JP3748353B2 - 流量計測方法および流量計測装置ならびにガスメータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は流量計測方法および流量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
可燃性ガスのような流体中に超音波を伝搬させて、その流体の流速または流量を計測する従来の流量計測方法あるいは流量計測装置では、流体が導通する流体管路における流れの方向に距離を隔てて相前後して超音波発/受振器を設けておき、上流側から下流側へ流体の流れと同方向に超音波を伝搬させて、その伝搬時間を測定し、その超音波の伝搬が下流側で検出されると、今度は下流側から上流側へ流体の流れと逆方向に超音波を伝搬させて、その伝搬時間を測定するという動作を繰り返し、これら両方向での伝搬時間の累積値の差を求め、これに基づいて流体の流速あるいは流量を計測していた。
【0003】
ところが、発振された超音波は、2つの超音波発/受振器の一方から発振されて他方に直接伝搬する直接波以外にも、他方の表面あるいは流体管路壁面などで反射して再び元の超音波発/受振器に戻って来る、いわゆる反射波が生じることが多く、これに起因して検出信号にノイズが発生し、引いては正確な伝搬時間の計測が妨げられるという不都合が生じる場合があった。そこで、このような不都合を解消するために、流れと同方向に超音波を伝搬させる伝搬時間と、流れと逆方向に超音波を伝搬させる伝搬時間との間に、いわゆる遅延時間と呼ばれる時間間隔を置くことによって、反射波が次の伝搬時間中にノイズ的に検出されることを避けるようにするという手法が、例えば特開平8−128875号公報などによって提案されている。
【0004】
また、例えばガスメータの場合などでは、下流側に用いられるガス消費機器によっては、流体が流れる配管中や流体管路中でその流体に脈動が発生することがあり、これに起因して、計測される流速あるいは流量に誤差が生じる場合がある。例えば、ガスの元管を共有している近隣の2つの家庭のうち一方の家庭で脈動の発生しやすいガスヒートポンプのようなガス消費器具を用いるとともに、他方の家庭でもガスを使用しているといった状況下では、その脈動の発生しやすいガス消費器具を用いている家庭のガスメータは言うまでもなく、他方の家庭の配管中のガス流にも脈動が発生し、このような脈動に起因して、ガスメータによるガス流量の計測値に誤差が生じる(含まれる)場合があり、延いてはガス流量積算値に大きな誤差が生じる場合がある。
【0005】
すなわち、ガス流量を間欠的に計測するための超音波の伝搬を行うタイミング(超音波伝搬周期あるいはそれの繰り返しの位相)と脈動の位相とが予期せずほぼ同期した場合などには、例えば脈動の最大値寄りの値が周期的に計測されてしてしまうというように、実際の流量値(真値)とは異なる誤差を含んだ計測値が毎回計測され、それが次々に積算されて行き、最終的に大きな誤差を含んだガス流量積算値となる場合がある。そのような脈動に起因した誤差の発生を防ぐためには、ガスの脈動を解消するための装置などを装着することも提案されているが、それを完全に解消することは実際上困難である。
【0006】
そこで、従来の流量計測方法あるいは流量計測装置では、脈動の周期や位相を把握して、その脈動の周期あるいは位相に対して同周期あるいは同位相でガス流量またはガス流速を間欠的に計測するという手法が、例えば特開平10−197303号公報などによって提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の技術では、遅延時間中に流量計測装置によって消費される消費電力を低減することについては特に考慮されておらず、超音波の伝搬およびその伝搬時間の計測を頻繁に実行することに起因して消費電力量が多くなり、近年ガスメータなどに対して強く要請されている低消費電力化に反することになる。
【0008】
