JP3750628B2 - 分析方法支援システムおよび方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分析方法支援システムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばある試料中の元素を分析する場合、目的元素、装置の感度、試料マトリックスなどの情報から、人が総合的に判断し分析方法を決定しており、多くの知識と経験をもった人の存在が必要不可欠となっていた。また、従来からある文献検索を行っても、検索した膨大な文献などを細部にまで渡って読む必要があり、必要な情報を必要な分だけ短時間で抽出し、分析方法として最適なものを見つけ出すことは、非常に時間のかかる面倒な作業であったし、分析について不慣れな人が、通常行う文献検索から有用な情報を手に入れることは極めて困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
分析方法の構築は、多くの知識や経験を持ったエキスパートが目的成分、装置の感度、試料マトリックスの情報から、総合的に判断して分析方法を決定していた。従って、このエキスパートが不在の時や、知識が不足した場合などは、分析方法の構築が大変困難となっていた。従来からの文献の検索方法では、検索した膨大な文献などを細部にまで渡って読む必要があり、必要な情報を必要な分だけ短時間で抽出し、分析方法として最適なものを見つけ出すことは、非常に時間のかかる面倒な作業であり非効率的であった。さらに、分析を行う場合に目的成分によって特徴的とされる器具やその洗浄方法などは、分析を行う上で非常に重要ではあるが文献にも記載がなく軽視されており、場合によっては正しく分析値が得られない原因となっていた。本発明は、多くの知識と経験を持った人の代りに、分析方法を見つけ出すシステムを構築すること、分析を行い始めてまだ日が浅い初心者に対して適切な分析方法を自分の手持ちの装置に関して情報提供すること、単純な項目から分析手法を絞り込むことのできる分析方法支援システムおよび方法を提供することを目的とする。また、使用する器具やその洗浄方法、用いる試薬の情報およびその使用量の管理と実際に分析操作を行うのに際して実験ノートを提供すること、不確かさの大まかな見積もりを提供することを目的とする。更に、分析の現場においては迅速に貴重な分析手法の指針を得られるシステムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多くの知識や経験を必要とせず、ユーザの手持ちの装置にて目的成分の分析が可能かどうか判断することができ、前処理方法についても情報を提供することを可能にするものである。
【0005】
前述したように、分析方法の構築は、多くの知識を持ったエキスパートが目的元素などの目的成分、装置の感度および試料についての情報から過去の経験・知識を基にして総合的に一瞬にして判断し、分析方法を決定していた。
【0006】
本発明は、エキスパートの過去の経験・知識を分析し、初心者にとって特に試料についての情報が欠如し、分析方法を特定することに困難があることに着目し、試料についての分析項目を試料分野と試料液性とに分け、分離した形でそれぞれについてのデータベースを構築することが肝心であることを見い出したことに基づいてなされた。このため、試料分野パラメータが選択されたときに試料分野パラメータの適切さの判断に使用する分析装置、目的成分および試料分野ごとにマトリックスの影響情報を備えたデータベースを有し、試料液性が選択されたときに試料液性のパラメータの適切さの判断に使用する分析装置、目的成分および試料分野ごとに試料液性が示す干渉情報を備えたデータベースを有する。分析装置、目的成分および試料分野に他の要素を組み合わせてもよい。
【0007】
本発明は、具体的には次の装置および方法を提供する。
