端面)22を規定する。次に、必要であれば、上記ロータ100の中間品の軸方向両側面を切削加工する。次いでロータ100の回転バランス取り(バランシング)を行なうことにより、ロータ100は完成品となる。
【0035】
本発明によるロータ100の製作方法によれば、組付及び成形用型300の円筒部302にセットされた回転軸2に、内側磁性板11をその取付孔14を介して挿入しながら積層し、また外側磁性板本体210を円筒部302に嵌合しながら積層して、外側磁性板本体210の内側端23の各々と内側磁性板11の対応する辺12との間に半径方向隙間を、また外側磁性板本体210の溝213の各々と内側磁性板11の対応する角部との間に角部隙間230を形成して、円筒部302内に内側磁性板積層体20及び外側磁性板本体積層体220を形成し、複数の永久磁石30を半径方向隙間の各々に挿入した後、溶融された非磁性材40を、内側磁性板積層体20、永久磁石30の各々、外側磁性板本体積層体220、及び角部隙間230の各々の軸方向両端面を非磁性材40の層で覆うと共に、角部隙間230の各々を該層の各々と一体となるよう充填することにより(鋳込むことにより)、回転軸2、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々及び外側磁性板本体積層体220を、外側磁性板本体積層体220の外周面の一部を除き、一体に鋳ぐるみ、離型後、外側磁性板本体積層体220及び非磁性材40の外周端を切削して外側磁性板本体210の橋絡部212の各々を切除することによって、ロータ100を製作することができる。その結果、従来におけるような、かしめ、溶接、接着等の煩雑な作業が不要となり、従来に比べて組付作業が簡単となり、そして組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減され、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。
【0036】
回転軸2に、内側磁性板11をその取付孔を介して挿入しながら積層し、また外側磁性板本体210を円筒部302の内周面に嵌合しながら積層することにより、円筒部302内に内側磁性板積層体20及び外側磁性板本体積層体220を形成することができるので、組付作業が容易化され、組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減される。特にロータ100の完成時には相互に分離されている外側磁性板21の各々は、組付時には外側磁性板本体210として一体に形成されているので、部品点数が低減され、上記のとおりに組付作業が容易化される。また円筒部302内に内側磁性板積層体10及び外側磁性板本体積層体220を形成し、永久磁石30の各々を組み付けた後、非磁性材40による鋳造によって各部材を鋳ぐるむことによりロータ100の中間品を形成することができるので、トータル的に製作が容易化され、製作時間が短縮されると共に労力の負担が軽減される。
【0037】
また従来のロータにおけるような切欠きが不要となり、切欠きの部分には非磁性材40が充填されるので、異極間の磁気ショートを軽減すると共に高速回転時における強度を確保できるロータ100を製作することができる。更にはまた、永久磁石30の各々が外側磁性板積層体20の各々及び非磁性材40によって完全に覆われたロータ100を製作することができるので、このロータ100を発電機又は電動機である回転機に適用した場合、回転機のケースに通風孔を設け、回転軸に配設したファンによりケース内にエアを供給することにより強制冷却を行っても、鉄粉等のダストあるいは水から永久磁石30の各々を完全に保護することが可能になる。その結果、回転機の所要の性能及び耐久性を長期にわたって十分に確保することを容易に可能にする。
【0038】
図9には、本発明による回転機のロータ100の他の実施形態を構成する、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220、及び、永久磁石30の各々の他の実施形態が、組付及び成形用型300の円筒部302内に挿入された状態で示されている。内側磁性板11における突起13の各々の周方向両端は、内側磁性板11を軸方向に見て、取付孔14の軸心O及び正6角形の図示しない角を通って半径方向に延在する仮想直線Lを等間隔に挟みかつ半径方向に平行に延在する2本の仮想直線L2上に延在するよう形成される。したがって、突起13の各々の周方向両端は、仮想直線Lに対し周方向の対称位置において、半径方向外側に向かって平行に直線状に延在している。内側磁性板11及び内側磁性板積層体10のその他の構成は図1〜図8を参照して説明した先の実施形態における内側磁性板11及び内側磁性板積層体10と実質上同じである。また図9に示される外側磁性板本体210における溝213の各々の周方向両端は、外側磁性板本体210を軸方向に見て、外側磁性板本体210の軸心O及び上記正6角形の図示しない角を通って半径方向に延在する仮想直線Lを等間隔に挟んで、軸心Oを通り半径方向に平行に延在する2本の仮想直線L2上に延在するよう形成される。これらの直線L及びL2の各々は、外側磁性板本体210の軸心Oが、内側磁性板11の軸心上に位置付けられた状態で、内側磁性板11における上記直線L及びL2の各々と一致するよう規定されている。外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220のその他の構成は、図5〜図8を参照して説明した先の実施形態における外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220と実質上同じである。なお永久磁石30の各々は、各々の周方向両端の傾斜が若干相違するのみで、横断面はほぼ台形をなす基本構成は先の実施形態とほぼ同じである。角部隙間230の各々は軸方向に見てほぼ矩形状をなしている。
【0039】
上記各部材を含むロータ100において、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10、及び、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220の構成は、図1〜図8を参照して説明した先の実施形態におけるそれらの構成よりも若干簡略化されているが、本質的な特徴に相違はない。したがって、図9に示される、上記各部材を含むロータ100及びそれを製作する方法、の作用効果は、図1〜図8を参照して説明した先の実施形態におけると実質上同一であり、説明は省略する。
【0040】
図10には、本発明による回転機のロータ100の更に他の実施形態を構成する、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220、及び、永久磁石30の各々の、更に他の実施形態が、組付及び成形用型300の円筒部302内に挿入された状態で示されている。内側磁性板11における突起13の各々の周方向両端は、内側磁性板11を軸方向に見て、対応する辺12の周方向端から直角に半径方向外側に向かって延び出すよう形成されている。内側磁性板11及び内側磁性板積層体10のその他の構成は図1〜図8を参照して説明した先の実施形態における内側磁性板11及び内側磁性板積層体10と実質上同じである。図10に示される外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220は、図9に示された外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220と実質上同じ構成を有している。また永久磁石30の各々の周方向両端は、対応する突起13の周方向端に実質上密着させられるので、永久磁石30の各々の横断面は実質上矩形状に形成されている。永久磁石30の各々の周方向両端の半径方向外側端は、外側磁性板本体210の対応する溝213の半径方向内側端に位置付けられている。上記各部材を含むロータ100において、永久磁石30の各々の構成は、図1〜図8を参照して説明した先の実施形態における永久磁石30の各々の構成よりも単純化され、したがって比較的低コストで製造することができるが、全体の構成における本質的な特徴に相違はない。したがって、図10に示される、上記各部材を含むロータ100及びそれを製作する方法、の作用効果は、図1〜図8を参照して説明した先の実施形態におけると実質上同一であり、説明は省略する。