また、ガス中に発生する脈動の計測自体にも誤差が生じたり、あるいは脈動の周期自体が必ずしも一定ではなく時々刻々と変化することもあるので、そのような脈動の周期や位相に対して完全に同周期あるいは同位相でガス流量の計測を行うことは実際上困難である。その結果、誤差を含むガス流量値すなわち脈動の中心値からずれたガス流量値をむしろ周期的に計測してしまい、それが次々に積算されて行き、最終的には大きな誤差を含んだガス流量積算値となってしまう場合があった。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、消費電力量を増加させることなくむしろ低減させつつ、反射波の悪影響に起因した計測ノイズの混入を解消すると共に、流量計測精度をさらに向上させることができる流量計測方法および流量計測装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の流量計測方法は、計測手段を駆動して、流体中に音波を伝搬させることを1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返して、計測周期内の音波の伝搬時間の累積値を計測し、該累積値に基づいて前記計測周期内での流体の流速または流量を計測する方法において、計測周期の長さを流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の長さよりも長くし、かつ時間間隔中には計測手段に対する駆動電力の供給を停止または低減すると共に、流体中に発生する脈動の位相を計測し、該位相に対して音波の伝搬の繰り返しの位相が異なるように時間間隔を設定し、上流から下流へと音波を伝搬させる計測周期と下流から上流へと音波を伝搬させる計測周期とで等しくなるように伝搬の繰り返し回数および時間間隔を設定することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の流量計測方法は、計測手段を駆動して、流体中に音波を伝搬させることを1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返して、計測周期内の音波の伝搬時間の累積値を計測し、その累積値に基づいて計測周期内での流体の流速または流量を計測する流量計測方法において、前記の計測周期全体の長さが流体中に発生する脈動の1周期のほぼ整数倍またはその1周期の長さよりも長くなるように時間間隔を長く取り、かつ前記の時間間隔中には計測手段に対する駆動電力の供給を停止または低減することを特徴とするものである。
【0013】
なお、前記の時間間隔は、音波の伝搬の際に生じる反射波が伝搬時間の累積値の計測に対して影響を与えることを避けることができるような長さに設定することは望ましい態様である。
【0014】
また、前記流体における脈動を検知し、該脈動が所定の大きさを越えた場合にのみ、前記計測周期全体の長さが前記流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の長さよりも長くすることは望ましい態様である。
【0015】
本発明の流量計測装置は、流体中に音波を伝搬させる音波伝搬手段と、1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返すように音波伝搬手段を駆動する駆動手段と、音波の伝搬時間の累積値を計測し、その累積値に基づいて前記計測周期内での流体の流速または流量を計測する流量計測手段と、音波伝搬手段および駆動手段ならびに流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対して駆動用電力を供給する電力供給手段と、流体中に発生する脈動の位相を計測する脈動位相計測手段とを有するものであって、前記の駆動手段が、前記の計測周期の長さを流体中に発生する脈動の1周期のほぼ整数倍またはその1周期の整数倍以上にするものであると共に、位相に対して音波の伝搬の繰り返しの位相が異なるように時間間隔を設定し、上流から下流へと前記音波を伝搬させる計測周期と下流から上流へと音波を伝搬させる計測周期とで等しくなるように伝搬の繰り返し回数および時間間隔を設定するものであり、前記の電力供給手段が、前記の時間間隔中には音波伝搬手段および駆動手段ならびに流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対する駆動電力の供給を停止または低減することを特徴としている。
【0017】