本発明は、材料サンプルを分析するための分析手順に使用されるデータベースを具えるコンピュータシステムを有して分析方法を実行するときの分析方法支援システムにおいて、少なくとも分析装置、目的成分および試料についての分析項目および分析手順を記憶する記憶手段と、各分析手順について分析項目を設定して分析項目パラメータを設定する手段と、設定された分析項目パラメータについて適切さの判断に使用する情報を備えたデータベースと、当該データベースを使用して、入力された分析項目パラメータについての適切さを判断し、分析手順に従って各分析手順による分析項目パラメータを設定し、分析手順について設定された分析項目パラメータに基づいて分析方法の設定を行う処理手段を有するものであって、前記試料についての分析項目は、試料分野と試料液性とを分離した形で有し、試料分野パラメータが選択されたときに試料分野パラメータの適切さの判断に使用する、分析装置、目的成分および試料分野ごとにマトリックスの影響情報を備えたデータベースを有し、かつ試料液性が選析されたときに試料液性のパラメータの適切さの判断に使用する分析装置、目的成分および試料分野ごとに試料液性が示す干渉情報を備えたデータベースを有する分析方法支援システムを提供する。
【0008】
本発明は、更に材料サンプルを分析するための分析手順に使用されるデータベースを具えるコンピュータシステムを有して分析方法を実行するときの分析方法支援方法において、少なくとも分析装置、目的元素を含む目的成分および試料についての分析項目、および分析手順を記憶し、各分析手順について分析項目を設定して分析項目パラメータを選択設定し、選択設定された分析項目パラメータについて適切さの判断に使用する情報を備え、入力された分析項目パラメータについての適切さを判断し、分析手順に従って各分析手順による分析項目パラメータを設定し、分析手順について設定された分析パラメータに基づいて分析方法の設定を行うものであって、前記試料についての分析項目は、試料分野と試料液性とを分離した形で有し、試料分野が選択されたときに試料分野パラメータの適切さの判断を、分析装置、目的成分および試料分野ごとのマトリックスの影響によって行い、かつ試料液性が選択されたときに試料液性パラメータの適切さの判断を、分析装置、目的成分および試料分野ごとに試料液性が示す干渉によって行う分析方法の支援方法を提供する。
【0009】
本発明の分析方法支援システムおよび方法は、原子吸光光度計による分析方法の他に、山崎(分析化学 2000年 p529)のICP−MSによる土壌分析や、櫛部ら(分析化学 2000年 p605)によって行われた原子吸光法によるシリコンウエハ上金属薄膜中の微量金属分析、また李ら(分析化学 2000年 p529)によって行われたICP−MSによる天然水中の元素分析などにも使用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図1を使用して説明する。
図1は、検索手順とデータベースとを含む分析方法支援システムを示す。検索手順として、分析装置の選択1、アクセサリーの選択2、目的元素の選択3、必要感度の選択4、試料分野の選択5、試料液性の選択6、コメントの表示7、8、9、前処理方法の表示10、分析方法の選択11、12がある。
【0011】
データベースとして、データベース(a)15、データベース(b)16、データベース(c)17、データベース(d)18およびデータベース(e)19を含む。
【0012】
判断項目として分析可能な元素か21、感度は十分か22、マトリックスの影響はないか23、試料液性の干渉はないか24、前処理を行うか25、26、27がある。
【0013】
図1が分析方法支援システムの前段階を示すものとすれば、図2は図1に基づいた、分析方法支援システムの後段階を示す。この段階にあっては、分析方法の選択12およびデータベース(e)19を基本として、データベース(f)を有する。
【0014】
そして、この段階にあっては、表示装置(図示せず)の表示画面に、使用器具の表示、使用器具の洗浄方法表示31、使用試薬の表示・在庫量表示32、不確かさの見積り表示33がなされ、実験ノートに印刷34を行い、検索の終了35で検索を終了する。測定36は、選択した分析装置での測定の意図を示し、この語、使用した試薬量を入力する(37)。測定36を行い、データベース(g)20への試料使用量の登録37を行う。
【0015】
図2には次の支援方法が示される。
分析方法毎に使用器具を表示し、表示器具の洗浄方法を表示することを特徴とする分析方法の支援方法。
分析方法毎に選択された試薬の表示を表示し、該試薬の在庫量を表示することを特徴とする分析方法の支援方法。