【0041】
図11には、本発明による回転機のロータ100の更に他の実施形態を構成する、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220、及び、永久磁石30の各々の、更に他の実施形態が、組付及び成形用型300の円筒部302内に挿入された状態で示されている。内側磁性板11、したがって内側磁性板積層体10における突起13の各々は、対応する角部隙間230の半径方向中央を、角部隙間230の半径方向外側端、すなわち橋絡部212の半径方向内側端まで延在して、角部隙間230を周方向に2分割するよう位置付けられている。内側磁性板11及び内側磁性板積層体10のその他の構成は、図1〜図8を参照して説明した先の実施形態における内側磁性板11及び内側磁性板積層体10と実質上同一である。また外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220の構成、及び、永久磁石30の各々の構成は、図10に示されたそれらの構成と実質上同一である。上記各部材を含むロータ100においては、内側磁性板11、したがって内側磁性板積層体10における突起13の各々が、対応する角部隙間230の半径方向中央を、橋絡部212の半径方向内側端まで延在して、角部隙間230を周方向に2分割するよう位置付けられているので、先の実施形態のいずれよりも、高速回転時における強度を一層向上させることができる。また周方向に2分割された角部隙間230の各々には、先の実施形態と同じとおりにして非磁性材40が充填されるので、周方向に2分割された角部隙間230の各々に非磁性部材を挿入する形態の、従来のロータに比べて部品点数を著しく低減することができ、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。図11に示される、上記各部材を含むロータ100の全体の構成における本質的な特徴は、先の実施形態と実質上同じである。したがって、図11に示される、上記各部材を含むロータ100及びそれを製作する方法、の作用効果は、図1〜図8を参照して説明した先の実施形態におけると実質上同一であり、説明は省略する。
【0042】
なお、図1〜図11を参照して説明した先に実施形態の各々において、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10の辺12の数は、それぞれ6個であるが、各実施形態において、偶数個であれば、4個、あるいは8個以上であっても成立する。内側磁性板11及び内側磁性板積層体10の辺12の数に応じて、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220の構成、及び、永久磁石30の数等が規定されることはいうまでもない。
【0043】
図12には、本発明による回転機のロータ100の更に他の実施形態が示されている。このロータ100は、回転軸2が装着された内側磁性板積層体10と、4個の外側磁性板積層体20と、4個の永久磁石30と、4個の他の永久磁石50と、溶融可能な非磁性材40とから構成されている。内側磁性板積層体10は、相互に実質上同一の構成を有する複数の内側磁性板11を積層することにより構成されている。内側磁性板11は、電磁鋼板、実施形態においては珪素鋼板からなり、それぞれ直線状に延在する4個の辺12を有しかつ実質上、正4角形状をなすよう形成されている。内側磁性板11の4個の角部には、それぞれ面取15が形成されている。内側磁性板11の軸心部には、回転軸2が装着される取付孔14が形成されている。以上のように構成された内側磁性板11を複数枚積層することにより内側磁性板積層体10が構成され、内側磁性板積層体10の取付孔14には回転軸2が嵌合・装着されている。
【0044】
相互に実質上同一の構成を有する4個の外側磁性板積層体20の各々は、相互に実質上同一の構成を有する複数の外側磁性板21を積層することにより構成されている。外側磁性板21は、電磁鋼板、実施形態においては珪素鋼板からなり、円弧形状をなす半径方向外側端22と、直線状に延在する半径方向内側端23と、周方向両側端24とを有している。以上のように構成された外側磁性板21を複数枚積層することにより外側磁性板積層体20が構成される。外側磁性板積層体20の各々は、内側磁性板積層体10の、実質上、半径方向外側に半径方向隙間をおいてかつ周方向に周方向隙間をおいて配置されている。すなわち、外側磁性板積層体20の各々の半径方向内側端23は、内側磁性板積層体10の対応する辺12に対し半径方向隙間をおいて平行に対向するよう配置されると共に周方向に周方向隙間をおいて対向するよう配置される。外側磁性板積層体20の各々の周方向間に形成される周方向隙間の各々は、半径方向に一定の周方向幅で延在するよう形成されている。半径方向外側端22の各々は、回転軸2と共通の軸心を有する仮想円周上に位置付けられ、内側磁性板積層体10の各々の周方向隙間は、内側磁性板積層体10の角部の各々、したがって面取15の各々に整合した周方向位置に配置される。
【0045】
外側磁性板積層体20の各々の半径方向内側端23と、内側磁性板積層体10の対応する辺12との間の半径方向隙間の各々には、例えばNd−Fe−B系の永久磁石30が挿入されている。永久磁石30の各々は、細長いほぼ直方体形状に形成されている。永久磁石30の各々間に形成される周方向隙間の各々及び外側磁性板積層体20の各々間に形成される周方向隙間の各々は、内側磁性板積層体10の対応する角部において相互に整合するよう配置されて、角部隙間を形成する。この角部隙間の総計は4個である。該角部隙間の各々には内側磁性板積層体10の面取15が対向して位置付けられる。該角部隙間の各々にはまた、半径方向内側に隙間の一部を残して他の永久磁石50が挿入されている。例えばNd−Fe−B系の永久磁石50は、細長いほぼ直方体形状に形成されている。
【0046】
内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、外側磁性板積層体20の各々、及び該隙間の一部の各々の軸方向両端面は、溶融可能な非磁性材40の層により覆われ、そして該隙間の一部の各々は、該非磁性材40により該層の各々と一体となるよう充填されている。非磁性材40は、先の実施形態におけると同様にして、回転軸2、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、永久磁石50の各々及び外側磁性板積層体20の各々を、外側磁性板積層体20の各々の半径方向外側端面を除き、実質上一体に鋳ぐるむことができる。内側磁性板積層体10及び永久磁石30の各々は、外側磁性板積層体20の各々及び非磁性材40の内部に完全に埋設される。内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、永久磁石50の各々、外側磁性板積層体20の各々、及び該隙間の一部の各々の軸方向両端面を覆う非磁性材40の層の各々と、該隙間の一部の各々を充填した非磁性材40の各々とは、ほぼ円柱形状をなす、ロータ100の本体部102を構成する。本体部102の軸方向両端面は非磁性材40により形成され、外周面は、外側磁性板積層体20の各々の半径方向外側端面22と、永久磁石50の各々の半径方向外側端面とにより形成される。