また、本発明の流量計測装置は、流体中に音波を伝搬させる音波伝搬手段と、1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返すように音波伝搬手段を駆動する駆動手段と、音波の伝搬時間の累積値を計測し、その累積値に基づいて計測周期内での流体の流速または流量を計測する流量計測手段と、音波伝搬手段および駆動手段ならびに流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対して駆動用電力を供給する電力供給手段とを有するものにおいて、駆動手段が、計測周期全体の長さが流体中に発生する脈動の1周期のほぼ整数倍またはその1周期の長さよりも長くなるように時間間隔を長く取るものであり、電力供給手段が、前記の時間間隔中には音波伝搬手段および駆動手段ならびに流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対する駆動電力の供給を停止または低減するものであることを特徴としている。
【0018】
なお、駆動手段が、音波の伝搬の際に生じる反射波が伝搬時間の累積値の計測に対して影響を与えることを避けるような長さに時間間隔を設定するようにしてもよい。
【0019】
また、前記脈動位相計測手段が流体における脈動の大きさを計測し、該脈動が所定の大きさを越えた場合にのみ、駆動手段が計測周期全体の長さを流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の長さよりも長くするようにしてもよい。
【0020】
本発明の流量計測装置は、ガスの流量を計測するガスメータに適用可能なものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
本発明のガスメータは、本発明に係る流量計測方法を用いてガス流量の計測を行うものであり、図1に示したように、超音波発/受振器(音波伝搬手段)1a,1bと、駆動回路(駆動手段)2と、流量計測回路(流量計測手段)3と、電力供給回路(電力供給手段)4と、脈動位相計測装置(脈動位相計測手段)5とから、その主要部が構成されている。
【0023】
超音波発/受振器1a,1bは、上流から下流へと流れるガス6に対して超音波7を伝搬させるもので、その各々が発振器および受振器を併せ備えているものである。
【0024】
駆動回路2は、図2(A),(B)のタイミングチャートに模式的に示したように、1つの計測周期T(T1)ではガス6の流れに対してその上流側から下流側へと超音波7を伝搬させ、また次の計測周期T(T2)では逆に下流側から上流側へと超音波7を伝搬させることを繰り返すように超音波発/受振器1a,1bを駆動するもので、しかもその各計測周期Tの長さ(時間的スパン)を脈動9の1周期Tδよりも長くなるように設定・変更するものである。この図2に示す一例では、各計測周期Tは脈動9の1周期Tδの1.25倍となるように設定される。従ってこの場合の超音波7の伝搬デューティTpの位相は脈動9の1周期Tδに対して少なくともπ/2ずれることになる。
【0025】
流量計測回路3は、ガス6中に伝搬させた超音波7の上流側から下流側への伝搬時間の累積値と下流側から上流側への伝搬時間の累積値とを演算し、その時間差を算出し、それに基づいて、計測周期T1およびT2で一組の計測タイミング中におけるガスの流速vを算出するものである。
【0026】
電力供給回路4は、超音波発/受振器1a,1bおよび駆動回路2ならびに流量計測回路3に対して、それらを駆動するための電源電力Vddを供給するものである。
【0027】
脈動位相計測装置5は、ガス6の圧力変動に基づいて、ガス6中に発生する脈動9の位相を計測するものである。その位相の情報は、駆動回路2で時間間隔Tdの設定を変更する際に用いられる。
【0028】
さらに詳細には、駆動回路2は、超音波7の各伝搬デューティTpの狭間に置かれる時間間隔Tdを少なくとも伝搬デューティTpよりも長く取って、その長い時間間隔Tdによって1つの計測周期T全体の長さをガス6中に発生する脈動の1周期Tδの長さよりも長くする。またこの駆動回路2は、脈動位相計測装置5によって計測された脈動9の位相に対して、超音波7の伝搬の繰り返しの位相が異なるものとなるように、時間間隔Tdを設定および変更する。さらには、上流から下流へと超音波7を伝搬させる計測周期T1の全体の長さ(時間的スパン)と下流から上流へと超音波を伝搬させる計測周期T2の全体の長さとが等しくなるように、その超音波7の伝搬の繰り返し回数および時間間隔Tdを設定・変更する。
【0029】
電力供給回路4は、超音波7の伝搬デューティTpの際には超音波発/受振器1a,1bおよび駆動回路2ならびに流量計測回路3に対して駆動用の電源電力Vddを供給するものであるが、上記の時間間隔Td中には電源電力Vddの供給を一時停止して、消費電力のさらなる低減を図る。