【0016】
分析結果の不確かさの見積りを表示することを特徴とする分析方法の支援方法。
分析方法毎に分析結果の不確かさの見積りを表示し、分析方法を選択して特定することを特徴とする分析方法の支援方法。
【0017】
ここで、不確かさの見積もりとは、真の値が存在すると推量される範囲(不確かさ)について見積りを行った数値であり、試料の前処理、標準の溶液の調製、測定装置由来の不確かさなど、分析値に対してばらつきを与える要因について合算したものを行う。
【0018】
データベース(a)15は、分析装置毎に分析可能な目的元素をデータとして格納(記録)する。本データベースは、分析装置の原理的な特性において、分析が可能か不可能かを登録したもので、装置ごとに分類されたものである。例えばグラファイト炉原子吸光法の場合には、Li、Be、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Sr、Y、Gd、Ho、Er、Yb、U、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Tl、Pb、Biが分析可能な元素と登録されており、その他の元素については、分析不可能な元素として登録されている。分析装置と目的元素を選択した時点で、分析可能な元素かどうか簡単に判別が可能である。
【0019】
データベース(b)16は、分析装置毎に元素の定量限界をデータとして格納する。本データベースは、装置毎に個々の検出限界についてデータベース化したものであり、装置と元素が決定されれば、検出限界が一義的にデータベースから得られるようにしたものであって測定感度の判別に利用される。
【0020】
データベース(c)17は、分析装置、目的元素、試料分野毎にマトリックスの影響をデータとして格納する。本データベースは、分析装置、目的元素、試料分野ごとにマトリックスの影響を示したものであり、試料分野は河川水、海水、合金、食品、尿、血液、大気粉塵、下水、雨水、土壌、堆積物に分類し、目的元素の試料分野に対するマトリックスの影響を回収率で示している。例えば、グラファイト炉法におけるMoの分析において、河川水の場合は、回収率95%、海水65%、食品70%、尿80%、大気粉塵80%などのデータが格納されており、回収率100±20%を基準にこれを超える場合には、マトリックスの干渉ありとした。また、ここで回収率を求めるにあたっては、NISTやNIESなどの国際的に権威のある標準物質を元に実験値を求めて登録した値である。
【0021】
データベース(d)18は、分析装置、目的元素、試料分野毎に試料液性が示す干渉をデータとして格納する。本データベースは、分析装置、目的元素毎に試料の液性について干渉情報を格納したデータベースである。試料の液性とは、塩酸酸性(1%)、硝酸酸性(1%)硫酸酸性(1%)、強アルカリ性(水酸化ナトリウムにてpH10以上)、弱アルカリ性(水酸化ナトリウムにてpH10未満)、微酸性〜中性(水素イオン濃度1mol/L〜pH8)を基準とし、このような液性を示す溶液中の目的元素の回収率を求めデータベース化したものである。100±20%を基準にこれを越える回収率を示すものを干渉ありとした。例えば、グラファイト炉原子吸光法において、60%など低い回収率を示すものは、グラファイト炉の劣化が原因と考えられる干渉で、ICP−MSにおいて100%をはるかに越える回収率を示す元素は、試料液性由来の干渉分子イオンの生成を示唆している。
【0022】
データベース(e)19は、分析装置、目的元素毎に前処理方法をデータとして格納する。本データベースは、分析装置、目的元素、試料の分野、試料の液姓ごとに試料の前処理方法をデータベース化したものでキーワードとして上記の言葉を含み前処理方法をデータベース化している。基本的に、試料中に含まれる目的元素以外の夾雑物の影響を取り除くことを可能とした処理方法に関するデータベースである。
【0023】
そして、データベース(f)は、試薬在庫量をデータとして格納する。本データベースは、分析所が所有している試薬について在庫量を管理するためのもので、試薬の受け払いについて管理するものである。図6に受け払いのデータベースの一例を示した。
【0024】