【0047】
本発明による回転機のロータ100は、上記したように、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、永久磁石50の各々、外側磁性板積層体20の各々及び該隙間の一部の各々の軸方向両端面が、溶融可能な非磁性材40の層により覆われかつ該隙間の一部の各々は該非磁性材40により該層の各々と一体となるよう充填されているので、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、永久磁石50の各々及び外側磁性板積層体20の各々を非磁性材40によって、永久磁石50の各々の半径方向外側端面及び外側磁性板積層体20の各々の外周面を除き、一体的に鋳ぐるむことを可能にする。非磁性材40は鋳造により一体に成形することが可能である。このため、従来におけるような、かしめ、溶接、接着等の煩雑な作業が不要となり、従来に比べて組付作業が簡単となり、そして組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減され、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。更にはまた、従来において軸方向の両端面が外部に露呈されていた永久磁石30及び50の各々を含む軸方向の両端面は、非磁性材40によって完全に覆われるので、発電機又は電動機である回転機に適用した場合、回転機のケースに通風孔を設け、回転軸に配設したファンによりケース内にエアを供給することにより強制冷却を行っても、鉄粉等のダストあるいは水等から永久磁石30の各々を完全に保護することが可能になる。また永久磁石50の各々の軸方向両端面側は完全に保護することが可能になる。その結果、回転機の所要の性能及び耐久性を長期にわたって確保することを容易に可能にする。
【0048】
次に図12に示された上記ロータ100の制作方法について説明する。図12に示された上記ロータ100の制作方法は、先に述べた制作方法と本質的には同じであり、したがって以下、その概要を説明する。図13には、図12を参照して説明したロータ100を構成する、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10と、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220とが、組付及び成形用型300の円筒部302内に挿入された状態で示され、また図14には、図12を参照して説明したロータ100を構成する、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220、永久磁石30の各々、及び永久磁石50の各々が、組付及び成形用型300の円筒部302内に挿入された状態で示されている。
【0049】
図13を参照して、先に述べた、実質上正方形をなす内側磁性板11は、図示しないプレス機械によって珪素鋼板(平板)を打ち抜き加工することにより形成することができる。先に述べた外側磁性板積層体20の各々は、成型後のロータ100として完成された状態においては、先に説明したように、相互に周方向に分離された不連続の独立部材として配列されているが、成形前においては、溶融可能な非磁性材40が充填される上記隙間の各々の半径方向外端が円弧状の細い橋絡部212によって連結されることにより、外周端部全体が連続した円形状をなすよう一体に形成された1枚の外側磁性板本体210を積層することにより形成される外側磁性板本体積層体220から構成される。そして後述する、成形後の切削加工により、上記のように外側磁性板積層体20の各々に分離される。
【0050】
図示しないプレス機械によって珪素鋼板(平板)を打ち抜き加工することにより形成される外側磁性板本体210は、円形外周端211を有しかつ内側磁性板11の辺12と同数である4個の半径方向内側端23と、内側端23の各々の周方向端の間に形成されて一端が半径方向内側に開放され他端が上記外周端211との間に橋絡部212を残して閉じられた溝213とからなる貫通孔214を有している。内側端23の各々は、それぞれ直線状に延在し、実質上、正4角形の辺を構成するよう配置され、この正4角形の角部の各々に溝213が配置されている。この正4角形の中心、したがって貫通孔214の中心は、外側磁性板本体210の軸心Oと一致するよう位置付けられている。溝213の各々の周方向両端は、外側磁性板本体210を軸方向に見て、外側磁性板本体210の軸心O及び上記正4角形の図示しない角を通って半径方向に延在する仮想直線Lを等間隔に挟んで、軸心Oを通り半径方向に平行に延在する2本の仮想直線L3上に延在するよう形成され、また溝213の各々の半径方向外側端は、円形外周端211に平行な円弧形状に形成されている。2点鎖線22で示される円形状部は、先に述べたと同様な切削予定面を表している。永久磁石30及び50の各々は直方体形状に形成されている。
【0051】
上記組付及び成形用型300の円筒部302にセットされた回転軸2に、内側磁性板11をその取付孔14を介して挿入しながら積層し、また外側磁性板本体210を円筒部302に嵌合しながら積層する。これらの積層によって、外側磁性板本体210の内側端23の各々と、内側磁性板11の対応する辺12との間に半径方向隙間を、また外側磁性板本体210の溝213の各々と内側磁性板11の対応する角部との間に角部隙間230を形成して、円筒部302内に内側磁性板積層体10及び外側磁性板本体積層体220を形成する。図13と共に図14をも参照して、上記半径方向隙間の各々に永久磁石30を挿入する。永久磁石30の各々の横断面における長手方向の長さは、内側磁性板11の対応する辺12の長さとほぼ同一に規定されている。また角部隙間230の各々にそれぞれ半径方向内側に隙間の一部(角部隙間230の一部)230aを残して永久磁石50を挿入する。永久磁石50の各々の横断面における長手方向の長さは、外側磁性板本体210の対応する溝213の半径方向長さとほぼ同一に規定されている。以上のとおりにして、内側磁性板積層体10、外側磁性板本体積層体220、永久磁石30の各々及び永久磁石50の各々が、組付及び成形用型300の円筒部302内にセットされた後、円筒部302の開口端を先の実施形態と同様にして蓋型303により閉塞する。次いで、溶融された非磁性材40を、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、永久磁石50の各々、外側磁性板本体積層体220、及び隙間の一部230aの各々の軸方向両端面を非磁性材40の層で覆うと共に、隙間の一部230aの各々を該層の各々と一体となるよう充填することにより(鋳込むことにより)、回転軸2、内側磁性板積層体10、永久磁石30の各々、永久磁石50の各々及び外側磁性板本体積層体220を、外側磁性板本体積層体220の外周面の一部を除き、一体に鋳ぐるむ。離型後、外側磁性板本体積層体220及び非磁性材40の外周端を切削して橋絡部212の各々を切除する。以上の方法によって、図12に示されたロータ100を製作することができる。その結果、従来におけるような、かしめ、溶接、接着等の煩雑な作業が不要となり、従来に比べて組付作業が簡単となり、そして組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減され、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。