【0030】
脈動位相計測装置5は、ガス6中に発生する脈動9の位相を計測し、その位相に対して超音波7の伝搬の繰り返しの位相が異なったものとなるように、上記の時間間隔Tdを設定・変更する。また、その時間間隔Tdは、超音波7の伝搬の際に生じる乱反射波が本来の超音波7の(直接波の)伝搬時間の計測に対して影響を与えることを避けることができるような長さに設定することが望ましい。より具体的には、例えば超音波発/受振器1aから超音波発/受振器1bに向けて超音波7を伝搬させる場合、その超音波7が超音波発/受振器1bの表面やその付近で乱反射して戻って来る乱反射波が、その次の伝搬デューティTp中に超音波発/受振器1aへと到達することを避けることができるように、時間間隔Tdの長さを設定・変更する。ここで、脈動9の位相を計測するためには、少なくとも超音波発/受振器1a,1bによって実行される超音波7の伝搬の頻度よりも多い(稠密な)頻度で脈動9に関する流体的物理量を測定することが必要であるが、そのような脈動9に関する高頻度の測定を超音波発/受振器1a,1bによって行うと、そのための消費電力が大幅に増大してしまうので望ましくない。そこで、脈動9の位相を把握するために、少ない消費電力量で頻繁な測定を行うことが可能である圧力センサ10を好適に用いることができる。すなわち、その圧力センサ10によって、脈動9に伴う圧力変動を少ない消費電力量で頻繁に検出し、その圧力変動の情報に基づいて脈動9の位相を把握することができる。
【0031】
なお、流量計測回路3で計測されたガス流量値は、時間の経過に伴ってさらに積算されて行くが、そのようなガス流量の積算値の算出方法および手段については一般的なもので構わないので、説明の簡潔化を図るために、その詳細な記述は省略する。
【0032】
このガスメータでは、上記のような概要構成によって、計測周期Tの長さをガス6中に発生する脈動9の1周期Tδの長さよりも長くすることによって、その計測周期T中に超音波7の複数の伝搬デューティTpを偏りなく分布させて、脈動9の1周期中における複数時点での超音波の伝搬時間を測定することができ、これにより、1つの計測周期内で計測される流速vを、その脈動9の平均値に近い値すなわち脈動9の影響を受けない場合に想定される真値v0に近い値とすることができる。
【0033】
しかも、計測周期Tどうしの間に置かれる、遅延時間と呼ばれるような時間間隔Tdを長く取ることによって計測周期T全体の長さ(時間的スパン)を長くしているが、このような時間間隔(遅延時間)Td中には、駆動電力の供給を停止あるいは最低限の値にまで低減させても支障は生じないので、そのような時間間隔Td中には駆動用電源電力Vddの供給を停止することにより、全体的な消費電力量のさらなる低減を達成することができる。
【0034】
なお、時間間隔Tdの長さを長くすることによって、計測周期Tの長さを、ガス6中に発生する脈動9の1周期Tδの長さの2倍または3倍、または図3(A),(B)に示す如く5倍にするというように、整数倍にすることが特に望ましい。このように計測周期Tの長さを設定し、その計測周期T中に複数回の計測タイミングを分散して設けることによって、脈動9の波高部と波底部とのいずれか一方に計測が偏ることなく、それら複数回の計測タイミングの全体で平均化された計測が可能となる。しかしこれのみには限定せず、例えば図2に示した如く1.25倍のように脈動9の1周期Tδの長さよりも長く設定してもよい。いずれにしても、少なくとも脈動9の1周期Tδの長さよりも長く設定し、さらに望ましくは1周期Tδの長さの整数倍とするなどして計測周期Tを長く取り、その計測周期T中に超音波7の複数回の伝搬デューティTpを分散させて設けることにより、ガス6中に脈動9が生じている場合でも、そのときのガス6の流速vを誤差なく計測することができ、しかもその伝搬デューティTpどうしの間に設けられた長い時間間隔TdやTHd中では駆動用電源電力Vddの供給を停止することによって、その長い時間間隔Td,THd中での消費電力量のさらなる低減化を達成することができる。
【0035】
ここで、上記Tδの長さのほぼ整数倍の計測周期Tとは、上記のような脈動9中から高低万遍なく流量値の計測が可能であるようなものであればどのような長さでもよいが、その意味では、ちょうど整数倍に設定することが最も望ましい。しかしそのような作用を十分実用的な程度に得ることができるような長さであれば、Tδの長さの整数倍±Tδ/4の範囲であればよい。これは、Tδ/4以上に整数倍から外れると、脈動9の波高部寄りまたは波底部寄りに偏った計測が多発する確率が高くなるためである。このような点を鑑みて、計測周期Tの長さを少なくとも脈動9の1周期Tδの長さよりも長く、適宜に設定すればよい。