試料の選択に関して、前述のように、試料分野の選択5と試料液性の選択6に分けて別々の分析項目としたのは次の理由による。
【0025】
試料の分野から判断して、目的元素の直接分析が可能であっても、試料を安定化させるために用いた塩酸や硝酸といった試薬が原因で、目的元素の分析が容易に行えない可能性がある。熟練した分析者は、試料のマトリックスおよび試料の液性の情報が与えられると瞬時にして、分析の可否の判断が可能となるが、分析について経験が不足した人の場合には、マトリックスのみで判断しがちで、誤った分析操作を行う可能性がある。ここでは、分析に影響を与える原因を分別することにより、より正確な分析を行えるように配慮した。
【0026】
本発明は、インターネットを介して外部からの利用が可能であるほか、オフラインでの利用もできる。図1において、本実施例では、まず最初に分析装置の中から分析に使用する装置を選択1する。次に、この装置に付属するアクセサリーを併用して分析する場合には、このアクセサリーも選択2する。続いて、目的元素を選択3するが、この時用いる分析装置で分析可能な元素かどうか、装置ごとに分析可能な元素をデータベース化したデータベース(a)15を基本にこれを判断(分析可能な元素かの判断21)する。選択した分析装置において分析が不可能であれば、もう一度装置を選択し直すことになる旨コメントされる(図3のコメント欄に示される)。また、分析が可能な元素であれば、次に分析に必要であると考えられる感度、または試料中に存在すると考えられる目的元素の濃度単位(必要感度の選択4)を選択する。この時、感度について、分析装置毎に定量限界をデータとして所有するデータベース(b)16を使用を基本として、感度が足りているかどうかの判断22を行わせる。感度が足りている場合には、試料分野の選択5を行う。感度が不足する場合には、前処理25を行うかどうかを判定する。また、データベース(e)19を使用して該当する前処理方法があるか判定を行い、前処理を行わない場合、または該当する前処理方法がない場合には、コメント欄に分析装置の選択をし直すように示される(図3のコメント欄)。前処理を行う場合、または該当する前処理がデータベース(e)19にある場合は試料分野の選択5を行う。試料分野の選択を行い、分析装置、目的元素、試料分野ごとにマトリックスの影響をデータベース化したもの(データベース(c)17)を用いて干渉の有無を判定23し、干渉がなければ、試料の液性について選択6する。干渉があれば前処理を行うか、また該当する前処理方法がデータベースにあるかどうかの判定26を行う。前処理を行わない、または該当する前処理方法がない場合には、コメント欄に装置の選択をし直すように示される(図3のコメント欄)。前処理を行う、もしくは該当する前処理方法がデータベース(e)19にあれば、試料の液性について選択6する。試料の液性の情報と分析装置、目的元素、試料分野ごとに試料液性による目的元素への干渉をデータベース化したもの(データベース(d)18)を用いて、目的元素に対する干渉の有無を判断24する。干渉がない場合には、分析方法がある旨のコメントを画面に表示して、一連の作業が終了する。干渉がある場合には、前処理を行うか、また該当する前処理方法があるかどうか判定27を行い、前処理を行わない、あるいは該当する前処理方法がデータベース(e)19に存在しない場合には、コメント欄に分析装置の選択をし直すように示される(図3のコメント欄)。前処理を行う場合、該当する前処理方法がデータベース(e)19に存在する場合には、画面上にコメントを表示7する。以上のステップによって特定された分析方法の表示を行い、最終的に分析方法の選択11を行う。これと共に、表示画面には前述した前処理方法の表示10を行う。前処理方法がデータベース(e)19に存在しなかった場合には、コメント欄に分析装置の選択をし直すように示され(8)、最終的な分析方法の選択12がなされる。
【0027】