【0052】
なお、図12〜図14を参照して説明した先に実施形態の各々において、内側磁性板11及び内側磁性板積層体10の辺12の数は、それぞれ4個であるが、各実施形態において、偶数個であれば、4個、あるいは8個以上であっても成立する。内側磁性板11及び内側磁性板積層体10の辺12の数に応じて、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220の構成、及び、永久磁石30及び50の数等が規定されることはいうまでもない。
【0053】
図15には、本発明による回転機のロータ100の他の実施形態を構成する、内側磁性板11及び外側磁性板本体210の更に他の実施形態が示されている。先の実施形態におけると同じ材料から形成されている内側磁性板11は、それぞれ直線状に延在する8個の辺12を有しかつ実質上、正8角形状をなすよう形成されている。内側磁性板11の8個の角部には、それぞれ半径方向内側に延び出す溝11Aが形成されている。溝11Aの各々における半径方向内側端部の周方向幅は該内側端部よりも半径方向外側領域の周方向幅より広く形成されている。すなわち溝11Aの各々は、対応する角部から一定の周方向幅で軸心に向かって延びた後、半径方向内側端部において周方向両側に延び出すよう形成されている。内側磁性板11の軸心部には、回転軸2が装着される取付穴14が形成されている。先の実施形態におけると同じ材料から形成されている外側磁性板本体210は、円形外周端211を有しかつ内側磁性板11の辺12と同数である8個の半径方向内側端23と、内側端23の各々の周方向端の間に形成されて一端が半径方向内側に開放され他端が上記外周端211との間に橋絡部212を残して閉じられた溝213とからなる貫通孔214を有している。内側端23の各々は、それぞれ直線状に延在し、実質上、正8角形の辺を構成するよう配置され、この正8角形の角部の各々に溝213が配置されている。この正8角形の中心、したがって貫通孔214の中心は、外側磁性板本体210の軸心Oと一致するよう位置付けられている。溝213の各々における半径方向外側端部の周方向幅は該外側端部よりも半径方向内側領域の周方向幅より広く形成されている。すなわち溝213の各々は、対応する角部から一定の周方向幅で半径方向外側に向かって延びた後、半径方向外側端部において周方向両側に延び出すよう形成されている。溝213の各々の半径方向外側端は、円形外周端211に平行な円弧形状に形成されている。2点鎖線22で示される円形状部は、先の実施形態におけると同様な切削加工によって切削される切削予定面(切削予定ライン)を表している。この切削代は、少なくとも外側磁性板本体210の橋絡部212の各々が完全に切除される程度に規定される。
【0054】
図16には、図15に示す内側磁性板11及び内側磁性板積層体10、外側磁性板本体210及び外側磁性板本体積層体220、及び、永久磁石30の各々が、組付及び成形用型300の円筒部302内に挿入された状態で示されている。永久磁石30の各々は、内側磁性板積層体10の辺12の各々と外側磁性板本体積層体220の対応する内側端23との間の半径方向隙間に挿入される。内側磁性板積層体10の溝11Aの各々と外側磁性板本体積層体220の溝213の各々とは周方向に整合されて位置付けられ、先の実施形態におけると実質上同じとおりにしてロータ100が製作される。
【0055】
図15及び図16に示す上記各部材を含むロータ100において、内側磁性板積層体10の角部の各々には、半径方向内側に向かって延びる溝11Aが形成され、溝11Aの各々における半径方向内側端部の周方向幅は該内側端部よりも半径方向外側領域の周方向幅より広く形成され、永久磁石30の各々間及び外側磁性板積層体210の各々間の周方向隙間の各々により形成される角部隙間の各々における半径方向外側端部の周方向幅は該外側端部よりも半径方向内側領域の周方向幅より広く形成され、溝11Aの各々により形成される隙間の各々は該角部隙間の各々に整合して該角部隙間の各々の一部を構成する。これらの角部隙間の各々には、先に述べた溶融非磁性材40が充填されるが、角部隙間の各々に充填された非磁性材40の半径方向内側端部及び半径方向外側端部は、その間に存在する他の部分よりも周方向幅が広いため、ロータ100の高速回転時において、先の実施形態におけるよりも、半径方向外側へ飛び出しにくくなり、一層確実に該飛び出しが防止される、とのメリットが得られる。図15及び図16に示す上記各部材を含むロータ100は、図1〜図8を参照して説明した先の実施形態における特徴ある基本的構成を共有するものであり、また製作方法も実質上同じであり、したがって該実施形態におけると実質上同じ作用効果が得られることはいうまでもない。
【0056】
以上、本発明による回転機のロータの製作方法を、実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、IPMと称されているロータには、上記実施形態の他に、種々の形態が存在するが、本発明は、回転軸に装着された内側磁性板積層体と、内側磁性板積層体の実質上半径方向外側に配置された外側磁性板積層体と、少なくとも内側磁性板積層体と外側磁性板積層体との間に挿入された複数の永久磁石と、非磁性材が収容されうる複数の隙間とを備えている形態の回転機のロータであれば、上記実施形態以外の他の形態のロータにも適用することができる。該隙間の各々の一端は、ロータ本体部の軸方向の一端面に開口し、また他端はロータ本体部の軸方向の他端面に開口するよう形成される。該隙間の各々に非磁性材を収容することによって、異極間の磁気ショートを防止する隔壁として機能させられ、種々の配列形態がある。そして本発明の特徴は、内側磁性板積層体、永久磁石の各々、外側磁性板積層体の各々及び該隙間の各々の軸方向両端面が溶融可能な非磁性材の層により覆われかつ該隙間の各々が該非磁性材により該層の各々と一体となるよう充填されている、ことにある。この特徴ある構成により、先に述べた鋳ぐるみを可能にし、したがって、先に述べた種々の作用効果を達成することができるのである。
【0057】
磁性板400は、軸心部に形成されかつ軸心Oを有する取付孔14と、軸心Oと共通の軸心を有する円形外周端402と、軸心Oを中心に偶数個の実質上正多角形(実施形態では正8角形)をなすよう形成された半径方向隙間404と、半径方向隙間404の各々の角部において半径方向に延在するよう形成された半径方向橋絡部(ブリッジ)406を周方向に挟んでそれに沿って半径方向に延在するよう形成された一対の周方向隙間408とを備えている。半径方向隙間404及び周方向隙間408の各々は貫通孔から形成される。半径方向隙間404の各々は一定の半径方向幅をもって直線状に延在するよう形成されている。周方向隙間408の各々は、半径方向隙間404の各々よりも半径方向内側から半径方向外側に向かって延在し、各々の半径方向外側端は、円形外周端402に平行な円弧形状をなしている。周方向隙間408の各々の半径方向外側端と磁性板400の円形外周端402との間には、円弧状に延在する周方向橋絡部410が形成される。半径方向橋絡部406の各々は一定の周方向幅をもって半径方向に直線状に延在するよう形成され、各々の半径方向外側端は対応する周方向橋絡部410に接続される。半径方向橋絡部406の各々を周方向に挟むよう配置された周方向隙間408の各々の半径方向内側端部の周方向幅及び半径方向外側端部の周方向幅は、半径方向内側端部と半径方向外側端部との間の全中間領域の周方向幅よりも広く形成されている。周方向隙間408の各対は、半径方向隙間404の各々の角部における角部隙間を構成するので、角部隙間の各々の半径方向内側端部の周方向幅及び半径方向外側端部の周方向幅は、半径方向内側端部と半径方向外側端部との間の全中間領域の周方向幅よりも広く形成されている、といえる。2点鎖線22で示される円形状部は、先に述べたと実質上同じとおりにして行なわれる切削加工によって切削される切削予定面(切削予定ライン)を表している。この切削代は、少なくとも上記周方向橋絡部410の各々が完全に切除される程度に規定される。