【0036】
また、本実施の形態ではガスメータに本発明を適用した場合についてを示したが、本発明の適用はこのガスメータのような流量計測装置のみには限定されないことは言うまでもない。この他にも、計測対象の流体として液体や、媒体中に分子を混入してなる流体などの流速または流量を計測する計測装置、あるいは計測方法などにも、本発明を適用することが可能である。
【0037】
また、1つの計測周期T中における複数の時間間隔Tdの長さを全て一定の長さとしてよく、あるいはランダムに変えるようにしてもよい。いずれにしても、脈動9に起因して、計測値が真値よりも高い流速となるような誤差(+vδ)ばかりを拾ったり、あるいは逆に低い流速となるような誤差(−vδ)ばかりを拾ったりすることなく、その脈動9の中心値v0よりも上側の値と下側の値とをできるだけ偏りなく検出することができるような長さに設定することが望ましいことは言うまでもない。
【0038】
なお、本発明では、脈動位相計測装置5によって計測された脈動が所定の大きさを越えた場合にのみ、駆動回路2が、計測周期全体の長さを流体中に発生する脈動の1周期のほぼ整数倍またはその1周期の長さよりも長くするようにしてもよい。このようにすることにより、脈動が発生していない場合あるいは脈動の発生状態が流量計測に対して実質的に誤差を生じさせない程度の状態の場合には、計測時間を長くするという動作を省略し、さらなる低消費電力化を図ることも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、計測周期の長さを流体中に発生する脈動の1周期の長さよりも長くすることによって、その計測周期中に音波の伝搬タイミングを偏りなく分布させて、脈動の一周期中における複数時点での超音波の伝搬時間を測定し、その結果、1つの計測周期内で計測される流体の流速または流量の計測値を、誤差の少ない値すなわち脈動の影響を受けない場合に想定される真値に近い値とすることができる。しかも、その時間間隔中には駆動電力の供給を停止あるいは最低限の値にまで低減させることにより、全体的な消費電力量のさらなる低減化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るガスメータの主要部の構成を示す図である。
【図2】超音波の伝搬タイミングの分布状態およびガス流中の脈動の発生状態を模式的に示す図である。
【図3】時間間隔の長さをさらに長くすることによって計測周期の長さをガス中に発生する脈動の1周期の長さの整数倍以上に長くした場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b─超音波発/受振器、2─駆動回路、3─流量計測回路、4─電力供給回路、5─脈動位相計測装置、10─圧力センサ
Claims (9)
- 計測手段を駆動して、流体中に音波を伝搬させることを1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返して、前記計測周期内の音波の伝搬時間の累積値を計測し、該累積値に基づいて前記計測周期内での前記流体の流速または流量を計測する流量計測方法において、
前記計測周期の長さを前記流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の長さよりも長くし、かつ前記時間間隔中には前記計測手段に対する駆動電力の供給を停止または低減すると共に、前記流体中に発生する脈動の位相を計測し、該位相に対して前記音波の伝搬の繰り返しの位相が異なるように前記時間間隔を設定し、前記上流から下流へと音波を伝搬させる計測周期と下流から上流へと前記音波を伝搬させる計測周期とで等しくなるように前記伝搬の繰り返し回数および前記時間間隔を設定することを特徴とする流量計測方法。 - 計測手段を駆動して、流体中に音波を伝搬させることを1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返して、前記計測周期内の音波の伝搬時間の累積値を計測し、該累積値に基づいて前記計測周期内での前記流体の流速または流量を計測する流量計測方法において、