次に、図2において、分析方法を選択11、12することによって表示画面に使用する器具を表示し、また正しい分析値を得る上で非常に大切となる器具の洗浄方法についても表示31される。また、分析に使用する試薬について、その量を示し、在庫量についても試薬在庫量データベース(f)20からその在庫量が表示32され、これによって直ちに分析操作に入れるかどうか判断が可能となる。さらに、分析を行う上で用いる分析方法が妥当かどうか分析者が確認するために、前処理方法などのデータベースから予め計算された不確かさを参照33することができる。また、実験の誤操作を無くすために、実験ノートを印刷34することができる。検索の終了34測定終了後36には、用いた試薬の量を試薬在庫量データベース(データベース(f)20)に登録37することによって、試薬の在庫量管理も可能となる。なお、ここでは検索時に逐次入力を行うように示しているが、実際には最初にすべての項目を入力し、検索『開始』ボタンを押すことによって上記の一連の検索・判定が行われる。下記に実際の例を示した。
【0028】
本実施例は、次に示すシステムを含む。
試料分野の選択と試料液性の選択のいずれかについて分析項目パラメータを設定するときに、マトリックスの干渉および試料液性の影響のいずれかについて不適切さの判断がなされた場合、前処理を行うことによって適切さの判断を得られるかを判定することを特徴とする分析方法支援システム。
【0029】
試料分野と試料液性とをこの順序で、分離して表示して各分析項目パラメータを設定する検索画面を備えた表示装置を有することを特徴とする分析方法支援システム。
【0030】
データベースは、各分析手順の分析項目パラメータについてコメントを格納しており、分析方法が設定されたときに該コメントを前記表示装置に表示することを特徴とする分析方法支援システム。
【0031】
分析手順および分析手順ごとに設定された分析項目パラメータ、前処理についての情報、並びに分析方法について表示する表示画面を備えた表示装置を有することを特徴とする分析支援システム。
【0032】
次に、原子吸光光度計を例に取って説明する。すなわち、グラファイト炉原子吸光法にて硝酸酸性下で保存された海水中のモリブデンを測定する場合の具体的な本システムの適用例を示す。図3に本システムの検索画面の例を示した。最初に、分析を行う分析装置について選択する。ここではまずアクセサリパラメータは、水素化合物発生装置、超音波ネブライザー、水銀分析付属装置、加熱石英セル、酸素ガス混合ユニットおよび『なし』からなる。パラメータAA(フレーム)、AA(グラファイト炉)、ICP/MS、MIP/MS、ICの中から『AA(グラファイト炉)』を選択する。次にアクセサリについて選択する。ここでは、『なし』を選択した。目的元素Moを入力し、分析に必要な感度を選択する。ここでは、測定感度パラメータ%、mg/L、μg/L、ng/L、pg/L、<pg/L、不明から『μg/L』を選択した。続いて試料分野を選択する。ここでは河川水、海水、合金、食品、尿、血液、大気、粉塵、下水、雨水、土壌、堆積物、不明から海水中のモリブデンの測定を行うことから、『海水』を選択した。試料の液性について選択する。ここでは、塩酸酸性、硝酸酸性、硫酸酸性、強アルカリ性、弱アリカリ性、中性、不明から、硝酸酸性下で保存されていたことから、『硝酸酸性』を選択した。また、直接分析が不可の場合、前処理を行うかどうか選択する。この時、分析特有な問題として、前処理方法のうち分析者が苦手とする方法、設備がない為にできかねる方法について、予めこれを表示しないようにすることが可能である。表示するかしないかを表示、非表示ボタンにて設定する。ここでは、溶媒抽出、共同沈殿法、固相抽出法から『固相抽出法』を非表示とした。必要事項を入力後、『開始』ボタンを押す。この『開始』ボタン41を押すと図1に示した検索を開始し、コメントが表示43される。図3のコメント欄には、該当する分析方法がない場合には、装置選択からやり直すようコメントが示されるが、該当する分析方法がある場合には、該当する分析方法があることを示す。分析方法の表示は、『分析方法表示』ボタン42を押す。図4に分析方法の表示画面の一例を示した。これには、前処理を用いない場合のコメントと前処理を用いる場合のコメントを示している。検索を行った者は、自身の最も適切である方法を用いて分析が行えるように、次に分析方法を選択する。その一例を図5に示した。この画面には、ここまで検索した結果と選択した分析方法において用いる器具、その洗浄方法、試薬およびその試薬の在庫量を確認するためのボタン51、および選択した分析方法の不確かさの見積もり値と、実験ノートの印刷用ボタン52が表示される。試薬の在庫量で直ちに分析が行えるかどうかの判別ができ、不確かさの見積もり値を確認することによって用いようとしている分析方法が妥当かどうか確認できる。実験ノートが必要な場合は、印刷すること(分析方法の印刷53)によってこれを得ることができる。在庫量表示の一例を図6に示した。在庫量の登録管理については、試薬の入庫時と分析終了時にこれを入力することによって行う。実験ノートの印刷の一例を図7に示した。これを分析操作時にチェックすることによって、誤操作を防止することが可能となる。