【0058】
【発明の効果】
本発明による回転機の製作方法によれば、従来に比べて組付作業が簡単となり、そして組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減され、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。また、異極間の磁気ショートを軽減すると共に高速回転時における強度を確保することを容易に可能にする。更にはまた、部品点数を著しく低減し、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。更にはまた、回転機の所要の性能及び耐久性を長期にわたって十分に確保することを容易に可能にする。
【0059】
以上、本発明による回転機のロータ及びその製作方法を、実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、IPMと称されているロータには、上記実施形態の他に、種々の形態が存在するが、本発明は、回転軸に装着された内側磁性板積層体と、内側磁性板積層体の実質上半径方向外側に配置された外側磁性板積層体と、少なくとも内側磁性板積層体と外側磁性板積層体との間に挿入された複数の永久磁石と、非磁性材が収容されうる複数の隙間とを備えている形態の回転機のロータであれば、上記実施形態以外の他の形態のロータにも適用することができる。該隙間の各々の一端は、ロータ本体部の軸方向の一端面に開口し、また他端はロータ本体部の軸方向の他端面に開口するよう形成される。該隙間の各々に非磁性材を収容することによって、異極間の磁気ショートを防止する隔壁として機能させられ、種々の配列形態がある。そして本発明の特徴は、内側磁性板積層体、永久磁石の各々、外側磁性板積層体の各々及び該隙間の各々の軸方向両端面が溶融可能な非磁性材の層により覆われかつ該隙間の各々が該非磁性材により該層の各々と一体となるよう充填されている、ことにある。この特徴ある構成により、先に述べた鋳ぐるみを可能にし、したがって、先に述べた種々の作用効果を達成することができるのである。
【0060】
また、上記実施形態において、内側磁性板11及び外側磁性板21、磁性板400は、電磁鋼板の一実施形態である珪素鋼板から構成されているが、他の軟磁性鋼板(電磁鋼板に対し、保磁力が比較的弱い鋼板)、例えば、SPCC、SPHC、SS41P等の軟磁性鋼板から構成される他の実施形態ももちろん成立する。要するに非磁性材料ではなく、磁性材料(強磁性材料あるいは軟磁性材料のいずれでもよい)から形成された鋼板であれば成立する。更にはまた、上記実施形態においては、非磁性材40を、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛合金等の非磁性金属材料により形成しているが、耐熱性を有する高強度合成樹脂等の非金属材料により形成してもよい。なお、非磁性材40としてアルミニウムを使用する場合には、冷却時の収縮が比較的大きいために、電磁鋼板との間に若干の隙間ができる可能性があるので、含浸剤(接着剤との共用も可)を注入することが好ましい。また溶融可能な非磁性材40をアルミニウム等、電気抵抗の比較的少ない材料とすることが好ましい。
【0061】
【発明の効果】
本発明による回転機のロータ及びその製作方法によれば、従来に比べて組付作業が簡単となり、そして組付作業時間が短縮されると共に労力の負担が軽減され、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。また、異極間の磁気ショートを軽減すると共に高速回転時における強度を確保することを容易に可能にする。更にはまた、部品点数を著しく低減し、その結果、生産性の向上及び製造コストの低減を可能にする。更にはまた、回転機の所要の性能及び耐久性を長期にわたって十分に確保することを容易に可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるロータの実施形態を半径方向外側から見た図。
【図2】図1に示されるロータを、その軸方向の一端部を覆う非磁性材を除去した状態で示す斜視図。
【図3】図2に示されるロータを軸方向に見た図。
【図4】内側磁性板の平面図。
【図5】外側磁性板の平面図。
【図6】図1に示すロータのための組付及び成形用型及びロータを構成する部材を分解して示す斜視概略図。
【図7】内側磁性板及び外側磁性板が、図6に示される組付及び成形用型の円筒部内に挿入された状態を軸方向に見た図。
【図8】図7において、永久磁石が更に挿入された状態を示す図。
【図9】本発明によるロータの他の実施形態を構成する部材を示す図であって、図8と同様な図。
【図10】本発明によるロータの更に他の実施形態を構成する部材を示す図であって、図8と同様な図。
【図11】本発明によるロータの更に他の実施形態を構成する部材を示す図であって、図8と同様な図。
【図12】本発明によるロータの更に他の実施形態を示す斜視図であって、図2と同様な斜視図。
【図13】図12に示すロータに含まれる内側磁性板及び外側磁性板が、図6に示される組付及び成形用型の円筒部内に挿入された状態を軸方向に見た図。
【図14】図13において、永久磁石が更に挿入された状態を示す図。
【図15】本発明によるロータの更に他の実施形態を構成する内側磁性板及び外側磁性板を同軸上に配置して軸方向に見た図。
【図16】図15に示す内側磁性板及び外側磁性板が、図6に示される組付及び成形用型の円筒部内に挿入された状態を軸方向に見た図。
【図17】本発明によるロータの更に他の実施形態を構成する一体構造の磁性板を軸方向に見た図。
【図18】図17に示す磁性板が、図6に示される組付及び成形用型の円筒部内に挿入された状態を軸方向に見た図。
【符号の説明】
2 回転軸
10 内側磁性板積層体
11 内側磁性板
12 辺
13 突起
20 外側磁性板積層体
22 切削予定面
21 外側磁性板
30、50 永久磁石
40 非磁性材
100 ロータ
210 外側磁性板本体
212 橋絡部
220 外側磁性板本体積層体
230 角部隙間
230a 残された隙間の一部
400 磁性板
404 半径方向隙間
406 半径方向橋絡部
408 周方向隙間
410 周方向橋絡部
420 磁性板積層体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotor of a rotating machine that is a generator or an electric motor. More specifically, the rotor is inserted between an inner magnetic plate laminate on which a rotating shaft is mounted, and at least the inner magnetic plate laminate and the outer magnetic plate laminate. A plurality of permanent magnets and a plurality of gaps in which a nonmagnetic material can be accommodated. Manufacturing method of rotor of rotating machine About.