前記計測周期全体の長さが前記流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の長さよりも長くなるように前記時間間隔を長く取り、かつ前記時間間隔中には前記計測手段に対する駆動電力の供給を停止または低減することを特徴とする流量計測方法。 - 前記時間間隔を、前記音波の伝搬の際に生じる反射波が前記伝搬時間の累積値の計測に対して影響を与えることを避けるような長さに設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の流量計測方法。
- 前記流体における脈動を検知し、該脈動が所定の大きさを越えた場合にのみ、前記計測周期全体の長さが前記流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の長さよりも長くすることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の流量計測方法。
- 流体中に音波を伝搬させる音波伝搬手段と、1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返すように前記音波伝搬手段を駆動する駆動手段と、前記音波の伝搬時間の累積値を計測し、前記累積値に基づいて前記計測周期内での前記流体の流速または流量を計測する流量計測手段と、前記音波伝搬手段および前記駆動手段ならびに前記流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対して駆動用電力を供給する電力供給手段と、前記流体中に発生する脈動の位相を計測する脈動位相計測手段とを有する流量計測装置であって、
前記駆動手段が、前記計測周期の長さを前記流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の整数倍以上にすると共に、前記位相に対して前記音波の伝搬の繰り返しの位相が異なるように前記時間間隔を設定し、上流から下流へと前記音波を伝搬させる計測周期と下流から上流へと前記音波を伝搬させる計測周期とで等しくなるように前記伝搬の繰り返し回数および前記時間間隔を設定するものであり、
前記電力供給手段が、前記時間間隔中には前記音波伝搬手段および前記駆動手段ならびに前記流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対する駆動電力の供給を停止または低減することを特徴とする流量計測装置。 - 流体中に音波を伝搬させる音波伝搬手段と、1つの計測周期内で時間間隔を置きながら複数回繰り返すように前記音波伝搬手段を駆動する駆動手段と、前記音波の伝搬時間の累積値を計測し、前記累積値に基づいて前記計測周期内での前記流体の流速または流量を計測する流量計測手段と、前記音波伝搬手段および前記駆動手段ならびに前記流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対して駆動用電力を供給する電力供給手段とを有する流量計測装置において、
前記駆動手段が、前記計測周期全体の長さが前記流体中に発生する脈動の1周期の整数倍または該1周期の長さよりも長くなるように前記時間間隔を長く取るものであり、
前記電力供給手段が、前記時間間隔中には前記音波伝搬手段および前記駆動手段ならびに前記流量計測手段のうち少なくともいずれか一つに対する駆動電力の供給を停止または低減するものであることを特徴とする流量計測装置。 - 前記駆動手段が、前記音波の伝搬の際に生じる反射波が前記伝搬時間の累積値の計測に対して影響を与えることを避けるような長さに前記時間間隔を設定するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の流量計測装置。
- 前記脈動位相計測手段が前記流体における脈動の大きさを計測し、該脈動が所定の大きさを越えた場合にのみ、前記駆動手段が前記計測周期全体の長さを前記流体中に発生する脈動の1周期の略整数倍または該1周期の長さよりも長くすることを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項に記載の流量計測装置。
- 前記流体が可燃性のガスであることを特徴とする請求項5乃至8いずれか1項に記載の流量計測装置。
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