【0033】
本発明の実施例によれば、多くの知識や経験を必要とせず、ユーザの手持ちの装置にて目的物の分析が可能かどうか判断することができ、前処理方法についても情報を提供することが可能になる。また、多くの文献から人が情報を抽出する必要もなく、分析方法について指針を決定することが短時間で可能となる。さらに、分析を行う場合に目的物によって特徴的とされる器具やその洗浄方法などは、分析を行う上で非常に重要であり、また実験の手順を端的に示した実験ノートを提供することは分析上の誤操作を防ぐ上で大きな手助けとなる。
【0034】
以上のように、試料分野と試料液性とに分けることによって簡単な検索手段を構成することができ、手持ちの分析装置にて目的元素が分析可能か確認できる。しかも前処理方法を含めた分析方法の妥当性を分析方法の不確かさから知ることができるシステムで、分析操作の誤操作の防止についても配慮している。
【0035】
本発明によれば、応用例として材料サンプルを分析するための分析手順に使用されるデータベースを備えるコンピュータシステムを有して分析方法を実行するに当っての分析方法受注のための見積り方法において、少なくとも分析装置、目的成分および試料についての分析項目および分析手順を記憶する記憶手段と、各分析手順について分析項目を設定して分析項目パラメータを設定する手段と、設定された分析項目パラメータについて適切さの判断に使用する情報を備えたデータベースと、当該データベースを使用して、入力された分析項目パラメータについての適切さを判断し、分析手順に従って各分析手順による分析項目パラメータを設定し、分析手順について設定された分析項目パラメータに基づいて分析方法の設定を行う処理手段を使用するものであって、前記試料についての分析項目は、試料分野と試料液性とを分離した形で有し、試料分野パラメータおよび試料液性パラメータを設定し、該設定に基ついて当該目的成分の分析に使用する試料の量を算出し、当該試料分野パラメータおよび試料液性パラメータを使用した分析方法についての見積りを算定する分析方法受注のための見積り方法が提供される。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、多くの知識や経験を必要とせず、ユーザの手持ちの装置にて目的物の分析が可能かどうか判断することができる。また、前処理方法についても情報を提供することが可能になる。また、多くの文献から人が情報を抽出する必要もなく、分析方法について指針を決定することが短時間で可能となる。さらに、分析を行う場合に目的物によって特徴的とされる器具やその洗浄方法などは、分析を行う上で非常に重要であり、また実験の手順を端的に示した実験ノートを提供することは分析上の誤操作を防ぐ上で大きな手助けとなる。また、不確かさの見積もりを示すことで、用いる分析方法の妥当性を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である検索手順とデータベースとおよびシステムの流れを示す構成図。
【図2】本発明の実施の形態である後段ステップを示す図。
【図3】検索画面の表示例を示す図。
【図4】結果表示画面の例を示す図。
【図5】分析方法表示画面の一例を示す図。
【図6】試薬在庫量確認画面の一例を示す図。
【図7】実験ノートの印刷の一例を示す図。
【符号の説明】
1…分析装置の選択、2…アクセサリーの選択、3…目的元素の選択、4…必要感度の選択、5…試料分野の選択、6…試料液性の選択、7、8、9…コメントの表示、10…前処理方法の表示、11、12…分析方法の選択、15、16、17、18、19、20…データベース。

Claims (10)