[0002]
[Prior art]
A first typical example of the rotor of the above form, which is generally called IPM (Interrer Permanent Magnet), has a magnetic plate laminate formed by laminating electromagnetic steel plates. The magnetic plate laminate has a substantially cylindrical shape, and a through hole is formed at the center thereof. The magnetic plate laminate is formed with six identical through-holes having a rectangular cross-section and arranged in a substantially hexagonal shape at intervals in the circumferential direction. In a circumferential position corresponding to each of the six through holes of the magnetic plate laminate, a meat portion between each of the six through holes is formed radially inward from the outer peripheral surface of the magnetic plate laminate. Notches extending so as to divide into two in the circumferential direction are formed (the total number of notches is six). A rotation shaft is integrally attached to the central through hole, and a permanent magnet is inserted into each of the six through holes.
[0003]
The 2nd typical example of the rotor of the said form has a magnetic board laminated body formed by laminating | stacking an electromagnetic steel plate. The magnetic plate laminate has a substantially cylindrical shape, and a through hole is formed at the center thereof. In the magnetic plate laminate, four identical through-holes having a rectangular shape with a long cross section are formed so as to form a substantially square shape at intervals in the circumferential direction. In the circumferential position corresponding to each of the four through-holes of the magnetic plate laminate, each of the four through-holes is spaced radially outward from the mutually adjacent ends. A pair of through-holes extending to the vicinity of the radially outer end of the magnetic plate laminate is formed (a total of four pairs of through-holes are formed). A rotation shaft is integrally attached to the central through hole, and a permanent magnet is inserted into each of the four through holes. A nonmagnetic member made of austenitic stainless steel or the like is inserted into each of the four pairs of through holes.
[0004]
The 3rd typical example of the rotor of the said form has an inner side magnetic board laminated body formed by laminating | stacking an electromagnetic steel plate. The inner magnetic plate laminate has four sides that are substantially square when viewed in the axial direction, and chamfers are formed at the four corners. A through hole is formed at the center of the inner magnetic plate laminate. Four outer magnetic plate laminates are arranged on the outer side in the radial direction of the inner magnetic plate laminate. Each of the outer magnetic plate laminates has a radially inner end arranged with a radial gap on the radially outer side of each of the sides of the inner magnetic plate laminate, and is arranged with a circumferential gap therebetween. ing. Four permanent magnets are inserted into each of the radial gaps with a circumferential gap. Each of the circumferential gaps between each of the permanent magnets and each of the outer magnetic plate laminates is arranged to be aligned with each other at the corresponding corners of the inner magnetic plate laminate to form a corner gap. . A permanent magnet is inserted into each of the corner gaps leaving a gap on the radially inner side. A nonmagnetic member made of austenitic stainless steel or the like is inserted into each of the remaining gaps.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Of the conventional rotors configured as described above, the first and second typical examples are generally laminated with electromagnetic steel sheets being fitted to the rotating shaft one by one and bonded to each other, Next, the outer peripheral portion is caulked or welded to form a magnetic plate laminate integrated with the rotating shaft, and then the permanent magnet is inserted into the corresponding through hole via an adhesive. Therefore, the assembling work is complicated, requiring a lot of assembling work time and a lot of labor, and the productivity is poor. Also, the production cost becomes high.
[0006]
In order to minimize magnetic short-circuits (magnetic leakage), as described above, in the first typical example, the outer peripheral portion of the electromagnetic steel plate corresponding to each of the permanent magnets, and hence the outer periphery of the magnetic plate laminate. By forming six notches in the part, the magnetism between the different poles was cut off. However, if these notches are excessively small, the surplus of the part of the magnetic steel sheet, and thus the magnetic plate laminate (formed between each notch and the circumferential end of the permanent magnet adjacent in the circumferential direction) (Circumferential thickness) becomes excessively large, resulting in an increase in magnetic shorts and a decrease in performance. If the notch is excessively large, the surplus portion of the magnetic steel sheet, and therefore the portion of the magnetic plate laminate, becomes excessively small, and the strength at the time of high-speed rotation may be insufficient. Therefore, it was difficult to design to satisfy both. In the second typical example, due to the insertion of four pairs of non-magnetic members, the number of parts is increased as compared to the first typical example, the productivity is further reduced, and the production cost is further increased. Get higher.
[0007]
On the other hand, in the third typical example, for the same reason as in the first and second typical examples, the assembling work is complicated, requires a lot of assembling work time and much labor, and is poor in productivity. In the third typical example, as compared with the first typical example, the number of permanent magnets is increased and a nonmagnetic member is added, resulting in an increase in the number of parts and a further decrease in productivity. In addition, the production cost increases. Furthermore, due to the fact that the electromagnetic steel sheet is divided into four parts from the beginning, the assembling work becomes more complicated, the productivity is further reduced, and the production cost is further increased.
[0008]
The present invention has been made on the basis of the above facts, and its purpose is to make assembly work easier than in the past, and to reduce the burden of labor while reducing the assembly work time, resulting in production. New, enabling improved productivity and reduced manufacturing costs Manufacturing method of rotor of rotating machine Is to provide.
[0009]
Another object of the present invention is to reduce the magnetic short between different poles and to make it easy to ensure the strength at high speed rotation. Manufacturing method of rotor of rotating machine Is to provide.
[0010]
Yet another object of the present invention is to provide a novel device that significantly reduces the number of parts, thereby improving productivity and reducing manufacturing costs. Manufacturing method of rotor of rotating machine Is to provide.
[0011]
Still another object of the present invention is to provide a novel machine that can easily ensure sufficient performance and durability of a rotating machine over a long period of time. Manufacturing method of rotor of rotating machine Is to provide.