  1. 材料サンプルを分析するための分析手順に使用されるデータベースを具えるコンピュータシステムを有して分析方法を実行するときの分析方法支援システムにおいて、
    少なくとも分析装置、目的成分および試料についての分析項目および分析手順を記憶する記憶手段と、
    各分析手順について分析項目を設定して分析項目パラメータを設定する手段と、
    設定された分析項目パラメータについて適切さの判断に使用する情報を備えたデータベースと、
    当該データベースを使用して、入力された分析項目パラメータについての適切さを判断し、分析手順に従って各分析手順による分析項目パラメータを設定し、
    分析手順について設定された分析項目パラメータに基づいて分析方法の設定を行う処理手段を有するものであって、
    前記試料についての分析項目は、試料分野と試料液性とを分離した形で有し、試料分野パラメータが選択されたときに試料分野パラメータの適切さの判断に使用する、分析装置、目的成分および試料分野ごとにマトリックスの影響情報を備えたデータベースを有し、かつ試料液性が選択されたときに試料液性のパラメータの適切さの判断に使用する分析装置、目的成分および試料分野ごとに試料液性が示す干渉情報を備えたデータベースを有すること
    を特徴とする分析方法支援システム。
  2. 請求項1において、試料分野の選択と試料液性の選択のいずれかについて分析項目パラメータを設定するときに、マトリックスの影響および試料液性の干渉のいずれかについて不適切さの判断がなされた場合、前処理を行うことによって適切さの判断を得られるかを判定することを特徴とする分析方法支援システム。
  3. 請求項1において、試料分野と試料液性とをこの順序で、分離して表示して各分析項目パラメータを設定する検索画面を備えた表示装置を有することを特徴とする分析方法支援システム。
  4. 請求項1において、データベースは、各分析手順の分析項目パラメータについてコメントを格納しており、分析方法が設定されたときに該コメントを前記表示装置に表示することを特徴とする分析方法支援システム。
  5. 請求項2において、分析手順および分析手順ごとに設定された分析項目パラメータ、前処理についての情報、並びに分析方法について表示する表示画面を備えた表示装置を有することを特徴とする分析支援システム。
  6. 材料サンプルを分析するための分析手順に使用されるデータベースを具えるコンピュータシステムを有して分析方法を実行するときの分析方法支援方法において、
    少なくとも分析装置、目的元素を含む目的成分および試料についての分析項目、および分析手順を記憶し、
    各分析手順について分析項目を設定して分析項目パラメータを選択設定し、
    選択設定された分析項目パラメータについて適切さの判断に使用する情報を備え、
    入力された分析項目パラメータについての適切さを判断し、
    分析手順に従って各分析手順による分析項目パラメータを設定し、
    分析手順について設定された分析パラメータに基づいて分析方法の設定を行うものであって、
    前記試料についての分析項目は、試料分野と試料液性とを分離した形で有し、試料分野が選択されたときに試料分野パラメータの適切さの判断を、分析装置、目的成分および試料分野ごとのマトリックスの影響によって行い、かつ試料液性が選択されたときに試料液性パラメータの適切さの判断を、分析装置、目的成分および試料分野ごとに試料液性が示す干渉によって行うこと
    を特徴とする分析方法の支援方法。
  7. 請求項6において、分析方法毎に試料器具を表示し、表示器具の洗浄方法を表示することを特徴とする分析方法の支援方法。
  8. 請求項6において、分析方法毎に選択された試の表示を表示し、該試薬の在庫量を表示することを特徴とする分析方法の支援方法。
  9. 請求項6において、分析結果の不確かさの見積りを表示することを特徴とする分析方法の支援方法。
  10. 請求項6において、分析方法毎に分析結果の不確かさの見積りを表示し、分析方法を選択して特定することを特徴とする分析方法の支援方法。
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