[0012]
Other objects and features of the invention were constructed in accordance with the invention. Manufacturing method of rotor of rotating machine These embodiments will be apparent from the following description with reference to the accompanying drawings.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
Aspects of the invention In accordance with the present invention, the rotation shaft is set in accordance with the axis of the mold having the cylindrical portion, the mounting hole is formed in the axial center portion, and the substantially inner polygonal magnetic plate having an even number of sides is attached to the mounting hole. And is laminated between the circular outer peripheral end, the same number of radial inner ends as the sides, and the circumferential end of each of the inner ends, and one end is opened radially inward. And laminating an outer magnetic plate body comprising a through hole having a closed groove with the other end being closed with a bridging portion between the outer end and the inner end. A radial gap between each of the grooves and the corresponding side, and a corner gap between each of the grooves and the corresponding corner of the inner magnetic plate, thereby forming an inner magnetic plate in the cylindrical portion. A laminated body and an outer magnetic plate main body laminated body were formed, a permanent magnet was inserted into each of the radial gaps, and then melted A magnetic material is cast, and both end surfaces in the axial direction of each of the inner magnetic plate laminate, the permanent magnet, the outer magnetic plate main body laminate, and the corner gap are covered with the nonmagnetic material layer, and the corner portions are covered. Each of the gaps is filled so as to be integrated with each of the layers, and after release, the outer magnetic plate main body laminate and the outer peripheral edge of the nonmagnetic material are cut to cut off each of the bridging portions. A method for producing a rotor of a rotating machine is provided.
[0017]
According to still another aspect of the present invention, a rotating shaft is set in accordance with the axis of a mold having a cylindrical part, a mounting hole is formed in the axis and a substantially polygonal shape having an even number of sides. The inner magnetic plate is laminated while being inserted into the rotation shaft through the mounting hole, and is formed between the circular outer peripheral end, the same number of radially inner ends as the sides, and the circumferential ends of the inner ends. Laminating an outer magnetic plate body having a through hole having a groove with one end opened radially inward and the other end closed with a bridging portion between the outer peripheral end and fitting to the cylindrical portion Forming a radial gap between each of the inner ends and the corresponding side, and forming a corner gap between each of the grooves and a corresponding corner of the inner magnetic plate, An inner magnetic plate laminate and an outer magnetic plate body laminate are formed in the cylindrical portion, and permanent magnets are inserted into each of the radial gaps. And after inserting a permanent magnet leaving a part of the gap radially inside each of the corner gaps, casting a molten nonmagnetic material, each of the inner magnetic plate laminate and the permanent magnets, The outer magnetic plate main body laminate, and both axial ends of each part of the gap are covered with the nonmagnetic material layer, and each part of the gap is filled with each of the layers, After mold release, the outer peripheral edge of the outer magnetic plate main body laminate and the non-magnetic material are cut to cut off each of the bridging portions.
A method for producing a rotor of a rotating machine is provided.
[0018]
According to still another aspect of the present invention, the rotation shaft is set in accordance with the axis of the molding die having the cylindrical portion, the mounting hole formed in the shaft center, the circular outer peripheral end, and the even number of substantially A radial gap formed so as to form a regular polygon, and a radial bridge formed so as to extend in the radial direction at each corner of the radial gap in the circumferential direction along the circumferential direction. A magnetic plate having a pair of circumferential gaps formed so as to extend and forming a circumferential bridging portion between the circular outer circumferential end and the circular outer circumference while being inserted into the rotating shaft through the mounting hole A magnetic plate laminate is formed by laminating while fitting the end to the cylindrical portion, and after inserting a permanent magnet into each of the radial gaps, a molten nonmagnetic material is cast, The body, the permanent magnet, and the circumferential end of each axial end surface of the non-magnetic material Each of the circumferential bridges is filled with each of the circumferential gap pairs so as to be integrated with each of the layers, and after release, each of the circumferential bridge portions is cut by cutting the outer peripheral ends of the magnetic plate laminate and the nonmagnetic material. Excise the,
A method for producing a rotor of a rotating machine is provided.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in more detail with reference to the accompanying drawings. Referring to FIGS. 1 to 3, a
[0020]
Hereinafter, the configuration (completed configuration) of the
[0021]
Each of the even number (six in the embodiment) of outer magnetic plate laminates 20 having substantially the same configuration is formed by stacking a plurality of outer
[0022]
In each of the radial gaps between the radially
[0023]
Each of the inner
[0024]
As described above, the
[0025]
In the
[0026]
Next, a method for producing the
[0027]
Each of the outer magnetic plate laminates 20 described above is arranged as discontinuous independent members separated from each other in the circumferential direction, as described above, in a state where the
[0028]
Referring to FIG. 5, outer magnetic plate
[0029]
FIG. 6 schematically shows the structure of the assembly of the
[0030]
6 to 8, in the assembly and molding die 300 configured as described above, the
[0031]
Next, the
[0032]
As described above, after each of the inner
[0033]
More specifically, the molten
[0034]
By the cutting process, the
[0035]
According to the method for manufacturing the
[0036]
The inner
[0037]
Further, the notch is not required as in the conventional rotor, and the notch portion is filled with the
[0038]
In FIG. 9, the inner
[0039]
In the
[0040]
FIG. 10 shows an inner
[0041]
FIG. 11 shows an inner
[0042]
In each of the embodiments described above with reference to FIGS. 1 to 11, the number of
[0043]
FIG. 12 shows still another embodiment of the
[0044]
Each of the four outer magnetic plate laminates 20 having substantially the same configuration is configured by stacking a plurality of outer
[0045]
In each of the radial gaps between the radially
[0046]
Each of the inner
[0047]
As described above, the
[0048]
Next, a method for producing the
[0049]
Referring to FIG. 13, inner
[0050]
The outer magnetic plate
[0051]
The inner
[0052]
In each of the embodiments described with reference to FIGS. 12 to 14, the number of
[0053]
FIG. 15 shows still another embodiment of the inner
[0054]
In FIG. 16, the inner
[0055]
In the
[0056]
As described above, according to the present invention. Manufacturing method of rotor of rotating machine Although the present invention has been described in detail with reference to the accompanying drawings based on the embodiments, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various other modifications or changes can be made without departing from the scope of the present invention. Correction is possible. For example, there are various types of rotors called IPMs in addition to the above-described embodiment. The present invention includes an inner magnetic plate laminate mounted on a rotating shaft, and an inner magnetic plate laminate. An outer magnetic plate laminate disposed substantially radially outward, a plurality of permanent magnets inserted between at least the inner magnetic plate laminate and the outer magnetic plate laminate, and a plurality of nonmagnetic materials can be accommodated If it is a rotor of the rotary machine of the form provided with a clearance gap, it can apply also to the rotor of other forms other than the said embodiment. One end of each of the gaps is formed so as to open to one end surface in the axial direction of the rotor main body, and the other end is opened to the other end surface in the axial direction of the rotor main body. By accommodating a non-magnetic material in each of the gaps, it functions as a partition that prevents magnetic shorts between different poles, and there are various arrangement forms. A feature of the present invention is that each of the inner magnetic plate laminate, the permanent magnet, each of the outer magnetic plate laminate, and each axial end face of each of the gaps is covered with a meltable nonmagnetic material layer and the gap Each of the layers is filled with the nonmagnetic material so as to be integrated with each of the layers. With this characteristic configuration, the above-described cast-in can be achieved, and thus the various functions and effects described above can be achieved.
[0057]
The
[0058]
【The invention's effect】
According to the invention How to make a rotating machine According to the present invention, assembling work becomes simpler than before, the assembling work time is shortened, and the burden of labor is reduced. As a result, productivity can be improved and manufacturing cost can be reduced. In addition, it is possible to reduce magnetic shorts between different poles and to easily ensure strength at high speed rotation. Furthermore, the number of parts is significantly reduced, and as a result, productivity can be improved and manufacturing costs can be reduced. Furthermore, the required performance and durability of the rotating machine can be easily ensured sufficiently for a long period of time.
[0059]
As mentioned above, although the rotor of the rotary machine by this invention and its manufacturing method were demonstrated in detail, referring an accompanying drawing based on embodiment, this invention is not limited to the said embodiment, The range of this invention Various other variations or modifications can be made without departing from the above. For example, there are various types of rotors called IPMs in addition to the above-described embodiment. The present invention includes an inner magnetic plate laminate mounted on a rotating shaft, and an inner magnetic plate laminate. An outer magnetic plate laminate disposed substantially radially outward, a plurality of permanent magnets inserted between at least the inner magnetic plate laminate and the outer magnetic plate laminate, and a plurality of nonmagnetic materials can be accommodated If it is a rotor of the rotary machine of the form provided with a clearance gap, it can apply also to the rotor of other forms other than the said embodiment. One end of each of the gaps is formed so as to open to one end surface in the axial direction of the rotor main body, and the other end is opened to the other end surface in the axial direction of the rotor main body. By accommodating a non-magnetic material in each of the gaps, it functions as a partition that prevents magnetic shorts between different poles, and there are various arrangement forms. A feature of the present invention is that each of the inner magnetic plate laminate, the permanent magnet, each of the outer magnetic plate laminate, and each axial end face of each of the gaps is covered with a meltable nonmagnetic material layer and the gap Each of the layers is filled with the nonmagnetic material so as to be integrated with each of the layers. With this characteristic configuration, the above-described cast-in can be achieved, and thus the various functions and effects described above can be achieved.
[0060]
Moreover, in the said embodiment, although the inner side
[0061]
【The invention's effect】
According to the rotor of the rotating machine and the manufacturing method thereof according to the present invention, the assembling work becomes simpler than before, the assembling work time is shortened and the burden of labor is reduced, and as a result, the productivity is improved. In addition, the manufacturing cost can be reduced. In addition, it is possible to reduce magnetic shorts between different poles and to easily ensure strength at high speed rotation. Furthermore, the number of parts is significantly reduced, and as a result, productivity can be improved and manufacturing costs can be reduced. Furthermore, the required performance and durability of the rotating machine can be easily ensured sufficiently for a long period of time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view of an embodiment of a rotor according to the present invention viewed from the outside in the radial direction.
FIG. 2 is a perspective view showing the rotor shown in FIG. 1 with a nonmagnetic material covering one end in the axial direction removed.
FIG. 3 is a view of the rotor shown in FIG. 2 as viewed in the axial direction.
FIG. 4 is a plan view of an inner magnetic plate.
FIG. 5 is a plan view of an outer magnetic plate.
6 is an exploded perspective view schematically showing an assembly and molding die for the rotor shown in FIG. 1 and members constituting the rotor. FIG.
7 is a view of the state in which the inner magnetic plate and the outer magnetic plate are inserted into the cylindrical portion of the assembly and molding die shown in FIG. 6 as viewed in the axial direction.
FIG. 8 is a view showing a state where a permanent magnet is further inserted in FIG. 7;
FIG. 9 is a view showing members constituting another embodiment of a rotor according to the present invention, similar to FIG. 8;
FIG. 10 is a view showing members constituting still another embodiment of the rotor according to the present invention, similar to FIG.
FIG. 11 is a view showing members constituting still another embodiment of the rotor according to the present invention, similar to FIG.
12 is a perspective view showing still another embodiment of the rotor according to the present invention, and is a perspective view similar to FIG. 2. FIG.
13 is a view of the state in which the inner magnetic plate and the outer magnetic plate included in the rotor shown in FIG. 12 are inserted into the cylindrical portion of the assembly and molding die shown in FIG. 6 when viewed in the axial direction.
FIG. 14 is a view showing a state where a permanent magnet is further inserted in FIG. 13;
FIG. 15 is a view in which an inner magnetic plate and an outer magnetic plate constituting still another embodiment of the rotor according to the present invention are coaxially arranged and viewed in the axial direction.
16 is a view of the state in which the inner magnetic plate and the outer magnetic plate shown in FIG. 15 are inserted into the cylindrical portion of the assembly and molding die shown in FIG. 6 as viewed in the axial direction.
FIG. 17 is an axial view of a monolithic magnetic plate constituting still another embodiment of the rotor according to the present invention.
18 is a view of the state in which the magnetic plate shown in FIG. 17 is inserted into the cylindrical portion of the assembly and molding die shown in FIG. 6 as viewed in the axial direction.
[Explanation of symbols]
2 Rotating shaft
10 Inner magnetic laminate
11 Inside magnetic plate
12 sides
13 Protrusion
20 Outer magnetic plate laminate
22 Planned cutting surface
21 Outside magnetic plate
30, 50 Permanent magnet
40 Non-magnetic material
100 rotor
210 Outside magnetic plate body
212 Bridge
220 Outer magnetic plate body laminate
230 Corner gap
230a Part of the remaining gap
400 Magnetic plate
404 radial clearance
406 Radial bridge
408 circumferential clearance
410 Circumferential bridge
420 Magnetic plate laminate
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